JP7236962B2 - タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 - Google Patents

タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンタル酸リチウム単結晶の製造方法に関する。
タンタル酸リチウム単結晶は、大きな圧電特性を有しており、弾性表面波(SAW)デバイスに使用されている。SAWデバイスは、例えば、スマートフォンの分波器やRF(高周波)フィルタ等に使用される。SAWデバイスは、半導体プロセスと異なり、ウエハ工程数が少ないので、ウエハを大型化するメリットはそれほど大きくはない。しかし、SAWデバイスのウエハ工程の装置は、半導体と同じ仕様、又は類似品である。半導体のウエハの大型化に伴い、小型の半導体のウエハの製造装置の製造が中止される場合があるので、半導体のウエハの大型化に合わせて、SAW用のウエハを大型化せざるを得ない。このため、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法が必要となる。
タンタル酸リチウムの大型単結晶を育成するとき、多くの場合、チョクラルスキー法でタンタル酸リチウム単結晶は育成される。チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム単結晶は、結晶の成長歪み、熱歪み等の結晶歪みを有しているので、熱処理によりそれを除去する必要がある。特に、熱膨張係数の異方性によりタンタル酸リチウム単結晶は割れやすい結晶であるので、タンタル酸リチウム単結晶から結晶歪みを十分に除去する必要がある。タンタル酸リチウム単結晶の結晶歪みを除去する方法として、例えば、特許文献1に記載されている酸化物単結晶の熱処理方法が従来技術として知られている。特許文献1に記載されている酸化物単結晶の熱処理方法では、直径50mmのタンタル酸リチウム単結晶を高温で熱処理することにより、タンタル酸リチウム単結晶から結晶歪みを除去している。
特公昭56-36160号公報
しかしながら、直径が7.5cm以上の大口径のタンタル酸リチウム単結晶を、特許文献1に開示されている条件で熱処理をした場合、熱処理後にタンタル酸リチウム単結晶を取り出すときに、タンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生する場合があった。また、熱処理後にタンタル酸リチウム単結晶を取り出すときに、タンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生しない場合でも、タンタル酸リチウム単結晶の端面部を切断したときにクラックが発生したり、タンタル酸リチウム単結晶のポーリング処理の後、タンタル酸リチウム単結晶を取り出すときにクラックが発生したりする場合があった。これは、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の場合、特許文献1に記載されている酸化物単結晶の熱処理方法では、タンタル酸リチウム単結晶の結晶歪みを十分には除去できないためであると考えられる。
そこで、本発明は、従来のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法に比べて、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の結晶歪みをより大きく除去できるタンタル酸リチウム単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
当業者であれば、大口径のタンタル酸リチウム単結晶に発生するクラックを抑制するため、特許文献1に記載されているアニールの条件よりもアニール温度までの昇温速度を小さくしたり、アニール温度での保持時間を長くしたり、アニール温度からの降温速度を小さくしたりすることを通常考える。しかしながら、そうすると、熱処理にかかる時間が非常に長くなる。
本発明者らは大口径のタンタル酸リチウム単結晶に発生するクラックについて鋭意検討した結果、育成した単結晶の直径の3乗の値と熱処理工程において熱処理温度まで温度を上昇させるときの昇温速度とをかけ算して得られる値が所定範囲内になるような条件下で、熱処理を行うことにより、熱処理にかかる時間を非常に長くすることなく、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、
[1]チョクラルスキー法により単結晶を育成する単結晶育成工程と、単結晶育成工程で育成した単結晶を1300℃以上1450℃以下の熱処理温度で熱処理する熱処理工程と、熱処理工程で熱処理した単結晶の端面部を切断する端面部切断工程と、端面部切断工程で端面部を切断した単結晶を600℃以上750℃以下の単結晶の相転移温度以上の温度まで加熱した後、直流電界を印加しながら単結晶を冷却することにより単結晶をポーリングするポーリング処理工程とを含み、結晶育成工程で育成した単結晶の直径をAcmとし、熱処理工程で熱処理温度まで単結晶の温度を上昇させるときの昇温速度をB℃/minとした場合、次の式(1)の関係を満たすことを特徴とするタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
1000≦(A×B)≦6000 (1)
