以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態において、特殊硬貨処理装置7が、特許請求の範囲に記載の「硬貨処理装置」に対応し、特殊硬貨処理装置7と操作端末8との組み合わせが、特許請求の範囲に記載の「硬貨処理システム」に対応する。また、カメラ51が、特許請求の範囲に記載の「撮像部」に対応し、発光ユニット61が、特許請求の範囲に記載の「発光部」に対応する。
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る、貨幣処理システム1の外観を示す正面図である。
貨幣処理システム1は、束紙幣処理装置2と、バラ紙幣処理装置3と、バラ硬貨処理装置4と、包装硬貨処理装置5と、有価媒体処理装置6と、特殊硬貨処理装置7と、操作端末8と、貨幣保管装置9と、を備える。
束紙幣処理装置2は、所定枚数(たとえば、100枚)のバラ紙幣を結束して束紙幣(帯封紙幣)を形成する束紙幣形成部と、束紙幣を収納する束紙幣収納部とを有する。バラ紙幣処理装置3は、バラ紙幣を金種別に収納できる紙幣収納部を有し、バラ紙幣を紙幣収納部へ入金する入金処理や紙幣収納部からバラ紙幣を出金する出金処理を行う。束紙幣処理装置2は、バラ紙幣処理装置3と接続されており、バラ紙幣処理装置3から送られてきたバラ紙幣をもとに束紙幣形成部で束紙幣を生成して外部に投出し、あるいは、生成した束紙幣を束紙幣収納部に収納する。
バラ硬貨処理装置4は、バラ硬貨を金種別に収納できる硬貨収納部を有し、バラ硬貨を硬貨収納部へ入金する入金処理や硬貨収納部からバラ硬貨を出金する出金処理を行う。包装硬貨処理装置5は、所定枚数(たとえば、50枚)のバラ硬貨を包装して包装硬貨を形成する包装硬貨形成部と、包装硬貨を収納する包装硬貨収納部とを有する。包装硬貨処理装置5は、バラ硬貨処理装置4と接続されており、バラ硬貨処理装置4から送られてきたバラ硬貨をもとに包装硬貨形成部で包装硬貨に生成して外部に投出し、あるいは、生成した包装硬貨を装硬貨収納部に収納する。
有価媒体処理装置6は、束紙幣処理装置2およびバラ紙幣処理装置3で取り扱われない有価媒体の処理を行う。具体的には、有価媒体処理装置6は、損券収納部、有価証券収納部を有し、現在発行されていない紙幣である旧券、市場流通に適さない損券および汚れや破れによってバラ紙幣処理装置3で処理できない損傷券を損券収納部に対して入出金する処理、および、小切手や手形などの特定の有価証券を有価証券収納部に対して入出金する処理を行う。また、有価媒体処理装置6は、新券収納部を有し、未使用の紙幣である新券を新券収納部から出金する処理を行う。
特殊硬貨処理装置7は、損貨(変形貨幣、汚損貨幣)、記念貨等の市場流通に適さない特殊な硬貨を取り扱う。これら特殊な硬貨は、バラ硬貨処理装置4では、取り扱うことができない。
操作端末8は、操作表示部301と、プリンタ302とを備える。ユーザは、操作端末8を用いて、束紙幣処理装置2、バラ紙幣処理装置3、バラ硬貨処理装置4、包装硬貨処理装置5、有価媒体処理装置6、特殊硬貨処理装置7および貨幣保管装置9に対する入金処理のための操作や出金処理のための操作を行う。
貨幣保管装置9は、損貨(変形貨幣、汚損貨幣)、旧貨、記念貨等の市場の流通に適さない特殊な硬貨等の保管に用いられる。また、貨幣保管装置9は、束紙幣処理装置2に収納しきれない束紙幣や包装硬貨処理装置5に収納しきれない包装硬貨の保管に用いられる。
図2(a)(b)は、特殊硬貨処理装置7の構成を示す斜視図である。
特殊硬貨処理装置7は、直方体形状の筐体10により、外郭が形成される。筐体10の上部前側に開口11が形成されている。この開口11が、シャッター12により開閉される。図2(a)には、開口11がシャッター12により閉じられた状態が示され、図2(b)には、開口11が開放された状態が示されている。シャッター12は、筐体10の左右の内側面に形成されたガイド溝13に沿って、前後方向に移動可能に筐体10に支持されている。
シャッター12が開放されると、左右に並ぶ第1載置部21と第2載置部22が、外部に露出する。第1載置部21と第2載置部22は、仕切り23によって仕切られている。第1載置部21の直下に、第1載置部21に載置された硬貨を収納するための第1収納庫31が前方に引き出し可能に設置されている。また、第2載置部22の直下に、第2載置部22に載置された硬貨を収納するための第2収納庫32が前方に引き出し可能に設置されている。すなわち、第1載置部21と第2載置部22にそれぞれ対応付けられて、第1収納庫31と第2収納庫32が設けられている。
本実施形態では、第1載置部21が損貨の載置領域に設定され、第2載置部22が記念貨の載置領域に設定されている。したがって、第1収納庫31には損貨が収納され、第2収納庫32には記念貨が収納される。第1収納庫31と第2収納庫32の真上の位置に、それぞれ、第1載置部21と第2載置部22に載置されるべき硬貨の種類を示すラベル33、34が付設されている。操作者は、これらのラベル33、34を参照することにより、第1載置部21と第2載置部22に載置されるべき硬貨の種類を把握できる。
なお、第1載置部21および第2載置部22に載置されるべき硬貨の種類は、任意に設定可能である。各載置領域に載置されるべき硬貨の種類は、たとえば、所定の設定画面を用いて設定される。設定された各載置領域の硬貨の種類は、特殊硬貨処理装置7内の記憶部に記憶される。ラベル33、34は設定に応じて付設される。たとえば、第1載置部21と第2載置部22が、何れも、損貨が載置される領域に設定されてもよく、あるいは、何れも、記念貨が載置される領域に設定されてもよい。
図3(a)、(b)は、特殊硬貨処理装置7の構成および動作を模式的に示す断面図である。図3(a)、(b)には、それぞれ、図2(a)のA-A’断面図が示されている。図3(a)は、第1載置部21と第2載置部22に対象の硬貨が載置された後、シャッター12が閉じられた直後の状態が示され、図3(b)には、その後、収納動作が開始された状態が示されている。
図3(a)、(b)に示すように、第1載置部21は、枠部材24と載置部材25とで構成されている。枠部材24の内側面は、仕切り23の側面とともに、第1載置部21の内側面を構成し、載置部材25の上面は、第1載置部21の底面、すなわち、第1載置部21における硬貨の載置面を構成する。枠部材24は、筐体10内部に固定され、載置部材25は、前後に移動可能に、支持フレーム41に支持されている。支持フレーム41には、枠部材24の内側面と第1収納庫31とを連通させる開口41aが設けられている。第2載置部22も、図3(a)、(b)と同様の構成である。
シャッター12の上部内側面には、第1載置部21および第2載置部22の両方を画角に含むカメラ51が設置されている。すなわち、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨は、全て、1つのカメラ51で同時に撮像される。
さらに、筐体10の内部には、第1載置部21および第2載置部22を照明するための発光ユニット61が設置されている。発光ユニット61は、左右方向に長い形状を有する。発光ユニット61は、たとえば、白色光を放射する。発光ユニット61から放射される光の色が白色以外の色であってもよい。
発光ユニット61は、たとえば、複数のLED(Light Emitting Diode)を左右方向に並べて集積化した構成である。LEDの並び方向に光を均一化させるディフューザがさらに配置されてもよい。また、発光ユニット61の短手方向に光の放射角を広げる拡大レンズが配置されてもよい。拡大レンズは、たとえば、凹状のシリンドリカル面を有し、シリンドリカル面の母線が発光ユニット61の長手方向に平行となるように配置される。発光ユニット61が、他の線光源により構成されてもよい。
