JP7232494B2 - 受精を介さず種子植物の果実の生長を誘導する核酸及びベクター、並びに受精を介さず果実の生長が誘導される組換え種子植物及びその製造方法 - Google Patents

受精を介さず種子植物の果実の生長を誘導する核酸及びベクター、並びに受精を介さず果実の生長が誘導される組換え種子植物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、受精を介さず種子植物の果実の生長を誘導する核酸及びベクターと、斯かる核酸及びベクターを用いた、受精を介さず果実の生長が誘導される組換え種子植物及びその製造方法に関する。
種子植物の種子は、主に胚及び胚乳から構成される。胚は受精卵が発育してなる幼植物個体であり、これが発芽・成長することで次世代の植物となる。胚乳は胚に隣接した組織で、発芽に際して胚の成長に必要な養分を供給する働きを有する。胚乳の構造は、雌性配偶体である胚嚢に由来する内乳と、胞子体組織に由来する周乳とに分けられる。胚及び胚乳は珠皮に包まれて胚珠を構成し、これが成熟して種子を形成する。裸子植物では胚珠は剥き出しで存在するが、被子植物では胚珠が子房に覆われており、子房が成熟して果実を形成する。
被子植物において、雌蕊に含まれる胚嚢は、その一端に3つの反足細胞を、他端には単一の卵細胞を含む3つの細胞からなる卵装置を有する。また、胚嚢の中央には2つの極核が存在する。雌蕊が受粉すると、花粉から伸長した花粉管により2個の精細胞が胚嚢内に運ばれ、これらがそれぞれ胚嚢内の卵細胞及び2つの極核と受精する(これを重複受精(double fertilization)と呼ぶ)。一方の精細胞と卵細胞との受精(これを生殖受精と呼ぶ)により核相2nの受精卵が生じ、これが分裂して胚を形成する。また、他方の精細胞と2つの極核との受精(これを栄養受精と呼ぶ)により核相3nの胚乳核が生じ、これが胚嚢内で分裂増殖して内乳を形成すると共に、胚乳を形成する。
被子植物においては、栄養受精が生じないと果実が発生しないか、発生してもその生長が誘導されない場合が多い。しかし、作物の生産効率向上等の観点からは、種子植物において、受精を経ずに果実の発生及び生長を人為的に誘導することができると望ましい。
受精を介さない果実の発生及び肥大(以下「単為結果性」という場合がある。)は、受粉作業などの面倒な農作業を簡便化し、食味を邪魔する種子の無い果実を作るために重要であり、従来、化学物質を用いる方法などが開発されてきた。農業資材やその施用方法としては、例えばブドウの栽培において果実の肥大促進を目的として広く行われているジベレリン処理や、スイカにおけるコルヒチン処理が知られている。さらに近年では、高純度の硫酸マグネシウムを施用しイチゴの果実を肥大させる方法(特許文献1:特開2001-172093号)が開発されている。しかし、これらは未受精の蕾一つ一つに薬品を処理する必要性があり、作業の軽減に役に立つわけではない。また、処理に用いる化学物質の安全性などの問題もあった。
他方、トマトなどにおいては、受精を介さずに果実が肥大する単為結果性をもつ天然の品種が知られており、単為結果性を持つ品種と産業的に有用な性質を持つ品種との交配によって、食味や生産性の良い品種に単為結果性を付与する手法の開発や、単為結果性を引き起こす原因遺伝子の特定などが行われている。特許としては、単為結果性品種の開発方法が知られている(特許文献2:国際公開第1999/021411号;特許文献3:国際公開第2000/074468号;特許文献4:特開2011-045373号;特許文献5:国際公開第2009/098983号)。さらに、トマトの単為結果性品種の解析などから単為結果に関与する遺伝子PATやIAAなどが報告され、これら遺伝子の変異体を用いた種無し果実作製法も特許出願されている(特許文献6:国際公開第2009/005343号)。しかし、単為結果性を持つ品種が存在しているのはトマトなど一部の農作物に限られており、単為結果性品種のない作物においては交配による単為結果品種の作出は不可能であった。
また、これまで特定された単為結果性に関与する遺伝子は、遺伝子に変異が入ることによって単為結果性が誘導されていることから、他の作物に応用することが困難であったため、汎用的な効果をもつ新たな技術の開発が求められていた。
特開2001-172093号公報 国際公開第1999/021411号 国際公開第2000/074468号 特開2011-045373号公報 国際公開第2009/098983号 国際公開第2009/005343号
本発明の課題は、種子植物において、受精を経ずに果実の生長を人為的に誘導する手法を提供することである。
本発明者等は、特定の遺伝子を果実生長誘導因子として種子植物のゲノム内に導入して発現させることにより、受精を介さずとも種子植物の果実の生長を誘導することが可能となることを見いだし、本発明に到達した。
即ち、本発明は、以下に関する。
[1]種子植物のゲノム内に導入して発現させることにより、受精を介さず果実の生長を誘導するための核酸分子であって、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含む核酸分子。
[2]果実生長誘導機能を有するポリペプチドが、下記式(I)で表されるアミノ酸配列を有するモチーフを含むポリペプチドである、[1]の核酸分子。
KKLRLSKDQSA[I/V/F]LE[D/E]TFK[D/E]H[N/S]TLNPKQK[L/Q]ALAK[Q/K]L[G/N]L[T/R]ARQVEVWFQNRRARTKLKQTEVDCE[F/Y]L[K/R]RC[C/V]E[N/K]LTEE
・・・(I)
[3]果実生長誘導機能を有するポリペプチドが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、及び、配列番号13からなる群より選択されるアミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するポリペプチドである、[1]又は[2]の核酸分子。
[4]果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、及び、配列番号14からなる群より選択される塩基配列と80%以上の配列同一性を有する、[1]~[3]の核酸分子。
[5]前記核酸分子が更に、転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列と、転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、インフレームで連結されている、[1]~[4]の核酸分子。
[6]転写抑制機能を有するポリペプチドが、下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)、又は、(IId)で表されるアミノ酸配列を有するモチーフを含むポリペプチドである、[5]の核酸分子。
[L/F]DLN[L/F][X]P ・・・(IIa)
[L/V][R/K]LFGVX[M/V/L] ・・・(IIb)
TLXLFP ・・・(IIb)
TLXLFR ・・・(IId)
(但し、上記式(IIa)~(IId)中、Xは任意のアミノ酸残基を表す。)
[7]転写抑制機能を有するポリペプチドが、配列番号15、配列番号17、配列番号19、及び配列番号21からなる群より選択されるアミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するポリペプチドである、[5]又は[6]の核酸分子。
[8]転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、配列番号16、配列番号18、配列番号20、及び配列番号22からなる群より選択される塩基配列と80%以上の配列同一性を有する、[5]~[7]の核酸分子。
[9]前記核酸分子が更に、プロモーター領域の塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、プロモーター領域の塩基配列と機能的に連結されている、[1]~[8]の核酸分子。
[10]前記核酸分子が更に、ターミネーター領域の塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、ターミネーター領域の塩基配列と機能的に連結されている、[1]~[9]の核酸分子。
[11][1]~[10]の核酸分子を担持するベクター。
[12]植物ウイルスベクター又はアグロバクテリウムベクターである、[11]のベクター。
[13]受精を介さず果実を生育しうる組換種子植物を作製する方法であって、[1]~[10]の核酸分子、又は、[11]若しくは[12]のベクターを、種子植物細胞内に導入して発現させることを含む方法。
[14][1]~[10]の核酸分子、又は、[11]若しくは[12]のベクターが、細胞内に組み込まれている組換え種子植物。
[15][13]の方法により作製される組換え種子植物。
本発明によれば、種子植物において、受精を経ずに果実の生長を人為的に誘導することが可能となる。
