JP7236199B1 - エレベータのシーブ加熱装置およびエレベータのシーブ加熱方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007236199000001
【課題】グリスの固着を防止することができるエレベータのシーブ加熱装置を提供する。
【解決手段】実施の形態によるエレベータのシーブ加熱装置30は、シーブ20が配置される内側空間40を画定するカバー31と、カバーの内面に取り付けられ、シーブを加熱するヒータ50と、を備えている。ヒータは、シーブのロープ溝に対向している。
【選択図】図3

Description

実施の形態は、エレベータのシーブ加熱装置およびエレベータのシーブ加熱方法に関する。
エレベータには、種々のロープが用いられている。ロープはシーブに巻き掛けられている。ロープは、鋼線を撚り線形状にすることで形成されている。錆の発生を防止するために、ロープにグリスを含侵させる場合がある。あるいは、昇降路内または機械室にグリス供給装置を設置して、ロープ表面にグリスを塗布する場合もある。保守点検時には、ロープの錆の発生を保守員が目視で点検したり、錆の発生を検知する検知装置を用いて点検したりしている。グリス供給装置のタンクのグリス残存量の確認を行い、必要に応じてグリスの補給も行っている。
しかしながら、ロープ表面でグリスが固着して堆積する場合がある。グリスの堆積は、温度低下などの環境条件を要因とすると考えられる。他の要因としては、昇降路内を浮遊する塵埃がグリスと一体になって固着すること、およびグリスが酸化して固体化することも考えられる。
グリスの堆積量または固体化の程度によっては、ロープがシーブから外れる可能性が考えられる。例えば、乗りかごを昇降させるためのメインロープが、巻上機に連結されたトラクションシーブのロープ溝から外れると、メインロープはトラクションを得ることができない。この場合、乗りかごが昇降不能になる。
ロープが外れることを防止するために、シーブの近傍または昇降路にロープの外れ防止用の部材を配置することが検討されている。シーブのロープ溝から固着したグリスを除去する装置の検討も行われている。しかしながら、このような装置は、グリスの固着が発生した場合に機能するため、グリスの固着を未然に防止することはできなかった。
特開2012-180148号公報 特開2015-089848号公報 特開2021-130539号公報
実施の形態は、グリスの固着を防止することができるエレベータのシーブ加熱装置およびエレベータのシーブ加熱方法を提供する。
実施の形態によるエレベータのシーブ加熱装置は、エレベータのロープが巻き掛けられるシーブを加熱するための装置である。エレベータのシーブ加熱装置は、シーブが配置される内側空間を画定するカバーと、カバーの内面に取り付けられ、シーブを加熱するヒータと、を備えている。ヒータは、シーブのロープ溝に対向している。
実施の形態によるエレベータのシーブ加熱方法は、エレベータのロープが巻き掛けられるシーブを加熱するための方法である。エレベータのシーブ加熱方法は、シーブが配置される内側空間を画定するカバーと、カバーの内面に取り付けられ、シーブのロープ溝に対向するヒータと、を準備する工程と、ヒータでシーブを加熱する工程と、を備えている。
図1(a)は、本実施の形態によるエレベータ装置の概略構成を示す上面図であり、図1(b)は、図1(a)の正面図である。 図2は、本実施の形態によるエレベータのシーブ加熱装置の分解斜視図である。 図3は、図2に示すシーブ加熱装置を正面から見た断面図である。 図4は、図2に示すシーブ加熱装置の上面図である。 図5は、図2に示すシーブ加熱装置の側面図である。 図6は、図2に示すシーブ加熱装置の変形例を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本実施の形態によるエレベータのシーブ加熱装置およびエレベータのシーブ加熱方法について説明する。
まず、図1を用いて、エレベータ装置について説明する。
図1(a)および図1(b)に示すように、エレベータ装置1は、昇降路2内に配置された乗り乗りかご3及び釣合錘4を備えている。乗りかご3と釣合錘4は、メインロープ5を介して接続されている。メインロープ5は、巻上機6に連結されたトラクションシーブ20に巻き掛けられている。昇降路2には、乗りかご3の昇降を案内するレール7と、釣合錘4の昇降を案内するレール8とが設けられている。このような構成により、巻上機6が駆動されると、トラクションシーブ20がメインロープ5を巻き上げて、乗りかご3および釣合錘4が昇降する。
