以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図10は、本実施の形態による硬貨処理装置および硬貨処理方法を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による硬貨処理装置の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す硬貨処理装置における上カバーを開いたときの内部構成を示す斜視図である。また、図3は、図1等に示す硬貨処理装置の内部構成を示す平面図であり、図4は、図3に示す硬貨処理装置において硬貨受入部や入金振分ゲート、仕切板等を取り除いたときの内部構成を示す平面図であり、図5は、図3に示す硬貨処理装置のA−A矢視および図4に示す硬貨処理装置のB−B矢視による硬貨処理装置の縦断面図である。また、図6は、図1等に示す硬貨処理装置の機能ブロック図であり、図7は、図1等に示す硬貨処理装置の表示部における表示内容を示す図である。また、図8乃至図10は、それぞれ、図1等に示す硬貨処理装置において入金位置に置かれた硬貨のおもて面および側面を撮像カメラにより撮像するときの状態を示す図である。
本実施の形態による硬貨処理装置10は、現行の流通硬貨以外の特殊硬貨を取り扱うものであり、具体的には、硬貨として変形貨、汚損貨、記念貨、旧貨等が硬貨処理装置10の機体内に投入され、当該硬貨処理装置10内に硬貨の種類毎に収納されるようになっている。このような硬貨処理装置10は、略直方体形状からなる筐体12を有しており、この筐体12には上方に開くことができる上カバー14が設けられている。図2に示すように、操作者は上カバー14を上方に開くことにより硬貨処理装置10の筐体12の内部にアクセスすることができるようになっている。
図1および図2に示すように、硬貨処理装置10の前面上部には硬貨受入部22が設けられている。また、上カバー14の前面には入金口20が設けられており、操作者はこの入金口20を介して硬貨受入部22上における筐体12の内部にある入金位置24に変形貨、汚損貨、記念貨、旧貨等の硬貨を1枚ずつ載置することができるようになっている。また、上カバー14の前面には入金口20の開閉を行う入金扉21が設置されており、この入金扉21は入金口20から横方向にスライド可能となっている。そして、入金扉21が入金口20を塞いでいる位置から横方向にスライドして当該入金口20を開いたときに、操作者はこの入金口20を介して硬貨受入部22上における筐体12の内部にある入金位置24に硬貨を載置することができるようになる。
また、図3に示すように、入金位置24の近傍には水平方向に沿って揺動する入金振分ゲート30が設けられている。この入金振分ゲート30は、軸32を中心として図3における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に回転することができるようになっている。より詳細には、図4および図5に示すように、硬貨処理装置10の筐体12の内部には入金振分ゲート駆動モータ34が設置されており、この入金振分ゲート駆動モータ34により軸32を介して入金振分ゲート30が図3における時計回りの方向または反時計回りの方向に回転させられるようになっている。本実施の形態では、硬貨受入部22上における入金位置24に硬貨が載置された後、入金振分ゲート30が軸32を中心として図3における時計回りの方向または反時計回りの方向に回転することにより、入金位置24にある硬貨は後述する損貨用搬送ベルト40または記念貨用搬送ベルト42のうちいずれか一方のベルト上に落とされるようになっている。
図3乃至図5に示すように、硬貨処理装置10の筐体12の内部において硬貨受入部22や入金振分ゲート30の下方の位置には、損貨用搬送ベルト40および記念貨用搬送ベルト42が水平方向に沿って平行に延びるよう設置されている。図5に示すように、これらの損貨用搬送ベルト40および記念貨用搬送ベルト42はそれぞれ無端状のものからなり、図3および図4における右方向および左方向の両方向に循環移動することができるようになっている。ここで、損貨用搬送ベルト40の両側方にはそれぞれ側壁40aが設けられているとともに(図3および図4参照)、損貨用搬送ベルト40の奥方には奥壁40bが設けられている(図5参照)。このことにより、入金振分ゲート30によって硬貨受入部22の入金位置24から損貨用搬送ベルト40側に落下した硬貨はこの損貨用搬送ベルト40上に受け入れられ、当該損貨用搬送ベルト40上で一時的に保留されるようになる。より詳細には、入金振分ゲート30によって硬貨受入部22上の入金位置24から落下した硬貨が損貨用搬送ベルト40上に受け入れられると、この損貨用搬送ベルト40は図3および図4における右方向に移動する。このことにより、硬貨は損貨用搬送ベルト40の奥方(図3および図4における右端部分)で一時的に保留されるようになる。図5に示すように、損貨用搬送ベルト40の奥方側には残留検知センサ41が設けられており、この残留検知センサ41により、損貨用搬送ベルト40の奥方で一時的に保留されている硬貨が検知されるようになっている。
同様に、記念貨用搬送ベルト42の両側方にはそれぞれ側壁42aが設けられているとともに(図3および図4参照)、記念貨用搬送ベルト42の奥方には奥壁(図示せず)が設けられている。このことにより、入金振分ゲート30によって硬貨受入部22の入金位置24から記念貨用搬送ベルト42側に落下した硬貨はこの記念貨用搬送ベルト42上に受け入れられ、当該記念貨用搬送ベルト42上で一時的に保留されるようになる。より詳細には、入金振分ゲート30によって硬貨受入部22上の入金位置24から落下した硬貨が記念貨用搬送ベルト42上に受け入れられると、この記念貨用搬送ベルト42は図3および図4における右方向に移動する。このことにより、硬貨は記念貨用搬送ベルト42の奥方(図3および図4における右端部分)で一時的に保留されるようになる。損貨用搬送ベルト40の奥方側に設けられた残留検知センサ41と同様に、記念貨用搬送ベルト42の奥方側にも残留検知センサ(図示せず)が設けられており、この残留検知センサにより、記念貨用搬送ベルト42の奥方で一時的に保留されている硬貨が検知されるようになっている。
また、図3に示すように、硬貨処理装置10の筐体12内における前方領域において、入金振分ゲート30の近傍には、仕切板26が水平面に沿って延びるよう配設されている。このような仕切板26により、操作者が硬貨受入部22上に硬貨を載置した際にこの硬貨が誤って損貨用搬送ベルト40上や記念貨用搬送ベルト42上に落下してしまうことを防止することができる。また、このような仕切板26には多数の開口26aが形成されている。このことにより、損貨用搬送ベルト40や記念貨用搬送ベルト42上やその近傍で硬貨の詰まりが生じた場合でも、棒状部材を仕切板26の上方から開口26aを介して当該仕切板26の下方領域に差し込むことにより、損貨用搬送ベルト40や記念貨用搬送ベルト42上やその近傍で詰まっている硬貨を取り除くことができるようになる。