図1は、シロイヌナズナAt5g47370、At4g16780、At4g17460、At1g26960、At1g69780、At2g18550、及びAt3g61890ポリペプチドのアミノ酸配列(それぞれ配列番号1、3、5、7、9、11、及び13)のアラインメントを示す図である。 図2A~Hはそれぞれ、実施例1~8で作製したキメラ遺伝子A~Cの構成を模式的に示す図である。 図3A~Dはそれぞれ、野生型植物体及び形質転換植物体A~Cのつぼみの光学顕微鏡写真である。 図4A~Cはそれぞれ、形質転換植物体A~Cの未受精のさや(果実)の光学顕微鏡写真である。それぞれ野生型植物体との対比で示す。 図5A及びBはそれぞれ、形質転換植物体A及びCの未受精のさや(果実)の縦長を示すグラフである。
以下、本発明を具体的な実施の形態に即して詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施の形態に束縛されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意の形態で実施することが可能である。
なお、本明細書で引用する特許公報、特許出願公開公報、及び非特許文献は、何れもその全体が援用により、あらゆる目的において本明細書に組み込まれるものとする。
[1.種子植物の果実の生長を誘導するための核酸分子及びベクター]
(1-1.概要)
本発明の一側面によれば、種子植物のゲノム内に導入して発現させることにより、受精を介さず種子植物の果実の生長を誘導するための核酸分子(以下適宜「本発明の核酸分子」とする)が提供される。
本発明の核酸分子は、果実生長誘導機能を有するポリペプチド(以下適宜「果実生長誘導ポリペプチド」と呼ぶ)をコードする塩基配列を含む。また、任意ではあるが、転写抑制機能を有するポリペプチド(以下適宜「転写抑制ポリペプチド」と呼ぶ)をコードする塩基配列を含んでいてもよい。加えて、やはり任意ではあるが、プロモーター領域やターミネーター領域、更にはその他の配列を含んでいてもよい。
また、本発明の別の側面によれば、本発明の核酸分子を担持するベクター(以下適宜「本発明のベクター」とする)も提供される。
(1-2.果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列)
本発明の核酸分子は、果実生長誘導機能を有するポリペプチド(果実生長誘導ポリペプチド)をコードする塩基配列を有する。
本発明において、果実生長誘導ポリペプチドのアミノ酸配列は限定されないが、以下から選択されるアミノ酸配列又はこれと類似のアミノ酸配列を有することが好ましい。
・シロイヌナズナAt5g47370ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号1)
・シロイヌナズナAt4g16780ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号3)
・シロイヌナズナAt4g17460ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号5)
・シロイヌナズナAt1g26960ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号7)
・シロイヌナズナAt1g69780ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号9)
・シロイヌナズナAt2g18550ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号11)
・シロイヌナズナAt3g61890ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号13)
後述する実施例から明らかなように、これらのシロイヌナズナAt5g47370、At4g16780、At4g17460、At1g26960、At1g69780、At2g18550、及びAt3g61890の各ポリペプチドは、植物細胞内で発現させた場合に果実生長誘導を有する。よって、これらのポリペプチドは何れも、本発明における果実生長誘導ポリペプチドとして好適に使用できる。
また、これらの各ポリペプチドとアミノ酸配列が類似するポリペプチドも、その構造の類似性ゆえに、植物細胞内で発現させた場合に同様の作用を有する蓋然性が高いことから、やはり本発明における果実生長誘導ポリペプチドとして好適に使用できる。
具体的に、本発明において、果実生長誘導ポリペプチドのアミノ酸配列は、前記の配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、及び配列番号13からなる群より選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%の配列相同性を有することが望ましい。
また、果実生長誘導ポリペプチドのアミノ酸配列は、前記の配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、及び配列番号13からなる群より選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有することが望ましい。
ここで、2つのアミノ酸配列の「相同性」(similarity)とは、両アミノ酸配列をアラインメントした際に各対応箇所に同一のアミノ酸残基又は類似の(即ち、物理化学的性質が類似する)アミノ酸残基が現れる比率であり、2つのアミノ酸配列の「同一性」(identity)とは、両アミノ酸配列をアラインメントした際に各対応箇所に同一のアミノ酸残基が現れる比率である。なお、2つのアミノ酸配列の「相同性」及び「同一性」は、例えばBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)プログラム(Altschul et al., J. Mol. Biol., (1990), 215(3):403-10)等を用いて求めることが可能である。
ここで、シロイヌナズナAt5g47370、At4g16780、At4g17460、At1g26960、At1g69780、At2g18550、及びAt3g61890の各ポリペプチドのアミノ酸配列(それぞれ配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、及び配列番号13)のアラインメントを図1に示す。本アラインメントから明らかなように、これらのポリペプチドは相互に高い配列相同性を有することが分かる。特に、シロイヌナズナAt5g47370、At4g16780、及びAt4g17460の各ポリペプチドのアミノ酸配列(それぞれ配列番号1、配列番号3、及び配列番号5)は、下記式(I)で表されるアミノ酸配列を有するモチーフを共有していることが分かる。
KKLRLSKDQSA[I/V/F]LE[D/E]TFK[D/E]H[N/S]TLNPKQK[L/Q]ALAK[Q/K]L[G/N]L[T/R]ARQVEVWFQNRRARTKLKQTEVDCE[F/Y]L[K/R]RC[C/V]E[N/K]LTEE
・・・(I)
但し、上記式(I)では各アミノ酸残基を1文字コードで表している。また、角括弧([ ])内にスラッシュ(/)で区切って複数のアミノ酸残基を表示している箇所は、これらのアミノ酸残基の何れかであることを表している。
よって、前記式(I)で表されるモチーフを有するポリペプチドは、植物細胞内で発現させた場合に果実生長誘導を有する蓋然性が高い。従って、前記式(I)で表されるモチーフを有するポリペプチドも、本発明における果実生長誘導ポリペプチドとして好適に使用することが可能である。
斯かる果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列は限定されないが、以下から選択される塩基配列又はこれと類似の塩基配列を有することが好ましい。
・シロイヌナズナAt5g47370遺伝子の塩基配列(配列番号2)
・シロイヌナズナAt4g16780遺伝子の塩基配列(配列番号4)
・シロイヌナズナAt4g17460遺伝子の塩基配列(配列番号6)
・シロイヌナズナAt1g26960遺伝子の塩基配列(配列番号8)
・シロイヌナズナAt1g69780遺伝子の塩基配列(配列番号10)
・シロイヌナズナAt2g18550遺伝子の塩基配列(配列番号12)
・シロイヌナズナAt3g61890遺伝子の塩基配列(配列番号14)
具体的に、本発明において、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列は、前記の配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、及び配列番号14からなる群より選択される塩基配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有することが望ましい。
