JP7232388B2 - 回転子の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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本発明は、円柱状の回転子の外周部を覆うスリーブをかしめる工程を有する回転子の製造方法、及び当該製造方法を実施するための製造装置に関する。
永久磁石を用いたモータにおいて、モータを高速回転させた場合に、磁石が破損したり、磁石が脱落したりする場合がある。対策として磁石の周囲を金属製のスリーブでカバーする技術がある。スリーブを磁石に固定する際に接着剤を用い、スリーブを固定しているが、接着剤固化の時間がかかることや、接着剤の発するにおい等の問題から機械的な固定が望まれる(例えば、特許文献1~3)。
スリーブを磁石に固定する方法として、かしめによる固定方法が知られている。この固定方法は金型によりスリーブの端部を被かしめ物に押し付けることにより行われる。例えば特許文献4に係る方法はかしめによる固定方法をマグネットロールに適用した例であるがモータ回転子のスリーブのかしめにも適用可能である。
特開2000-14063号公報 特開2002-10543号公報 特開2001-218403号公報 特開平11-242392号公報
接着剤を用いて固着させる場合には、機械的な力が及ぼされないために寸法精度は良いが、接着が完了するまでに長時間を要するために生産効率を高くすることができない。
特許文献4に開示された固着手法では、接着法に比べて工程を短縮できる。しかしながら、フランジの軸方向に向かって短い時間に圧力をかける方法でスリーブをかしめるので、スリーブの変形に伴う振れ精度の低下、及び、スリーブ自体の膨らみによる寸法精度の低下が避けられない。また、かしめる強度を高めるためには軸方向に強い圧力をかける必要があり、また、金型全体の軸がスリーブの軸から傾いた場合には、かしめ強度の高い部分とかしめ強度が低い部分とが混在するため、回転子自体の寸法精度が低下する虞がある。以上のことから、特許文献4での固着手法は、高い寸法精度を要求される回転子には適用できないという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、スリーブの変形を抑えながら、スリーブ及び磁石の強固な固着を実現できる回転子の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る回転子の製造方法は、非磁性体の円筒状のスリーブと、該スリーブの内部に設けられたリング状マグネットと、前記スリーブの端部が固着されているフランジとを有する回転子を製造する方法であって、前記スリーブの端部を前記フランジに固着させる際に、前記スリーブの端部に、回転子の中心軸に対して外周面を傾斜させて3個一組のローラを接触させ、該ローラの回転と同時に該ローラを回転子の軸方向に移動させて、前記スリーブをかしめる。ここでいう「同時に」とは、ローラを回転子の軸方向に移動させてスリーブの端部それぞれに接触した時点でローラが回転していれば良いことを意味している。
本態様にあっては、スリーブの端部それぞれに3個一組のローラ面を傾斜接触させ、ローラの回転と同時にローラを回転子の軸方向に移動して、スリーブをかしめることにより、スリーブの端部をフランジに固着させる。よって、かしめ処理にてスリーブ及びフランジの固着を行うため、接着剤は不要で低コストであり、固着処理に要する時間も短い。また、振れ精度が悪い、スリーブに変形(膨れ)が生じ易いというかしめ処理の課題を解消する。即ち、かしめ時のスリーブへの負荷は小さく、スリーブの振れ及びスリーブの変形(膨れ)も少ない。更に、ローラの回転と同時にローラを回転子の軸方向に移動させるという動作で、スリーブへの負荷を少なくして、回転子を製造することができる。
本発明に係る回転子の製造方法は、回転子の中心軸方向における前記スリーブに加わる荷重を検出し、検出された荷重を用いた電気的フィードバック制御により、前記スリーブに加わる荷重が増加するように、前記ローラを回転子の中心軸回りに回転させながら該ローラを回転子の中心軸方向に移動させて、前記スリーブをかしめる。
本態様にあっては、電気的フィードバック制御によって、中心軸方向におけるスリーブに加わる荷重を増加させるため、かしめ時のスリーブへの負荷をより正確に制御でき、スリーブの振れ及びスリーブの変形(膨れ)をより低減させることができる。
本発明に係る回転子の製造方法は、回転子の中心軸方向における前記スリーブに加わる荷重が所定値に達した場合、検出される荷重が所定時間、前記所定値で維持されるように前記ローラを回転子の中心軸方向へ移動させる力をフィードバック制御する。
本態様にあっては、スリーブに加わる荷重を所定値に維持したまま、所定時間、ローラを回転させることによって、スリーブの端部が効率良くかしめられ、強固な固着が得られる。
本発明に係る回転子の製造方法は、前記所定時間は、前記スリーブの端部の縁に沿って前記ローラが、複数回回転するのに要する時間である。
本態様にあっては、スリーブに加わる荷重を所定値に維持したまま、円筒状であるスリーブの端部の縁に沿ってローラを複数回回転させることができる。従って、スリーブの端部がより効率良くかしめられ、強固な固着が得られる。
本発明に係る回転子の製造方法は、回転子の中心軸方向における前記スリーブに加わる荷重が検出された場合、前記ローラの回転を開始させる。
本態様にあっては、スリーブの端部にローラが接触した時点、つまりスリーブの端部に負荷がかかる前にローラを回転させることができ、スリーブの振れ及びスリーブの変形(膨れ)を抑えることができる。
本発明に係る回転子の製造方法は、前記スリーブの両端部に前記フランジを固着させる際に、前記スリーブの一方の端部及び他方の端部それぞれに、回転子の中心軸に対して外周面を傾斜させて3個一組の前記ローラを接触させ、各3個一組の前記ローラそれぞれを回転子の中心軸回りに回転させながら該ローラを回転子の中心軸方向に移動させて、前記スリーブをかしめる。
本態様にあっては、スリーブの両端部を同時的にかしめ、当該スリーブの両端部にフランジを固着させることができる。従って、効率的に回転体装置を製造することができる。
