JP7237154B2 - 基板温調装置及び基板温調方法 - Google Patents
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Description
しかし、本発明者らの鋭意検討したところによれば、大きな反りを解消するために吸引力を強くすると、ウェハと載置台との間を流れる気流によって局所的に冷えることがあり、ウェハを面内均一に加熱することができなくなることがある。この点は、吸引力が強くなるほどより顕著になる。また、吸引力を強くすると、ウェハの下面に傷等が生じるおそれがある。
さらにウェハと載置台の間に形成される空間内の空気の吸込み量が同じであっても上記空間の圧力は載置台の温度によって変わる。したがって、載置台の温度によって、ウェハの反りの矯正に必要な上記吸込み量も変わる。
図1及び図2は、第1実施形態に係る基板温調装置としての熱処理装置1の構成の概略を示す縦断面図及び横断面図である。
熱処理装置1は、図1及び図2に示すように筐体10内に、ウェハWを加熱処理する加熱部11と、ウェハWを冷却処理する冷却部12を備えている。図2に示すように筐体10の冷却部12近傍の両側面には、ウェハWを搬入出するための搬入出口13が形成されている。
また、熱板30の表面には、ウェハWを支持する突起としてのギャップピン33が複数設けられている。このギャップピン33は、図4に示すように、平面視において、熱板30の中心を軸とした円周上に等間隔で設けられている。なお、ギャップピン33の高さは、例えば0.05mm以上0.1mm以下である。
図3に示すように、熱板30における吸引孔34それぞれに対して、下方に延びる流路35が設けられている。各吸引孔34は、流路35を介して環状流路36に接続されている。環状流路36は、吸引孔34の配列方向に沿って環状に形成されており、吸引機構100が接続されている。
真空エジェクタ110の低圧口110aから吸引された空気と高圧口110bに供給された高速の圧縮空気は、出口110cから排気配管152へ排出される。
また、主供給配管151には、高速のエアの流量を調節するスピードコントローラ113が設けられている。主供給配管151におけるスピードコントローラ113の上流側には、上流側から順に、フィルタ114、レギュレータ115、遮断弁116が設けられている。フィルタ114は、エア供給源(図示せず)からのエア内の異物を除去する。レギュレータ115は、一次側の圧力によらず二次側のエアの圧力を所定の圧力に調整するものである。遮断弁116は、レギュレータ115を介したエアの供給を遮断するか否か切り替えるためのものである。
この第1の配管153aには、上流側から順にスピードコントローラ117、切替弁118が設けられている。スピードコントローラ117は、第1の配管153aを通じて吸込配管150に供給するエアの流量を調節する。切替弁118については後述する。
吸引機構100の各モードでの動作について、図6~図10を用いて説明する。なお、これらの図では、吸引孔34から吸い込まれた空気や圧縮空気の供給源(図示せず)からの圧縮空気が流通している管を太線で示すことで、一部の弁の開閉については説明を省略する。
通常VACモードでは、図6に示すように、遮断弁116が開状態とされると共に、吸引切替弁111、切替弁118、切替弁120のうち、吸引切替弁111のみがON状態とされる。この場合、真空エジェクタ110には、スピードコントローラ113により制御された流量(例えば40L/min)のエアが供給されることで、当該真空エジェクタ110の低圧口110aには、吸込流量V(例えば15L/min)の吸込流が発生する。そして、スピードコントローラ117により制御された流量D(例えば13L/min)のエアが、切替弁118を介して吸込配管150に供給(パージ)されるので、吸引孔34を介した吸込み空気の流量Qは小さくなる(例えば、Q=V-D=15-13=2L/minとなる)。