なお、2つの塩基配列の配列同一性は、例えばEMBOSSパッケージ(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, Trends Genet. 16: 276-277)(好ましくはバージョン5.00又はそれ以降)のNeedleプログラムにより、Needleman-Wunschアルゴリズムを使用して決定される(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)。
(1-3.転写抑制ポリペプチドをコードする塩基配列)
本発明の核酸分子は、前述の果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列に加えて、転写抑制機能を有するポリペプチド(転写抑制ポリペプチド)をコードする塩基配列を有することが好ましい。この場合、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列と、転写抑制ポリペプチドをコードする塩基配列が、インフレームで連結されていることが好ましい。
本発明において、転写抑制ポリペプチドのアミノ酸配列は限定されないが、以下から選択されるアミノ酸配列又はこれと類似のアミノ酸配列を有することが好ましい。
・シロイヌナズナSUPERMAN遺伝子の転写抑制領域を改変したSRDXポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号15)
・シロイヌナズナAt2g36080遺伝子の転写抑制領域BRDポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号17)
・シロイヌナズナWUSCHEL遺伝子の転写抑制領域WUS-boxポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号19)
・シロイヌナズナAtMYBL2遺伝子の転写抑制領域L2Rポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号21)
前記のSRDX、BRD、WUS-box、及びL2Rの各ポリペプチドは、本発明者らが開発したCRES-T(Chimeric repressor silencing technology)法に用いられる転写抑制ドメインの発現産物である。具体的に、SRDXポリペプチドについては、例えば国際公開第2003/055993号等に、BRDポリペプチドについては、例えば特開2009-213426号等に、WUS-boxポリペプチドについては、例えばIkeda et al., Plant Cell, (2009), 21:3493-3505等に、L2Rポリペプチドについては、例えばMatsui et al., Plant J., (2008), 55:954-967等に、それぞれ詳細に記載されている。
これらのSRDX、BRD、WUS-box、及びL2Rの各ポリペプチドをコードする塩基配列を、前記の果実生長誘導ポリペプチドとインフレームで連結し、植物細胞内に導入して発現させると、果実生長誘導ポリペプチドの果実生長誘導が強化される。よって、これらのポリペプチドは何れも、本発明における転写抑制ポリペプチドとして好適に使用できる。
また、これらの各ポリペプチドとアミノ酸配列が類似するポリペプチドも、その構造の類似性ゆえに、植物細胞内で発現させた場合に同様の作用を有する蓋然性が高いことから、やはり本発明における転写抑制ポリペプチドとして好適に使用できる。
具体的に、本発明において、転写抑制ポリペプチドのアミノ酸配列は、前記の配列番号15、配列番号17、配列番号19、及び、配列番号21からなる群より選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%の配列相同性を有することが望ましい。
また、転写抑制ポリペプチドのアミノ酸配列は、前記の配列番号15、配列番号17、配列番号19、及び、配列番号21からなる群より選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有することが望ましい。
また、前記のSRDX、BRD、WUS-box、及びL2Rの各ポリペプチドは、下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)、又は、(IId)で表されるアミノ酸配列を有するモチーフを有し、これらがその転写抑制機能を発揮する上で重要な機能を果たしていることが知られている。従って、下記式(IIa)、(IIb)、(IIc)、又は、(IId)で表されるアミノ酸配列を有するモチーフを含むポリペプチドも、転写抑制ポリペプチドとして好適に使用することができる。
[L/F]DLN[L/F][X]P ・・・(IIa)
[L/V][R/K]LFGVX[M/V/L] ・・・(IIb)
TLXLFP ・・・(IIb)
TLXLFR ・・・(IId)
但し、上記式(IIa)~(IId)では各アミノ酸残基を1文字コードで表している。また、角括弧([ ])内にスラッシュ(/)で区切って複数のアミノ酸残基を表示している箇所は、これらのアミノ酸残基の何れかであることを示す。また、Xは任意のアミノ酸残基を表す。
斯かる転写抑制ポリペプチドをコードする塩基配列は限定されないが、以下から選択される塩基配列又はこれと類似の塩基配列を有することが好ましい。
・SUPERMAN遺伝子の転写抑制領域を改変したSRDXの塩基配列(配列番号16)
・At2g36080遺伝子の転写抑制領域BRDの塩基配列(配列番号18)
・WUSCHEL遺伝子の転写抑制領域WUS-boxの塩基配列(配列番号20)
・AtMYBL2遺伝子の転写抑制領域L2Rの塩基配列(配列番号22)
具体的に、本発明において、転写抑制ポリペプチドをコードする塩基配列は、前記の配列番号16、配列番号18、配列番号20、及び、配列番号22からなる群より選択される塩基配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有することが望ましい。
(1-4.プロモーター領域)
本発明の核酸分子は、プロモーター領域を有することが好ましい。プロモーター領域は、通常は果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列の5’側に、果実生長誘導ポリペプチドと機能的に連結されるように配置されることが好ましい。
プロモーター領域は、ウイルスに由来するプロモーターでもよく、微生物に由来するプロモーターでもよく、植物に由来するプロモーターでもよく、その他の生物に由来するプロモーターでもよい。
また、プロモーターの機能部位としては、植物体全体で機能するプロモーターでもよく、雌性配偶体とその始原細胞を含む周辺部位でのみで機能するプロモーターでもよい。さらには、特定の化学物質処理時や特定の生育環境下において、特異的に機能するプロモーターでもよい。
プロモーター領域の塩基配列は制限されない。例としては、以下の何れかのプロモーターの塩基配列を有するプロモーター領域が挙げられる。
・カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター(配列番号23)。
・シロイヌナズナAt5g47370遺伝子のプロモーター(配列番号24)。
・シロイヌナズナAt4g16780遺伝子のプロモーター(配列番号25)。
・シロイヌナズナAt4g17460遺伝子のプロモーター(配列番号26)。
・シロイヌナズナAt1g26960遺伝子のプロモーター(配列番号27)。
・シロイヌナズナAt1g69780遺伝子のプロモーター(配列番号28)。
・シロイヌナズナAt2g18550遺伝子のプロモーター(配列番号29)。
・シロイヌナズナAt3g61890遺伝子のプロモーター(配列番号30)。
・イネ・アクチン遺伝子のプロモーター(配列番号31)。
また、配列番号23~配列番号31の各塩基配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%の同一性を有する塩基配列からなるプロモーターも、本発明の核酸分子におけるプロモーター領域として好ましく利用できる。
(1-5.ターミネーター領域)
本発明の核酸分子は、ターミネーター領域を有することが好ましい。ターミネーター領域は、通常は果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列の3’側に、果実生長誘導ポリペプチドと機能的に連結されるように配置されることが好ましい。
ターミネーター領域は、ウイルスに由来するターミネーターでもよく、微生物に由来するターミネーターでもよく、植物に由来するターミネーターでもよく、その他の生物に由来するターミネーターでもよい。
また、ターミネーターの機能部位としては、植物体全体で機能するターミネーターでもよく、雌性配偶体とその始原細胞を含む周辺部位でのみで機能するターミネーターでもよい。さらには、特定の化学物質処理時や特定の生育環境下において、特異的に機能するターミネーターでもよい。
