JP7230574B2 - 中和装置 - Google Patents

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Description

本開示は、中和装置に関する。
高いpH(水素イオン指数)の廃水をそのまま放流することは、法律で禁じられている。このため、高いpHの廃水を中和して、放流基準値までpHを低下させる必要がある。高いpHの廃水は、セメントと水とを接触させた結果生じる廃水等である。
上記廃水を中和する技術として、噴流装置と、pHセンサと、還流装置とを備えた中和装置が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の噴流装置は、原水槽から導かれた原水(廃水)に二酸化炭素を供給し、渦流を発生させてキャビテーションを起こし原水を混合攪拌させる。pHセンサは、噴流装置から排出された原水のpHを測定する。還流装置は、pHセンサの検出結果が放流基準値を上回ると、噴流装置から排出された原水を原水槽に還流させる。
実用新案登録第3147769号公報
上記中和装置において、効率よく廃水を中和することができる技術の開発が希求されている。
本開示は、このような課題に鑑み、廃水を効率よく中和することが可能な中和装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る中和装置は、流入口および排出口が設けられる中和部と、流入口を通じて中和部に廃水を供給する廃水供給部と、中和部における流入口と排出口との間の所定の領域において、中和部に収容された廃水に、平均粒径が2.5mm以下の二酸化炭素の泡を供給するバブリング部と、所定の領域に設けられる第1のpHセンサと、中和部のうち前記第1のpHセンサの設置箇所よりも前記排出口に設けられる第2のpHセンサと、第1のpHセンサおよび第2のpHセンサの測定値に基づいて、バブリング部によって供給される二酸化炭素の量を制御する制御部と、を備える。
また、中和部は、流入口および排出口が設けられ、廃水を収容する中和槽と、中和槽内に設けられた仕切板と、を備えてもよい。
また、制御部は、少なくとも第2のpHセンサの測定値に基づきバブリング部によって供給される二酸化炭素の量を制御する定常運転モードと、少なくとも第1のpHセンサの測定値に基づきバブリング部によって供給される二酸化炭素の量を制御する非定常運転モードと、を切換えてもよい。
本開示によれば、効率よく廃水を中和することが可能となる。
実施形態の中和装置を説明する図である。 実施形態の中和方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 図3(a)は、実施形態の中和方法を行った場合の中和前の廃水、pHセンサの測定値のpHの変化を示す図である。図3(b)は、実施形態の中和方法を行った場合の二酸化炭素の供給量の変化を説明する図である。 定常運転モード実行処理におけるPID制御のブロック線図である。 定常運転モード実行処理における中和槽内のpHの分布のイメージを説明する図である。 中和槽に流入される廃水のpHが上昇し、かつ、バブリング部による二酸化炭素の供給量が変化しない場合の中和槽内のpHの分布のイメージを説明する図である。 非定常運転モードへ切り換えた後のPID制御のブロック線図である。 非定常運転モード実行処理における中和槽内のpHの分布のイメージを説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
[中和装置100]
図1は、本実施形態の中和装置100を説明する図である。図1に示すように、中和装置100は、中和部110と、ポンプ120と、バブリング部130と、pHセンサ140、150と、制御部160とを含む。なお、図1中、実線の矢印は廃水の流れを示す。また、図1中、破線の矢印は信号の流れを示す。
中和部110は、中和槽210と、仕切板220a~220cとを含む。中和槽210は、廃水を収容する容器である。中和槽210の一端側には、流入口212が設けられる。中和槽210の他端側には、排出口214が設けられる。本実施形態において、流入口212は、中和槽210の上面に形成される。また、排出口214は、中和槽210の側面に形成される。