巻上機6は、昇降路2の上方に設けられた機械室9内に設置されている。機械室9には、制御装置(図示せず)が設置されている。制御装置は、巻上機6を含むエレベータ装置1の全体を制御する装置である。例えば、制御装置は、乗場呼び、およびかご呼びに応じて巻上機6を運転制御し、乗りかご3を呼び登録された階床の乗場10へ着床させる。すると、乗りかご3のかごドア11が開くとともに乗場10に設けられた乗場ドア12が開き、利用者が乗降する。利用者の乗降が終了すると、かごドア11および乗場ドア12が閉じられ、乗りかご3は、次の階床に向かって昇降する。
なお、エレベータ装置1は、図1(a)および(b)に示す形態に限られることはない。例えば、いわゆる機械室レスのエレベータ装置であってもよい。すなわち、機械室9を設けることなく、巻上機6や制御装置を昇降路2の上部に設けるようにしてもよい。
次に、本実施の形態によるエレベータのシーブ加熱装置について説明する。エレベータのシーブ加熱装置(以下、単にシーブ加熱装置と記す)は、エレベータのロープが巻き掛けられるシーブを加熱するための装置である。以下では、シーブの一例としての上述したトラクションシーブ20を加熱するためのシーブ加熱装置30について説明する。
図2および図3に示すように、シーブ加熱装置30は、カバー31と、ヒータ50と、温度センサ51と、ヒータ制御部52と、を備えている。
図2~図5に示すように、カバー31は、巻上機6に取り付けられており、トラクションシーブ20を覆っている。本実施の形態によるカバー31は、正面板32と、上面板33と、一対の側面板34と、を含んでいる。正面板32は、トラクションシーブ20の前方に配置されている。前方とは、図2における右側に相当する。上面板33は、トラクションシーブ20の上方に配置されている。側面板34は、トラクションシーブ20の両側方に配置されている。側面板34は、図3に示すように、正面から見たときに、トラクションシーブ20の右側および左側に配置されている。側面板34の下端34aは、正面板32の下端32aよりも上方位置に配置されていてもよい。この場合、トラクションシーブ20のロープ溝20aへのメインロープ5の掛かり具合を、カバー31が取り付けられた状態で容易に確認することができる。正面板32、上面板33および側面板34は、一体に形成されていてもよい。この場合、カバー31は、板金加工で作製されていてもよい。
図2に示すように、カバー31は、巻上機6に、スタッドボルト35およびナット36、37を用いて取り付けられていてもよい。巻上機6に、スタッドボルト35が螺合するめねじ孔6aが形成されて、めねじ孔6aに螺合したスタッドボルト35の一端部が、ナット36で固定される。スタッドボルト35の他端部は、カバー31の正面板32に形成された孔32bに挿入されて、スタッドボルト35に正面板32の両側からナット37で固定されている。
カバー31と巻上機6は、サポート38を用いて連結されていてもよい。サポート38は、カバー31の上面板33を巻上機6の上面に取り付けていてもよい。図2に示すサポート38は、平板状に形成されているが、段付き形状など任意の形状で形成されていてもよい。
図2および図3に示すように、カバー31は、トラクションシーブ20が配置される内側空間40を画定している。カバー31は、トラクションシーブ20の前方、上方および側方からトラクションシーブ20を覆っている。トラクションシーブ20の下方は、メインロープ5が通過するために開口している。
ヒータ50は、カバー31の内面に取り付けられて、トラクションシーブ20を加熱する。ヒータ50は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対向している。ヒータ50の取り付け位置は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対向することができれば、任意である。トラクションシーブ20にメインロープ5が巻き掛けられている場合には、ヒータ50は、メインロープ5を介してロープ溝20aに対向する。すなわち、ヒータ50は、メインロープ5に対向する。
ここで、トラクションシーブ20は、1つ以上のメインロープ5を巻き掛ける1つ以上のロープ溝20aを含んでいてもよい。本実施の形態によるトラクションシーブ20は、複数のロープ溝20aを含んでおり、各ロープ溝20aに、メインロープ5が巻き掛けられている。本実施の形態では、トラクションシーブ20が5つのロープ溝20aを含んでいる。ヒータ50は、いずれかのロープ溝20aに対向していればよい。