高VACモードでは、図7に示すように、遮断弁116が開状態とされると共に、吸引切替弁111、切替弁118、切替弁120のうち、吸引切替弁111及び切替弁118がON状態とされる。この場合、真空エジェクタ110の低圧口110aに生じる吸込み流の吸込流量Vは通常VACモードと同様であるが、切替弁118がON状態であるため、スピードコントローラ119により制御された流量A(例えば7L/min)のエアが吸込配管150に供給される。そのため、吸引孔34における吸込み空気の流量Qは通常VACモードより大きくなる(例えば、Q=V-A=15-7=8L/minとなる)。つまり、高VACモードでは、ウェハWの吸引力が、通常VACモード時の吸引力(以下、「通常吸引力」という。)より強い、強吸引力となる。
超高VACモードでは、図8に示すように、遮断弁116が開状態とされると共に、吸引切替弁111、切替弁118、切替弁120の全てがON状態とされる。この場合、真空エジェクタ110の低圧口110aに生じる吸込み流の吸込流量Vは通常VACモード等と同様であるが、切替弁118、120がON状態であるため、吸引力調整のためのエアは吸込配管150に供給されない。そのため、吸引孔34における吸込み空気の流量Qは高VACモードよりさらに大きくなる(例えば、Q=V=15L/minとなる)。つまり、超高VACモードでは、ウェハWの吸引力が高VACモードよりさらに強い、超強吸引力となる。
VAC-OFFモードでは、図9に示すように、遮断弁116が開状態とされるが、吸引切替弁111がOFF状態とされる。このモードでは、吸引孔34を介した空気の吸い込みは行われない。
このモードでは、図10に示すように、VAC-OFFモードと同様に吸引切替弁111がOFF状態とされる他、VAC-OFFモードとは異なり、遮断弁116が閉状態とされる。このモードでは、真空エジェクタ110にエアが供給されないため、ウェハWの吸着が必要ない場合に、当該モードで動作することにより、エアの消費量を抑えることができる。
なお、1つの半導体製造装置に、複数の熱処理装置1を搭載することがあり、このときに、圧縮空気の供給源が、熱処理装置1間で共通とされる場合、具体的には、熱処理装置1の吸引機構100間で共通とされる場合がある。この場合において、各吸引機構100にレギュレータ115を設けていないと、一の吸引機構100をアイドルモードとしたりアイドルモードから復帰させたりしたときに、他の吸引機構100においてエアの流量が変動する。その結果、吸引力が不足し熱処理中にウェハWの吸着やウェハWの反りの矯正が解消されてしまったり、吸引力が過多になりウェハWと熱板30との間を流れる気流によって熱処理の面内均一性が損なわれたりすることがある。これらを防ぐため、吸引機構100にレギュレータ115が設けられている。
ウェハWが凹形状すなわち下に凸形状の反りを有し、その反り量が例えば数百μm以上と大きい場合、熱処理に際し、まず第1の吸引力でウェハWを吸引し、反りを矯正させて熱板30に吸着させた後、第1の吸引力より弱い第2の吸引力に切り替えてウェハWを吸引する。
熱板30にウェハWが載置されてから所定時間経過後(例えば数秒経過後)、吸引機構100は超高VACモードから高VACモードへ動作を切り替える。これにより、ウェハWに作用する吸引力が変化し、第2の吸引力としての強吸引力がウェハWに作用する。このように変化させても、ウェハWの反りの矯正は超強吸引力で吸着させたときと同等になるよう、上記強吸引力は設定されている。
ウェハWの加熱の終了後、吸引機構100はVAC-OFFモードへ動作を切り替え、ウェハWの吸着及び反りの矯正を解消する。その後、昇降ピン40が上昇し、熱板30上からウェハWが搬出される。
ウェハWが凹形状の反りを有し、その反り量が例えば100μm程度と小さい場合、前述の反り量が大きい場合と同様、熱処理に際し、第1の吸引力でウェハWを吸引し、反りを矯正させて熱板30に吸着させた後、第1の吸引力より弱い第2の吸引力で吸引する。ただし、前述の反り量が大きい場合とは、第1及び第2の吸引力の強さが異なる。
