JP7236297B2 - 画像形成装置、画像形成方法およびプログラム - Google Patents

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本発明は、画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。
円筒状のロールからシート状の長尺の基材(紙、プラスチック等)が巻き出され、その基材の表面上にインクジェット方式の印刷等によって画像が形成される画像形成装置が知られている。
この画像形成装置では、例えば、インクジェット方式の印刷において、基材の表面上にインクが定着し易ければ、基材の表面上に描かれる画像の品質(画質)が向上する。このため、印刷前にコロナ放電等によって基材の表面を活性化させる前処理を施すことがある(例えば、特許文献1,2等)。
特開2013-169708号公報 特開2015-66739号公報
上記画像形成装置では、例えば、1つの印刷ジョブに応じた一連の印刷処理を行う際には、基材の搬送の開始および加速と、基材の搬送の安定化と、基材の表面上への画像の形成と、基材の搬送の減速および停止と、をこの記載の順に行う。
ここで、例えば、第1の印刷ジョブに応じた一連の印刷処理(第1印刷処理ともいう)と、第2の印刷ジョブに応じた一連の印刷処理(第2印刷処理ともいう)と、を順に行う場合を想定する。この場合には、第1印刷処理の最後と第2印刷処理の最初とにおいて、基材の搬送の減速および加速が行われる。このため、基材の表面上において、第1印刷処理で形成された画像(第1画像ともいう)と、第2印刷処理で形成された画像(第2画像ともいう)と、の間に画像が形成されていない空白(いわゆるヤレ)が生じ得る。このヤレは、例えば、基材の表面上に付着させたインクに後処理を施す画像形成装置では、さらに長くなり得る。後処理としては、例えば、紫外線(UV)硬化型インクにUV光を照射する処理等が考えられる。
そこで、例えば、第1印刷処理の実施後に、長尺の基材を、逆向きの搬送(バックフィード)によってある程度上流側に戻した上で第2印刷処理を行うことで、ヤレの長さを低減することが考えられる。この場合には、バックフィードの距離を適宜調整すれば、ヤレの長さを低減することができる。
しかしながら、例えば、コロナ処理を行いながら基材のバックフィードを行えば、基材の表面にコロナ処理が複数回(例えば3回)施された領域が生じ得る。そして、例えば、基材の表面に施されたコロナ処理の回数が異なれば、基材の表面上に形成された画像の品質が相違し得る。例えば、基材の表面に施されたコロナ処理の回数が多ければ、基材の表面上に形成された画像の濃度が若干低下する傾向が生じる場合がある。
このような問題は、例えば、基材の表面上に画像を形成する前に基材の表面を改質する画像形成技術一般に共通する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基材の無駄使いを低減しつつ、基材上に形成される画像の品質を向上させる画像形成技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の態様に係る画像形成装置は、供給部と、搬送機構と、回収部と、表面改質部と、画像形成部と、制御部と、を備える。前記供給部は、第1ロールから巻き出すことで、第1面と該第1面とは逆の第2面とを有する基材を供給する。前記搬送機構は、前記供給部から供給された前記基材を搬送経路に沿って搬送する。前記回収部は、前記搬送機構によって前記搬送経路に沿って搬送された前記基材を第2ロールに巻き取ることで回収する。前記表面改質部は、前記搬送経路に沿った第1領域において前記基材の前記第1面にエネルギーを付与することで前記基材の前記第1面を改質する表面改質処理を施す。前記画像形成部は、前記搬送経路に沿った前記表面改質部と前記回収部との間の第2領域において前記基材の前記第1面上に画像を形成する。前記制御部は、画像データに基づいて、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで前記基材の前記表面改質処理で改質された前記第1面上に画像を形成させる。前記制御部は、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで、第1動作と第2動作と第3動作とを実行させる。前記第1動作では、前記搬送経路に沿って前記回収部に向かう第1搬送方向に前記基材を搬送しながら、前記基材の前記第1面に前記表面改質処理を施しつつ、前記基材の前記第1面のうちの前記表面改質処理が施された第1処理領域上に第1画像を形成する。前記第2動作では、前記第1動作の後に前記基材の前記第1面に対する前記表面改質処理を行っていない状態で、前記第1動作において前記第1面上に前記第1画像が形成された前記基材を前記搬送経路に沿って前記第1搬送方向とは逆の前記供給部に向かう第2搬送方向に搬送する。前記第3動作では、前記第2動作の後に前記第1画像が形成された前記基材を前記搬送経路に沿って前記第1搬送方向に搬送しながら、前記基材の前記第1面のうちの前記第1処理領域を避けた第2処理領域に前記表面改質処理を施しつつ、前記第2処理領域上に第2画像を形成する。前記制御部は、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで、前記第3動作では、前記第1画像の前記供給部寄りの端部と、前記第2画像の前記回収部寄りの端部とが前記第1搬送方向において合致するように前記第2画像の画像形成を実行させ、かつ、前記第1処理領域の前記供給部寄りの端部と、前記第2処理領域の前記回収部寄りの端部とが前記第1搬送方向において合致するように前記基材の前記第1面に対する前記表面改質処理を実行させる。前記第1動作から前記第3動作を通して、前記基材は、前記第1ロールおよび前記第2ロールに接続されている
第2の態様に係る画像形成装置は、第1の態様に係る画像形成装置であって、前記制御部は、前記搬送機構を制御することで、前記第2動作では、前記第1処理領域のうちの前記第1搬送方向の上流側の端部が前記第1領域よりも前記第1搬送方向の上流側の位置に到達するまで、前記基材を前記第2搬送方向に搬送させる。
の態様に係る画像形成装置は、第1または第2の態様に係る画像形成装置であって、前記画像形成部は、前記基材の前記第1面に向けてインクを吐出する吐出部を含む。
の態様に係る画像形成装置は、第1から3の何れか1つの態様に係る画像形成装置であって、前記表面改質部は、コロナ放電によって前記基材の前記第1面にエネルギーを付与することで前記基材の前記第1面を改質するコロナ放電部を含む。
の態様に係る画像形成装置は、第1から第の何れか1つの態様に係る画像形成装置であって、前記制御部は、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで、前記搬送経路に沿った前記第1搬送方向において、前記第1処理領域の前記第1領域側に位置する第1領域端部と、前記第1画像の前記第1領域側に位置する第1画像端部と、が合致するように、前記第1動作を実行させる。
の態様に係る画像形成装置は、第1から第の何れか1つの態様に係る画像形成装置であって、前記制御部は、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで、前記搬送経路に沿った前記第1搬送方向において、前記第2処理領域の前記第1処理領域側に位置する第2領域端部と、前記第2画像の前記第1画像側に位置する第2画像端部と、が合致するように、前記第3動作を実行させる。