図1および図2に示すように、硬貨処理装置10の筐体12内における下部前方には返却箱50、損貨箱52および記念貨箱54からなる3つの硬貨収納箱が設けられている。ここで、損貨箱52および記念貨箱54は、それぞれ、硬貨処理装置10の筐体12内に投入された硬貨を収納する収納部として機能するようになっている。また、返却箱50は、硬貨処理装置10の筐体12内に投入された硬貨の返却を行う際に用いられるようになっている。これらの返却箱50、損貨箱52および記念貨箱54は硬貨処理装置10の筐体12の前面から前方に引き出すことができるようになっている。なお、返却箱50は施錠されておらず硬貨処理装置10の筐体12の前面から自由に前方に引き出すことができるようになっているが、損貨箱52および記念貨箱54は施錠されており、それぞれ所定の管理権限を有する操作者のみが解錠を行うことによりこれらの損貨箱52および記念貨箱54を硬貨処理装置10の筐体12の前面から前方に引き出すことができるようになっている。
また、返却箱50、損貨箱52および記念貨箱54は前述した損貨用搬送ベルト40や記念貨用搬送ベルト42よりも下方の位置に配設されており、損貨用搬送ベルト40や記念貨用搬送ベルト42に一時的に保留された硬貨が、これらの損貨用搬送ベルト40や記念貨用搬送ベルト42から落下することにより、返却箱50、損貨箱52および記念貨箱54のうちいずれか一つの硬貨収納箱に収納されるようになっている。より詳細には、図4に示すように、損貨用搬送ベルト40の手前側(図4における左側)の側方には損貨用分岐爪44が設けられており、この損貨用分岐爪44は軸45を中心として図4に示す位置から水平方向に沿って時計回りの方向に揺動可能となっている。より詳細には、硬貨処理装置10の筐体12の内部には分岐爪駆動モータ48が設置されており(図6参照、図1乃至図5では図示せず)、この分岐爪駆動モータ48により軸45を介して損貨用分岐爪44が図4に示す位置から水平方向に沿って時計回りの方向に回転させられるようになっている。そして、損貨用分岐爪44が図4に示すような退避位置にある場合には、損貨用搬送ベルト40が図4における左方向に循環移動することにより当該損貨用搬送ベルト40の奥方で一時的に保留されている硬貨が図4における左方向に搬送されたときに、損貨用搬送ベルト40上にある硬貨は当該損貨用搬送ベルト40の前端部(図4における左端部)から硬貨処理装置10内における手前側に落下し、返却箱50に収納されるようになる。一方、損貨用分岐爪44が図4に示す位置から軸45を中心として時計回りの方向に回転し、損貨用搬送ベルト40上に進出した場合には、損貨用搬送ベルト40が図4における左方向に移動し、この損貨用搬送ベルト40の奥方で一時的に保留されている硬貨が図4における左方向に搬送されたときに、損貨用搬送ベルト40上にある硬貨は損貨用分岐爪44により損貨用搬送ベルト40の側方に落下し(具体的には、硬貨が図4における損貨用搬送ベルト40の前端部分から損貨用分岐爪44により図4の上方向に移動させられ)、損貨箱52に収納されるようになる。
また、図4に示すように、記念貨用搬送ベルト42の手前側(図4における左側)の側方には記念貨用分岐爪46が設けられており、この記念貨用分岐爪46は軸47を中心として図4に示す位置から反時計回りの方向に揺動可能となっている。より詳細には、硬貨処理装置10の筐体12の内部には分岐爪駆動モータ48が設置されており(図6参照、図1乃至図5では図示せず)、この分岐爪駆動モータ48により軸47を介して記念貨用分岐爪46が図4に示す位置から水平方向に沿って反時計回りの方向に回転させられるようになっている。そして、記念貨用分岐爪46が図4に示すような退避位置にある場合には、記念貨用搬送ベルト42が図4における左方向に循環移動することにより当該記念貨用搬送ベルト42の奥方で一時的に保留されている硬貨が図4における左方向に搬送されたときに、記念貨用搬送ベルト42上にある硬貨は当該記念貨用搬送ベルト42の前端部(図4における左端部)から硬貨処理装置10内における手前側に落下し、返却箱50に収納されるようになる。一方、記念貨用分岐爪46が図4に示す位置から軸47を中心として反時計回りの方向に回転し、記念貨用搬送ベルト42上に進出した場合には、記念貨用搬送ベルト42が図4における左方向に移動し、この記念貨用搬送ベルト42の奥方で一時的に保留されている硬貨が図4における左方向に搬送されたときに、記念貨用搬送ベルト42上にある硬貨は記念貨用分岐爪46により記念貨用搬送ベルト42の側方に落下し(具体的には、硬貨が図4における記念貨用搬送ベルト42の前端部分から図4の下方向に移動させられ)、記念貨箱54に収納されるようになる。
本実施の形態では、損貨用分岐爪44および記念貨用分岐爪46は、共通の分岐爪駆動モータ48により駆動される。そして、当該分岐爪駆動モータ48の駆動により、損貨用分岐爪44および記念貨用分岐爪46は水平面上で互いに反対方向に回転させられるようになっている。つまり、分岐爪駆動モータ48が正回転のときには、損貨用分岐爪44は図4における時計回りの方向に、記念貨用分岐爪46は図4における反時計回りの方向に各々回転し、また、分岐爪駆動モータ48が逆回転のときには、損貨用分岐爪44は図4における反時計回りの方向に、記念貨用分岐爪46は図4における時計回りの方向に各々回転する。なお、他の例として、損貨用分岐爪44および記念貨用分岐爪46は別個の駆動モータにより駆動されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、図5に示すように、硬貨処理装置10の筐体12内において、硬貨受入部22上の入金位置24に載置された硬貨の撮像を行うカラーカメラ等の撮像カメラ60が配設されている。このような撮像カメラ60により、各硬貨収納箱(具体的には、返却箱50、損貨箱52および記念貨箱54)に収納される前の硬貨を撮像して当該硬貨の画像データを取得するようになっている。また、撮像カメラ60により撮像される硬貨の撮像位置である入金位置24の近傍には一対の鏡62、64が設けられており、各鏡62、64を介して撮像カメラ60は硬貨の表面に加えてその両側面の撮像も行うようになっている。具体的には、一対の鏡62、64のうち一方の鏡62は入金振分ゲート30の側面に設置されており、もう一方の鏡64は入金扉21の内面に設けられている。このような撮像カメラ60および一対の鏡62、64の配置、ならびに撮像カメラ60により取得される硬貨の画像データについて図8乃至図10を用いて説明する。
図8(a)に示すように、硬貨受入部22上の入金位置24に1枚の硬貨(図8(a)において参照符号Cで表示)が載置されたときには、図8(b)に示すように、撮像カメラ60により取得される硬貨の画像データには、硬貨の表面(図8(b)において円形で表示)の画像データとともに、硬貨の両側面(図8(b)において円形の両側方にある縦に細長い長方形で表示)の画像データが含まれるようになる。
一方、図9(a)に示すように、硬貨受入部22上の入金位置24に誤って2枚の硬貨が重ね合わせられた状態で載置されたときには(図9(a)において重ね合わせられた2枚の硬貨をそれぞれ参照符号C1、C2で表示)、図9(b)に示すように、撮像カメラ60により取得される硬貨の画像データには、上方にある硬貨C1の表面の画像データとともに、2つの硬貨C1、C2の両側面の画像データが含まれるようになる。このように、硬貨受入部22上の入金位置24に誤って2枚の硬貨が重ね合わせられた状態で載置されたときには、硬貨の表面の画像データだけでは2枚の硬貨が重ね合わせられた状態で載置されたことを操作者は認識することができないが、硬貨の両側面の画像データを参照することにより2枚の硬貨が重ね合わせられた状態で載置されたことを操作者は認識することができるようになる。
