JP7233098B2 - 浸漬検知システム - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄を要する器具の洗浄状態を管理する浸漬検知システムに関するものである。
医療や食品製造などの現場においては、消毒等の洗浄を要する器具が多く用いられている。器具の洗浄にあっては、作業性を高めるべく洗浄工程を自動化した洗浄装置を用いて行われることがある。
このような洗浄を要する器具の使用にあたっては、未洗浄のものを誤って使用しないよう洗浄されたことを確実にする要請がある。この要請に対しては、例えば洗浄の履歴などが明白に分かるような状態にしておくことが望ましい。
洗浄装置を用いる内視鏡の洗浄を管理するシステムとして、例えば、特許文献1記載の管理システムでは、内視鏡、従業者、洗浄装置(明細書では洗滌機)にそれぞれパッシブ型のRFIDタグを取り付けて、洗浄装置に設けた受信装置により、それぞれのRFIDタグから、内視鏡の個体識別情報、洗浄装置の個体識別情報などを取得する構成が提案されている。この管理システムでは、受信装置が読み取った個体識別情報と、受信装置に洗浄装置から転送されてくる洗浄情報を、受信装置から内視鏡情報管理装置に転送することで、該内視鏡情報管理装置がそれぞれの情報を内視鏡の洗浄履歴として関連付けて管理する。
特開2001-327459号公報
洗浄装置には多様な仕様の機種が存在しており、それぞれの機種によって、洗浄情報の出力機能を持つ機種や持たない機種、洗浄情報の出力方式が異なるものなど、その仕様は異なる。
ところが、特許文献1記載の洗浄履歴の管理システムは、洗浄情報が出力される機能を有した洗浄装置を前提として履歴管理を行うものであり、既に使用されている、洗浄情報を出力する機能を有しない洗浄装置を利用してシステムを構成することは簡単にはできなかった。
また、機種が異なる複数の洗浄装置を用いてシステムを構築する場合、洗浄装置の機種により洗浄情報の出力方式が異なる洗浄装置が存在すると、既存の洗浄装置をそのまま利用してシステムの構成することも簡単にはできなかった。
そこで、洗浄情報を出力する機能の有無、洗浄情報の出力方式に関わらず、既存の洗浄装置を用いて洗浄履歴を管理できるシステムの構築が要望されていた。
本願発明は、上記の問題等を解決するためになされたものであり、洗浄情報の出力機能を有しない洗浄装置を用いても簡単に洗浄履歴を管理できる浸漬検知システムを提供することを目的とする。また、他の目的として、洗浄情報の出力方式が異なる洗浄装置を用いても簡単に洗浄履歴を管理できる浸漬検知システムを提供することを目的とする。
前述した問題点等を解決するために本発明の浸漬検知システムは、洗浄液による洗浄を要する器具につき二以上が貼付され、夫々に固有の識別情報を保持する無線通信可能な情報保持体と、該情報保持体から識別情報を無線通信により受信可能な受信装置と、該受信装置から前記識別情報を取得可能な管理装置を備え、前記受信装置は、前記器具から所定の距離だけ離隔して設置されるものであり、前記情報保持体は、前記器具につき貼付される二以上のものとして、少なくとも1つが前記洗浄液中にある場合または該洗浄液外にある場合のいずれか一の場合にのみ通信可能距離が前記所定の距離を上回るものであって、少なくとも1つが前記洗浄液中にある場合の通信可能距離が前記所定の距離を上回るものであって、少なくとも1つが前記洗浄液外にある場合の通信可能距離が前記所定の距離を上回るものであることを条件として組み合わされるものであり、前記管理装置は、前記受信装置から前記器具に貼付された情報保持体の識別情報の受信を試行させる試行手段と、該試行手段により取得した識別情報の組み合わせの変化を検出する検出手段と、該検出手段により検出された変化に基づいて前記器具の洗浄液による浸漬を検知する検知手段と、を備えるものであることを特徴とする。
上述した本発明にあって、前記情報保持体は、前記器具につき貼付される二以上のものとして、前記洗浄液中にある場合と前記洗浄液外にある場合とのいずれにおいても通信可能距離が前記所定の距離を上回るものを含むことを特徴とする。
本発明の浸漬検知システムによると、器具に貼付された二以上の固有の識別情報を保持する無線通信可能な情報保持体と該情報保持体から識別情報を無線通信により受信可能な受信装置との通信を試行し、前記情報保持体の少なくとも1つは洗浄液中または洗浄液外のいずれにおいてのみ通信可能距離が所定の距離を上回るものであることに基づいて、受信および取得できた情報保持体の識別情報の組み合わせの変化に基づいて、器具が洗浄液に浸漬されたこと、すなわち、洗浄の開始または完了を検知する。ここで情報保持体や受信装置は、一般に器具や洗浄装置に対して事後的に取り付けることのできる装置媒体であるところ、これらの構成によって器具の洗浄状態を判断するようにしたことにより、洗浄装置は、洗浄履歴の出力機能を持たない既存の洗浄装置を、改造を加えることなくそのまま利用することができるので、本発明の浸漬検知システムによれば、器具の洗浄履歴を把握する仕組みを簡単且つ安価に構成できるとの効果がある。
