JP2019005033A - 内視鏡管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡の洗浄工程を管理する技術を提供する。
【解決手段】取得部30は、用手洗浄の開始時刻を示す時刻情報、および用手洗浄の終了時刻を示す時刻情報を取得する。時間導出部34は、取得部30が取得した時刻情報から、用手洗浄の実施時間を導出する。判定部36は、時間導出部34により導出された用手洗浄の実施時間を、用手洗浄の基準洗浄時間と比較して、用手洗浄が適切に実施されたか否かを判定する。通知処理部38は、判定部36により用手洗浄が適切に実施されていないことが判定された場合に、所定の通知を行う。
【選択図】図2
【解決手段】取得部30は、用手洗浄の開始時刻を示す時刻情報、および用手洗浄の終了時刻を示す時刻情報を取得する。時間導出部34は、取得部30が取得した時刻情報から、用手洗浄の実施時間を導出する。判定部36は、時間導出部34により導出された用手洗浄の実施時間を、用手洗浄の基準洗浄時間と比較して、用手洗浄が適切に実施されたか否かを判定する。通知処理部38は、判定部36により用手洗浄が適切に実施されていないことが判定された場合に、所定の通知を行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、内視鏡の洗浄工程を管理する技術に関する。
日本では1998年に日本消化器内視鏡学会が「消化器内視鏡機器洗浄・消毒法ガイドライン」を発表し、医療施設では内視鏡検査による感染を防止するために、発表されたガイドラインを遵守した洗浄、消毒が行われている。内視鏡の洗浄、消毒を効率的に行うために、内視鏡洗浄装置を利用する医療施設は多く、内視鏡洗浄装置は、内視鏡の洗浄工程、消毒工程、すすぎ工程を自動的に行う。
特許文献1は、洗浄機に内視鏡本体を投入したタイミングで洗浄機が洗浄機投入済み信号を出力して、ICタグがこれを受信し、所定時間経過しても洗浄終了信号を受信しなかった場合に洗浄ミスが発生したと判断して、洗浄ミスの発生を表示部に表示する内視鏡装置を開示する。
医療機器は、滅菌・消毒カテゴリーによりクリティカル機器、セミクリティカル機器、ノンクリティカル機器に分類されるが、内視鏡はセミクリティカル機器に属し、滅菌もしくは高度作用消毒を要求される。そのため内視鏡洗浄装置は高度作用消毒剤であるグルタルアルデヒド(GA)等の薬液を使用する。
洗浄作業者は、内視鏡洗浄装置の洗浄槽に内視鏡をセットする前に、吸引・鉗子チャンネルの吸引洗浄、内視鏡外表面の洗浄、吸引・鉗子チャンネルのブラッシングを義務づけられる。内視鏡洗浄装置では高度作用消毒剤が使用されるが、内視鏡に残留している蛋白残留物が、高度作用消毒剤の効果を落とすことが知られている。そのため洗浄作業者は内視鏡を洗浄槽にセットする前に、患者の粘液や血液などによる蛋白残留物を用手洗浄により可能な限り除去する必要がある。
このように内視鏡を洗浄装置にセットする前に実施される用手洗浄は感染防止のために重要な作業であるため、上司などの管理者が、洗浄作業者による用手洗浄の実施を適切に管理することが好ましい。しかしながら現実には管理者に用手洗浄の状況を監視するような時間はないため、用手洗浄の実施をシステムとして管理する仕組みの開発が切望されている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗浄作業者の用手洗浄作業を管理する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の内視鏡管理システムは、内視鏡の洗浄工程を管理する内視鏡管理システムであって、用手洗浄の開始時刻を示す時刻情報、および用手洗浄の終了時刻を示す時刻情報を取得する取得部と、取得部が取得した時刻情報から、用手洗浄の実施時間を導出する時間導出部と、時間導出部により導出された用手洗浄の実施時間を、用手洗浄の基準洗浄時間と比較して、用手洗浄が適切に実施されたか否かを判定する判定部と、判定部により用手洗浄が適切に実施されていないことが判定された場合に、所定の通知を行う通知処理部と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、洗浄作業者の用手洗浄作業を管理する技術を提供できる。
