JP7235607B2 - 複合材並びにそれを用いた燃料電池用のセパレータ、セル及びスタック - Google Patents

複合材並びにそれを用いた燃料電池用のセパレータ、セル及びスタック Download PDF

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Description

この発明は、板状の金属製基材の少なくとも片面に、炭素質材及び熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂を含むカーボン層を備えた複合材に関し、特に、基材とカーボン層との密着性に優れたものであり、例えば、固体高分子形燃料電池用等の燃料電池用セパレータを始めとして、レドックスフロー型2次電池用の集電板や、石油精製用、石油化学用等のガスケットやパッキン等においても使用可能な複合材に関する。
近年、環境保全の観点から固体高分子形燃料電池が注目されている。斯かる燃料電池及び燃料電池用セパレータの一例を、それぞれ図7及び図8(a)、(b)に示す。
ここで、図7は、燃料電池17を構成する単位セルの構成を示す分解図であり、図8は、図7に示す燃料電池用セパレータ5の構成を示す図である。図8(a)は、平面図であり、図8(b)は、図8(a)の線X-Yにとった断面図である。
固体高分子形燃料電池17は、固体高分子電解質膜6とアノード(燃料電極)7とカソード(酸化剤電極)8とからなるMEA(membrane electrode assembly:膜/電極接合体)を2枚の燃料電池用セパレータ5によって、ガスケット9を介して挟持した構成10を単位セルとして、これを数十個~数百個積層してスタックとし、アノード7に流体である燃料ガス(水素ガス)を、カソード8に流体である酸化ガス(酸素ガス)を供給することにより、外部回路から電流を取り出す構成となっている。そして、燃料電池用セパレータ5は、一例としては、図8(a)、(b)に示すように、薄肉の板状体の片面又は両面に複数個のガス供給排出用溝11と、ガス供給排出用溝11に燃料ガス又は酸化ガスを供給する開口部12と、MEAを並設するための固定穴13とを有する形状であり、燃料電池内を流れる燃料ガスと酸化ガスとが混合しないように分離する働きを有すると共に、MEAで発電した電気エネルギーを外部へ伝達したり、MEAで生じた熱を外部へ放熱したりするという重要な役割を担っている。
そのため、固体高分子形燃料電池用セパレータに求められる特性としては、前記した燃料ガス等の供給や、カソードで生成した水や反応後のガスを排出させる流路としての機能や、電池内の使用環境(高温、腐食性、低pH等)下における長期の耐久性(耐食性)があること、発電ロスを少なくするために電気抵抗が小さくて導電性に優れること(高導電性、低接触抵抗)、及び燃料ガスと酸化ガスをその両面で完全に分離して電極に供給するためのガス不透過性などの特性に加えて、成形加工性、或いは、車載を想定すると組立時におけるボルト締め付けや振動に対しても割れない強度やフレキシブル性(可撓性)があることも求められている。
従来から、このようなセパレータの開発について種々検討がなされており、特に、金属系材料は炭素系材料と比較して加工性に優れるため、セパレータとする際の厚みを低下させることが可能であり、軽量化が図れるという利点がある。しかしながら、金属系材料を主に用いたセパレータは基本的に耐食性に乏しく、特に燃料電池の使用環境に耐え得るためには耐食性の更なる改善が必要であり、例えば、熱硬化性樹脂をマトリックスとし、これと黒鉛などの充填材とを混合してなる成形品(樹脂層)や、これを金属製薄板に被覆してセパレータとする技術が報告されている(特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の技術においては、樹脂層(熱硬化性樹脂)の硬化を確実なものとするために、温度130~300℃で3~5時間程度のポストキュアを施している。
また、本願の発明者らによる検討によれば、金属(例えば、ステンレス鋼)製の基材の少なくとも片面に、炭素粉末と樹脂粉末とからなるカーボン層を積層させたステンレス鋼板カーボン複合材が、それ以前から検討されてきたカーボン製セパレータや金属製セパレータよりもむしろ、耐食性、導電性及び可撓性の要求性能に対して有用であることを確認している(特許文献2、3を参照)。これら特許文献2及び3においては、樹脂粉末として熱硬化性樹脂(フェノール樹脂、エポキシ樹脂)を用いた場合には、その成形温度(本プレス)は150℃を採用していた。
WO01/085849号 特開2017-071218号公報 特開2017-071219号公報
