JP7234652B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
定着装置5に設けられた温度検知手段54は、定着装置の温度を検知する温度検知手段であって、温度により抵抗値が変化するサーミスタ素子54aを有し、その抵抗値の変化により定着部材51の温度を検知する。温度検知手段54としてはここではサーミスタを用いているが、サーミスタに限定されない。温度検知手段54には、制御基板60の制御部61からの電流がドロワコネクタ55を介して流れる。また、制御部61が、サーミスタ素子54aの抵抗変化によって変化する電圧を検知し、加熱部材53の通電を制御することで定着部材51の温度を制御する。
ドロワコネクタ55は、定着装置側コネクタ55Uと本体側コネクタ55Hを有し、温度検知手段54と、装置本体の制御基板60の間に配置されている。定着装置側コネクタ55Uは、定着装置5に設置され、本体側コネクタ55Hは画像形成装置本体に設置されている。一般に、温度検知手段としてのサーミスタはリード線を2本有し、リード線は信号線とGND線(アース線)とに分かれている。温度検知手段54のリード線は定着装置側コネクタ55Uに接続されている。リード線の先端に端子があり、本体側コネクタ55Hと定着装置側コネクタ55Uの端子同士が接触している箇所が接点である。温度検知電流は、制御基板60の信号側からドロワコネクタ55の接点65aを介して温度検知手段54の信号側に流れ、サーミスタ素子54a(図3には図示していない)を流れ、温度検知手段54のGND側から再びドロワコネクタ55の別の接点65cを介して制御基板60へ流れる。
この温度検知回路は、中継基板56を用いた複線化の一例である。具体的には、温度検知手段54とドロワコネクタ55の間に中継基板56が配置されている。温度検知手段54からのリード線である信号線及びGND線は、信号側及びGND側でそれぞれ中継基板56へ接続され、それぞれ2本の信号線及びGND線に分岐され(すなわち、複線化され)、ドロワコネクタ55を通過して制御基板60へと接続されている。温度検知手段54のリード線は中継基板56上のパターン配線により複数に分岐されている。中継基板56を用いることで、従来から用いられている汎用的なドロワコネクタ55を用いることができるので、ドロワコネクタ55を安価に調達できる。制御基板60では制御基板60内のパターン配線により制御部61へは1信号として伝えられる。これに代えて、装置本体側にも中継基板や中継コネクタを用いて2本のリード線を1本のリード線に戻しても良い。また、1又は複数の温度検知手段54が定着装置5に設けられてもよい。
温度検知手段54からの1つのリード線は、中継コネクタ56Uを介してそのまま1つのリード線として中継基板56に接続される。そして、各温度検知手段54のリード線である信号線及びGND線はそれぞれ、中継基板56内でのパターン配線により1つの線から2つの線に分岐される。これらの線は複線化され、並列配置されている。中継コネクタ56Dを介して2倍に複線化された信号線及びGND線はドロワコネクタ55に接続される。中継基板56は、中継コネクタ56U及び中継コネクタ56Dを有している。なお、複線化される線数は2倍に限らず、3倍以上であってもよい。
図3の場合と同様に、図4に示す1つの接点65aの抵抗が上昇した場合、信号線が複数化され並列配置されているため、電流は抵抗の低い方に流れる。すなわち、電流は、図中の矢印に示すように、並列配置されたもう一方の接点65bを介して制御基板60まで流れる。この時の電流は、オームの法則で既知の通り、抵抗上昇していないときと同じ値で流れるので温度検知信号は正しく伝達される。この結果、抵抗上昇した接点65aは温度検知回路上で不要となり、定着装置は正しく動作し、障害は発生しない。
本実施形態では、温度検知手段54とドロワコネクタ55の間に中継基板56が配置され、温度検知手段54には信号線とGND線がそれぞれ単独に設けられている。それぞれの温度検知手段54からの信号線は中継基板56へ接続され、そこで2本の信号線に分岐され(すなわち、複線化され)、ドロワコネクタ55を通過して制御基板60へと接続されている。一方で、温度検知手段54からの複数のGND線は中継基板56上のパターン配線により互いに接続されている。信号線は検知した温度の信号を伝達するが、GND線は基準として共通である。この温度検知回路では、複数のGND線は共通に使用可能なので、ドロワコネクタ55通過時に互いに並列接続することが可能であり、並列接続することで1個の接点で異常が生じた場合でも、信号線の場合と同様に、電流は正常な接点の方に流れるので、温度を正しく検知できる。例えば本実施形態では、接点65cで抵抗上昇が生じた場合、電流は他の接点65eを介して制御基板60まで流れる。これにより、接点の異常に伴う障害発生が防止でき、信頼性を高めることができる。中継基板56を用いることでGND線の接点を自由に選ぶことができる。GND線の接点は、温度検知手段の数とドロワコネクタの信号数の制約により増減可能である。信号は、温度検知回路の複数のGND線を共通使用してドロワコネクタ55に伝達されるので、ドロワコネクタ上の使用信号線数を増やすことなく前述の効果を得ることができる。また線数を増やしていないので装置の大型化を防止し、費用増大を抑制することができる。中継基板56を用いることで、従来から用いられている汎用的なドロワコネクタ55を用いることができるので、ドロワコネクタ55を安価に調達できる。