図1は、実施例にかかる内視鏡管理システム1の構成を示す。内視鏡3は識別情報(スコープID)を有し、管理装置10は内視鏡検査の業務フローにしたがって、スコープIDをもとに内視鏡3のステータスを管理する。内視鏡管理システム1において、管理装置10は、LAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワーク2を介して、観測装置4、保管庫5、シンク20、洗浄装置22および表示装置24とそれぞれ通信可能に接続している。
図2は、管理装置10の構成を示す。管理装置10は、取得部30、ステータス管理部32、時間導出部34、判定部36、通知処理部38、情報記録部40、統計処理部42および検査画像記録部50を備える。これらの構成はハードウエア的には、任意のプロセッサ、メモリ、補助記憶装置、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図3は、実施例における内視鏡3のステータス遷移図を示す。管理装置10は内視鏡3のステータスを、「使用中」(ST1)、「使用済」(ST2)、「用手洗浄中」(ST3)、「用手洗浄済」(ST4)、「機械洗浄中」(ST5)、「機械洗浄済」(ST6)、「保管中」(ST7)の7つのステータスで管理する。図3において、内視鏡3のステータスは、矢印の向きで特定される方向への遷移を可能とする。
検査開始前、内視鏡3が看護師によって観測装置4に接続されると、観測装置4は、内視鏡3のスコープIDを取得する。観測装置4に設けられた検査開始ボタンが操作されると、観測装置4は、スコープIDとともに、検査開始を示す情報を管理装置10に送信して、内視鏡検査が開始される。検査中、観測装置4は、内視鏡3で取得した画像データを表示装置に体内画像としてリアルタイム表示し、また内視鏡3のレリーズスイッチが押されたタイミングで検査画像を取得して、管理装置10に送信する。観測装置4に設けられた検査終了ボタンが操作されると、観測装置4は、スコープIDとともに、検査終了を示す情報を管理装置10に送信して、内視鏡検査が終了する。
管理装置10において、取得部30が、観測装置4からスコープIDおよび検査開始情報を受信すると、受信した受信時刻とともに、スコープIDおよび検査開始情報を情報記録部40に記録する。ここで受信時刻は、検査開始時刻に等しい。このときステータス管理部32は、内視鏡3のステータスを「使用中」(ST1)に設定する。検査で内視鏡3を使用中、観測装置4が検査画像データを管理装置10に送信すると、取得部30が検査画像データを取得して、検査画像記録部50に記録する。その後、取得部30が、観測装置4からスコープIDおよび検査終了情報を受信すると、受信した受信時刻とともに、スコープIDおよび検査終了情報を情報記録部40に記録する。この受信時刻は、検査終了時刻に等しい。このときステータス管理部32は、内視鏡3のステータスを「使用済」(ST2)に設定する。
検査終了直後、洗浄作業者は検査室において、内視鏡外表面の拭き取りと、吸引・鉗子チャンネルの吸引洗浄を行う。この洗浄工程は、ベッドサイド洗浄とも呼ばれる。洗浄作業者は、ベッドサイド洗浄した内視鏡3を専用容器に入れて、周囲に触れないように洗浄室に運び込む。洗浄室には、運び込まれた内視鏡3を洗浄作業者が用手洗浄するためのシンク20と、用手洗浄された内視鏡3を自動機械洗浄するための洗浄装置22と、警告などの通知情報や内視鏡3のステータスなどを表示するための表示装置24とが設けられている。表示装置24は、洗浄室にいる全ての人が見ることのできる位置に設置されていることが好ましい。
