JP7230286B1 - データ処理方法、計測システム、及び、プログラム - Google Patents

データ処理方法、計測システム、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

物体に放射した波動の散乱波を解析するデータ処理方法であって、y軸上に配列された複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)から、物体に波動を放射し、物体上の反射点(x, y, z)において反射率f(x, y, z)で反射した散乱波を、y軸上に配列された複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)で計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)として受信し、計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を3重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求め、x方向の計測間隔で定まるx方向のナイキスト波数をkx,nyqとすると、-kx1≦kx≦kx1(但し、kx,nyq≦kx1)の範囲でx方向の変数置換処理を行い、y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行い、3重逆フーリエ変換して、反射率f(x, y, z)を求めるデータ処理方法。

Description

本発明は、空間に生成する電磁波等の波動の周波数と空間の空間座標とによって値が定まる波動の計測データを、コンピュータを用いて処理するデータ処理方法、計測システム、及び、プログラムに関する。
従来、コンクリートや木材等の非金属の構造物の内部を非破壊で検査するレーダ装置が知られている。従来のレーダ装置は、平面上に複数のアンテナが配置されたアレイアンテナを有する。アレイアンテナは、例えば、平面アンテナ等のアンテナが一方向に並んだ構成を有し、送信用アレイアンテナと受信用アレイアンテナが近接して配置される。また、レーダ装置は、構造物の内部を精度よく計測するために、電磁波の周波数を設定された周波数間隔で変更しながら、広帯域の周波数で測定対象物を計測する。
アレイアンテナを有するレーダ装置に関して、例えば、複数の平面アンテナで構成された送信用アレイアンテナと受信用アレイアンテナが共通の誘電体基板に形成されたレーダ装置が知られている(特開2015-095840号公報、以下、「特許文献1」)。従来のレーダ装置では、送信用アレイアンテナの平面アンテナの配列方向は、受信用アレイアンテナの平面アンテナの配列方向と平行である。受信用アレイアンテナの平面アンテナの配列方向における位置は、送信用アレイアンテナの隣接する平面アンテナの2つの位置の中間にある。
また、逆問題の解析を汎用的かつ高速に行い、物体内部の情報を簡便に映像化することができる散乱トモグラフィ方法が知られている(特許第6557747号公報、以下、「特許文献2」)。
計測したデータから構造物の内部を映像化するために、合成開口処理が利用される。合成開口処理には、大きく、ディフラクションスタッキング法などの足し込み法と、F-Kマイグレーション法などのフーリエ変換を利用するものがある。
実用的な演算時間を実現するためには、フーリエ変換を利用した合成開口処理が現実的である。
レーダ装置では、構造物の内部を正確に検査するために、計測における空間分解能が高いことが望まれる。一般に、電磁波等の周波数を有する波動の放射によって得られるデータの空間分解能は、計測対象の構造物と送信用アレイアンテナ及び受信用アレイアンテナの計測面との間の距離が相対的に近接し、かつ、計測データの計測間隔が小さい場合、波動の中心周波数の波長によって定まる。ここで、計測対象の構造物と送信用アレイアンテナ及び受信用アレイアンテナの計測面との間の距離は、例えば、アレイアンテナの配列長さの4分の1以下である。また、空間分解能は、アレイアンテナの各アンテナが配置される平面内の分解能である。
例えば、アレイアンテナの各アンテナが配置される平面に沿った計測データの計測間隔が十分に小さい場合の理論空間分解能は、電磁波の往復経路を考慮して、放射する波動の周波数が周波数帯域を持って掃引される場合、周波数帯域の中心周波数における波動の波長の4分の1になる。しかし、計測データの計測間隔が大きくなり、電磁波の最小波長の4分の1を超える場合、実際の計測における空間分解能は、理想空間分解能より大きくなる。場合によっては、実際の計測における空間分解能は、計測間隔になる。
従来のレーダ装置では、低い周波数から高い周波数まで広い周波数帯域で電磁波を計測するため、電磁波の最大波長は長くなる。このため、アレイアンテナを構成する各アンテナは大きくなり、アレイアンテナにおけるアンテナの配列方向の長さは長くなる。その結果、送受信用アレイアンテナにおけるアンテナの配置間隔は長くなり、計測データの計測間隔は、放射される電磁波の最小波長の4分の1を超え易く、空間分解能は理論分解能より低下し、しかも、計測データにはエイリアシング成分が生じ易い。空間分解能を、理想とする理論空間分解能、すなわち、中心周波数における電磁波の波長の4分の1にするには、送受信用アレイアンテナ内でアンテナの配置数を増やして、配置間隔を短くしなければならない。しかし、前述の通り、広帯域のアンテナの大きさを小さくすることは困難であるため、配置間隔を短くすることも困難である。
本発明は、アンテナの配置数を一定に維持したまま、計測における空間分解能を向上させることができるデータ処理方法、計測システム、及び、プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点は、
物体に放射した波動の散乱波を解析するデータ処理方法であって、
y軸上に配列された複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)から、前記物体に前記波動を放射し、
前記物体上の反射点(x, y, z)において反射率f(x, y, z)で反射した前記散乱波を、y軸上に配列された複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)で計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)として受信し、
前記計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を式(1)より3重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求め、
Figure 0007230286000001