ところで、固体高分子形燃料電池等の分野においては、技術開発が日進月歩で進められており、特に自動車搭載用燃料電池の分野においてはセパレータの更なる薄肉化や高性能化が求められており、各セパレータ性能についても更なる改善が求められている。
ここで、上記特許文献1~3のような樹脂層やカーボン層を設ける技術によって、特に、耐食性の改善が図られているものの、本願の発明者らの更なる検討によれば、カーボン層を密着性良く金属基材上に形成させることは難しい技術であることが分ってきており、実際、金属基材とカーボン層との間に接着剤層を設けて密着性の向上を図っているものの、場合によっては、燃料電池環境下でカーボン層が剥がれてしまうことが懸念されている。例えば、上記特許文献1に記載の樹脂層に関しては、長い時間のポストキュアにより樹脂の劣化を引き起こして、密着強度を低下させる要因になる虞がある。このような密着性の懸念を解消するための方策としては、種々考えられるものの、カーボン層における炭素質材やマトリックス樹脂の配合割合を変更すると、密着性以外の特性〔例えば、接触抵抗(導電性)や耐食性〕に比較的大きな影響を与えることが懸念され、カーボン層の組成の改良から、抜本的な改善を図るには制限がある。また、金属基材側においても、金属種や組成の改良は多くの試行を生じさせることに繋がるし、また、例えば別途の表面処理を行おうとすると、工程が複雑になったり、密着性以外の特性〔例えば、接触抵抗(導電性)や耐食性〕に影響を与えたりすることが懸念される。
そのため、本願の発明者らは、基材とカーボン層との密着性をより向上させるための要因・方策について検討を続けたところ、意外なことには、カーボン層を形成する際の成形(ホットプレス)条件、特に、ホットプレスの時間に影響を受けることが確認された。そして、本願の発明者らは、このようなホットプレスによるカーボン層の密着性の低下が、如何にして引き起こされるかを定量的に評価する方法を見出すことに鋭意取り組んだ結果、以下のような新たな知見が得られた。
すなわち、カーボン層のマトリックス樹脂として熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)を用いて検証を行ったが、密着性の低下が見られるカーボン層について、示差熱分析(DTA)を実施したところ、得られる示差熱分析曲線(DTA曲線)では特段の傾向が見られなかったが、非常に意外なことには、このDTA曲線をさらに温度で微分して得られた微分曲線(DDTA)において、特定の温度付近に顕著なピークが出現することを突き止めた。このことについて、さらに詳細に検討した結果、カーボン層を形成する際のホットプレスの時間を比較的短く、硬化が不十分となるようにした場合には、上記DDTA曲線の温度200℃付近に強いピークが現れることが確認され、これは使用した熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)の融点に近いことから、未硬化の樹脂成分に由来することが推測された。一方で、カーボン層を形成する際の時間を過剰に長くして硬化を進めたところ、上記DDTA曲線の温度300℃付近に強いピークが現れることが確認され、これは硬化した樹脂が脆化してしまっていることに由来すると推測された。
そして、本願の発明者らは、これらの知見を総合的に検討することにより、従来よりも金属基材とカーボン層との密着性を向上させるためには、熱硬化の条件を適正化することが必要であり、しかもこれを裏付けるためには、上記のように示差熱分析で得られるDTA曲線を更に温度で微分して得た微分曲線(DDTA曲線)を確認する必要があることを見出して、本発明を完成させた。
本発明は、上記した知見に基づいて発明されたものであり、その目的とするところは、例えば、固体高分子形燃料電池用等の燃料電池用セパレータを始めとして、レドックスフロー型2次電池用の集電板や、石油精製用、石油化学用等のガスケットやパッキン等においても使用可能な、導電性及び耐食性に優れると共に、特に、基材とカーボン層との密着性に非常に優れた複合材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、このような複合材を用いた燃料電池用のセパレータ、セル及びスタックを提供することにある。さらに、このような複合材を見出す過程において、密着性の低下に繋がるカーボン層の硬化・脆化の程度を、示差熱分析から評価する方法については本発明において初めて見出された知見であり、その評価方法の提供もまた本発明の目的とするところである。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)板状の金属製基材の少なくとも片面に、導電性を有するカーボン層を備えた複合材であって、
前記カーボン層は、炭素質材と熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂とを含むと共に、以下の(*)を満足することを特徴とする複合材。