また、機種が異なる複数の洗浄装置を用いてシステムを構築する場合において、洗浄情報の出力方式が異なる洗浄装置が存在したとしても、改造を加えることなくそのまま利用して、洗浄履歴を管理する仕組みを構築できるとの効果がある。
また、情報保持体と受信装置との通信が不能になることを利用して洗浄の実施を判断しようとするところ、該情報保持体が一つである場合には識別情報が受信できないことが、それが器具の洗浄に起因するのか、器具の離脱や装置等の故障等の異常事象に起因するのか、区別ができない虞がある。正常に器具を洗浄できていないにも関わらず洗浄を実施したと錯誤することは、適切な器具の使用にあっては防ぐべき事象である。これに対して、本発明の浸漬検知システムにあっては、器具に貼付される二以上の情報保持体について、洗浄液中において少なくとも1つ以上が、洗浄液外において少なくとも1つ以上が、それぞれ通信可能距離が所定の距離を上回るように構成されていることによって、常に受信装置との通信が可能な情報保持体が1つ以上維持される。よって、器具に貼付けされた二以上の情報保持体のいずれもが受信装置との通信ができない場合は想定しない事象が発生したとみなして、異常を検知することができる。したがって、本発明の浸漬検知システムによれば、器具の離脱等によって情報保持体と受信装置との通信が不能になったことを洗浄液に浸漬中によるものと誤認を防いで、器具の洗浄の実施について精度よく判断できるとの効果がある。
(A)内視鏡洗浄検知システム1を概略的に示す模式図である。(B)洗浄装置3の構成を説明するための一部断面を示す説明図である。 内視鏡2の洗浄処理の各工程を説明する図である。 (A)内視鏡タグ6a、6bの空気中(不図示)、水(不図示)、オフトフタルアルデヒド液40にそれぞれ浸漬した場合における通信可能距離を示すためのグラフである。(B)洗浄処理中の洗浄装置3内の環境の変化に伴う内視鏡タグ6a、6bの通信可能距離の変化を示すグラフである。 (A)管理装置10の電気的構成を示す模式図である。(B)内視鏡タグ6a、6bが保持する情報を示す模式図である。 管理プログラム16aに基づいて管理装置10で実行される監視処理S100のフローチャートである。 管理処理S100において実行される状態遷移処理S200に関して、(A)状態を定義する表および(B)状態間の遷移を規定するための状態遷移図である。 状態遷移処理S200に基づいて実行される(A)初期化処理S200および(B)準備処理S300のフローチャートである。 状態遷移処理S200に基づいて実行される(A)開始記録処理S400および(B)完了記録処理S500のぞれぞれのフローチャートである。
本願に係る発明(以下「本発明」と称す)の実施例として、内視鏡2の洗浄履歴を管理する内視鏡洗浄検知システム1を説明する。内視鏡洗浄検知システム1は、内視鏡2が洗浄液(本実施例の場合は後述するオフトフタルアルデヒド液40)に浸漬されたこと又は浸漬が終了したことを検知し、それらの検知を契機として内視鏡2の洗浄の開始および/または完了を判断/記録する情報処理システムである。内視鏡洗浄検知システム1は、内視鏡2が予定した工程に則って洗浄されたものであることを適切に把握するために用いられる。
図1(A)は内視鏡洗浄検知システム1の構成を模式的に示した図である。内視鏡洗浄検知システム1は、大別して、内視鏡2に貼付される内視鏡タグ6aおよび内視鏡タグ6bと、内視鏡の洗浄を行う洗浄装置3と、内視鏡タグ6a、6bに書き込まれた情報を無線通信によって受信するタグリーダ5と、タグリーダ5が受信した情報を処理する管理装置10とから構成されている。
なお、内視鏡タグ6a、6bはRFID(Radio Frequency Identifier)タグであり、タグリーダ5はRFIDタグから無線通信によって情報を受信可能なRFIDタグリーダである。詳しくは後述するが、本実施例の内視鏡洗浄検知システム1においては、図3(A)および図3(B)に示す特性に合致するRFIDタグを内視鏡タグ6aおよび内視鏡タグ6bとして選定している。
タグリーダ5と管理装置10は電気的に接続されており、タグリーダ5は管理装置10からの制御指令によって内視鏡タグ6a、6bから情報の受信を試行し、受信に成功した場合に該情報を管理装置10に入力するよう構成されている。