の態様に係る画像形成方法は、第1ロールから巻き出すことで、第1面と該第1面とは逆の第2面とを有する基材を供給する供給部と、前記供給部から供給された前記基材を搬送経路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって前記搬送経路に沿って搬送された前記基材を第2ロールに巻き取ることで回収する回収部と、を備えた画像形成装置における画像形成方法である。前記画像形成方法は、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップと、を有する。前記第1ステップにおいて、前記搬送経路に沿って第1搬送方向に前記基材を搬送しながら、前記搬送経路に沿った第1領域において前記基材の前記第1面にエネルギーを付与することで前記基材の前記第1面を改質する表面改質処理を施しつつ、前記搬送経路に沿った第2領域において前記基材の前記第1面のうちの前記表面改質処理が施された第1処理領域上に第1画像を形成する。前記第2ステップにおいて、前記基材の前記第1面に対する前記表面改質処理を行っていない状態で、前記第1ステップで前記第1面上に前記第1画像が形成された前記基材を、前記搬送経路に沿って前記第1搬送方向とは逆の第2搬送方向に搬送する。前記第3ステップにおいて、前記第2ステップの後に、前記第1画像が形成された前記基材を、前記搬送経路に沿って前記第1搬送方向に搬送しながら、前記基材の前記第1面のうちの前記第1処理領域を避けた第2処理領域に前記表面改質処理を施しつつ、前記第2処理領域上に第2画像を形成する。前記第3ステップにおいて、前記第1画像の前記供給部寄りの端部と、前記第2画像の前記回収部寄りの端部とが前記第1搬送方向において合致するように前記第2画像の画像形成を実行し、かつ、前記第1処理領域の前記供給部寄りの端部と、前記第2処理領域の前記回収部寄りの端部とが前記第1搬送方向において合致するように前記基材の前記第1面に対する前記表面改質処理を実行する。前記第1ステップから前記第3ステップを通して、前記基材は、前記第1ロールおよび前記第2ロールに接続されている
第8の態様に係る画像形成方法は、第7の態様に係る画像形成方法であって、前記第2ステップにおいて、前記第1処理領域のうちの前記第1搬送方向の上流側の端部が前記第1領域よりも前記第1搬送方向の上流側の位置に到達するまで、前記基材を前記第2搬送方向に搬送する。
の態様に係るプログラムは、画像形成装置に含まれる処理部によって実行されることで、該画像形成装置を、第1から第の何れか1つの態様に係る画像形成装置として機能させる。
第1から第の何れの態様に係る画像形成装置によっても、例えば、第1搬送方向に基材を搬送しながら第1画像を基材の表面上に形成し、第1搬送方向における基材の搬送を停止させた後に、第1搬送方向とは逆の第2搬送方向に基材を搬送する基材のバックフィードを行った上で、第1搬送方向における基材の搬送を開始して、第1搬送方向に基材を搬送しながら第2画像を基材の表面上に形成する。これにより、例えば、基材の無駄使いを低減することができる。また、例えば、基材のバックフィードの際には表面改質処理を行うことなく、基材のバックフィードの後に、基材の表面のうちの既に表面改質処理が行われた領域を避けて表面改質処理を施しつつ、第2画像を基材の表面上に形成する。これにより、例えば、基材において表面改質処理が繰り返し施された表面上に画像が形成される不具合の発生が低減され、基材上に形成される画像の品質が低下しにくい。したがって、例えば、基材の無駄使いを低減しつつ、基材上に形成される画像の品質を向上させることができる。
の態様に係る画像形成装置によれば、例えば、インクによって画像を形成する前における基材の表面改質処理の回数に応じて基材に形成される画像の品質が低下するような場合に、基材の無駄使いを低減しつつ、基材上に形成される画像の品質を向上させることができる。
の態様に係る画像形成装置によれば、例えば、コロナ放電による表面改質処理を実施するタイミングを制御することで、基材の無駄使いを低減しつつ、基材上に形成される画像の品質を向上させることができる。
の態様に係る画像形成装置によれば、例えば、第1搬送方向において、基材の表面のうちの表面改質処理が行われる第1処理領域の終端に合わせて、基材の表面上における第1画像の形成を終了する。これにより、例えば、基材において表面改質処理が繰り返し施された表面上に第2画像が形成される不具合の発生が低減され、基材上に形成される画像の品質が低下しにくい。したがって、例えば、基材の無駄使いを低減しつつ、基材上に形成される画像の品質を容易に向上させることができる。
の態様に係る画像形成装置によれば、例えば、第1搬送方向において、基材の表面のうちの表面改質処理が行われる第2処理領域の先端に合わせて、基材の表面上に第2画像を形成し始める。これにより、例えば、基材の無駄使いを低減しつつ、基材上に形成される画像の品質を容易に向上させることができる。
の態様に係る画像形成方法によれば、例えば、第1の態様に係る画像形成装置と同様な効果を奏し得る。
の態様に係るプログラムによれば、例えば、第1から第の態様に係る画像形成装置と同様な効果を奏し得る。
一実施形態に係る画像形成装置の概略的な構成の一例を示す図である。 画像形成装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 画像形成装置における第1動作の一例を示す模式図である。 第1動作の開始時における基材の搬送距離と搬送速度との関係の一例を示すグラフである。 画像形成装置における第2動作の一例を示す模式図である。 画像形成装置における第3動作の一例を示す模式図である。 一実施形態に係る画像形成方法に係る動作フローの一例を示す流れ図である。 第1参考例に係る画像形成装置における動作の一例を示す模式図である。 第2参考例に係る画像形成装置における動作の一例を示す模式図である。
円筒状のロールからシート状の長尺の基材が巻き出され、その基材の表面上にインクジェット方式の印刷等によって画像が形成される画像形成装置には、例えば、コロナ処理等によって基材の表面を印刷に適した状態に改質するものがある。このような画像形成装置は、例えば、1つの印刷ジョブに応じて、基材の搬送を開始して、基材の搬送速度を上昇させて基材の搬送を安定化させた後に、基材の表面上に画像を形成し、基材の搬送速度を減じて、基材の搬送を停止させる、一連の印刷処理を行う。基材の搬送の安定化は、例えば、基材の搬送速度の安定化、基材の表面の法線方向における基材のばたつきの低減による安定化、および基材の幅方向における蛇行の低減による安定化等を含む。また、一連の印刷処理では、基材の表面上に、同一の図柄が繰り返されている画像が形成されてもよいし、相互に異なる図柄が連続している画像が形成されてもよい。この一連の印刷処理には、例えば、数十メートルから数千メートル程度の画像が形成されるものがある。
図8は、第1参考例に係る画像形成装置における印刷処理によって画像を形成する動作の一例を示す模式図である。この第1参考例に係る画像形成装置は、例えば、第1印刷ジョブに応じた一連の印刷処理(第1印刷処理ともいう)を行う。この第1印刷処理では、図8(a)で示されるように、第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送を開始して基材Bm1の搬送が安定化した後に、この基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質部17によるコロナ処理で印刷に適した状態に改質された領域(1回処理領域ともいう)Ap1上に、画像形成部18に含まれる複数の印刷ヘッドからインクを吐出することで画像(第1画像ともいう)Pc1を形成する。そして、基材Bm1の搬送速度を減じ、基材Bm1の搬送を停止する。次に、第1参考例に係る画像形成装置は、例えば、第2印刷ジョブに応じた一連の印刷処理(第2印刷処理ともいう)を行う。この第2印刷処理では、第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送を開始して基材Bm1の搬送が安定化した後に、図8(b)で示されるように、基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質部17によるコロナ処理で印刷に適した状態に改質された1回処理領域Ap1上に、画像形成部18に含まれる複数の印刷ヘッドからインクを吐出することで画像(第2画像ともいう)Pc2を形成する。そして、基材Bm1の搬送速度を減じて基材Bm1の搬送を停止する。このとき、第1印刷処理の最後と第2印刷処理の最初とにおいて、基材Bm1の搬送の減速および加速が行われるため、図8(b)で示されるように、基材Bm1の表面Su1上において、第1画像Pc1と第2画像Pc2との間に画像が形成されていない、いわゆるヤレとなる空白Bk0が生じる。ここで、例えば、基材Bm1の表面Su1上にインクを付着させた後に、インクに対してUV光の照射等の後処理が施される場合には、このようなヤレの長さL0はさらに大きくなり得る。この長さL0が、例えば、数メートルから数十メートルになる場合も考えられる。
そこで、例えば、第1印刷処理を行った後に、基材Bm1を、逆向きの搬送(バックフィード)によってある程度巻き戻した上で第2印刷処理を行うことで、ヤレの長さを低減することが考えられる。