本発明に係る回転子の製造方法は、前記一方の端部に接触する前記ローラを回転子の中心軸方向に移動させ、前記他方の端部に接触する前記ローラに加わる荷重を検出することにより、回転子の中心軸方向における前記スリーブに加わる荷重を検出する。
本態様にあっては、一方の端部に接触するローラを回転体装置の中心軸方向に移動させることによって、スリーブをかしめる力が当該両端部に働き、他方の端部に接触するローラに加わる荷重を検出することによって、中心軸方向におけるスリーブに加わる荷重を検出することができる。例えば、一方の端部のローラ側に、当該ローラを移動させる駆動部を設け、他方の端部に荷重センサを設けることができる。従って、スリーブの両端部を同時的にかしめると共に、中心軸方向におけるスリーブに加わる荷重を検出することができ、ローラの移動量をフィードバック制御することができる。
本発明に係る回転子の製造方法は、前記スリーブの一方の端部に接触する3個一組の前記ローラの回転方向と、前記スリーブの他方の端部に接触する3個一組の前記ローラの回転方向とが逆である。
本発明の回転子の製造方法にあっては、スリーブの一方の端部に接触する3個一組のローラと、スリーブの他方の端部に接触する3個一組のローラとで、回転方向を逆にする。よって、スリーブの中央部での変形(膨れ)を抑制できる。
本発明に係る回転子の製造方法は、前記ローラの中心軸を回転子の中心軸に対して傾斜させた。
本発明の回転子の製造方法にあっては、ローラの中心軸を回転子の中心軸に対して傾斜させており、3個一組のローラの中央の空間へのノックアウト用の筒体(頂套)の配置が容易である。
本発明に係る回転子の製造方法は、前記ローラの外周面は、先端面から後端面に向かって広がる傾斜面と、該傾斜面の後端面側に配された内円弧面とを有する。
本発明の回転子の製造方法にあっては、先端面から後端面に向かって広がる傾斜面と、傾斜面の後端面側に配された内円弧面とを含む外周面(加工面)を有するローラを使用する。よって、スリーブの端部が効率良くかしめられ、スリーブの端部が多くフランジに食い込むため、強固な固着が得られる。
本発明の回転子の製造方法は、前記ローラの外周面は、先端面から後端面に向かって広がる水平面と、該水平面の後端面側に配された内円弧面とを有しており、前記ローラの中心軸を回転子の中心軸に対して傾斜させた。
本発明の回転子の製造方法にあっては、傾斜面を持たない外周面を有するローラを使用する場合でも、ローラの中心軸を回転子の中心軸に対して傾斜させることにより、ローラの外周面を回転子の中心軸に対して傾斜させることができる。
本発明に係る回転子の製造方法は、前記ローラを回転子の軸方向に移動させる最後に、前記ローラの前記内円弧面を前記スリーブの端部に接触させる。
本発明の回転子の製造方法にあっては、ローラを回転子の軸方向に移動させる最後の過程で、ローラの内円弧面をスリーブの端部に接触させる。よって、スリーブの端部を更に強固にフランジに食い込ませることができる。
本発明に係る回転子の製造装置は、非磁性体の円筒状のスリーブと、該スリーブの内部に設けられたリング状マグネットと、前記スリーブの端部が固着されているフランジとを有する回転子を製造する装置であって、前記スリーブの端部に接触する3個のローラを有するかしめ機と、該かしめ機を回転させる回転部と、前記かしめ機を回転子の軸方向に移動させる移動部とを備えており、前記ローラは、その外周面を回転子の中心軸に対して傾斜させて配置してあり、前記ローラの回転と同時に該ローラを回転子の軸方向に移動させて、前記スリーブをかしめて前記スリーブ及びフランジを固着させるように構成してある。ここでいう「同時に」とは、ローラを回転子の軸方向に移動させてスリーブの端部それぞれに接触した時点でローラが回転していれば良いことを意味している。
本発明では、かしめ処理にてスリーブ及びフランジの固着を行っているので、接着処理に比べて、接着剤が不要でコストを低減できる、接着剤の硬化管理が不要であるため作業スペース及び処理時間を低減できるなどの効果を奏する。また、かしめ時のスリーブへの負荷が小さいため、スリーブの変形量が少なくなって、スリーブの振れ精度を高くでき、スリーブの変形(膨れ)も抑えながら、強度な固着を達成することができる。
モータの回転子の構成を示す図である。 回転子又は被かしめ材の組み立て方法を示す図である。 第1実施形態に係る製造装置の構成を示す図である。 3個のローラの配置状態を示す図である。 第1実施形態に係るかしめ処理開始時の状態を示す模式図である。 第1実施形態に係るローラの断面形状を示す図である。 かしめ処理におけるスリーブの変形の遷移を示す図である。 かしめ処理におけるスリーブの変形の遷移を示す図である。 第2実施形態に係る製造装置の構成を示す図である。 第2実施形態に係るかしめ処理開始時の状態を示す模式図である。 第2実施形態の第1例に係るローラの断面形状を示す図である。 第2実施形態の第2例に係るローラの断面形状を示す図である。 第3実施形態に係る製造装置の構成を示す図である。 第3実施形態に係る製造装置の制御に関する構成を示すブロック図である。 かしめ処理開始時の製造装置の構成を示す図である。 第3実施形態に係る製造方法の処理手順を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る荷重制御の一例を示すグラフである。 第3実施形態に係る荷重制御の他の例を示すグラフである。 第4実施形態に係る製造装置の構成を示す図である。 回転子の他の例を示す図である。
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、モータの回転子1の構成を示す図である。図1Aは回転子1の縦断面図、図1Bは図1AのA-A線における横断面図である。回転子1は、円筒状のスリーブ2と、スリーブ2の内部に配置されたマグネット部材3と、スリーブ2の長手方向の両端部の内側に固着されたフランジ(カバー)4a,4bとを有する。
スリーブ2は、例えばアルミニウム合金、非磁性ステンレス鋼などの非磁性金属材料で作製されている。
マグネット部材3は、磁性体材料からなる円筒状のヨーク6と、当該ヨーク6の外周側に固定される円筒状のマグネット(リング状マグネット)5とを備える。マグネット5は、厚さ方向に放射状に配向したラジアル異方性リングマグネットである。マグネット5は、例えばネオジム・鉄・ボロン(NdFeB)粉末を圧縮成型し、その後焼結及び必要な熱処理を施し、着磁が行われている。
