JP7235243B2 - 遠心分離式集塵器及びこれに接続可能な補助集塵ユニット - Google Patents
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Description
特許文献1に開示の集塵器は、円筒状の本体と、本体の下流側外周に設けられた集塵部(集塵口及び集塵袋)とが設けられる。本体の上流側に設けられた流入口は、乾燥機の排気管に接続され、乾燥機から排出された塵芥含有ガスを本体内部に導入する。本体内部に取り込まれたガスは、本体内部に設けられた旋回流発生機構(羽根及びボルテクサー)により強力な旋回流に変換され、この変換の際に生じる遠心力によって塵芥と気体とに分離される。旋回流発生機構の下流側には、本体内壁全周に亘って中間リングがさらに設けられており、塵芥は中間リングに衝突して軸方向の勢い(流れ)を失い、遠心分離の効果が高められる。分離された塵芥は、集塵口を介して本体から集塵袋へ収集される。これに対して、気体の方は、本体後端の排出口から排気される。
しかしながら、特許文献1に開示の集塵器で分離・収集される塵芥は比較的大きなものであり、実際には、比較的小さな(細かな)塵芥が、気体とともに排出口から排気される。この細かな塵芥は、乾燥機周辺の空中を舞い、周辺地域の環境悪化を招く。さらに、細かな塵芥は人間の皮膚も刺激するため、痒みや痛みなどの苦痛を生み、地域住民の健康被害を引き起こすことにもなる。
(態様1)
農業用乾燥機の排出気体から籾殻や藁屑などの塵芥を遠心分離させて捕集する集塵器本体に取付可能な補助集塵ユニットであって、
前記補助集塵ユニットは、中空の第2筒体と、錐体状の網部と、補助集塵部とを備え、
第2筒体の先端は、前記集塵器本体の排出口に接続可能であり、
第2筒体の後端には、前記錐体の頂点が最も上流側に配置された状態で前記網部が取付可能であり、
前記補助集塵部は、第2筒体の後端近傍の周壁に設けられた補助集塵口と、前記補助集塵口を覆うように取付可能な集塵袋とを備えること、
を特徴とする補助集塵ユニット。
(態様2)
前記網部は、金属製で、かつ、円錐状を成すこと
を特徴とする態様1に記載の補助集塵ユニット。
(態様3)
前記網部は、第2筒体の前記後端に着脱自在に嵌入可能であること
を特徴とする態様1又は2に記載の補助集塵ユニット。
(態様4)
前記網部は、前記頂点が前記補助集塵口から離れて配置された状態で第2筒体の中心軸から偏心して配置されていること
を特徴とする態様1~3のいずれかに記載の補助集塵ユニット。
(態様5)
態様1~4のいずれかに記載の補助集塵ユニット及び集塵器本体を設けた遠心分離式集塵器であって、
前記集塵器本体は、流入口と前記排出口とが設けられた第1筒体を備え、
第1筒体は、前記流入口と前記排出口との間に配置された旋回流発生機構を備えること
を特徴とする遠心分離式集塵器。
(態様6)
前記集塵器本体は本体集塵部をさらに備え、
前記本体集塵部は、第1筒体の後端近傍の周壁に設けられた本体集塵口と、前記本体集塵口を覆うように取付可能な集塵袋と、を備えること
を特徴とする態様5に記載の遠心分離式集塵器。
図1(a)は本発明の遠心分離式集塵器100を構成する部材1,2を示した分解斜視図であり、図1(b)はこれらの各部材1,2を組付けた状態の集塵器100を示した斜視図である。図2は、集塵器本体1の第1筒体11及び補助集塵ユニット2の第2筒体21の内部を部分的に示した斜視図である。図3は、集塵器本体1の第1筒体11及び補助集塵ユニット2の第2筒体21の断面図ある。図4(a)は、網部22及びその頂点Pの位置を示した正面図であり、図4(b)は、第2筒体21の外周面上部に設けられ、かつ、網部22を第2筒体21に着脱可能に取付可能な部材(着脱部材25)を示した図である。
本発明の実施例に係る遠心分離式集塵器100は、図1(a)及び(b)に示すように、遠心分離式の集塵器本体1(以下、「本体ユニット」とも呼ぶ。)と、補助集塵装置2(以下、「補助集塵ユニット」又は単に「補助ユニット」とも呼ぶ。)と、を備える。なお、これらの部材1,2は、溶接等の公知の技術で原材料を接続することにより製造することが可能である。