仕切板220a~220cは、中和槽210内に設けられる。仕切板220aは、中和槽210における流入口212と排出口214との間に設けられる。仕切板220aは、中和槽210の底面から立設する。仕切板220aの上端は、中和槽210の上面と離隔する。したがって、中和槽210内は、仕切板220aによって、領域210Aと、領域210Bとに区画される。
仕切板220bは、中和槽210における流入口212と仕切板220aとの間に設けられる。仕切板220cは、中和槽210における仕切板220aと排出口214との間に設けられる。仕切板220b、220cは、中和槽210の上面から立設(垂下)する。仕切板220b、220cの下端は、中和槽210の底面と離隔する。したがって、領域210Aは、仕切板220bによって、領域210Aaと領域210Abとに区画される。また、領域210Bは、仕切板220cによって、領域210Baと領域210Bbとに区画される。
ポンプ120(廃水供給部)は、吸入側が廃水槽102に接続される。ポンプ120は、吐出側が中和部110の流入口212に接続される。ポンプ120は、流入口212を通じて、領域210Aaに廃水(原水)を供給する。
バブリング部130は、中和部110に収容された廃水に、平均粒径(平均の気泡径)が2.5mm以下の二酸化炭素の泡を供給する。バブリング部130は、好ましくは、平均粒径が1mm未満の二酸化炭素の泡を供給する。
本実施形態において、バブリング部130は、二酸化炭素貯留部250と、散気板252と、接続管254と、流量調整弁256とを含む。
二酸化炭素貯留部250は、二酸化炭素を貯留する。二酸化炭素貯留部250は、例えば、二酸化炭素ボンベである。二酸化炭素ボンベは、高圧圧縮された二酸化炭素を貯留する。
散気板252は、中和槽210の底面に設けられる。散気板252は、多孔質体で構成される。多孔質体は、樹脂、ガラス、セラミック、金属、軽石で構成される。
接続管254は、二酸化炭素貯留部250と散気板252とを接続する。流量調整弁256は、接続管254に設けられる。流量調整弁256は、後述する制御部160によって開度が調整される。制御部160による流量調整弁256の開度調整については後に詳述する。
pHセンサ140(第1のpHセンサ)は、中和部110における流入口212と排出口214との間に設けられる。本実施形態において、pHセンサ140は、領域210Abに設けられる。pHセンサ140は、領域210Abの廃水のpHを測定する。以下、pHセンサ140による測定値(出力値)をyとする。
pHセンサ150(第2のpHセンサ)は、中和部110におけるpHセンサ140の設置箇所と、排出口214との間に設けられる。本実施形態において、pHセンサ150は、排出口214の近傍に設けられる。つまり、pHセンサ150は、領域210Bbに設けられる。pHセンサ150は、領域210Bbの廃水のpHを測定する。以下、pHセンサ150による測定値(出力値)をyとする。
すなわち、pHセンサ140は、pHセンサ150よりも廃水の流れ方向の上流側に設けられる。換言すれば、pHセンサ140は、pHセンサ150よりも上流側の廃水のpHを測定する。
制御部160は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御部160は、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。制御部160は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して中和装置100全体を管理および制御する。
本実施形態において、制御部160は、pHセンサ140およびpHセンサ150の測定値に基づいて、流量調整弁256の開度を調整する。詳細は後述するが、制御部160は、pHセンサ140による測定値yの変動量が小さい場合に、定常運転モードでバブリング部130を制御する。一方、制御部160は、pHセンサ140による測定値yの変動量が大きい場合に、非定常運転モードでバブリング部130を制御する。定常運転モードは、pHセンサ150の測定値yに基づき、バブリング部130によって供給される二酸化炭素の量を制御するモードである。非定常運転モードは、pHセンサ140の測定値yに基づき、バブリング部130によって供給される二酸化炭素の量を制御するモードである。