尚、図1(A)に示された実施例では洗浄装置3が1台の例で説明しているが、本発明の実施態様としてはこれに限定されるものではなく2台以上であっても良い。複数の洗浄装置3を用いる場合は、各洗浄装置3にタグリーダ5を備えさせることで、並列に洗浄作業を行うことができる。
次に、図1(B)を用いて洗浄装置3について説明する。図1(B)は洗浄装置3の構成を説明するための一部断面を示す説明図である。この図に示される実施例では、洗浄装置3の上部には、上部を開口した洗浄槽33が設けられており、内視鏡2はこの開口部を介して、洗浄槽33内に投入される。尚、図1(B)では省略しているが、洗浄槽33には洗浄槽33の開口部に対して開閉自在に設けられた蓋が備えられ、内視鏡2の洗浄処理の間、水あるいは洗浄液が洗浄槽33から外部に漏れないよう、開口部が蓋により水密を保った状態で閉塞される。
図1(B)を参照すると、タグリーダ5は、内視鏡2が洗浄装置3の洗浄槽33内に投入され、蓋31で洗浄槽33の開口部を閉塞した状態で、タグリーダ5のアンテナ5aが、内視鏡2に備えた内視鏡タグ6に略正対するように蓋31の外側に取り付けられる。詳細は後述するが、このときのタグリーダ5と内視鏡2の間は距離をD(以下「距離D」と称す)とし、洗浄槽33内に給水される水またはオフトフタルアルデヒド液40の水位をL(以下「水位L」と称す)とする。
次に、図2を用いて洗浄装置3による洗浄処理の各工程について説明する。図2は、洗浄処理中の洗浄装置3内の環境の変化を概略的に示す模式図である。本実施例において、「洗浄処理」とは内視鏡2が洗浄槽33に投入されてから前処置、洗浄を経て後処置が完了するまでを指す。
内視鏡2が洗浄装置3の洗浄槽33に投入された後、作業者が洗浄装置3を所定の操作によって洗浄処理を開始させる(P1)と、先ず、洗浄の前処置のための水が洗浄槽33内に給水される。
水位が水位Lに達すると、水の給水が止まり、前処置として洗浄装置3に予め設定された所定の時間だけ内視鏡2が浸漬される(P2)。前処置は、使用済みの内視鏡2の表面についている汚れを落とすために行われる。所定の時間が経過すると、水は洗浄槽33から排水される。このとき内視鏡2に備えられた内視鏡タグ6a、6bは、水の給水が完了してから排水が始まるまで、水に浸漬された状態である。
前処置の水の排水が完了した後、洗浄槽33内には内視鏡2を洗浄するための洗浄液であるオフトフタルアルデヒド液40が給水される。
オフトフタルアルデヒド液は内視鏡の洗浄液として一般に使用されている高水準消毒液である。内視鏡をオフトフタルアルデヒド液40に一定時間浸漬することで、内視鏡の消毒が行われる。本実施例においては、内視鏡2がオフトフタルアルデヒド液40によって消毒されることを請求項に言う「洗浄」とし、内視鏡洗浄検知システム1では、このオフトフタルアルデヒド液40によって内視鏡2が洗浄されたことを記録することを目的としている。
オフトフタルアルデヒド液40水位Lに達するとオフトフタルアルデヒド液40の給水は止まり、洗浄装置3に予め設定された所定の時間だけ内視鏡2が洗浄される(P3)。そして、所定の時間が経過すると、オフトフタルアルデヒド液40は洗浄槽33から排水される。このとき内視鏡に備えられた内視鏡タグ6a、6bは、オフトフタルアルデヒド液40の給水が完了してから排水が始まるまで、オフトフタルアルデヒド液40に浸漬された状態である。
オフトフタルアルデヒド液40の排水が完了した後、洗浄槽33内には後処置のための水が給水される。
後処置は、内視鏡に付着したオフトフタルアルデヒド液40を洗い流すために行われる。オフトフタルアルデヒド液40による洗浄後は、残留したオフトフタルアルデヒド液40による有害作用を避けるために十分なすすぎを行う。水位Lに達すると水の給水が止まり、後処置として洗浄装置3に予め設定された所定の時間だけ内視鏡2は浸漬される(P4)。所定の時間が経過すると、水が洗浄槽33から排水される。このとき内視鏡2に備えられた内視鏡タグ6a、6bは、水の給水が完了してから排水が始まるまで、水に浸漬された状態である。
尚、当然ではあるが、前処置の給水完了前、水およびオフトフタルアルデヒド液40の給水と排水の間、後処置の排水完了後は、内視鏡2に備えられた内視鏡タグ6a、6bは空気中に存在する状態である。
また、図2について、洗浄に係る一連の処理と内視鏡タグ6a、6bが置かれる環境(空気中、水に浸漬中およびオフトフタルアルデヒド液40に浸漬中)の関係の説明を容易にするため、給水時と排水時に合わせて環境の変化を模式的に示したが、タイミングが必ずしも一致するものでない。