発光ユニット61は、図示しない設置部材によって、シャッター12の奥側に設置されている。発光ユニット61の左右方向の発光領域の長さは、第1載置部21および第2載置部22の両方を合わせた長さよりやや広い。発光ユニット61は、斜め上方から第1載置部21および第2載置部22の両方に同時に光を照射する。すなわち、第1載置部21および第2載置部22に設置された全ての硬貨に対して、発光ユニット61から同時に光が照射される。図3(a)の破線は、光の照射状態を示し、一点鎖線は、発光ユニット61の短手方向における照射光の広がり角の中心軸を示している。
なお、発光ユニット61が第1載置部21および第2載置部22ごとに個別に設けられてもよい。また、第1載置部21に対して複数の発光ユニット61が設けられてもよく、第2載置部22に対して複数の発光ユニット61が設けられてもよい。たとえば、第1載置部21の前側の領域と後側の領域に対してそれぞれ発光ユニット61が設けられてもよい。この場合、第1載置部21に照射される光の強度が前側の領域と後側の領域とでなるべく均一化されるように、各発光ユニット61の出射光量が個別に設定されてもよい。
図3(a)の状態から、載置部材25が図示しない駆動機構により後方に移動されると、第1載置部21の底面が徐々に開放される。これにより、図3(b)に示すように、硬貨C1が、開放された底面から開口41aを介して第1収納庫31の内部に落下する。載置部材25は、前端が枠部材24の後端側の内側面の位置まで移動する。これにより、第1載置部21に載置された全ての硬貨C1が、第1収納庫31の内部に落下して、第1収納庫31に収納される。第2載置部22に載置された硬貨も、同様の動作により、第2収納庫32に収納される。
図4は、特殊硬貨処理装置7および操作端末8の構成を示すブロック図である。
特殊硬貨処理装置7は、撮像処理部201と、シャッター駆動部202と、載置部材駆動部203と、発光ユニット駆動部204と、通信部205と、制御部206と、記憶部207と、を備える。
撮像処理部201は、制御部206からの制御によりカメラ51を駆動するとともに、カメラ51からの画像データを処理して制御部206に送信する。シャッター駆動部202は、シャッター12を駆動するためのモータ、駆動機構および駆動回路を備え、制御部206からの制御により、シャッター12を開閉する。載置部材駆動部203は、図3(a)、(b)に示した載置部材25を駆動するためのモータ、駆動機構および駆動回路を備え、制御部206からの制御により、載置部材25を駆動する。発光ユニット駆動部204は、発光ユニット61を駆動する駆動回路を備え、制御部206からの制御により、発光ユニット61を駆動する。通信部205は、制御部206からの制御により、操作端末8の通信部304との間で無線方式あるいは有線方式による通信を行う。
制御部206は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部207に記憶されたプログラムに従って、撮像処理部201、シャッター駆動部202、載置部材駆動部203、発光ユニット駆動部204および通信部205を制御する。記憶部207は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶媒体を備え、制御部206の制御プログラムを記憶し、また、制御部206の制御処理の際にワーク領域として利用される。
操作端末8は、上述した操作表示部301およびプリンタ302の他、カードリーダ303、通信部304、制御部305および記憶部306を備える。
操作表示部301は、ディスプレイ301aとタッチセンサ301bとを備えたタッチパネルで構成される。ディスプレイ301aは、各種情報を表示する。タッチセンサ301bは、ディスプレイ301aに対するユーザのタッチ操作を検出する。プリンタ302は、束紙幣処理装置2、バラ紙幣処理装置3、バラ硬貨処理装置4、包装硬貨処理装置5、有価媒体処理装置6、特殊硬貨処理装置7および貨幣保管装置9に対する入金処理、出金処理等の各種処理の結果を、ジャーナルとして用紙に印字し出力する。
カードリーダ303は、IDカードを読み取り、読み取ったデータを制御部305に出力する。通信部304は、特殊硬貨処理装置7の通信部205との間で無線方式あるいは有線方式による通信を行う。この他、通信部304は、束紙幣処理装置2、バラ紙幣処理装置3、バラ硬貨処理装置4、包装硬貨処理装置5、有価媒体処理装置6および貨幣保管装置9の各通信部との間で無線方式あるいは有線方式による通信を行う。
制御部305は、CPU等の演算回路を備え、記憶部306に記憶されたプログラムに従って、操作表示部301、プリンタ302、カードリーダ303、通信部304を制御する。さらに、制御部305は、通信部304を介して、束紙幣処理装置2、バラ紙幣処理装置3、バラ硬貨処理装置4、包装硬貨処理装置5、有価媒体処理装置6、特殊硬貨処理装置7および貨幣保管装置9との間で各種の指令や情報のやり取りを行うことにより、これら装置の動作を制御する。
記憶部306は、ROM、RAMやハードディスク等の記憶媒体を備え、制御部305の制御プログラムを記憶し、また、制御部305の制御処理の際にワーク領域として利用される。さらに、記憶部306は、損貨および記念貨の参照画像と金種とを対応付けた硬貨画像データベース306aを保持している。硬貨画像データベース306aは、硬貨の種類(損貨/記念貨)ごとに準備されている。硬貨画像データベース306aは、カメラ51により撮像された硬貨の画像の金種を判定する際に、制御部305により参照される。
次に、特殊硬貨処理装置7へ特殊な硬貨である損貨および記念貨を入金するための処理について説明する。
図5は、損貨等の特殊硬貨の入金処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、操作端末8の制御部305において実行される。
特殊硬貨の入金処理において、操作者は、まず、図7(a)に示すメニュー画面410を操作する。メニュー画面410には、処理項目の選択候補を表示する領域411が含まれている。操作者は、領域411中の“特殊硬貨”の処理項目を選択する。これにより、領域412に含まれた貨幣の種類のうち、処理対象とされる損貨/旧貨および記念貨の項目がハイライト表示される。さらに、領域413に、当該硬貨の入金を行うための特殊硬貨処理装置7の画像413aが表示される。操作者は、画像413aを参照することにより、どの装置に対して入金を行えばよいかを円滑に把握できる。その後、操作者は、ボタン414を操作する。これにより、図5に示す処理が開始される。
図5を参照して、制御部305は、特殊硬貨処理装置7の制御部206に対して、シャッター12を開放させる指示を送信する(S101)。これにより、特殊硬貨処理装置7のシャッター12が開放される。また、制御部305は、操作表示部301にセット要求画面を表示させる。これにより、操作表示部301の画面が、図7(a)のメニュー画面410から図7(b)のセット要求画面420に切り替わる。
図7(b)を参照して、領域421には、図7(a)の領域411と同様の画像が表示される。領域422には、特殊硬貨処理装置7の硬貨載置領域における硬貨の種類の割り当て形態を示す画像422aが表示される。ここでは、左側の硬貨載置領域(第1載置部21)が損貨を載置するための領域に割り当てられ、右側の硬貨載置領域(第2載置部22)が記念貨を載置するための領域に割り当てられている。操作者は、画像422aを参照することにより、各載置領域に載置すべき硬貨の種類を的確に把握できる。