[2]熱処理工程において、熱処理温度で単結晶を熱処理した後、単結晶を冷却するときの降温速度をC℃/minとした場合、次の式(2)の関係を満たすことを特徴とする上記[1]に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
800≦(A×C)≦4000 (2)
[3]結晶育成工程で育成した単結晶の直径が7.5cm以上12.5cm未満の場合、熱処理工程において、8時間以上16時間以下の熱処理時間で単結晶を熱処理することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
[4]結晶育成工程で育成した単結晶の直径が12.5cm以上17.5cm未満の場合、熱処理工程において、12時間以上24時間以下の熱処理時間で単結晶を熱処理することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
[5]結晶育成工程で育成した単結晶の直径が17.5cm以上22.5cm以下の場合、熱処理工程において、16時間以上32時間以下の熱処理時間で単結晶を熱処理することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
[6]ポーリング処理工程で600℃以上750℃以下の単結晶の相転移温度以上の温度まで単結晶の温度を上昇させるときの昇温速度をD℃/minとした場合、次の式(3)の関係を満たすことを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか1つに記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
1000≦(A×D)≦5000 (3)
[7]ポーリング処理工程において、600℃以上750℃以下の単結晶の相転移温度以上の温度から単結晶を冷却するときの降温速度をE℃/minとした場合、次の式(4)の関係を満たすことを特徴とする上記[1]~[6]のいずれか1つに記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
500≦(A×E)≦2500 (4)
[8]ポーリング処理工程において、600℃以上750℃以下の単結晶の相転移温度以上の温度で0.5時間以上6時間以下保持した後、単結晶を冷却することを特徴とする上記[1]~[7]のいずれか1つに記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
本発明によれば、従来のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法に比べて、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の結晶歪みをより大きく除去できるタンタル酸リチウム単結晶の製造方法を提供することができる。
図1は単結晶の一例を示す模式図である。 図2は熱処理工程を説明するための模式図である。 図3はポーリング処理工程を説明するための模式図である。
[タンタル酸リチウム単結晶の製造方法]
本発明のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法は、チョクラルスキー法により単結晶を育成する単結晶育成工程と、単結晶育成工程で育成した単結晶を1300℃以上1450℃以下の熱処理温度で熱処理する熱処理工程と、熱処理工程で熱処理した単結晶の端面部を切断する端面部切断工程と、端面部切断工程で端面部を切断した単結晶を600℃以上750℃以下の単結晶の相転移温度以上の温度まで加熱した後、直流電界を印加しながら単結晶を冷却することにより単結晶をポーリングするポーリング処理工程とを含み、結晶育成工程で育成した単結晶の直径をAcmとし、熱処理工程で熱処理温度まで単結晶の温度を上昇させるときの昇温速度をB℃/minとした場合、次の式(1)の関係を満たす。
1000≦(A×B)≦6000 (1)
これにより、従来のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法に比べて、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の結晶歪みをより大きく除去することができる。以下、各工程を詳細に説明する。
(単結晶育成工程)
単結晶育成工程では、チョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を育成する。チョクラルスキー法とは、ルツボ中の原料を抵抗加熱や高周波で加熱して融液を作製し、その表面に種子結晶をつけ、種子結晶をゆっくり回転させながら引き上げて、単結晶を育成させる方法である。タンタル酸リチウム単結晶の育成ではイリジウム製のルツボが使用される。種子結晶を引き上げ速度は、例えば2mm/hr以上10mm/hr以下である。結晶中の熱歪みや相転移による歪みを減少させるために、ルツボの上部にアフタヒータを設置してもよい。チョクラルスキー法により育成されるタンタル酸リチウム単結晶の直径は、例えば7.5cm以上22.5cm以下である。