ここで図3を用いて内視鏡2に備えられた内視鏡タグ6a、6bの通信可能距離について説明する。図3(A)は内視鏡タグ6a、6bが、空気中、水に浸漬中、オフトフタルアルデヒド液40に浸漬中の場合おける通信可能距離を示すためのグラフである。図3(B)は洗浄処理中の洗浄装置3内の環境の変化に伴う内視鏡タグ6a、6bの通信可能距離の変化を示すグラフである。
図3(A)について、縦軸は内視鏡タグ6a、6bの通信可能距離を、横軸は内視鏡タグ6a、6bがおかれる環境を示す。図中「D」は、前述した距離Dであり、内視鏡2(あるいは内視鏡タグ6a、6b)とタグリーダ5の離隔距離を示している。
図3(B)は、図3(A)に示す内視鏡タグ6a、6bの通信距離の特性について、内視鏡2の洗浄処理の工程(図2参照)に沿って経時的に示したグラフである。図3(B)は、縦軸は図3(A)と同様に通信可能距離であり、横軸は図2に示す内視鏡2の洗浄処理工程の経過である。図中「D」も図3(A)同様に距離Dを示すものである。
ここで、内視鏡タグ6a、6bの「通信可能距離」の測定について説明する。この測定は、公知のネットワークアナライザーを用いて一般的に行われる方法であり、送信出力に対する応答信号強度の差分から、計算により通信可能距離を求めたものである。
洗浄装置3の説明で述べたように、タグリーダ5と内視鏡2は距離Dだけ離隔して設置される。距離Dは固定されており、洗浄中であっても距離が変化することはない。内視鏡タグ6a、6bは洗浄槽33に投入された状態でタグリーダ5と通信するものであるから、その通信可能距離が距離Dより長い距離であれば読み取り可能(内視鏡タグ6aまたは内視鏡タグ6bが保持する情報をタグリーダ5が受信可能であることを意味する)となり、短ければ読み取り不能(内視鏡タグ6aまたは内視鏡タグ6bが保持する情報をタグリーダ5が受信できないことを意味する)となる。
図3(A)のグラフによると、内視鏡タグ6a、6bが空気中にあるときの通信可能距離は内視鏡タグ6a、6bともに所定の距離Dを上回り、タグリーダ5との通信が可能な状態である。
内視鏡タグ6a、6bが水に浸漬されている時の通信可能距離は内視鏡タグ6a、6bともに距離Dを上回り、タグリーダ5との通信が可能な状態である。
内視鏡タグ6a、6bがオフトフタルアルデヒド液40に浸漬されている時、通信可能距離は内視鏡タグ6aは距離Dを上回るが、6bは距離Dを下回る。従って、オフトフタルアルデヒド液40に浸漬中は内視鏡タグ6aはタグリーダ5と通信が可能な状態であるが、内視鏡タグ6bは通信が不能となる。
前述した通信可能距離を洗浄処理工程順に示したものが、図3(B)のグラフである。
前処置の給水前と各工程の水およびオフトフタルアルデヒド液40の給水と排水の間、後処置の排水完了後は、内視鏡タグ6a、6bは空気中にあるため、内視鏡タグ6a、6bともに通信可能距離が距離Dを上回る。
前処置および後処置のための水が給水されてから排水されるまでの間、内視鏡タグ6a、6bは水中にあるため、内視鏡タグ6a、6bともに通信可能距離が距離Dを上回る。
洗浄のためのオフトフタルアルデヒド液40が給水されてから排水されるまでの間、内視鏡タグ6a、6bはオフトフタルアルデヒド液40に浸漬中であるため、内視鏡タグ6aの通信可能距離は距離Dを上回るが、6bの通信可能距離は距離Dを下回る。
次に図4(A)を参照して、内視鏡洗浄検知システム1の電気的な構成を説明する。内視鏡洗浄検知システム1を構成する管理装置10には、前述した通り、タグリーダ5が接続される。また、詳しい説明は省略するが、管理装置10には、タグリーダ5の他に、表示装置としてのディスプレイや入力装置としてのキーボード等が接続される、
管理装置10は、一般的なPC(パーソナルコンピュータ)であり、演算装置であるCPU11、主記憶装置であるRAM12、補助記憶装置であるハードディスク(以下「HDD」と称す)16を備える。CPU11は、コンピュータプログラムに基づいて演算を実行する装置である。RAM12は、CPU11の演算に必要な情報を一時的に保持するための揮発性の記憶装置である。HDD16は、管理装置10の電源が切られている場合にも継続して情報を保持するための不揮発性の記憶装置である。
RAM12には、内視鏡ID12a、状態メモリ12b、第一フラグ12c、第二フラグ12dの記憶領域が設けられる。なお、これらの記憶領域は、後述する管理プログラム16aをCPU11が実行する場合に動的に確保されるものである。詳しくは図6以降を参照して説明するが、内視鏡ID12aは内視鏡2を固有に特定するための情報を、状態メモリ12bには内視鏡2の洗浄状態に関連付けられた所定の値を、第一フラグ12cおよび第二フラグ12dには内視鏡タグ6aおよび内視鏡タグ6bからの情報の受信の成否に関する値を、それぞれ保持するために用いられる。