熱板30にウェハWが載置されてから所定時間経過後(例えば数秒経過後)、吸引機構100は高VACモードから通常VACモードへ動作を切り替える。これにより、ウェハWに作用する吸引力が変化し、第2の吸引力としての通常吸引力がウェハWに作用する。このように変化させても、ウェハWの反りの矯正は強吸引力で吸着させたときと同等になるよう、上記通常吸引力は設定されている。
ウェハWの加熱の終了後、吸引機構100はVAC-OFFモードへ動作を切り替え、ウェハWの吸着及び反りの矯正を解消する。その後、昇降ピン40が上昇し、熱板30上からウェハWが搬出される。
ウェハWが上方に突出する凸形状の反りを有する場合、ウェハWが凹形状の反りを有する場合と異なり、熱処理に際し、吸引力を途中で変化させずに、弱い吸引力でウェハを一定に吸引する。
さらにまた、本実施形態では、上述のように吸引力調整ガスを吸込配管150に供給することでウェハWの吸引力を調整している。したがって、最大吸引力を生む用力を供給した状態で、吸引力調整ガスの吸込配管150への供給と供給停止とを切り替えることで、すなわち、上記供給と供給停止を切り替えるバルブの単純な開閉を行うことで、ウェハWの吸引力の大きさを切り替えることができる。したがって、特許文献1のように吸引力の切替をダンパの開度で行う場合に比べて、吸引力の切替時の応答性が高い。また、特許文献1のようにダンパの開度で吸引力を切り替える場合、ダンパの僅かな開度のばらつきで吸引力がばらつくが、本実施形態のように吸引力調整ガスで吸引力を切り替えることで、吸引力のばらつきのリスクを低くすることができる。すなわち、吸引力の再現性を高くすることができる。
図11は、第2実施形態に係る基板温調装置としての熱処理装置2の構成の概略を示す縦断面図である。
図11の熱処理装置2は、ウェハWの反りの状態を検出するための反り状態検出部としての距離センサ80を有する。距離センサ80は、冷却部12の上方に設けられており、冷却板60上に載置されたウェハWの反りの状態、すなわち、加熱部11で加熱処理される前のウェハWの反りの状態を検出するためのものである。
すなわち、第1実施形態では、ウェハWの反りの状態に応じて、異なる熱処理を行うよう構成され、いずれの熱処理が行われるかは、ロット毎にユーザにより設定されていた。それに対し、本実施形態では、距離センサ80による測定結果から検出されるウェハWの反りの状態に応じて、制御部70が、いずれの熱処理を行うか決定する。特に、制御部70は、ウェハWが凹形状に反っている場合、反り量に基づいて、前述の第1の吸引力と第2の吸引力とを決定する。具体的には、例えば、制御部70は、凹形状のウェハWの反り量が所定の閾値を超えている場合には、第1の吸引力が前述の超強吸引力となり、第2の吸引力が前述の強吸引力となるように、第1の吸引力と第2の吸引力とを決定する。つまりは、吸引機構100の動作モードとして、超高VACモードと高VACモードとを用い熱処理の途中で超高VACモードから高VACモードに切り替えるよう制御部70は動作順序を決定する。また、凹形状のウェハWの反り量が所定の閾値を超えていない場合は、第1の吸引力が前述の強吸引力となり、第2の吸引力が前述の通常吸引力となるように、第1の吸引力と第2の吸引力とを決定する。つまりは、吸引機構100の動作モードとして、高VACモードと通常VACモードとを用い熱処理の途中で高VACモードから通常VACモードに切り替えるよう制御部70は動作順序を決定する。
また、第1の吸引力が適切な吸引力となるため、ウェハWを面内均一に加熱できる他、ウェハWに傷等が生じる可能性を低減させることができる。また、第2の吸引力が適切な吸引力となるため、ウェハWを面内均一に加熱できる他、エアの消費量を削減することができる。
例えば、上述の例では、凹形状のウェハWの反り量が所定の閾値を超えている場合、第1の吸引力が前述の超強吸引力とされ、第2の吸引力が前述の強吸引力とされるが、これら超強吸引力及び強吸引力を、反り量に応じて補正してもよい。この補正は、例えば、反り量が大きいほど吸引力が大きくなるように行われる。
