JP7235183B2 - 識別装置、識別方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、クレーン操作者が目視で製品の製造番号を認識することができることが前提となっている。従って、製品に表示されている情報の一部が、擦れや汚れ等により識別不能または困難になっている場合に、クレーン操作者が、製品の製造番号を認識することができない虞がある。また、クレーン操作者が製品の近くにいないと、製品に表示されている情報を識別することができない。
特許文献2に記載の技術では、照合先の文字列を記憶しておき、照合元画像から照合元の文字列を認識し、照合元の文字列と照合先の文字列とを照合する。また、特許文献2に記載の技術では、時間的に連続する複数の照合元画像を用いて、前記認識の処理と前記照合の処理とを複数回実行する。
以上のように特許文献2~6に記載の技術では、物品に表示されている情報が所期の状態になっていない場合に、当該物品を識別することができない虞がある。
従って、特許文献1~6に記載の技術では、物品に表示されている情報を撮像した撮像画像に基づいて当該物品を識別する際に、当該物品に示されている情報が正しく抽出できない場合には、当該物品を識別することができない虞がある。
尚、長さ、位置、大きさ、間隔等、比較対象が同じであることは、厳密に同じである場合の他、発明の主旨を逸脱しない範囲で異なるもの(例えば、設計時に定められる公差の範囲内で異なるもの)も含むものとする。
本実施形態では、複数の製鉄所で製造された各種の厚板(例えば厚鋼板)に対して、熱処理や切断等の各種の処理を行う工場において、当該厚板が当該厚板の需要家に出荷される前に当該厚板を識別する場合を例示する。例えば、製鉄所で製造された厚板は輸送船に荷積みされる。その後輸送船は、工場の近くの岸壁に着岸する。厚板は、輸送船から荷下ろしされ、輸送車両(トラック等)に荷積みされる。輸送車両により輸送された厚板は、工場に入荷すると、工場内の置場に置かれる。置場に置かれた厚板は、熱処理や切断(ガス切断)等の処理が施された後、倉庫に置かれる。その後、厚板は、工場から需要家に向けて出荷される。このような場合、製鉄所で厚板が製造された後から、工場において需要家に向けて厚板が出荷される前までの間の任意のタイミングで、当該厚板を識別することができる。
図1Aは、厚板に対する表示領域および表示形態の第1の例を示す図である。図1Aにおいて、表示領域101は、ステンシルによる表示領域である。表示領域102は、刻印による表示領域である。表示領域101、102は、厚板の板面に存在する。尚、図1A~図1Cに示す破線は仮想線であり、実際には表示されない。ラベル(サイドラベル)103は、厚板の側面(板厚部分)に貼り付けられる。
図1Aおよび図1Bに示す例では、ステンシルによる表示、刻印による表示、およびラベル103、113による表示の少なくとも1つに基づいて、現品管理(各厚板の位置の管理)が行われる。
尚、厚板に対する表示領域および表示形態は、図1Aおよび図1Bに示すものに限定されない。例えば、ステンシルによる表示領域と刻印による表示領域とが離れていたり、刻印による表示がなかったりしてもよい。
図2Aおよび図2Bに示す例では、ステンシルによる表示には、マーク201、211、需要家名202、212、規格203、213、サイズ204、214、ID205、215、需要家コード206、216、注文番号207、217、および識別用情報208、218が含まれる。刻印による表示には、ID209、219が含まれる。
図3に示す例では、ラベルによる表示には、規格301、ID302、サイズ303、納期304、需要家コード305、および識別用情報306が含まれる。納期304は、厚板の納期を示す情報である。規格301、ID302、サイズ303、需要家コード305、識別用情報306は、それぞれ、規格203、213、サイズ204、214、ID205、215、209、219、需要家コード206、216、識別用情報208、218と同じものである。尚、ID302以外の情報は、ラベルによる表示に含まれていなくてもよい。また、前述した情報以外の情報が、ラベルによる表示に含まれていてもよい。ラベルによる表示の内容、位置、および大きさも、ステンシルおよび刻印による表示と同様に、厚板を製造する製鉄所および需要家等によって異なる。
図5において、同一の列における情報が同一の厚板に対する情報になる(同一のNo.の下の欄は、同一の厚板に対する情報が記憶される欄になる)。