HDD16には、管理プログラム16aおよび洗浄履歴16bが記憶保持される。管理プログラム16aは、CPU11によって実行される手順を規定するコンピュータプログラムである。洗浄履歴16bは内視鏡2の洗浄履歴を記録するためのデータベースであって、内視鏡ID16b1と、日時16b2と、イベント16b3とを一組の情報として、これらを複数蓄積記憶するものである。内視鏡ID16b1は、内視鏡2を一意に特定するための識別情報が設定されるものであり、日時16b2は内視鏡ID16b1により特定される内視鏡2が取り扱われた日時を示す値が設定されるものであり、イベント16b3は「洗浄開始」または「洗浄完了」のいずれを記録するものかを示す情報が設定されるものである。詳しくは後述するが、洗浄履歴16bには、管理プログラム16aに基づく処理をCPU11が実行することによって、一組の内視鏡ID16b1、日時16b2、イベント16b3が追加的に記憶される。
図4(B)は内視鏡タグ6a、6bが保持する情報を示す模式図である。内視鏡タグ6a、6bは、タグID6a1(6b1)、タグ種別6a2(6b2)、内視鏡ID6a3(6b3)をそれぞれ保持している。タグID6a1(6b1)は、内視鏡タグ6a、6bごとに異なる値を持ち、内視鏡タグ6a、6bを一意に識別するための情報である。例えば図に示すように、内視鏡タグ6aの保持するタグID6a1(図中「0001」)と、内視鏡タグ6bの保持するタグID6b1(図中「0002」)とは異なる値が設定される。
タグ種別6a2(6b2)は、複数ある候補の中で内視鏡タグ6aまたは内視鏡タグ6bのいずれであるかを識別するための情報である。例えば、内視鏡タグ6aではタグ種別6a2として「A」が、内視鏡タグ6bではタグ種別として「B」が、それぞれ設定される。より詳しくは、図3の説明において前述した、通信可能距離の特性が内視鏡タグ6aと内視鏡タグ6bのいずれに該当するものかを示す情報として、タグ種別6a2(6b2)が利用される。
内視鏡ID6a3(6b3)は、内視鏡タグ6a、6bが貼付される内視鏡2を一意に特定するための識別情報である。すなわち、一の内視鏡に貼付される内視鏡タグ6aおよび内視鏡タグ6bには、共通する「9001」が内視鏡ID6a3(6b3)として設定される。
次に図5を参照して管理プログラム16aに基づいて管理装置10のCPU11が実行する監視処理S100を説明する。以下、処理手順の説明において主語を省略した場合、及び、管理プログラム16aを主語とした場合、CPU11が管理プログラム16aに基づいて実行する手順であることを意図するものとする。
監視処理S100は、CPU11によって数秒おきに反復して実行される処理である。監視処理S100では、まず、RAM11の所定の領域を初期化する(S101)。具体的には、第一フラグ12cおよび第二フラグ12dに「×」を記憶させる。
次に、タグリーダ5を制御して内視鏡タグ6a、6bからの情報の取得(受信)を試行する(S102)。取得に成功した情報がある場合(S103:Yes)、その情報のタグ種別6a2(6b2)を確認し(S104)、タグ種別6a2(6b2)が「A」である場合には(S104:A)、第一フラグ12cを「○」に更新する(S105)。
一方、タグ種別6a2(6b2)が「B」である場合(S104:B)、第二フラグ12dを「○」に更新する(S107)。S105またはS107の処理の後、未だ未処理の受信情報があれば(S103:Yes)、当該情報についてS104からS107の処理を実施する。
ここまで説明したS103からS107までの処理により、第一フラグ12cには内視鏡タグ6aからの情報の取得の成否が、第二フラグ12dには内視鏡タグ6bからの情報の取得の成否が、それぞれ設定されるところとなる。
受信したすべての情報を処理した後(S103:No)、処理は状態遷移処理S200へと移行する。
次に、図6を参照して状態遷移処理S200を説明する。状態遷移処理S200は、一般的には状態遷移機械(ステートマシン)等と呼ばれる概念をプログラムに実装した処理である。図6(A)は状態遷移処理S200で扱う状態を定義する表であり、図6(B)は定義された状態間の遷移を模式的に表す状態遷移図である。図6(B)においては、丸で示す要素は各状態を示し、矢印はある状態から他の状態への遷移を示す。