図9は、第2参考例に係る画像形成装置における印刷処理によって画像を形成する動作の一例を示す模式図である。この第2参考例に係る画像形成装置は、例えば、第1印刷ジョブに応じた第1印刷処理を行う。この第1印刷処理では、図9(a)で示されるように、第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送を開始して基材Bm1の搬送が安定化した後に、この基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質部17によるコロナ処理で印刷に適した状態に改質された1回処理領域Ap1上に、画像形成部18に含まれる複数の印刷ヘッドからインクを吐出することで第1画像Pc1を形成する。そして、基材Bm1の搬送速度を減じ、基材の搬送を停止する。次に、第2参考例に係る画像形成装置は、例えば、図9(b)で示されるように、第1搬送方向D1とは逆の第2搬送方向D2に基材Bm1を搬送するバックフィードを行う。その次に、第2参考例に係る画像形成装置は、例えば、第2印刷ジョブに応じた第2印刷処理を行う。この第2印刷処理では、第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送を開始して基材Bm1の搬送が安定化した後に、図9(c)で示されるように、基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質部17によるコロナ処理で印刷に適した状態に改質された領域Ap1,Ap3上に、画像形成部18に含まれる複数の印刷ヘッドからインクを吐出することで第2画像Pc2を形成する。そして、基材Bm1の搬送速度を減じて基材の搬送を停止する。ここでは、図9(c)で示されるように、第1印刷処理の後に基材Bm1のバックフィードを行ったため、いわゆるヤレとなる空白Bk0が減じられている。
ところで、例えば、コロナ処理を行いながら基材Bm1のバックフィードを行うと、基材Bm1の表面Su1には、コロナ処理が1回施された1回処理領域Ap1と、コロナ処理が3回施された領域(多重処理領域ともいう)Ap3と、が生じる。図9(c)の例では、第2画像Pc2のうちの第1画像Pc1に近くに位置している長さL10の部分は、基材Bm1の表面Su1のうちの3回コロナ処理が施された多重処理領域Ap3の上に形成された状態にある。図9(c)では、1回処理領域Ap1に斜線のハッチングが付され、多重処理領域Ap3にクロスハッチングが付されている。また、第2画像Pc2のうちの第1画像Pc1から離れて位置している部分は、基材Bm1の表面Su1のうちの1回コロナ処理が施された1回処理領域Ap1の上に形成された状態にある。
しかしながら、例えば、基材Bm1の表面Su1のうちのコロナ処理が施された回数が異なる1回処理領域Ap1と多重処理領域Ap3との間で、基材Bm1の表面Su1上に形成された第2画像Pc2の品質に違いが生じる場合がある。例えば、第2画像Pc2のうち、多重処理領域Ap3上に位置している部分の濃度が、1回処理領域Ap1上に位置している部分の濃度よりも低くなる場合がある。
このような問題は、例えば、基材の表面上に画像を形成する前に基材の表面を改質する画像形成技術一般に共通する。このため、例えば、画像形成技術については、基材の無駄使いを低減しつつ、基材上に形成される画像の品質を向上させる点で改善の余地がある。
そこで、本発明者らは、画像形成技術について、基材の無駄使いを低減しつつ、基材上に形成される画像の品質を向上させる技術を創出した。
これについて、以下、一実施形態を図面に基づいて説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分には同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものである。図1には、供給部15の回転軸Sh1および回収部19の回転軸Sh2のそれぞれが延びる方向(軸方向ともいう)をY軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。また、図1、図3および図5ならびに上述した図8および図9には、ロールRl1,Rl2の回転方向ならびに基材Bm1の搬送方向が、太線の矢印で示されている。
<1.画像形成装置の構成>
図1は、一実施形態に係る画像形成装置1の概略的な構成の一例を示す図である。図2は、一実施形態に係る画像形成装置1の機能的な構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置1は、例えば、供給部15、搬送機構16、表面改質部17、画像形成部18、回収部19および制御部10を備えている。また、画像形成装置1は、例えば、入力部11、出力部12、記憶部13および通信部14を備えている。また、画像形成装置1は、例えば、検出部20を備えていてもよい。さらに、画像形成装置1は、例えば、第1スプライス部Sp1、第2スプライス部Sp2およびクリーナー部1Clを備えていてもよい。
<1-1.供給部>
供給部15は、所定の搬送経路1Rtに基材Bm1を供給することができる。所定の搬送経路1Rtは、供給部15から回収部19に至るまで基材Bm1が搬送される経路である。供給部15は、例えば、長尺のシート状(帯状)の基材Bm1が円筒状に巻かれたロールRl1から基材Bm1を巻き出すことで、搬送経路1Rtに基材Bm1を供給することができる。基材Bm1としては、例えば、紙およびポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルム等が採用される。図1の例では、供給部15は、回転軸Sh1を有する。回転軸Sh1は、Y軸方向に沿った仮想的な軸を中心として回転可能となるように画像形成装置1の筐体1Bd等に設けられている。回転軸Sh1の外周部には、ロールRl1が装着される。回転軸Sh1にロールRl1が装着される際には、例えば、ロールRl1における巻心の貫通孔に、回転軸Sh1が挿入される。そして、例えば、ロールRl1の外周部から巻き出された基材Bm1が、搬送機構16によって搬送経路1Rtに沿って搬送され、回収部19によって巻き取られることで、ロールRl1が回転軸Sh1とともにY軸方向に沿った仮想的な軸を中心として回転する。これにより、ロールRl1の外周部から基材Bm1が巻き出され、ロールRl1の外周部から1枚の基材Bm1が剥離する。また、供給部15は、例えば、第1モータ15mの駆動力による回転軸Sh1の回転によって、ロールRl1から一旦巻き出された基材Bm1を巻き戻すこともできる。
<1-2.搬送機構>
搬送機構16は、供給部15から供給された基材Bm1を搬送経路1Rtに沿って搬送することができる。搬送機構16は、例えば、第1~22ローラR1~R22、蛇行補正部1Pc、第1駆動部D1aおよび第2駆動部D1bを有する。第1~22ローラR1~R22は、それぞれY軸方向に沿った仮想的な軸を中心として回転可能となるように画像形成装置1の筐体1Bd等に設けられている。搬送機構16には、第1モータ15mおよび第2モータ19mが含まれていてもよい。
図1の例では、供給部15から供給された基材Bm1は、第1~3ローラR1~R3のそれぞれの外周部を順に経由して、表面改質部17に到達し得る。また、表面改質部17を通過した基材Bm1は、第4ローラR4および第5ローラR5のそれぞれの外周部を経由して、蛇行補正部1Pcに到達し得る。蛇行補正部1Pcは、例えば、搬送経路1Rtに沿って搬送される基材Bm1の蛇行を低減することができる。蛇行補正部1Pcには、例えば、基材Bm1の幅方向の端部の位置および基材Bm1の幅方向の中心の位置の少なくとも一方を制御する機構が適用され得る。蛇行補正部1Pcを通過した基材Bm1は、第6~8ローラR6~R8のそれぞれの外周部を経由して、第1駆動部D1aに到達し得る。第1駆動部D1aは、例えば、第1駆動モータM1aの駆動力によってY軸方向に沿った仮想的な軸を中心として回転可能である駆動ローラRm1を有し、この駆動ローラRm1の回転によって基材Bm1を搬送経路1Rtに沿って搬送することができる。第1駆動部D1aを通過した基材Bm1は、第9~13ローラR9~R13、複数の第14ローラR14および第15~18ローラR15~R18のそれぞれの外周部を経由して、第2駆動部D1bに到達し得る。第2駆動部D1bは、例えば、第2駆動モータM1bの駆動力によってY軸方向に沿った仮想的な軸を中心として回転可能である駆動ローラRm2を有し、この駆動ローラRm2の回転によって基材Bm1を搬送経路1Rtに沿って搬送することができる。第2駆動部D1bを通過した基材Bm1は、第19~22ローラR19~R22のそれぞれの外周部を経由して、回収部19に到達し得る。