[中和方法]
続いて、上記中和装置100を用いた廃水の中和方法について説明する。なお、中和装置100のポンプ120は、廃水槽102から廃水を中和部110に供給する。
図2は、本実施形態の中和方法の処理の流れを説明するフローチャートである。図3は、本実施形態の中和方法を行った場合のpHの変化および二酸化炭素の供給量の変化を説明する図である。図3(a)は、本実施形態の中和方法を行った場合の中和前の廃水、pHセンサ140の測定値y、pHセンサ150の測定値yのpHの変化を示す図である。図3(b)は、本実施形態の中和方法を行った場合の二酸化炭素の供給量の変化を説明する図である。なお、図3(a)、図3(b)をはじめとする以下の図では、rは設定値、y’はpHセンサ140の測定値yの平均値、uはバブリング部130によって供給される二酸化炭素の流量(操作量)を示す。
図2に示すように、本実施形態にかかる中和方法は、定常運転モード実行処理S110と、センサ値安定判定処理S120と、平均値記憶処理S130と、変動判定処理S140と、非定常運転モード実行処理S150と、時間経過判定処理S160と、定常運転モード実行処理S170と、平均値記憶処理S180とを含む。以下、各処理について説明する。
[定常運転モード実行処理S110]
制御部160は、定常運転モードでバブリング部130を制御する。具体的に説明すると、制御部160は、pHセンサ150の測定値yが所定の設定値rとなるように、流量調整弁256の開度を調整する。設定値rは、放流基準値以下の所定の値である。
図4は、定常運転モード実行処理S110におけるPID制御のブロック線図である。本実施形態において、制御部160は、図4に示すように、PID制御を行う。制御部160は、目標値を設定値rとし、出力値を測定値yとする。なお、図4をはじめとする以下の図において、tは時間、eは(r(t)-y(t))を示す。また、Kは比例ゲイン、Kは積分ゲイン、Kは微分ゲインを示す。K、K、Kは、ユーザによって適宜調整可能である。
図5は、定常運転モード実行処理S110における中和槽210内のpHの分布のイメージを説明する図である。制御部160が定常運転モード実行処理S110を行うと、バブリング部130によって二酸化炭素が廃水に供給される。これにより、廃水が中和され、流入口212からの距離が大きくなるに従って、廃水のpHが低下する。具体的に説明すると、廃水は、流入口212から排出口214に向かって流れる。このため、図5に示すように、中和槽210内のpHは、流入口212から排出口214に向かうに従って漸減する。また、排出口214から排出される廃液のpHは、設定値rとなる。
[センサ値安定判定処理S120]
制御部160は、pHセンサ140の測定値yが安定しているか否かを判定する。その結果、pHセンサ140の測定値yが安定していると判定した場合(S120におけるYES)、制御部160は、平均値記憶処理S130に処理を移す。一方、pHセンサ140の測定値yが安定していないと判定した場合(S120におけるNO)、pHセンサ150の測定値yに基づく定常運転モードを維持したまま、制御部160は、当該センサ値安定判定処理S120を繰り返す。
制御部160は、例えば、所定の単位時間(例えば、1分)あたりの測定値yの標準偏差が、所定の安定閾値を下回るか否かを判定する。そして、測定値yの標準偏差が安定閾値を下回ると判定した場合に、制御部160は、pHセンサ140の測定値yが安定していると判定する。
[平均値記憶処理S130]
制御部160は、例えば、pHセンサ140の測定値yが安定している間の所定時間(例えば、1分)あたりの測定値yの平均値y’を算出する。そして、制御部160は、平均値y’を不図示のメモリに記憶する。
[変動判定処理S140]
制御部160は、pHセンサ140の測定値yの変動量が大きいか否かを判定する。本実施形態において、制御部160は、現在のpHセンサ140の測定値yと、平均値記憶処理S130で算出した平均値y’との差(測定値y-平均値y’)が所定の切換閾値δ(例えば、1)を上回るか否かを判定する。