領域423には、特殊硬貨処理装置7に処理対象の硬貨をセットすること、および、セット完了後にボタン424を操作することを促すメッセージ423aが含まれる。操作者は、メッセージ423aを参照して、特殊硬貨処理装置7の第1載置部21および第2載置部22に、それぞれ、処理対象の損貨および記念貨を載置する。処理対象の全ての損貨および記念貨をセットすると、操作者は、ボタン424を操作する。これにより、図5のステップS103の判定がYESとなる。
こうして、ステップS103の判定がYESとなると、制御部305は、特殊硬貨処理装置7の制御部206に対して、シャッター12を閉塞させる指示を送信する(S104)。これにより、特殊硬貨処理装置7のシャッター12が閉塞される。さらに、制御部305は、特殊硬貨処理装置7の制御部206に対して、硬貨を撮像させる指示を送信する(S105)。これにより、特殊硬貨処理装置7において、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨が、カメラ51により撮像される。
図6(a)は、図5のステップS105における撮像処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部305からの撮像指示に応じて、特殊硬貨処理装置7の制御部206により行われる。
制御部206は、発光ユニット61の照射光量を初期レベルに設定し(S201)、カメラ51に撮像を行わせる(S202)。ここで、発光ユニット61の照射光量として、予め、複数のレベル(たとえば、3つのレベル)が準備されている。初期レベルは、たとえば、このうちの最低のレベルに設定される。ステップS202において、発光ユニット61は、ステップS201で設定された照射光量で光を第1載置部21および第2載置部22に照射する。この状態で、カメラ51が、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨を撮像する。これにより、第1載置部21および第2載置部22に載置された全ての硬貨の画像を含む全体画像が取得される。
制御部206は、ステップS202で取得された全体画像を、記憶部207に一時記憶させる(S203)。そして、制御部206は、予め準備した全てのレベルの照射光量で撮像を行ったか否かを判定する(S204)。全てのレベルの照射光量で撮像を行っていない場合(S204:NO)、制御部206は、処理をステップS201に戻して、照射光量を次のレベルに設定し、再度、撮像を行う(S202)。こうして、制御部206は、予め準備した全てのレベルの照射光量で撮像を行うまで、ステップS201~S203の処理を繰り返す。これにより、異なる照射光量で撮像された複数の全体画像が記憶部207に一時記憶される。
予め準備した全てのレベルの照射光量で撮像を行うと(S204:YES)、制御部206は、記憶部207に一時記憶させた複数の全体画像を、通信部205を介して、操作端末8の制御部305に送信する(S205)。これにより、図6(a)の処理が終了する。操作端末8の制御部305は、ステップS205に処理により受信した複数の全体画像を、記憶部306に一時記憶させる。これにより、図5のステップS105の処理が終了する。
なお、図6(a)のフローチャートでは、全体画像を記憶部207に一時記憶した後、全ての全体画像を一括して操作端末8の制御部305に送信したが、全体画像を撮像するごとに、全体画像を操作端末8の制御部305に送信するようにしてもよい。
図5に戻って、制御部305は、特殊硬貨処理装置7から受信した複数の全体画像を処理して、当該全体画像に含まれる各硬貨の画像を切り出す(S106)。
図6(b)は、図5のステップS106における切り出し処理を示すフローチャートである。
制御部305は、特殊硬貨処理装置7から受信した複数の全体画像のうち1つを記憶部306から読み出して(S301)、当該全体画像に含まれる各硬貨の画像を切り出す(S302)。このとき、制御部305は、切り出した各硬貨の画像に対して歪み補正を行い、真円に近い各硬貨の画像を取得する。
さらに、制御部305は、切り出した各硬貨の画像の鮮明度を求め、求めた鮮明度を当該硬貨の画像に設定する(S303)。ここで、鮮明度は、各硬貨の画像に含まれる数字や模様をどの程度明確に識別できるかを数値化したものである。たとえば、ステップS302で切り出された硬貨の画像と、図4に示した硬貨画像データベース306a中の当該硬貨にマッチングする硬貨の画像とのマッチング率が、ステップS303における当該硬貨の画像の鮮明度として設定される。鮮明度の設定は、当該全体画像から切り出された全ての硬貨の画像に対して行われる。
こうして、各硬貨に鮮明度の設定を行った後、制御部305は、全ての全体画像に対してステップS302、S303の処理が終了したか否かを判定する(S304)。未だ処理を行っていない全体画像が残っている場合(S304:NO)、制御部305は、処理をステップS301に戻して、次の全体画像に対して、ステップS302、S303の処理を行う。これにより、各全体画像に含まれる硬貨の画像に対して、鮮明度が設定される。上記のように、各全体画像は、光の照射光量が相違している。したがって、同一の硬貨について各全体画像から切り出された硬貨の画像は、その鮮明度が互いに相違する。
図8(a)~(c)は、それぞれ、光の照射状態を変更して撮像された全体画像501を模式的に示す図である。ここでは、便宜上、損貨の領域(第1載置部21)のみに硬貨(損貨)が載置された場合の全体画像501が示されている。また、便宜上、各硬貨の画像には、鮮明度を示す数値が付記されている。ここでは、光の照射光量を3段階に切り替えて、全体画像501が撮像されている。図8(a)は、照射光量が最も低い場合の全体画像501であり、図8(c)は、照射光量が最も高い場合の全体画像501である。
図8(a)~(c)に示す例では、50円、100円、500円の各硬貨の画像の鮮明度は、照射光量が最低レベルの場合が最も高く、照射光量が高まるに従い、鮮明度が低くなっている。これは、たとえば、これらの金種の硬貨が、高い反射率の材質からなっているため、照射光量の増加に伴い画像にサチュレーション(光飽和)が生じることによるものである。これに対し、10円の硬貨の画像の鮮明度は、照射光量が最高レベルの場合が最も高く、照射光量が低下するに従い、鮮明度が低くなっている。これは、たとえば、この金種の硬貨が、低い反射率の材質からなっているためである。このように、同一の硬貨の切り出し画像に対して、全体画像501ごとに、鮮明度が設定される。
図6(b)に戻り、制御部305は、全ての全体画像に対してステップS302、S303の処理を終了すると(S304:YES)、複数の全体画像から切り出された同一の硬貨の画像のうち、鮮明度が最高の画像を、当該硬貨の切り出し画像に設定する(S305)。そして、制御部305は、各硬貨の画像のうち、鮮明度が最高の画像を統合して全体画像を生成する(S306)。
たとえば、図8(a)~(c)の例では、照射光量が低レベルの図8(a)の全体画像501において、50円、100円、500円の硬貨の画像の鮮明度が最も高くなっている。したがって、図6(b)のステップS305では、図8(a)の全体画像501から切り出された50円、100円、500円の硬貨の画像が、これら硬貨の切り出し画像に設定される。
これに対し、図8(a)~(c)の例では、照射光量が高レベルの図8(c)の全体画像501において、3つの10円硬貨の画像の鮮明度が最も高くなっている。したがって、図6(b)のステップS305では、図8(c)の全体画像501から切り出された3つの10円硬貨の各画像が、これら10円硬貨の切り出し画像に設定される。