(*)カーボン層を、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分として示差熱分析を実施したとき、得られる示差熱分析曲線(DTA曲線)の温度微分曲線(DDTA曲線)において、温度200℃における強度値が0.035μV/℃以下であり、尚且つ温度300℃における強度値が0.050~0.080μV/℃であること。
(2)前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂であることを特徴とする(1)に記載の複合材。
(3)前記カーボン層の厚みが、30μm~200μmであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の複合材。
(4)前記金属製基材が、ステンレス鋼材又はチタン材からなることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の複合材。
(5)前記(1)~(4)のいずれかに記載の複合材を備えた燃料電池用セパレータ。
(6)前記(5)に記載の燃料電池用セパレータを備えた燃料電池用セル。
(7)前記(6)に記載の燃料電池用セルを備えた燃料電池スタック。
本発明によれば、導電性及び耐食性に優れると共に、特に、基材とカーボン層との密着性に非常に優れた複合材を提供することができ、しかも、このような密着性に影響するカーボン層の硬化・脆化の程度を示差熱分析から評価する方法も提供することができる。本発明に係る複合材は、このような特性を有することにより、固体高分子形燃料電池用のセパレータ、セル及びスタックとして好適に使用され得る。
図1は、カーボン層のDTA曲線及びDDTA曲線を示すグラフであって、試験例1に係るカーボン層の結果を示すものである。 図2は、カーボン層のDTA曲線及びDDTA曲線を示すグラフであって、試験例4に係るカーボン層の結果を示すものである〔図中の(i)及び(ii)は、それぞれ、200℃及び300℃の各強度値の求め方を示すものである。〕。 図3は、カーボン層のDTA曲線及びDDTA曲線を示すグラフであって、試験例5に係るカーボン層の結果を示すものである。 図4は、カーボン層又は複合材を製造するための成型方法の概略説明図である。 図5は、本発明の複合材の製造におけるスラリー部(炭素質材及びマトリックス樹脂)、接着剤層及び基材の積層方法の概略説明図である。 図6は、接触抵抗を測定する方法の概略説明図である。 図7は、燃料電池を構成する単位セルの構成例を示す分解図である。 図8(a)は燃料電池用セパレータの一例を示す平面図であり、図8(b)は図8(a)の線X-Y断面を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態の複合材及びその製造方法について、詳細に説明する。
本実施形態の複合材は、板状の金属基材の少なくとも片面に、導電性を有するカーボン層を備えるものであって、カーボン層は、炭素質材と熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂とを含み、また、後述のとおり、カーボン層に対して示差熱分析を行ったときに、得られる示差熱分析曲線(DTA曲線)を温度で微分した微分曲線(DDTA曲線)において所定の特性を有するものであり、特に、このようなカーボン層の構成を採っていることにその特徴を有する。
<基材>
本実施形態で使用される基材については、板状に加工されたものであり、金属製であれば特に制限されない。例えば、ステンレス鋼材、チタン材、炭素鋼などが挙げられるが、耐食性が比較的良好なチタン材、ステンレス鋼材が好ましい。ステンレス鋼はクロム(Cr)含有量が10.5質量%以上の鋼を指し、例えば、オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系又はオーステナイト系とフェライト系との二相系であってよい。また、チタン材は、純チタン及びチタン合金のいずれであってもよい。
この板状の金属製基材の大きさ等については、使用の目的・用途等に応じて適宜変更・調整して用いることができる。基材の厚みについては、好ましい下限が0.010mm、より好ましい下限が0.015mm、さらに好ましい下限が0.020mmであり、一方で、好ましい上限が0.20mm、より好ましい上限が0.18mm、さらに好ましい上限が0.15mmである。基材の厚みが上記の下限値よりも少ないと材料の強度が不足する虞があり、一方で、上記の上限値を超えるものであると、例えば燃料電池用のセパレータとする際の集積化に影響を及ぼす虞がある。そのため、基材の厚みは上記の範囲とすることが好ましい。