図1を参照して、単結晶育成工程で育成された単結晶の一例を説明する。単結晶育成工程で育成された一例の単結晶10は、略円筒形状の円筒部11と、円筒部11の両端にあり、単結晶10の端面を有する端面部12,13とを含む。単結晶10の育成方向は、例えば、X方向に対して垂直な方向、かつY方向に対して36~42°傾けた方向、またはX方向である。なお、本明細書において、単結晶の直径は、単結晶の円筒部の直径である。また、単結晶の円筒部の直径が一定でない場合は、単結晶の直径は、単結晶の円筒部の直径の平均値である。
(熱処理工程)
熱処理工程では、単結晶育成工程で育成した単結晶を1300℃以上1450℃以下の熱処理温度で熱処理する。これにより、タンタル酸リチウム単結晶の成長歪み、熱歪み等の結晶歪みを十分に除去することができる。熱処理温度は1300℃以上1450℃以下である。熱処理温度が1300℃未満であると、タンタル酸リチウム単結晶から結晶歪みを十分には除去できない場合がある。熱処理温度を1450℃より大きくすると熱処理炉の負荷が大きくなり熱処理コストがかかりすぎてしまう場合がある。このような観点から熱処理温度は好ましくは1330℃以上1450℃以下であり、より好ましくは1350℃以上1450℃以下であり、さらに好ましくは1350℃以上1430℃以下であり、よりさらに好ましくは1350℃以上1420℃以下である。
図2を参照して、熱処理工程の一例を説明する。白金容器30の底にタンタル酸リチウム多結晶体の粉末20を敷き詰め、その上に、単結晶育成工程で得られたタンタル酸リチウム単結晶10を載せることが好ましい。これにより、単結晶10と白金容器30との間の熱膨張係数の相違から発生する歪みを抑制できる。そして、単結晶10を収容した白金容器30を不図示の抵抗加熱炉の中に配置して、単結晶10を熱処理することが好ましい。
結晶育成工程で育成した単結晶の直径をAcmとし、熱処理工程で熱処理温度まで単結晶の温度を上昇させるときの昇温速度をB℃/minとした場合、次の式(1)の関係を満たす。
1000≦(A×B)≦6000 (1)
(A×B)の値が1000未満であると、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の場合、熱処理後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したり、後述の端面部切断工程でクラックが発生したり、後述のポーリング処理工程で、ポーリングした後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したりする場合がある。(A×B)の値が6000よりも大きいと、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の場合、後述の端面部切断工程でクラックが発生する場合がある。このような観点から下記の式(1A)の関係を満たすことが好ましく、下記の式(1B)の関係を満たすことがより好ましい。
2000≦(A×B)≦5600 (1A)
3000≦(A×B)≦5300 (1B)
熱処理工程において、熱処理温度で単結晶を熱処理した後、単結晶を冷却するときの降温速度をC℃/minとした場合、次の式(2)の関係を満たすことが好ましい。なお、単結晶を放冷しても単結晶に歪みが発生しない温度まで、C℃/minの降温速度で単結晶を冷却することが好ましい。例えば400℃以上700℃以下の温度になるまでC℃/minの降温速度で単結晶を冷却することが好ましい。
800≦(A×C)≦4000 (2)
(A×C)の値が800以上であると、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の場合に、熱処理後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したり、後述の端面部切断工程でクラックが発生したり、後述のポーリング処理工程で、ポーリングした後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したりすることをさらに抑制できる。(A×C)の値が4000以下であると、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の場合に、熱処理後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したり、後述の端面部切断工程でクラックが発生したりすることをさらに抑制できる。このような観点から下記の式(2A)の関係を満たすことがより好ましく、下記の式(2B)の関係を満たすことがさらに好ましい。
1000≦(A×C)≦3600 (2A)
1500≦(A×C)≦3300 (2B)
結晶育成工程で育成した単結晶の直径が7.5cm以上12.5cm未満の場合、熱処理工程において、8時間以上16時間以下の熱処理時間で単結晶を熱処理することが好ましい。熱処理時間が8時間以上であると、直径が7.5cm以上12.5cm未満である単結晶において、熱処理後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したり、後述の端面部切断工程でクラックが発生したり、後述のポーリング処理工程で、ポーリングした後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したりすることをさらに抑制できる。また、熱処理時間が16時間以下であると、必要以上に熱処理時間が長くなることを抑制できる。このような観点から、熱処理時間は、より好ましくは9時間以上14時間以下であり、さらに好ましくは9時間以上12時間以下である。