さらに、図6(b)のステップS306では、図8(a)の全体画像501から切り出された50円、100円、500円の硬貨の画像と、図8(c)の全体画像501から切り出された3つの10円硬貨の各画像とが統合されて、図8(d)に示す全体画像502が生成される。こうして、全体画像502を生成すると、制御部305は、図6(b)の処理を終了する。
図5に戻り、制御部305は、ステップS106で取得した各硬貨の画像と、硬貨画像データベース306aに保持された基準画像とを照合して、各硬貨の画像の金種を識別する(S107)。
具体的には、制御部305は、各硬貨の画像について、マッチング度合いが所定の閾値以上で且つ最高の基準画像を硬貨画像データベース306aから抽出し、この基準画像に対応付けられた金種を、当該硬貨の画像に割り当てる。このとき、制御部305は、各硬貨の画像に割り当てられた基準画像が、損貨と記念貨の何れの種類に属するかを示す区分を、各硬貨の画像にさらに割り当てる。また、マッチング度合いが閾値以上の基準画像がない硬貨の画像については、金種が不明との識別結果が割り当てられる。
こうして各硬貨の画像について金種を識別した後、制御部305は、第1載置部21および第2載置部22に対して、対応する種類(損貨/記念貨)の硬貨が適正にセットされたか否かを判定する(S108)。すなわち、制御部305は、各硬貨の画像に割り当てられた硬貨の種類の区分を参照し、損貨が載置されるべき第1載置部21から取得された各硬貨の画像の何れかに記念貨の区分が割り当てられた場合、および、記念貨が載置されるべき第2載置部22から取得された各硬貨の画像の何れかに損貨の区分が割り当てられた場合に、第1載置部21および第2載置部22に対して硬貨の置き間違いが生じたと判定する。
硬貨の置き間違いが生じた場合(S108:YES)、制御部305は、図7(c)に示す確認要求画面430を操作表示部301に表示させる(S109)。確認要求画面430では、図7(b)に示したセット要求画面420に領域431の画像が重ねて表示される。領域431には、硬貨の置き間違いがあること、および、硬貨の再セットを行うことを促すメッセージ431aと、ボタン432が含まれる。操作者は、メッセージ431aを参照して、硬貨の置き間違いを把握した後、ボタン432を操作する。これにより、図5のステップS110の判定がYESとなる。
これに応じて、制御部305は、処理をステップS101に戻して、ステップS101以降の処理を再度実行する。これにより、特殊硬貨処理装置7のシャッター12が開放されて、硬貨の置き直しが可能となる。操作者は、ステップS102で表示されるセット要求画面420等を参照しながら、適正な載置領域に硬貨を置き直す。その後、操作者は、上記と同様の操作を行う。
硬貨の置き間違いがない場合(S108:NO)、制御部305は、図7(d)に示す入金処理画面440を、操作表示部301に表示させる(S111)。
図7(d)を参照して、入金処理画面440は、領域441、442と、ボタン443~445とを含んでいる。領域441には、硬貨の入金結果441a、441bが金種ごとに表示される。領域442には、図6(b)のステップS305において切り出し画像に設定された各硬貨の画像442cが表示される。表示される各硬貨の画像442cは、歪み補正後の画像である。領域442は、損貨の画像を表示させるためのタブ442aと、記念貨の画像を表示させるためのタブ442bとを備えている。タブ442aが選択されると、第1載置部21にセットされた損貨の各画像が表示され、タブ442bが選択されると、第2載置部22にセットされた記念貨の各画像が表示される。
硬貨の各画像442cの直下の位置に、各画像の金種を示す項目442dが表示される。入金処理画面440の表示開始時には、図5のステップS107で識別された各硬貨の画像442cの金種が項目442dに表示される。ステップS107で金種が不明と判定された硬貨の画像442cには、“?”の記号が項目442dに表示される。“?”の記号が付された画像442c以外の画像442cについて、金種ごとに枚数が計数され、計数結果が、入金結果441a、441bとして、領域441に表示される。領域442には、画像442cをスクロールさせるためのスクロールバー442eが設けられている。
なお、金種を示す項目442dは、必ずしも、各画像442cの直下に配置されなくてもよく、画像442cに対応付けられた形態であれば、他の位置に配置されてもよい。たとえば、画像442cの一部に重なるように項目442dが配置されてもよい。
操作者は、項目442dに対する操作により、各硬貨の画像442cの金種を設定できる。
図9(a)、(b)は、硬貨の画像442cに対して金種を設定するための操作を模式的に示す図である。
たとえば、金種が不明と識別された画像442cに対して金種を設定する場合、操作者は、まず、当該画像442cを参照して、当該画像442cの硬貨の金種を目視により確認する。次に、操作者は、図9(a)に示すように、当該画像442cに対応付けられた項目442dに指でタッチし、そのまま指を下方にドラッグさせる。これにより、ドラッグの距離に応じて項目442dに表示される金種が変化する。
たとえば、指を所定距離だけドラッグさせると、項目442dの金種が1円となり、さらに指を所定距離だけドラッグさせると、項目442dの金種が5円となる。その後、同様に、指を所定距離だけドラッグさせるごとに、項目442dの金種が、10円、50円、…と変化する。指を逆方向(上方)にドラッグさせると、金種の変化が反転する。
こうして、操作者は、画像442cに対応する金種が項目442dに表示されるまで、指をドラッグさせる。そして、画像442cに対応する金種が項目442dに表示されると、操作者は、指を画面から離す。これにより、図9(b)のように、項目442dに金種が設定される。このとき、操作者により金種が設定された項目442dは、図5のステップS107で金種が識別された項目442dと区別可能な形態で表示される。たとえば、操作者により金種が設定された項目442dは、他の項目442dとは異なる色が付されて表示される。
操作者は、金種が不明と識別された他の画像442cについても、同様の操作により金種を設定する。また、操作者は、図5のステップS107で金種が識別された項目442dについても、適宜、上記と同様の操作により、金種を修正する。こうして、各画像442cの金種が操作者により設定されると、これに応じて、領域441に表示される各金種の入金結果441a、441bが更新される。
なお、図9(a)、(b)に示した例では、指をドラッグさせることにより金種の候補が変更されたが、金種の候補を変化させる方法は、これに限られるものではない。たとえば、項目442dをタップするごとに金種の候補が変化する構成であってもよい。
図7(d)に戻り、ボタン443は、全体画像を表示させるためのボタンである。全体画像を確認する際、操作者は、適宜、図7(d)のボタン443を操作する。これにより、図6(b)のステップS306において生成された全体画像が、操作表示部301のディスプレイ301a全体に表示される。すなわち、第1載置部21および第2載置部22の両方を上方から撮像した画像が、ディスプレイ301aに表示される。たとえば、図8(d)に示す画像を含む画面が表示される。操作者は、全体画像を参照することにより、各載置部に載置された硬貨の内容を正確に確認することができる。確認の後、操作者は、画面を図7(d)の入金処理画面に戻すためのボタンを操作する。これにより、画面が、図7(d)の入金処理画面440に戻る。
操作者は、領域442に対する金種の設定操作の際にも、適宜、ボタン443を操作して、全体画像を表示させる。これにより、操作者は、各硬貨の画像の金種をより円滑に目視により確認することができる。