なお、基材には、本発明の目的の範囲内で、適宜、表面処理などが施されていてもよい。例えば、耐食性等の向上のために不働態皮膜等の酸化皮膜が形成されていてもよく、また、導電性向上のために金属メッキ(例えば、電気メッキ法)や酸洗浄(例えば、フッ化水素酸、硝酸、又はこれらの混酸を含む酸溶液による洗浄・浸漬等の処理)等により表面処理が施されていてもよい。
<カーボン層>
次に、前記で得られた基材の少なくとも片面に対して、導電性を有するカーボン層を形成させる。カーボン層は、炭素質材と熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂とを含むものである。
炭素質材については、導電性を有するものであればよく、その性状等は限定されない。炭素質材として、例えば、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、膨張黒鉛粉末、膨張化黒鉛粉末、鱗片状黒鉛粉末、球状黒鉛粉末などの粉末等から選ばれたいずれか1種か、又は2種以上の混合物を挙げることができる。また、必要に応じて、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど)などの炭素粉末を含有してもよい。
そして、この炭素質粉末の粒子径については、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、Malvern製「Mastersizer2000」等)の粒度測定計において算出されたD50(累積50体積%径)の値で表される平均粒子径が、通常4μm以上150μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下であるのがよく、4μmより小さいと比表面積が大きいため樹脂が粒子同士または基材との接着に使用されにくく、可撓性に劣る虞があり、反対に、150μmより大きくなるとカーボン層を形成する際に平滑な面が得られにくく、不良率が大きくなる虞がある。
また、マトリックス樹脂については、その性状等は限定されないが、後述する示差熱分析による硬化及び脆化の特性を備えるものである必要があり、そのために、熱硬化性樹脂を使用する。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂及び/又はエポキシ樹脂を挙げることができるが、寸法安定性、加工容易性などの観点から、フェノール樹脂を用いることが好ましく、このうち、常温で液体であるため、均一に塗工するのが容易であることからレゾール型フェノール樹脂を用いることがより好ましい。このようなレゾール型フェノール樹脂としては、例えば、リグナイト株式会社製のAH-1305、明和化成株式会社製のMEH-8000Hを好適に使用することができる。
このような炭素質材と熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂とを用いて、カーボン層を形成する。カーボン層の形成方法については、特に制限されるものではなく、例えば、基材の表面に炭素質材(炭素質粉末など)とマトリックス樹脂(樹脂粉末など)とを含む混合物を充填しホットプレスする方法、樹脂粉末と炭素質粉末とを溶剤中に分散させたスラリーを、ドクターブレード等を使い基材表面に塗布し、乾燥後にホットプレスする方法等が例示できる。好ましくは、炭素質粉末と樹脂粉末とを含む粉末混合物を温間圧縮成型(ホットプレス)して予めシート状のカーボン層を作成し、得られたカーボン層を基材の表面に再びホットプレスして積層させるホットプレス法で行うのがよい。このホットプレス法でカーボン層を形成し、また、積層することにより、連続的にカーボン層を基材の表面に形成することができるという利点がある。
そして、本実施形態においては、特に、カーボン層に対して示差熱分析を行った際に、以下の特性を備えることを見出した。示差熱分析の具体的な方法は次の通りである。
すなわち、先ず、示差熱分析装置に試料(カーボン層)を設置し、窒素雰囲気下において、10℃/分の昇温速度とした際の示差熱分析(DTA)を行う。これにより得られる示差熱分析曲線(DTA曲線)は、図1~3に示す通り温度を上げていくにつれて緩やかな上昇が見られるものであり、詳細は掴めていないものの、これは、樹脂の硬化が進むことを示すものと推測される。このDTA曲線においては、特段の特徴がとらえられないが、このDTA曲線を温度で微分すると、同じ図1~3中に示されるような微分曲線(DDTA曲線)が得られる。
そして、この得られたDDTA曲線について、詳細に検証すると、次のようなことが分かった。