洗浄作業者は、自身を識別するための識別情報(作業者ID)を記録したIDカードを有し、用手洗浄の開始前に、シンク20の脇に配置されたID読取部21にIDカードを接触またはかざすことで、ID読取部21に作業者IDを読み取らせる。また内視鏡には識別情報(スコープID)を印刷したテープが貼り付けられ、洗浄作業者は、用手洗浄の開始前に、テープを貼り付けた箇所をID読取部21に接触またはかざすことで、ID読取部21にスコープIDを読み取らせる。スコープIDは、どのような形態でテープに印刷されていてもよく、ID読取部21により読み取り可能であればよい。なお洗浄作業者は、作業者IDを記録したRFIDタグを有して、RFIDリーダであるID読取部21に作業者IDを読み取らせてもよい。このとき内視鏡もスコープIDを記録したRFIDタグを有して、ID読取部21にスコープIDを読み取らせてもよい。ID読取部21は、読み取った作業者IDおよびスコープIDを、用手洗浄の開始情報として管理装置10に送信する。
管理装置10において、取得部30が、ID読取部21から作業者IDおよびスコープIDを用手洗浄の開始情報として受信すると、受信した受信時刻とともに、作業者IDおよびスコープIDを、用手洗浄の開始情報として情報記録部40に記録する。ここで受信時刻は、用手洗浄の開始時刻に等しい。このときステータス管理部32は、内視鏡3のステータスを「用手洗浄中」(ST3)に設定する。
洗浄作業者は、作業者IDおよびスコープIDをID読取部21に読み取らせた後、用手洗浄を開始する。洗浄作業者は、内視鏡から送気・送水ボタン、吸引ボタン、鉗子栓などを取り外し、流水で内視鏡外表面を洗浄する。それから洗浄作業者は、専用のチャンネル洗浄ブラシを用いて、吸引・鉗子チャンネルをブラッシングする。また取り外した送気・送水ボタン、吸引ボタン、鉗子栓をブラシを用いて洗浄する。
用手洗浄を終了すると、洗浄作業者は、作業者IDおよびスコープIDを、用手洗浄の終了情報としてID読取部21に読み取らせる。ID読取部21は、読み取った作業者IDおよびスコープIDを、用手洗浄の終了情報として管理装置10に送信する。管理装置10において、取得部30が、ID読取部21から作業者IDおよびスコープIDを用手洗浄の終了情報として受信すると、受信した受信時刻とともに、作業者IDおよびスコープIDを、用手洗浄の終了情報として情報記録部40に記録する。この受信時刻は、用手洗浄の終了時刻に等しい。このときステータス管理部32は、内視鏡3のステータスを「用手洗浄済」(ST4)に設定する。
続いて洗浄作業者は、機械洗浄の開始前に、洗浄装置22に配置されたID読取部23に、作業者のIDカードを接触またはかざし、また内視鏡3のスコープIDを印刷したテープを接触またはかざして、作業者IDおよびスコープIDを読み取らせる。作業者IDおよびスコープIDのID読取部23における読取処理は、ID読取部21における読取処理と同様に実施される。洗浄担当者は、作業者IDおよびスコープIDをID読取部23に読み取らせた後、用手洗浄した内視鏡3を、洗浄装置22の洗浄槽にセットし、内視鏡3の洗浄プログラムを選択してから洗浄開始ボタンを操作して、機械洗浄を開始する。洗浄開始ボタンが操作されると、ID読取部23は、読み取った作業者IDおよびスコープIDを、機械洗浄の開始情報として管理装置10に送信する。管理装置10において、取得部30が、ID読取部23から作業者IDおよびスコープIDを機械洗浄の開始情報として受信すると、受信した受信時刻とともに、作業者IDおよびスコープIDを、機械洗浄の開始情報として情報記録部40に記録する。この受信時刻は、機械洗浄の開始時刻に等しい。このときステータス管理部32は、内視鏡3のステータスを「機械洗浄中」(ST5)に設定する。