図5において、現品表示の欄には、ステンシルによる表示、刻印による表示、およびラベルによる表示の各表示項目に関する情報が記憶される。非現品表示の欄には、ステンシルによる表示、刻印による表示、およびラベルによる表示の各表示項目に関する情報以外の情報が記憶される。
現品表示の欄において、ステンシルの欄には、ステンシルに関する記憶情報が記憶される。
ステンシルの欄のIDの欄には、ステンシルによる表示に含まれるID205、215の構成要素の内容および位置を示す記憶情報と、当該構成要素のその他の属性を示す記憶情報とが記憶される。尚、ステンシルによる表示に含まれるID205、215の構成要素とは、文字、数字、記号、マーク等、表示項目を構成する個々の情報を指す。また、構成要素のその他の属性を示す記憶情報は、識別装置400(記憶部403)または識別装置400と通信可能な外部装置において、当該構成要素の内容および位置と関連付けられて記憶されていてもよい。
ステンシルの欄の需要家名の欄には、ステンシルによる表示に含まれる需要家名202、212の構成要素の内容および位置を示す記憶情報が記憶される。
ステンシルの欄の規格の欄には、ステンシルによる表示に含まれる規格203、213の構成要素の内容および位置を示す記憶情報が記憶される。
ステンシルの欄の需要家コードの欄には、ステンシルによる表示に含まれる需要家コード206、216の構成要素の内容および位置を示す記憶情報が記憶される。
ステンシルの欄の識別用情報の欄には、ステンシルによる表示に含まれる識別用情報208、218の構成要素の内容および位置を示す記憶情報が記憶される。
以上のステンシルによる表示における表示項目の他に、ステンシルによる表示の表示項目として表示される可能性のある表示項目の内容も、管理テーブル500に記憶される。図5のステンシルの欄の識別用情報の欄の下の「・・・」は、このことを示す。また、表示項目自体は追加および/または削除されてもよい。
刻印の欄のIDの欄には、刻印による表示に含まれるID209、219の構成要素の内容および位置を示す記憶情報と、当該構成要素のその他の属性を示す記憶情報とが記憶される。尚、構成要素のその他の属性を示す記憶情報は、識別装置400(記憶部403)または識別装置400と通信可能な外部装置に、当該構成要素の内容および位置と関連付けられていてもよい。
以上の刻印による表示における表示項目の他に、刻印による表示の表示項目として表示される可能性のある表示項目の内容も、管理テーブル500に記憶される。図5の刻印の欄のIDの欄の下の「・・・」は、このことを示す。また、表示項目自体は追加および/または削除されてもよい。
ラベルの欄のIDの欄には、ラベルによる表示に含まれるID302の構成要素の内容および位置を示す記憶情報と、当該構成要素のその他の属性を示す記憶情報とが記憶される。尚、構成要素のその他の属性を示す記憶情報は、識別装置400(記憶部403)または識別装置400と通信可能な外部装置において、当該構成要素の内容および位置と関連付けられて記憶されていてもよい。
ラベルの欄のサイズの欄には、ラベルによる表示に含まれるサイズ303の構成要素の内容および位置を示す記憶情報が記憶される。
ラベルの欄の納期の欄には、ラベルによる表示に含まれる納期304の構成要素の内容および位置を示す記憶情報が記憶される。
ラベルの欄の需要家コードの欄には、ラベルによる表示に含まれる需要家コード305の構成要素の内容および位置を示す記憶情報が記憶される。
ラベルの欄の識別用情報の欄には、ラベルによる表示に含まれる識別用情報306の構成要素の内容および位置を示す記憶情報が記憶される。
物品内位置の欄には、厚板における所定の位置を原点(基準)とした場合の表示領域の位置を示す記憶情報が記憶される。
物品内位置の欄のステンシルの欄には、厚板における所定の位置を原点(基準)とした場合の、ステンシルによる表示領域の位置を示す記憶情報が記憶される。
物品内位置の欄の刻印の欄には、厚板における所定の位置を原点(基準)とした場合の、刻印による表示領域の位置を示す記憶情報が記憶される。
物品内位置の欄のラベルの欄には、厚板における所定の位置を原点(基準)とした場合の、ラベルによる表示領域の位置を示す記憶情報が記憶される。