図5に戻り、制御部305は、入金処理画面440を表示させた後(S111)、金種受付処理(S112)および詳細確認受付処理(S113)を実行する。金種受付処理(S112)において、制御部305は、図9(a)、(b)に示した操作を受け付け、操作者により当該操作がなされた場合に、上記のように、項目442dの金種を変更する。また、詳細確認受付処理(S113)において、制御部305は、図7(d)のボタン443に対する操作を受け付け、ボタン443に対する操作がなされた場合に、図8(d)に示したような全体画像を表示させる。
ステップS112、S113の処理とともに、制御部305は、入金処理画面440に対して、操作者により、やりなおし操作がなされたか否かを判定する(S114)。具体的には、制御部305は、図7(d)の入金処理画面440中のボタン444が操作者により操作されたか否かを判定する。
操作者は、処理対象の硬貨の一部を第1載置部21または第2載置部22にセットし忘れた場合、あるいは、図8(d)に示した全体画像により各載置部に対する硬貨のセットが適切でなかったことを把握した場合等、入金処理をやり直す必要性を確認した場合に、ボタン444を操作する。これにより、制御部305は、ステップS114の判定をYESとして、処理をステップS101に戻す。これに応じて、特殊硬貨処理装置7のシャッター12が開放される。これにより、操作者は、第1載置部21または第2載置部22にアクセスして、硬貨入金のための操作をやり直す。
やりなおし操作が行われることなく(S114:NO)、図7(d)の入金処理画面440において、操作者により、全ての硬貨の画像442cに対して金種が設定され、その後、処理を確定させるボタン445が操作されると(S115:YES)、制御部305は、入金確定処理を実行する(S116)。
図6(c)は、図5のステップS116における入金確定処理を示すフローチャートである。
入金確定処理において、制御部305は、図6(b)のステップS306で生成した全体画像を、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨の取引に対応付けて、記憶部306に記憶させる(S401)。また、制御部305は、図6(b)のステップS305で設定された各硬貨の画像442cと、項目442dに設定された各硬貨の金種とを対応付けて、記憶部306に記憶させる(S402)。このとき同時に、制御部305は、領域441に示された入金結果441a、441bを記憶部306に記憶させる(S403)。
こうして、入金確定処理を完了すると、制御部305は、通信部304を介して、各載置部に載置された硬貨を収納させる指示を特殊硬貨処理装置7に送信する(S404)。これに応じて、特殊硬貨処理装置7の制御部206は、載置部材駆動部203を制御して、載置部材25を最後方位置へと移送させる。これにより、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨が、それぞれ、第1収納庫31および第2収納庫32に落下して収納される。その後、制御部206は、載置部材25を最前方位置(初期位置)へと移送させる。これにより、硬貨の入金処理が終了する。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
硬貨の撮像において、当該硬貨に対する光の照射状態が適切となるように、当該硬貨に対する光の照射状態が変更される。具体的には、図6(a)のステップS201~S204において、制御部206により、発光ユニット61の照射光量が複数のレベルに切り替えられて、硬貨が撮像される。これにより、簡易な制御により、硬貨全体に対する光の照射光量を変化させることができ、硬貨の状態(金種や損傷度合い等)に適した光の照射光量で硬貨を撮像することができる。よって、処理対象の硬貨から鮮明な画像を取得することができる。
また、制御部206は、図6(a)のステップS201~S204において、予め規定された照射状態の変更規則(複数の照射光量のレベル)に従って、各載置部に載置された硬貨に対する光の照射状態を変化させて、硬貨の撮像を行う。このように、自動で、硬貨に対する光の照射状態が変更されることにより、手間無く簡便な操作によって、鮮明な硬貨の画像を得ることができる。
また、制御部305は、照射光量が異なる複数の全体画像から切り出された硬貨の画像のうち最も鮮明な硬貨の画像を抽出し(図6(b)のステップS305)、抽出した硬貨の画像を、当該硬貨に紐づけて記憶部306に記憶させる(図6(c)のステップS402)。これにより、光の照射状態が異なる複数の硬貨の画像のうち、最も鮮明な硬貨の画像を各硬貨に紐づけて記憶させることができる。よって、操作者は、取引において処理された各硬貨を、適宜、鮮明な画像で確認することができる。
また、図2(a)、(b)を参照して説明したように、第1載置部21および第2載置部22は、それぞれ、複数の硬貨を載置可能に構成され、発光ユニット61は、第1載置部21および第2載置部22に載置された複数の硬貨に光を照射し、カメラ51は、第1載置部21および第2載置部22に載置された複数の硬貨を同時に撮像する。これにより、複数の硬貨を同時に撮像して処理することができる。
ここで、制御部305は、図6(c)のステップS401において、各載置部に載置された複数の硬貨をカメラ51により同時に撮像した全体画像を、各載置部に載置された硬貨の取引に紐づけて、記憶部306に記憶させる。これにより、操作者は、各取引において処理された各硬貨の内容(各硬貨の載置状態や金種、総額、等)を、全体画像により円滑に確認できる。
また、制御部305は、各載置部に載置された硬貨に対する光の照射状態を変更しながら、カメラ51に全体画像を複数回撮像させる。これにより、光の照射状態が異なる複数の全体画像を取得できる。図8(a)~(c)を参照して説明したように、各全体画像に含まれる同一の硬貨の画像は、撮像ごとに当該硬貨に対する光の照射状態が異なるため、全体画像ごとに、その鮮明度が変化する。この場合、各硬貨の画像は、何れかの全体画像において、より鮮明になり得る。よって、各載置部に載置された複数の硬貨のそれぞれについて、何れかの全体画像により、鮮明な画像を取得することができる。
ここで、制御部305は、図6(b)のステップS302において、複数回の撮像で取得した全体画像から、それぞれ硬貨の画像を切り出し、ステップS305において、切り出した硬貨の画像のうち最も鮮明度が高い硬貨の画像を各載置部に載置された硬貨ごとに抽出し、ステップS306において、抽出した硬貨ごとの画像から記憶用の全体画像を生成し、図6(c)のステップS401において、生成した全体画像を記憶部306に記憶させる。これにより、硬貨ごとに最も鮮明度が高い画像が全体画像に統合されて記憶部306に記憶される。このため、操作者は、記憶部306に記憶された全体画像を参照することにより、取引時に処理された各硬貨を、円滑かつ適正に確認することができる。
また、制御部305は、図6(c)のステップS402において、最も鮮明度が高い各硬貨の画像を各硬貨に紐づけて、記憶部306に記憶させる。これにより、硬貨ごとに鮮明な画像を記憶部306に記憶させることができる。よって、操作者は、適宜、鮮明な画像で、各取引において処理された硬貨を確認することができる。
<変更例1>
上記実施形態では、発光ユニット61の光量を変化させることにより、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨に対する光の照射状態が変更されたが、硬貨に対する照射状態を変更する構成は、これに限られるものではない。たとえば、各載置部に載置された硬貨に対する光の当て方を変化させる照射変更部をさらに配置し、制御部206により、照射変更部を制御して、各載置部に載置された硬貨に対する光の照射状態を変更するようにしてもよい。