機械洗浄が終了すると、洗浄装置22は、機械洗浄の終了情報を自動的に管理装置10に送信する。なお機械洗浄の終了後、洗浄作業者が、作業者IDおよびスコープIDをID読取部23に読み取らせて、ID読取部23が、読み取った作業者IDおよびスコープIDを、機械洗浄の終了情報として管理装置10に送信してもよい。管理装置10において、取得部30が機械洗浄の終了情報を受信すると、受信した受信時刻とともに、作業者IDおよびスコープIDを、機械洗浄の終了情報として情報記録部40に記録する。この受信時刻は、機械洗浄の終了時刻に等しい。このときステータス管理部32は、内視鏡3のステータスを「機械洗浄済」(ST6)に設定する。
機械洗浄が終了した内視鏡3は、検査に使用可能な状態となり、検査室に運ばれて、検査に使用されてもよく、保管庫5に運ばれて収容されてもよい。作業者は内視鏡3を保管庫5に保管する場合、保管庫5に設けられたID読取部6に、作業者のIDカードを接触またはかざし、また内視鏡3のスコープIDを印刷したテープを接触またはかざして、作業者IDおよびスコープIDを読み取らせた後、内視鏡3を保管庫5に収容する。ID読取部6は、読み取った作業者IDおよびスコープIDを、保管開始情報として管理装置10に送信する。管理装置10において、取得部30が、ID読取部6から作業者IDおよびスコープIDを保管開始情報として受信すると、受信した受信時刻とともに、作業者IDおよびスコープIDを、保管開始情報として情報記録部40に記録する。このときステータス管理部32は、内視鏡3のステータスを「保管中」(ST7)に設定する。
内視鏡管理システム1では、以上のようにして管理装置10が、内視鏡3のステータスを管理する。ステータス管理部32が、内視鏡検査の業務フローにしたがって内視鏡3のステータスおよび作業者を管理することで、現在の内視鏡3が、どのような状態にあるかをリアルタイムで特定できる。ステータス管理部32は、表示装置24に現在の内視鏡3のステータスを表示させてもよく、またパーソナルコンピュータのモニタや作業者が有する端末装置などに表示させてもよい。また情報記録部40が、内視鏡3のステータス情報の履歴を記録することで、統計処理部42が、内視鏡3を軸とした統計処理、また作業者を軸とした統計処理を実施できる。実施例の管理装置10は、内視鏡3のステータス管理を実施している前提のもとで、洗浄工程を効果的に管理する仕組みを提供する。
上記のように、管理装置10における内視鏡3のステータス管理において、取得部30は、用手洗浄の開始時に、用手洗浄の開始時刻を示す時刻情報を取得し、また用手洗浄の終了時に、用手洗浄の終了時刻を示す時刻情報を取得する。時間導出部34は、用手洗浄の実施時間、つまり内視鏡ステータスが「用手洗浄中」(ST3)である滞在時間を導出する。具体的に時間導出部34は、用手洗浄の開始時刻と終了時刻との差分から、用手洗浄の実施時間を導出する。
ここで医療施設において、洗浄作業者による用手洗浄には、用手洗浄を開始するまでの許容待ち時間、洗浄手順にしたがって用手洗浄を実施したときの基準洗浄時間とが設定されている。判定部36は、時間導出部34により導出された用手洗浄の実施時間を、用手洗浄の基準洗浄時間と比較して、用手洗浄が適切に実施されたか否かを判定する。
判定部36は、基準洗浄時間をたとえば10分として保持し、その前後に所定時間の幅をもたせた許容洗浄時間を保持して、時間導出部34により導出された実施時間が、許容洗浄時間に含まれているか否かで、用手洗浄が適切に実施されたか否かを判定してもよい。たとえば許容洗浄時間は、基準洗浄時間の前後に2分の幅をもたせて8分〜12分と設定されてよい。
判定部36は、用手洗浄の基準洗浄時間を用いて、洗浄作業者による用手洗浄が適切に実施されたか判定する。内視鏡管理システム1では、ステータス管理部32が、内視鏡3のステータスを管理しており、そのため時間導出部34が、図3に示す各ステータスの滞在時間を取得できるようになっている。実施例では判定部36が、ST3の滞在時間を利用することで、用手洗浄が適切に実施されたか否かを、容易に判定できる。
