JP2004105364A - 電気掃除機 - Google Patents

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    • A47L9/108Dust compression means

Abstract

【課題】サイクロン部におけるごみの分離効果を向上させるとともに分離されたごみを集塵部に捕集する効果を向上させた電気掃除機を提供する。
【解決手段】電動送風機および該電動送風機の吸気側に接続されたサイクロン集塵器を備え、該サイクロン集塵器がサイクロン部および集塵部を有する電気掃除機。前記集塵部の底面に少なくとも1個の開口部が形成され、該開口部を介して、前記集塵部が電動送風機に連通し、前記サイクロン部から集塵部への空気の流れを発生させるようにされている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気掃除機に関する。さらに詳しくは、サイクロン部におけるごみの分離効果を向上させるとともに分離されたごみを集塵部に捕集する効果を向上させた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図11〜12に示されるように、電動送風機51および電動送風機51の吸気側51aに接続されたサイクロン集塵器52を備え、サイクロン集塵器52が仕切板60によって仕切られたサイクロン部53および集塵部54を有するサイクロン式の電気掃除機が提案されている。このようなサイクロン方式の電気掃除機では、サイクロン部において旋回流により塵埃と空気とを分離し、分離された塵埃を集塵部54に捕集し、浄化された空気は中筒55を通してサイクロン集塵器52から外部へ排気される。
【0003】
中筒55における空気の流れは、具体的には、中筒55の開口55a、フィルタ56、フィルタ58、第2サイクロン中筒57の開口57a、中筒57を経て円筒状フィルタ59の順に空気が流れるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特願2001−381916号(段落番号[0008]〜[0009]、図2および図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のサイクロン式の電気掃除機では、サイクロン部53から集塵部54への空気の流れが実質的にほとんどないため、サイクロン部53で分離された塵埃が集塵部54に捕集されないで中筒55のフィルタ56に貼り付くことがある。サイクロン部53は、砂などの比重の重い物を分離するの場合にはその性能を充分に発揮することができるが、比重が軽いごみで、とくに髪の毛のような長いごみに対する分離効果がわるいため、髪の毛などの長尺軽量のごみが中筒55のフィルタ56に巻きついたり、さらにはサイクロン部53と集塵部54とを隔てる傘状の仕切板60とサイクロン集塵器52の内壁とのあいだで塵埃が詰まることがある。
【0006】
本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、サイクロン部におけるごみの分離効果を向上させるとともに分離されたごみを集塵部に捕集する効果を向上させた電気掃除機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気掃除機は、電動送風機および該電動送風機の吸気側に接続されたサイクロン集塵器を備え、該サイクロン集塵器がサイクロン部および集塵部を有する電気掃除機であって、
前記集塵部の底面に少なくとも1個の開口部が形成され、該開口部を介して、前記集塵部が電動送風機に連通し、前記サイクロン部から集塵部への空気の流れを発生させるようにされてなることを特徴としている。
【0008】
前記開口部には、メッシュフィルタが配設されてなるのが好ましい。
【0009】
前記サイクロン集塵器が、前記サイクロン部内部で発生する旋回流の回転軸がほぼ水平方向に延びるように横置きに配置されてなるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の電気掃除機をさらに詳細に説明する。図1は本発明の電気掃除機の一実施の形態を示す断面説明図、図2は図1のサイクロン集塵器の断面説明図、図3は図2のサイクロン集塵器のIII−III線断面図、図4は図2のサイクロン集塵器のIV−IV線断面図、図5は本発明の他の実施の形態の電気掃除機におけるサイクロン集塵器の断面説明図、図6は図5のサイクロン集塵器のVI−VI線断面図、図7は本発明のさらに他の実施の形態の電気掃除機におけるサイクロン集塵器の断面説明図、図8は図7のサイクロン集塵器の矢視A図、図9は図7のサイクロン集塵器の比較例であるリブのない集塵器の断面説明図および図10は図9の集塵器のごみが絡み付いた部分の拡大図である。
【0011】
図1〜4に示される電気掃除機は、上面に取っ手3が設けられた掃除機の上ケース1と下面に移動用前車輪4および後車輪5が設けられた掃除機の下ケース2とからなる筐体内部に、電池6、下ケース2より直立せしめた壁と緩衝体8を介在して設置されたファンとモータとからなる電動送風機7、およびパッキン14を介在して着脱自在に設けられたサイクロン集塵器9を収納したものである。なお、サイクロン集塵器9は、掃除機本体と一体形成してもよい。
【0012】