サイズの欄には、厚板のサイズ(例えば、厚み×幅×長さ)を示す記憶情報が記憶される。現品表示の欄のサイズの欄に記憶されるサイズは、後述するようにして文字認識処理により認識されるサイズ204、214、303との照合のために用いられる。これに対し、非現品表示の欄のサイズの欄に記憶されるサイズは、厚板の重量等の測定値との照合のために用いられる。具体的には、非現品表示の欄のサイズの欄に記憶されるサイズと実寸法との比較が実施されることもある。
登録時刻の欄には、厚板が現在の置場位置に置かれた日時(日付と時刻とから定まるタイミング)を示す記憶情報が記憶される。
図7は、ステンシルおよび刻印の物品内位置と、ステンシルおよび刻印による表示における各表示項目の構成要素の位置の一例を示す図である。図7では、図1Aに示す表示位置および図2Aに示す内容で、ステンシルおよび刻印による表示がなされている場合を例示する。
図7では、直方体の厚板の8つの頂点のうち、図1Aに示す頂点104を原点とし、当該頂点104から、厚板の幅方向に沿う方向をx軸の正の方向、厚板の長さ方向に沿う方向をy軸の正の方向とするx-y座標で、ステンシルおよび刻印の物品内位置と、ステンシルおよび刻印による各表示項目の構成要素の位置とを表す。
以上のようにしてステンシルによる表示の各表示項目の各構成要素の位置がx-y座標で表される。
図8では、直方体の厚板の8つの頂点のうち、図1Aに示す頂点105を原点とし、当該頂点105から、厚板の幅方向に沿う方向をx軸の正の方向、厚板の板厚方向に沿う方向をz軸の正の方向とするx-z座標で、ラベルの物品内位置と、ラベルによる各表示項目の構成要素の位置とを表す。
物品内位置の欄の刻印の欄およびラベルの欄にも、物品内位置の欄のステンシルの欄と同様に、刻印の物品内位置を示す情報およびラベルの物品内位置を示す情報がそれぞれ記憶される。このため、ステンシルによる表示、刻印による表示、およびラベルによる表示のうちの1つまたは2つにおいて文字等の構成要素が欠落した場合であっても、残りの表示により厚板の識別が可能になる。
尚、前述したように、刻印の物品内位置を示す情報は、ステンシルの物品内位置を示す情報と同様に、x-y座標である。これに対し、ラベルの物品内位置を示す情報は、x-y座標ではなく、x-z座標となる。
以上のように図10のフローチャートによる処理は、図11のフローチャートが実行中であっても実行されるものとする。
表示項目の構成要素の内容を認識する処理は、例えば、公知のOCR(Optical character recognition)を用いた技術で実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。尚、NN(Neural Network)等のAI(Artificial Intelligence)を用いた技術や、AIとOCRとを組み合わせた技術(いわゆるAI OCR)を用いて、ステップS1102の処理を実現してもよい。NNは、例えば、NNの入力層に撮像画像を入力すると、NNの出力層から構成要素を示す情報が出力されるように構成される。尚、本実施形態では、認識部412は、表示項目の構成要素の内容を認識することができない場合(構成要素が、予め定められている、文字、数字、記号、およびマークの何れでもないと認識された場合)、当該構成要素については認識できないことを認識結果とする。また、認識部412は、認識結果の信頼度を算出してもよい。
まず、情報取得部401は、表示項目の位置を導出する。情報取得部401が表示項目の位置を導出する手法の一例を説明する。
まず、情報取得部401は、ステップS1101で取得された撮像画像に基づいてエッジ検出処理を行い、厚板のエッジを検出し、検出した結果に基づいて、厚板の領域を特定する。そして、情報取得部401は、特定した領域が、厚板の板面部分と厚板の側面(板厚)部分との何れであるかを判定する。この判定は、例えば、特定した領域の縦横比に基づいて実現される。この判定の結果、特定した領域が、厚板の板面部分である場合、情報取得部401は、ステップS1101で取得された撮像画像が第1の撮像画像であると判定する。一方、特定した領域が、厚板の側面(板厚)部分である場合、情報取得部401は、ステップS1101で取得された撮像画像が第2の撮像画像であると判定する。