この場合、照射変更部は、各載置部に対する発光ユニット61の向きを相対的に変化させるよう構成され得る。あるいは、照射変更部は、各載置部に対する発光ユニット61の位置を相対的に変化させるよう構成され得る。
図10(a)、(b)は、各載置部に対する発光ユニット61の向きを相対的に変化させる場合の構成例を示す図である。図10(b)は、図10(a)の状態から発光ユニット61が時計方向に回動された状態を示している。
この構成例では、支軸62とモータ63とによって照射変更部が構成される。発光ユニット61は、支軸62によって回動可能に支持されている。支軸62は、左右方向すなわち発光ユニット61の長手方向に平行な方向に延びている。支軸62は、モータ63の駆動軸に連結されている。モータ63は、ステッピングモータである。モータ63が駆動されることにより、発光ユニット61が、支軸62を軸として回動する。これにより、第1載置部21および第2載置部22に対する発光ユニット61の向きが変化する。これに応じて、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨に対する光の当たり方が変更される。
発光ユニット61から第1載置部21および第2載置部22に照射される光の光量は、発光ユニット61の短手方向における照射光の広がり角の中心軸付近が最も高くなり、この中心軸から離れるに従って次第に低くなる。したがって、図10(a)、(b)の構成により、第1載置部21および第2載置部22に対する発光ユニット61の向きを変化させることにより、各載置部に載置された硬貨に対する光の照射光量が変化し、各硬貨の明るさが変化する。
本変更例では、図6(a)のステップS201の処理が、発光ユニット61の向きを設定する処理に変更される。これにより、第1載置部21および第2載置部22に載置された各硬貨に照射される光の光量が、発光ユニット61の向きに応じて変化する。発光ユニット61の向きは、たとえば、3段階に設定される。これにより、各硬貨は、3段階の照射光量で撮像される。
図6(a)のステップS204では、全ての発光ユニット61の向きで全体画像が撮像されたか否かが判定される。これにより、各硬貨に対する照射光量が異なる複数の全体画像が取得される。したがって、上記実施形態と同様、これら全体画像に含まれる各硬貨の画像の鮮明度が全体画像ごとに異なることになる。図6(b)、(c)の処理は、本変更例の場合も同様に適用される。本変更例によっても、上記実施形態と同様、各硬貨に対して鮮明な画像を取得することができる。
なお、図10(a)、(b)の構成例では、支軸62とモータ63の駆動軸が直接連結されたが、支軸62とモータ63の駆動軸との間に伝達ギアが介在してもよい。また、発光ユニット61の向きの変更は、必ずしも、3段階でなくてもよく、発光ユニット61の向きが、2段階または4段階以上に変更されてもよい。
また、図10(a)、(b)の構成例では、発光ユニット61を回動させることにより、各載置部に対する発光ユニット61の向きを相対的に変化させたが、第1載置部21および第2載置部22を前後方向に傾ける機構を設けて、これら載置部に対する発光ユニット61の向きを相対的に変化させるようにしてもよい。この場合、各載置部に載置された硬貨に対する光の照射角度が変化し、これにより、各硬貨の画像の鮮明度が変化する。図6(a)のステップS201は、各載置部の傾き角を設定する処理に変更され、ステップS204は、全ての傾き角で全体画像が撮像されたか否かの判定に変更される。
図11(a)、(b)は、各載置部に対する発光ユニット61の位置を相対的に変化させる場合の構成例を示す図である。図11(b)は、図11(a)の状態から発光ユニット61が前方に移動された状態を示している。
この構成例では、支持部材64と、モータ65と、リードスクリュー66とによって照射変更部が構成される。発光ユニット61は、支持部材64に設置されている。支持部材64は、図示しない支持機構によって、前後方向に移動可能に支持されている。また、支持部材64は、リードスクリュー66と噛み合うギア部を備える。リードスクリュー66は、前後方向に延びるように、モータ65の駆動軸に連結されている。モータ63は、ステッピングモータである。
モータ63が駆動されることにより、発光ユニット61が、前後方向に移動する。これにより、第1載置部21および第2載置部22に対する発光ユニット61の前後方向の位置が変化する。これに応じて、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨に対する光の当たり方が変更される。
上記のように、発光ユニット61から第1載置部21および第2載置部22に照射される光の光量は、発光ユニット61の短手方向における照射光の広がり角の中心軸付近が最も高くなり、この中心軸から離れるに従って次第に低くなる。したがって、図11(a)、(b)の構成により、第1載置部21および第2載置部22に対する発光ユニット61の位置を変化させることにより、各載置部に載置された硬貨に対する光の照射光量が変化する。これにより、各硬貨の明るさが変化し、各硬貨に対する撮像画像の鮮明度が変化する。
また、この構成例では、発光ユニット61の移動に応じて、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨に対する光の照射角度が変化する。これによっても、各硬貨に対する撮像画像の鮮明度が変化する。
本変更例では、図6(a)のステップS201の処理が、発光ユニット61の位置を設定する処理に変更される。発光ユニット61の位置は、たとえば、3段階に設定される。これにより、各硬貨は、3段階の照射光量で撮像される。
また、ステップS204では、全ての発光ユニット61の位置において全体画像が撮像されたか否かが判定される。これにより、各硬貨に対する鮮明度が異なる複数の全体画像が取得される。図6(b)、(c)の処理は、本変更例の場合も同様に適用される。本変更例によっても、上記実施形態と同様、各硬貨に対して鮮明な画像を取得することができる。
なお、図11(a)、(b)の構成例では、発光ユニット61を移動させることにより、各載置部に対する発光ユニット61の位置を相対的に変化させたが、第1載置部21および第2載置部22を前後方向に移動させる機構を設けて、これら載置部に対する発光ユニット61の位置を相対的に変化させるようにしてもよい。この場合、図6(a)のステップS201は、各載置部の位置を設定する処理に変更され、ステップS204は、全ての設定位置において全体画像が撮像されたか否かの判定に変更される。また、第1載置部21および第2載置部22に対する発光ユニット61の相対的な移動方向は、前後方向に限られるものではなく、たとえば、上下方向であってもよい。
<変更例2>
上記実施形態では、予め装置において複数の照射光量が設定され、各照射光量で全体画像が撮像されたが、各硬貨の画像が鮮明となるように、操作者が発光ユニット61の照射光量を設定する構成であってもよい。
図12(a)は、操作者が発光ユニット61の照射光量を設定する場合の処理を示すフローチャートである。図12(b)は、操作者が発光ユニット61の照射光量を設定する場合の操作画面600を示す図である。