また、図10(a)に示すように、硬貨受入部22上の入金位置24に誤って2枚の硬貨が重ね合わせられた状態で載置され、上側の硬貨が水平面に対して傾いているときには(図10(a)において重ね合わせられた2枚の硬貨をそれぞれ参照符号C3、C4で表示)、図10(b)に示すように、撮像カメラ60により取得される硬貨の画像データには、上方にある硬貨C3の表面の画像データとともに、一方の硬貨の側面の画像データにおいて2つの硬貨C3、C4を示す画像データが含まれるようになる。このように、硬貨受入部22上の入金位置24に誤って2枚の硬貨が図10(a)に示すように重ね合わせられた状態で載置されたときには、撮像カメラ60が一対の鏡62、64を介して硬貨における両側面の撮像を行うことにより、2枚の硬貨が重ね合わせられた状態で載置されたことを操作者は認識することができるようになる。すなわち、硬貨の撮像位置の近傍に例えば一つの鏡62しか設けられない場合には、硬貨の側面の画像データを取得した場合でも2枚の硬貨の重なり具合によってはこの側面の画像に2枚の硬貨が示されない場合があるが、硬貨の撮像位置を挟むよう一対の鏡62、64を設置することにより、硬貨受入部22上の入金位置24に2枚の硬貨が重ね合わせられた状態で載置されたときに、少なくとも一方の硬貨の側面の画像には2枚の硬貨が示されるようになる。
また、図6に示すように、本実施の形態の硬貨処理装置10には、当該硬貨処理装置10の各構成要素の制御を行う制御部80が設けられている。より詳細には、制御部80には入金振分ゲート駆動モータ34、損貨用搬送ベルト40、記念貨用搬送ベルト42、残留検知センサ41、分岐爪駆動モータ48、撮像カメラ60等がそれぞれ接続されている。そして、制御部80は、入金振分ゲート駆動モータ34、損貨用搬送ベルト40、記念貨用搬送ベルト42、分岐爪駆動モータ48等の各構成要素に指令信号を送ることによりこれらの構成要素の制御を行ったりするようになっている。また、残留検知センサ41による硬貨の検知情報や撮像カメラ60により取得された硬貨の画像データ等が制御部80に送られるようになっている。また、制御部80は、撮像カメラ60により取得された硬貨の表面の画像データから当該硬貨の金額等に関する情報を取得できるように、OCR(光学文字認識)機能を有している。
また、図6に示すように、制御部80には、当該制御部80に対して操作者が様々な指令を入力するための入力部82、各硬貨収納箱に収納された貨幣の在高等の様々な情報を表示するための表示部84、各硬貨収納箱に収納された貨幣の在高等の様々な情報を記憶するための記憶部86、各硬貨収納箱に収納された貨幣の在高等の様々な情報をレシート等のジャーナルに印字するためのプリンタ88、および上位装置等の外部装置に対して信号の送受信を行うインターフェース90等が接続されている。具体的には、例えば、パーソナルコンピュータ等の操作端末が硬貨処理装置10に設けられる場合には、この操作端末のキーボードやマウス等が入力部82として機能し、当該操作端末のモニタ等が表示部84として機能するようになる。また、他の態様としては、タッチパネル等の操作表示部を硬貨処理装置10の筐体12の前面や上面に設置することも可能である。この場合には、タッチパネル等の操作表示部は、入力部82および表示部84を兼用するようになる。このように、入力部82や表示部84は硬貨処理装置10の筐体12とは別に設けられていてもよく、あるいはこれらの入力部82や表示部84が硬貨処理装置10の筐体12の表面に設けられていてもよい。同様に、プリンタ88も硬貨処理装置10の筐体12とは別に設けられていてもよく、あるいは硬貨処理装置10の筐体12の表面にプリンタ88が設けられていてもよい。
また、本実施の形態では、操作者が硬貨受入部22の入金位置24上に硬貨を載置した後、入力部82により当該硬貨に関する様々な情報を入力することができるようになっている。具体的には、硬貨の種類(より詳細には、硬貨の種類としては、現行の流通硬貨以外の特殊硬貨である「記念貨」や「旧貨」、および変形貨や汚損貨等の「損貨」の中から選択可能となっている)、および硬貨の金額を操作者は入力部82により入力することができるようになっている。また、制御部80は、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像データと、入力部82による入力データとを紐付けるようになっており、制御部80により紐付けられた硬貨の画像データおよび入力データは記憶部86に記憶されたり、プリンタ88によりレシート等のジャーナルに印字されたり、あるいはインターフェース90により上位装置等の外部装置に送信されたりするようになっている。このような制御部80による制御内容の詳細については後述する。
次に、このような構成からなる硬貨処理装置10の動作、具体的には変形貨、汚損貨、記念貨、旧貨等の硬貨の処理方法について以下に説明する。なお、以下に示すような硬貨処理装置10の動作は、制御部80が硬貨処理装置10の各構成要素を制御することにより行われる。
まず、手動または自動により硬貨処理装置10の入金口20を塞いでいる入金扉21を横方向にスライドさせて当該入金口20を開く。そして、操作者は、この入金口20を介して硬貨受入部22上における筐体12の内部にある入金位置24に変形貨、汚損貨、記念貨、旧貨等の硬貨を載置する。硬貨受入部22上における入金位置24に硬貨が載置されると、この硬貨は撮像カメラ60により撮像される。具体的には、撮像カメラ60は硬貨の表面を直接的に撮像するとともに、各鏡62、64を介して当該硬貨の両側面を撮像する。このことにより、硬貨の表面の画像データとともに、硬貨の両側面の画像データが撮像カメラ60により取得されるようになる。図7に示すように、表示部84には、硬貨の表面の画像および硬貨の両側面の画像がそれぞれ表示されるようになる。また、表示部84には、硬貨の種類および金額のうち少なくともいずれかに関する複数の候補が表示されるようになっている。具体的には、表示部84には、図7に示すように、硬貨の種類の選択肢(具体的には、「記念貨」および「損貨」)、および硬貨の金額の選択肢(具体的には、「10万円」「5万円」「1万円」「5千円」「千円」「500円」「100円」「50円」「10円」「5円」「1円」)が表示される。ここで、硬貨の金額における「10万円」「5万円」「1万円」「5千円」「千円」は、それぞれ「記念貨」に対応するものである。なお、図7では、表示部84において、硬貨の種類の選択肢として「記念貨」および「損貨」の2種類を表示し、「旧貨」は「記念貨」に含ませるような選択肢の表示形式が示されているが、他の例として、硬貨の種類の選択肢として「記念貨」「旧貨」「損貨」をそれぞれ表示部84に表示させてもよい。そして、操作者は入力部82により、表示部84に表示された硬貨の種類の選択肢の中から一つの種類を選択するとともに、硬貨の金額の選択肢の中から一つの金額を選択する。制御部80では、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像データと、入力部82による入力データとが紐付けられ、紐付けられた硬貨の画像データおよび入力データは記憶部86に記憶されたり、プリンタ88によりレシート等のジャーナルに印字されたり、あるいはインターフェース90により上位装置等の外部装置に送信されたりするようになる。なお、表示部84には、硬貨の種類の選択肢および硬貨の金額の選択肢の両方が表示される代わりに、硬貨の種類の選択肢および硬貨の金額の選択肢のうちいずれか一方が表示されるようになっていてもよい。