着磁は例えば外周面側N極の磁極と、外周面側S極の磁極とが円周方向に沿って交互に略等間隔に複数個配されるように行われる。
ヨーク6の中心部には軸方向に貫通した孔部が形成されており、当該孔部にシャフト6aが挿入固定されている。ヨーク6は金属などの高強度材料により構成され、マグネット5と接着など公知の方法で一体化されている。
なお円筒状のマグネット5はラジアル異方性リング磁石ではなく極異方性リング磁石であっても良い。極異方性リング磁石の場合には丸棒状のヨーク6に代えて非磁性の丸棒を使用してもよい。
また等方性リング磁石をラジアル方向や極異方性方向に着磁してもよい。
また複数の弓形マグネットをヨーク6の外周面に張り付けリング形状としてもよい。
フランジ4a,4bは、例えばアルミニウム合金、非磁性ステンレス鋼などの非磁性金属材料で作製されている。スリーブ2とフランジ4a,4b(スリーブ2の両端部のカバー)に用いる材料(非磁性金属材料)については、本発明の効果を奏するように、それぞれに使用する金属の硬度等を考慮し適宜設定すれば良い。
なお、シャフト6aとなる丸棒を圧縮成型装置の金型内に配設し、丸棒の周囲に磁性粉末及び樹脂を混合させた磁性組成物を供給し、加圧成型して、一体化させた後、マグネット5の周方向に複数の磁極を着磁させて、マグネット部材3を作製しても良い。
図2は回転子1又は被かしめ材11の組み立て方法を示す図である。このような構成をなす回転子1の製造工程について簡単に説明する。まず、図2Aに示すようにシャフト6aが挿入固定されたヨーク6と、マグネット5と、フランジ4aと、スリーブ2とを用意する。ヨーク6の中心軸方向一端側にはフランジ4bが固定されている。フランジ4bは、例えばシャフト6aが貫通する貫通孔を有しており、貫通孔にシャフト6aが挿入され、ヨーク6の一端側にて固定されている。
そして、図2A及び図2Bに示すように、ヨーク6にマグネット5を挿入する。フランジ4bの外径はヨーク6の外径よりも大きく形成されているため、ヨーク6に挿入されたマグネット5はフランジ4bに掛かり止まる。
次いで、図2B及び図2Cに示すように、フランジ4aをシャフト6aに挿入し、ヨーク6の他端側に固定する。最後に、図2C及び図2Dに示すように、マグネット5の外側にスリーブ2を被せ、後述するかしめ処理によって、フランジ4a,4bにスリーブ2の両端部を固着させる。
以下、本発明の特徴である、スリーブ2とフランジ4a,4bとを固着させるためのかしめ処理について、第1実施形態(ローラ15の中心軸と回転子1の中心軸とが平行である形態)と、第2実施形態(ローラ15の中心軸が回転子1の中心軸に対して傾斜している形態)とに分けて詳述する。
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態に係る製造装置の構成を示す図である。実施形態1に係る製造装置は、かしめ処理により回転子1を製造する装置である。図3において、10はベースであり、11は被かしめ材である。被かしめ材11は、スリーブ2の内部にフランジ付きのマグネット部材3を挿通させてなるかしめ対象である。
ベース10上には、被かしめ材11を支持する支持台12が設けられており、支持台12の上方には、支持台12との間で被かしめ材11の中央部を挟めるように、固定具13が設けられている。支持台12は、被かしめ材11のベース10上での位置を調整するための調整機構(図示せず)を備えている。固定具13は上下動が可能であり、かしめ処理時に被かしめ材11に当接して被かしめ材11を固定する。
また、ベース10上には、適長離れて2台のかしめ機取付け台16,16が載置されている。かしめ機取付け台16,16の内側面には、かしめ機14,14が取り付けられている。各かしめ機14は同じ構成であり、ローラ台座14aに3個のかしめ用のローラ15,15,15が取り付けられた構成を有する。ローラ台座14aは、例えば円盤状であり、支持台12側の円板面にローラ15,15,15が取り付けられている。
図4は3個のローラ15,15,15の配置状態を示す図である。図4に示すように、3つのローラ15,15,15は、中心線のまわりに120°の位相角をもって周方向に配列されている。各ローラ15,15,15の中心軸は、被かしめ材11の中心軸と平行である。言い換えると、各ローラ15,15,15の中心軸は、かしめ機取付け台16の移動方向と略平行である。ローラ台座14a内での3個のローラ15,15,15で囲まれた位置、つまりローラ台座14aの中心に、ノックアウト用の筒体14bが設けられている。
各ローラ台座14aには、かしめ機取付け台16を介して、回転機17が接続されており、回転機17の駆動により、かしめ機14が回転するようになっている。また、各かしめ機取付け台16には水平移動機18が接続されており、水平移動機18の駆動により、かしめ機取付け台16(及びかしめ機14)が被かしめ材11の軸方向に水平移動するようになっている。
図5は、第1実施形態に係るかしめ処理開始時の状態を示す模式図である。図5において、図3と同一部分には同一番号を付している。ローラ15は、上述したような駆動機構(回転機17及び水平移動機18)により、被かしめ材11の軸芯を中心とした回転移動と、被かしめ材11の軸方向(図5の左右方向)の水平移動とが可能である。かしめ処理時には、両かしめ機14,14は、被かしめ材11の中央側に向かう方向に直線移動し(図5の矢印a参照)、反対方向(逆方向)に回転移動する(図5の矢印b参照)。なお、反対方向(逆方向)に回転移動するとは、図5において被かしめ材11を絞る(ねじる)ように両かしめ機14,14が回転することであって、例えば図5において、左側側面から見た場合、左側のかしめ機14は時計回りに回転しており、右側側面から見た場合、右側のかしめ機14も時計回りに回転していることをさす。このような両かしめ機14,14の移動により、かしめ処理時に、一方の3個一組のローラ15,15,15と他方の3個一組のローラ15,15,15とは、互いに逆方向に回転すると同時に、被かしめ材11の中央側に向かう方向に移動する。また、かしめ処理時には、支持台12と固定具13との挟持により、被かしめ材11の中央部が支持固定される。ここでいう「同時に」とは、ローラ15,15,15が水平方向に移動して被かしめ材11に接触した時点で回転していれば良いことを意味している。言い換えるとローラ15,15,15を回転させつつ、被かしめ材11の中央側に向かう方向に移動させれば良い。つまりローラ15,15,15が被かしめ材11に接触する前であれば回転開始と中央側への移動開始との先後はどちらでも良い。