サイクロン集塵器9は、サイクロン部9a内部で発生する旋回流の回転軸がほぼ水平方向に延びるように横置きに配置されている。すなわち、サイクロン集塵器9内部には、傘状の仕切板11aをもつ中筒11が水平方向に取り付けられている。この仕切板11によって、サイクロン集塵器9の内部空間は、塵埃を空気と分離するサイクロン部9aおよび集塵部9bの2つの空間に分けられる。
【0013】
このように、サイクロン集塵器9を横置きに配置することにより、吸気口16および排気口10aをほぼ直線的に、すなわち旋回流の回転軸とほぼ平行に配置することができる。それにより、排気口10aを電動送風機7の吸気側7aに直接連結することができるため、流路が非常に簡単になり、風量および仕事率の低下を抑えることができる。また、掃除機の外径寸法も大幅に小さくすることができる。
【0014】
さらに、サイクロン集塵器9には、3つのフィルタ、すなわち1次メッシュフィルタ12、18および2次フィルタ13が配設されている。サイクロン集塵器9の底面には、複数の開口9cが放射状に形成され、開口9cには1次メッシュフィルタ18が配設されている。このように1次メッシュフィルタ18をもつ開口9cを介して、サイクロン集塵器9が電動送風機8に連通し、サイクロン部9aから集塵部9bへの空気の流れを発生させることができる。
【0015】
1次メッシュフィルタ12は、中筒11上部の導入口11bに配設され、サイクロン部9a内部で浄化された空気をろ過することができる。1次メッシュフィルタ12としては、本発明ではとくに限定されるものではないが、たとえば直径1mm程度の開口を多数有する合成樹脂シートを採用することができる。また、合成樹脂シートの代わりにパンチングメタルなども採用することができる。さらには、中筒11の上部を構成する部材そのものに直径1mm程度の開口を多数形成し、この部分を1次メッシュフィルタとすることもできる。
【0016】
サイクロン集塵器9底面の複数の開口9cに設けられた1次メッシュフィルタ18は、本発明ではとくに限定されるものではないが、たとえば、2次フィルタ13へのごみの侵入を抑えるために前記1次メッシュフィルタ12より小さい口径のメッシュ、たとえばメッシュの大きさが直径100〜250μm程度のフィルタが採用される。また、このメッシュの開口率は、50〜70%程度であるのが好ましい。
【0017】
なお、本実施の形態では開口9cに1次ナッシュフィルタ18が設けられている例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、メッシュフィルタでなく他のフィルタでもよい。
【0018】
さらに、2次フィルタ13は、フィルvタの機能を有するものであれば本発明においてとくに限定されるものではないが、たとえばウレタンフォーム製フィルタ、好ましくは密度70〜90kg/m程度のイノアック・コーポレーション製の「モルトフィルタ(商品名)」などを採用することができる。
【0019】
さらに、サイクロン集塵器9の下流側端部には、2次フィルタ13の周辺部を押えるためにフィルタの蓋10が取り付けられている。蓋10の中央部には、排気口10aが開口されている。
【0020】
サイクロン集塵器9は、連結部9fのところで蓋9dが胴部9eからはずれるようになっている(図1〜2参照)。連結部9は蓋9dが胴部9eが着脱自在に気密的に連結できればよく、本発明ではとくに限定されるものではないが、たとえば蓋および胴部にそれぞれ段差部を設けて嵌合できるもの、または蓋9dおよび胴部9eにそれぞれおねじまたはめねじを形成して螺合できるものであってもよい。また、中筒11を保持するために、円環状のリブ9gが蓋9dの内面に形成されている。したがって、蓋9dを胴部9eから取り外せば、中筒11も容易に胴部9e内部から取り外すことができ、その結果、集塵部9bに捕集されたごみを容易に外部へ捨てることができる。
【0021】
前記実施の形態において、電動送風機7が作動すると、吸込口15に接続したホース(図示せず)を経て床用吸込口(図示せず)から塵埃を含んだ空気がサイクロン集塵器9の吸込口16から図2〜3の蓋9dの半周分の流路9hを通るときに旋回流となって開口9iを介してサイクロン部9aに導入され、ついでサイクロン集塵器9の内周壁に沿って中筒11の傘状の仕切板11aにより塵埃は空気と分離され、集塵部9bに集塵される。
【0022】
一方、前述の旋回流によって浄化された空気は、1次メッシュフィルタ12を通過してさらに浄化され、ついで中筒11内部を通過して2次フィルタ13へいたる。
【0023】
また、塵埃とともに集塵部9bへ入り込んだ空気は、1次メッシュフィルタ18を通過する際に集塵部9b内部の塵埃を圧縮するので、従来のサイクロン式掃除機と比較してごみの圧縮効果を向上させることができる。1次メッシュフィルタ18を通過して浄化された空気は、2次フィルタ13へいたる。
【0024】
そののち、中筒11内外を通過する空気は、2次フィルタ13でろ過されたのち、電動送風機7を通過して集中排気口(図示せず)から外部へ排気される。
【0025】