また、操作者が入力部82により硬貨の種類を入力すると、制御部80は、入力部82による入力データに基づいて、軸32を中心として入金振分ゲート30を図3における時計回りの方向および反時計回りの方向のうちいずれかの方向に回転させるよう入金振分ゲート駆動モータ34を制御する。具体的には、入力部82により入力された硬貨の種類が損貨である場合には、制御部80は軸32を中心として入金振分ゲート30を図3における時計回りの方向に回転させ、硬貨受入部22上の入金位置24にある硬貨を当該入金振分ゲート30によって損貨用搬送ベルト40上に落下させる。また、入力部82により入力された硬貨の種類が損貨である場合には、制御部80は損貨用搬送ベルト40を図3および図4における右方向に循環移動させるよう制御を行う。このことにより、損貨用搬送ベルト40上に落下した硬貨は、当該損貨用搬送ベルト40により図3および図4における右方向に搬送され、この硬貨は損貨用搬送ベルト40の奥方(図3および図4における右端部分)で一時的に保留されるようになる。また、損貨用搬送ベルト40の奥方側に設置された残留検知センサ41により、損貨用搬送ベルト40の奥方で一時的に保留されている硬貨が検知される。
一方、入力部82により入力された硬貨の種類が記念貨または旧貨である場合には、制御部80は軸32を中心として入金振分ゲート30を図3における反時計回りの方向に回転させ、硬貨受入部22上の入金位置24にある硬貨を当該入金振分ゲート30によって記念貨用搬送ベルト42上に落下させる。また、入力部82により入力された硬貨の種類が記念貨または旧貨である場合には、制御部80は記念貨用搬送ベルト42を図3および図4における右方向に循環移動させるよう制御を行う。このことにより、記念貨用搬送ベルト42上に落下した硬貨は、当該記念貨用搬送ベルト42により図3および図4における右方向に搬送され、この硬貨は記念貨用搬送ベルト42の奥方(図3および図4における右端部分)で一時的に保留されるようになる。また、記念貨用搬送ベルト42の奥方側に設置された残留検知センサ(図示せず)により、記念貨用搬送ベルト42の奥方で一時的に保留されている硬貨が検知される。
そして、変形貨、汚損貨、記念貨、旧貨等の硬貨を全て硬貨処理装置10の筐体12内に投入して損貨用搬送ベルト40上や記念貨用搬送ベルト42上に一時的に保留させた後、操作者は入力部82により入金確定指令または返却指令を制御部80に入力する。入力部82により入金確定指令が制御部80に入力されると、当該制御部80は損貨用搬送ベルト40および記念貨用搬送ベルト42をそれぞれ図3における左方向に循環移動させるよう制御を行う。また、制御部80は、軸45を中心として損貨用分岐爪44を図4に示す位置から時計回りの方向に回転させて当該損貨用分岐爪44を損貨用搬送ベルト40上に進出させるよう分岐爪駆動モータ48を制御する。このことにより、損貨用搬送ベルト40が図4における左方向に循環移動することによって当該損貨用搬送ベルト40の奥方で一時的に保留されている硬貨が図4における左方向に搬送されたときに、損貨用搬送ベルト40上にある硬貨は損貨用分岐爪44により損貨用搬送ベルト40の側方に落下し(具体的には、硬貨が図4における損貨用搬送ベルト40の前端部分から損貨用分岐爪44により図4の上方向に移動させられ)、損貨箱52に収納されるようになる。同様に、制御部80は、軸47を中心として記念貨用分岐爪46を図4における反時計回りの方向に回転させて当該記念貨用分岐爪46を記念貨用搬送ベルト42上に進出させるよう分岐爪駆動モータ48を制御する。このことにより、記念貨用搬送ベルト42が図4における左方向に循環移動することによって当該記念貨用搬送ベルト42の奥方で一時的に保留されている硬貨が図4における左方向に搬送されたときに、記念貨用搬送ベルト42上にある硬貨は記念貨用分岐爪46により記念貨用搬送ベルト42の側方に落下し(具体的には、硬貨が図4における記念貨用搬送ベルト42の前端部分から記念貨用分岐爪46により図4の下方向に移動させられ)、記念貨箱54に収納されるようになる。損貨箱52や記念貨箱54に収納された硬貨は、所定の管理権限を有する操作者によってこれらの損貨箱52や記念貨箱54が硬貨処理装置10の筐体12の前面から前方に引き出されることによって損貨箱52や記念貨箱54ごと回収されるようになる。
一方、入力部82により返却指令が制御部80に入力された場合には、制御部80は損貨用分岐爪44および記念貨用分岐爪46をそれぞれ図4に示すような損貨用搬送ベルト40や記念貨用搬送ベルト42から側方に退避させた退避位置に維持させる。このことにより損貨用搬送ベルト40や記念貨用搬送ベルト42が図4における左方向に循環移動することによりこれらの損貨用搬送ベルト40や記念貨用搬送ベルト42の奥方で一時的に保留されている硬貨が図4における左方向に搬送されたときに、損貨用搬送ベルト40上や記念貨用搬送ベルト42上にある硬貨はこれらの損貨用搬送ベルト40や記念貨用搬送ベルト42の前端部(図4における左端部)から硬貨処理装置10内における手前側に落下し、返却箱50に収納されるようになる。返却箱50に収納された硬貨は、操作者によって当該返却箱50が硬貨処理装置10の筐体12の前面から前方に引き出されることによって返却されるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の硬貨処理装置10および硬貨処理方法によれば、撮像部としての撮像カメラ60により、各硬貨収納箱に収納される前の硬貨を撮像して当該硬貨の画像データを取得し、また、入力部82により、各硬貨収納箱に収納される硬貨に関する情報(具体的には、硬貨の種類や金額に関する情報)を入力するようになっている。そして、制御部80は、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像データと、当該硬貨に係る入力部82による入力データとを紐付けるようになっている。このように、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像データと、当該硬貨に係る入力部82による入力データとを紐付けて管理することにより、変形貨、汚損貨、記念貨、旧貨等の硬貨の管理を厳正に行うことができるようになる。すなわち、従来技術では、硬貨処理装置において変形貨、汚損貨、記念貨、旧貨等の硬貨の入金処理を行う際には操作者がその金額を手入力し、当該硬貨の現物を伝票とともに保管するようになっていたが、このような方法では、変形貨、汚損貨、記念貨、旧貨等の硬貨の現物と伝票の記載内容とが一致するか否かを取引時や締め時等において毎回確認する必要があり、操作者にとって手間がかかるという問題があった。これに対し、本実施の形態の硬貨処理装置10や硬貨処理方法では、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像データと、当該硬貨に係る入力部82による入力データとを紐付けて管理するため、取引時や締め時において画像データと伝票の記載内容とを確認すれば硬貨の現物の管理が不要となり、硬貨の現物を数える手間を省くことができるとともに硬貨の現物に触れることがないためセキュリティ性を高めることができる。