<1-3.表面改質部>
表面改質部17は、例えば、搬送経路1Rtに沿った第1領域Ar1において、基材Bm1の表面Su1を改質する処理(表面改質処理ともいう)を行うことができる。ここで、表面改質処理には、例えば、基材Bm1の表面Su1にエネルギーを付与する処理が適用される。このため、第1領域Ar1は、搬送経路1Rt上に設定された領域であって、表面改質部17から基材Bm1に向けてエネルギーの付与が可能な領域である。ここでは、例えば、エネルギーを付与する処理(前処理)により、画像が形成される前の基材Bm1の表面Su1が活性化され、表面Su1上にインクが定着しやすくなる。
本実施形態では、表面改質部17は、例えば、支持ローラ17aおよび改質処理部17bを有する。支持ローラ17aは、例えば、Y軸方向に沿った仮想的な軸を中心として回転可能であり、この支持ローラ17aの外周部において、表面Su1が改質処理部17bに対向するように基材Bm1を支持することができる。改質処理部17bは、例えば、支持ローラ17aの外周部に支持されている基材Bm1の表面Su1にエネルギーを付与することができる。ここで、改質処理部17bには、例えば、コロナ放電によって生じるイオンの照射によって基材Bm1の表面Su1にエネルギーを付与することで基材Bm1の表面Su1を改質することができる部分(コロナ放電部ともいう)が適用され得る。また、改質処理部17bには、例えば、プラズマの照射によって基材Bm1の表面Su1にエネルギーを付与することで基材Bm1の表面Su1を改質する部分(プラズマ照射部とも言う)が適用されてもよい。
<1-4.画像形成部>
画像形成部18は、例えば、搬送経路1Rtに沿った表面改質部17と回収部19との間に位置している第2領域Ar2において、基材Bm1の表面Su1上に画像を形成することができる。第2領域Ar2は、搬送経路1Rt上に設定された領域であって、画像形成部18によって基材Bm1の表面Su1上に画像の形成が可能な領域である。本実施形態では、画像形成部18は、基材Bm1のうちの表面改質部17による表面改質処理で改質された表面Su1上に画像を形成する。本実施形態では、第2領域Ar2は、搬送経路1Rtのうちの複数の第14ローラR14によって下方から基材Bm1が支持される部分に位置している。また、本実施形態では、画像形成部18は、例えば、基材Bm1の表面Su1に向けてインクを吐出する部分(吐出部ともいう)18hを有する。これにより、例えば、インクジェット方式の印刷等によって、基材Bm1の表面Su1上に画像が形成され得る。このため、ここでは、第2領域Ar2は、搬送経路1Rt上に設定された領域であって、画像形成部18から基材Bm1に向けてインク滴などを吐出によって画像の形成が可能な領域である。
画像形成部18は、例えば、1色以上のインクを吐出する1つ以上の吐出部18hを有する。ここで、白色紙上にフルカラーの画像を形成する場合を想定すれば、1色以上のインクには、例えば、4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクが適用される。また、ここで、透明のフィルム上にフルカラーの画像を形成する場合を想定すれば、1色以上のインクには、例えば、5色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイト)のインクが適用される。1色以上のインクには、例えば、ブルーおよびバイオレット等のその他の色のインクが適用されてもよい。図1の例では、第2領域Ar2の上方において、基材Bm1が搬送される方向に8つの吐出部18hが並んでいる。
また、例えば、1色以上のインクが、紫外線(UV)光の照射に応じて硬化するタイプのインク(UV硬化型インクともいう)であれば、画像形成部18には、例えば、1つ以上の吐出部18hによって基材Bm1の表面Su1上に付着された1色以上のUV硬化型インクにUV光を照射するランプ(UVランプともいう)18uが含まれてもよい。
<1-5.回収部>
回収部19は、例えば、搬送機構16によって搬送経路1Rtに沿って搬送された基材Bm1を回収することができる。回収部19は、例えば、画像形成部18によって画像が形成された帯状の基材Bm1を巻き取ることで、搬送経路1Rtから基材Bm1を回収することができる。図1の例では、回収部19は、回転軸Sh2を有する。回転軸Sh2は、Y軸方向に沿った仮想的な軸を中心として回転可能となるように画像形成装置1の筐体1Bd等に設けられている。ここでは、例えば、回転軸Sh2が第2モータ19mの駆動力による回転によって、この回転軸Sh2の外周部に基材Bm1が巻き取られることで、回転軸Sh2の周りにロールRl2が形成される。
<1-6.制御部>
制御部10は、例えば、中央処理装置(CPU)等の演算部およびメモリ等の電気回路を有する。制御部10は、記憶部13に記憶されているプログラムを演算部によって実行することで、画像形成装置1の各部を統括的に制御することができる。換言すれば、制御部10は、画像形成装置1の機能を実現することができる。例えば、制御部10は、画像データに基づいて、搬送機構16、表面改質部17および画像形成部18を制御することで、基材Bm1の表面改質処理で改質された表面Su1上に画像を形成させることができる。ここで、画像データは、例えば、記憶部13に記憶された各種データに含まれ得る。
<1-7.その他の構成>
入力部11は、例えば、画像形成装置1を使用するオペレータの動作等に応じた信号を入力することができる。入力部11には、例えば、操作部、マイクおよび各種センサ等が含まれ得る。操作部は、オペレータの操作に応じた信号を入力することができるマウスおよびキーボード等を含み得る。マイクは、オペレータの音声に応じた信号を入力することができる。各種センサは、オペレータの動きに応じた信号を入力することができる。
出力部12は、例えば、画像形成装置1の各種情報を出力することができる。出力部12には、例えば、表示部およびスピーカ等が含まれ得る。表示部は、例えば、各種情報をオペレータが認識可能な態様で可視的に出力することができる。表示部には、例えば、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイ等が適用され得る。表示部では、表示パネルが、各種情報を可視的に出力する領域(表示領域ともいう)の役割を有する。この表示部は、入力部11と一体化されたタッチパネルの形態を有していてもよい。スピーカは、例えば、各種情報をオペレータが認識可能な態様で可聴的に出力することができる。
記憶部13は、例えば、各種情報を記憶することができる。この記憶部13は、例えば、ハードディスクまたはフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成され得る。記憶部13では、例えば、1つの記憶媒体を有する構成、2つ以上の記憶媒体を一体的に有する構成、および2つ以上の記憶媒体を2つ以上の部分に分けて有する構成の何れが採用されてもよい。記憶部13には、例えば、プログラムおよび各種データが記憶され得る。
通信部14は、例えば、通信回線2を介して外部装置3との間でデータ通信を行うことができる。この通信部14は、例えば、外部装置3から通信回線2を介してプログラムおよび画像データ等の各種データを取得することができる。通信部14で取得されたプログラムおよび各種データは、適宜、記憶部13に記憶されてもよい。
検出部20は、例えば、搬送機構16に含まれるローラの回転に係る指標(回転数および回転角度等)を検出することができる。図1の例では、検出部20には、第15ローラR15の回転に係る指標を検出するロータリーエンコーダが適用されている。この場合には、制御部10は、例えば、検出部20によって検出される指標に応じた信号に基づいて、搬送機構16における搬送経路1Rtに沿った基材Bm1の搬送方向および搬送距離等を認識することができる。このため、制御部10は、例えば、検出部20からの回転に係る指標に応じた信号に基づいて、基材Bm1が搬送される方向および搬送される距離を制御することができる。なお、例えば、搬送機構16の第2駆動モータM1bがパルスモータであれば、制御部10は、第2駆動モータM1bを駆動させるためのパルスの数によって、搬送経路1Rtに沿って回収部19に向かう方向(第1搬送方向ともいう)D1において基材Bm1を搬送する距離を制御してもよい。また、例えば、搬送機構16の第1駆動モータM1aがパルスモータであれば、制御部10は、第1駆動モータM1aを駆動させるためのパルスの数によって、搬送経路1Rtに沿って第1搬送方向D1とは逆の供給部15に向かう方向(第2搬送方向ともいう)D2において基材Bm1を搬送する距離を制御してもよい。