x方向の計測間隔で定まるx方向のナイキスト波数をkx,nyqとすると、-kx1≦kx≦kx1(但し、kx,nyq≦kx1)の範囲でx方向の変数置換処理を行い、
y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行い、
式(2)より3重逆フーリエ変換して、前記反射率f(x, y, z)を求める、
Figure 0007230286000002

データ処理方法である。
但し、
x’ = x’1 = x’2
z’1= z’2 = 0
kは、伝播する前記波動の波数、
k’x1, k’y1, k’z1は、前記送信点p1(x’1, y’1, z’1)から前記反射点(x, y, z)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
k’x2, k’y2, k’z2は、前記反射点(x, y, z)から前記受信点p2(x’2, y’2, z’2)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
kx = k’x1 + k’x2, u = k’x1 - k’x2, ky = k’y1 + k’y2, v = k’y1 - k’y2
である。
本発明の第2の観点は、
物体に放射した波動の散乱波を解析する計測システムであって、
送受信部であって、
y軸上に配列された複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)から、前記物体に前記波動を放射する送信部と、
前記物体上の反射点(x, y, z)において反射率f(x, y, z)で反射した前記散乱波を、y軸上に配列された複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)で計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)として受信する受信部と、
を有する送受信部と、
処理装置であって、
前記計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を式(1)より3重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求める手順と、
Figure 0007230286000003

x方向の計測間隔で定まるx方向のナイキスト波数をkx,nyqとすると、-kx1≦kx≦kx1(但し、kx,nyq≦kx1)の範囲でx方向の変数置換処理を行う手順と、
y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行う手順と、
式(2)より3重逆フーリエ変換して、前記反射率f(x, y, z)を求める手順と、
Figure 0007230286000004

を実行する処理装置と、
を有する、計測システムである。
但し、
x’ = x’1 = x’2
z’1= z’2 = 0
kは、伝播する前記波動の波数、
k’x1, k’y1, k’z1は、前記送信点p1(x’1, y’1, z’1)から前記反射点(x, y, z)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
k’x2, k’y2, k’z2は、前記反射点(x, y, z)から前記受信点p2(x’2, y’2, z’2)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
kx = k’x1 + k’x2, u = k’x1 - k’x2, ky = k’y1 + k’y2, v = k’y1 - k’y2
である。
本発明の第3の観点は、
物体に放射した波動の散乱波を解析するプログラムであって、
計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を式(1)より3重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求める手順と、
Figure 0007230286000005

x方向の計測間隔で定まるx方向のナイキスト波数をkx,nyqとすると、-kx1≦kx≦kx1(但し、kx,nyq≦kx1)の範囲でx方向の変数置換処理を行う手順と、
y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行う手順と、
式(2)より3重逆フーリエ変換して、反射率f(x, y, z)を求める手順と、
Figure 0007230286000006

をコンピュータに実行させるプログラムである。
但し、
x’ = x’1 = x’2
z’1= z’2 = 0
kは、伝播する前記波動の波数、
k’x1, k’y1, k’z1は、前記送信点p1(x’1, y’1, z’1)から前記反射点(x, y, z)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
k’x2, k’y2, k’z2は、前記反射点(x, y, z)から前記受信点p2(x’2, y’2, z’2)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
kx = k’x1 + k’x2, u = k’x1 - k’x2, ky = k’y1 + k’y2, v = k’y1 - k’y2
である。
本発明の第4の観点は、
物体に放射した波動の散乱波を解析するデータ処理方法であって、
xy平面上に2次元に配列された複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)から、前記物体に前記波動を放射し、
前記物体上の反射点(x, y, z)において反射率f(x, y, z)で反射した前記散乱波を、xy平面上に2次元に配列された複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)で計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)として受信し、
前記計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を式(1)より4重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求め、
Figure 0007230286000007

x方向の計測間隔で定まるx’1方向のナイキスト波数をk’x1,nyqとし、x’2方向のナイキスト波数をk’x2,nyqとすると、-kx1≦k’x1≦kx1、かつ、-kx2≦k’x2≦kx2(但し、k’x1,nyq≦kx1、かつ、k’x2,nyq≦kx2)の範囲でx方向の変数置換処理を行い、
y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行い、
式(2)より3重逆フーリエ変換して、前記反射率f(x, y, z)を求める、
Figure 0007230286000008