制御部61により、電圧値を温度検知信号として捉え、加熱部材53の通電を制御し、定着部材51を一定温度になるように制御しているので、図示のように、通常は、定着部材51の温度と同期している電圧値は一定の値に制御される。しかし、接点部の抵抗上昇が生じた場合、結果として図7に示すような一時的な電圧暴れが発生する。温度検知信号が一時的に変動した結果、狙いの温度が正しい値からずれるので一定の振幅で推移していた全体波形にも乱れが生じる。このニッケル酸化物による接触不良が発生するときの接点部の挙動は非常に不安定で、接触抵抗が瞬間的に変化したり、中間的な抵抗値を持ったりするが、大抵の場合は、抵抗上昇に持続性が無く、僅かな振動や定着装置の着脱により正常状態に戻ってしまう。図6の例でも2~3回の抵抗上昇の後に電圧波形は正常状態に戻っているので、温度検知波形も直ぐに一定な温度に対応する波形に戻っている。
図8は、画像形成装置本体と定着装置の配置を示す模式図である。
図8aは、装置本体に対する定着装置5及びドロワコネクタ55の配置を模式的に表しており、定着装置5がドロワコネクタ55を介して装置本体に装着されている。図8bは、定着装置5の着脱方向を模式的に表しており、定着装置5はその長手方向に対して直交する方向に着脱可能である。図8bでは、定着装置5が装置本体から取り外されており、定着装置側コネクタ55Uを備えた定着装置5と、本体側コネクタ55Hを備えた装置本体とが分離している。このとき、定着装置側コネクタ55Uと本体側コネクタ55Hから成るドロワコネクタ55は、定着装置5の着脱方向に挿抜可能に配置されている。これにより、定着装置5の着脱と同期してドロワコネクタ55が挿抜され、電気的接続が形成・解除される。
本実施形態では、定着装置5はその長手方向に着脱可能であり、このために定着装置側コネクタ55Uは定着装置5の長手方向の端部に配置されている。定着装置側コネクタ55Uと本体側コネクタ55Hから成るドロワコネクタ55は、定着装置5の着脱方向に挿抜可能に配置されている。図9bに示すように、定着装置5の装着時にドロワコネクタ55の横にデッドスペース69が生じるので、このデッドスペース69に対応して中継基板56を定着装置5に配置する。
定着装置側コネクタ55Uが定着装置5の上方且つ後方に固定されている。定着装置側コネクタ55Uは、長方形の開口55Vを有し、内部には金メッキが施された端子を有する。本体側コネクタ55Hも、長方形の開口55Vに対応する形状を有し、内部には金メッキが施された端子を有する。これらの定着装置側コネクタ55U側の端子は本体側コネクタ55H側の端子と接触することで、電気的接続が形成される。温度検知手段54が定着装置5に設置されている。温度検知手段54は、定着装置5の長手方向端部に設置された端部サーミスタと、中央部に設置された中央サーミスタから成る。定着装置側コネクタ55Uの横には、保持部材57が定着装置5に固定されており、保持部材57には中継基板56が配置されている。
中継基板56を定着装置5内に設けることで、従来から用いている汎用的なドロワコネクタ55を用いることができるので、ドロワコネクタ55を安価に調達でき、ドロワコネクタ55内に複雑な形状を用いることによる大型化や高コスト化が回避される。さらに、中継基板56をドロワコネクタ55と関連性なく配置できるため、装置本体に影響を与えることなく定着装置5内での配置の自由度が高められる。
・金属製部材に比べて樹脂製部材の方が断熱性が良く、熱伝導性が低い。その結果、定着部材51からの熱が中継基板56に伝わりにくく、中継基板56を熱から保護し、安定的な動作を保証することができる。
・樹脂製部材は絶縁性のため、電気的な短絡や、短絡による誤動作の懸念が無い。そのため部品の取付等の配置の自由度が高い。
・樹脂製部材は形状の自由度が高く、取付形状の形成が容易である。絶縁性と相まって、中継基板56をネジなどの固定部材を用いずに樹脂製部材(保持部材57)に設置可能となり、組み立て性が向上される。また、図11に示すように、ネジ取付形状が不要となるので、中継基板56のネジ穴70を含む部分を削除することができ、これにより中継基板56を小型化できる。
図11に示す中継基板56では、図6に示す中継基板56と同様に、信号線は2本の信号線に分岐され(すなわち、複線化され)ている。一方で、GND線は互いに接続されている。
図示のように、切り欠き71が中継基板56の下部に設けられている。一方、図10に示すように、定着装置5を構成する樹脂製の保持部材57は、切り欠き71に嵌る突起72を有している。このように定着装置5の突起72と中継基板56の切り欠き71を嵌めることで、中継基板56が定着装置5に保持される方向が一意に決まることになる。このような構成とすることで、リード線(ハーネス)の配回し、コネクタの取付等、安定した組み立て性を得ることができ、付随した組み立て不良を減らすことができる。