判定部36により用手洗浄が適切に実施されていないことが判定された場合に、通知処理部38は、所定の通知を行う。通知処理部38は、洗浄室に配置された表示装置24に、用手洗浄が適切に実施されていないことを通知してもよい。表示装置24は、洗浄室にいる誰もが見ることができる位置に配置されており、したがって洗浄担当者のみならず、管理者も通知を見ることで、管理者による適切な指導も期待される。
図4は、通知処理部38による通知例を示す。通知処理部38は、洗浄担当者Aによる用手洗浄の実施時間が短すぎること、および用手洗浄を再実施するべきことを通知する。
なお実施例においてID読取部21、23は、それぞれシンク20、洗浄装置22に備え付けられているが、ID読取部として、IDリーダ機能を搭載し、且つ表示部を備えた携帯型の端末装置が利用されてもよい。IDリーダ機能を搭載した端末装置は、実施例のようにシンク20、洗浄装置22のそれぞれで専用に利用するものとして用意されてよい。つまりシンク20、洗浄装置22のそれぞれに用意された端末装置は、取得部30においてシンク20に設置されたものであるのか、または洗浄装置22に設置されたものであるかを区別できるようにされる。ID読取部を携帯型端末装置で構成することで、作業者による作業者IDやスコープIDの読取作業を楽にできる。
なお、この携帯型端末装置は、各作業者により所持されてもよい。この場合、携帯型端末装置は、各作業を実施する前後に、作業者IDおよびスコープIDを、作業を特定する情報とともに管理装置10に送信する。たとえば洗浄担当者が用手洗浄を実施する際には、用手洗浄を実施することを示す情報とともに、作業者IDおよびスコープIDを送信させる。作業を特定する情報は、たとえばシンク20に、作業の識別情報(作業ID)を印刷したテープが貼り付けられており、携帯型端末装置で作業IDを読み取ることで、作業を特定する情報を送信できるようにしてもよい。
このような携帯型端末装置は、表示部を備えており、したがって通知処理部38は、携帯型端末装置に、通知を行ってもよい。なお判定部36は、用手洗浄の実施時間が基準洗浄時間よりも短すぎる場合に、用手洗浄が適切に実施されていないことを判定するが、基準洗浄時間より長すぎる場合も、用手洗浄が適切に実施されていないことを判定する。なお、この場合、通知処理部38は、用手洗浄が長すぎることを通知するが、図4に示すような用手洗浄の再実施については通知しなくてもよい。
使用済みの内視鏡3に対して検査終了直後に実施されるベッドサイド洗浄はブラッシングを行うものではなく、汚れを十分に除去できるものではない。汚れは次第に乾燥して固化していくため、内視鏡3はベッドサイド洗浄後、ただちに洗浄室に運び込まれて用手洗浄される必要がある。つまり図3に示すステータスにおいて、「使用済」(ST2)の滞在時間は、所定の短時間以内であることが好ましい。
管理装置10における内視鏡3のステータス管理において、取得部30は、検査終了時に、スコープIDおよび検査終了情報を受信して、検査の終了時刻を示す時刻情報を取得する。また取得部30は、用手洗浄の開始時に、用手洗浄の開始時刻を示す時刻情報を取得する。時間導出部34は、検査終了から用手洗浄開始までの洗浄待ち時間、つまり内視鏡ステータスが「使用済」(ST2)である滞在時間を導出する。具体的に時間導出部34は、検査の終了時刻と、用手洗浄の開始時刻との差分から、用手洗浄の待ち時間を導出する。
医療施設において、用手洗浄には、検査終了から用手洗浄開始までの許容待ち時間が設定されている。判定部36は、時間導出部34により導出された洗浄待ち時間を、許容待ち時間と比較して、用手洗浄が適切に開始されたか否かを判定する。ここで許容待ち時間が1時間であるとし、用手洗浄が、検査終了から1時間以内に開始されていれば、判定部36は、用手洗浄が適切に開始されたことを判定する。