本実施の形態においては、図2~図5に示すように、カバー31の内面に、複数のヒータ50が取り付けられている。一のヒータ50は、トラクションシーブ20のうちメインロープ5が巻き掛けられている部分に対向している。他の一のヒータ50は、トラクションシーブ20のうちメインロープ5が巻き掛けられていない部分に対向している。複数のヒータ50は、上面ヒータ53、側面ヒータ54および下面ヒータ55で構成されている。図3に示すように、上面ヒータ53および側面ヒータ54は、トラクションシーブ20のうちメインロープ5が巻き掛けられている部分に対向している。下面ヒータ55は、トラクションシーブ20のうちメインロープ5が巻き掛けられていない部分に対向している。
図3~図5に示すように、上面ヒータ53は、カバー31の上面板33の内面(または下面)に取り付けられている。上面ヒータ53は、トラクションシーブ20の上方に位置しており、トラクションシーブ20のロープ溝20aに、上方から対向している。上面ヒータ53は、上方からトラクションシーブ20を加熱する。トラクションシーブ20にメインロープ5が巻き掛けられている場合には、上面ヒータ53は、メインロープ5に対向し、メインロープ5を加熱する。
本実施の形態においては、上面ヒータ53は、複数のロープ溝20aに対向している。しかしながら、このことに限られることはなく、上面ヒータ53は、1つのロープ溝20aに対向するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、上面板33に、1つの上面ヒータ53が取り付けられている。しかしながら、このことに限られることはなく、上面板33に、複数の上面ヒータ53が取り付けられていてもよい。この場合、上面ヒータ53は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対して並列配置されてもよく、直列配置されてもよい。
側面ヒータ54は、カバー31の側面板34の内面に取り付けられている。側面ヒータ54は、各側面板34に取り付けられている。側面ヒータ54は、トラクションシーブ20の側方に位置しており、トラクションシーブ20のロープ溝20aに、側方から対向している。側面ヒータ54は、側方からトラクションシーブ20を加熱する。トラクションシーブ20にメインロープ5が巻き掛けられている場合には、側面ヒータ54は、メインロープ5に対向し、メインロープ5を加熱する。
本実施の形態においては、側面ヒータ54は、複数のロープ溝20aに対向している。しかしながら、このことに限られることはなく、側面ヒータ54は、1つのロープ溝20aに対向するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、各側面板34に、1つの側面ヒータ54が取り付けられている。しかしながら、このことに限られることはなく、各側面板34に、複数の側面ヒータ54が取り付けられていてもよい。この場合、側面ヒータ54は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対して並列配置されてもよく、直列配置されてもよい。
下面ヒータ55は、カバー31の正面板32の内面に取り付けられている。図5に示すように、下面ヒータ55は、取付腕56を介して、正面板32に取り付けられていてもよい。下面ヒータ55は、トラクションシーブ20の下方に位置しており、トラクションシーブ20のロープ溝20aに、下方から対向している。下面ヒータ55は、下方からトラクションシーブ20を加熱する。トラクションシーブ20にメインロープ5が巻き掛けられている場合であっても、トラクションシーブ20のうち下面ヒータ55が対向する部分には、メインロープ5は存在していない。下面ヒータ55は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対向し、トラクションシーブ20を加熱する。
本実施の形態においては、下面ヒータ55は、複数のロープ溝20aに対向している。しかしながら、このことに限られることはなく、下面ヒータ55は、1つのロープ溝20aに対向するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、正面板32に2つの下面ヒータ55が取り付けられている。2つの下面ヒータ55は、トラクションシーブ20の中心を通る鉛直線Lに対して左右両側に位置している。このことにより、トラクションシーブ20の下端からグリスが垂れた場合であっても、下面ヒータ55へのグリス付着防止を図っている。しかしながら、下面ヒータ55の個数および配置は、これに限られることはない。正面板32には、1つの下面ヒータ55が取り付けられてもよく、3つ以上の下面ヒータ55が取り付けられていてもよい。複数の下面ヒータ55は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対して並列配置されてもよく、直列配置されてもよい。