結晶育成工程で育成した単結晶の直径が12.5cm以上17.5cm未満の場合、熱処理工程において、12時間以上24時間以下の熱処理時間で単結晶を熱処理することが好ましい。熱処理時間が12時間以上であると、直径が12.5cm以上17.5cm未満である単結晶において、熱処理後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したり、後述の端面部切断工程でクラックが発生したり、後述のポーリング処理工程で、ポーリングした後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したりすることをさらに抑制できる。また、熱処理時間が24時間以下であると、必要以上に熱処理時間が長くなることを抑制できる。このような観点から、熱処理時間は、より好ましくは12時間以上23時間以下であり、さらに好ましくは15時間以上22時間以下である。
結晶育成工程で育成した単結晶の直径が17.5cm以上22.5cm以下の場合、熱処理工程において、16時間以上32時間以下の熱処理時間で単結晶を熱処理することが好ましい。熱処理時間が16時間以上であると、直径が17.5cm以上22.5cm以下である単結晶において、熱処理後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したり、後述の端面部切断工程でクラックが発生したり、後述のポーリング処理工程で、ポーリングした後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生したりすることをさらに抑制できる。また、熱処理時間が32時間以下であると、必要以上に熱処理時間が長くなることを抑制できる。このような観点から、熱処理時間は、より好ましくは20時間以上31時間以下であり、さらに好ましくは23時間以上31時間以下である。
(端面部切断工程)
端面部切断工程では、熱処理工程で熱処理した単結晶の端面部を切断する。端面部を切断したタンタル酸リチウム単結晶は略円筒形状となる。例えば、図1に示す単結晶10において、単結晶10から端面部12,13を切断して、単結晶を円筒部11のみにする。
(ポーリング処理工程)
ポーリング処理工程では、端面部切断工程で端面部を切断した単結晶を600℃以上750℃以下の単結晶の相転移温度以上の温度まで加熱した後、直流電界を印加しながら単結晶を冷却することにより単結晶をポーリングする。結晶育成工程で育成した単結晶は多分域状態であるため、端面部切断工程で端面部を切断した単結晶は圧電性を示さない。このため、端面部切断工程で端面部を切断した単結晶をポーリングして単分域化する必要がある。ポーリング処理工程で単結晶を加熱するときの温度が600℃未満であると、単結晶の自発分極を十分に消失できず、単分域化が不十分になる場合がある。タンタル酸リチウムの相転移温度は約600℃であるので、ポーリング処理工程で単結晶を加熱するときの単結晶の相転移温度以上の温度を750℃よりも高い温度にする必要はない。このような観点から、ポーリング処理工程で単結晶を加熱するときの単結晶の相転移温度以上の温度は、好ましくは620℃以上720℃以下であり、より好ましくは630℃以上700℃以下である。
ポーリング処理工程の一例を、図3を参照して説明する。例えば、端面部切断工程で端面部12,13(図1参照)を切断した単結晶10(11)におけるZ軸に垂直な面またはZ軸成分を含む方向に垂直な面に電極41,42を形成する。電極41,42はリード線43,44を介して外部電極45と接続している。そして、単結晶10の相転移以上の温度に単結晶10を加熱する。その後、外部電極45を使用してZ軸(c軸)方向またはZ軸成分を含む方向に数V/cmの直流電界を印加しながら、単結晶10を徐冷する。
ポーリング処理工程で単結晶の相転移温度以上の温度まで単結晶の温度を上昇させるときの昇温速度をD℃/minとした場合、次の式(3)の関係を満たすことが好ましい。
1000≦(A×D)≦5000 (3)
(A×D)の値が1000以上であると、単結晶の相転移温度以上の温度まで単結晶の温度を上昇させるのに必要以上に時間がかかることを抑制できる。(A×D)の値が5000以下であると、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の場合、ポーリングした後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生することをさらに抑制できる。このような観点から下記の式(3A)の関係を満たすことがより好ましく、下記の式(3B)の関係を満たすことがさらに好ましい。
2000≦(A×D)≦4600 (3A)
2500≦(A×D)≦4300 (3B)
ポーリング処理工程において、単結晶の相転移温度以上の温度から単結晶を冷却するときの降温速度をE℃/minとした場合、次の式(4)の関係を満たすことが好ましい。なお、単結晶を放冷しても単結晶に歪みが発生しない温度まで、E℃/minの降温速度で冷却することが好ましい。例えば300℃以上650℃以下の温度になるまでE℃/minの降温速度で単結晶を冷却することが好ましい。
500≦(A×E)≦2500 (4)