第1スプライス部Sp1は、例えば、第1のロールRl1の次に第2のロールRl1が供給部15に装着される際に、搬送経路1Rtに沿ったテーブル部上で、第1のロールRl1から引き出された基材Bm1の末尾の部分と、第2のロールRl1から引き出された基材Bm1の先頭の部分と、を重ね合わせて切断し、つなぎ合わせることができる。
第2スプライス部Sp2は、例えば、第1のロールRl2を回収部19から脱着し、次の第2のロールRl2を回収部19で形成する際に、搬送経路1Rtに沿ったテーブル部上で、第1のロールRl2に巻き取られた基材Bm1の一部分を切断した後に、切断後の基材Bm1の先頭部分と、回転軸Sh2に巻き取られるように位置している帯状の基材Bm1と、を重ね合わせて切断し、つなぎ合わせることができる。
クリーナー部1Clは、例えば、基材Bm1の表面Su1を掃除することができる。図1の例では、クリーナー部1Clは、第1スプライス部Sp1と表面改質部17との間に位置している。
<2.画像形成装置による画像形成動作>
ここで、例えば、画像形成装置1において、基材Bm1の表面Su1上に、第1画像Pc1を形成した後に第2画像Pc2を形成する場合を想定する。この場合には、制御部10は、搬送機構16、表面改質部17および画像形成部18を制御することで、基材Bm1の表面Su1上に第1画像Pc1を形成する動作(第1動作ともいう)と、この第1動作の後に基材Bm1のバックフィードを行う動作(第2動作ともいう)と、この第2動作の後に基材Bm1の表面Su1上に第2画像Pc2を形成する動作(第3動作ともいう)と、を実行させることができる。
<2-1.第1動作>
図3は、画像形成装置1における第1動作の一例を示す模式図である。図3ならびに後述する図5および図6では、基材Bm1の表面Su1のうち、表面改質部17によって表面改質処理が1回施された1回処理領域Ap1に斜線のハッチングが付されている。図4は、第1動作の開始時における基材Bm1の搬送距離と搬送速度との関係の一例を示すグラフである。
第1動作では、例えば、搬送機構16が、搬送経路1Rtに沿って第1搬送方向D1に基材Bm1を搬送しながら、表面改質部17が、基材Bm1の表面Su1に表面改質処理を施しつつ、画像形成部18が、基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質処理が施された1回処理領域(第1処理領域ともいう)Ap1a上に第1画像Pc1を形成する(図3(b))。これにより、基材Bm1は、画像形成部18によって表面Su1上に第1画像Pc1が形成された状態となる。ここでは、画像形成部18は、例えば、制御部10からの第1の画像データに応じた画像の形成の指令(例えば、第1印刷ジョブ等)に応答して基材Bm1の表面Su1上に第1画像Pc1を形成することができる。
ところで、第1動作を開始する際には、制御部10は、例えば、搬送経路1Rtに沿った第1搬送方向D1において、第1処理領域Ap1aの回収部19側に位置している端部(領域端部ともいう)E0aと、第1画像Pc1の回収部19側に位置している端部(画像端部ともいう)E0pと、が合致するように、搬送機構16、表面改質部17および画像形成部18を制御することで、基材Bm1の表面Su1上に第1画像Pc1を形成してもよい。これにより、例えば、基材Bm1の表面Su1において、第1画像Pc1が形成される領域に対して、表面改質処理が1回施される第1処理領域Ap1aが広くなり過ぎないようにすることができる。
ここで、例えば、基材Bm1の表面Su1上に第1画像Pc1が形成される際に搬送機構16によって基材Bm1が第1搬送方向D1に搬送される速度を所定値V1とし、搬送機構16によって基材Bm1が第1搬送方向D1に搬送され始めてから基材Bm1の搬送速度が所定値V1に達するまでに基材Bm1が搬送される距離を所定値X0とする。また、ここで、例えば、基材Bm1の第1搬送方向D1における搬送速度が所定値V1に達した後に、搬送機構16による第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送速度V1での搬送が安定するまでに基材Bm1が搬送される距離を所定値Xstとする。この場合には、例えば、搬送機構16によって基材Bm1が第1搬送方向D1に搬送され始めてから基材Bm1の表面Su1上に画像形成部18によって第1画像Pc1を形成し始めてもよい状態に至るまでの基材Bm1の搬送距離は、所定値X0と所定値Xstとの和である距離X1となる。換言すれば、距離X1は、第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送を開始する際に基材Bm1の加速および搬送の安定化に要する距離である。なお、所定値V1、所定値X0および所定値Xstのそれぞれは、例えば、搬送機構16の設計値または設定値等から求められてもよいし、予め測定した実測値等から求められてもよい。また、ここで、例えば、搬送経路1Rt上における第1領域Ar1と第2領域Ar2との距離をA0とする。
ここで、例えば、図4(a)で示されるように、距離A0が、距離X1以上である場合には、搬送機構16によって基材Bm1が第1搬送方向D1に搬送され始めるタイミングで、図3(a)で示されるように、表面改質部17による基材Bm1の表面Su1に対する表面改質処理を開始し、その後、搬送機構16による第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送距離が距離A0に達したタイミングで、画像形成部18による基材Bm1の表面Su1上に対する第1画像Pc1の形成を開始する態様が考えられる。これにより、例えば、図3(b)で示されるように、画像形成部18によって、領域端部E0aと画像端部E0pとが合致するように、基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質処理が施された後の第1処理領域Ap1a上に第1画像Pc1が形成され得る。
また、ここで、例えば、図4(b)で示されるように、距離A0が、距離X1よりも小さな場合には、搬送機構16による第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送距離が距離X1から距離A0を減じた距離(X1-A0)に達したタイミングで、図3(a)で示されるように、表面改質部17による基材Bm1の表面Su1に対する表面改質処理を開始し、その後、搬送機構16による第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送距離が距離A0に達したタイミングで、画像形成部18による基材Bm1の表面Su1上に対する第1画像Pc1の形成を開始する態様が考えられる。これにより、例えば、図3(b)で示されるように、画像形成部18によって、領域端部E0aと画像端部E0pとが合致するように、基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質処理が施された後の第1処理領域Ap1a上に第1画像Pc1が形成され得る。
ところで、第1動作を終了する際には、制御部10は、例えば、搬送経路1Rtに沿った第1搬送方向において、第1処理領域Ap1aの第1領域Ar1側に位置している端部(第1領域端部ともいう)E1aと、第1画像Pc1の第1領域Ar1側に位置している端部(第1画像端部ともいう)E1pと、が合致するように、搬送機構16、表面改質部17および画像形成部18を制御することで、基材Bm1の表面Su1上に第1画像Pc1を形成してもよい。これにより、例えば、基材Bm1の表面Su1において、第1画像Pc1が形成される領域に対して、表面改質処理が1回施される第1処理領域Ap1aが広くなり過ぎないようにすることができる。そして、例えば、基材Bm1の表面Su1上に対して第1画像Pc1の次に第2画像Pc2を形成する際に、基材Bm1のうちの表面改質処理が繰り返し施された表面Su1上に第2画像Pc2が形成される不具合の発生が低減される。その結果、例えば、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質が低下しにくい。