各ヒータ53~55は、シーブを加熱することができれば任意であり、例えば、熱線式ヒータまたは放射式ヒータであってもよい。
図3に示す温度センサ51は、内側空間40の環境状況として温度を計測するセンサである。温度センサ51は、内側空間40の環境状況を計測する環境状況センサの一例である。温度センサは、内側空間40の温度を計測することができれば、任意の位置に配置されていてもよい。図3に示す例では、温度センサ51が、上面板33の内面(または下面)に取り付けられている。
図2に示すヒータ制御部52は、上述したヒータ50を制御する。ヒータ制御部52は、温度センサ51により計測された内側空間40の温度に基づいて、ヒータ53~55のON/OFFを制御する。ヒータ53~55のON/OFFの閾値は、任意に設定できる。例えば、閾値は、メインロープ5に塗布するグリスの融点または凝固点に基づいて設定してもよい。ヒータ53~55をONにする場合の閾値と、ヒータ53~55をOFFにする場合の閾値は異なっていてもよい。各ヒータ53~55のON/OFFは、同時に行われてもよい。
ヒータ制御部52は、上述したエレベータ装置1の制御装置に組み込まれていてもよい。あるいは、ヒータ制御部52は、制御装置とは別体に構成されていてもよい。この場合、ヒータ制御部52は、巻上機6を支持するマシンベッド内に配置されてもよい。
次に、本実施の形態によるエレベータのシーブ加熱装置30を用いたシーブ加熱方法について説明する。シーブ加熱方法は、エレベータのロープが巻き掛けられるシーブを加熱する方法である。以下では、シーブの一例としての上述したトラクションシーブ20を加熱するためのシーブ加熱方法について説明する。
まず、トラクションシーブ20が配置される内側空間40を画定するカバー31と、カバー31の内面に取り付けられたヒータ53~55とを準備する。カバー31は、巻上機6に取り付けられる。ヒータ53~55は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対向するように配置される。本実施の形態においては、カバー31の内面に上面ヒータ53、側面ヒータ54および下面ヒータ55が取り付けられる。カバー31の内面に、温度センサ51が取り付けられてもよい。その後、カバー31を巻上機6に取り付けてもよい。カバー31が巻上機6に取り付けられた状態で、各ヒータ53~55は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対向する。
続いて、ヒータ53~55をONにしてトラクションシーブ20が加熱される。本実施の形態においては、ヒータ53~55のON/OFFは、ヒータ制御部52によって制御される。
ヒータ制御部52は、温度センサ51により計測された温度に基づいて、ヒータ53~55を制御する。このことにより、内側空間40の温度に基づいて、ヒータ53~55がON/OFFされる。例えば、内側空間40の温度が所定の閾値よりも低い場合にヒータ53~55をONにしてもよい。この場合、トラクションシーブ20のロープ溝20aに係合しているメインロープ5を加熱することができる。このため、メインロープ5のグリスが凝固することを防止できる。一方、内側空間40の温度が所定の閾値よりも高い場合にヒータ53~55をOFFにしてもよい。この場合、不必要にヒータ53~55で電力が消費されることを防止できる。
このように本実施の形態によれば、トラクションシーブ20が配置される内側空間40を画定するカバー31の内面に、ヒータ50が取り付けられている。ヒータ50はトラクションシーブ20のロープ溝20aに対向している。このことにより、ヒータ50は、トラクションシーブ20を効率良く加熱することができ、トラクションシーブ20に巻き掛けられている場合にはメインロープ5を効率良く加熱することができる。このため、メインロープ5のグリスが凝固して、メインロープ5に固着することを防止できる。例えば、トラクションシーブ20が複数のロープ溝20aを含んでいる場合には、各ロープ溝20aに巻き掛けられたメインロープ5の各々で凝固したグリスがトラクションシーブ20に堆積しやすくなると考えられる。また、この場合、トラクションシーブ20へのグリスの堆積量も増大しやすくなると考えられる。また、メインロープ5には、曲げやねじりの力が掛かる場合があり、この場合にも、トラクションシーブ20に、凝固したグリスが堆積しやすいと考えられる。このため、本実施の形態のようにヒータ50でトラクションシーブ20を加熱することにより、複数のメインロープ5が巻き掛けられたトラクションシーブ20であっても、トラクションシーブ20へのグリスの堆積を効果的に防止することができる。