また、警送会社等の収集担当者が硬貨処理装置10から損貨や記念貨、旧貨を損貨箱52や記念貨箱54ごと回収する場合において、硬貨の現物と伝票の記載内容とが一致しない場合でも、取引データに紐付けられた硬貨の画像データを確認することによりどの取引で不備が生じたかが分かるようになり、硬貨の現物と伝票の記載内容との間で不一致が生じた場合の原因をより容易に追及することができるようになる。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10においては、前述したように、制御部80により紐付けられた硬貨の画像データおよび入力データは記憶部86に記憶されるようになっている。なお、本実施の形態では、制御部80により紐付けられた硬貨の画像データおよび入力データを、プリンタ88によりレシート等のジャーナルに印字したり、インターフェース90により上位装置等の外部装置に送信したりすることもできる。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10においては、硬貨が収納される収納部として、損貨箱52および記念貨箱54からなる複数の硬貨収納箱が設けられており、各硬貨収納箱にはそれぞれ硬貨の種類が割り当てられている。具体的には、損貨箱52には「損貨」が割り当てられているとともに、記念貨箱54には「記念貨」や「旧貨」が割り当てられている。また、硬貨処理装置10の筐体12内には、当該筐体12内に投入された硬貨を損貨箱52および記念貨箱54のいずれかに振り分けるための入金振分ゲート30が設けられている。そして、制御部80は、硬貨処理装置10の筐体12内に投入された硬貨を当該硬貨の種類に対応する硬貨収納箱(具体的には、損貨箱52および記念貨箱54のいずれか)に振り分けるよう入金振分ゲート駆動モータ34の制御を行うようになっている。なお、本実施の形態では、入金振分ゲート30、軸32および入金振分ゲート駆動モータ34により、硬貨処理装置10の筐体12内に投入された硬貨を各硬貨収納箱に振り分けるための振り分け部が構成されている。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10においては、図7に示すように、撮像カメラ60により撮像された硬貨の画像が表示部84に表示されるようになっている。この場合には、操作者は、表示部84に表示された硬貨の表面の画像を見ながら、当該硬貨の金額を入力部82により入力することができるため、硬貨の金額の入力ミス等のトラブルが発生することを抑制することができる。また、図7に示すように、表示部84には、硬貨の種類および金額のうち少なくともいずれかに関する複数の候補が表示されるようになっている。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10においては、筐体12内に投入された硬貨を一時的に保留する一時保留部として損貨用搬送ベルト40および記念貨用搬送ベルト42がそれぞれ設けられており、入力部82により、これらの損貨用搬送ベルト40上や記念貨用搬送ベルト42上で一時的に保留されている硬貨について、損貨箱52や記念貨箱54に収納させるか、あるいは返却箱50に収納させて硬貨処理装置10の筐体12の外部に返却するかの選択を行うことができるようになっている。
また、本実施の形態の硬貨処理装置10においては、前述したように、撮像カメラ60により撮像される硬貨の撮像位置(具体的には、硬貨受入部22上の入金位置24)の近傍には鏡62、64が設けられており、これらの鏡62、64を介して撮像カメラ60は硬貨の表面に加えてその側面の撮像も行うようになっている。より詳細には、一対の鏡62、64は、撮像カメラ60により撮像される硬貨の撮像位置を挟むよう設けられており、撮像カメラ60はこれらの各鏡62、64を介して硬貨における両側面の撮像を行うようになっている。このことにより、図9や図10に示すように、硬貨受入部22上の入金位置24に誤って2枚以上の硬貨が重ね合わせられた状態で載置された場合でも、表示部84に表示された硬貨の側面の画像を参照することにより、2枚以上の硬貨が重ね合わせられた状態で硬貨受入部22上の入金位置24に載置されたことを操作者は認識することができるようになり、このため当該操作者は2枚目以降の硬貨を硬貨受入部22上の入金位置24から取り除くことができるようになる。また、このような2枚以上の硬貨が誤って入金振分ゲート30により硬貨受入部22上の入金位置24から落下してしまい損貨用搬送ベルト40上や記念貨用搬送ベルト42上で一時的に保留されてしまった場合でも、操作者は入力部82により返却指令を制御部80に与えることにより、このような硬貨を返却箱50によって硬貨処理装置10の筐体12の外部に返却することができるようになる。また、硬貨受入部22上の入金位置24に誤って2枚以上の硬貨が重ね合わせられた状態で載置された後、このような2枚以上の硬貨が誤って損貨箱52や記念貨箱54に収納されてしまった場合でも、撮像カメラ60により取得された図9(b)や図10(b)に示すような硬貨の画像データと入力部82による入力データとが制御部80により紐付けられるため、伝票と硬貨の現物との間で不一致が生じた場合に、硬貨処理装置10におけるどの処理の間に複数の硬貨が誤って一度に筐体12内に投入されてしまったかを容易に追跡することができるようになる。なお、図8に示す態様では、撮像カメラ60により撮像される硬貨の撮像位置の近傍に2枚の鏡62、64が設けられた例が示されているが、硬貨の側面や裏面の撮像を撮像カメラ60により行うために3枚以上の鏡を硬貨の撮像位置の近傍に設置してもよく、あるいは硬貨の撮像位置の近傍に1枚のみの鏡を設置してもよい。撮像カメラ60や鏡に関する他の構成については後述する。
なお、本実施の形態による硬貨処理装置10や硬貨処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、硬貨処理装置10において、筐体12内に投入された硬貨を収納する収納部として、本実施の形態では変形貨や汚損貨等の損貨が収納される損貨箱52および記念貨や旧貨が収納される記念貨箱54が用いられているが、このような態様に限定されることはない。他の例としては、筐体12内に投入された硬貨を収納する収納部を、金種毎に硬貨を収納する複数の硬貨収納箱に分けてもよい。また、更に他の例としては、筐体12内に投入された硬貨を収納する収納部として、硬貨を1枚ずつ区切って収納するような硬貨収納箱が用いられてもよい。この場合には、取引毎に硬貨が硬貨収納箱におけるどの位置に収納されたかを判別する機構を設けることにより、硬貨の画像データや入力データと硬貨収納箱における硬貨の収納位置とを紐付けることができるようになり、このことにより硬貨の現物の確認をより確実に行うことができるようになる。
また、上述した硬貨処理装置10では、筐体12内に投入された硬貨の識別を行う識別部は設置されていないが、他の例では、筐体12内に投入された硬貨の種類、金種、真偽等の識別を行う識別部を設置してもよい。このような識別部を硬貨処理装置10の筐体12内に配設し、筐体12内に投入された硬貨の識別を自動で行うようにした場合には、操作者による入力部82を用いた手入力の手間を省くことができるようになり、入金硬貨の管理の更なる厳正化を図ることができるようになる。