一方、用手洗浄の待ち時間が1時間を超えていれば、判定部36は、用手洗浄が適切に開始されなかったこと、つまり検査終了から1時間以内に開始されなかったことを判定する。このとき内視鏡3に付着した汚れが乾燥して固化することで、通常の用手洗浄では汚れが取れにくくなっている可能性がある。そこで通知処理部38は、用手洗浄前に、内視鏡3を洗剤に浸漬するべきことを通知する。
図5は、通知処理部38による通知例を示す。通知処理部38は、用手洗浄の開始が遅すぎたこと、および内視鏡を洗剤浸漬するべきことを通知する。
なお上記の例では、時間導出部34が、「使用済」(ST2)の確定した滞在時間を導出したが、「使用済」(ST2)の継続時間を導出してもよい。つまり時間導出部34は、検査終了から現在時刻までの洗浄待ち時間を導出してもよい。
このとき判定部36は、ST2の継続時間である洗浄待ち時間を、許容待ち時間(1時間)と比較して、洗浄待ち時間が許容待ち時間を超えているか否かを判定する。このとき洗浄待ち時間が許容待ち時間を超えていれば、通知処理部38は、所定の通知、たとえば図5に示す通知を行ってもよい。
なお通知処理部38は、洗浄待ち時間が許容待ち時間を超える前に、通知を行ってもよい。上記のように洗浄待ち時間が許容待ち時間を超えると、用手洗浄の前に内視鏡を洗剤浸漬する必要が生じる。そこで、洗剤浸漬する必要が生じる前に、通知処理部38が、ただちに内視鏡3を用手洗浄するべきことを表示装置24から通知してもよい。
なお用手洗浄が実施された内視鏡3は、洗浄装置22にて機械洗浄される。時間導出部34は、洗浄開始時刻および洗浄終了時刻から、機械洗浄の実施時間を導出してもよい。機械洗浄の洗浄プログラムは、内視鏡3の種類ごとに定められており、洗浄プログラムによって機械洗浄の実施時間も異なる。そこで判定部36が、機械洗浄の実施時間が、内視鏡3に応じて定められた洗浄プログラムの実施時間と異なることを判定すると、通知処理部38が、機械洗浄を再実施するべきことを表示装置24から通知してもよい。
実施例において、情報記録部40には、内視鏡のステータスを管理するための様々な情報が記録される。統計処理部42は、情報記録部40に記録された情報をもとに、様々な統計データを導出することができる。たとえば統計処理部42は、洗浄担当者ごとに、用手洗浄の平均時間を導出できる。これにより管理者は、用手洗浄の平均時間が短い洗浄担当者を対象に指導を効率的に行うことができる。
また統計処理部42は、用手洗浄の待ち時間を、曜日ごとに集計して求めることも可能となる。ある特定の曜日において、用手洗浄の待ち時間が長いことが判明すると、その曜日の作業者を増やすなどして、医療施設として対策を講ずることも可能となる。
以上、本発明を複数の実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
保管庫5における保管時間があまりにも長くなると、洗浄済の内視鏡3に空気中の菌などが付着することがある。そこで医療施設は、保管庫5に保管した洗浄済の内視鏡3に対して、再洗浄が必要となる保管時間を設定することが多い。
保管庫5に保管された内視鏡3は、次回の使用時に保管庫5から取り出される。このとき作業者は、ID読取部6に、作業者のIDカードを接触またはかざし、また内視鏡3のスコープIDを印刷したテープを接触またはかざして、作業者IDおよびスコープIDを読み取らせる。ID読取部6は、読み取った作業者IDおよびスコープIDを、保管終了情報として管理装置10に送信する。
管理装置10において、時間導出部34は、内視鏡3の保管時間を、保管開始時刻と保管終了時刻との差分から導出する。ここで医療施設において、機械洗浄済の内視鏡3の再洗浄が必要となる保管時間が7日と設定されている場合、判定部36は、時間導出部34により導出された保管時間を、再洗浄が必要となる保管時間(7日)と比較して、再洗浄が必要か否かを判定する。