図6は第1実施形態に係るローラ15,15,15の断面形状を示す図である。各ローラ15,15,15は同一の形状をなしており、その断面形状を図6に示す。スリーブ2に接触するローラ15の外周面(加工面)15aは、先端面から後端面に向かって広がる傾斜面15bと、傾斜面15bの後端面側に配された内円弧面15cとを有する。傾斜面15bを有することにより、外周面(加工面)15aを被かしめ材11(回転子1)の中心軸に対して傾斜させて、ローラ15がスリーブ2に接触する。回転する各ローラ15の外周面(加工面)15aがスリーブ2の端部に接触し、スリーブ2の端部を押圧してかしめることにより、スリーブ2とフランジ4a,4bとの固着がなされる。
図7及び図8は、かしめ処理におけるスリーブ2の変形の遷移を示す図である。図7A及び図8Aは、かしめ処理を行う前の状態を示しており、フランジ4a,4bに変形していないスリーブ2が接触している。
図7Bは、かしめ処理の前半の状態を示しており、ローラ15の外周面15aの傾斜面15bがスリーブ2に当接している。図7Bにおいて、矢印の長さはスリーブ2の端部に加えられる力の大きさを表している。スリーブ2の径方向に加えられる力(矢印d)は、スリーブ2の軸方向に加えられる力(矢印e)より大きく、スリーブ2の端部が少し曲げられる。傾斜面15bの形状(傾斜角度)を調整することにより、このような加えられる力の大小関係を実現できる。
図7C及び図8Bは、かしめ処理の後半(最後の過程)の状態を示しており、ローラ15の外周面15aの内円弧面15cがスリーブ2に当接している。図7Cにおいて、矢印の長さはスリーブ2の端部に加えられる力の大きさを表しており、スリーブ2の軸方向に加えられる力(矢印f)は、スリーブ2の径方向に加えられる力(矢印g)より大きく、スリーブ2の端部が更に曲げられてフランジ4a,4bに食い込む。
(第2実施形態)
次に、回転子1の中心軸に対してローラ15の中心軸を傾斜させている第2実施形態について説明する。図9は、第2実施形態に係る製造装置の構成を示す図であり、図10は、第2実施形態に係るかしめ処理開始時の状態を示す模式図である。図9及び図10において、図3及び図5と同一部分には同一番号を付している。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、3個のローラ15,15,15が図4に示すように周方向に120°の位相角をもってローラ台座14aに設置されているが、各ローラ15は、第1実施形態と異なり、被かしめ材11の中心軸に対してθだけ外側に(中心軸から離れる方向に)傾斜して設けられている。θの大きさは、例えば10°である。他の構成は、前述した第1実施形態と同じであるので、その説明は省略する。
被かしめ材11(回転子1)の中心軸から外側に中心軸を傾斜させてローラ15を設けているので、第1実施形態と比べて、3個一組のローラ15,15,15の中央の空間にノックアウト用の筒体14b(頂套)を容易に配置することが可能である。
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、かしめ処理時には、両かしめ機14,14が、被かしめ材11の中央側に向かう方向に直線移動し(図10の矢印a参照)、反対方向に回転移動する(図10の矢印b参照)ことにより、一方の3個一組のローラ15,15,15と他方の3個一組のローラ15,15,15とが、互いに逆方向に回転すると同時に、被かしめ材11の中央側に向かう方向に移動する。そして、回転する各ローラ15の外周面(加工面)15aがスリーブ2の端部に接触し、スリーブ2の端部を押圧してかしめることにより、スリーブ2とフランジ4a,4bとの固着がなされる。
図11は、第2実施形態の第1例に係るローラ15の断面形状を示す図である。このローラ15の外周面(加工面)15aは、第1実施形態と同様に、先端面から後端面に向かって広がる傾斜面15bと、傾斜面15bの後端面側に配された内円弧面15cとを有する。
この第1例では、かしめ処理の前半にあって、ローラ15の外周面15aの傾斜面15bがスリーブ2に当接する(図7B参照)。スリーブ2の径方向に加えられる力(矢印d)がスリーブ2の軸方向に加えられる力(矢印e)より大きくなって、スリーブ2の端部が少し曲げられる。被かしめ材11の中心軸に対するローラ15の傾斜角度θ及び/又は傾斜面15bの形状(傾斜角度)を調整することにより、このような加えられる力の大小関係を実現できる。かしめ処理の後半にあって、ローラ15の外周面15aの内円弧面15cがスリーブ2に当接する(図7C参照)。スリーブ2の軸方向に加えられる力(矢印f)が、スリーブ2の径方向に加えられる力(矢印g)より大きくなって、スリーブ2の端部が更に曲げられてフランジ4a,4bに食い込む。
図12は、第2実施形態の第2例に係るローラ15の断面形状を示す図である。このローラ15の外周面(加工面)15aは、第1実施形態及び上記第1例とは異なり、傾斜面を有しておらず、先端面から後端面に向かって広がる水平面15dと、水平面15dの後端面側に配された内円弧面15cとを有している。第2例では、ローラ15は傾斜面を持たないが、ローラ15の中心軸を被かしめ材11(回転子1)の中心軸に対して傾斜させているので、第1実施形態及び第1例と同様に、外周面(加工面)15aを被かしめ材11(回転子1)に対して傾斜させて、ローラ15がスリーブ2に接触する。
この第2例では、かしめ処理の前半にあって、ローラ15の外周面15aの水平面15dがスリーブ2に当接する(図7B参照)。スリーブ2の径方向に加えられる力(矢印d)がスリーブ2の軸方向に加えられる力(矢印e)より大きくなって、スリーブ2の端部が少し曲げられる。被かしめ材11の中心軸に対するローラ15の傾斜角度θを調整することにより、このような加えられる力の大小関係を実現できる。かしめ処理の後半にあって、ローラ15の外周面15aの内円弧面15cがスリーブ2に当接する(図7C参照)。スリーブ2の軸方向に加えられる力(矢印f)が、スリーブ2の径方向に加えられる力(矢印g)より大きくなって、スリーブ2の端部が更に曲げられてフランジ4a,4bに食い込む。