すなわち、先ず、図2のように、温度200℃付近において強いピークが観察されることが分かった。これは、後述の試験例1等と比較して、カーボン層形成の際のホットプレスの時間が短い例(後述の試験例4)である。この温度200℃付近に現れるピークについては、使用した熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)の融点に近いものでもあることから、ホットプレス条件との関係で考察すると、未硬化の樹脂成分に由来するものと推測される。一方で、図3のように、温度300℃付近において強いピークが観察されることも分かった。これは、後述の試験例1等と比較して、カーボン層形成の際のホットプレスの時間を長くした例(後述の試験例5)であり、樹脂の硬化が十分な状態で現れるピークであることから、後述の評価結果を参酌するに、樹脂の硬化が過剰に進んでしまっている状態であると推測される。
これらに対して、図1に示した試験例1に係るカーボン層については、同じようにして得られるDDTA曲線を観察すると、上記の200℃及び300℃においても明確なピークとしては確認されなかった。つまり、これらのことから考察するに、このようなDDTA曲線における200℃及び300℃のピークの出現や、ピークが出なくてもその温度における値〔本実施形態においては、DDTA曲線のこの値を、便宜的に、「強度値」(μV/℃)と呼ぶこととする。〕を確認することによって、カーボン層中の樹脂の未硬化と過剰硬化(脆化)との程度を確認することができ、それに基づいて、カーボン層の硬化・脆化の程度を一定の範囲内とすることが必要であり、これにより、特に、基材とカーボン層との密着性を向上できることを初めて知見した。
そして、上記の結果に基づくと、本実施形態の複合材におけるカーボン層については、DDTA曲線における200℃及び300℃においてピークを有さず、しかも、200℃における強度値(μV/温度)が0.035以下であって、樹脂の未硬化に起因する樹脂成分を可及的に少なくすることがよい。強度値の算出については、図1~3(特に、図2)に示されるように、各DDTA曲線における温度80℃~130℃における測定点から最小二乗法により直線近似してこれをベースラインとした上で、温度200℃において、ベースラインとDDTA曲線上の測定値との差(絶対値)を求めることとし、温度300℃も場合も同様とした。温度200℃における強度値が上記を超える場合、カーボン層中の樹脂の硬化の程度が不十分であると推測され、それ故、燃料電池環境下での基材とカーボン層との密着性の低下を抑制できない虞がある。ただし、この未硬化に由来する樹脂成分が、少なくとも、0.0001μV/温度程度は検出されることがあることから、通常は、この200℃における強度値は0.0001~0.035μV/温度となるようにすることがよい。
一方で、DDTA曲線における300℃の強度値(μV/温度)は、0.050~0.080であることがよく、好ましくは0.055~0.075となるようにすることがよい。当該強度値についても、樹脂構造(組成)やホットプレスの程度の僅かなばらつき等から、カーボン層の一部において硬化が若干進む場合も想定されるために、少なくとも0.050程度となるが、反対に、0.080を超える場合には、明らかに、樹脂の硬化が過剰で脆化が進んでしまい、燃料電池環境下において基材とカーボン層との密着性の低下を十分に抑制できない虞がある。
ここで、上記のようなカーボン層(熱硬化性樹脂)の硬化・脆化の程度を有するようにするためには、熱処理(例えば、ホットプレス)の条件を適正化する。熱硬化性樹脂がフェノール樹脂の場合を例にとると、カーボン層中の炭素質材とフェノール樹脂との合計に対してフェノール樹脂が20~30質量%の例では、熱処理温度が180~200℃、熱処理時間が1000~3000秒程度になるようにすることがよい。なお、ホットプレスする場合の圧力は成形の程度によるが、通常、10~60MPa程度とすることができる。すなわち、使用する熱硬化性樹脂の量やその種類によって、上記の所望の硬化・脆化の程度の範囲内となるように、熱処理(例えば、ホットプレス)の条件を適正化する。
また、本実施形態においては、カーボン層中の炭素質材(C)と熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂(R)との合計質量に対する樹脂の質量割合〔質量%、R/(C+R)〕は、好ましくは10~30質量%、より好ましくは15~20質量%であることがよい。樹脂の割合が10質量%未満ではカーボン層の形成が困難になる虞があり、一方で、30質量%超過では、十分な導電性が得られない虞がある。なお、これらの体積比(C/R)は、好ましくは6/4~9/1であり、より好ましくは7/3~8/2である。体積比(C/R)が6/4より小さいと炭素質材の比率が低くなって導電性に影響を与える虞があり、反対に、9/1より大きいとマトリックス樹脂の比率が低くなって柔軟性、耐食性および可撓性影響を与える虞がある。