データ処理方法である。
但し、
z’1= z’2 = 0
kは、伝播する前記波動の波数、
k’x1, k’y1, k’z1は、前記送信点p1(x’1, y’1, z’1)から前記反射点(x, y, z)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
k’x2, k’y2, k’z2は、前記反射点(x, y, z)から前記受信点p2(x’2, y’2, z’2)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
kx = k’x1 + k’x2, u = k’x1 - k’x2, ky = k’y1 + k’y2, v = k’y1 - k’y2
である。
本発明の第5の観点は、
物体に放射した波動の散乱波を解析する計測システムであって、
送受信部であって、
xy平面上に2次元に配列された複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)から、前記物体に前記波動を放射する送信部と、
前記物体上の反射点(x, y, z)において反射率f(x, y, z)で反射した前記散乱波を、xy平面上に2次元に配列された複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)で計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)として受信する受信部と、
を有する送受信部と、
処理装置であって、
前記計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を式(1)より4重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求める手順と、
Figure 0007230286000009

x方向の計測間隔で定まるx’1方向のナイキスト波数をk’x1,nyqとし、x’2方向のナイキスト波数をk’x2,nyqとすると、-kx1≦k’x1≦kx1、かつ、-kx2≦k’x2≦kx2(但し、k’x1,nyq≦kx1、かつ、k’x2,nyq≦kx2)の範囲でx方向の変数置換処理を行う手順と、
y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行う手順と、
式(2)より3重逆フーリエ変換して、前記反射率f(x, y, z)を求める手順と、
Figure 0007230286000010

を実行する処理装置と、
を有する、計測システムである。
但し、
z’1= z’2 = 0
kは、伝播する前記波動の波数、
k’x1, k’y1, k’z1は、前記送信点p1(x’1, y’1, z’1)から前記反射点(x, y, z)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
k’x2, k’y2, k’z2は、前記反射点(x, y, z)から前記受信点p2(x’2, y’2, z’2)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
kx = k’x1 + k’x2, u = k’x1 - k’x2, ky = k’y1 + k’y2, v = k’y1 - k’y2
である。
本発明の第6の観点は、
物体に放射した波動の散乱波を解析するプログラムであって、
計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を式(1)より4重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求める手順と、
Figure 0007230286000011

x方向の計測間隔で定まるx’1方向のナイキスト波数をk’x1,nyqとし、x’2方向のナイキスト波数をk’x2,nyqとすると、-kx1≦k’x1≦kx1、かつ、-kx2≦k’x2≦kx2(但し、k’x1,nyq≦kx1、かつ、k’x2,nyq≦kx2)の範囲でx方向の変数置換処理を行う手順と、
y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行う手順と、
式(2)より3重逆フーリエ変換して、反射率f(x, y, z)を求める手順と、
Figure 0007230286000012