ターミネーター領域の塩基配列は制限されない。例としては、以下の何れかのターミネーターの塩基配列を有するターミネーター領域が挙げられる。
・アグロバクテリウムのノパリン合成酵素遺伝子のターミネーター(配列番号32)。
・シロイヌナズナのヒートショックタンパク質遺伝子のターミネーター(配列番号33)。
また、配列番号32又は配列番号33の各塩基配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%の同一性を有する塩基配列からなるターミネーターも、本発明の核酸分子におけるターミネーター領域として好ましく利用できる。
(1-6.その他の遺伝子要素)
本発明の核酸分子は、その他の1又は2以上の遺伝子要素を有していてもよい。その他の遺伝子要素の例としては、抗生物質耐性遺伝子、制限酵素配列、相同組換え配列等が挙げられる。
(1-7.核酸の構成)
本発明の核酸分子は、前述の果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列を有すると共に、好ましくは任意選択要素として転写抑制ポリペプチドをコードする塩基配列を有し、更には任意選択要素として、プロモーター領域、ターミネーター領域、及び/又はその他の遺伝子要素を有する。特に、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列以外の任意選択要素を有する場合には、通常は転写抑制ポリペプチドをコードする塩基配列が果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列とインフレームで連結されると共に、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列の5’側にプロモーター領域が、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列の3’側に転写抑制領域及び/又はターミネーター領域が配置され、それぞれ果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列と機能的に連結される。これにより、本発明の核酸分子が種子植物の植物細胞に導入され、好ましくはゲノム内に組み込まれた場合に、各遺伝子要素が機能的に連関して作動し、果実生長誘導ポリペプチドが自律的に発現される。即ち、本発明の核酸分子は、キメラ遺伝子カセットとして構成されていることが好ましい。
(1-8.ベクター)
本発明の核酸分子は、通常はこれを植物細胞内に導入してゲノム内に組み込むべく、ベクターに担持した形態で使用される。
斯かるベクター(本発明のベクター)の形態は任意であり、直鎖状の形態であっても環状の形態であってもよい。但し、環状の形態、例えばプラスミドの形態であることが好ましい。ベクターの具体的な態様の例としては、植物ウイルスベクター、アグロバクテリウムベクター等が挙げられる。
植物ウイルスベクター法は、標的遺伝子を挿入した植物ウイルスゲノムのcDNAを試験管内転写し、得られたRNAをベクターとして植物に接種して感染させ、ウイルス自身の増殖能及び全身移行能を利用して、発現対象遺伝子を植物に発現させる手法である。植物ウイルスベクターの例としては、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)ベクター、キュウリモザイクウイルス(CMV)ベクター、タバコモザイクウイルス(TMV)ベクター、ジャガイモXウイルス(PVX)ベクター等が挙げられる。
アグロバクテリウムベクター(T-DNAベクター)法は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)のTiプラスミドが有するT-DNA(transfer DNA)配列を利用した手法である。T-DNA配列は右境界配列(right border sequence:RB配列)と左境界配列(left border sequence:LB配列)とを両端に有し、これらの配列に挟まれた領域の遺伝子を植物ゲノムへ組み込む作用を有する。現在は、Tiプラスミドを改変した2種のプラスミド、即ち、バイナリープラスミドとヘルパープラスミドとを組み合わせたT-DNAバイナリー系が確立されており、植物の形質転換による外来遺伝子の導入を行うことが主流である。
本発明の核酸分子をベクターに担持させる場合、好ましくは、本発明の果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列が植物ゲノム内に組み込まれ、機能的に発現するように構成する。
なお、本発明の核酸分子が、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列に加えて、プロモーター領域やターミネーター領域を有し、植物細胞内で自律的に発現しうるキメラ遺伝子カセットとして構成されている場合には、ベクター側にプロモーターやターミネーター等の調節要素を組み込むことは必須ではなく、植物ゲノムへの組み込みに必要な要素(例えば相同組換えのためのフランキング配列や、T-DNAのLB配列及びRB配列等)のみをベクターに設ければよい。
一方、本発明の核酸分子がプロモーター領域やターミネーター領域を欠き、植物細胞内で自律的に発現しうるキメラ遺伝子カセットとして構成されている場合には、ベクターに植物ゲノムへの組み込みに必要な要素のみならず、プロモーターやターミネーター等の調節要素を組み込み、本発明の核酸分子が有する果実生長誘導ポリペプチドの発現を誘導するように構成することが好ましい。或いは、本発明のベクターを植物ゲノム内に組み込んだ場合に、本発明の核酸分子が有する果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列を、植物ゲノム内のプロモーターやターミネーター等の調節要素と機能的に連関して作動し、果実生長誘導ポリペプチドが発現されるように構成してもよい。
本発明のベクターは、必要に応じて、他のヘルパープラスミドと併用してもよい。他のヘルパープラスミドの例としては、T-DNAベクターの場合、vir領域を有するヘルパープラスミド等が挙げられる。
本発明のベクターは、当業者に周知の各種の遺伝子組み換え技術を適宜組み合わせて用いることにより、容易に作製することが可能である。
[2.受精を介さず果実を発生・成長させうる組換種子植物及びその製造方法]
本発明の別の側面によれば、受精を介さず果実を発生・成長させうる組換種子植物を作製する方法(以下適宜「本発明の方法」とする)が提供される。
本発明の方法は、上述の本発明の核酸分子又は本発明のベクターを、種子植物のゲノム内に導入して発現させることを含む。なお、本発明の核酸分子又は本発明のベクターは、複数種を併用して用いてもよい。
種子植物の種類は特に制限されず、果実を生じる植物であれば限定されないが、通常は被子植物が対象となる。果実を生じる被子植物の例としては、これらに制限されるものではないが、例えばナス科、マメ科、アブラナ科、イネ科、キク科、ハス科、バラ科、ウリ科、ユリ科、ミカン科、ウルシ科、等に属する植物種が挙げられる。具体例としては、タバコ、シロイヌナズナ、綿、カンキツ、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ウリ、カンピョウ、ヘチマ、ゴーヤ、プリンスメロン、アブラヤシ、オクラ、トマト、ピーマン、ナス、トウガラシ、シシトウ、リンゴ、サクランボ、ウメ、ナシ、セイヨウナシ、カキ、キウイ、バナナ、ドラゴンフルーツ、ランブータン、ライチ、モモ、マンゴー、イチゴ、ブドウ、ナス、キイチゴ、ミカン、ブルーベリー、ザクロ、スモモ、ズッキーニ、アボガド、アセロラ、オリーブ、クワ、アケビ、グアバ、アンズ、ビワ、パパイヤ、プルーン、ナツメ、クランベリー、ラズベリー、ドリアン、マンゴスチン、ランブータン、カリン、スターフルーツ、サクラ等が挙げられる。中でも、シロイヌナズナ、ナス、トマト、果実類、オイルパーム等が好ましい。
上述の本発明の核酸分子又は本発明のベクターを、種子植物のゲノム内に導入する手法は任意である。例えば、本発明のベクターを種子植物に生物的に感染させ、或いはアグロインフィルトレーション、PEG-リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、リポソーム法、パーティクルガン法、マイクロインジェクション法等の手法で種子植物の各組織に導入し、種子植物のゲノム内に導入することができる。更には本発明のベクターを用いず、CRISPR/Cas9システム等の公知の手法を用いて、本発明の核酸分子を直接植物のゲノム内に組み込むことも可能である。また、本発明の核酸分子又は本発明のベクターを種子植物の組織断片に導入し、これを培養して植物体とすることにより、本発明のベクターがゲノム内に導入された、本発明の核酸分子を恒常的に発現する再分化個体を得ることも可能である。
以上の本発明の方法により、果実生長誘導ポリペプチドをコードする塩基配列を含む本発明の核酸分子がゲノム内に組み込まれて、果実生長誘導ポリペプチドを発現する組換植物が得られる。斯かる組換植物は、果実生長誘導ポリペプチドを発現することにより、受精を経ずに果実を発生し、成長させる能力を有する。