また、本実施の形態によれば、カバー31の内面に、複数のヒータ50が取り付けられている。一のヒータ50は、トラクションシーブ20のうちメインロープ5が巻き掛けられている部分に対向し、他の一のヒータ50は、トラクションシーブ20のうちメインロープ5が巻き掛けられていない部分に対向している。このことにより、トラクションシーブ20に巻き掛けられてメインロープ5を加熱することができるとともに、トラクションシーブ20を直接的に加熱することもできる。このため、メインロープ5のグリスが凝固してメインロープ5に固着することをより一層防止できる。
また、本実施の形態によれば、温度センサ51により計測された内側空間40の温度に基づいて、ヒータ50のON/OFFが制御される。このことにより、温度が低下したときにヒータ50をONにして、グリスが固着することを防止することができ、温度が高い時にはヒータ50をOFFにして、不必要にヒータ50で電力が消費されることを防止できる。このため、グリスの固着を防止しながら、電力消費量の増大を抑制することができる。
以下、上述した本実施の形態の変形例について説明する。
上述した本実施の形態においては、カバー31の内面に、複数のヒータ50が取り付けられ、一のヒータ50は、トラクションシーブ20のうちメインロープ5が巻き掛けられている部分に対向し、他の一のヒータ50は、トラクションシーブ20のうちメインロープ5が巻き掛けられていない部分に対向している例にて説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、複数のヒータ50は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対向する位置に配置されていれば、メインロープ5が巻き掛けられている部分か否かに関わらず、任意の位置に配置されていてもよい。また、カバー31の内面に取り付けられるヒータ50の個数は複数であることに限られることはなく、1つでもよい。
また、上述した本実施の形態においては、ヒータ53~55のON/OFFは、同時に行われる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、内側空間40の温度が第1の閾値まで低下した場合にヒータ53~55のうちの一部をONにするとともに残りのヒータ53~55はOFFにしてもよい。そして、内側空間40の温度が、第1の閾値よりも低い第2の閾値まで低下した場合に、残りのヒータ53~55をONにしてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、内側空間40の環境状況を計測する環境状況センサが、温度センサ51である例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。
例えば、環境状況センサは、内側空間40の湿度を計測する湿度センサ(図示せず)であってもよい。この場合、ヒータ制御部52は、湿度センサにより計測された湿度に基づいて、ヒータ50のON/OFFを制御してもよい。例えば、内側空間40の湿度が所定の閾値よりも高い場合に、ヒータ50をONにしてもよい。湿度が高い場合には、内側空間40に浮遊している塵埃が湿気を帯びて、グリスに付着しやすくなる。塵埃がグリスに付着するとグリスが固着しやすくなる。このため、湿度が高い場合にヒータ50をONにすることにより、内側空間40の湿度を低減することができ、塵埃がグリスに付着することを抑制できる。一方、内側空間40の湿度が所定の閾値よりも低い場合にヒータ50をOFFにしてもよい。この場合、不必要にヒータ50で電力が消費されることを防止できる。
また、例えば、環境状況センサは、内側空間40の塵埃量を計測する塵埃センサ(図示せず)であってもよい。この場合、ヒータ制御部52は、塵埃センサにより計測された塵埃量に基づいて、ヒータ50のON/OFFを制御してもよい。例えば、内側空間40の塵埃量が所定の閾値よりも大きい場合に、ヒータ50をONにしてもよい。この場合、塵埃がグリスに付着したとしても、グリスが固着することを防止できる。一方、内側空間40の塵埃量が所定の閾値よりも小さい場合にヒータ50をOFFにしてもよい。この場合、不必要にヒータ50で電力が消費されることを防止できる。