をコンピュータに実行させるプログラムである。
但し、
z’1= z’2 = 0
kは、伝播する前記波動の波数、
k’x1, k’y1, k’z1は、送信点p1(x’1, y’1, z’1)から反射点(x, y, z)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
k’x2, k’y2, k’z2は、前記反射点(x, y, z)から受信点p2(x’2, y’2, z’2)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
kx = k’x1 + k’x2, u = k’x1 - k’x2, ky = k’y1 + k’y2, v = k’y1 - k’y2
である。
本発明のデータ処理方法、計測システム、及び、プログラムによれば、アンテナの配置数を一定に維持したまま、計測における空間分解能を向上させることができる。
第1実施形態のレーダ装置の構成を示す図 図1に示すアレイアンテナの構成を示す図 第1実施形態のアレイアンテナと測定対象物との位置関係を説明する図 第1実施形態のデータ処理方法を示すフローチャート エイリアシングの概念図 第1実施形態の計測波形の一例 第1実施形態におけるx軸に関するフーリエ変換 第1実施形態におけるy軸に関するフーリエ変換 第2実施形態のアレイアンテナと測定対象物との位置関係を説明する図 第2実施形態のデータ処理方法を示すフローチャート 第2実施形態におけるx’軸、x’軸に関するフーリエ変換 第2実施形態におけるy’軸、y’軸に関するフーリエ変換 第3実施形態のアレイアンテナと測定対象物との位置関係を説明する図 第3実施形態のデータ処理方法を示すフローチャート 第3実施形態におけるx軸に関するフーリエ変換 第3実施形態におけるy’軸、y’軸に関するフーリエ変換 比較例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット1のxz平面画像 実施例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット1のxz平面画像 比較例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット1のyz平面画像 実施例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット1のyz平面画像 比較例1と実施例1の点ターゲット1のx軸方向の波形 比較例1と実施例1の点ターゲット1のy軸方向の波形 比較例1と実施例1の点ターゲット1のz軸方向の波形 比較例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット2のxz平面画像 実施例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット2のxz平面画像 比較例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット2のyz平面画像 実施例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット2のyz平面画像 比較例1と実施例1の点ターゲット2のx軸方向の波形 比較例1と実施例1の点ターゲット2のy軸方向の波形 比較例1と実施例1の点ターゲット2のz軸方向の波形 十字型k’y1-k’y2フィルタの概念図 4つの点ターゲットのシミュレーション結果 点ターゲットの回復率 送信アンテナと受信アンテナのレイアウト 超分解能処理を行わない、試験体の3次元画像 超分解能処理を行った、試験体の3次元画像 十字型k’y1-k’y2フィルタを適用して超分解能処理を行った、試験体の3次元画像 比較例2と実施例2の点ターゲット1のx軸方向の波形 比較例2と実施例2の点ターゲット1のy軸方向の波形 比較例2と実施例2の点ターゲット1のz軸方向の波形 比較例2と実施例2の点ターゲット2のx軸方向の波形 比較例2と実施例2の点ターゲット2のy軸方向の波形 比較例2と実施例2の点ターゲット2のz軸方向の波形 十字型k’x1-k’x2フィルタの概念図
<第1実施形態>
以下、第1実施形態のデータ処理方法、計測システム、及び、プログラムについて、詳細に説明する。図1は、本実施形態のレーダ装置の構成を示す。図2は、図1に示すアレイアンテナの構成を示す。図3は、本実施形態のアレイアンテナと測定対象物との位置関係を説明する図である。本実施形態では、電磁波を空間に放射する波動として説明するが、電磁波の代わりにX線や超音波等の空間中に伝播する波動を用いてもよい。
本実施形態の計測システム1は、送受信部と、処理装置と、を有する。処理装置は、送受信部と一体に設けられてもよいし、送受信部とネットワークで接続された別の場所に設けられてもよい。以下の実施形態では、処理装置が送受信部と一体に設けられる例を説明する。
図1に示す本実施形態のレーダ装置60は、送信用アレイアンテナ及び受信用アレイアンテナ(送受信部)を用いて、電磁波の周波数を掃引しながら、電磁波を送信アンテナから放射する。そして、レーダ装置60は、測定対象物の反射波を受信アンテナで受信して、計測データs(x’,y’,z’,k)を得る。計測データs(x’,y’,z’,k)は、x座標成分、y座標成分、及びz座標成分と電磁波の周波数とを変数とするデータである。
レーダ装置60は、計測ユニット61と、データ処理ユニット(処理装置)66と、画像表示ユニット68とを有する。計測ユニット61は、送信用アレイアンテナ50と、受信用アレイアンテナ52と、高周波スイッチ58,59と、高周波回路62と、システム制御回路64とを有する。レーダ装置60は、10MHz以上、例えば10~20GHzの電磁波を放射するが、電磁波の周波数は、特に制限されない。
図2に示されるように、送信用アレイアンテナ50は、一方向に配列された複数の送信アンテナ10aを有する。各送信アンテナ10aは、測定対象物に向けて電磁波を放射する。受信用アレイアンテナ52は、送信アンテナ10aの配列方向に沿って配列された複数の受信アンテナ10bを有する。各受信アンテナ10bは、測定対象物から反射した電磁波を受信する。