図6は、中和槽210に流入される廃水のpHが上昇し、かつ、バブリング部130による二酸化炭素の供給量が変化しない場合の中和槽210内のpHの分布のイメージを説明する図である。図6中、実線は、中和槽210に流入される廃水(原水)のpHが上昇し、かつ、バブリング部130による二酸化炭素の供給量が変化しない場合の中和槽210内のpHの分布を示す。また、図6中、破線は、定常運転モード((測定値y-平均値y’)が切換閾値δ以下である場合)における中和槽210内のpHの分布を示す。
0≦(測定値y-平均値y’)≦δである場合、つまり、測定値yの上昇変動量が小さい場合、図6中、破線で示すように、排出口214から排出される廃水のpHは、設定値rとなる。したがって、(測定値y-平均値y’)が切換閾値δを上回らないと判定した場合(S140におけるNO)、制御部160は、定常運転モード実行処理S170に処理を移す。なお、(測定値y-平均値y’)<0である場合、つまり、測定値yが低下した場合には、定常運転モード実行処理S170を継続しても、測定値yは設定値rを下回るため、問題は生じない。
一方、(測定値y-平均値y’)>δである場合、つまり、測定値yの上昇変動量が大きい(pHの増大を検知した)場合、図6中、実線で示すように、排出口214から排出される廃水のpHは、設定値rを上回ってしまう。そこで、(測定値y-平均値y’)が切換閾値δを上回ると判定した場合(S140におけるYES)、制御部160は、非定常運転モード実行処理S150に処理を移す(定常運転モードから非定常運転モードに切り換える、図3(a)参照)。
[非定常運転モード実行処理S150]
図2に戻って説明すると、制御部160は、変動判定処理S140においてpHセンサ140の測定値yの変動量が大きいと判定した場合(S140におけるYES)に、定常運転モードから非定常運転モードに切り換えて、バブリング部130を制御する。具体的に説明すると、制御部160は、pHセンサ140の測定値yが、平均値記憶処理S130で算出した平均値y’となるように、流量調整弁256の開度を調整する。
図7は、非定常運転モードへ切り換えた後のPID制御のブロック線図である。本実施形態において、制御部160は、非定常運転モード実行処理S150においても、定常運転モード実行処理S110と同様に、PID制御を行う。なお、図7に示すように、非定常運転モード実行処理S150において、制御部160は、目標値を平均値y’とし、出力値を測定値yとする。
図8は、非定常運転モード実行処理S150における中和槽210内のpHの分布のイメージを説明する図である。図8中、破線は、定常運転モードにおける中和槽210内のpHの分布のイメージを示す。制御部160が非定常運転モード実行処理S150を行うと、バブリング部130によって、定常運転モード実行処理S110よりも多量の二酸化炭素が廃水に供給される(図3(b)参照)。また、非定常運転モード実行処理S150において、制御部160は、pHセンサ140の測定値yが、平均値記憶処理S130で算出した平均値y’となるように、流量調整弁256の開度を調整する。このため、図8中、実線で示すように、pHセンサ150の測定値y、つまり、排出口214から排出される廃液のpHは、設定値r以下となる。
[時間経過判定処理S160]
図2に戻って説明すると、制御部160は、非定常運転モードに切換えてから所定の非定常運転時間が経過したか否かを判定する。その結果、非定常運転時間が経過したと判定した場合(S160におけるYES)、制御部160は、定常運転モード実行処理S110に処理を移す。一方、非定常運転時間が経過していないと判定した場合(S160におけるNO)、制御部160は、時間経過判定処理S160を繰り返す。なお、非定常運転時間は、例えば、中和槽210に収容される廃水の体積V(m)と、ポンプ120によって供給される廃水の流量Q(m/分)とに基づいて決定される。本実施形態において、非定常運転時間は、廃水の体積V/廃水の流量Q(分)である。
[定常運転モード実行処理S170]
制御部160は、上記定常運転モード実行処理S110と同様に、pHセンサ150の測定値yが所定の設定値rとなるように、流量調整弁256の開度を調整する。
[平均値記憶処理S180]
制御部160は、上記平均値記憶処理S130と同様に、定常運転モードにおける所定時間(例えば、1分)あたりの測定値yの平均値y’を算出する。そして、制御部160は、平均値y’をメモリに上書きする。その後、制御部160は、変動判定処理S140に処理を移す。