なお、前述の本発明の方法により作製される組換種子植物や、本発明の核酸分子又は本発明のベクターをゲノム内に含む組換え種子植物、受精を経ずに果実を発生し、生育する能力を有する組換え種子植物等も、本発明の対象となる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例にも束縛されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意の形態で実施することが可能である。
なお、以下に記載のプライマー塩基配列の表記のうち、大文字と小文字が混在しているものについては、大文字は増幅対象遺伝子の塩基配列と相補的な領域を意味し、小文字は付加配列を意味する。
[概要]
実施例1は、シロイヌナズナAt5g47370遺伝子に転写抑制ドメインであるSRDXをコードする遺伝子断片をインフレームで連結し、これを更にカリフラワーモザイクウイルス(CAMV)35Sプロモーターの下流で作動するように連結したキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At5g47370SRDX(キメラ遺伝子A)を有する形質転換用プラスミド(コンストラクトA)を構築し、これをシロイヌナズナ植物体に導入して得られた形質転換植物のさやを観察することにより、キメラ遺伝子Aのシロイヌナズナにおける自発的さや発生促進効果を調べたものである。
実施例2は、シロイヌナズナAt4g16780遺伝子に転写抑制ドメインであるSRDXをコードする遺伝子断片をインフレームで連結し、これを更にCAMV 35Sプロモーターの下流で作動するように連結したキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At4g16780SRDX(キメラ遺伝子B)を有する形質転換用プラスミド(コンストラクトB)を構築し、これをシロイヌナズナ植物体に導入して得られた形質転換植物の形態を観察することにより、キメラ遺伝子Bのシロイヌナズナにおける自発的さや発生促進効果を調べたものである。
実施例3は、シロイヌナズナAt5g47370遺伝子をCAMV 35Sプロモーターの下流で作動するように連結したキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At5g47370(キメラ遺伝子C)を有する形質転換用プラスミド(コンストラクトC)を構築し、これをシロイヌナズナ植物体に導入して得られた形質転換植物の形態を観察、形質転換植物のさやを観察することにより、キメラ遺伝子Cのシロイヌナズナにおける自発的さや発生促進効果を調べたものである。
実施例4は、シロイヌナズナAt1g26960遺伝子に転写抑制ドメインであるSRDXをコードする遺伝子断片をインフレームで連結し、これを更にCAMV 35Sプロモーターの下流で作動するように連結したキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At1g26960SRDX(キメラ遺伝子D)を有する形質転換用プラスミド(コンストラクトD)を構築し、これをシロイヌナズナ植物体に導入して得られた形質転換植物の形態を観察、形質転換植物のさやを観察することにより、キメラ遺伝子Dのシロイヌナズナにおける自発的さや発生促進効果を調べたものである。
実施例5は、シロイヌナズナAt1g69780遺伝子に転写抑制ドメインであるSRDXをコードする遺伝子断片をインフレームで連結し、これを更にCAMV 35Sプロモーターの下流で作動するように連結したキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At1g69780SRDX(キメラ遺伝子E)を有する形質転換用プラスミド(コンストラクトE)を構築し、これをシロイヌナズナ植物体に導入して得られた形質転換植物の形態を観察、形質転換植物のさやを観察することにより、キメラ遺伝子Eのシロイヌナズナにおける自発的さや発生促進効果を調べたものである。
実施例6は、シロイヌナズナAt2g18550遺伝子に転写抑制ドメインであるSRDXをコードする遺伝子断片をインフレームで連結し、これを更にCAMV 35Sプロモーターの下流で作動するように連結したキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At2g18550SRDX(キメラ遺伝子F)を有する形質転換用プラスミド(コンストラクトF)を構築し、これをシロイヌナズナ植物体に導入して得られた形質転換植物の形態を観察、形質転換植物のさやを観察することにより、キメラ遺伝子Fのシロイヌナズナにおける自発的さや発生促進効果を調べたものである。
実施例7は、シロイヌナズナAt3g61890遺伝子に転写抑制ドメインであるSRDXをコードする遺伝子断片をインフレームで連結し、これを更にCAMV 35Sプロモーターの下流で作動するように連結したキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At3g61890SRDX(キメラ遺伝子G)を有する形質転換用プラスミド(コンストラクトG)を構築し、これをシロイヌナズナ植物体に導入して得られた形質転換植物の形態を観察、形質転換植物のさやを観察することにより、キメラ遺伝子Gのシロイヌナズナにおける自発的さや発生促進効果を調べたものである。
実施例8は、シロイヌナズナAt4g17460遺伝子に転写抑制ドメインであるSRDXをコードする遺伝子断片をインフレームで連結し、これを更にCAMV 35Sプロモーターの下流で作動するように連結したキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At4g17460SRDX(キメラ遺伝子H)を有する形質転換用プラスミド(コンストラクトH)を構築し、これをシロイヌナズナ植物体に導入して得られた形質転換植物の形態を観察、形質転換植物のさやを観察することにより、キメラ遺伝子Hのシロイヌナズナにおける自発的さや発生促進効果を調べたものである。
[実施例1]形質転換用コンストラクトA(ProCaMV 35S:At5g47370SRDX)の構築及びシロイヌナズナ植物体の形質転換
(1-1)コンストラクトAの構築
(a)プラスミドpBIG2の構築
米国ミシガン州立大学より譲渡された植物形質転換用ベクターpBIG-HYG(Becker, Nucleic Acid Research, (1990), 18(1):203)を制限酵素HindIII及びSstIで切断し、アガロースゲル電気泳動によって分離することで、GUS遺伝子を除いたpBIG-HYGのDNA断片を得た。
また、プラスミドp35S-GFP(Clontech社、米国)を制限酵素HindIII及びBamHIで切断し、切断断片をアガロースゲル電気泳動で分離し、CAMV 35Sプロモーター(以下適宜「ProCaMV 35S」とする)を含むDNA断片を回収した。
また、以下の配列番号34及び35の塩基配列を有するDNAを常法により合成し、70℃で10分加温した後、自然冷却によりアニールさせて2本鎖DNAとした。このDNA断片は、翻訳効率を高めるタバコモザイクウイルス(TMV)由来のオメガ(omega)配列の5’末端に制限酵素部位BamHIを、3‘末端側に制限酵素部位SmaI及びSalIを有する。この配列をベクターに導入することで、ProCaMV 35Sによる遺伝子発現誘導効果を強めるとともに、以降のプラスミド構築に必須な制限酵素サイトを導入した。
5’-GATCCACAATTACCAACAACAACAAACAACAAACAACATTACAATTACAGATCCCGGGGGTACCGTCGACGAGCT-3’(配列番号34)
5’-CGTCGACGGTACCCCCGGGATCTGTAATTGTAATGTTGTTTGTTGTTTGTTGTTGTTGGTAATTGTG-3’(配列番号35)
前記のProCaMV 35Sを含むDNA断片、及び、前記の合成した2本鎖DNAを、前記のGUS遺伝子を除いたpBIG-HYGのHindIII及びSstI部位に挿入することにより、ProCaMV 35Sを担持する植物形質転換用ベクターを得た。これをプラスミドpBIG2とする。
(b)プラスミドp35SRDXの構築
シロイヌナズナSUPERMAN遺伝子の転写抑制ドメインであるSRDXの塩基配列の5’末端にGGGを、3’末端にストップコドンをそれぞれ付与した、以下の配列番号36及び37の塩基配列を有する相補的な二本のDNA断片を作製した。
5’-GGGCTCGATCTGGATCTAGAACTCCGTTTGGGTTTCGCTTAAG-3’(配列番号36)
5’-CTTAAGCGAAACCCAAACGGAGTTCTAGATCCAGATCGAGCCC-3’(配列番号37)
合成された二本のDNA断片をアニールし、制限酵素SmaIで切断した上記のプラスミドpBIG2に挿入し、シークエンスを確認して、SRDXが順方向に導入されたものを選抜した。これをプラスミドp35SRDXとする。