情報取得部401は、例えば、直方体の厚板の8つの頂点のうち、ステンシルによる表示領域と物品内位置の原点との位置関係として予め設定された位置関係に基づいて、第1の撮像画像における物品内位置の原点(厚板における所定の位置)を導出する。ステンシルによる表示領域と物品内位置の原点との位置関係として、例えば、以下のような情報が識別装置400に予め設定されていてもよい。即ち、ステンシルによる表示の表示項目の構成要素を、当該構成要素の頂部が上側に位置するように見た場合に、ステンシルによる表示と同一面において、ステンシルによる表示の左下側にある頂点が、物品内位置の原点であるという情報が識別装置400に予め設定されていてもよい。情報取得部401は、ステンシルによる表示における表示項目の構成要素の位置および刻印による表示における表示項目の構成要素の位置として、第1の撮像画像における物品内位置の原点を基準とする位置を導出する。
情報取得部401は、厚板のIDおよび当該IDの厚板の重量の実測値を、厚板の重量の認識情報として取得する。
情報取得部401は、厚板のIDおよび当該IDの厚板のサイズの実測値を、厚板のサイズの認識情報として取得する。
情報取得部401は、ステップS1101で取得された撮像画像(第1の撮像画像または第2の撮像画像)を撮像した撮像装置の位置を示す情報を、置場位置の認識情報として取得する。
図6に示すように、元の厚板600が切断されて別の厚板610~640が製造される場合、切断後の厚板610~640の親IDは、元の厚板600のIDであることが加工条件から自動的に特定される。インクジェットやレーザーマーキングなどで、切断後の厚板610~640のIDを含む表示が表示領域611~641になされる。IDを含む表示は手書きによる表示でもよい。また、情報取得部401は、表示領域611~641の撮像画像を画像取得部411が取得して、撮像画像を認識部412が認識することで元の厚板600と同様に厚板610~640のID等を取得してもよい。厚板610~640のID等と、元の厚板600のIDである親IDとの紐づけが、自動または手動で行われてもよい。さらに、元の厚板600に対する表示が切断後の厚板610、620に残ることがある。情報取得部401は、このような元の厚板600に対する表示に含まれるIDを、親IDの認識情報として取得することもできる。尚、このようなIDは、例えば、ステップS1102で認識された構成要素のうち、管理テーブル500の非現品表示の欄の物品内位置の欄(ステンシルの欄および刻印の欄)に記憶されている情報により特定される矩形領域の何れの矩形領域にも含まれない構成要素に基づいて特定される。
情報取得部401は、ステップS1101で取得された撮像画像(第1の撮像画像または第2の撮像画像)のIDを画像IDの認識情報として取得する。情報取得部401は、例えば、画像取得部411により取得された撮像画像に付加されたIDを当該撮像画像の画像IDの認識情報として取得する。
ステップS1103の処理が終了すると、ステップS1104の処理が実行される。尚、ステップS1103の処理が開始してから所定の時間が経過しても、情報取得部401において非表示情報が取得されない場合、ステップS1103の処理が実行されることなくステップS1104の処理が実行される。
次に、ステップS1105において、照合部413は、ステップS1104で選択された照合対象の認識情報のうち、正確性が保証されている情報を取得する。正確性が保証されている情報は、図9Aに示す識別対象除外区分および識別限界画素数によって照合の対象から除外されていない構成要素の情報等である。
照合対象がIDである場合、一致とは、照合対象の認識情報の構成要素と、照合対象の記憶情報の構成要素との、内容および並び順が完全に一致している部分があることを指す。ただし、照合対象がIDの一部である場合には、その照合対象の認識情報の構成要素と、照合対象の記憶情報の構成要素との、内容および並び順が完全に一致している部分があれば、一致しているものとする。
<<照合対象が表示情報である場合>>の項で説明した内容は、照合対象がID以外の表示情報である場合も同様である。
置場位置の認識情報は、ステップS1101で取得された撮像画像(第1の撮像画像または第2の撮像画像)を撮像した撮像装置の位置を示す情報である。置場位置の記憶情報は、厚板の位置を示す情報である。そこで、照合部413は、非現品表示の欄の置場位置の欄に記憶されている厚板の位置を示す情報から特定される厚板の位置と、ステップS1101で取得された撮像画像を撮像した撮像装置の位置との間の距離が閾値以下であるか否かを判定する。照合部413は、当該距離が閾値以下である場合に、置場位置の認識情報と記憶情報は一致していると判定し、そうでない場合、置場位置の認識情報と記憶情報は一致していないと判定する。