(A×E)の値が500以上であると、単結晶の相転移温度以上の温度から単結晶を冷却するのに要する時間を短くすることができる。(A×E)の値が2500以下であると、大口径のタンタル酸リチウム単結晶の場合、ポーリング処理工程でポーリングした後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出しの際にクラックが発生することをさらに抑制できる。このような観点から下記の式(4A)の関係を満たすことがより好ましく、下記の式(4B)の関係を満たすことがさらに好ましい。
1000≦(A×E)≦2200 (4A)
1200≦(A×E)≦2000 (4B)
ポーリング処理工程において、単結晶の相転移温度以上の温度で0.5時間以上6時間以下保持した後、単結晶を冷却することが好ましい。単結晶の相転移温度以上の温度での保持時間が0.5時間以上であると、単分域化するのに自発分極を十分に消滅させることができる。単結晶の相転移温度以上の温度での保持時間が6時間以下であると、ポーリング処理工程が必要以上に長くなることを抑制できる。このような観点から、単結晶の相転移温度以上の温度での保持時間は、より好ましくは0.6時間以上5時間以下であり、さらに好ましくは0.6時間以上4.5時間以下である。
(後工程)
本発明のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法により製造されたタンタル酸リチウム単結晶は、例えば、X線回折により結晶面が正確に測定される。そして、測定された結晶面を基準として、規定の直径になるようにタンタル酸リチウム単結晶の外周が研削される。外周を研削されたタンタル酸リチウムの単結晶は規定の直径を有する円筒形状となる。また、このとき、SAWの伝搬方向を示すために単結晶の円筒側面部分の1箇所以上に平面(オリエンテーションフラット)が形成される。外周が研削されたタンタル酸リチウム単結晶は、バンドソーやワイヤソー等を用いてスライスされ、ウエハ形状となる。ウエハ形状のタンタル酸リチウム単結晶は、その後、例えば、べべリング工程、ラップ工程、ポリッシング工程、洗浄工程等の工程を経てSAW用のウエハとなる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例及び比較例のタンタル酸リチウム単結晶の作製]
[実施例1]
以下のようにして実施例1のタンタル酸リチウム単結晶を作製した。
(単結晶育成工程)
タンタル酸リチウム単結晶におけるLiO及びTaの組成比がコングルーエント組成(すなわち、48.5:51.5(モル%))になるように炭酸リチウム(粉末)と五酸化タンタル(粉末)を秤量し、ミキサーで混合して混合物を作製した。白金製焼成容器内で1400℃の温度で混合物を反応させてタンタル酸リチウム多結晶体の粉末を作製した。これをイリジウムルツボに投入し、1650℃で溶融した。そして、5mm/hrの種子結晶の引き上げ速度でチョクラルスキー法によりタンタル酸リチウム単結晶を育成して、直径が10cmであり、長さが10cmであるタンタル酸リチウム単結晶を得た。
(熱処理工程)
白金容器の底にタンタル酸リチウム多結晶体の粉末を厚さがおよそ10mmなるように敷き詰めた。敷き詰めたタンタル酸リチウム多結晶体の粉末の上に、単結晶育成工程で得られたタンタル酸リチウム単結晶を載せて、白金容器にタンタル酸リチウム単結晶を収容した。タンタル酸リチウム単結晶を収容した白金容器を抵抗加熱炉の中に配置した。4.2℃/minの昇温速度で1400℃までタンタル酸リチウム単結晶を加熱し、1400℃の加熱温度を10時間保持した。そして、2.88℃/minの降温速度で室温までタンタル酸リチウム単結晶を冷却した。
(端面部切断工程)
タンタル酸リチウム単結晶のトップ側及びテール側の両側の端面部を内周刃切断機で切断し、略円筒形状のタンタル酸リチウム単結晶を得た。
(ポーリング処理工程)
タンタル酸リチウム多結晶体の粉末と水溶性セルロースエーテル(信越化学工業株式会社、商品名:メトローズ60SH-4000)と水とを混合してペーストを作製した。このペーストを使用して、両端面部を切断したタンタル酸リチウム単結晶の側面のうち、Z方向に相当する部分と、それに対向する部分に、それぞれ、Au電極板を貼り付けた。それぞれのAu電極板を、リード線としての白金線を介して外部電源と接続した。そして、外部電源と接続したAu電極板を貼り付けたタンタル酸リチウム単結晶をマッフル炉にセットした。その後、3.61℃/minの昇温速度で650℃までタンタル酸リチウム単結晶を加熱し、650℃の加熱温度(単結晶の相転移温度以上の温度)で0.7時間(42分間)保持した。そして、外部電源よりAu電極板間に130Vの電圧を印加した後、1.3℃/minの降温速度で300℃までタンタル酸リチウム単結晶を冷却した。タンタル酸リチウム単結晶の温度が300℃になったとき、電圧の印加を停止し、タンタル酸リチウム単結晶を放冷して実施例1のタンタル酸リチウム単結晶を得た。実施例1のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
タンタル酸リチウム単結晶を目視で観察したところ、実施例1のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のすべてにクラックが発生しなかった。
[実施例2]