図示のように、本実施形態の定着装置5では、中継基板56はカバー部材58により覆われている。カバー部材58は中継基板56の全体を覆っている。これにより、オペレータやサービスマンが、定着装置5の着脱時に装置外に出された定着装置5の中継基板56などに意図せずに接触することを防止し、また部品の機械的破損、静電気等による電気的破損、コネクタ抜け等の不具合を防止することができる。
図示のように、このカバー部材58は複数の開口部66を有する。これにより、下記の効果が奏される。
・オペレータやサービスマンが、中継基板56が正しく組み立てられ、配置されていることを容易に視認でき、組み立てミスの低減と故障時の早期解決が可能となる。
・カバー部材58に形成された開口部66によって中継基板56の通気性が良くなるため、定着部材51の近傍に配置されて高温になりやすい中継基板56の温度上昇を抑えることができる。
図15aは、ファン59が装置内へ気流を吸い込む様子を示す実施形態の図である。
中継基板56は画像形成装置内の気流路上に配置される。具体的には、ファン59が中継基板56の後方に配置され、矢印で示すように、中継基板56は、ファン59により装置外から吸い込まれた気流であって装置外温度と同等の気流を受けるように配置されている。本実施形態では、定着装置5の熱による中継基板56の温度上昇が装置外気流によって抑制され、中継基板56の安定的な動作を保証できる。
このとき装置内には、ファン59が定着装置5の後方に配置され、流路Aで示される、定着装置5近傍の熱を装置外に排出する気流が形成される。この流路Aは定着装置5の熱を上流から下流(ファン59付近)へ運ぶ流路であり、この流路A上に中継基板56を配置すると定着装置5の熱が中継基板56に集まってしまい、中継基板56の温度上昇を抑制するために好ましくない。一方、流路Bで示される、装置内の定着装置5以外の箇所から流れる気流は温度が低いので、この流路B上に中継基板56を配置することで、中継基板56が定着装置5近傍に配置されていてもその熱の影響を受けにくくなる。このようにして、中継基板56は、画像形成装置内の気流路上に配置される。
54 温度検知手段
55H 本体側コネクタ
55U 定着装置側コネクタ
Claims (10)
- 定着装置の温度を検知する1又は複数の温度検知手段と、
本体側コネクタとの端子同士の接触により、前記温度検知手段からの温度検知信号を画像形成装置本体に伝える定着装置側コネクタと、を有し、
前記温度検知手段のリード線が信号線及びGND線を有し、当該信号線は複数の信号線に分岐しており、当該GND線は複数のGND線に分岐しており、当該信号線及び当該GND線は前記定着装置側コネクタに接続されており、
前記温度検知手段と前記定着装置側コネクタの間に中継基板が配置され、
前記温度検知手段の前記リード線が前記中継基板上のパターン配線により複数に分岐され、
前記中継基板は定着装置を構成する樹脂製の保持部材により定着装置に保持されており、
前記中継基板はカバー部材により覆われており、
前記定着装置側コネクタと前記カバー部材はボルトにより共に定着装置に締結されていることを特徴とする定着装置。 - 前記リード線のうち、前記温度検知手段からの前記複数のGND線が互いに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記温度検知手段と前記定着装置側コネクタの間に中継基板が配置され、
前記温度検知手段からの前記複数のGND線は前記中継基板上のパターン配線により互いに接続されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - 前記中継基板は固定部材を用いずに前記保持部材に設置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の定着装置。
- 切り欠きが前記中継基板に設けられ、前記保持部材は、前記切り欠きに嵌る突起を有していることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記中継基板が挿入されるコネクタは、前記中継基板が誤挿入できないように構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記カバー部材は開口部を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記カバー部材及び前記保持部材が前記リード線を案内する案内形状を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記中継基板は、画像形成装置内の気流路上に配置されることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の定着装置。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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