なお、凹形状のウェハWの反り量が所定の閾値を超えていない場合や、凸形状のウェハWの場合についても、同様に、ウェハWの反り量に応じて吸引力を補正してもよい。
図12は、第2実施形態の変形例に係る基板温調装置としての熱処理装置2の構成の概略を示す縦断面図である。
図12の熱処理装置2は、熱板30内に当該熱板30の温度を測定する温度センサ90が設けられている。
ところで、ウェハWと載置台としての熱板30の間に形成される空間内の空気の吸込み量が同じであっても、上記空間の圧力P、すなわちウェハWに作用する吸引力は、熱板30の温度が上昇すると強くなる。上記圧力Pは、気体の粘度をμ、気体の密度をρとしたときに、μ/ρに比例する。そして、気体の温度が上がると、粘度μが増加し、密度ρが低下するため、上記圧力Pは増加する。具体的には、熱板30の温度をT、室温をT0としたときに、上記Pは(T/T0)5/3に比例する。
そこで、本例では、温度センサ90で測定された熱板30の温度Tに応じて、ウェハWに作用させる吸引力を補正する。
例えば、凹形状のウェハWの反り量が所定の閾値を超えている場合、第1の吸引力が前述の超強吸引力とされ、第2の吸引力が前述の強吸引力とされるが、これら超強吸引力及び強吸引力を、熱板30の温度に応じて補正してもよい。この補正は、温度が高いほど吸引力が小さくなるように、当該吸引力すなわち吸引力調整ガスとしてのエアの流量を補正する。
なお、凹形状のウェハWの反り量が所定の閾値を超えていない場合や、凸形状のウェハWの場合についても、同様に、熱板30の温度に応じて吸引力を補正してもよい。
図13は、第3実施形態に係る基板温調装置としての熱処理装置が備える吸引機構200の構成の概略を示す説明図である。
図13に示すように、本実施形態にかかる吸引機構200は、吸引力発生部201と、吸引力調整部202とを有する。
吸引力発生部201では、ブロアファンBの動作により、ウェハWの周囲の空気が、吸引孔34を介して吸込配管250に吸い込まれ、ウェハWを吸引する吸引力が生じる。
吸込配管250に吸引された空気は、上記ダクトDへ排出される。
第1の配管251aには、上流側から順に、フィルタ114、レギュレータ115、遮断弁116、スピードコントローラ211が設けられている。スピードコントローラ211は、当該スピードコントローラ211を介して吸込配管250に供給するエアの流量を調節する。
吸引機構の各モードでの動作について、図14~図18を用いて説明する。なお、これらの図では、吸引孔34から吸い込まれた空気や圧縮空気の供給源(図示せず)からの圧縮空気が流通している管を太線で示すことで、一部の弁の開閉については説明を省略する。
通常VACモードでは、図14に示すように、遮断弁116が開状態とされると共に、吸引切替弁210、切替弁213、切替弁215のうち、吸引切替弁210のみがON状態とされる。このとき、ブロアファンBの出力すなわちブロアファンBによる吸引量Vと、スピードコントローラ211により制御されるエアの流量Cは、吸込配管250の下流端における吸込流の流量が一定値になるよう調整されている。つまり、V-C=一定(例えば15L/min)になるように調整されている。このように調整されているのは、各吸引機構200でブロアファンBを共有した場合に、吸引機構200間で、当該ブロアファンBによる吸込み流量に差が出てくることがあるからである。
また、スピードコントローラ212により制御された流量D(例えば13L/min)のエアが、切替弁213を介して吸込配管250に供給(パージ)される。したがって、吸引孔34を介した吸込み空気の流量Qは小さくなる(例えば、Q=(V-C)-D=15-13=2L/minとなる)。