前述したように、照合対象が登録時刻である場合には、登録時刻の認識情報はない。本実施形態では、以下のようにして登録時刻の照合が実行される。
図1Cに示すように複数の厚板が積み重ねられる場合、x-y座標の位置が同じである厚板のうち経過時間が最も短い厚板が1番上に積まれているため、ステンシルによる表示領域101、111の撮像が可能であると見なせる。そこで、照合部413は、ステップS1101で取得された撮像画像が第1の撮像画像である場合(即ち、当該撮像画像がステンシルによる表示領域101、111を含む場合)、以下の照合を実行する。即ち、照合部413は、ステップS1106が開始する時点で特定されている厚板の候補のうち、非現品表示の欄の置場位置の欄に記憶されている厚板の位置を示す情報(x-y座標)が同じである複数の厚板の候補に対する非現品表示の欄の登録時刻の欄に記憶されている登録時刻同士を照合する。このようにすれば、登録時刻が最も遅い厚板が、ステップS1101で取得された第1の撮像画像で撮像されている厚板であると特定される。このようにする場合、非現品表示の欄の置場位置の欄に記憶されている厚板の位置を示す情報(x-y座標)が同じである複数の厚板の候補のうち、登録時刻が最も遅い厚板の候補以外は、厚板の候補から除外される。尚、厚板の候補の特定の方法の具体例については、ステップS1107の処理の説明の際に示す。
照合部413は、ステップS1103で取得された画像IDの認識情報により特定されるIDと同じIDを管理テーブル500の画像IDの欄から抽出し、抽出したIDに関連付けられて記憶されている撮像画像を取得する。照合部413は、このようにして取得した撮像画像と、ステップS1101で取得された撮像画像とを照合する。例えば、照合部413は、それぞれの撮像画像から、1もしくは2以上の特徴点を抽出し、抽出した特徴点として共通する特徴点があるか否か、またはどの程度の割合で特徴点が共通しているか(近似しているか)等に基づいて、それぞれの撮像画像の一致、不一致を判別する。このような判別は、公知の顔認証、指紋認証等の画像識別処理技術によって実施することができる。
特定部414は、本ステップの直前のステップS1106において出力された情報により特定される列の数が1つである場合、管理テーブル500において管理されている厚板から1つの厚板のみが特定されたと判定してもよい。この場合に特定される厚板は、当該列に対応する厚板である。
以上のような識別すべき厚板の候補を特定する手法の2つ以上を組み合わせてもよい。
尚、管理テーブル500の更新の欄は、画像IDの欄に限定されない。例えば、ステップS1107において1つの厚板のみが特定されたと判定されたときの照合対象が重量であるものとする。この場合、更新部402は、管理テーブル500の列(No.)のうち、ステップS1107において特定された厚板に対応する列の重量の記憶情報を、ステップS1103で取得された重量の測定値に更新してもよい。
ステップS1110の処理が終了すると、図11のフローチャートによる処理は終了する。尚、ステップS1110の処理において更新すべき情報がない場合、ステップS1110の処理は省略される。
以上のように本実施形態では、識別装置400は、厚板に対して表示されている表示情報を含む領域の撮像画像を取得し、取得した撮像画像に基づいて、少なくとも1つの表示情報を認識する。識別装置400は、当該認識した情報である認識情報の少なくとも一部の情報と、当該認識情報に対応して管理テーブル500に記憶されている記憶情報とを照合する。識別装置400は、当該照合の結果に基づいて、厚板の少なくとも1つの候補を特定する。この際、識別装置400は、認識情報と一部が異なる認識情報と、当該認識情報に対応する情報として管理テーブル500に記憶されている記憶情報とを照合する。従って、厚板に表示されている情報を撮像した撮像画像に基づいて当該厚板を識別する際、当該厚板に示されている情報の全てを正しく抽出できなくても、当該厚板の識別が可能となる。
<<第1の変形例>>
本実施形態のように、需要家名202、212、規格203、213、サイズ204、214、ID205、215、209、219、需要家コード206、216、注文番号207、217、識別用情報208、218、規格301、ID302、サイズ303、納期304、および需要家コード305を、人が識別可能な情報とすれば、識別装置400による現品管理だけでなく、オペレータ(作業員)による現品管理も容易になるので好ましい。しかしながら、需要家名202、212、規格203、213、サイズ204、214、ID205、215、209、219、需要家コード206、216、注文番号207、217、識別用情報208、218、規格301、ID302、サイズ303、納期304、および需要家コード305の少なくとも1つを、バーコードや2次元コードのように、人が識別可能でない情報に変換(エンコード)された情報としてもよい。