送信用アレイアンテナ50の送信アンテナ10aと、受信用アレイアンテナ52の受信アンテナ10bは、一平面上に配置される。この平面に測定対象物が対向するように、送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52が配置される。
データ処理ユニット66は、複数の送信アンテナ10aによる測定対象物に向けた送信と、複数の受信アンテナ10bによる受信とによって得られる複数の計測データを処理し、測定対象物に関する画像データを算出する。本実施形態の送信アンテナ10a及び受信アンテナ10bは、基板に平面的にアンテナパターンが形成された平面アンテナであるが、平面アンテナに制限されない。
送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52は、測定対象物の面に平行に移動する。すなわち、送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52は、測定対象物の表面に沿って走査しながら計測する。送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52が移動するとき、システム制御回路64は、高周波回路62の動作を制御する。具体的には、送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52の移動距離の単位長さ毎に、送信アンテナ10aを高周波スイッチ58により切り替えつつ、電磁波を放射するように、システム制御回路64は、高周波回路62の動作を制御する。
レーダ装置60は、エンコーダ69を有する。エンコーダ69は、一定の移動距離ごとにパルス信号を発生する。エンコーダ69は、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52の移動を感知する。
このとき、個々の送信アンテナ10aから電磁波の放射が行われる度に、高周波スイッチ59は、複数の受信アンテナ10bを順次切り替えて、各受信アンテナ10bに受信させる。
なお、送信用アレイアンテナ50から放射される電磁波の周波数を、一定の時間に、例えば10~20GHzの範囲で、設定された周波数間隔で掃引して、電磁波が放射される。したがって、高周波回路62から得られる計測データは送信アンテナ10aの送信した位置と、受信アンテナ10bの受信した位置と、周波数と、ターゲットの位置とによって値が定まるデータである。
このとき、送信アンテナ10aから放射された電磁波が測定対象物で反射したときの電磁波の反射波を、電磁波を放射した送信アンテナ10aに最も近い受信アンテナ10bで受信するように、高周波スイッチ59の動作が制御される。受信用マイクロ波増幅器(RFアンプ)は、送信する送信アンテナ10aと受信する受信アンテナ10bの対毎にゲインを変化させるように設定される場合がある。このとき、高周波回路62は、送信アンテナ10aと受信アンテナ10bの対の選択に応じてゲインを切り替える可変ゲイン増幅機能を有する。これにより、測定対象物中の欠陥等の検査可能な深度を大きくできる。
本実施形態では、送信アンテナ10aと受信アンテナ10bの配列方向は平行であり、図2に示すように、配列方向をy方向とする。一方、送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52の移動方向(走査方向)を、x方向とする。送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52からみて、測定対象物のある方向(電磁波の送信方向)をz方向とする。
なお、送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52の移動方向(走査方向)をy方向としてもよい。すなわち、送信アンテナ10aと受信アンテナ10bの配列方向と同じ方向に、移動(走査)してもよい。
また、送信用アレイアンテナ50が1つの送信アンテナ10aのみを有し、受信用アレイアンテナ52が複数の受信アンテナ10bを有してもよい。この場合も、送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52の移動方向(走査方向)をy方向としてもよい。すなわち、受信アンテナ10bの配列方向と同じ方向に、移動(走査)してもよい。
データ処理ユニット66は、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52による電磁波の送受信によって得られる計測データs(x’,y’,z’,k)を処理して、測定対象物の内部を表す画像データを作成する。データ処理ユニット66は、例えばコンピュータにより構成され、記憶部66aに記憶されているプログラムを呼び出して起動する。これにより、データ処理ユニット66の機能を発揮できる。すなわち、データ処理ユニット66は、ソフトウェアモジュールで構成される。画像表示ユニット68は、作成された画像データを用いて、測定対象物の内部の画像を表示する。
図2は、送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52を模式的に示す。送信アンテナ10aと受信アンテナ10bは、x方向の位置がΔLだけずれているが、以降の説明では、送信アンテナ10aと受信アンテナ10bのx方向の位置は、送信アンテナ10aと受信アンテナ10bの間の中間の丸印の点にあるものする。この丸印の点を、送受信点と呼ぶ。
なお、送信アンテナ10aと受信アンテナ10bのy方向のずれが無い場合もある。すなわち、Δy=0となる場合もある。また、送信アンテナ10aと受信アンテナ10bが共有される場合もある。すなわち、Δy=0、ΔL=0となる場合もある。
したがって、測定対象物と送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52との位置関係は、図3に示すように表すことができる。
ここで、送受信点の座標をp(x’,y’,z’)とする。測定対象物の反射点(x,y,z)における反射率をf(x,y,z)とする。送受信点p(x’,y’,z’)における計測データをs(x’,y’,z’,k)とする。真空中の電磁波の伝播波長をλとする。媒質の比誘電率をεとする。伝播する電磁波の波数をkとする。
このとき、送受信点p(x’,y’,z’)における計測データs(x’,y’,z’,k)は、以下の式で表せる。
Figure 0007230286000013