(c)プラスミド35S:At5g47370SRDX(コンストラクトA)の構築
シロイヌナズナAt5g47370遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号38の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号39の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いてPCR反応を行うことにより、At5g47370遺伝子の全長配列からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGATGATGGGCAAAGAAGATCTAGGTTT-3’ (配列番号38)
5’-CGATCGTGGACGCAAGGCTTCAAAATTCAG-3’ (配列番号39)
なお、PCR反応は、変性反応94℃1分、アニール反応50℃1分、伸長反応72℃3分を1サイクルとして、30サイクル実施した。
得られたAt5g47370遺伝子のストップコドンを除く増幅産物を、常法に従って、SmaIで切断してアガロールゲル電気泳動で回収し、前記のプラスミドp35SRDXに挿入した。常法に従ってシークエンスを確認し、At5g47370遺伝子が順方向に導入されたものの中から、更にAt5g47370遺伝子とSRDXの読み枠が一致しているものを選抜した。
得られた形質転換用プラスミドは、プロモーターProCaMV 35S、At5g47370遺伝子、及び転写抑制ドメインSRDXが作動式に連結されてなるキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At5g47370SRDXを担持する。このプラスミドを適宜「コンストラクトA」と略称し、コンストラクトAが担持するキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At5g47370SRDXを適宜「キメラ遺伝子A」と略称する。キメラ遺伝子Aの構成を図2Aに模式的に示す。
(1-2)形質転換植物体Aの作成
コンストラクトAによるシロイヌナズナ植物体の形質転換は、“Transfomation of Arabidopsis thaliana byvacuum infiltration”(http://www.bch.msu.edu/pamgreen/protocol.htm)に記載の方法に従った。但し、感染させるのにバキュームは用いず、単に浸すだけにした。コンストラクトAを、土壌細菌(Agrobacterium tumefaciens)株GV3101(C58C1Rifr)pMP90(Gmr)(koncz and Schell, Molecular and General Genetics, (1986), 204[3]:383-396)株にエレクトロポレーション法で導入した。導入した菌を250mLのLB培地で二日間培養した。
次いで、培養液から菌体を回収し、500mLの感染用培地(Infiltration medium)に懸濁した。この溶液に、14日間生育したシロイヌナズナを1分間浸し、感染させた後、再び生育させ結種させた。回収した種子を50%ブリーチ、0.02%Triton X-100溶液で7分間滅菌した後、滅菌水で3回リンスし、滅菌した種子を30mg/lのハイグロマイシンを含む1/2MS選択培地に蒔種した。コンストラクトAにより首尾よく形質転換された植物体は、ハイグロマイシン耐性を獲得する。そこで、上記ハイグロマイシン培地で生育する形質転換植物体を選抜し、土壌に植え換え、生育させた。こうして得られた、コンストラクトAにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体A」と略称する。
[実施例2]形質転換用コンストラクトB(ProCaMV 35S:At4g16780SRDX)の構築及びシロイヌナズナ植物体の形質転換
(2-1)コンストラクトBの構築
シロイヌナズナAt4g16780遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号40の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号41の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At4g16780遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGATGTTCGAGAAAGACGATCTGGGTCT-3’ (配列番号40)
5’-GGACCTAGGACGAAGAGCGTCAAAAGTCAA-3’ (配列番号41)
得られたAt4g16780遺伝子からストップコドンを除いた部分配列の増幅断片を、常法に従って、SmaIで切断してアガロールゲル電気泳動で回収し、上記の[実施例1](1-1)(a)及び(b)で作製したプロモーターCaMV 35S及び転写抑制ドメインSRDXを有するプラスミドp35SRDXに挿入した。常法によりシークエンスを確認して、At4g16780遺伝子が順方向に導入されたものの中から、更にAt4g16780遺伝子とSRDXの読み枠が一致しているものを選抜した。
得られた形質転換用プラスミドは、プロモーターProCaMV 35S、At4g16780遺伝子、及び転写抑制ドメインSRDXが作動式に連結されてなるキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At4g16780SRDXを担持する。このプラスミドを適宜「コンストラクトB」と略称し、コンストラクトBが担持するキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At4g16780SRDXを適宜「キメラ遺伝子B」と略称する。キメラ遺伝子Bの構成を図2Bに模式的に示す。
(2-2)コンストラクトBを用いた形質転換による形質転換植物体Bの作成
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトBによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトBにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体B」と略称する。
[実施例3]形質転換用コンストラクトC(ProCaMV 35S:At5g47370)の構築及びシロイヌナズナ植物体の形質転換
(3-1)コンストラクトCの構築
シロイヌナズナAt5g47370遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号42の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号43の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いてPCR反応を行うことにより、At5g47370遺伝子の全長配列にストップコドンとSalI配列を付加した部分配列を増幅した。
5’-gATGATGATGGGCAAAGAAGATCTAGGTTT-3’ (配列番号42)
5’-ggggtcgacTCACGATCGTGGACGCAAGGCTTCAAAATT-3’ (配列番号43)
なお、PCR反応は、変性反応94℃1分、アニール反応50℃1分、伸長反応72℃3分を1サイクルとして、30サイクル実施した。
上記の[実施例1](1-1)(a)で作製したプロモーターCaMV 35Sを有するプラスミドpBIG2に、前記で作製したシロイヌナズナAt5g47370遺伝子の全長配列にストップコドンとSalI配列を付加したものの増幅断片を、常法に従って挿入した。常法によりシークエンスを確認して、At5g47370遺伝子が順方向に導入されたものを選抜した。
得られた形質転換用プラスミドは、プロモーターProCaMV 35S及びAt5g47370が作動式に連結されてなるキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At5g47370を担持する。このプラスミドを適宜「コンストラクトC」と略称し、コンストラクトCが担持するキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At5g47370を適宜「キメラ遺伝子C」と略称する。キメラ遺伝子Cの構成を図2Cに模式的に示す。
(3-2)コンストラクトCを用いた形質転換による形質転換植物体Cの作成
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトCによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトCにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体C」と略称する。