本実施形態では、文字認識処理による識別率が高い情報を用いて識別用情報208、218を構成する場合を例示した。しかしながら、識別用情報は、文字認識処理による識別率が高い情報を用いる場合に限定されない。
例えば、厚板のIDの構成要素が数字を含む場合、厚板のIDを構成する各桁の数字と、当該数字と同じ桁の数字と、を加算した値が、所定値の倍数のうち最小の値になるように、識別用情報を構成する数字を決定してもよい。例えば、ステンシルにより表示されるID205、215は、「563497-01」である。所定値を5とする場合、識別用情報は「042113-54」となる(5+0=5、6+4=10、3+2=5、4+1=5、9+1=10、7+3=10、0+5=5、1+4=5)。
この他、識別用情報を、他の情報と異なる形態で表示してもよい。例えば、識別用情報の、色、文字の種類、文字のサイズ、および文字のドット数のうち、少なくとも一つを他の情報と異ならせてもよい。また、このようにすることに代えてまたは加えて、識別用情報を近接撮影することにより、識別用情報の撮像画素数を他の情報の撮像画素数と異ならせてもよい。例えば、厚板のIDと色違いの情報を識別用情報とてもよい。また、厚板のIDの文字の種類を変更したものを識別用情報としてもよい。例えば、厚板のIDが数字である場合、当該数字をアルファベットに変更したものを識別用情報としてもよい。
本実施形態では、図2A、図2B、図3に示すように、ステンシルにより表示されるID205と、刻印により表示されるID209と、ラベルにより表示されるID302と、が同じである場合を例示した。しかしながら、これらのIDの表現および記載内容が異なる場合がある。例えば、IDにおいて“ハイフン”がない形式もある。このような場合、これらのID(ステンシルにより表示されるID、刻印により表示されるID、ラベルにより表示されるID)が同一の厚板に対するものであることを示す情報を管理テーブル500に記憶させる。ID以外の表示項目についても、同一の表示項目の表現および記載内容が、ステンシルによる表示、刻印による表示、およびラベルによる表示で異なる場合がある。例えば、ステンシルおよびラベルの双方に規格が表示される場合、例えば、ラベルには規格の略称が表示される場合がある。また、ステンシルによる表示とラベルによる表示とで需要者コードの桁数が異なる場合があるが、需要者コードは製造メーカで管理されている。また、サイズについても、寸法の全ての桁を示さない場合がある。このような場合にも、それら異なる表現および記載内容が同等の意味であることを示す情報を管理テーブル500に記憶させる。
本実施形態のように、非表示情報を用いれば、厚板の識別をより確実に行うことができるので好ましい。しかしながら、厚板の識別に際し、必ずしも非表示情報を用いる必要はない。このようにする場合には、図5に示す管理テーブル500の非現品表示の各欄は不要にあると共に、図11のステップS1103の処理は不要になる。
本実施形態では、工場において需要家に向けて厚板が出荷される前までの間の任意のタイミングで、当該厚板を識別する場合を例示した。しかしながら、厚板の識別は、厚板の出荷後に実行されてもよい。また、厚板の識別のために厚板に対して表示される情報は、厚板が需要家に対して出荷された後に付与されてもよい。
本実施形態では、ステップS1104において選択された照合対象が、管理テーブル500の現品表示の各欄(各項目)の情報である場合には、ステップS1106において、ステップS1104で選択された照合対象の認識情報のうち、正確性が保証されている情報のみを用いて照合が実行される場合を例示した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。