環境状況センサは、温度センサ51、湿度センサおよび塵埃センサのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。温度センサ51、湿度センサおよび塵埃センサのうちの2つ以上のセンサで環境状況センサが構成される場合、グリスの固着を効果的に防止しながら、電力消費量の増大を効果的に抑制することができる。なお、環境状況センサが2つ以上のセンサで構成される場合には、各センサが別体に構成されてもよく、あるいは、各センサが一体に構成されていてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、ヒータ制御部52は、温度センサ51により計測された内側空間40の温度に基づいて、ヒータ50のON/OFFを制御する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。
例えば、ヒータ制御部52は、エレベータの乗りかご3が所定距離昇降した場合、乗りかご3に昇降指令が発せられた場合、および乗りかご3が昇降して停止した場合のうちの少なくとも1つの場合に、ヒータ50をONにしてもよい。この場合、ヒータ制御部52によるヒータ制御の条件設定が複雑になることを抑制できる。乗りかご3が所定距離昇降した場合には、メインロープ5の表面にグリスが堆積される可能性があるため、ヒータ50をONにしてグリスを加熱することにより、グリスの固着を防止することができる。乗りかご3に昇降指令が発せられた場合にヒータ50をONにすることにより、乗りかご3が昇降を開始する直前にグリスを加熱することができ、グリスが堆積することを防止できる。乗りかご3が昇降して停止した場合には、メインロープ5の表面にグリスが堆積される可能性があるため、ヒータ50をONにしてグリスを加熱することにより、グリスの固着を防止することができる。
また、例えば、ヒータ制御部52は、エレベータの利用者が比較的少ない時間帯である場合に、および保守点検時である場合のうちの少なくとも1つの場合に、ヒータ50をONにしてもよい。利用者が比較的少ない時間帯は、エレベータの制御装置に記憶されている過去の乗りかご3の運転状況から、利用者が比較的少ない時間帯を選定してもよい。このことにより、定期的に、ヒータ50をONにすることができ、グリスの固着を防止することができる。また、保守点検時にヒータ50をONにすることによっても、定期的にヒータ50をONにすることができ、グリスの固着を防止することができる。
また、例えば、図6に示すように、トラクションシーブ20を撮像するカメラ57を用いて、ヒータ制御部52はヒータ50のON/OFFを制御してもよい。より具体的には、カバー31に、カメラ57が取り付けられてもよい。カメラ57は、トラクションシーブ20のロープ溝20aに対向していてもよく、トラクションシーブ20のロープ溝20aまたはトラクションシーブ20に巻き掛けられたメインロープ5を撮像できる位置に配置されていてもよい。ヒータ制御部52は、カメラ57により撮像された画像に基づいて、ヒータ50のON/OFFを制御する。カメラ57により撮像された画像を画像処理することにより、トラクションシーブ20またはメインロープ5へのグリスの固着の状態を判断することができる。このため、グリスの固着の状態に応じて、ヒータ50のON/OFFを制御することができ、グリスの固着を効果的に防止しながら、電力消費量の増大を効果的に抑制することができる。
また、上述した本実施の形態においては、図6に示すように、内側空間40に、送風機58によって空気が送り込まれるように構成されていてもよい。例えば、送風機58は、カバー31の側面板34に取り付けられて、内側空間40の外部から内側空間40に空気を送り込んでもよい。このことにより、トラクションシーブ20のロープ溝20aに付着した塵埃を吹き飛ばすことができる。このため、塵埃がグリスに付着することを防止することができる。送風機58は、上述したヒータ制御部52によってON/OFFを制御されてもよく、あるいは、常時ONにされていてもよい。
なお、図6においては、シーブ加熱装置30が、カメラ57と送風機58の両方を備えている例が示されているが、このことに限られることはない。シーブ加熱装置30は、カメラ57および送風機58のいずれか一方を備えて、他方は備えていなくてもよい。また、図6においては、図面を明瞭にするために、ヒータ50は省略しているが、ヒータ50は、カメラ57および送風機58とは異なる位置に配置されていてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、上面ヒータ53および側面ヒータ54が、カバー31の内面に直接的に取り付けられる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、上面ヒータ53および側面ヒータ54は、図示しない取付腕を介いて、カバー31の内面に取り付けられていてもよい。この場合、上面ヒータ53および側面ヒータ54を、トラクションシーブ20のロープ溝20aに近づけることができ、グリスを効率良く加熱することができる。