判定部36が、再洗浄が必要と判定した場合、通知処理部38が、たとえば作業者が有している携帯型端末装置や、保管庫5に設置されたモニタ(図示せず)などに、再洗浄が必要であることを通知する。これにより作業者は、保管庫5から取り出した内視鏡3をただちに検査に使用することはできず、洗浄装置22によって再洗浄が必要であることを認識する。なお、この例で作業者は、保管庫5から内視鏡3を取り出す際に、必ずしもID読取部6に作業者IDおよびスコープIDを読み取らせなくてもよい。この場合は、作業者が内視鏡3を観測装置4に接続した際に、管理装置10の時間導出部34による保管時間の導出処理および判定部36による判定処理が実施されてもよい。また作業者が内視鏡3を保管庫5から取り出す前に、時間導出部34による保管時間の導出処理および判定部36による判定処理が自律的に実施されて、通知処理部38が、保管中の内視鏡3の再洗浄が必要であることを作業者に通知するようにしてもよい。
1・・・内視鏡管理システム、3・・・内視鏡、4・・・観測装置、5・・・保管庫、6・・・ID読取部、10・・・管理装置、20・・・シンク、21・・・ID読取部、22・・・洗浄装置、23・・・ID読取部、24・・・表示装置、30・・・取得部、32・・・ステータス管理部、34・・・時間導出部、36・・・判定部、38・・・通知処理部、40・・・情報記録部、42・・・統計処理部、50・・・検査画像記録部。
Claims (5)
- 内視鏡の洗浄工程を管理する内視鏡管理システムであって、
用手洗浄の開始時刻を示す時刻情報、および用手洗浄の終了時刻を示す時刻情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した時刻情報から、用手洗浄の実施時間を導出する時間導出部と、
前記時間導出部により導出された用手洗浄の実施時間を、用手洗浄の基準洗浄時間と比較して、用手洗浄が適切に実施されたか否かを判定する判定部と、
前記判定部により用手洗浄が適切に実施されていないことが判定された場合に、所定の通知を行う通知処理部と、
を備えることを特徴とする内視鏡管理システム。 - 前記取得部は、検査の終了時刻を示す時刻情報を取得し、
前記時間導出部は、前記取得部が取得した時刻情報から、検査終了から用手洗浄開始までの洗浄待ち時間を導出し、
前記判定部は、前記時間導出部により導出された洗浄待ち時間を、検査終了から用手洗浄開始までの許容待ち時間と比較して、用手洗浄が適切に開始されたか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡管理システム。 - 前記取得部は、検査の終了時刻を示す時刻情報を取得し、
前記時間導出部は、前記取得部が取得した時刻情報から、検査終了から現在時刻までの洗浄待ち時間を導出し、
前記判定部は、前記時間導出部により導出された洗浄待ち時間を、検査終了から用手洗浄開始までの許容待ち時間と比較して、洗浄待ち時間が許容待ち時間を超えているか否かを判定し、
前記判定部により洗浄待ち時間が許容待ち時間を超えていることが判定された場合に、前記通知処理部は、所定の通知を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡管理システム。 - 前記取得部は、内視鏡を識別する内視鏡IDとともに、時刻情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内視鏡管理システム。 - 前記取得部は、作業者を識別する作業者IDを取得する、
ことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡管理システム。
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