以上説明したように、本実施形態にかかる中和装置100およびこれを用いた中和方法は、バブリング部130を備える。バブリング部130は、平均粒径が2.5mm以下の二酸化炭素の泡(マイクロバブルまたはナノバブルを含む)を廃水に供給する。したがって、バブリング部130は、噴流装置やエジェクタによって二酸化炭素を導入する従来技術と比較して、廃水における二酸化炭素の滞留時間を長くすることが可能となる。つまり、中和装置100は、廃水と二酸化炭素の接触時間を長くすることができる。したがって、中和装置100は、廃水への二酸化炭素の溶解効率を向上させることが可能となる。これにより、中和装置100は、廃水を連続して、効率よく中和することができる。
また、バブリング部130は、従来技術と比較して、二酸化炭素の比表面積を大きくすることができる。このため、中和装置100は、廃水への二酸化炭素の溶解効率を向上させることが可能となる。
また、中和装置100は、従来技術と比較して、廃水の中和に要する時間を著しく短縮することが可能となる。しがって、中和装置100は、従来技術と比較して、少量の二酸化炭素で中和反応を行うことができる。このため、中和装置100は、中和のために要する二酸化炭素のコストを低減することが可能となる。
また、中和装置100は、中和槽210と、仕切板220a~220cとを備えた中和部110を備える。これにより、中和装置100は、仕切板220a~220cを備えない従来技術と比較して、廃水の滞留時間を長くすることができる。これにより、中和装置100は、二酸化炭素の泡と、廃水との接触時間を長くすることが可能となる。
また、仮に、pHセンサ150のみを備えた構成(定常運転モードのみ)とした場合、中和前の廃水のpHが変動すると、pHセンサ150でpHの変動を検知するまで二酸化炭素の供給量を変化させることができない。また、中和前の廃水が、pHの変動はないものの、二酸化炭素によって中和しにくい組成に変化すると、pHセンサ150でpHの変動を検知するまで二酸化炭素の供給量を変化させることができない。このため、pHセンサ150のみを備えた構成とした場合、中和後の廃水のpHを設定値r以下とすることができない事態が一時的に生じてしまう。
これに対し、本実施形態の中和装置100は、pHセンサ150に加えて、pHセンサ140を備える。これにより、中和装置100は、pHセンサ150がpHの変動を検知するよりも前に、pHセンサ140が中和前の廃水のpHの変動を検知することができる。そして、中和装置100は、pHセンサ140の測定値yの変動量が大きくなった場合に定常運転モードから非定常運転モードへ切り換える。したがって、中和装置100は、中和前の廃水のpHの変動量が大きくなったとしても、中和後の廃水のpHを確実に設定値r以下とすることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、中和部110が、中和槽210と、仕切板220a~220cとを備える構成を例に挙げた。しかし、中和部110の構成に限定はない。例えば、中和部110は、1の中和槽210のみを備えてもよい。また、中和部は、複数の中和槽210と、1の中和槽210の排出口214と、当該1の中和槽210に隣り合う中和槽210の流入口212とを連通させる機構を備えてもよい。この場合、中和槽210ごとに散気板252が設けられる。複数の中和槽210を備える中和部は、中和槽210の数を適宜変更することが可能となる。したがって、複数の中和槽210を備える中和部は、廃水の中和処理能力を変更させることができる。また、複数の中和槽210を備える中和部は、複数の中和槽210をモジュール化することが可能となる。このため、複数の中和槽210を備える中和部は、製造コストおよび設計コストを削減することが可能となる。
また、上記実施形態では、流入口212が中和槽210の上面に形成され、排出口214が中和槽210の側面に形成される場合を例に挙げた。しかし、流入口212および排出口214の位置に限定はない。例えば、流入口212が中和槽210の底面に形成されてもよい。この場合、仕切板220aは、中和槽210の上面から立設(垂下)し、仕切板220b、220cは、中和槽210の底面から立設するとよい。