ここで、例えば、第1動作において、搬送経路1Rtに沿って基材Bm1の表面Su1上に形成される第1画像Pc1の第1搬送方向D1における長さをL1とする。この場合には、例えば、図3(c)で示されるように、制御部10が、画像形成部18による基材Bm1の表面Su1上に対する第1画像Pc1の形成が開始されたタイミングを基準として、搬送機構16によって第1搬送方向D1に基材Bm1が搬送された距離が、長さL1から距離A0を減じた値(L1-A0)に到達したタイミングで、表面改質部17による基材Bm1の表面Su1に対する表面改質処理を終了させる態様が考えられる。このようにして、例えば、第1搬送方向D1において、基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質処理が行われる第1処理領域Ap1aの終端としての第1領域端部E1aに合わせて、基材Bm1の表面Su1上に対する第1画像Pc1の形成を終了させることができる。また、第1動作では、その後、例えば、図3(d)で示されるように、第1動作における搬送機構16による基材Bm1の搬送が停止される。
<2-2.第2動作>
図5は、画像形成装置1における第2動作の一例を示す模式図である。
第2動作では、例えば、表面改質部17が基材Bm1の表面Su1に対する表面改質処理を行っていない状態で、搬送機構16が、第1動作において表面Su1上に第1画像Pc1が形成された基材Bm1を、搬送経路1Rtに沿って第2搬送方向D2に搬送する。ここで、表面改質部17が基材Bm1の表面Su1に表面改質処理を行っていない状態としては、例えば、表面改質部17の作動を停止させて、表面改質部17が、基材Bm1の表面Su1にコロナ放電で生じるイオンまたはプラズマを照射していない状態が考えられる。あるいは、表面改質部17を作動させたままで、表面改質部17と基材Bm1の表面Su1との間に適宜の遮蔽物を介在させる状態が考えられる。
ここで、例えば、図5(a)で示されるように、第1動作の終了に伴って搬送機構16による基材Bm1の搬送が停止された状態で、搬送経路1Rtに沿った第1搬送方向において、第1処理領域Ap1aの第1領域Ar1側に位置している第1領域端部E1aおよび第1画像Pc1の第1領域Ar1側に位置している第1画像端部E1pと、第2領域Ar2の第1領域Ar1側の端部En2と、が離れている距離をY2とする。この場合、例えば、図5(b)で示されるように、第2動作において、搬送経路1Rtに沿って第2搬送方向D2において基材Bm1が搬送される距離(バックフィード距離ともいう)は、例えば、距離Y2と距離E2との和の値に設定される。距離E2は、例えば、搬送経路1Rt上における第1領域Ar1と第2領域Ar2との距離A0以上の値に設定される。この距離E2は、例えば、第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送を開始する際に基材Bm1の加速および搬送の安定化に要する距離X1以上となるように設定されればよい。ここで、例えば、距離E2が距離A0よりも大きければ大きい程、第3動作において、第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送を開始する際に、基材Bm1の加速および搬送の安定化がより確実に実現され得る。
このような第2動作を行うことで、例えば、次の第3動作において、基材Bm1上において第1画像Pc1により近づけて第2画像Pc2を形成することが可能となる。これにより、例えば、基材Bm1の無駄使い(ヤレ)を低減することができる。
<2-3.第3動作>
図6は、画像形成装置1における第3動作の一例を示す模式図である。
第3動作では、例えば、搬送機構16が、第1動作で第1画像Pc1が形成された基材Bm1を、搬送経路1Rtに沿った第1搬送方向D1に搬送しながら、表面改質部17が、基材Bm1の表面Su1のうちの第1処理領域Ap1aを避けた領域(第2処理領域ともいう)Ap1bに表面改質処理を施しつつ、画像形成部18が、第2処理領域Ap1b上に第2画像Pc2を形成する。これにより、基材Bm1は、画像形成部18によって表面Su1上に第2画像Pc2が形成された状態となる。ここでは、画像形成部18は、例えば、制御部10からの第2の画像データに応じた画像の形成の指令(例えば、第2印刷ジョブ等)に応答して基材Bm1の表面Su1上に第2画像Pc2を形成することができる。
ここでは、例えば、第2動作における基材Bm1のバックフィードの後に、基材Bm1の表面Su1のうちの既に表面改質処理が行われた第1処理領域Ap1aを避けて表面改質処理を施しつつ、画像形成部18によって、第2画像Pc2を基材Bm1の表面Su1上に形成することができる。これにより、例えば、基材Bm1において表面改質処理が繰り返し施された表面Su1上に第2画像Pc2が形成される不具合の発生が低減され、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質が低下しにくい。したがって、例えば、基材Bm1の無駄使い(ヤレ)を低減しつつ、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質を向上させることができる。
ここでは、まず、例えば、制御部10は、図5(b)で示されたような第2動作が終了した状態を基準として、図6(a)で示されるように、搬送経路1Rtに沿った第1搬送方向D1において、搬送機構16によって基材Bm1を距離E2から距離A0を減じた距離(E2-A0)移動させたタイミングで、表面改質部17によって基材Bm1の表面Su1に対する表面改質処理を開始させる態様が考えられる。
ところで、第3動作を開始する際には、制御部10は、例えば、搬送経路1Rtに沿った第1搬送方向D1において、第2処理領域Ap1bの第1処理領域Ap1a側に位置している端部(第2領域端部ともいう)E2aと、第2画像Pc2の第1画像Pc1側に位置している端部(第2画像端部ともいう)E2pと、が合致するように、搬送機構16、表面改質部17および画像形成部18を制御することで、基材Bm1の表面Su1上に第2画像Pc2を形成する第3動作を実行させてもよい。これにより、例えば、基材Bm1の表面Su1において、第2画像Pc2が形成される領域に対して、表面改質処理が施される第2処理領域Ap1bが広くなり過ぎないようにすることができる。そして、例えば、第1搬送方向D1において、基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質処理が行われた第2処理領域Ap1bの先端としての第2領域端部E2aに合わせて、基材Bm1の表面Su1上に第2画像Pc2を形成し始めることができる。これにより、例えば、基材Bm1において表面改質処理が繰り返し施された表面Su1上に第2画像Pc2が形成される不具合の発生が低減され、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質が低下しにくい。したがって、例えば、基材Bm1の無駄使いを低減しつつ、基材Bm1上に形成される第1画像Pc1および第2画像Pc2の品質を容易に向上させることができる。
ここでは、例えば、制御部10は、図5(b)で示されたような第2動作が終了した状態を基準として、図6(b)で示されるように、搬送経路1Rtに沿った第1搬送方向D1において、搬送機構16によって基材Bm1を距離E2移動させたタイミングで、画像形成部18によって基材Bm1の表面Su1上に第2画像Pc2を形成させ始める態様が考えられる。
ところで、第3動作を終了する際には、制御部10は、例えば、搬送経路1Rtに沿った第1搬送方向D1において、第2処理領域Ap2aの第1領域Ar1側に位置している端部(第3領域端部ともいう)E3aと、第2画像Pc2の第1領域Ar1側に位置している端部(第3画像端部ともいう)E3pと、が合致するように、搬送機構16、表面改質部17および画像形成部18を制御することで、基材Bm1の表面Su1上に第2画像Pc2を形成してもよい。これにより、例えば、基材Bm1の表面Su1において、第2画像Pc2が形成される領域に対して、表面改質処理が施される第2処理領域Ap1bが広くなり過ぎないようにすることができる。そして、例えば、基材Bm1の表面Su1上に対して第2画像Pc2の次の第3画像を形成する場合には、基材Bm1のうちの表面改質処理が繰り返し施された表面Su1上に第3画像が形成される不具合の発生が低減される。その結果、例えば、基材Bm1上に形成される第3画像の品質が低下しにくい。