さらに、本実施の形態では、図1〜2に示されるように、サイクロン集塵器9内部のサイクロン部9aと集塵部9bとを隔てる傘状の仕切板11aが円錐形状を呈するように形成されている。それにより、仕切板11a上に旋回流の影響を受けない吹き溜まりが発生しにくく、比重の軽いごみや髪の毛などの長尺のごみでも仕切板11a上に堆積することなく集塵部9bへスムーズに流れやすくなり、充分な遠心分離効果が長時間得られる。また、遠心分離効果が高いので、浄化された空気が通る1次メッシュフィルタ12および2次フィルタ18の目詰まりがしにくくなり、メンテナンスが楽であり、フィルタの交換または清掃の間隔を長くすることができる。
【0026】
傘状の仕切板11aの傾斜角度θ(図2参照)は、15度以上、好ましくは20度以上になるように設定すれば、遠心分離効果などの効果を確保することができる。
【0027】
また、本発明の他の実施の形態として、図5〜6に示されるように、サイクロン集塵器9のサイクロン部9a内部には、旋回流が導入される開口9iから仕切板11aまでの区間に延びる螺旋状のリブ21が設けられている。この螺旋状のリブ21により、サイクロン部9aにおける風の乱れをなくして風を整流する効果を奏することができ、ごみを集塵部9bへスムーズに流入させることができる。
【0028】
また、集塵部9b内のごみがサイクロン部9aへ向かって巻き上がろうとしても、螺旋状のリブ21に沿って流れる強い風によってごみを集塵部9bに押し戻すことができる。
【0029】
以上のような螺旋状のリブ21の効果により、前記第1次メッシュフィルタ12へのごみの侵入を抑えることができる。したがって、第2次フィルタ13の連続使用期間を延ばすことができ、メンテナンスの回数を少なくすることができる。
【0030】
また、掃除機の使用中に掃除機本体が転倒したとき、電動送風機用の充電池のパワーがダウンしてきたとき、掃除機のON/OFF動作直後など、風量が少ないときでも、螺旋状のリブ21によってサイクロン部9aにおけるサイクロンの遠心分離効果を充分に得ることができ、集塵部9bに集められた細かい塵が舞い上がって第1メッシュフィルタ12が詰まらせたり、第1メッシュフィルタ12を通過した細かい塵が第2次フィルタ13を詰まらせるなどの不具合がなくなる。
【0031】
また、本発明のさらに他の実施の形態として、図7〜8に示されるように、中筒11の外周面にサイクロン集塵器9のサイクロン部9aと集塵部9bとを仕切る螺旋状の仕切板25を設け、仕切板25の一部には、サイクロン部9aで分離した塵埃を集塵部9bに導く通路26を形成し、さらに通路26のサイクロン部9a側の端縁27から集塵部9bに向かってリブ28が延設されている。このリブ28により、螺旋状の仕切板25に沿って流れる空気は、リブ28に沿って集塵部9bに円滑に導かれるため、図9〜10の本発明の比較例であるリブ28のないサイクロン集塵器のように、サイクロン部9a側の端縁27にごみDが絡み付くことがなくなる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、集塵部の底面にメッシュフィルタを形成してサイクロン部から集塵部への空気の流れを発生させることにより、集塵部におけるごみの圧縮効果を向上させ、ごみ捨て回数を減少させることができる。
【0033】
また、集塵部からサイクロン部へのごみの巻き上げを抑えることができるため、フィルタなどの目詰まりを低減することができる。たとえば、中筒上部の1次メッシュフィルタまたは丸孔などからの吸込みを抑えることによりメッシュの目詰まり発生回数を抑え、2次フィルタの連続使用期間を延長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気掃除機の一実施の形態を示す断面説明図である。
【図2】図1のサイクロン集塵器の断面説明図である。
【図3】図2のサイクロン集塵器のIII−III線断面図である。
【図4】図2のサイクロン集塵器のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の電気掃除機におけるサイクロン集塵器の断面説明図である。
【図6】図5のサイクロン集塵器のVI−VI線断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態の電気掃除機におけるサイクロン集塵器の断面説明図である。
【図8】図7のサイクロン集塵器の矢視A図である。
【図9】図7のサイクロン集塵器の比較例であるリブのない集塵器の断面説明図である。
【図10】図9の集塵器のごみが絡み付いた部分の拡大図である。
【図11】従来の電気掃除機の断面図である。
【図12】図11のサイクロン集塵器の拡大断面図である。
【符号の説明】
1  電気掃除機
7  電動送風機
9  サイクロン集塵器
9a サイクロン部
9b 集塵部
9c 開口

Claims (3)

  1. 電動送風機および該電動送風機の吸気側に接続されたサイクロン集塵器を備え、該サイクロン集塵器がサイクロン部および集塵部を有する電気掃除機であって、
    前記集塵部の底面に少なくとも1個の開口部が形成され、該開口部を介して、前記集塵部が電動送風機に連通し、前記サイクロン部から集塵部への空気の流れを発生させるようにされてなる電気掃除機。
  2. 前記開口部には、メッシュフィルタが配設されてなる請求項1記載の電気掃除機
  3. 前記サイクロン集塵器が、前記サイクロン部内部で発生する旋回流の回転軸がほぼ水平方向に延びるように横置きに配置されてなる請求項1または2記載の電気掃除機。
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