[実施例4]形質転換用コンストラクトD(ProCaMV 35S:At1g26960SRDX)の構築及びシロイヌナズナ植物体の形質転換
(4-1)コンストラクトDの構築
シロイヌナズナAt1g26960遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号44の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号45の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At1g26960遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGTCTTGTAATAATAATGGCTTAGCTTT-3’ (配列番号44)
5’-ATTGTATTGTTGCTGGTCAAGCCATGGCCA-3’ (配列番号45)
得られたAt1g26960遺伝子からストップコドンを除いた部分配列の増幅断片を、常法に従って、SmaIで切断してアガロールゲル電気泳動で回収し、上記の[実施例1](1-1)(a)及び(b)で作製したプロモーターCaMV 35S及び転写抑制ドメインSRDXを有するプラスミドp35SRDXに挿入した。常法によりシークエンスを確認して、At1g26960遺伝子が順方向に導入されたものの中から、更にAt1g26960遺伝子とSRDXの読み枠が一致しているものを選抜した。
得られた形質転換用プラスミドは、プロモーターProCaMV 35S、At1g26960遺伝子、及び転写抑制ドメインSRDXが作動式に連結されてなるキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At1g26960SRDXを担持する。このプラスミドを適宜「コンストラクトD」と略称し、コンストラクトDが担持するキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At1g26960SRDXを適宜「キメラ遺伝子D」と略称する。キメラ遺伝子Dの構成を図2Dに模式的に示す。
(4-2)コンストラクトDを用いた形質転換による形質転換植物体Dの作成
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトDによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトDにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体D」と略称する。
[実施例5]形質転換用コンストラクトE(ProCaMV 35S:At1g69780SRDX)の構築及びシロイヌナズナ植物体の形質転換
(5-1)コンストラクトEの構築
シロイヌナズナAt1g69780遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号46の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号47の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At1g69780遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGTCTTGTAATAATGGAATGTCTTTTTT-3’ (配列番号46)
5’-ATTGTACTGTTGCTGATCAAGCCATGGCCA-3’ (配列番号47)
得られたAt1g69780遺伝子からストップコドンを除いた部分配列の増幅断片を、常法に従って、SmaIで切断してアガロールゲル電気泳動で回収し、上記の[実施例1](1-1)(a)及び(b)で作製したプロモーターCaMV 35S及び転写抑制ドメインSRDXを有するプラスミドp35SRDXに挿入した。常法によりシークエンスを確認して、At1g69780遺伝子が順方向に導入されたものの中から、更にAt1g69780遺伝子とSRDXの読み枠が一致しているものを選抜した。
得られた形質転換用プラスミドは、プロモーターProCaMV 35S、At1g69780遺伝子、及び転写抑制ドメインSRDXが作動式に連結されてなるキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At1g69780SRDXを担持する。このプラスミドを適宜「コンストラクトE」と略称し、コンストラクトEが担持するキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At1g69780SRDXを適宜「キメラ遺伝子E」と略称する。キメラ遺伝子Eの構成を図2Eに模式的に示す。
(5-2)コンストラクトEを用いた形質転換による形質転換植物体Eの作成
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトEによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトEにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体E」と略称する。
[実施例6]形質転換用コンストラクトF(ProCaMV 35S:At2g18550SRDX)の構築及びシロイヌナズナ植物体の形質転換
(6-1)コンストラクトFの構築
シロイヌナズナAt2g18550遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号44の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号45の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At2g18550遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGAATAACCAGAATGTAGATGATCATAA-3’ (配列番号48)
5’-CATAAATTGGCTCATCCAGTCTAATCCATC-3’ (配列番号49)
得られたAt2g18550遺伝子からストップコドンを除いた部分配列の増幅断片を、常法に従って、SmaIで切断してアガロールゲル電気泳動で回収し、上記の[実施例1](1-1)(a)及び(b)で作製したプロモーターCaMV 35S及び転写抑制ドメインSRDXを有するプラスミドp35SRDXに挿入した。常法によりシークエンスを確認して、At2g18550遺伝子が順方向に導入されたものの中から、更にAt2g18550遺伝子とSRDXの読み枠が一致しているものを選抜した。
得られた形質転換用プラスミドは、プロモーターProCaMV 35S、At2g18550遺伝子、及び転写抑制ドメインSRDXが作動式に連結されてなるキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At2g18550SRDXを担持する。このプラスミドを適宜「コンストラクトF」と略称し、コンストラクトFが担持するキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At2g18550SRDXを適宜「キメラ遺伝子F」と略称する。キメラ遺伝子Fの構成を図2Fに模式的に示す。
(6-2)コンストラクトFを用いた形質転換による形質転換植物体Fの作成
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトFによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトFにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体F」と略称する。
[実施例7]形質転換用コンストラクトG(ProCaMV 35S:At3g61890SRDX)の構築及びシロイヌナズナ植物体の形質転換
(7-1)コンストラクトGの構築
シロイヌナズナAt3g61890遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号46の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号47の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At3g61890遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-gATGGAAGAAGGAGATTTTTTCAACTGCTG-3’ (配列番号50)
5’-TGACCAAAACTCCCACCAGTTAGGGTAATT-3’ (配列番号51)