ここで、例えば、第3動作において、搬送経路1Rtに沿って基材Bm1の表面Su1上に形成される第2画像Pc2の第1搬送方向D1における長さをL2とする。この場合には、例えば、図6(c)で示されるように、制御部10は、画像形成部18による基材Bm1の表面Su1上に対する第2画像Pc2の形成が開始されたタイミングを基準として、搬送機構16によって第1搬送方向D1に基材Bm1が搬送された距離が、長さL2から距離A0を減じた値(L2-A0)に到達したタイミングで、表面改質部17による基材Bm1の表面Su1に対する表面改質処理を終了させる態様が考えられる。このようにして、例えば、第1搬送方向D1において、基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質処理が行われる第2処理領域Ap1bの終端としての第3領域端部E3aに合わせて、基材Bm1の表面Su1上における第2画像Pc2の形成を終了させることができる。また、第3動作では、その後、例えば、図6(d)で示されるように、搬送機構16による基材Bm1の搬送が停止される。
<2-4.画像形成方法に係る動作フロー>
図7は、画像形成装置1における画像形成方法に係る動作フローの一例を示す流れ図である。この動作フローは、例えば、制御部10の制御によって画像形成装置1の各部が制御されることで、長尺の帯状の基材Bm1に対して、第1画像Pc1が形成された後に、第2画像Pc2が形成される場合における動作フローの一例である。この動作フローでは、第1ステップS1の処理と、第2ステップS2の処理と、第3ステップS3の処理と、がこの記載の順に行われることで、基材Bm1の表面Su1上に、第1画像Pc1と、第2画像Pc2と、がこの記載の順に形成され得る。
第1ステップS1では、例えば、図3で示されたように、搬送機構16が、搬送経路1Rtに沿って基材Bm1を第1搬送方向D1に搬送しながら、表面改質部17が、搬送経路1Rtに沿った第1領域Ar1において基材Bm1の表面Su1にエネルギーを付与することで基材Bm1の表面Su1を改質する表面改質処理を施しつつ、画像形成部18が、搬送経路1Rtに沿った第2領域Ar2において基材Bm1の表面Su1のうちの表面改質処理が施された第1処理領域Ap1a上に第1画像Pc1を形成する。換言すれば、上述した第1動作を行う。
第2ステップS2では、第1ステップS1の後に、例えば、図5で示されたように、表面改質部17が、基材Bm1の表面Su1に対する表面改質処理を行っていない状態で、搬送機構16が、第1ステップS1で表面Su1上に第1画像Pc1が形成された基材Bm1を、搬送経路1Rtに沿って第1搬送方向D1とは逆の第2搬送方向D2に搬送する。換言すれば、上述した第2動作を行う。
第3ステップS3では、第2ステップS2の後に、例えば、図6で示されたように、搬送機構16が、第1画像Pc1が形成された基材Bm1を、搬送経路1Rtに沿って第1搬送方向D1に搬送しながら、表面改質部17が、基材Bm1の表面Su1のうちの第1処理領域Ap1aを避けた第2処理領域Ap1bに表面改質処理を施しつつ、画像形成部18が、第2処理領域Ap1b上に第2画像Pc2を形成する。換言すれば、上述した第3動作を行う。
このような画像形成方法によれば、例えば、基材Bm1において表面改質処理が繰り返し施された表面Su1上に第2画像Pc2が形成される不具合の発生が低減され、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質が低下しにくい。したがって、例えば、基材Bm1の無駄使い(ヤレ)を低減しつつ、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質を向上させることができる。
<3.一実施形態のまとめ>
以上のように、一実施形態に係る画像形成装置1は、例えば、第1搬送方向D1に基材Bm1を搬送しながら第1画像Pc1を基材Bm1の表面Su1上に形成して第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送を停止させた後に、第2搬送方向D2に基材Bm1を搬送する基材Bm1のバックフィードを行った上で、第1搬送方向D1における基材Bm1の搬送を開始して、第1搬送方向D1に基材Bm1を搬送しながら第2画像Pc2を基材Bm1の表面Su1上に形成する。これにより、例えば、基材Bm1の無駄使いを低減することができる。また、例えば、基材Bm1のバックフィードの際に表面改質処理を行うことなく、基材Bm1のバックフィードの後に、基材Bm1の表面Su1のうちの既に表面改質処理が行われた第1処理領域Ap1aを避けて表面改質処理を施しつつ、第2画像Pc2を基材Bm1の表面Su1上に形成する。これにより、例えば、基材Bm1において表面改質処理が繰り返し施された表面Su1上に第2画像Pc2が形成される不具合の発生が低減され、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質が低下しにくい。したがって、例えば、基材Bm1の無駄使い(ヤレ)を低減しつつ、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質を向上させることができる。
また、例えば、画像形成部18に、基材Bm1の表面Su1に向けてインクを吐出する吐出部18hが適用される構成では、インクによって第2画像Pc2を形成する前における基材Bm1の表面改質処理の回数に応じて基材Bm1に形成される第2画像Pc2の品質が低下するような場合であっても、基材Bm1の無駄使い(ヤレ)を低減しつつ、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質を向上させることができる。
また、例えば、表面改質部17にコロナ放電部が適用される構成において、コロナ放電による表面改質処理を実施するタイミングを制御することで、基材Bm1の無駄使いを低減しつつ、基材Bm1上に形成される第2画像Pc2の品質を向上させることができる。
<4.変形例>
本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
上記一実施形態において、例えば、基材Bm1は、搬送経路1Rtに沿った長手方向において細長い長尺のものであれば、ロールRl1から巻き出されてロールRl2の形態で巻き取られるものでなくてもよい。このような基材Bm1としては、例えば、画像形成装置1が、他の装置と連結されており、他の装置から長尺の基材Bm1が供給され、他の装置によって画像形成装置1から長尺の基材Bm1が回収されるような構成が考えられる。
上記一実施形態において、例えば、搬送経路1Rtに沿って基材Bm1が第1搬送方向D1に搬送されている状態で、第1画像Pc1の最も供給部15側の第1画像端部E1pの通過を検出することができる所定のセンサを表面改質部17の直ぐ供給部15側に設けてもよい。この場合には、制御部10は、例えば、第3動作において、所定のセンサによる第1画像端部E1pの通過の検出に応答して、表面改質部17による基材Bm1の表面Su1に対する表面改質処理を開始させてもよい。所定のセンサには、例えば、デジタルカメラ等で得られる画像に基づいて第1画像端部E1pの位置を検出する画像センサ、基材Bm1における光の反射状態または透過状態を検出する光センサ、ならびに第1画像端部E1pに合わせて基材Bm1に特定の部分が形成可能な構成がある場合にこの特定の部分を検出する特定のセンサ等が適用され得る。特定の部分には、例えば、ミシン目またはパンチ孔が形成された加工部分ならびに磁性体が塗布または添付された部分等が適用される。特定の部分を形成可能な構成には、例えば、ミシン目またはパンチ孔等を形成可能なプレス機ならびに磁性体を吹き付けることが可能な吐出部等が適用される。
上記一実施形態において、例えば、画像形成部18には、基材Bm1にインクを転写するオフセット印刷の構成が適用されてもよい。
上記一実施形態において、例えば、制御部10は、搬送機構16による基材Bm1の搬送速度に応じて、表面改質部17によって基材Bm1の表面Su1に対して付与するエネルギーの強度を制御してもよい。ここでは、例えば、このエネルギーの強度が、基材Bm1の搬送速度に比例して増加する態様が考えられる。
上記一実施形態において、例えば、画像形成部18の吐出部18hから吐出されるインクがUV硬化型インクでない場合には、画像形成部18は、UVランプ18uを有していなくてもよい。