高VACモードでは、図15に示すように、遮断弁116が開状態とされると共に、吸引切替弁210、切替弁213、切替弁215のうち、吸引切替弁210及び切替弁213がON状態とされる。この場合、吸込配管250の下流端における吸込流の流量は通常VACモードと同様であるが、切替弁213がON状態であるため、スピードコントローラ212により制御された流量A(例えば7L/min)のエアが吸込配管250に供給される。そのため、吸引孔34における吸込み空気の流量Qは通常VACモードより大きくなる(例えば、Q=(V-C)-A=15-7=8L/minとなる)。つまり、高VACモードでは、ウェハWの吸引力が、通常吸引力すなわち通常VACモード時の吸引力より強い、強吸引力となる。
超高VACモードでは、図16に示すように、遮断弁116が開状態とされると共に、吸引切替弁210、切替弁213、切替弁215の全てがON状態とされる。この場合、吸込配管250の下流端における吸込流の流量は通常VACモード等と同様であるが、切替弁213、215がON状態であるため、切替弁213から吸込配管250へのエアの供給は行われない。そのため、吸引孔34における吸込み空気の流量Qは高VACモードよりさらに大きくなる(例えば、Q=V-C=15L/minとなる)。つまり、超高VACモードでは、ウェハWの吸引力が高VACモードよりさらに強い、超強吸引力となる。
VAC-OFFモードでは、図17に示すように、遮断弁116が開状態とされるが、吸引切替弁210がOFF状態とされる。このモードでは、吸引孔34を介した空気の吸い込みは行われない。ただし、ブロアファンBは、他の熱処理装置の吸引機構200と共有されているため動作を続けるので、吸込配管250には吸引切替弁210を介して外気が吸い込まれる。
このモードでは、図18に示すように、VAC-OFFモードと同様に吸引切替弁210がOFF状態とされる他、VAC-OFFモードとは異なり、遮断弁116が閉状態とされる。このモードでは、吸込配管250にエアが供給されないため、ウェハWの吸着が必要ない場合に、当該モードで動作することにより、エアの消費量を抑えることができる。
なお、圧縮空気の供給源を、他の熱処理装置の吸引機構200と共有しても、レギュレータ115が設けられているため、一の吸引機構200をアイドルモードとしたりアイドルモードから復帰させたりしたときに、他の吸引機構200においてエアの流量が変動しない。そのため、熱処理中にウェハWの吸着やウェハWの反りの矯正が解消されてしまうのを防ぐことができる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、吸引力調整ガスとしてのエアを吸込配管250に供給しているため、熱板30へのウェハWの吸着を適切な吸引力で行うことができる。
図19は、参考の実施形態に係る熱処理装置300の構成の概略を示す説明図である。
図19の熱処理装置300は、ギャップピン33、吸引孔34、環状流路36等を有する熱板30と、ウェハWを吸引しその反りを矯正して熱板30に吸着する吸引機構310と、を備える。さらに、熱処理装置300は、図11の例と同様に、ウェハWの反りの状態を検出するための反り状態検出部としての距離センサ80を備え、また、図12の例と同様に、熱板30の温度を測定する温度センサ90を備える。
低圧口311aには、熱板30の環状流路36に連通する、すなわち、吸引孔34に連通する吸込配管350が接続されている。吸込み配管350には圧力センサ112が接続されている。また、高圧口311bには、エアの供給源(図示せず)に通ずる供給配管351が接続されている。供給配管351には、電空レギュレータ312が介設されている。出口311cには、工場排気系に通ずる排気配管352が接続されている。
真空エジェクタ311の低圧口311aから吸引された空気と高圧口311bに供給された高速の圧縮空気は、出口311cから排気配管352へ排出される。
基板が載置される載置台と、
前記載置台に載置された基板の温度を調節するために当該載置台の温度を調節する温調部と、
基板を吸引する吸引力を発生させ、温度が調節された前記載置台に当該基板を吸着させるものであり、基板の周囲の空気を吸い込む吸込配管を有する吸引力発生部と、
前記吸引力を調整する吸引力調整ガスを前記吸引力発生部に供給する調整ガス配管を有する吸引力調整部と、を備える、基板温調装置。