また、硬貨受入部22上の入金位置24に載置された硬貨の撮像を行う撮像カメラ60やこの入金位置24の近傍に設けられた鏡62、64の構成や設置場所は、図8等に示すようなものに限定されることはない。他の態様として、硬貨処理装置10の筐体12内に硬貨を投入する際に、硬貨受入部22上の入金位置24に硬貨を載置するのではなく、図11に示すように、略鉛直方向に沿って平行に延びる2枚の透明または半透明のアクリル板72の間に挟むよう底板70上に硬貨(図11において参照符号Cで表示)を載置するようにしてもよい。この場合には、操作者が入力部82により当該硬貨の種類や金額等の情報を入力した後、底板70が図11に示す位置から例えば横方向に移動することにより、硬貨が自由落下して硬貨処理装置10の筐体12内に投入されるようになる。また、図11に示すように、2枚のアクリル板72の外側にはそれぞれ鏡66、68が配設されており、撮像カメラ60は、各鏡66、68を介して硬貨のおもて面および裏面の両方を撮像して当該硬貨のおもて面および裏面の両方の画像データを取得するようになる。この場合には、撮像カメラ60により取得された硬貨のおもて面および裏面の画像を表示部84に表示させることにより、操作者は表示部84に表示された硬貨のおもて面および裏面の画像を見ながら、入力部82によってこの硬貨の種類や金額に関する情報をより確実に制御部80に入力することができるようになる。また、図11に示すような場所に鏡66、68を設置した場合には、撮像カメラ60と、各鏡66、68を介した硬貨のおもて面および裏面の各々との間の距離がほぼ等しくなるため、撮像カメラ60により硬貨のおもて面および裏面の各々の撮像を行う際にピントがぼけてしまうことを抑制することができるようになる。
また、他の態様として、図12に示すように、略水平方向に沿って延びる透明または半透明のアクリル板74上に硬貨(図12において参照符号Cで表示)を載置し、このアクリル板74の下方に2枚の鏡75、76を配設するようにしてもよい。この場合には、操作者は、硬貨処理装置10の筐体12内に硬貨を投入する際に、硬貨受入部22上の入金位置24に硬貨を載置するのではなく、アクリル板74上における撮像カメラ60の下方の位置に硬貨を載置するようになる。また、この場合、撮像カメラ60は、アクリル板74上に載置された硬貨のおもて面を直接的に撮像するとともに、各鏡75、76を介して当該硬貨の裏面を撮像するようになり、このことによりアクリル板74上に載置された硬貨のおもて面および裏面の両方の画像データを取得するようになる。
また、更に他の態様として、操作者は、硬貨処理装置10の筐体12内に硬貨を投入する際に、硬貨受入部22上の入金位置24に硬貨を載置するのではなく、図13に示すように、透明または半透明の部材から形成された硬貨保持部78に硬貨を保持させるようになっていてもよい。この場合、硬貨保持部78により保持された硬貨は撮像カメラ60により撮像され、その後、硬貨保持部78が図13に示すように軸を中心として180°回転した後、再び硬貨保持部78により保持された硬貨における反対側の表面が撮像カメラ60により撮像される。このことにより、撮像カメラ60は、硬貨保持部78により保持された硬貨のおもて面および裏面の両方の画像データを取得するようになる。
また、更に他の態様として、水平面に沿って延びる透明または半透明のアクリル板の上方および下方にそれぞれ撮像カメラ60を設置し、操作者は、硬貨処理装置10の筐体12内に硬貨を投入する際に、このアクリル板上に硬貨を載置するようにしてもよい。この場合には、アクリル板上に載置された硬貨のおもて面および裏面の両方の画像データが2つの撮像カメラ60により取得されるようになる。
また、本実施の形態による硬貨処理装置10は、単体で用いられる場合もあるが、硬貨の入出金処理を行う硬貨処理機や紙幣の入出金処理を行う紙幣処理機等の複数の貨幣処理機が並んで配置された出納機に配設される場合もある。図14は、本実施の形態による硬貨処理装置10が配設される出納機100の構成を示す斜視図である。図14に示すような出納機100は、バラ硬貨の処理を行うバラ硬貨処理部110と、包装硬貨の処理を行う包装硬貨処理部120と、バラ紙幣の処理を行うバラ紙幣処理部130と、帯封紙幣の処理を行う帯封紙幣処理部140とを備えており、これらのバラ硬貨処理部110、包装硬貨処理部120、バラ紙幣処理部130および帯封紙幣処理部140は横方向に並ぶよう配置されている。このような出納機100についてより詳細に説明すると、図14に示すように、バラ硬貨処理部110の上面にはバラ硬貨入金口112が設けられておりこのバラ硬貨入金口112によりバラ硬貨がバラ硬貨処理部110の機体内に投入されるようになっている。バラ硬貨処理部110の機体内に投入された硬貨は、当該バラ硬貨処理部110の機体内にある識別部(図示せず)によりその金種、真偽、正損等が識別された後、バラ硬貨処理部110の機体内にある複数のバラ硬貨収納部(図示せず)に例えば金種毎に収納されるようになっている。また、バラ硬貨処理部110の前面にはバラ硬貨出金口114が設けられており、出納機100にバラ硬貨の出金指令が与えられたときに、バラ硬貨処理部110の機体内にあるバラ硬貨収納部からバラ硬貨が繰り出されてバラ硬貨出金口114に搬送されるようになっている。
また、図14に示すように、バラ硬貨処理部110の左隣には包装硬貨処理部120が設置されており、バラ硬貨処理部110から包装硬貨処理部120にバラ硬貨が送られるようになっている。包装硬貨処理部120において、バラ硬貨処理部110から送られたバラ硬貨は包装部(図示せず)において例えば50枚単位で包装紙等により棒状となるよう包装され、この包装された包装硬貨は当該包装硬貨処理部120の機体内にある複数の包装硬貨収納部に例えば金種毎に収納されるようになっている。また、包装硬貨処理部120の前面上部には包装硬貨出金口122が設けられており、出納機100に包装硬貨の出金指令が与えられたときに、包装硬貨処理部120の機体内にある包装硬貨収納部から包装硬貨が繰り出されて包装硬貨出金口122に搬送されるようになっている。
また、図14に示すように、包装硬貨処理部120の左隣にはバラ紙幣処理部130が設置されており、このバラ紙幣処理部130の前面上部にはバラ紙幣をバラ紙幣処理部130の機体内に投入するためのバラ紙幣入金口132が設けられているとともに、バラ紙幣処理部130の上面にはバラ紙幣を機体外に投出するためのバラ紙幣出金口134が設けられている。バラ紙幣入金口132に投入されたバラ紙幣はバラ紙幣処理部130の機体内にある識別部(図示せず)によりその金種、真偽、正損等が識別された後、バラ紙幣処理部130の機体内にある複数のバラ紙幣収納部(図示せず)に例えば金種毎に収納されるようになっている。また、出納機100にバラ紙幣の出金指令が与えられたときに、バラ紙幣処理部130の機体内にあるバラ紙幣収納部からバラ紙幣が繰り出されてバラ紙幣出金口134に搬送されるようになっている。