照合対象の認識情報のうち、正確性が保証されている情報の数が所定数未満である場合、ステップS1104において、照合部413は、正確性が保証されている情報の数と、正確性が保証されていない情報との数との和が前記所定数になるように、照合対象の認識情報から正確性が保証されていない情報を抽出する。照合部413は、正確性が保証されている情報が保証されている情報と、当該抽出した正確性が保証されていない情報とを用いて照合を実行する。例えば、前記所定数として10が設定されているとする。また、照合対象の認識情報のうち、正確性が保証されている情報の数が6であるとする。この場合、正確性が保証されている情報の数と、正確性が保証されていない情報との数との和が10になるように、照合対象の認識情報から正確性が保証されていない情報が4つ抽出される。なお、照合対象の認識情報のうち、正確性が保証されている情報の数が10以上である場合、当該正確性が保証されている情報の全て(すなわち、10以上の情報)を用いて照合が行われる。
管理テーブル500の現品表示の各欄(各項目)の情報については、同一の項目の情報(照合対象)を連続して2回選択してもよい。このようにする場合、照合部413は、照合対象のうち未選択の照合対象を1つ選択する。その後、ステップS1106において、照合部413は、当該照合対象の認識情報の全てを用いて照合を実行する。その後、ステップS1107およびステップS1108においてNOと判定された場合、ステップS1104において、照合部413は、前回のステップS1104で選択した照合対象と同一の照合対象を選択する。その後、ステップS1106において、照合部413は、当該照合対象の認識情報のうち、正確性が保証されている情報のみを用いて照合を実行する。
本実施形態では、管理テーブル500が識別装置400に記憶されている場合を例示した。しかしながら、管理テーブル500は識別装置400の外部にあってもよい。
本実施形態では、物品が厚板である場合を例示した。しかしながら、物品は、厚板に限定されない。例えば、物品は、厚板以外の製造物であってもよい。物品は、製造者等の管理者によって管理されている情報が表示されている製造物であってもよい。製造物は、例えば、スラブ、ビレット、薄板コイル、または鋼管であってもよい。また、製造物以外の物品であってもよい。物品は、例えば、コンテナであってもよい。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明の実施形態は、PLC(Programmable Logic Controller)により実現されてもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用のハードウェアにより実現されてもよい。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
識別装置400のハードウェアの一例について説明する。図12において、識別装置400は、CPU1201、主記憶装置1202、補助記憶装置1203、通信回路1204、信号処理回路1205、画像処理回路1206、I/F回路1207、ユーザインターフェース1208、ディスプレイ1209、およびバス1210を有する。
画像処理回路1206は、CPU1201による制御に従って入力した信号に対し、各種の画像処理を行う。この画像処理が行われた信号は、例えば、ディスプレイ1209に出力される。
ユーザインターフェース1208は、オペレータが識別装置400に対して指示を行う部分である。ユーザインターフェース1208は、例えば、ボタン、スイッチ、およびダイヤル等を有する。また、ユーザインターフェース1208は、ディスプレイ1209を用いたグラフィカルユーザインターフェースを有していてもよい。
出力部415は、例えば、通信回路1204および信号処理回路1205と、画像処理回路1206、I/F回路1207、およびディスプレイ1209との少なくとも何れか一方を用いることにより実現される。
Claims (7)
- 物品を識別する識別装置であって、
前記物品に表示されている情報である第1の情報を含む領域の1または2以上の撮像画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された撮像画像に基づいて、少なくとも1つの前記第1の情報を認識する認識部と、
前記認識部により認識された前記第1の情報である第1の認識情報の少なくとも一部の情報と、記憶情報の1つとして記憶媒体に予め記憶されている第1の情報である第1の記憶情報とを照合する照合部と、
前記照合部による照合の結果に基づいて、前記物品の少なくとも1つの候補を特定する特定部と、を有し、
前記照合部は、前記第1の認識情報と一部が異なる認識情報と、当該認識情報に対応する情報として記憶媒体に予め記憶されている記憶情報とを照合することが可能であり、