また、上記実施形態において、廃水供給部としてポンプ120を例に挙げた。しかし、廃水供給部は、流入口212を通じて中和部110に廃水を供給することができれば、構成に限定はない。例えば、廃水供給部は、廃水槽102を流入口212よりも上方に配置しておき、廃水槽102の下部と流入口212とを接続する配管を備えてもよい。また、廃水供給部は、当該配管に流量調整弁を備えてもよい。
また、上記実施形態では、二酸化炭素貯留部250が二酸化炭素ボンベである場合を例に挙げた。このように、二酸化炭素貯留部250として二酸化炭素ボンベを採用することにより、バブリング部130は、ポンプを用いずとも二酸化炭素を圧送することができる。なお、二酸化炭素貯留部250は、大気圧の二酸化炭素、または、圧縮率の低い二酸化炭素を貯留した貯留部、または、大気圧の二酸化炭素、または、圧縮率の低い二酸化炭素を生成する生成装置であってもよい。この場合、バブリング部130は、ポンプを含んで構成され、ポンプを駆動して、二酸化炭素貯留部250から接続管254(散気板252)へ二酸化炭素を圧送するとよい。
また、上記実施形態において、バブリング部130は、1の散気板252を備える構成を例に挙げた。しかし、散気板252の数に限定はない。また、バブリング部130は、散気板252に代えて、散気管を備えてもよい。
また、上記実施形態においては、制御部160が、pHセンサ140の測定値yの平均値y’を算出する構成を例に挙げた。しかし、制御部160は、直近の所定時間(例えば、1分)あたりの測定値yの中央値を算出してもよい。この場合、制御部160は、現在のpHセンサ140の測定値yと、算出した中央値との差(測定値y-中央値)が所定の切換閾値δ(例えば、1)を上回るか否かを判定すればよい。
また、制御部160は、非定常運転モード実行処理S150において、例えば、流量調整弁256の開度を全開にしてもよい。
また、上記実施形態において、制御部160がPID制御を行う場合を例に挙げた。しかし、制御部160は、第1のpHセンサおよび第2のpHセンサのいずれか一方または両方の測定値に基づいて、バブリング部によって供給される二酸化炭素の量を制御することができれば、制御方法に限定はない。制御部160は、例えば、PI制御、I-PD制御、または、2自由度PID制御を行ってもよい。
また、制御部160は、時間経過判定処理S160に換えて、センサ値安定判定処理S120を実行してもよい。
本開示は、中和装置に利用することができる。
100 中和装置
110 中和部
120 ポンプ(廃水供給部)
130 バブリング部
140 pHセンサ(第1のpHセンサ)
150 pHセンサ(第2のpHセンサ)
160 制御部
210 中和槽
212 流入口
214 排出口
220a 仕切板
220b 仕切板
220c 仕切板

Claims (3)

  1. 流入口および排出口が設けられる中和部と、
    前記流入口を通じて前記中和部に廃水を供給する廃水供給部と、
    前記中和部における前記流入口と前記排出口との間の所定の領域において、前記中和部に収容された前記廃水に、平均粒径が2.5mm以下の二酸化炭素の泡を供給するバブリング部と、
    前記所定の領域に設けられる第1のpHセンサと、
    前記中和部のうち前記第1のpHセンサの設置箇所よりも前記排出口に設けられる第2のpHセンサと、
    前記第1のpHセンサおよび前記第2のpHセンサの測定値に基づいて、前記バブリング部によって供給される二酸化炭素の量を制御する制御部と、
    を備える中和装置。
  2. 前記中和部は、
    前記流入口および前記排出口が設けられ、前記廃水を収容する中和槽と、
    前記中和槽内に設けられた仕切板と、
    を備える請求項1に記載の中和装置。
  3. 前記制御部は、少なくとも前記第2のpHセンサの測定値に基づき前記バブリング部によって供給される二酸化炭素の量を制御する定常運転モードと、少なくとも前記第1のpHセンサの測定値に基づき前記バブリング部によって供給される二酸化炭素の量を制御する非定常運転モードと、を切換える請求項1または2に記載の中和装置。
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