前記(1)によれば、吸引力を調節することができるため、適切な吸引力で基板の反りを矯正して当該基板を吸着させることができる。そのため、基板を面内均一に温度処理することができ、基板に傷等が生じるのを防止することができる。
前記吸引力調整部は、前記吸引力調整ガスの供給量を調整するガス供給量調整機構を有し、
当該基板温調装置は、基板に作用する前記吸引力が、当該基板が前記載置台に吸着された後に、前記第1の吸引力から前記第2の吸引力に切り替わるよう、前記ガス供給量調整機構を制御する制御部を備える、前記(1)に記載の基板温調装置。
前記(2)によれば、より面内均一に基板を温度処理することができる。また、吸引力の発生にガスを用いる場合、そのガスの消費量を抑えることができる。
前記(3)によれば、より適切な吸引力で基板の反りを矯正して当該吸着させることができる。そのため、より面内均一に基板を温度処理することができ、基板に傷等が生じる可能性をより低減させることができる。
前記(4)によれば、より適切な吸引力で基板の反りを矯正して当該吸着させることができる。
前記真空エジェクタに通流されるガスと前記吸引力調整ガスは、同一のガス供給源から供給され、
前記調整ガス配管は、前記ガス供給源と前記真空エジェクタとを接続する主供給配管から当該基板温調装置内において分岐したものである、前記(1)~(4)のいずれか1に記載の基板温調装置。
前記(5)によれば、真空エジェクタに通量させるガスと、吸引力調整ガスとで別々にガス系統を設ける必要がなく、1つのガス系統で足りるため、容易に設置することができる。また、調整ガス配管から、吸込配管を逆流するようにエアを供給することで吸込配管の清掃を行うことができる。
前記(6)によれば、吸引力調整ガスの消費量を抑えることができ、また、吸引力調整ガスの供給を停止したときに他の装置の吸引力調整ガスの供給に影響が及ぶのを防ぐことができる。
前記吸込配管は、基板の周囲の吸込みと外気の吸込みとを切り替える切替弁を有する、前記(1)~(4)のいずれか1に記載の基板温調装置。
前記(7)によれば、ブロアファンまたは真空ポンプを複数の基板温調装置で共有しても、一の基板温調装置における、ブロアファンまたは真空ポンプによる、基板の周囲の吸込みの停止が、他の基板温調装置における同吸込みに影響を及ぼすことがない。したがって、ブロアファン等を基板温調装置毎に設ける必要がないため、設置コストを削減することができる。
基板が載置される載置台の温度を調節する温度調節工程と、
温度が調節された前記載置台に基板を載置する載置工程と、
前記載置台上の基板の周囲からの、吸込配管を有する吸引力発生部の空気の吸い込みによる吸引力で、前記載置台に基板を吸着させる吸着工程と、を有し、
前記吸着工程は、前記吸引力発生部へ吸引力調整ガスを供給して、前記吸引力を調整する吸引力調整工程を有する、基板温調方法。
30 熱板
31 ヒータ
101、201 吸引力発生部
102、202 吸引力調整部
150、250 吸込配管
153、251 調整ガス配管
W ウェハ
Claims (11)
- 基板の温度を調節する基板温調装置であって、
基板が載置される載置台と、
前記載置台に載置された基板の温度を調節するために当該載置台の温度を調節する温調部と、
基板を吸引する吸引力を発生させ、温度が調節された前記載置台に当該基板を吸着させるものであり、基板の周囲の空気を吸い込む吸込配管を有する吸引力発生部と、
前記吸引力を調整する吸引力調整ガスを前記吸引力発生部に供給する調整ガス配管を有する吸引力調整部と、を備え、
前記吸引力発生部は、ガスが通流されることにより前記吸引力を発生させる真空エジェクタを1つのみ有し、
前記真空エジェクタに通流されるガスと前記吸引力調整ガスは、同一のガス供給源から供給され、
前記調整ガス配管は、
前記ガス供給源と前記真空エジェクタとを接続する主供給配管から当該基板温調装置内において分岐したものであり、