得られたAt3g61890遺伝子からストップコドンを除いた部分配列の増幅断片を、常法に従って、SmaIで切断してアガロールゲル電気泳動で回収し、上記の[実施例1](1-1)(a)及び(b)で作製したプロモーターCaMV 35S及び転写抑制ドメインSRDXを有するプラスミドp35SRDXに挿入した。常法によりシークエンスを確認して、At3g61890遺伝子が順方向に導入されたものの中から、更にAt3g61890遺伝子とSRDXの読み枠が一致しているものを選抜した。
得られた形質転換用プラスミドは、プロモーターProCaMV 35S、At3g61890遺伝子、及び転写抑制ドメインSRDXが作動式に連結されてなるキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At3g61890SRDXを担持する。このプラスミドを適宜「コンストラクトG」と略称し、コンストラクトGが担持するキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At3g61890SRDXを適宜「キメラ遺伝子G」と略称する。キメラ遺伝子Gの構成を図2Gに模式的に示す。
(7-2)コンストラクトGを用いた形質転換による形質転換植物体Gの作成
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトGによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトGにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体G」と略称する。
[実施例8]形質転換用コンストラクトH(ProCaMV 35S:At4g17460SRDX)の構築及びシロイヌナズナ植物体の形質転換
(8-1)コンストラクトHの構築
シロイヌナズナAt4g17460遺伝子のcDNAを鋳型として、以下の配列番号52の塩基配列を有する5’末端アッパープライマー、及び、以下の配列番号53の塩基配列を有する3’末端ローアープライマーを用いて、前記[実施例1](1-1)(b)と同様の条件でPCR反応を行うことにより、At4g17460遺伝子からストップコドンを除いた部分配列を増幅した。
5’-GATGATGATGGGTAAAGAGGATTTGGGTTT-3’ (配列番号52)
5’-AGACCTAGGACGCATCACATCAAAGGTTGA-3’ (配列番号53)
得られたAt4g17460遺伝子からストップコドンを除いた部分配列の増幅断片を、常法に従って、SmaIで切断してアガロールゲル電気泳動で回収し、上記の[実施例1](1-1)(a)及び(b)で作製したプロモーターCaMV 35S及び転写抑制ドメインSRDXを有するプラスミドp35SRDXに挿入した。常法によりシークエンスを確認して、At4g17460遺伝子が順方向に導入されたものの中から、更にAt4g17460遺伝子とSRDXの読み枠が一致しているものを選抜した。
得られた形質転換用プラスミドは、プロモーターProCaMV 35S、At4g17460遺伝子、及び転写抑制ドメインSRDXが作動式に連結されてなるキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At4g17460SRDXを担持する。このプラスミドを適宜「コンストラクトH」と略称し、コンストラクトHが担持するキメラ遺伝子ProCaMV 35S:At4g17460SRDXを適宜「キメラ遺伝子H」と略称する。キメラ遺伝子Hの構成を図2Hに模式的に示す。
(8-2)コンストラクトHを用いた形質転換による形質転換植物体Hの作成
前記[実施例1](1-2)に記載の手順と同様にして、コンストラクトHによるシロイヌナズナ植物体の形質転換を実施し、首尾よく形質転換された植物体をハイグロマイシン培地による選抜により取得した。こうして得られた、コンストラクトHにより形質転換された植物体を、適宜「形質転換植物体H」と略称する。
[評価]形質転換植物体の形質の確認
形質転換植物体A~Hのつぼみから雄蕊を取り除き(除雄)、未受精のさや(果実)の形質を観察した。また、コントロールとして、野生型のシロイヌナズナ植物体の未受精のさやの形質を同様に観察した。野生型植物体及び形質転換植物体A~Cのつぼみの光学顕微鏡写真を図3に、野生型植物体及び形質転換植物体A~Cのさや(果実)の光学顕微鏡写真を図4にそれぞれ示す。図3及び図4の写真から明らかなように、形質転換植物体A~Cの何れにおいても、野生型植物体と比較して、未受精条件下でのさやの伸長が確認された。また、同様に、形質転換植物体D~Hの何れにおいても、野生型植物体と比較して、未受精条件下でのさやの伸長が確認された。このことより、キメラ遺伝子A~Hを有するコンストラクトA~Hは、シロイヌナズナにおいて自発的さや(果実)伸長(未受精下でのさや伸長)を誘導することが証明された。
また、形質転換植物体A及びCのさや(果実)の縦長を測定した。形質転換植物体A及びCのさやの縦長を示すグラフをそれぞれ図5A及び5Bに示す。形質転換植物体A及びCの何れにおいても、さや(果実)の伸長がみられた。このことより、キメラ遺伝子A及びCを有するコンストラクトA及びCは、シロイヌナズナにおいて自発的さや(果実)伸長(未受精下でのさや伸長)を誘導することが証明された。
本発明は、種子植物において受精を経ずに果実の生長を人為的に誘導することを可能とする技術であることから、特に農業生産分野等で高い利用可能性を有する。

Claims (6)

  1. 受精を介さず果実を生育しうる組換種子植物を作製する方法であって、
    果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする核酸分子、又は、当該核酸分子を担持するベクターを、種子植物細胞内に導入して発現させることを含むと共に、
    前記の果実生長誘導機能を有するポリペプチドが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、及び、配列番号13からなる群より選択されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するポリペプチドであり、
    前記核酸分子が更に、転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列と、転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、インフレームで連結されていると共に、
    転写抑制機能を有するポリペプチドが、配列番号15、配列番号17、配列番号19、及び配列番号21からなる群より選択されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するポリペプチドであり、
    種子植物細胞が、シロイヌナズナの細胞である、方法。
  2. 果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、及び、配列番号14からなる群より選択される塩基配列と80%以上の配列同一性を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 転写抑制機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、配列番号16、配列番号18、配列番号20、及び配列番号22からなる群より選択される塩基配列と80%以上の配列同一性を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記核酸分子が更に、プロモーター領域の塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、プロモーター領域の塩基配列と機能的に連結されている、請求項1~の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記核酸分子が更に、ターミネーター領域の塩基配列を含み、果実生長誘導機能を有するポリペプチドをコードする塩基配列が、ターミネーター領域の塩基配列と機能的に連結されている、請求項1~の何れか一項に記載の方法。
  6. 前記ベクターが植物ウイルスベクター又はアグロバクテリウムベクターである、請求項1~の何れか一項に記載の方法。
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Journal of Experimental Botany,2011年,Vol.62, No.8,p.2815-2826
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The Plant Journal,2002年,Vol.32,p.1011-1022
化学と生物,2014年,Vol.52, No.7,p.438-446
第35回日本植物細胞分子生物学会(さいたま)大会講演要旨集,2017年,第144頁、P-031

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