以上のように、本発明では、かしめ処理にてスリーブ2及びフランジ4a,4bの固着を行っている。よって、接着処理にて固着する場合に比べて、接着剤が不要であるのでコストを低減できる。また、接着剤の硬化管理が不要であるため作業スペース及び処理時間を低減できる。一方で、振れ精度が悪い、スリーブ2に変形(膨れ)が生じ易いというようなかしめ処理の課題を解消できる。かしめ時のスリーブ2への負荷が小さいため、スリーブ2の変形量が少なくなって、スリーブ2の振れ精度を高くでき、スリーブ2の変形(膨れ)も抑えながら、強固な固着を達成することができる。
3個一組のローラ15,15,15を二組設けているため、スリーブ2の両端部に対して同時にかしめ処理を施せるため、固着に要する時間を短縮できる。
ローラ15の外周面(加工面)15aを被かしめ材11の軸方向に対して傾斜させて、しかも、ローラ15の回転と同時に被かしめ材11の軸方向にローラ15を移動させるので、スリーブ2の端部は効率良く曲面状にかしめられる。よって、スリーブ2がフランジ4a,4bに多く食い込むことで、スリーブ2とフランジ4との強固な固着が得られることになる。また、スリーブ2の端部にローラ15が点で接触するので、スリーブ2の端部に圧力を効率良くかけることができる。
一方の3個一組のローラ15,15,15と他方の3個一組のローラ15,15,15とを、互いに逆方向に回転させながら、軸方向に移動させるので、スリーブ2の端部以外における変形を抑制することができる。
かしめ処理の最終的な過程で、ローラ15の外周面(加工面)15aの内円弧面15cがスリーブ2の端部に接触するので、スリーブ2の端部を更に強固にフランジ4a,4bに組み込ませることができる。この際、スリーブ2を軸方向に押す力が少なからず発生するが、すでに食い込まれた部分が存在するため、スリーブ2を軽く曲げる程度の力では、スリーブ2の変形にはつながらず、寸法精度の低下は起こらない。
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態に係る製造装置の構成を示す図である。第3実施形態に係る制御装置は、かしめ処理において、被かしめ材11にかかる荷重をフィードバック制御するように構成した点及びかしめ機取付け台316を直動させる駆動部318を一端側にのみ設けた点が第1及び第2実施形態と異なる。他の構成は、前述した第1実施形態と同じであるので、対応する部材には同様の符号を付して、その説明は省略する。
ベース310上には、直線状のガイドレール310aが敷設され、ガイドレール310aの中央部には被かしめ材11を支持する支持台312が設けられている。支持台312は、ガイドレール310aに沿って移動可能なスライダ312aを下部に有し、ガイドレール310aに沿って移動することができる。支持台312の上方には、支持台312との間で被かしめ材11の中央部を挟めるように、固定具313が設けられている。固定具313はエアプッシャー等の直動機構によって、上下動可能であり、かしめ処理を開始する際、直動機構によって固定具313を下方へ移動させることによって、被かしめ材11を支持台312と固定具313との間に挟み込み、固定することができる。
なお、支持台312はガイドレール310aの中央部に固定されていても良い。
また、支持台312を挟んでガイドレール310aの両端側には、2台のかしめ機取付け台316,316が設けられている。かしめ機取付け台316,316は、例えば略直方体形状であり、その下部に、ガイドレール310aに沿って移動可能なスライダ316a,316aを有し、ガイドレール310aに沿って移動することができる。2つのかしめ機取付け台316,316の内側面、つまり支持台312の方を向いた側面にかしめ機14,14が取り付けられている。
各かしめ機14,14は、第1及び第2実施形態と同様の構成である。各ローラ台座14aには、かしめ機取付け台316,316を介して、回転モータ317,317が接続されており、回転モータ317,317の駆動により、かしめ機14,14がその中心線を軸にして回転するようになっている。
一方のかしめ機取付け台316(例えば、図13中右側のかしめ機取付け台316)には、かしめ機取付け台316をガイドレール310aに沿って直線移動させる駆動部318が設けられている。駆動部318は、例えば、スライダ316aをガイドレール310aに沿って直線移動させるボールネジ等の駆動機構318c、図示しないモータを有し、モータ駆動によりかしめ機取付け台316を移動させる。駆動部318によって、かしめ機取付け台316と共にかしめ機14を被かしめ材11の中心軸方向に水平移動させることができる。
なお、駆動部318の機構は特に限定されるものではなく、リニアモータ、シャフトモータ等、電気的フィードバック制御により、かしめ機14の水平移動を制御できるものであれば良い。
他方のかしめ機取付け台316(例えば、図13中左側のかしめ機取付け台316)には、駆動部318が設けられておらず、ガイドレール310aに沿って受動的に移動するようになっている。ただし、かしめ機取付け台316は後述の荷重センサ319に接続されているため、荷重センサ319による荷重検出に必要な範囲で移動する。一方のかしめ機取付け台316が図13中左方向へ移動し、被かしめ材11の一端部に当接して当該被かしめ材11を左側へ移動させ、被かしめ材11の他端部が当該他方のかしめ機取付け台316に当接すると、駆動部318の駆動力によって、両かしめ機14及び被かしめ材11は一体的に図13中左側へ移動することになる。つまり、被かしめ材11に加わる荷重に応じてかしめ機取付け台316がわずかに荷重センサ319側へ移動し、当該荷重が荷重センサ319に加わる。