前記吸引力調整ガスの供給量を調整するガス供給量調整機構を構成する、前記吸引力調整ガスの流量を調整するスピードコントローラと前記吸引力調整ガスの流量を切り替える切替弁と、が設けられている、基板温調装置。 - 前記吸引力は、第1の吸引力と、前記第1の吸引力より弱い第2の吸引力とを含み、
当該基板温調装置は、基板に作用する前記吸引力が、当該基板が前記載置台に吸着された後に、前記第1の吸引力から前記第2の吸引力に切り替わるよう、前記ガス供給量調整機構を制御する制御部を備える、請求項1に記載の基板温調装置。 - 前記制御部は、前記載置台に吸着される前の基板の反りの状態に応じて、前記第1の吸引力及び前記第2の吸引力を決定する、請求項2に記載の基板温調装置。
- 前記制御部は、前記載置台に吸着される前の基板の反り量及び前記載置台の温度の少なくともいずれか一方に基づいて、前記第1の吸引力及び前記第2の吸引力の少なくともいずれか一方を補正する、請求項2または3に記載の基板温調装置。
- 前記調整ガス配管は、前記主供給配管から分岐され前記スピードコントローラが設けられた第1の配管と、前記第1の配管の前記スピードコントローラをバイパスし前記スピードコントローラが設けられた第2の配管と、を有し、
前記切替弁は、前記第1の配管と前記第2の配管の中で、前記吸引力発生部と連通させる配管を切り替える、請求項1または2に記載の基板温調装置。 - 前記調整ガス配管は、前記主供給配管から分岐され前記スピードコントローラが設けられた第1の配管と、前記第1の配管の前記スピードコントローラをバイパスし前記スピードコントローラが設けられた第2の配管と、を有し、
前記切替弁は、前記第1の配管と前記第2の配管の中で、前記吸引力発生部と連通させる配管を切り替え、
前記制御部は、前記切替弁を制御することにより、前記第1の吸引力から前記第2の吸引力に切り替えさせる、請求項3または4に記載の基板温調装置。 - 前記主供給配管における、前記調整ガス配管への分岐点より上流側に遮断弁、当該遮断弁より上流側に圧力レギュレータを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の基板温調装置。
- 基板の温度を調節する基板温調方法であって、
基板が載置される載置台の温度を調節する温度調節工程と、
温度が調節された前記載置台に基板を載置する載置工程と、
前記載置台上の基板の周囲からの、吸込配管を有する吸引力発生部の空気の吸い込みによる吸引力で、前記載置台に基板を吸着させる吸着工程と、を有し、
前記吸着工程は、調整ガス配管を介して前記吸引力発生部へ吸引力調整ガスを供給して、前記吸引力を調整する吸引力調整工程を有し、
前記吸引力発生部は、ガスが通流されることにより前記吸引力を発生させる真空エジェクタを1つのみ有し、
前記真空エジェクタに通流されるガスと前記吸引力調整ガスは、同一のガス供給源から供給され、
前記調整ガス配管は、
前記ガス供給源と前記真空エジェクタとを接続する主供給配管から分岐したものであり、
前記吸引力調整ガスの供給量を調整するガス供給量調整機構を構成する、前記吸引力調整ガスの流量を調整するスピードコントローラと前記吸引力調整ガスの流量を切り替える切替弁と、が設けられ、
前記吸引力調整工程は、前記切替弁による前記吸引力調整ガスの流量の切り替えにより、前記吸引力を調整する、基板温調方法。 - 前記吸引力調整工程は、前記載置台への基板の吸着後に、第1の吸引力から当該第1の吸引力より弱い第2の吸引力に切り替わるよう、前記吸引力発生部への前記吸引力調整ガスの供給量を調整する、請求項8に記載の基板温調方法。
- 前記載置台に吸着される前の基板の反りの状態に応じて、前記第1の吸引力及び前記第2の吸引力を決定する工程を有する、請求項9に記載の基板温調方法。
- 前記載置台に吸着される前の基板の反り量及び前記載置台の温度の少なくともいずれか一方に基づいて、前記第1の吸引力及び前記第2の吸引力を補正する、請求項9または10に記載の基板温調方法。
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