単結晶育成工程の条件を変更して、直径が15cmであり、長さが10cmであるタンタル酸リチウム単結晶を得た。熱処理工程において昇温速度を4.2℃/minから1.43℃/minに変更し、1400℃の加熱温度での保持時間を10時間から20時間に変更し、降温速度を2.88℃/minから0.8℃/minに変更した。ポーリング処理工程において、昇温速度を3.61℃/minから0.94℃/minに変更し、650℃の単結晶の相転移温度以上の温度の保持時間を0.7時間から2時間に変更し、降温速度を1.3℃/minから0.49℃/minに変更した。それ以外は、実施例1と同様な方法で実施例2のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
実施例2のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のすべてにクラックが発生しなかった。
[実施例3]
単結晶育成工程の条件を変更して、直径が20cmであり、長さが10cmであるタンタル酸リチウム単結晶を得た。熱処理工程において昇温速度を4.2℃/minから0.625℃/minに変更し、1400℃の加熱温度での保持時間を10時間から30時間に変更し、降温速度を2.88℃/minから0.375℃/minに変更した。ポーリング処理工程において、昇温速度を3.61℃/minから0.5℃/minに変更し、650℃の単結晶の相転移温度以上の温度の保持時間を0.7時間から4時間に変更し、降温速度を1.3℃/minから0.225℃/minに変更した。それ以外は、実施例1と同様な方法で実施例3のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
実施例3のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のすべてにクラックが発生しなかった。
[実施例4]
熱処理工程において降温速度を0.8℃/minから2.88℃/minに変更した。それ以外は、実施例2と同様な方法で実施例4のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち、熱処理工程の後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出し中に3個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。また、端面部切断工程で、3個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。すなわち、実施例4のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち4個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生しなかった。
[実施例5]
ポーリング処理工程において、昇温速度を0.94℃/minから3.61℃/minに変更した。それ以外は、実施例2と同様な方法で実施例5のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち、ポーリング処理工程の後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出し中に3個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。すなわち、実施例5のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち7個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生しなかった。
[実施例6]
ポーリング処理工程において、降温速度を0.49℃/minから1.3℃/minに変更した。それ以外は、実施例2と同様な方法で実施例6のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち、ポーリング処理工程の後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出し中に2個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。すなわち、実施例6のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち8個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生しなかった。
[実施例7]
熱処理工程において1400℃の加熱温度での保持時間を10時間から5時間に変更した。それ以外は、実施例1と同様な方法で実施例7のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち、熱処理工程の後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出し中に2個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。また、端面部切断工程で、3個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。すなわち、実施例7のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち5個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生しなかった。