また、当該カーボン層の厚さは、30~200μmとすることが好ましい。より好ましくは、40~180μmである。カーボン層の厚さが30μm未満であると、十分な耐食性が得られなくなる虞があり、一方で、厚さが200μmを超えると、例えば燃料電池用のセパレータとする際の集積化や、可撓性等に影響を与える虞がある。
また、本実施形態においては、上記カーボン層の形成に先駆けて、基材の表面に接着剤層を形成させる接着剤層形成工程を実施してもよい。その場合、接着剤層を介して、基材とカーボン層とが積層される。このような接着剤層を備えることにより、基材とカーボン層との間の密着性が向上することや、基材表面が接着層で被覆されることから、例えば、固体高分子形燃料電池として使用する場合には腐食性環境に対する耐久性が向上するという利点がある。このような接着剤層については、その厚みを0.1μm以上10μm以下とすることが好ましい。厚みが0.1μm未満だと接着強度が少なくなる虞があり、反対に、10μmを超えると作製された複合材の導電性に影響を与える虞がある。
このような接着剤層を形成するための接着剤組成物については、特に制限されるものではないが、例えば、1wt%-フェノール樹脂接着剤組成物(溶媒:エチレングリコールモノブチルエーテル、レゾール型フェノール樹脂:リグナイト株式会社製商品名AH-1305や、エポキシ樹脂接着剤組成物(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製商品名:YSLV-80XY)等を使用することができる。
このようにして、板状の金属製基材の少なくとも片面に導電性を有するカーボン層を形成させて、本実施形態に係る複合材を製造する。本実施形態の方法によって得られた複合材は、例えば、接触抵抗が10mΩ・cm2以下であることが好ましく、より好ましくは5mΩ・cm2以下、さらに好ましくは3mΩ・cm2以下であって、尚且つ、その接触抵抗が燃料電池の使用環境に相当する環境下においても実質的に変化しないものであることが好ましい。
本実施形態の複合材は、導電性(低接触抵抗)と耐食性とが共に優れており、特に、基材とカーボン層との密着性に極めて優れたものであり、例えば、固体高分子形燃料電池用等の燃料電池用セパレータ、レドックスフロー型2次電池用の集電板、石油精製用、石油化学用等のガスケットやパッキン等の用途において好適に用いられる。固体高分子形燃料電池用のセパレータとして用いる場合、例えば図7に示されるように、固体高分子電解質膜6とアノード(燃料電極)7とカソード(酸化剤電極)8とからなるMEAを2枚の燃料電池用セパレータ5によって、ガスケット9を介して挟持した構成10を単位セルとして、これを数十個~数百個積層してスタックとすることができる。
以下、試験例に基づいて、本実施形態の複合材、その製造方法、及び各性能評価について、具体的に説明する。
1.板状の金属製基材の準備
基材は、以下の3種類の市販品を用い、いずれも酸水溶液(4質量%フッ化水素酸)を用いて、温度80℃で5分の表面処理(浸漬)を施した。
(1)純チタン材(JIS1種、厚さ50μm)
(2)オーステナイト系ステンレス鋼材(SUS316L、厚さ50μm)
(3)フェライト系ステンレス鋼材(SUS444、厚さ50μm)
2.カーボン層の形成
〔接着剤層の形成〕
上記酸水溶液による表面処理後の基材の表面に、接着剤層を形成させ、接着剤層付きの基材を得た。詳細には、アプリケータを用い、塗布厚10μmとなるように接着剤組成物を基材表面に塗布し、室温で10分乾燥させて、接着剤層を形成させた。
接着剤組成物としては、レゾール型フェノール樹脂(リグナイト株式会社製商品名:AH-1305)をエチレングリコールモノブチルエーテルに1wt%になるように溶解させたものを用いた。
〔カーボン層の形成〕
炭素質材として、95質量%の球状黒鉛粉末(Y.A.S.社製、SG6、平均粒子径:6.74μm)と、5質量%のアセチレンブラック(デンカ株式会社製、Li-100、平均粒子径35nm)との混合材を使用し、また、マトリックス樹脂としては、レゾール型フェノール樹脂(リグナイト株式会社製、AH-1305)を使用した。そして、上記炭素質材とマトリックス樹脂とを、マトリック樹脂の3倍質量の溶媒(エチレングリコールモノブチルエーテル)に溶解させ、スラリーとした。なお、炭素質材とマトリックス樹脂との合計質量に対するマトリックス樹脂の質量が14質量%、22質量%、及び45質量%の3種類のスラリーを作製した。