矢印に付して示す文字列は、その矢印によって示される状態遷移の生起条件を示すものである。当該条件の記載にあっては、括弧書きした左の項に内視鏡タグ6aからの情報の取得の成否、すなわち、第一フラグ12cの値が、他方、右の項に内視鏡タグ6bからの情報の取得の成否、すなわち、第2フラグ12dの値がそれぞれ示される。なお、「-」で示した場合は、任意条件として「○」または「×」のいずれもが該当することを意味する。
ここで、管理プログラム16aの実行が開始された直後の状態は、状態S0(初期状態)とする。管理プログラム16aにおいて「状態」はRAM12上の状態メモリ12bによって管理されるものとし、管理プログラム16aの実行が開始されるときに状態メモリ12bは「S0」に初期化されるものとする。
状態遷移処理S200は、実行されるたびに状態メモリ12bの値によって示される状態にあるものとして、図6(B)に示す状態の制御を行う。
状態S0は、前述した通り、初期状態であり、この状態に至った場合には初期化処理S300が実行される。ここで、図7(A)を参照して初期化処理S300を説明する。
初期化処理S300では、状態S0にあることを示すために状態メモリ12bを「S0」に更新し(S301)、内視鏡ID12aをブランク(空白文字列)に更新する(S302)。すなわち、初期化処理S300は、一連の手順によって管理装置10をいずれの内視鏡2の洗浄も把握していない状態におく。
図6に戻って状態遷移処理S200を説明する。状態S0において、第一フラグ12cが「○」且つ第二フラグ12dが「×」である場合、又は、第一フラグ12cが「×」である場合、状態S0に滞留する。他方、状態S0において第一フラグ12cおよび第二フラグ12dのいずれもが「○」である場合、すなわち、内視鏡タグ6aおよび内視鏡タグ6bのいずれも情報の取得に成功した場合、状態S1へと遷移する。
状態S1は、「洗浄待ち」状態であり、内視鏡2の洗浄の準備が行われている状態に相当する。状態S1に至った場合、準備処理S400が実行される。準備処理S400は、図7(B)に示すように、状態S1にあることを示すために状態メモリ12bを「S1」に更新し(S401)、RAM12上の内視鏡ID12aをS102(図5)の処理で取得した情報に含まれる内視鏡ID6a3に更新する(S402)処理である。
図6(B)に示す通り、状態S1において、第一フラグ12cおよび第二フラグ12dのいずれもが「○」である場合には、状態S1に滞留する。他方、第一フラグ12cが「○」且つ第二フラグ12dが「×」である場合、すなわち、内視鏡タグ6bからの情報の取得ができなくなった場合、状態S2へと遷移する。
ここで、状態S1において第二フラグ12dが「×」になる、すなわち、内視鏡タグ6bからの情報の取得に失敗したということは、内視鏡タグ6bがオフトフタルアルデヒド液40中に入ったことによって通信可能距離が所定の距離Dを下回ったことに起因する。従って、状態S1から状態S2へと遷移することを把握することで、内視鏡タグ6bが貼付された内視鏡2がオフトフタルアルデヒド液40によって洗浄され始めたことを把握することができる。
すなわち、状態S2は内視鏡2の「洗浄開始」を示す状態である。状態S2に至った場合、管理装置10においては開始記録処理S500が実行される。ここで、図8(A)を参照して開始記録処理S500を説明する。開始記録処理S500は、内視鏡2の洗浄の開始を洗浄履歴16bに記録するための処理である。
開始記録処理S500においては、まず、状態S2にあることを示すために状態メモリ12bを「S2」に更新する(S501)。次に、洗浄履歴16bに内視鏡2の洗浄が開始されたことを記録する(S502)。より詳しくは、洗浄履歴16bに新たな情報として、内視鏡ID16b1に対して内視鏡ID12aを、日時16b2に対して処理の実行時点の日時を、イベント16b3に対して「洗浄開始」の文字列をそれぞれ設定する。これにより、内視鏡ID16b1(内視鏡ID12a)によって特定される内視鏡2が、日時16b2によって示される日時において、オフトフタルアルデヒド液40による洗浄が開始されたことが洗浄履歴16bに記録される。
図6に戻って状態遷移処理S200を説明する。状態S2において、第一フラグ12cが「○」且つ第二フラグ12dが「×」である場合には、状態S2に滞留する。他方、状態S2において、第一フラグ12cが「○」且つ第二フラグ12dが「○」である場合には、状態S3へと遷移する。
状態S2から状態S3への遷移は、第二フラグ12dが「×」から「○」へと変化したことに起因すると言える。第二フラグ12dが「×」から「○」へと変化するのは、内視鏡タグ6bからの情報の取得に成功するようになったことに起因し、当該事象は、内視鏡タグ6bがオフトフタルアルデヒド液40外に露出したことによってその通信可能距離が距離Dを上回り、タグリーダ5によって内視鏡タグ6bの通信が可能となったことを意味する。