図12(b)の操作画面600は、図7(b)のセット要求画面420において、ボタン424が操作されることに応じて表示される。操作画面600は、表示領域601、602と、増加キー603aと、減少キー603bと、ボタン604、605とを含んでいる。変更例2では、カメラ51から第1載置部21および第2載置部22のモニタ画像が随時、操作端末8に送信される。表示領域601、602には、それぞれ、第1載置部21および第2載置部22のモニタ画像が表示される。図12(b)の例では、第2載置部22に硬貨が載置されていないため、表示領域602のモニタ画像には、硬貨の画像が含まれていない。
操作者は、増加キー603aにより発光ユニット61の照射光量を増加させることができ、また、減少キー603bにより発光ユニット61の照射光量を増加させることができる。増加キー603aが操作されるごとに、発光ユニット61の照射光量が所定レベルずつ増加し、減少キー603bが操作されるごとに、発光ユニット61の照射光量が所定レベルずつ減少する。
増加キー603aおよび減少キー603bの操作に応じて、操作端末8の制御部305から特殊硬貨処理装置7の制御部206に、発光ユニット61の照射光量を増加および減少させる指示が出力される。これに応じて、制御部206は、発光ユニット61の照射光量を増減させる。
図12(a)の処理は、図5のステップS105において行われる。制御部305は、図12(b)の操作画面600を表示させて、照射光量の増減を受け付ける(S211)。操作者は、表示領域601、602に表示されたモニタ画像を参照しながら、各硬貨の画像が鮮明となるように、増加キー603aまたは減少キー603bを操作して、発光ユニット61の照射光量を増減させる。全ての硬貨の画像が鮮明にならない場合、操作者は、一部の硬貨の画像が鮮明となるように、増加キー603aまたは減少キー603bを操作する。その後、操作者は、ボタン604を操作して、第1載置部21および第2載置部22に対する撮像を行う。
制御部305は、操作画面600のボタン604が操作されたか否かを判定する(S212)。ボタン604が操作されると(S212:YES)、制御部305は、特殊硬貨処理装置7の制御部206に撮像指示を送信する(S213)。これにより、特殊硬貨処理装置7の制御部206は、操作者により設定された照射光量で全体画像の撮像を行う。制御部206は、撮像した全体画像を記憶部207に一時記憶させる。
その後、操作端末8の制御部305は、操作画面600のボタン605が操作されたか否かを判定する(S214)。操作者は、前回までの撮像操作によって、表示領域601、602に表示された全て硬貨に対して鮮明な画像を取得できていない場合、ボタン605を操作せずに、残りの硬貨に対して、鮮明な画像を取得するための操作を行う。この場合、操作者は、残りの硬貨の画像が鮮明となるように、増加キー603aまたは減少キー603bを操作して、発光ユニット61の照射光量を増減させる。その後、操作者は、ボタン604を操作して、増減後の照射光量で全体画像を撮像させる。これにより、ステップS212、S213により、全体画像が撮像され、全体画像が記憶部207に一時記憶される。操作者は、全ての硬貨に対して鮮明な画像が得られるまで、同様の操作を繰り返す。
こうして、全ての硬貨に対して鮮明な画像が撮像されると、操作者は、ボタン605を操作する。これにより、ステップS214の判定がYESとなる。これにより、制御部305は、特殊硬貨処理装置7の制御部206に対して、終了通知を送信する(S215)。これに応じて、特殊硬貨処理装置7の制御部206は、記憶部207に一時記憶させた全ての全体画像を、操作端末8の制御部305に送信する。操作端末8の制御部305は、受信した全体画像を、記憶部306に記憶させる(S216)。これにより、図12(a)の処理が終了する。その後、制御部305は、図5のステップS106以降の処理を、上記実施形態の場合と同様に実行する。
この変更例によれば、操作者は、表示された硬貨の画像を確認しながら、各硬貨の画像が鮮明となるように、硬貨に対する光の照射状態を変化させることができる。この変更例によっても、上記実施形態と同様、全ての硬貨に対して鮮明な画像を取得することができる。なお、この変更例に変更例1の構成が適用されてもよい。
<変更例3>
上記変更例2では、各硬貨の画像が鮮明となるように、操作者が発光ユニット61の照射光量を調節したが、この調節を特殊硬貨処理装置7の制御部206が行ってもよい。
図13(a)は、この場合の処理を示すフローチャートである。図13(a)のフローチャートは、図6(a)のフローチャートのステップS204がステップS221に置き換えられている。ステップS221以外のステップは、図6(a)と同様である。
制御部206は、発光ユニット61の照射光量を、予め設定された複数の照射光量のうちの1つに設定して(S201)、全体画像の撮像を行い(S202)、撮像した全体画像を記憶部207に一時記憶させる(S203)。次に、制御部206は、全体画像に含まれる各硬貨の画像の鮮明度を取得し、鮮明度が所定の閾値以下の硬貨が残存するか否かを判定する(S221)。ここで、ステップS221の判定がYESの場合、制御部206は、発光ユニット61の照射光量を他の照射光量に設定して(S201)、全体画像の撮像を行い(S202)、撮像した全体画像を記憶部207に一時記憶させる(S203)。制御部206は、第1載置部21および第2載置部22に載置された全ての硬貨に対して鮮明な画像を取得するまで、同様の処理を繰り返す。
全ての硬貨に対して鮮明な画像を取得すると(S221:YES)、制御部206は、記憶部207に一時記憶させた全ての全体画像を操作端末8の制御部305に送信する(S205)。これにより、制御部206は、処理を終了する。
この変更例によれば、各硬貨の画像が鮮明となるように、硬貨に対する光の照射状態が自動で変更されて撮像が行われる。よって、上記変更例2に比べて、全体画像の取得操作を簡便化できる。また、この変更例によっても、上記実施形態と同様、全ての硬貨に対して鮮明な画像を取得することができる。よって、各硬貨に対して鮮明な画像を紐付けて記憶させることができる。なお、この変更例に対して、変更例1の構成が適用されてもよい。
また、図13(a)のステップS201では、予め設定された照射光量が順番に発光ユニット61の照射光量に設定されたが、ステップS221においてYESとなった後にステップS201で設定される照射光量が、図13(b)の制御によって設定されてもよい。
この制御において、制御部206は、まず、発光ユニット61に最低光量で光を照射させ(S231)、先の撮像で画像が不鮮明であった何れか1つの硬貨(対象硬貨)について、画像の明るさを取得する(S232)。ここで、制御部206は、たとえば、対象硬貨の画像を白と黒に二値化し、画像全体における黒の割合によって、当該硬貨の画像の明るさを取得する。対象硬貨の画像の明るさが不足する場合、すなわち、黒の割合が所定の閾値以上である場合(S233:YES)、制御部206は、発光ユニット61の照射光量を所定レベルだけ増加させて(S234)、再度、ステップS232、S233の処理を行う。こうして、制御部206は、対象硬貨の画像の明るさが所定の閾値以上となるまで、発光ユニット61の照射光量を高めて行く。
対象硬貨の画像の明るさが所定の閾値以上となると(S233:YES)、制御部206は、照射光量の設定処理を終了する。これにより、最終の照射光量が、撮像のための照射光量に設定される。その後、制御部206は、その照射光量で、全体画像をカメラ51に撮像させる(S202)。
図13(b)の処理によれば、画像が不鮮明であった硬貨ごとに適切な照射光量で光を照射させることができる。よって、各硬貨から、鮮明な画像を円滑に取得することができる。
<その他の変更例>