そして、これらの各スラリーを、前記の接着層が形成された基材の接着層形成面に塗布し、ホットプレートを用いて80℃で5分間加熱して溶剤を乾燥し、基材上のスラリー部(符号3)が予備硬化した各プリフォーム体(符号1’)とした(図5)。続いて、この各プリフォーム体(符号1’)を、図4に示すプレス装置(東洋精機製作所社製卓上ホットプレスMP-SCL)を用いてホットプレスすることにより、前記プリフォーム体が本硬化されたカーボン層とし、それにより本実施形態の各複合材として得た。ホットプレスの圧力は20MPaとし、温度及び時間が表1のとおりとした。得られた複合材のカーボン層の片面の厚さは、表1のとおりであった。なお、片側の基材面についても、同様に接着剤層及びカーボン層を形成させた。
上で得られた各複合材についての評価は以下のように行なった。
〔カーボン層の示差熱分析〕
ピンセットを用いて、各複合材からカーボン層のみを30mg程度削り取った。削り取った試料をφ4mm、高さ2.5mmのアルミ製容器に封入した。そして、アルミ性容器に封入した各試料について、以下の条件で示差熱分析を実施し、示差熱分析曲線(DTA曲線)を得、さらにこのDTA曲線の温度微分曲線(DDTA曲線)を得た。
・測定装置:株式会社日立ハイテクサイエンス製示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA7300
・雰囲気ガス:窒素
・雰囲気ガス流量:200mL/min
・昇温条件:10℃/min
・到達温度:1000℃
続いて、上記で得られた各DDTA曲線において、図1~3に示すように、それぞれ80℃~130℃における測定点から最小二乗法により近似直線を求め、この近似直線を300℃以上まで延長した直線をベースラインとし、200℃及び300℃におけるDDTA曲線上の値とベースラインとの差分(絶対値)を求めて、それぞれ、温度200℃における強度値(μV/℃)及び300℃における強度値(μV/℃)とした〔例えば、図2に示した(i)及び(ii)の絶対値が、それぞれ200℃及び300℃における各強度値に相当する。図1、図3においても同様に求める。〕。
結果を表1に示す。
〔カーボン層中のマトリックス樹脂含有率の測定〕
各試験材の断面を、SEM(日本電子製、JSM-7800F)を用いて観察した。カーボン層について、10視野をランダムに測定し、測定視野の画像から樹脂が存在する割合と炭素質材が存在する割合とを測定・計算して、樹脂の平均体積含有率を求めた。そして、樹脂および炭素質材の密度を、それぞれ1.2g/cm3、0.85g/cmとして、それぞれを質量%に計算し直した。
結果を表1に示す。
〔耐食性の評価〕
燃料電池模擬環境に試験材を浸漬し、溶液中の沈殿物の有無によって耐食性を評価した。具体的には、各複合材を20mm×20mmに加工し、これを300ppmの塩化物イオン(Cl-)を含んだ80℃の硫酸溶液中(pH3)に240時間浸漬した後の溶液の沈殿物の有無を確認し、以下の基準で評価した。
得られた結果を下記の表2に示す。
◎:沈殿物が無く、溶液に変色も見られない
○:沈殿物は無いが溶液に変色が見られる
×:沈殿物あり
〔表面導電性(接触抵抗)の評価〕
カーボンペーパとの接触抵抗を測定した。図6は、試験材の接触抵抗を測定する装置の構成を示す図であり、この装置を用いて接触抵抗を測定した。
まず、各複合材を15mm×15mmに加工して作製した試験材(符号14)を、燃料電池用のガス拡散層として使用される1対のカーボンペーパ(符号15)〔東レ(株)製 TGP-H-90〕で挟み込み、これを金めっきした1対の白金電極(符号16)で挟んだ。各カーボンペーパ15の面積は、1cm2であった。次に、この1対の白金電極16の間に、10kgf/cm2(9.81×105Pa)の荷重を加えた。図6に、荷重の方向を白抜き矢印で示す。この状態で、1対の白金電極16間に一定の電流を流し、このとき生じるカーボンペーパ15と試験材14との間の電圧降下を測定した。この結果に基づいて抵抗値を求めた。得られた抵抗値は、試験材14の両面の接触抵抗を合算した値となるため、これを2で除して、試験材14の片面あたりの接触抵抗値とし、以下の基準で評価した。
得られた結果を下記の表2に示す。
◎:5mΩ・cm2未満
○:5mΩ・cm2以上、10mΩ・cm2未満
×:10mΩ・cm2以上
〔基材とカーボン層との密着性の評価(耐食性評価前)〕
各複合材を作製後、24時間以内にそれぞれを50mm×50mmの大きさに加工して各試験片とした。この試験片について、クロスカット法を用いて密着強度を評価した。試験片に対して、カッターナイフを用いてカーボン層の被覆面側から芯材である基材に達する切れ込みを2mm間隔で平行に11本付けた。そして、それに垂直になるように更に11本の切れ込みを入れ、100個の碁盤目を形成させた。この碁盤目の箇所に対して、テープ剥離試験を行った。テープとして、ニチバン社製のセロテープ(登録商標)を用いた。評価面に貼り付けたテープを剥がしたときに、カーボン層が剥離した程度により、密着性を評価した。