上記一実施形態において、例えば、基材Bm1の表面Su1上に形成された第1画像Pc1上に、ニス等を塗布する後工程が施される場合には、第1画像Pc1上に表面改質部17による表面改質処理が施されていなければ、後工程におけるニス等の塗布において不具合が生じにくい。一方、例えば、基材Bm1の表面Su1上に形成された第1画像Pc1上に、ニス等を塗布する後工程が施されない場合には、上述した第3動作において第1画像Pc1上の一部に表面改質部17による表面改質処理が施されてもよい。
上記一実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
1 画像形成装置
10 制御部
15 供給部
16 搬送機構
17 表面改質部
18 画像形成部
18h 吐出部
19 回収部
1Rt 搬送経路
Ap1 1回処理領域
Ap1a 第1処理領域
Ap1b 第2処理領域
Ar1 第1領域
Ar2 第2領域
Bm1 基材
D1 第1搬送方向
D2 第2搬送方向
E1a 第1領域端部
E1p 第1画像端部
E2a 第2領域端部
E2p 第2画像端部
Pc1 第1画像
Pc2 第2画像
Su1 表面

Claims (9)

  1. 第1ロールから巻き出すことで、第1面と該第1面とは逆の第2面とを有する基材を供給する供給部と、
    前記供給部から供給された前記基材を搬送経路に沿って搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構によって前記搬送経路に沿って搬送された前記基材を第2ロールに巻き取ることで回収する回収部と、
    前記搬送経路に沿った第1領域において前記基材の前記第1面にエネルギーを付与することで前記基材の前記第1面を改質する表面改質処理を施す表面改質部と、
    前記搬送経路に沿った前記表面改質部と前記回収部との間の第2領域において前記基材の前記第1面上に画像を形成する画像形成部と、
    画像データに基づいて、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで前記基材の前記表面改質処理で改質された前記第1面上に画像を形成させる制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで、前記搬送経路に沿って前記回収部に向かう第1搬送方向に前記基材を搬送しながら、前記基材の前記第1面に前記表面改質処理を施しつつ、前記基材の前記第1面のうちの前記表面改質処理が施された第1処理領域上に第1画像を形成する第1動作と、該第1動作の後に前記基材の前記第1面に対する前記表面改質処理を行っていない状態で、前記第1動作において前記第1面上に前記第1画像が形成された前記基材を前記搬送経路に沿って前記第1搬送方向とは逆の前記供給部に向かう第2搬送方向に搬送する第2動作と、該第2動作の後に前記第1画像が形成された前記基材を前記搬送経路に沿って前記第1搬送方向に搬送しながら、前記基材の前記第1面のうちの前記第1処理領域を避けた第2処理領域に前記表面改質処理を施しつつ、前記第2処理領域上に第2画像を形成する第3動作と、を実行させる、画像形成装置であって、
    前記制御部は、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで、前記第3動作では、前記第1画像の前記供給部寄りの端部と、前記第2画像の前記回収部寄りの端部とが前記第1搬送方向において合致するように前記第2画像の画像形成を実行させ、かつ、前記第1処理領域の前記供給部寄りの端部と、前記第2処理領域の前記回収部寄りの端部とが前記第1搬送方向において合致するように前記基材の前記第1面に対する前記表面改質処理を実行させ、
    前記第1動作から前記第3動作を通して、前記基材は、前記第1ロールおよび前記第2ロールに接続されている、画像形成装置
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、
    前記制御部は、前記搬送機構を制御することで、前記第2動作では、前記第1処理領域のうちの前記第1搬送方向の上流側の端部が前記第1領域よりも前記第1搬送方向の上流側の位置に到達するまで、前記基材を前記第2搬送方向に搬送させる、画像形成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、
    前記画像形成部は、前記基材の前記第1面に向けてインクを吐出する吐出部を含む、画像形成装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の画像形成装置であって、
    前記表面改質部は、コロナ放電によって前記基材の前記第1面にエネルギーを付与することで前記基材の前記第1面を改質するコロナ放電部を含む、画像形成装置。
  5. 請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の画像形成装置であって、
    前記制御部は、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで、前記搬送経路に沿った前記第1搬送方向において、前記第1処理領域の前記第1領域側に位置する第1領域端部と、前記第1画像の前記第1領域側に位置する第1画像端部と、が合致するように、前記第1動作を実行させる、画像形成装置。
  6. 請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の画像形成装置であって、
    前記制御部は、前記搬送機構、前記表面改質部および前記画像形成部を制御することで、前記搬送経路に沿った前記第1搬送方向において、前記第2処理領域の前記第1処理領域側に位置する第2領域端部と、前記第2画像の前記第1画像側に位置する第2画像端部と、が合致するように、前記第3動作を実行させる、画像形成装置。
  7. 第1ロールから巻き出すことで、第1面と該第1面とは逆の第2面とを有する基材を供給する供給部と、前記供給部から供給された前記基材を搬送経路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって前記搬送経路に沿って搬送された前記基材を第2ロールに巻き取ることで回収する回収部と、を備えた画像形成装置における画像形成方法であって、
    前記搬送経路に沿って第1搬送方向に前記基材を搬送しながら、前記搬送経路に沿った第1領域において前記基材の前記第1面にエネルギーを付与することで前記基材の前記第1面を改質する表面改質処理を施しつつ、前記搬送経路に沿った第2領域において前記基材の前記第1面のうちの前記表面改質処理が施された第1処理領域上に第1画像を形成する第1ステップと、
    前記基材の前記第1面に対する前記表面改質処理を行っていない状態で、前記第1ステップで前記第1面上に前記第1画像が形成された前記基材を、前記搬送経路に沿って前記第1搬送方向とは逆の第2搬送方向に搬送する第2ステップと、
    該第2ステップの後に、前記第1画像が形成された前記基材を、前記搬送経路に沿って前記第1搬送方向に搬送しながら、前記基材の前記第1面のうちの前記第1処理領域を避けた第2処理領域に前記表面改質処理を施しつつ、前記第2処理領域上に第2画像を形成する第3ステップと、を有し、
    前記第3ステップにおいて、前記第1画像の前記供給部寄りの端部と、前記第2画像の前記回収部寄りの端部とが前記第1搬送方向において合致するように前記第2画像の画像形成を実行し、かつ、前記第1処理領域の前記供給部寄りの端部と、前記第2処理領域の前記回収部寄りの端部とが前記第1搬送方向において合致するように前記基材の前記第1面に対する前記表面改質処理を実行し、
    前記第1ステップから前記第3ステップを通して、前記基材は、前記第1ロールおよび前記第2ロールに接続されている、画像形成方法
  8. 請求項7に記載の画像形成方法であって、
    前記第2ステップにおいて、前記第1処理領域のうちの前記第1搬送方向の上流側の端部が前記第1領域よりも前記第1搬送方向の上流側の位置に到達するまで、前記基材を前記第2搬送方向に搬送する、画像形成方法。
  9. 画像形成装置に含まれる処理部によって実行されることで、該画像形成装置を、請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の画像形成装置として機能させる、プログラム。
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