但し、
Figure 0007230286000014

である。
式(1-1)では、電磁波を球面波で表しており、距離減衰は省略されている。この距離減衰は、以降の処理を行う上で影響が小さいため、省略されている。式(1-1)中の二段目の式の被積分関数の指数部をフーリエ変換の表記で表すと、以下の式となる。これは、式(1-1)の往復球面波を3次元の平面波に分解することに等しい。
Figure 0007230286000015

ここで、(k,k,k)は、送受信点p(x’,y’,z’)と反射点(x,y,z)の間で伝播する波動の往復球面波の波数ベクトルの成分である。但し、
Figure 0007230286000016

を満たす。
以下、式(1-3)に基づいて、計測データs(x’,y’,z’,k)から反射率f(x,y,z)を導出する。まず、式(1-3)を以下のように整理する。
Figure 0007230286000017
ここで、{ }の内側の積分は、(x,y,z)に関する3重フーリエ変換である。また、[ ]の内側の積分は、(k,k)に関する2重逆フーリエ変換である。そこで、式(1-5)の両辺を(x’,y’)に関して2重フーリエ変換を行う。関数f(x,y,z)の3重フーリエ変換後の関数をF(k,k,k)とする。計測データs(x’,y’,z’,k)の2重フーリエ変換後の関数をS(k,k,z’,k)とする。このとき、式(1-5)は、以下の式で表される。
Figure 0007230286000018
式(1-6)の2行目の式の両辺を(k,k,k)について3重逆フーリエ変換すると、反射率f(x,y,z)が以下のように得られる。
Figure 0007230286000019
ここで、本実施形態では、図3に示すように、送受信点p(x’,y’,z’)をxy平面に配置し、z’=0となるため、式(1-7)は以下のように表せる。
Figure 0007230286000020

Figure 0007230286000021
以上のように、データ処理ユニット66は、計測データs(x’,y’,z’,k)に基づいて、反射率f(x,y,z)を求める。
以下、図4を参照して、本実施形態のデータ処理方法、及び、プログラムについて説明する。図4は、本実施形態のデータ処理方法を示すフローチャートである。
まず、計測ユニット61が計測データs(x’,y’,0,k)を取得する(ステップS1-1)。そして、データ処理ユニット66は、計測データs(x’,y’,0,k)に対して、ヒルベルト変換を行う(ステップS1-2)。これにより、各送受信点における周波数データの虚数成分が得られる。
次に、データ処理ユニット66は、計測データs(x’,y’,0,k)に対して、(x’,y’)に関する2重フーリエ変換を行う(ステップS1-3)。これにより、式(1-6)に示されるように、S(k,k,0,k)が得られる。
次に、データ処理ユニット66は、S(k,k,0,k)に対して、変数置換を行う(ステップS1-4)。具体的には、式(1-4)を用いて、(k,k,k)の関数を(k,k,k)の関数にする。これにより、S(k,k,k)が得られる。
次に、データ処理ユニット66は、S(k,k,k)に対して、(k,k,k)に対して3重逆フーリエ変換を行う(ステップS1-5)。これにより、式(1-8)に示されるように、反射率f(x,y,z)が得られる。
記憶部66aは、本実施形態のデータ処理方法を実行するためのプログラムを記憶する。記憶部66aに記憶されたプログラムは、データ処理ユニット66に、本実施形態のデータ処理方法を実行させる。
ここで、フーリエ変換処理における折り返し雑音とされるエイリアスデータについて説明する。アレイアンテナで計測する場合、アンテナのサイズ、走査間隔をナイキスト基準以下にしなければ、計測データにエイリアシングが発生する。エイリアシングとは、異なる周波数成分の連続信号が標本化によって区別できなくなることをいう。
図5は、エイリアシングの概念図を示す。空間的なサンプリング間隔から決定されるナイキスト波数をknyqと定義する。ナイキスト波数knyqは、以下の式(1-10)で表される。
Figure 0007230286000022

ここで、Δx、Δyは、それぞれx軸方向、y軸方向の計測間隔である。
ナイキスト波数knyqを超える信号は、エイリアス(aliases)と呼ばれ、信号処理の中で折り返し雑音として扱われる。
図6は、第1実施形態の計測波形の一例を示す。ここで、電磁波の周波数を15GHz、比誘電率を1、計測間隔Δy = 7.5mm、計測幅562.5mm、点ターゲットの深さを原点直下120mmとする。ここで、原点からの距離yの位置で測定される波形の波数kyは、以下の式(1-11)で表される。
Figure 0007230286000023

ここで、θtyは、最外縁送受信アンテナとターゲットを結ぶ線とz軸とのなす角度である。また、ナイキスト波数は、以下の式(1-12)で表される。
Figure 0007230286000024
これより、ナイキスト基準は、以下の式(1-13)で表される。
Figure 0007230286000025

この条件を満たさないy座標の波形、すなわち、図6におけるエイリアシング領域のデータは、全てエイリアスデータ(折り返し雑音)となる。
上記の式から、電磁波の波長が短くなる、計測間隔が広がる、又は、ターゲットが計測面に近くなるほど、エイリアスデータが増加することが分かる。通常、エイリアスデータも信号処理の中で折り返し雑音として処理される。そのため、エイリアスデータの増加は、画像分解能の悪化、浅いターゲットの画像強度の低下、S/N比の悪化の原因となる。
以下、計測間隔Δx=10mm、計測間隔Δy=19.25mm、媒質中の最高周波数の波長λfmax=21.24mmとする。このとき、以下の式(1-14)が得られる。
Figure 0007230286000026