得られた結果を下記の表2に示す。
◎:いずれの格子目も剥離が見られない
○:カーボン層が0以上5%未満で剥離している
×:カーボン層が5%以上剥離している
〔基材とカーボン層との密着性の評価(耐食性評価後)〕
各複合材を20mm×20mmの試験片に加工し、これを300ppmの塩化物イオン(Cl-)を含んだ80℃の硫酸溶液中(pH3)に240時間浸漬した。その後、取り出した試験片について、前記同様のクロスカット法を用いて、密着性を評価した。
得られた結果を下記の表2に示す。
◎:いずれの格子目も剥離が見られない
○:カーボン層が0以上5%未満で剥離している
×:カーボン層が5%以上剥離している
Figure 0007235607000001
Figure 0007235607000002
上記の表1及び表2の結果から分かるように、スラリーに対する樹脂割合とホットプレスの条件とを適正化した試験例1、6~8は、カーボン層における200℃及び300℃の強度値が所定の範囲内であって、いずれも、接触抵抗及び耐食性に優れるだけでなく、基材とカーボン層との密着性にも非常に優れた複合材を得ることができた。
一方で、樹脂割合が試験例1よりも少ない試験例2に係る複合材においては、試験例1と同じホットプレスの条件ではカーボン層における300℃の強度値が大きくなり、これは、樹脂の硬化が過剰に進んで脆化してしまったと推測される。それにより、特に、耐久試験後の密着性に劣るものとなった。
また、逆に、樹脂割合を試験例1よりも多くした試験例3に係る複合材においては、試験例1と同じホットプレスの条件ではカーボン層における200℃の強度値が大きくなり、これは、未硬化の樹脂成分が残っていて、樹脂の硬化が十分でないと推測される。この試験例3においては、樹脂量が比較的多いことから、そもそも接触抵抗を満足できるものではなかった。また、樹脂の硬化が十分でないために、特に耐久試験後の密着性に劣るものとなった。
さらに、スラリー中の樹脂割合が試験例1と同じであっても、ホットプレスの時間を短くした場合(試験例4)又は長くした場合(試験例5)は、それぞれ、試験例3又は試験例2と同じような結果が得られ、ホットプレスの時間が短い試験例4では未硬化樹脂に由来すると推測される200℃の強度値が大きく、反対に、ホットプレスの時間が長い試験例5では過剰な硬化に由来すると推測される300℃の強度値が大きくなり、いずれも、特に基材とカーボン層との密着性に劣るものであった。
1’…プリフォーム体、1…複合材、2…接着剤層、3(1’)…スラリー部、4…基材、5…燃料電池用セパレータ、6…固体高分子電解質膜、7…アノード(燃料電極)、8…カソード(酸化剤電極)、9…ガスケット、10…単位セル、11…ガス供給排出用溝、12…開口部、13…固定穴、14…試験材、15…カーボンペーパ、16…白金電極、17…固体高分子形燃料電池、100…プレス装置、101…雄型、102…雌型、103…金型、104…機枠、105…油圧シリンダ。

Claims (7)

  1. 板状の金属製基材の少なくとも片面に、導電性を有するカーボン層を備えた複合材であって、
    前記カーボン層は、炭素質材と熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂とを含むと共に、以下の(*)を満足することを特徴とする複合材。
    (*)カーボン層を、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分として示差熱分析を実施したとき、得られる示差熱分析曲線(DTA曲線)の温度微分曲線(DDTA曲線)において、温度200℃における強度値が0.035μV/℃以下であり、尚且つ温度300℃における強度値が0.050~0.080μV/℃であること。
  2. 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の複合材。
  3. 前記カーボン層の厚みが、30μm~200μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合材。
  4. 前記金属製基材が、ステンレス鋼又はチタンからなることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の複合材。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の複合材を備えた燃料電池用セパレータ。
  6. 請求項5に記載の燃料電池用セパレータを備えた燃料電池用セル。
  7. 請求項6に記載の燃料電池用セルを備えた燃料電池スタック。
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