JP7232494B2 - 受精を介さず種子植物の果実の生長を誘導する核酸及びベクター、並びに受精を介さず果実の生長が誘導される組換え種子植物及びその製造方法 - Google Patents
受精を介さず種子植物の果実の生長を誘導する核酸及びベクター、並びに受精を介さず果実の生長が誘導される組換え種子植物及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
[1]種子植物のゲノム内に導入して発現させることにより、受精を介さず果実の生長を誘導するための核酸分子であって、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含む核酸分子。
[2]果実生長誘導機能を有するポリペプチドが、下記式(I)で表されるアミノ酸配列を有するモチーフを含むポリペプチドである、[1]の核酸分子。
KKLRLSKDQSA[I/V/F]LE[D/E]TFK[D/E]H[N/S]TLNPKQK[L/Q]ALAK[Q/K]L[G/N]L[T/R]ARQVEVWFQNRRARTKLKQTEVDCE[F/Y]L[K/R]RC[C/V]E[N/K]LTEE
・・・(I)
[3]果実生長誘導機能を有するポリペプチドが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、及び、配列番号13からなる群より選択されるアミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するポリペプチドである、[1]又は[2]の核酸分子。
[4]果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、及び、配列番号14からなる群より選択される塩基配列と80%以上の配列同一性を有する、[1]~[3]の核酸分子。
[5]前記核酸分子が更に、転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列と、転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、インフレームで連結されている、[1]~[4]の核酸分子。
[6]転写抑制機能を有するポリペプチドが、下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)、又は、(IId)で表されるアミノ酸配列を有するモチーフを含むポリペプチドである、[5]の核酸分子。
[L/F]DLN[L/F][X]P ・・・(IIa)
[L/V][R/K]LFGVX[M/V/L] ・・・(IIb)
TLXLFP ・・・(IIb)
TLXLFR ・・・(IId)
(但し、上記式(IIa)~(IId)中、Xは任意のアミノ酸残基を表す。)
[7]転写抑制機能を有するポリペプチドが、配列番号15、配列番号17、配列番号19、及び配列番号21からなる群より選択されるアミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するポリペプチドである、[5]又は[6]の核酸分子。
[8]転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、配列番号16、配列番号18、配列番号20、及び配列番号22からなる群より選択される塩基配列と80%以上の配列同一性を有する、[5]~[7]の核酸分子。
[9]前記核酸分子が更に、プロモーター領域の塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、プロモーター領域の塩基配列と機能的に連結されている、[1]~[8]の核酸分子。
[10]前記核酸分子が更に、ターミネーター領域の塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、ターミネーター領域の塩基配列と機能的に連結されている、[1]~[9]の核酸分子。
[11][1]~[10]の核酸分子を担持するベクター。
[12]植物ウイルスベクター又はアグロバクテリウムベクターである、[11]のベクター。
[13]受精を介さず果実を生育しうる組換種子植物を作製する方法であって、[1]~[10]の核酸分子、又は、[11]若しくは[12]のベクターを、種子植物細胞内に導入して発現させることを含む方法。
[14][1]~[10]の核酸分子、又は、[11]若しくは[12]のベクターが、細胞内に組み込まれている組換え種子植物。
[15][13]の方法により作製される組換え種子植物。
(1-1.概要)
本発明の一側面によれば、種子植物のゲノム内に導入して発現させることにより、受精を介さず種子植物の果実の生長を誘導するための核酸分子(以下適宜「本発明の核酸分子」とする)が提供される。
本発明の核酸分子は、果実生長誘導機能を有するポリペプチド(果実生長誘導ポリペプチド)をコードする塩基配列を有する。
・シロイヌナズナAt5g47370ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号1)
・シロイヌナズナAt4g16780ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号3)
・シロイヌナズナAt4g17460ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号5)
・シロイヌナズナAt1g26960ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号7)
・シロイヌナズナAt1g69780ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号9)
・シロイヌナズナAt2g18550ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号11)
・シロイヌナズナAt3g61890ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号13)
・・・(I)
・シロイヌナズナAt5g47370遺伝子の塩基配列(配列番号2)
・シロイヌナズナAt4g16780遺伝子の塩基配列(配列番号4)
・シロイヌナズナAt4g17460遺伝子の塩基配列(配列番号6)
・シロイヌナズナAt1g26960遺伝子の塩基配列(配列番号8)
・シロイヌナズナAt1g69780遺伝子の塩基配列(配列番号10)
・シロイヌナズナAt2g18550遺伝子の塩基配列(配列番号12)
・シロイヌナズナAt3g61890遺伝子の塩基配列(配列番号14)
本発明の核酸分子は、前述の果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列に加えて、転写抑制機能を有するポリペプチド(転写抑制ポリペプチド)をコードする塩基配列を有することが好ましい。この場合、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列と、転写抑制ポリペプチドをコードする塩基配列が、インフレームで連結されていることが好ましい。