また、バラ紙幣処理部130の左隣には帯封紙幣処理部140が設置されており、バラ紙幣処理部130から帯封紙幣処理部140にバラ紙幣が送られるようになっている。帯封紙幣処理部140において、バラ紙幣処理部130から送られたバラ紙幣は帯封部(図示せず)において例えば100枚単位で帯封紙等により帯封され、この帯封された帯封紙幣は当該帯封紙幣処理部140の機体内にある複数の帯封紙幣収納部に例えば金種毎に収納されるようになっている。また、帯封紙幣処理部140の前面上部には帯封紙幣出金口142が設けられており、出納機100に帯封紙幣の出金指令が与えられたときに、帯封紙幣処理部140の機体内にある帯封紙幣収納部から帯封紙幣が繰り出されて帯封紙幣出金口142に搬送されるようになっている。
また、図14に示すように、出納機100には例えばパーソナルコンピュータ等の操作端末180が設置されている。このような操作端末180は、モニタ、キーボード、カードリーダ、プリンタ等を有している。モニタには、出納機100の各処理部110、120、130、140における貨幣の処理状況、ならびにこれらの各処理部110、120、130、140に収納された貨幣の金種毎の枚数や合計金額等の情報が表示されるようになっている。また、操作者はキーボードにより出納機100の制御部に対して様々な指令を入力することができるようになっている。また、カードリーダは、操作者が携帯するIDカード等の読み取りを行うようになっている。また、プリンタは、各処理部110、120、130、140に収納された貨幣の金種毎の枚数や合計金額等の情報の印字を行うようになっている。
本実施の形態の硬貨処理装置10は、例えば出納機100の包装硬貨処理部120上に設置される。この場合、出納機100の操作端末180が、硬貨処理装置10の入力部82や表示部84を兼用するようになる。
また、本実施の形態では、出納機100におけるバラ硬貨処理部110の機体内に配設された識別部(図示せず)による汚損貨の判定のレベルを、この出納機100に配設される本実施の形態の硬貨処理装置10により設定することができるようになっている。より詳細に説明すると、出納機100の制御部(図示せず)には、バラ硬貨処理部110の識別部により汚損貨の判定を行う際に用いられる汚損レベルデータベースが設けられている。そして、操作者は、バラ硬貨処理部110の識別部により汚損貨であると判定させたい硬貨を、硬貨処理装置10の硬貨受入部22上の入金位置24に載置し、この硬貨をカラーカメラ等の撮像カメラ60により撮像することによって、当該硬貨の表面の画像データを取得する。その後、撮像カメラ60により取得された硬貨の表面の画像データを、出納機100の制御部に設けられた汚損レベルデータベースに記憶された汚損貨の情報(具体的には、例えば汚損貨の画像データ等)と照合し、硬貨処理装置10の撮像カメラ60により撮像された硬貨の汚損レベルを例えば1〜100の範囲内の大きさで設定する。このことにより、出納機100のバラ硬貨処理部110の識別部による硬貨の汚損判定のレベルを当該出納機100の制御部において的確に設定することができるようになる。なお、設定された汚損レベルが高いほど、バラ硬貨処理部110の識別部による硬貨の汚損判定が厳しくなり、硬貨にちょっとした汚れがある場合でも汚損貨と判定されるようになる。
従来技術では、バラ硬貨処理部110の識別部により汚損貨であると判定させたい硬貨を、当該識別部に設けられたイメージセンサにより撮像し、この硬貨の表面の画像データを取得するようになっていた。しかしながら、バラ硬貨処理部110の識別部に設けられたイメージセンサでは、硬貨の表面の全体ではなく一部分のみの画像データしか取得することができず、また、このようなイメージセンサでは、硬貨の白黒の画像データしか取得することができなかった。このため、出納機100のバラ硬貨処理部110の識別部による硬貨の汚損判定のレベルを当該出納機100の制御部で的確に設定することができないという問題があった。これに対し、本実施の形態では、硬貨処理装置10の撮像カメラ60により、バラ硬貨処理部110の識別部により汚損貨であると判定させたい硬貨の全体の画像をカラー画像として取得することができるため、出納機100のバラ硬貨処理部110の識別部による硬貨の汚損判定のレベルを当該出納機100の制御部で的確に設定することができるようになる。
また、更なる変形例に係る硬貨処理装置10では、制御部80は、撮像カメラ60により撮像された硬貨の表面の画像データにおける硬貨の数字や文字等が上下方向に対して傾いている場合には、当該画像データを自動的に回転させて表示部84に傾いていない状態で表示させるようになっている。より詳細には、撮像カメラ60により撮像された硬貨の表面の画像データにおける硬貨の数字や文字等が図15(a)に示すように上下方向に対して傾いている場合には、当該制御部80は、この画像データにおける硬貨の数字や文字等における直線箇所を抽出し、この直線箇所が上下方向または左右方向に延びるよう、画像データを回転させて表示部84に表示させる。具体的に説明すると、図15(a)に示すような画像データでは、硬貨の金額を示す「100」という文字における「1」の部分の直線箇所が抽出される。そして、制御部80は、硬貨の「1」の文字の部分の直線箇所が図15(b)に示すように上下方向に延びるよう、撮像カメラ60により画像データを回転させて表示部84に表示させるようになる。このような方法によれば、操作者が手動で硬貨の表面の画像データの回転操作を行う必要がないため、操作者に作業負担をかけることなく、撮像カメラ60により撮像された硬貨の表面の画像をより見やすい形で表示部84に表示させることができるようになり、操作者が硬貨の金額を入力部82により入力する際に入力ミス等のトラブルが発生することを抑制することができるようになる。
また、操作者が硬貨処理装置10の硬貨受入部22上における入金位置24に硬貨を載置し、この硬貨が撮像カメラ60により撮像されたときに、制御部80は、OCR(光学文字認識)機能によって、撮像カメラ60により撮像された硬貨の表面の画像データから当該硬貨の金額等に関する情報を取得するようになっていてもよい。より詳細には、制御部80は、撮像カメラ60により撮像された硬貨の表面の画像データから、この画像データにおける硬貨の文字の書体(フォント)等の特徴に基づいて、硬貨の種類や金額の候補リストを作成する。そして、表示部84には、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像や、硬貨の種類や金額の選択肢の他に、この候補リストを表示させるようにする。ここで、表示部84に候補リストを表示させる際に、撮像カメラ60により撮像された硬貨の表面の画像データにおける硬貨の書体等の特徴に基づいて、可能性の高い候補の順に候補リストを表示させるようにする。そして、操作者は、入力部82により硬貨の種類や金額を入力する代わりに、表示部84に表示された候補リストの中から入力部82によってある一つの候補を選択することにより、硬貨の種類や金額に関する情報が制御部80に入力されるようになる。具体的には、制御部80は、撮像カメラ60により撮像された硬貨の表面の画像データから、OCR機能によって、当該硬貨の金額が例えば100円であると判定し、この100円という文字の書体が記念貨の書体に類似すると判定したときには、表示部84には、候補リストとして1番目に「記念貨:100円」と表示され、2番目に「損貨:100円」と表示される。そして、操作者が1番目の候補を入力部82により選択した場合には、制御部80には、撮像カメラ60により撮像された硬貨の種類が記念貨であり金額が100円であるという情報が入力されるようになる。このような方法によれば、操作者による硬貨の種類や金額の入力ミス等のトラブルが発生することを抑制することができるようになる。