前記照合部は、前記第1の認識情報のうち、認識の正確性についての条件を満たす情報と、前記第1の記憶情報のうち、前記認識の正確性についての条件を満たす情報に対応する情報とを照合することを特徴とする識別装置。 - 前記物品に表示されていない情報である第2の情報を第2の認識情報として取得する情報取得部を有し、
前記第2の情報である第2の記憶情報が、記憶情報として前記第1の記憶情報と関連付けられて記憶媒体に予め記憶されており、
前記照合部は、前記情報取得部により取得された第2の認識情報と、前記第2の記憶情報とを照合することを特徴とする請求項1に記載の識別装置。 - 前記第2の情報は、前記物品に表示されている情報の物品の所定の位置を基準とした位置である物品内位置と、前記物品の重量と、前記物品のサイズと、前記物品が置かれている位置である置場位置と、前記物品が現在の位置に置かれた時刻である登録時刻と、のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の識別装置。
- 前記第1の情報を含む領域の撮像画像が、記憶情報として前記第1の記憶情報と関連付けられて記憶媒体に予め記憶されており、
前記照合部は、前記画像取得部により取得された前記撮像画像の少なくとも一部の領域と、前記記憶情報として記憶されている撮像画像の少なくとも一部の領域とを照合することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の識別装置。 - 前記第1の情報は、複数あり、
前記照合部は、前記認識部により認識された前記第1の情報のうち、未照合の前記第1の情報である第1の認識情報の少なくとも一部の情報と、記憶情報の1つとして記憶媒体に予め記憶されている第1の情報である第1の記憶情報とを照合することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の識別装置。 - 物品を識別する識別方法であって、
前記物品に表示されている情報である第1の情報を含む領域の1または2以上の撮像画像を取得する画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された撮像画像に基づいて、少なくとも1つの前記第1の情報を認識する認識工程と、
前記認識工程により認識された前記第1の情報である第1の認識情報の少なくとも一部の情報と、記憶情報の1つとして記憶媒体に予め記憶されている第1の情報である第1の記憶情報とを照合する照合工程と、
前記照合工程による照合の結果に基づいて、前記物品の少なくとも1つの候補を特定する特定工程と、を有し、
前記照合工程は、前記第1の認識情報と一部が異なる認識情報と、当該認識情報に対応する情報として記憶媒体に予め記憶されている記憶情報とを照合することが可能であり、
前記照合工程は、前記第1の認識情報のうち、認識の正確性についての条件を満たす情報と、前記第1の記憶情報のうち、前記認識の正確性についての条件を満たす情報に対応する情報とを照合することを特徴とする識別方法。 - 物品を識別するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記物品に表示されている情報である第1の情報を含む領域の1または2以上の撮像画像を取得する画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された撮像画像に基づいて、少なくとも1つの前記第1の情報を認識する認識工程と、
前記認識工程により認識された前記第1の情報である第1の認識情報の少なくとも一部の情報と、記憶情報の1つとして記憶媒体に予め記憶されている第1の情報である第1の記憶情報とを照合する照合工程と、
前記照合工程による照合の結果に基づいて、前記物品の少なくとも1つの候補を特定する特定工程と、をコンピュータに実行させ、
前記照合工程は、前記第1の認識情報と一部が異なる認識情報と、当該認識情報に対応する情報として記憶媒体に予め記憶されている記憶情報とを照合することが可能であり、
前記照合工程は、前記第1の認識情報のうち、認識の正確性についての条件を満たす情報と、前記第1の記憶情報のうち、前記認識の正確性についての条件を満たす情報に対応する情報とを照合することを特徴とするプログラム。
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