・シロイヌナズナAt2g36080遺伝子の転写抑制領域BRDポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号17)
・シロイヌナズナWUSCHEL遺伝子の転写抑制領域WUS-boxポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号19)
・シロイヌナズナAtMYBL2遺伝子の転写抑制領域L2Rポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号21)
[L/V][R/K]LFGVX[M/V/L] ・・・(IIb)
TLXLFP ・・・(IIb)
TLXLFR ・・・(IId)
・SUPERMAN遺伝子の転写抑制領域を改変したSRDXの塩基配列(配列番号16)
・At2g36080遺伝子の転写抑制領域BRDの塩基配列(配列番号18)
・WUSCHEL遺伝子の転写抑制領域WUS-boxの塩基配列(配列番号20)
・AtMYBL2遺伝子の転写抑制領域L2Rの塩基配列(配列番号22)
本発明の核酸分子は、プロモーター領域を有することが好ましい。プロモーター領域は、通常は果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列の5’側に、果実生長誘導ポリペプチドと機能的に連結されるように配置されることが好ましい。
・シロイヌナズナAt5g47370遺伝子のプロモーター(配列番号24)。
・シロイヌナズナAt4g16780遺伝子のプロモーター(配列番号25)。
・シロイヌナズナAt4g17460遺伝子のプロモーター(配列番号26)。
・シロイヌナズナAt1g26960遺伝子のプロモーター(配列番号27)。
・シロイヌナズナAt1g69780遺伝子のプロモーター(配列番号28)。
・シロイヌナズナAt2g18550遺伝子のプロモーター(配列番号29)。
・シロイヌナズナAt3g61890遺伝子のプロモーター(配列番号30)。
・イネ・アクチン遺伝子のプロモーター(配列番号31)。
本発明の核酸分子は、ターミネーター領域を有することが好ましい。ターミネーター領域は、通常は果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列の3’側に、果実生長誘導ポリペプチドと機能的に連結されるように配置されることが好ましい。
・アグロバクテリウムのノパリン合成酵素遺伝子のターミネーター(配列番号32)。
・シロイヌナズナのヒートショックタンパク質遺伝子のターミネーター(配列番号33)。
本発明の核酸分子は、その他の1又は2以上の遺伝子要素を有していてもよい。その他の遺伝子要素の例としては、抗生物質耐性遺伝子、制限酵素配列、相同組換え配列等が挙げられる。
本発明の核酸分子は、前述の果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列を有すると共に、好ましくは任意選択要素として転写抑制ポリペプチドをコードする塩基配列を有し、更には任意選択要素として、プロモーター領域、ターミネーター領域、及び/又はその他の遺伝子要素を有する。特に、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列以外の任意選択要素を有する場合には、通常は転写抑制ポリペプチドをコードする塩基配列が果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列とインフレームで連結されると共に、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列の5’側にプロモーター領域が、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列の3’側に転写抑制領域及び/又はターミネーター領域が配置され、それぞれ果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列と機能的に連結される。これにより、本発明の核酸分子が種子植物の植物細胞に導入され、好ましくはゲノム内に組み込まれた場合に、各遺伝子要素が機能的に連関して作動し、果実生長誘導ポリペプチドが自律的に発現される。即ち、本発明の核酸分子は、キメラ遺伝子カセットとして構成されていることが好ましい。
本発明の核酸分子は、通常はこれを植物細胞内に導入してゲノム内に組み込むべく、ベクターに担持した形態で使用される。
本発明の別の側面によれば、受精を介さず果実を発生・成長させうる組換種子植物を作製する方法(以下適宜「本発明の方法」とする)が提供される。
本発明の方法は、上述の本発明の核酸分子又は本発明のベクターを、種子植物のゲノム内に導入して発現させることを含む。なお、本発明の核酸分子又は本発明のベクターは、複数種を併用して用いてもよい。
なお、以下に記載のプライマー塩基配列の表記のうち、大文字と小文字が混在しているものについては、大文字は増幅対象遺伝子の塩基配列と相補的な領域を意味し、小文字は付加配列を意味する。
実施例1は、シロイヌナズナAt5g47370遺伝子に転写抑制ドメインであるSRDXをコードする遺伝子断片をインフレームで連結し、これを更にカリフラワーモザイクウイルス(CAMV)35Sプロモーターの下流で作動するように連結したキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At5g47370SRDX(キメラ遺伝子A)を有する形質転換用プラスミド(コンストラクトA)を構築し、これをシロイヌナズナ植物体に導入して得られた形質転換植物のさやを観察することにより、キメラ遺伝子Aのシロイヌナズナにおける自発的さや発生促進効果を調べたものである。
(1-1)コンストラクトAの構築
(a)プラスミドpBIG2の構築
米国ミシガン州立大学より譲渡された植物形質転換用ベクターpBIG-HYG(Becker, Nucleic Acid Research, (1990), 18(1):203)を制限酵素HindIII及びSstIで切断し、アガロースゲル電気泳動によって分離することで、GUS遺伝子を除いたpBIG-HYGのDNA断片を得た。
5’-GATCCACAATTACCAACAACAACAAACAACAAACAACATTACAATTACAGATCCCGGGGGTACCGTCGACGAGCT-3’(配列番号34)
5’-CGTCGACGGTACCCCCGGGATCTGTAATTGTAATGTTGTTTGTTGTTTGTTGTTGTTGGTAATTGTG-3’(配列番号35)
シロイヌナズナSUPERMAN遺伝子の転写抑制ドメインであるSRDXの塩基配列の5’末端にGGGを、3’末端にストップコドンをそれぞれ付与した、以下の配列番号36及び37の塩基配列を有する相補的な二本のDNA断片を作製した。
5’-GGGCTCGATCTGGATCTAGAACTCCGTTTGGGTTTCGCTTAAG-3’(配列番号36)
5’-CTTAAGCGAAACCCAAACGGAGTTCTAGATCCAGATCGAGCCC-3’(配列番号37)