すなわち、状態S2から状態S3への遷移は、内視鏡タグ6bが貼付された内視鏡2のオフトフタルアルデヒド液40による洗浄が完了したことを意味するので、当該遷移を把握することで、内視鏡2が洗浄されたことを把握できる。
状態S3は、前述した通り、「洗浄完了」の状態である。状態S3に至った場合、管理装置10においては完了記録処理S600が実行される。ここで、図8(B)を参照して完了記録処理S600を説明する。完了記録処理S600は、内視鏡2の洗浄の完了を洗浄履歴16bに記録するための処理である。
完了記録処理S600においては、まず、状態S3にあることを示すために状態メモリ16bを「S3」に更新する(S601)。次に、洗浄履歴16bに内視鏡2の洗浄が完了したことを記録する(S602)。より詳しくは、洗浄履歴16bに新たな情報として、内視鏡ID16b1に対して内視鏡ID12aを、日時16b2に対して処理の実行時点の日時を、イベント16b3に対して「洗浄完了」の文字列をそれぞれ設定する。これにより、内視鏡ID16b1(内視鏡ID12a)によって特定される内視鏡2が、日時16b2によって示される日時において、オフトフタルアルデヒド液40による洗浄が完了したことが洗浄履歴16bに記録される。
図6に戻って状態遷移処理S200を説明する。状態S3において第一フラグ12cおよび第二フラグ12dのいずれもが「×」となったとき、一の内視鏡2に対する監視は完了したものとみなして、状態S0、すなわち、初期状態へと遷移し、次の内視鏡2の到来に備える。
なお、状態S1または状態S2において第一フラグ12cが「×」である場合、すなわち、内視鏡2の洗浄開始から洗浄完了までの間において、オフトフタルアルデヒド液40中でも通信可能距離が距離Dを上回るはずの内視鏡タグ6aから情報を取得できなくなった場合、内視鏡タグ6aの故障や内視鏡2自体が遠方へ移動したなどの何らかの理由によって、内視鏡2が正常に洗浄されたとは言えない状態に至ったものと考えられる。本実施例の管理プログラム16aにあっては、このような場合を状態S4として扱い、内視鏡洗浄検知システム1の監督者に対する報知を実行するなど、所定のエラー処理を実行するようにしている。これにより、内視鏡2の洗浄が不完全であるにも関わらず洗浄されたかのように記録されることを防止でき、ひいては、未洗浄の内視鏡2を再利用してしまうことを防止できる。
このように、本発明の内視鏡洗浄検知システム1用の内視鏡タグ6a、6bは、内視鏡タグ6aが空気中、水に浸漬中、オフトフタルアルデヒド液40に浸漬中のいずれの条件でもタグリーダ5との通信が可能である一方、内視鏡タグ6bは、空気中および水に浸漬中のときはタグリーダとの通信が可能であるがオフトフタルアルデヒド液40に浸漬中のときはタグリーダ5との通信が不能になることを利用することで、オフトフタルアルデヒド液40の給排水状態を検知することができる。
本発明の内視鏡洗浄検知システム1は、上述した内視鏡2を用い、洗浄装置3の外側に設置したタグリーダ5と洗浄槽33内に投入した内視鏡2の内視鏡タグ6a、6bとの通信を試行し、内視鏡タグ6aが空気中、水およびオフトフタルアルデヒド液40に浸漬中のいずれにおいても通信が可能である一方、内視鏡タグ6bはオフトフタルアルデヒド液40に浸漬中のときに、タグリーダ5との通信が不能になることを利用することで、洗浄装置3の洗浄処理の内の、オフトフタルアルデヒド液40の給排水状態を検知し、この結果に基づいて前記内視鏡2が洗浄されたと判断して、該内視鏡2の洗浄履歴を取得するように構成したことにより、洗浄装置3は、洗浄履歴の出力機能を持たない既存の洗浄装置を、改造を加えることなくそのまま利用することができるので、本発明の内視鏡2の内視鏡洗浄検知システム1を簡単、且つ安価に構成できる。
また、機種が異なる複数の洗浄装置を用いてシステムを構築する場合において、洗浄情報の出力方式が異なる洗浄装置が存在したとしても、改造を加えることなくそのまま利用して内視鏡の内視鏡洗浄検知システム1が構成できる。
更に、本発明によると、タグリーダ5と内視鏡タグ6との通信は、内視鏡2に備えた内視鏡タグ6aが、水およびオフトフタルアルデヒド液40に浸漬中、空気中のいずれの場合も通信が可能であることを利用する構成としたことにより、内視鏡が洗浄処理されている間にタグリーダ5と内視鏡タグ6aの通信が不能になった場合は何らかのエラーが生じたと判断することができ、内視鏡2の洗浄が不完全であると考えられるから、洗浄が終わっていない内視鏡の誤使用を防止できる。