[実施例8]
熱処理工程において1400℃の加熱温度での保持時間を20時間から10時間に変更した。それ以外は、実施例2と同様な方法で実施例8のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち、熱処理工程の後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出し中に4個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。また、端面部切断工程で、3個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。すなわち、実施例8のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち3個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生しなかった。
[実施例9]
熱処理工程において1400℃の加熱温度での保持時間を30時間から15時間に変更した。それ以外は、実施例3と同様な方法で実施例9のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち、熱処理工程の後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出し中に4個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。また、端面部切断工程で、4個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。すなわち、実施例9のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち2個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生しなかった。
[比較例1]
熱処理工程において昇温速度を1.43℃/minから4.2℃/minに変更した。それ以外は、実施例2と同様な方法で比較例1のタンタル酸リチウム単結晶を10個作製した。
端面部切断工程で、10個のタンタル酸リチウム単結晶のすべてにクラックが発生した。
[比較例2]
単結晶育成工程の種子結晶の引き上げ速度及び回転速度の条件を変更して、直径が7.5cmであり、長さが10cmであるタンタル酸リチウム単結晶を得た。熱処理工程において昇温速度を4.2℃/minから1.66℃/min(100℃/hr)に変更し、加熱温度を1400℃から1300℃に変更し、加熱温度での保持時間を10時間から24時間に変更し、降温速度を2.88℃/minから1.67℃/min(70℃/hr)に変更した。ポーリング処理工程においては条件を変更せずに行った。すなわち、昇温速度を3.61℃/min、650℃、保持時間0.7時間、降温速度1.3℃/minとした。なお、比較例2の熱処理工程の条件は、特許文献1に記載されているものと同じ条件であった。
10個のタンタル酸リチウム単結晶のうち、熱処理工程の後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出し中に3個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。また、端面部切断工程で、6個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。さらに、ポーリング処理工程の後のタンタル酸リチウム単結晶の取り出し中に1個のタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生した。すなわち、比較例2のタンタル酸リチウム単結晶の作製中、10個のタンタル酸リチウム単結晶のすべてにクラックが発生した。
実施例及び比較例のタンタル酸リチウム単結晶の製造条件及びクラックが発生しなかったタンタル酸リチウム単結晶の数を次の表1にまとめた。
Figure 0007236962000001
(i)実施例1~9のタンタル酸リチウム単結晶と比較例1,2のタンタル酸リチウム単結晶とを比較することにより、結晶育成工程で育成した単結晶の直径をAcmとし、熱処理工程で熱処理温度まで単結晶の温度を上昇させるときの昇温速度をB℃/minとした場合、次の式(1)の関係を満たさないと、10個すべてのタンタル酸リチウム単結晶にクラックが発生してしまうことがわかった。すなわち、次の式(1)の関係を満たすことにより、タンタル酸リチウム単結晶のクラックの発生を抑制できることがわかった。
1000≦(A×B)≦6000 (1)
(ii)実施例1~3と実施例4とを比較することにより、熱処理工程において、熱処理温度で単結晶を熱処理した後、単結晶を冷却するときの降温速度をC℃/minとした場合、次の式(2)の関係を満たすことにより、タンタル酸リチウム単結晶のクラックの発生をさらに抑制できることがわかった。
800≦(A×C)≦4000 (2)