シロイヌナズナAt5g47370遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号38の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号39の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いてPCR反応を行うことにより、At5g47370遺伝子の全長配列からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGATGATGGGCAAAGAAGATCTAGGTTT-3’ (配列番号38)
5’-CGATCGTGGACGCAAGGCTTCAAAATTCAG-3’ (配列番号39)
コンストラクトAによるシロイヌナズナ植物体の形質転換は、“Transfomation of Arabidopsis thaliana byvacuum infiltration”(http://www.bch.msu.edu/pamgreen/protocol.htm)に記載の方法に従った。但し、感染させるのにバキュームは用いず、単に浸すだけにした。コンストラクトAを、土壌細菌(Agrobacterium tumefaciens)株GV3101(C58C1Rifr)pMP90(Gmr)(koncz and Schell, Molecular and General Genetics, (1986), 204[3]:383-396)株にエレクトロポレーション法で導入した。導入した菌を250mLのLB培地で二日間培養した。
(2-1)コンストラクトBの構築
シロイヌナズナAt4g16780遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号40の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号41の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At4g16780遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGATGTTCGAGAAAGACGATCTGGGTCT-3’ (配列番号40)
5’-GGACCTAGGACGAAGAGCGTCAAAAGTCAA-3’ (配列番号41)
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトBによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトBにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体B」と略称する。
(3-1)コンストラクトCの構築
シロイヌナズナAt5g47370遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号42の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号43の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いてPCR反応を行うことにより、At5g47370遺伝子の全長配列にストップコドンとSalI配列を付加した部分配列を増幅した。
5’-gATGATGATGGGCAAAGAAGATCTAGGTTT-3’ (配列番号42)
5’-ggggtcgacTCACGATCGTGGACGCAAGGCTTCAAAATT-3’ (配列番号43)
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトCによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトCにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体C」と略称する。
(4-1)コンストラクトDの構築
シロイヌナズナAt1g26960遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号44の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号45の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At1g26960遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGTCTTGTAATAATAATGGCTTAGCTTT-3’ (配列番号44)
5’-ATTGTATTGTTGCTGGTCAAGCCATGGCCA-3’ (配列番号45)
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトDによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトDにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体D」と略称する。
(5-1)コンストラクトEの構築
シロイヌナズナAt1g69780遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号46の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号47の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At1g69780遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGTCTTGTAATAATGGAATGTCTTTTTT-3’ (配列番号46)
5’-ATTGTACTGTTGCTGATCAAGCCATGGCCA-3’ (配列番号47)
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトEによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトEにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体E」と略称する。
(6-1)コンストラクトFの構築
シロイヌナズナAt2g18550遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号44の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号45の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At2g18550遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGAATAACCAGAATGTAGATGATCATAA-3’ (配列番号48)
5’-CATAAATTGGCTCATCCAGTCTAATCCATC-3’ (配列番号49)