また、上述した本実施の形態においては、ヒータ50は、ヒータ制御部52によってON/OFF制御される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、ヒータ50は、常時ONにされていてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、シーブ加熱装置30が、トラクションシーブ20を加熱する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、シーブ加熱装置30は、トラクションシーブ20以外のシーブを加熱してもよい。
以上述べた実施の形態によれば、グリスの固着を防止することができる。
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
3:乗りかご、5:メインロープ、6:巻上機、20:トラクションシーブ、20a:ロープ溝、30:シーブ加熱装置、31:カバー、40:内側空間、50:ヒータ、51:温度センサ、52:ヒータ制御部、57:カメラ、58:送風機

Claims (10)

  1. エレベータのロープが巻き掛けられるシーブを加熱するためのエレベータのシーブ加熱装置であって、
    前記シーブが配置される内側空間を画定するカバーと、
    前記カバーの内面に取り付けられ、前記シーブを加熱するヒータと、を備え、
    前記ヒータは、前記シーブのロープ溝に対向している、エレベータのシーブ加熱装置。
  2. 前記カバーの前記内面に複数の前記ヒータが取り付けられ、
    一の前記ヒータは、前記シーブのうち前記ロープが巻き掛けられている部分に対向し、
    他の一の前記ヒータは、前記シーブのうち前記ロープが巻き掛けられていない部分に対向している、請求項1に記載のエレベータのシーブ加熱装置。
  3. 前記内側空間の環境状況を計測する環境状況センサと、
    前記ヒータを制御するヒータ制御部と、を更に備え、
    前記ヒータ制御部は、前記環境状況センサにより計測された前記内側空間の環境状況に基づいて、前記ヒータのON/OFFを制御する、請求項1または2に記載のエレベータのシーブ加熱装置。
  4. 前記環境状況センサは、前記内側空間の温度を計測する温度センサ、前記内側空間の湿度を計測する湿度センサおよび前記内側空間の塵埃量を計測する塵埃センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のエレベータのシーブ加熱装置。
  5. 前記ヒータを制御するヒータ制御部を備え、
    前記ヒータ制御部は、エレベータの乗りかごが所定距離昇降した場合、前記乗りかごに昇降指令が発せられた場合、および前記乗りかごが昇降して停止した場合のうちの少なくとも1つの場合に、前記ヒータをONにする、請求項1または2に記載のエレベータのシーブ加熱装置。
  6. 前記ヒータを制御するヒータ制御部を備え、
    前記ヒータ制御部は、エレベータの利用者が比較的少ない時間である場合に、および保守点検時である場合のうちの少なくとも1つの場合に、前記ヒータをONにする、請求項1または2に記載のエレベータのシーブ加熱装置。
  7. 前記シーブを撮像するカメラと、
    前記ヒータを制御するヒータ制御部と、を更に備え、
    前記ヒータ制御部は、前記カメラにより撮像された画像に基づいて、前記ヒータのON/OFFを制御する、請求項1または2に記載のエレベータのシーブ加熱装置。
  8. 前記内側空間に空気を送り込む送風機を更に備えた、請求項1~7のいずれか一項に記載のエレベータのシーブ加熱装置。
  9. 前記シーブは、巻上機に連結されたトラクションシーブである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエレベータのシーブ加熱装置。
  10. エレベータのロープが巻き掛けられるシーブを加熱するためのエレベータのシーブ加熱方法であって、
    前記シーブが配置される内側空間を画定するカバーと、前記カバーの内面に取り付けられ、前記シーブのロープ溝に対向するヒータと、を準備する工程と、
    前記ヒータで前記シーブを加熱する工程と、を備えた、エレベータのシーブ加熱方法。
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