前述のように他方のかしめ機取付け台316には回転モータ317を介して、荷重センサ319が設けられている。荷重センサ319は、他方のかしめ機取付け台316のかしめ機14に加わる荷重、特に被かしめ材11の中心軸方向、あるいはかしめ機14及びかしめ機取付け台316の移動方向における荷重を検出する。荷重センサ319は、他方のかしめ機取付け台316に設けられた回転モータ317に当接する箇所、例えば図13中左方に設けられている。より具体的には、図13に示すように、荷重センサ319を支持するセンサ支持部310bが設けられており、荷重センサ319は、センサ面が支持台312側を向き、他方のかしめ機取付け台316に設けられた回転モータ317の中心部に対向する位置及び姿勢でセンサ支持部310bに取り付けられている。
図14は、第3実施形態に係る製造装置の制御に関する構成を示すブロック図である。製造装置は、2つのかしめ機14,14の回転モータ317,317を動作させるモータ制御部317a,317a及びモータアンプ317b,317bと、駆動部318を動作させる駆動制御部318a及び駆動アンプ318bと、荷重センサ319を用いて荷重を検出するためのセンサアンプ319aと、シーケンサ320とを備える。
モータアンプ317b,317bは、回転モータ317,317に電流を供給して回転させる。モータ制御部317a,317aは、モータアンプ317b,317bによる電流供給を制御することによって、回転モータ317,317を制御する。
駆動アンプ318bは、電流を駆動部318のモータに電流を供給して、かしめ機取付け台316,316を移動させる。駆動制御部318aは、駆動アンプ318bによる電流供給を制御することによって、かしめ機14,14をガイドレール310aに沿って直線移動させる。
センサアンプ319aは、荷重センサ319が検出した荷重を増幅し、検出された荷重を示す信号をシーケンサ320へ出力する。
図15は、かしめ処理開始時の製造装置の構成を示す図である。シーケンサ320は、センサアンプ319aから出力された荷重の信号を受信し、駆動制御部318a及びモータ制御部317a,317aへ制御信号を出力することによって製造装置の動作を制御する。また、固定具313の上下動を制御する。
具体的には、かしめ処理の開始指示が入力されると、シーケンサ320は、駆動制御部318aへ制御信号を出力することによって、一方のかしめ機取付け台316(右側のかしめ機取付け台316)を支持台312の方向へ移動させる。そして、シーケンサ320は、中心軸方向における被かしめ材11に加わる荷重を検出し、図15に示すように被かしめ材11にかしめ機14が当接すると同時に、2つのかしめ機14,14のローラ15,15,15を回転させる。また、シーケンサ320は、被かしめ材11に加わる荷重に応じて、上記一方のかしめ機取付け台316の水平移動を制御することによって、被かしめ材11の両端部に加わる荷重を制御する。かしめ処理を終了すると、シーケンサ320は、かしめ機14,14のローラ15,15,15の回転を停止させ、上記一方のかしめ機取付け台316及びかしめ機14を図15中右方向へ移動させて制御装置を停止させる。基本的なかしめ処理の方法は、第1及び第2実施形態と同様である(図7参照)。なお、本実施形態1に係る製造装置の場合、2つのかしめ機14,14はガイドレール310aに沿って移動可能であるため、かしめ機14,14のローラ15,15,15が被かしめ材11に当接する位置及びタイミングを予め正確に知ることができない。このため、シーケンサ320は、荷重センサ319から出力される信号に基づいて、かしめ機14,14のローラ15,15,15が被かしめ材11の先端部に当接したかどうかを検知し、被かしめ材11にローラ15,15,15が当接した時点でローラ15,15,15が回転していない場合、大きな荷重が被かしめ材11に加わる前にローラ15,15,15の回転を開始させると良い。
また、かしめ機14,14を移動させると共にかしめ機14,14のローラ15,15,15の回転を開始させるように構成しても良い。
次に、シーケンサ320による製造装置のフィードバック制御について説明する。
図16は、第3実施形態に係る製造方法の処理手順を示すフローチャート、図17は、第3実施形態に係る荷重制御の一例を示すグラフ、図18は、第3実施形態に係る荷重制御の他の例を示すグラフである。図17及び図18中、横軸は時間、縦軸は被かしめ材11に加わる中心軸方向の荷重を示している。
シーケンサ320は、駆動制御部318aへ制御信号を出力することによって、かしめ機取付け台316及びかしめ機14を支持台312の方向へ移動させる(ステップS11)。次いで、シーケンサ320は、荷重センサ319から出力される信号を取得することによって、被かしめ材11に加わる回転軸方向の荷重を検出する(ステップS12)。
次いで、シーケンサ320は、ステップS12で取得した荷重に基づいて、かしめ機14のローラ15,15,15が被かしめ材11の端部に接触したか否かを判定する(ステップS13)。ローラ15,15,15が被かしめ材11の端部に接触していないと判定した場合(ステップS13:NO)、シーケンサ320は処理をステップS11へ戻し、かしめ機14の水平移動を継続させる。
ローラ15,15,15が被かしめ材11の端部に接触したと判定した場合(ステップS13:YES)、シーケンサ320は、制御信号をモータ制御部317a,317aへ出力することによって、2つのかしめ機14,14のローラ15,15,15の回転を開始させる(ステップS14)。次いで、シーケンサ320は、ステップS12と同様にして被かしめ材11に加わる軸方向の荷重を検出し(ステップS15)、被かしめ材11に加わる荷重を増加させるように、かしめ機取付け台316の移動を制御する(ステップS16)。例えば、シーケンサ320は図17中、矢印(1)で示すように、被かしめ材11に加わる荷重が直線的に増加するように、駆動部318の動作を制御する。また、シーケンサ320は図18中、矢印(1)で示すように、被かしめ材11に加わる荷重が直線的に増加し、次いで矢印(2)で示すように荷重の増加率が徐々に抑えられるように、駆動部318の動作を制御しても良い。図17及び図18に示した荷重制御は一例である。
次いで、シーケンサ320は被かしめ材11の中心軸方向の荷重が所定値未満であるか否かを判定する(ステップS17)。荷重が所定値未満であると判定した場合(ステップS17:YES)、シーケンサ320は処理をステップS15へ戻し、被かしめ材11に加わる荷重を漸増させる処理を継続させる。