ここで、集塵器本体1は、公知(例えば、特許文献1に開示)の構造を有してもよい。すなわち、集塵器本体1は、第1筒体11と、この第1筒体11の下流側外周に設けられた集塵部12(集塵口12a及び第1集塵袋12b)とが設けられる。集塵口12aは、図2に示すように、第1筒体11の周壁11aの一部(例えば、底面)に設けた開口部である。遠心分離された塵芥Dは、後述するように、集塵口12aを介して、第1筒体11の内部流路から第1集塵袋12bに捕集される。なお、第1筒体11は、脚部17によって水平に延びた状態で保持・固定されている。
図1(b)及び図3に示すように、集塵器本体1の上流側の端部(先端側)11bに設けられた流入口13は、乾燥機3の排気管4及びダストホース5に接続され、乾燥機3の排気管4へ排出された塵芥含有ガスG(以下、「含塵ガス」とも呼ぶ。)を集塵器本体1(つまり、第1筒体11)内部に導入する。第1筒体11内部に取り込まれたガスGは、第1筒体11内部に設けられた旋回流発生機構14(羽根14a及びボルテクサー14b)により強力な旋回流に変換され、この変換の際に生じる遠心力によって塵芥Dと気体Aとに分離される。
しかしながら、上記構造を有した本体ユニット1で分離・収集される塵芥Dは、比較的大きなものであり、実際には、後述の比較的小さな(細かな)塵芥D2,D3が、気体Aとともに流動し排出口16から排気される。この細かな塵芥D2,D3は、乾燥機3周囲の空中を舞い、周辺地域の環境悪化を招く。さらに、細かな塵芥D2,D3は人間の皮膚も刺激するため、痒みや痛みなどの苦痛を生み、地域住民の健康被害も引き起こすことになる。
そこで、本発明者は、上記課題を解決するために、本体ユニット1に簡単に後付け可能な補助集塵ユニット2を提案する。補助集塵ユニット2は、中空の第2筒体21と、錐体状の網部22と、補助集塵部23とから構成される。なお、補助ユニット2は、長さ調節が可能な調節部24aが付いた脚部24を有してもよい。この脚部24により、補助集塵ユニット2(の第2筒体21)を、本体ユニット1と同じ高さに水平に保持しながら、本体ユニット1に接続することが可能となる。
第2筒体21の先端21bは、集塵器本体(本体ユニット)1の排出口16に接続可能である。第2筒体21の後端21cには、網部22が、その錐体の頂点Pが第2筒体21内の最も上流側に配置された状態で取り付けられている。つまり、第2筒体21の内部には、錐体(円錐)によって徐々に狭まった流路が形成される。これにより、本体ユニット1の本体集塵部12で捕集されずに気体Aとともに補助集塵ユニット2に進入した塵芥D2,D3は、その周壁21a付近でより強く旋回するようになる。
補助集塵部23は、第2筒体21の後端21c近傍の周壁21aに設けられた補助集塵口23aと、この補助集塵口23aを覆うように取付可能な第2集塵袋23bとを備える。これにより、周壁21a付近で旋回した塵芥D2は、補助集塵口23aで捕集され、第2集塵袋23bに収容される。
一方、遠心分離できず、本体ユニット1の本体集塵部12でも補助ユニット2の補助集塵部23でも捕集することができないような細かな塵芥D3は、塵芥除去フィルターとして機能する網部22によって完全に捕集することができるようになる。
しかしながら、このような有用な新規構造を採用するうえで対処すべき下記事項がある。乾燥機3は、通常、圃場で刈取りしたばかりの湿った稲の籾を乾かすため、その排風Gは、気体A部分のみならず、これと一緒に排出される塵芥Dも水分を含み、湿気が非常に高い状態となる。このような高湿度の含塵ガスGを網部22に継続的に通過させていくと、その周面22bの網目は、塵芥D(D3)によって徐々に目詰まりするようになってしまう。このように、網部22を暫く掃除せずに放置すると、排風Gが網部22を通過できなくなり、ひいては、その上流側の乾燥機3内の火が消えて乾燥機3が運転停止する非常事態になりかねない。
従って、網部22は、掃除やメンテナンスが容易となるよう、第2筒体21に着脱自在に取り付けられていることが好ましく、また、丈夫で錆びに強いことも好ましい。
さらに、網部22は、第2筒体21の後端21cに着脱自在に嵌め込み(嵌入)可能な着脱構造25を有することが好ましい。例えば、環状体22aの一部(図示では、上部)に外周方向に延びたボルト25aと蝶ネジ25bとを設けるとともに、第2筒体21の後端21cの一部(上部)に上流側に延びたスリット(切欠き)26を設ける(図4(b)を参照)。