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトFによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトFにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体F」と略称する。
(7-1)コンストラクトGの構築
シロイヌナズナAt3g61890遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号46の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号47の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At3g61890遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGGAAGAAGGAGATTTTTTCAACTGCTG-3’ (配列番号50)
5’-TGACCAAAACTCCCACCAGTTAGGGTAATT-3’ (配列番号51)
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトGによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトGにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体G」と略称する。
(8-1)コンストラクトHの構築
シロイヌナズナAt4g17460遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号52の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号53の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At4g17460遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-GATGATGATGGGTAAAGAGGATTTGGGTTT-3’ (配列番号52)
5’-AGACCTAGGACGCATCACATCAAAGGTTGA-3’ (配列番号53)
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトHによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトHにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体H」と略称する。
形質転換植物体A~Hのつぼみから雄蕊を取り除き(除雄)、未受精のさや(果実)の形質を観察した。また、コントロールとして、野生型のシロイヌナズナ植物体の未受精のさやの形質を同様に観察した。野生型植物体及び形質転換植物体A~Cのつぼみの光学顕微鏡写真を図3に、野生型植物体及び形質転換植物体A~Cのさや(果実)の光学顕微鏡写真を図4にそれぞれ示す。図3及び図4の写真から明らかなように、形質転換植物体A~Cの何れにおいても、野生型植物体と比較して、未受精条件下でのさやの伸長が確認された。また、同様に、形質転換植物体D~Hの何れにおいても、野生型植物体と比較して、未受精条件下でのさやの伸長が確認された。このことより、キメラ遺伝子A~Hを有するコンストラクトA~Hは、シロイヌナズナにおいて自発的さや(果実)伸長(未受精下でのさや伸長)を誘導することが証明された。
Claims (6)
- 受精を介さず果実を生育しうる組換種子植物を作製する方法であって、
果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする核酸分子、又は、当該核酸分子を担持するベクターを、種子植物細胞内に導入して発現させることを含むと共に、
前記の果実生長誘導機能を有するポリペプチドが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、及び、配列番号13からなる群より選択されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するポリペプチドであり、
前記核酸分子が更に、転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列と、転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、インフレームで連結されていると共に、
転写抑制機能を有するポリペプチドが、配列番号15、配列番号17、配列番号19、及び配列番号21からなる群より選択されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するポリペプチドであり、
種子植物細胞が、シロイヌナズナの細胞である、方法。 - 果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、及び、配列番号14からなる群より選択される塩基配列と80%以上の配列同一性を有する、請求項1に記載の方法。
- 転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、配列番号16、配列番号18、配列番号20、及び配列番号22からなる群より選択される塩基配列と80%以上の配列同一性を有する、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記核酸分子が更に、プロモーター領域の塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、プロモーター領域の塩基配列と機能的に連結されている、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
- 前記核酸分子が更に、ターミネーター領域の塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、ターミネーター領域の塩基配列と機能的に連結されている、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
- 前記ベクターが植物ウイルスベクター又はアグロバクテリウムベクターである、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
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Journal of Experimental Botany,2011年,Vol.62, No.8,p.2815-2826 |
Plant Physiology,2005年,Vol.139,p.509-518 |
The Plant Journal,2002年,Vol.32,p.1011-1022 |
化学と生物,2014年,Vol.52, No.7,p.438-446 |
第35回日本植物細胞分子生物学会(さいたま)大会講演要旨集,2017年,第144頁、P-031 |
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