荷重が所定値以上であると判定した場合(ステップS17:NO)、シーケンサ320は、ステップS15と同様にして被かしめ材11に加わる軸方向の荷重を検出し(ステップS18)、図17中の矢印(2)、図18中の矢印(3)で示すように、被かしめ材11に加わる荷重を所定値に維持するように制御する(ステップS19)。次いで、シーケンサ320は、荷重が所定値になった後、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS20)。所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS20:NO)、シーケンサ320は処理をステップS18へ戻し、所定値の荷重が被かしめ材11の両端部にかかった状態を維持する。
所定時間が経過したと判定した場合(ステップS20:YES)、シーケンサ320は停止信号をモータ制御部317a,317aへ出力すると共に、かしめ機取付け台316,316を支持台312から離す方向へ移動させることにより、かしめ処理を停止させ(ステップS21)、処理を終える。
以上のように、第3実施形態では電気的フィードバック制御によって、スリーブ2に加わる荷重を増加させる構成であるため、かしめ時のスリーブ2への負荷をより正確に制御でき、スリーブ2の振れ及びスリーブ2の変形(膨れ)をより低減させることができる。
具体的には、図17及び図18に示すようにスリーブ2に加わる荷重を漸増させることにより、より効果的にリーブの振れ及びスリーブ2の変形(膨れ)を低減させることができる。
また、スリーブ2に加わる荷重を所定値に維持したまま、所定時間、ローラ15,15,15を回転させることによって、スリーブ2の端部が効率良くかしめられ、強固な固着が得られる。
更に、スリーブ2に加わる荷重を所定値に維持したまま、スリーブ2の端部の縁部分に沿ってローラ15,15,15が複数回回転させることができる。従って、スリーブ2の端部がより効率良くかしめられ、強固な固着が得られる。
更にまた、スリーブ2の端部にローラ15,15,15が接触した時点、つまりスリーブ2の端部に負荷がかかる前にローラ15,15,15を回転させることができ、スリーブ2の振れ及びスリーブ2の変形(膨れ)を抑えることができる。
更にまた、駆動部318を一方のかしめ機14(図13中右側)側に、荷重センサ319を他方のかしめ機14(図13中左側)側に、直線的に配置することにより、効率的な配置構成でスリーブ2の両端部を同時的にかしめると共に、中心軸方向におけるスリーブ2に加わる荷重を検出することができ、ローラ15,15,15の移動量をフィードバック制御することができる。
(第4実施形態)
図19は、第4実施形態に係る製造装置の構成を示す図である。第4実施形態に係る製造装置は、単一のかしめ機414を備え、その中心線から径方向へ移動可能な3個のローラ15,15,15を備える点と、荷重センサ419に治具419aが設けられている点が第3実施形態と異なる。
第4実施形態に係る製造装置は、第3実施形態と同様の荷重センサ419を備える。荷重センサ419は、例えばセンサ面を上側にして固定されている。荷重センサ419のセンサ面には被かしめ材11を固定するための治具419aが設けられている。治具419aは、スリーブ2の中心軸方向がセンサ面と略垂直になるような姿勢で、被かしめ材11のシャフト6aを回転しないように保持する。例えば、治具419aは、シャフト6aを保持する3つ爪チャックを有する。
第4実施形態に係るかしめ機414は、円盤状のローラ台座414aを備え、治具419a側の円板面に3個のかしめ用のローラ15,15,15が取り付けられている。ローラ台座414aは駆動軸417aによって回転する。3つのローラ15,15,15は、ローラ台座414aの中心線のまわりに120°の位相角をもって周方向に配列されている。各ローラ15,15,15の中心軸は、被かしめ材11の中心軸と平行である。言い換えると、各ローラ15,15,15の中心軸は、荷重センサ419のセンサ面に対して垂直である。また、各ローラ15,15,15は、中心軸から径方向へ移動可能に構成されている。好ましくは、各ローラ15,15,15と、中心軸との距離が等しい状態を保ったまま、連動して各ローラ15,15,15が移動するように構成すると良い。例えば、ローラ台座414aはネジ機構で径方向へスライドする3つの爪部を有し、各爪部にローラ15,15,15が設けられている。
このように構成された製造装置を用いたかしめ処理の方法を説明する。まず、被かしめ材11のシャフト6aを治具419aに固定する。そして、ローラ15,15,15の外周面15a,15a,15aがスリーブ2の端部に当たるように、各ローラ15,15,15の位置を調整する。後は第3実施形態と同様、かしめ機414を動作させ、かしめ処理を実行する。つまり、各ローラ15,15,15を回転させながらかしめ機414を被かしめ材11の方向へ移動させ、被かしめ材11の中心軸方向に加わる荷重をフィードバック制御する。荷重の制御方法は第3実施形態と同様である。
なお、被かしめ材11のもう一方の端部をかしめる際は、被かしめ材11を治具419aから取り外し、他方のシャフト6aを治具419aに固定し、同様にしてかしめ処理を実行すれば良い。
第4実施形態に係る製造装置によれば、径が異なる被かしめ11の端部をかしめ、回転子1を製造することができる。
(変形例)
図20は回転子1の他の例を示す図である。第1~第4実施形態では、円筒状のスリーブ2の両端部をかしめる例を説明したが、図20に示すように有底円筒状のスリーブ502を用いて、開放端をかしめるようにしても良い。具体的には、シャフト6aが挿入固定されたフランジ4a付きのヨーク6にマグネット部材3を挿入し、シャフト6aが貫通する孔部を底部に有する有底円筒状のスリーブ502をマグネット部材3に被せる。そして、実施形態4に係る製造装置を用いてスリーブ502の端部をかしめることによって、回転子1を製造することができる。変形例によれば、スリーブ502の一端部をかしめるだけで良いので効率的に回転子1を製造することができる。
なお、開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 回転子
2,502 スリーブ
3 マグネット部材
4 フランジ
5 マグネット
6 ヨーク
6a シャフト
10 ベース
11 被かしめ材
12 支持台
13 固定具