(iii)実施例1~3と実施例5とを比較することによりポーリング処理工程で相転移温度以上の温度まで単結晶の温度を上昇させるときの昇温速度をD℃/minとした場合、次の式(3)の関係を満たすことにより、タンタル酸リチウム単結晶のクラックの発生をさらに抑制できることがわかった。
1000≦(A×D)≦5000 (3)
(iv)実施例1~3と実施例6とを比較することによりポーリング処理工程において、単結晶の相転移温度以上の温度から単結晶を冷却するときの降温速度をE℃/minとした場合、次の式(4)の関係を満たすことにより、タンタル酸リチウム単結晶のクラックの発生をさらに抑制できることがわかった。
500≦(A×E)≦2500 (4)
(v)実施例1と実施例7とを比較することにより、結晶育成工程で育成した単結晶の直径が7.5cm以上12.5cm未満の場合、熱処理工程において、8時間以上16時間以下の熱処理時間で単結晶を熱処理することにより、タンタル酸リチウム単結晶のクラックの発生をさらに抑制できることがわかった。
(vi)実施例2と実施例8とを比較することにより、結晶育成工程で育成した単結晶の直径が12.5cm以上17.5cm未満の場合、熱処理工程において、12時間以上24時間以下の熱処理時間で単結晶を熱処理するにより、タンタル酸リチウム単結晶のクラックの発生をさらに抑制できることがわかった。
(vii)実施例3と実施例9とを比較することにより、結晶育成工程で育成した単結晶の直径が17.5cm以上22.5cm以下の場合、熱処理工程において、16時間以上32時間以下の熱処理時間で単結晶を熱処理することにより、タンタル酸リチウム単結晶のクラックの発生をさらに抑制できることがわかった。
10 単結晶
11 円筒部
12,13 端面部
20 タンタル酸リチウム多結晶体の粉末
30 白金容器
41,42 電極
43,44 リード線
45 外部電源

Claims (8)

  1. チョクラルスキー法により単結晶を育成する単結晶育成工程と、
    前記単結晶育成工程で育成した単結晶を1300℃以上1450℃以下の熱処理温度で熱処理する熱処理工程と、
    前記熱処理工程で熱処理した単結晶の端面部を切断する端面部切断工程と、
    前記端面部切断工程で端面部を切断した単結晶を600℃以上750℃以下の前記単結晶の相転移温度以上の温度まで加熱した後、直流電界を印加しながら前記単結晶を冷却することにより前記単結晶をポーリングするポーリング処理工程とを含み、
    前記結晶育成工程で育成した前記単結晶の直径をAcmとし、前記熱処理工程で前記熱処理温度まで前記単結晶の温度を上昇させるときの昇温速度をB℃/minとした場合、次の式(1)の関係を満たすことを特徴とするタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
    2000≦(A×B)≦6000 (1)
  2. 前記熱処理工程において、前記熱処理温度で前記単結晶を熱処理した後、前記単結晶を冷却するときの降温速度をC℃/minとした場合、次の式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
    800≦(A×C)≦4000 (2)
  3. 前記結晶育成工程で育成した前記単結晶の直径が7.5cm以上12.5cm未満の場合、前記熱処理工程において、8時間以上16時間以下の熱処理時間で前記単結晶を熱処理することを特徴とする請求項1又は2に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
  4. 前記結晶育成工程で育成した前記単結晶の直径が12.5cm以上17.5cm未満の場合、前記熱処理工程において、12時間以上24時間以下の熱処理時間で前記単結晶を熱処理することを特徴とする請求項1又は2に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
  5. 前記結晶育成工程で育成した前記単結晶の直径が17.5cm以上22.5cm以下の場合、前記熱処理工程において、16時間以上32時間以下の熱処理時間で前記単結晶を熱処理することを特徴とする請求項1又は2に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
  6. 前記ポーリング処理工程で600℃以上750℃以下の前記単結晶の相転移温度以上の温度まで前記単結晶の温度を上昇させるときの昇温速度をD℃/minとした場合、次の式(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
    1000≦(A×D)≦5000 (3)
  7. 前記ポーリング処理工程において、600℃以上750℃以下の前記単結晶の相転移温度以上の温度から前記単結晶を冷却するときの降温速度をE℃/minとした場合、次の式(4)の関係を満たすことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
    500≦(A×E)≦2500 (4)
  8. 前記ポーリング処理工程において、600℃以上750℃以下の前記単結晶の相転移温度以上の温度で0.5時間以上6時間以下保持した後、前記単結晶を冷却することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
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