尚、本実施例では洗浄液としてオフトフタルアルデヒド液40を使用したが、他の高水準消毒薬、例えば、グルタラール、過酢酸でもよい。洗浄の開始または完了の検知(判断)を所望する液体に合わせて、通信可能距離の特性の合致する内視鏡タグ6aおよび内視鏡タグ6bを選定すれば、種々の洗浄液に合わせて内視鏡洗浄検知システム1を構成することは、当然に可能である。
また、本実施例では水とオフトフタルアルデヒド液40を区別して判断する内視鏡洗浄検知システム1を説明したが、例えば水による洗浄のみを取り扱う場合、内視鏡タグ6a、6bの通信可能距離の特性としては、空気中か液体中かの相違によって距離Dを上回るか否かを測定する方法により適合を調べることとしてもよい。
本実施例では、内視鏡タグ6bがオフトフタルアルデヒド液40中で通信可能距離が距離Dを下回るものである一方、内視鏡タグ6aはオフトフタルアルデヒド液40の内外問わず通信可能距離が距離Dを上回るものであることを説明したが、オフトフタルアルデヒド液40の中と外とで、通信可能距離が交差的に入れ替わるような内視鏡タグ6cと内視鏡タグ6dものを採用することも可能である。具体的には、内視鏡タグ6cの通信可能距離がオフトフタルアルデヒド液40外でのみ距離Dを上回るものとし、内視鏡タグ6dの通信可能距離がオフトフタルアルデヒド液40内でのみ距離Dを上回るものとすることができる。この場合、内視鏡タグ6cが通信可能な場合は内視鏡2がオフトフタルアルデヒド液40外に、内視鏡タグ6dが通信可能な場合は内視鏡2がオフトフタルアルデヒド液40内に、それぞれあると判断でき、すなわち、通信可能なタグが内視鏡タグ6c、内視鏡タグ6d、内視鏡タグ6cと変化することを観測することで、内視鏡タグ2の洗浄が開始または終了したと判断することができる。また、オフトフタルアルデヒド液40外においては内視鏡タグ6cが、オフトフタルアルデヒド液40内においては内視鏡タグ6dが、それぞれ通信可能であるので、万が一、いずれもが通信不能に陥った場合には、工程上の異常が発生したとみなすこともできる。
また、本実施例では内視鏡の洗浄において使用する内視鏡洗浄検知システム1を説明したが、例えば、医療機関で使用される医療用処置具や、食品工場で使用される調理器具、調理・加工機械の部品など、使用の前提として各種洗浄液による洗浄が必要とされる器具について使用することもできる。
1 内視鏡洗浄検知システム(浸漬検知システム)
2 内視鏡
3 洗浄装置
5 タグリーダ(受信装置)
6a 内視鏡タグ(情報保持体)
6b 内視鏡タグ(情報保持体)
6a1,6b1 内視鏡ID(識別情報)
10 管理装置
31 蓋
33 洗浄槽
40 フタラール(洗浄液)
S100 監視処理(試行手段)
S200 状態遷移処理(検出手段)
S500 開始記録処理(判断手段の一部)
S600 完了記録処理(判断手段の一部)
D 距離(所定の距離)
L 水位


Claims (2)

  1. 洗浄液による洗浄を要する器具につき二以上が貼付され、夫々に固有の識別情報を保持する無線通信可能な情報保持体と、
    該情報保持体から前記識別情報を無線通信により受信可能な受信装置と、
    該受信装置が受信した前記識別情報を取得可能な管理装置と、を備え、
    前記受信装置は、前記器具から所定の距離だけ離隔して設置されるものであり、
    前記情報保持体は、前記器具につき貼付される二以上のものとして、少なくとも1つが前記洗浄液中にある場合または該洗浄液外にある場合のいずれか一の場合にのみ通信可能距離が前記所定の距離を上回るものであって、少なくとも1つが前記洗浄液中にある場合の通信可能距離が前記所定の距離を上回るものであって、少なくとも1つが前記洗浄液外にある場合の通信可能距離が前記所定の距離を上回るものであることを条件として組み合わされるものであり、
    前記管理装置は、前記受信装置に識別情報の受信を試行させる試行手段と、該試行手段により前記受信装置が受信できた識別情報の組み合わせの変化を検出する検出手段と、該検出手段により検出された変化に基づいて、前記器具の洗浄液による浸漬を検知する検知手段と、を備えるものであることを特徴とする浸漬検知システム。
  2. 前記情報保持体は、前記器具につき貼付される二以上のものとして、前記洗浄液中にある場合と前記洗浄液外にある場合とのいずれにおいても通信可能距離が前記所定の距離を上回るものを含むことを特徴とする請求項1記載の浸漬検知システム。

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