14 かしめ機
14a ローラ台座
14b 筒体
15 ローラ
15a 外周面(加工面)
15b 傾斜面
15c 内円弧面
15d 水平面
16 かしめ機取付け台
17 回転機
18 水平移動機
310 ベース
310a ガイドレール
310b センサ支持部
312 支持台
312a スライダ
313 固定具
314 かしめ機
314a ローラ台座
315 ローラ
316 かしめ機取付け台
316a スライダ
317 回転モータ
317a モータ制御部
317b モータアンプ
318 駆動部
318a 駆動制御部
318b 駆動アンプ
318c 駆動機構
319 荷重センサ
319c センサアンプ
320 シーケンサ

Claims (12)

  1. 非磁性体の円筒状のスリーブと、該スリーブの内部に設けられたリング状マグネットと、前記スリーブの端部が固着されているフランジとを有する回転子を製造する方法であって、
    前記スリーブの両端部に前記フランジを固着させる際に、前記スリーブの一方の端部及び他方の端部それぞれに、回転子の中心軸に対して外周面を傾斜させて3個一組のローラを接触させ、前記スリーブの一方の端部に接触する3個一組の前記ローラの回転方向と、前記スリーブの他方の端部に接触する3個一組の前記ローラの回転方向とを逆とし、各3個一組の前記ローラそれぞれを回転子の中心軸回りに回転させながら該ローラを回転子の中心軸方向に移動させて、前記スリーブをかしめる
    回転子の製造方法。
  2. 前記一方の端部に接触する前記ローラを回転子の中心軸方向に移動させ、前記他方の端部に接触する前記ローラに加わる荷重を検出することにより、回転子の中心軸方向における前記スリーブに加わる荷重を検出する
    請求項1に記載の回転子の製造方法。
  3. 前記ローラの中心軸を回転子の中心軸に対して傾斜させた
    請求項1又は請求項2に記載の回転子の製造方法。
  4. 前記ローラの外周面は、先端面から後端面に向かって広がる傾斜面と、該傾斜面の後端面側に配された内円弧面とを有する
    請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の回転子の製造方法。
  5. 非磁性体の円筒状のスリーブと、該スリーブの内部に設けられたリング状マグネットと、前記スリーブの端部が固着されているフランジとを有する回転子を製造する方法であって、
    前記スリーブの端部を前記フランジに固着させる際に、前記スリーブの端部に接触するローラの外周面は、先端面から後端面に向かって広がる水平面と、該水平面の後端面側に配された内円弧面とを有しており、前記ローラの中心軸を回転子の中心軸に対して傾斜させることにより、前記スリーブの端部に、回転子の中心軸に対して外周面を傾斜させて3個一組の前記ローラを接触させ、該ローラの回転と同時に該ローラを回転子の軸方向に移動させて、前記スリーブをかしめる
    回転子の製造方法。
  6. 前記ローラを回転子の軸方向に移動させる最後に、前記ローラの前記内円弧面を前記スリーブの端部に接触させる
    請求項4又は請求項5に記載の回転子の製造方法。
  7. 回転子の中心軸方向における前記スリーブに加わる荷重を検出し、
    検出された荷重を用いた電気的フィードバック制御により、前記スリーブに加わる荷重が増加するように、前記ローラを回転子の中心軸回りに回転させながら該ローラを回転子の中心軸方向に移動させて、前記スリーブをかしめる
    請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の回転子の製造方法。
  8. 回転子の中心軸方向における前記スリーブに加わる荷重が所定値に達した場合、検出される荷重が所定時間、前記所定値で維持されるように前記ローラを回転子の中心軸方向へ移動させる力をフィードバック制御する
    請求項7に記載の回転子の製造方法。
  9. 前記所定時間は、
    前記スリーブの端部の縁の周りを前記ローラが、複数回回転するのに要する時間である
    請求項8に記載の回転子の製造方法。
  10. 回転子の中心軸方向における前記スリーブに加わる荷重が検出された場合、前記ローラの回転を開始させる
    請求項7~請求項9までのいずれか一項に記載の回転子の製造方法。
  11. 非磁性体の円筒状のスリーブと、該スリーブの内部に設けられたリング状マグネットと、前記スリーブの端部が固着されているフランジとを有する回転子を製造する装置であって、
    前記スリーブの一方の端部に接触する3個一組のローラ及び前記スリーブの他方の端部に接触する3個一組のローラを有するかしめ機と、該かしめ機を回転させる回転部と、前記かしめ機を回転子の軸方向に移動させる移動部とを備えており、
    前記ローラは、その外周面を回転子の中心軸に対して傾斜させて配置してあり、
    前記スリーブの一方の端部に接触する3個一組の前記ローラの回転方向と、前記スリーブの他方の端部に接触する3個一組の前記ローラの回転方向とを逆とし、各3個一組の前記ローラそれぞれを回転子の中心軸回りに回転させながら該ローラを回転子の中心軸方向に移動させて、前記スリーブをかしめて前記スリーブ及びフランジを固着させるように構成してある
    回転子の製造装置。
  12. 非磁性体の円筒状のスリーブと、該スリーブの内部に設けられたリング状マグネットと、前記スリーブの端部が固着されているフランジとを有する回転子を製造する装置であって、
    前記スリーブの端部に接触する3個のローラを有するかしめ機と、該かしめ機を回転させる回転部と、前記かしめ機を回転子の軸方向に移動させる移動部とを備えており、
    前記ローラの外周面は、先端面から後端面に向かって広がる水平面と、該水平面の後端面側に配された内円弧面とを有しており、
    前記ローラは、該ローラの中心軸を回転子の中心軸に対して傾斜させることにより、該ローラの外周面を回転子の中心軸に対して傾斜させて配置してあり、
    前記ローラの回転と同時に該ローラを回転子の軸方向に移動させて、前記スリーブをかしめて前記スリーブ及びフランジを固着させるように構成してある
    回転子の製造装置。
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