また、操作者が硬貨処理装置10の硬貨受入部22上における入金位置24に硬貨を載置し、この硬貨が撮像カメラ60により撮像されたときに、表示部84には、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像に加えて、硬貨のサンプル画像が表示されるようになっていてもよい。また、この際に、表示部84に表示される硬貨のサンプル画像は、入力部82による入力データにおける硬貨の種類および金額のうち少なくともいずれかに対応するものとなっていてもよい。より詳細に説明すると、表示部84に、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像や、硬貨の種類や金額の選択肢が表示された後、操作者が入力部82により硬貨の種類や金額に関する情報を制御部80に入力すると、この入力された硬貨の種類や金種に関する情報に対応する硬貨のサンプル画像の候補リストが表示部84に表示されるようになる。この際に、硬貨のおもて面および裏面の両方のサンプル画像の候補リストが表示部84に表示されるようになっていてもよい。このようにして、操作者は、表示部84における表示画面において、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像と、硬貨のサンプル画像の候補リストとを比較することができるようになる。そして、操作者が硬貨のサンプル画像の候補リストの中からある一つの候補を入力部82により選択することによって、制御部80に最終的に入力される硬貨の種類や金額が確定するようになる。このような方法によれば、操作者による硬貨の種類や金額の入力ミス等のトラブルが発生することを抑制することができるようになる。
また、この場合には、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像を1枚ずつ表示部84に表示させるのではなく、撮像カメラ60により取得された複数枚の硬貨の画像を表示部84に並べて表示させ、複数枚の硬貨の種類や金額の情報を操作者は入力部82により一度に入力することができるようになっていてもよい。すなわち、表示部84に硬貨のサンプル画像の候補リストを表示させた場合には、撮像カメラ60により取得された硬貨の画像が小さくても当該硬貨の画像が操作者にとって判別しやすくなるため、撮像カメラ60により取得された複数枚の硬貨の画像を表示部84に並べて小さく表示させても、これらの複数枚の硬貨の処理を同時に行うことができるようになる。この場合には、入力部82による硬貨の種類や金額の情報の入力時間を短縮することができるようになる。
また、更に別の変形例に係る硬貨処理装置10における硬貨受入部の構成について図16を用いて説明する。図16(a)〜(d)は、更に別の変形例に係る硬貨処理装置10において入金位置に置かれた硬貨の表面を撮像カメラ60により撮像するときの状態を示す上面図である。
図16に示すように、更に別の変形例に係る硬貨処理装置10に設けられた硬貨受入部200は、図16における左右両方向に移動可能な搬送ベルト202と、この搬送ベルト202からわずかな隙間を隔てて当該搬送ベルト202の上方に設けられた、上方からみて略凹形状となっている硬貨整列部材208と、搬送ベルト202上に載置された硬貨を検知するフォトセンサとを有している。なお、図16(a)〜(d)の各々において、搬送ベルト202の移動方向を白抜きの矢印で示している。また、フォトセンサは例えば発光素子および受光素子からなり、発光素子から発せられた光が受光素子に到達するまでの光軸が図16において参照符号206で示されている。また、撮像カメラ60による撮像範囲を図16において参照符号204で示している。図16に示すように、フォトセンサの光軸206は、撮像カメラ60による撮像範囲204の中心に位置するようになっている。
図16に示すような硬貨受入部200では、操作者によって硬貨が図16(a)に示すように搬送ベルト202上に載置されると、この搬送ベルト202が図16における左方向に移動するようになっている。このことにより、搬送ベルト202上にある硬貨も図16における左方向に移動し、図16(b)に示すようにこの硬貨は上方からみて略凹形状となっている硬貨整列部材208の凹部分に受け入れられ、搬送ベルト202の幅方向(図16における上下方向)における硬貨の位置が所定位置(具体的には、搬送ベルト202の幅方向における中央位置)に位置決めされる。その後、搬送ベルト202は図16における右方向に移動し、搬送ベルト202上にある硬貨も図16における右方向に移動する。この際に、図16(c)に示すように、硬貨がフォトセンサの光軸206を通過することにより当該フォトセンサは遮光状態となるが、このフォトセンサが遮光状態となっている時間および搬送ベルト202の移動速度に基づいて硬貨の直径の大きさが算出される。なお、算出された硬貨の直径の大きさが、記念貨の最大の直径の大きさよりも大きい場合には、硬貨受入部200の搬送ベルト202上に複数の硬貨が一度に載置された可能性があるため、搬送ベルト202上にある硬貨を硬貨処理装置10の筐体12内に収納するのではなく筐体12の外部に返却するようにする。
そして、硬貨が図16(c)における実線位置まで到達し、フォトセンサが遮光状態から透光状態となったときに、搬送ベルト202を一旦停止させ、その後、図16(d)に示すように搬送ベルト202を図16における左方向に移動させる。この際に、算出された硬貨の直径の大きさの半分の大きさ分だけ搬送ベルト202を図16における左方向に移動させるようにする。このことにより、搬送ベルト202上にある硬貨を撮像カメラ60による撮像範囲204の中心に位置させることができるようになる。そして、撮像カメラ60により搬送ベルト202上にある硬貨の表面を撮像した後、この搬送ベルト202を図16における右方向に移動させることにより、当該硬貨は硬貨処理装置10の筐体12内に繰り出されるようになる。
図16に示すような構成からなる硬貨受入部200によれば、硬貨の大きさにかかわらず、撮像カメラ60により硬貨が撮像されるときにこの硬貨を撮像範囲204の中心に位置させることができるため、撮像カメラ60により得られる硬貨の画像データでも硬貨は中心に位置するようになる。このことにより、例えば複数の硬貨の画像データを比較するときに、硬貨の中心が揃っていることによりそれぞれの硬貨の違いをより明確に認識することができるようになり、特定の画像データの検索を行いやすくしたり、金額が読み取れない汚れた硬貨についてその直径の大きさにより金額の推定を行いやすくしたりすることができる。また、図16に示すような構成からなる硬貨受入部200によれば、操作者が手動で硬貨を撮像カメラ60による撮像範囲204の中心に位置させる手間を省くことができるようになる。
なお、図16に示すような硬貨受入部200では、硬貨の検知を行うセンサとして、フォトセンサではなく磁気センサ等の他の種類のセンサを用いてもよい。また、このような硬貨受入部200は、撮像カメラにより様々な物品の画像データを取得するようなあらゆる製品に適用することができる。