また、網部22は、補助集塵部23の位置に関連して、後述するように特殊な形状を有することが好ましい。より具体的には、錐体(円錐)の頂点Pが補助集塵口23aから離れて配置されるよう、網部22が第2筒体21の中心軸O2から偏心して配置されることが好ましい。
より好ましくは、補助集塵口23aが第2筒体21の周壁21aの底部に設けられ、網部22が、錐体の頂点Pが第2筒体21の中心軸O2より上方に配置された状態で、偏心していることが好ましい。言い換えれば、図3や図4(a)に示すように、円錐体の頂点Pの位置を、第2筒体21の中心軸O2(あるいは、通常の円錐体の中心軸O3)よりも、長さLだけ上方にずらしている。より定量的には、偏心長さLは、網部22の底部(環状体)22aの半径をDcとすると、その0.2倍~0.5倍の長さ(L=0.2Dc~0.5Dc)であることが好ましい。
集塵器本体(本体ユニット)1の排出口16内に、補助ユニット2の第2筒体21の先端21bを差し込むことで、本体ユニット1と補助ユニット2とが連結される。ここで、第2筒体21の先端21b側の周壁21aの外周上に数カ所、スリット(切欠き)29(図4(b)を参照)を設けておくことが好ましい。これにより、先端21b側の第2筒体21の外径が、差し込み時に、一時的に縮小する(窄まる)ため、この先端21b部分を、本体ユニット1の排出口16に容易に差し込むことができるようになる。
2 補助集塵装置(補助集塵ユニット)
3 乾燥機
4 乾燥機の排気管
5 ダストホース
11(11a,11b,11c) 第1筒体(の周壁,先端,後端)
12(12a,12b) 本体集塵部(本体集塵口,第1集塵袋)
13 流入口
14 旋回流発生機構
15 中間リング
16 排出口
17 脚部
21(21a,21b,21c) 第2筒体(の周壁,先端,後端)
22(22a,22b) 網部(の環状体,周面(網シート))
23(23a,23b) 補助集塵部(集塵口,第2集塵袋)
24 脚部
24a 調節部
25(25a,25b) 着脱構造(ボルト,蝶ネジ)
26 スリット(切欠き)
27 第2筒体の入口
28 第2筒体の出口
29 スリット(切欠き)
100 遠心分離式の集塵器
P 網部(錐体)の頂点
G 含塵ガス(排風)
A 気体
D(D1,D2,D3) 塵芥
Dc 網部の底部(環状体)の半径
L 網部の頂点の偏心長さ
O1,O2,O3 第1筒体の中心軸,第2筒体の中心軸,網部の中心軸
Claims (6)
- 農業用乾燥機の排出気体から籾殻や藁屑などの塵芥を遠心分離させて捕集する集塵器本体に取付可能な補助集塵ユニットであって、
前記補助集塵ユニットは、中空の第2筒体と、錐体状の網部と、補助集塵部とを備え、
第2筒体の先端は、前記集塵器本体の排出口に接続可能であり、
第2筒体の後端には、前記錐体の頂点が最も上流側に配置された状態で前記網部が取付可能であり、
前記補助集塵部は、第2筒体の後端近傍の周壁に設けられた補助集塵口と、前記補助集塵口を覆うように取付可能な集塵袋とを備えること、
を特徴とする補助集塵ユニット。 - 前記網部は、金属製で、かつ、円錐状を成すこと
を特徴とする請求項1に記載の補助集塵ユニット。 - 前記網部は、第2筒体の前記後端に着脱自在に嵌入可能であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の補助集塵ユニット。 - 前記網部は、前記頂点が前記補助集塵口から離れて配置された状態で第2筒体の中心軸から偏心して配置されていること
を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の補助集塵ユニット。 - 請求項1~4のいずれかに記載の補助集塵ユニット及び集塵器本体を設けた遠心分離式集塵器であって、
前記集塵器本体は、流入口と前記排出口とが設けられた第1筒体を備え、
第1筒体は、前記流入口と前記排出口との間に配置された旋回流発生機構を備えること
を特徴とする遠心分離式集塵器。 - 前記集塵器本体は本体集塵部をさらに備え、
前記本体集塵部は、第1筒体の後端近傍の周壁に設けられた本体集塵口と、前記本体集塵口を覆うように取付可能な集塵袋と、を備えること
を特徴とする請求項5に記載の遠心分離式集塵器。
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