このとき、ナイキスト基準を満たさず、x軸方向、y軸方向共に、エイリアシングが発生する。この場合のナイキスト波数は、以下の式(1-15)で表される。
Figure 0007230286000027
最高周波数から求まる最大波数は、以下の式(1-16)で表される。
Figure 0007230286000028
ここで、ステップS1-3におけるx軸に関するフーリエ変換は、図7で表される。また、ステップS1-3におけるy軸に関するフーリエ変換は、図8で表される。
図7より、x軸に関するフーリエ変換において、±kx,nyq上限とする波数が範囲Aに出力される。±kx,nyqを超える波数のデータは、エイリアスデータとして2kx,nyqを周期として折り返し現れる。よって、ステップS1-4の変数置換処理において、範囲Aではなく、±kxmaxを上限とする範囲A’で変数置換処理を行う。これにより、エイリアスデータを折り返し雑音として捨てるのではなく、実際に意味のあるデータとして変数置換処理に加えることにより、x軸方向の分解能を向上させ、更には浅いターゲットの画像強度をより強くさせることが可能になる。
y軸に関しても、同様に、図8に示すように、範囲Bではなく範囲B’で変数置換処理を行う。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態のデータ処理方法、計測システム、及び、プログラムについて、詳細に説明する。第1実施形態の送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52は、一方向(図3ではy方向)に配列されるが、本実施形態は、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52の配列が異なる。本実施形態の送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52は、平面状に配置される。
また、第1実施形態では、送信点と受信点の座標をいずれもp(x’,y’,z’)としたが、本実施形態では、送信点と受信点の座標が異なる。本実施形態では、図9に示すように、送信点p(x’,y’,z’)、受信点p(x’,y’,z’)が、xy平面に配列される。
ここで、測定対象物の反射点(x,y,z)における反射率をf(x,y,z)とする。送信点p(x’,y’,z’)及び受信点p(x’,y’,z’)における計測データをs(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)とする。真空中の電磁波の伝播波長をλとする。媒質の比誘電率をεとする。伝播する電磁波の波数をkとする。
このとき、計測データs(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)は、以下の式で表せる。
Figure 0007230286000029

但し、
Figure 0007230286000030

である。
式(2-1)では、電磁波を球面波で表しており、距離減衰は省略されている。この距離減衰は、以降の処理を行う上で影響が小さいため、省略されている。式(2-1)中の被積分関数の指数部をフーリエ変換の表記で表すと、以下の式となる。これは、式(2-1)の球面波を3次元の平面波に分解することに等しい。
Figure 0007230286000031

ここで、(k’x1,k’y1,k’z1)は、送信点から反射点までの間で伝搬する波動の球面波の波数ベクトルの成分である。また、(k’x2,k’y2,k’z2)は、反射点から受信点までの間で伝搬する波動の球面波の波数ベクトルの成分である。但し、
Figure 0007230286000032

を満たす。
以下、式(2-3)に基づいて、s(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)から反射率f(x,y,z)を導出する。まず、式(2-3)の両辺をx’,x’,y’,y’に関して4重フーリエ変換を行う。
Figure 0007230286000033
式(2-5)の左辺を以下の式(2-6)のように書き換えて整理する。
Figure 0007230286000034

すると、式(2-5)は、式(2-7)で表される。
Figure 0007230286000035
式(2-7)の両辺に以下の積分を行う。
Figure 0007230286000036
ここで、以下の変数置換を行う。
Figure 0007230286000037

Figure 0007230286000038

Figure 0007230286000039
ここで、式(2-9)、式(2-10)から、以下の式が得られる。
Figure 0007230286000040

Figure 0007230286000041
この変数置換でのヤコビアンの絶対値|J|は式(2-12)、式(2-13)より以下の式でそれぞれ与えられる。
Figure 0007230286000042

Figure 0007230286000043
式(2-9)、式(2-10)、式(2-14)、式(2-15)を式(2-8)に代入して変数置換を行うと、以下の式が得られる。
Figure 0007230286000044
ここで、式(2-16)の2行目右辺の(u,v)に関する積分は定数となるため、省略した。式(2-16)の両辺に(k,k,k)について3重逆フーリエ変換を行うと、反射率f(x,y,z)が以下のように得られる。
Figure 0007230286000045
式(2-17)を解くために、(k’z1,k’z2,k)を(k’x1,k’x2,k’y1,k’y2,k)又は(k,u,k,v,k)で表す必要がある。
式(2-4)、式(2-11)を用いて整理し、また、送信点と受信点がいずれも原点を通るxy平面上に位置する場合、z’=z’=0となるため、式(2-17)は以下のように表せる。
Figure 0007230286000046