上記実施形態では、全体画像が硬貨の取引に紐付けて記憶され、各硬貨の画像が各硬貨の金種に紐付けて記憶されたが、さらに、図5のステップS105において、照射光量を予め設定した範囲で変化させながら、第1載置部21および第2載置部22の映像(動画)をカメラ51に撮像させ、撮像した映像を硬貨の取引に紐付けて記憶部306に記憶させてもよい。この場合、操作者は、さらにこの映像を参照することにより、各硬貨の内容(金種や記念貨の種類等)をより明確に把握することができる。
なお、この構成では、第1載置部21および第2載置部22の映像(動画)から所定の静止画を取得し、取得した静止画を硬貨の取引に紐付けて記憶部306に記憶させてもよい。たとえば、映像(動画)を操作表示部301に表示させ、操作者にどの静止画(動画中の所定タイミングの画像)を取引に紐付けるかを選択させてもよい。
また、上記実施形態では、硬貨の取引に紐付けて記憶される全体画像が制御部305により生成され、各硬貨に紐づけられる各硬貨の画像が制御部305により決定されたが、硬貨の取引に紐付けて記憶される全体画像を操作者が選択できるようにしてもよく、あるいは、各硬貨に紐づけられる硬貨の画像を操作者が選択できるようにしてもよい。
この場合、異なる照射光量で撮像された複数の全体画像が、選択候補として、操作表示部301に表示される。操作者は、表示された全体画像のうち、各硬貨の画像が最も鮮明である全体画像を選択候補の中から選択する操作を行う。これに応じて、選択された全体画像が、硬貨の取引に紐付けられて、記憶部306に記憶される。また、異なる照射光量で撮像された硬貨の切り出し画像が、硬貨ごとに、選択候補として、操作表示部301に表示される。操作者は、表示された切り出し画像のうち、最も鮮明な画像を選択候補の中から選択する操作を行う。これに応じて、選択された画像が、硬貨に紐付けられて、記憶部306に記憶される。
また、上記実施形態では、第1載置部21および第2載置部22の両方を撮像するカメラ51が1つだけ配置されたが、第1載置部21および第2載置部22の両方をそれぞれ異なるアングルから撮像する複数のカメラ51が配置されてもよい。この場合、これら複数のカメラ51に対して、それぞれ、図6(a)のステップS201~S204の処理が実行されて、複数の全体画像が取得される。取得された複数の全体画像は、ステップS205において、全て、操作端末8の制御部305に送信され、図5のステップS106以降の処理に供される。
なお、この構成では、アングルごとに硬貨の画像の鮮明度が異なるため、第1載置部21および第2載置部22に載置された硬貨に対する光の照射状態を変更することなく、各カメラ51で全体画像を撮像するようにしてもよい。すなわち、1種類の照射状態によって、各カメラ51により全体画像を撮像するようにしてもよい。この場合、これら複数のカメラ51でそれぞれ撮像された複数の全体画像が、図6(a)のステップS205において、操作端末8の制御部305に送信される。制御部305は、受信した複数の全体画像に対し、図6(b)、(c)の処理を行う。
また、上記実施形態では、複数の硬貨を載置可能に載置部が構成されたが、1枚の硬貨のみを載置可能に載置部が構成されてもよい。
図14は、この場合の特殊硬貨処理装置7の構成を示す図である。
筐体14の前面には、入金口15が設けられる。入金口15は、左右方向に移動可能なシャッター16により開閉される。筐体14内には、入金口15の奥に載置部17が設けられる。操作者は、シャッター16を開放して、入金口15から載置部17上の載置位置17bに硬貨を載置する。
載置位置17bの上方にカメラ51が設置されている。載置位置17bの奥方に発光ユニット61が設置されている。発光ユニット61は、載置位置17bに載置された硬貨に光を照射する。硬貨に対する光の光量を変化させながら、カメラ51により複数の画像が撮像される。制御部305は、撮像された硬貨の画像のうち最も鮮明な画像を硬貨に紐付けて記憶部306に記憶させる。このとき、硬貨は、撮像画像に基づき、損貨と記念貨の何れであるかが判別され、振り分け機構(図示せず)によって、第1収納庫31または第2収納庫32に収納される。損貨と記念貨の何れでもない硬貨は、返却用の第3収納庫35に収納される。この場合、当該硬貨の画像は、記憶部306に記憶されない。
この構成においても、照射光の光量を変化させて硬貨が撮像されるため、上記実施形態と同様、鮮明な硬貨の画像を記憶部306に記憶させることができる。操作者は、記憶部306に記憶された硬貨の画像を参照することにより、処理された硬貨の種類および金種を確実に確認することができる。なお、この構成においても、上記変更例1~3の構成を適用可能である。
また、図8(a)~(c)の例では、撮像の際に、照射光量のレベルが、低、中、高の3段階に切り換えられたが、照射光量のレベルの設定方法は、これに限られるものではない。たとえば、撮像の際に、照射光量のレベルが、低、高の2段階に切り換えられてもよく、あるいは、4段階以上に切り替えられてよい。
また、図6(b)のフローチャートでは、ステップS306において、鮮明度が最高の各硬貨の画像から全体画像が生成され、生成された全体画像が、図6(c)のステップS401において、取引に紐付けて記憶されたが、照射光量が異なる複数の全体画像が、取引に紐付けて記憶されてもよい。また、必ずしも、最も鮮明度が高い硬貨の画像から全体画像が生成されなくともよく、たとえば、鮮明度とともに変形度等の他の条件が加味されて、全体画像に統合される硬貨の画像が抽出されてもよい。
また、図6(c)のフローチャートでは、ステップS402において、各全体画像から切り出された各硬貨の画像のうち最も鮮明度が高い画像が、各硬貨に紐付けて記憶されたが、必ずしも、最も鮮明度が高い硬貨の画像が各硬貨に紐付けて記憶されなくともよく、たとえば、鮮明度とともに変形度等の他の条件が加味されて、各硬貨に紐付けられる硬貨の画像が抽出されてもよい。あるいは、各全体画像から切り出された各硬貨の画像のうち鮮明度が所定順位までの複数の画像が、各硬貨に紐付けて記憶されてもよく、あるいは、鮮明度が所定の閾値以上の画像が、各硬貨に紐付けて記憶されてもよい。また、各全体画像から切り出された各硬貨の画像の全てが、当該硬貨に対応付けて記憶されてもよい。
また、上記実施形態では、操作表示部301が特殊硬貨処理装置7と別体であったが、操作表示部301が特殊硬貨処理装置7に一体的に設けられてもよい。この構成においては、さらに、図5の処理が、特殊硬貨処理装置7側の制御部206によって行われてもよい。
この場合、特殊硬貨処理装置7は、たとえば、図15のように構成される。特殊硬貨処理装置7は、ディスプレイ208aおよびタッチセンサ208bからなる操作表示部208を備える。記憶部207は、図4に示した硬貨画像データベース306aと同様の硬貨画像データベース207aを保持する。
制御部206は、図7(a)~(d)の画面を操作表示部208に表示させながら、図5の処理を実行する。処理結果に基づく情報は、記憶部207に記憶されてもよく、あるいは、操作端末8側に送信されて、操作端末8側の記憶部306に記憶されてもよい。
また、上記実施形態では、第1載置部21および第2載置部22の2つの載置部が設けられたが、第1載置部21および第2載置部22の何れか一方が省略されてもよい。載置領域の数は、必ずしも2つに限られるものではない。
また、発光ユニット61の配置位置は、上記実施形態の位置に限られるものではなく、筐体10の左右の内側面やシャッター12の上側内側面であってもよい。発光ユニット61の数も1つに限らず複数であってもよい。
さらに、上記実施形態において、特殊硬貨処理装置7に対し、特殊な硬貨として、外国硬貨を入金できてもよい。また、特殊硬貨に限らず、通常の硬貨を処理する硬貨処理装置に本発明が適用されてもよい。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜変更可能である。