Figure 0007230286000047
以上のように、データ処理ユニット66は、計測データs(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)に基づいて、反射率f(x,y,z)を求める。
以下、図10を参照して、本実施形態のデータ処理方法、及び、プログラムについて説明する。図10は、本実施形態のデータ処理方法を示すフローチャートである。
まず、計測ユニット61が計測データs(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)を取得する(ステップS2-1)。そして、データ処理ユニット66は、計測データs(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)に対して、ヒルベルト変換を行う(ステップS2-2)。これにより、各計測点における周波数データの虚数成分が得られる。
次に、データ処理ユニット66は、計測データs(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)に対して、(x’,x’,y’,y’)に関する4重フーリエ変換を行う(ステップS2-3)。これにより、式(2-6)に示されるように、S(k’x1,k’x2,k’y1,k’y2,0,0,k)が得られる。
次に、データ処理ユニット66は、S(k’x1,k’x2,k’y1,k’y2,0,0,k)に対して、変数置換を行う(ステップS2-4)。具体的には、式(2-9)、式(2-10)、式(2-14)、式(2-15)を用いて、(k’x1,k’x2,k’y1,k’y2,k)の関数を(k,k,k)の関数にする。これにより、S(k,k,k)が得られる。
次に、データ処理ユニット66は、S(k,k,k)に対して、(k,k,k)に対して3重逆フーリエ変換を行う(ステップS2-5)。これにより、式(2-18)に示されるように、反射率f(x,y,z)が得られる。
記憶部66aは、本実施形態のデータ処理方法を実行するためのプログラムを記憶する。記憶部66aに記憶されたプログラムは、データ処理ユニット66に、本実施形態のデータ処理方法を実行させる。
ここで、電磁波の周波数を4.46484GHz、比誘電率を10、計測間隔Δx’ = 38.5mm、計測間隔Δx’ = 38.5mm、計測間隔Δy’ = 38.5mm、計測間隔Δy’ = 38.5mm、計測幅616mm、媒質中の最高周波数の波長λfmax= 21.24mmとする。このとき、以下の式(2-20)が得られる。
Figure 0007230286000048

このとき、ナイキスト基準を満たさず、x’軸方向、x’軸方向、y’軸方向、y’軸方向のそれぞれに、エイリアシングが発生する。この場合のナイキスト波数は、以下の式(2-21)で表される。
Figure 0007230286000049
最高周波数から求まる最大波数は、以下の式(2-22)で表される。
Figure 0007230286000050
ここで、ステップS2-3におけるx’軸、x’軸に関するフーリエ変換は、図11で表される。また、ステップS2-3におけるy’軸、y’軸に関するフーリエ変換は、図12で表される。
図11より、x’軸、x’軸に関するフーリエ変換において、それぞれ、±k’x1,nyq、±k’x2,nyqを上限とする波数が範囲Aに出力される。±k’x1,nyq、±k’x2,nyqを超える波数のデータは、エイリアスデータとして、それぞれ、2k’x1,nyq、2k’x2,nyqを周期として折り返し現れる。よって、ステップS2-4の変数置換処理において、範囲Aではなく、それぞれ、±k’x1max、±k’x2maxを上限とする範囲A’で変数置換処理を行う。これにより、エイリアスデータを折り返し雑音として捨てるのではなく、実際に意味のあるデータとして変数置換処理に加えることにより、x’軸、x’軸方向の分解能を向上させ、更には浅いターゲットの画像強度をより強くさせることが可能になる。
y’軸、y’軸に関しても、同様に、図12に示すように、範囲Bではなく、それぞれ、±k’y1max、±k’y2maxを上限とする範囲B’で変数置換処理を行う。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態のデータ処理方法、計測システム、及び、プログラムについて、詳細に説明する。第2実施形態では、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52は、平面状に配置されるが、本実施形態は、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52の配列が異なる。本実施形態の送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52は、直線状に配置される。
具体的には、本実施形態では、送信アンテナ10a及び受信アンテナ10bは、図13に示すように、y方向に配列される。送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52の移動方向(走査方向)を、x方向とする。送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52からみて、測定対象物のある方向(電磁波の送信方向)をz方向とする。
なお、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52の移動方向(走査方向)をy方向としてもよい。
したがって、測定対象物と送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52との位置関係は、図13に示すように表すことができる。
ここで、送信点の座標をp(x’,y’,z’)、受信点の座標をp(x’,y’,z’)とする。測定対象物の反射点(x,y,z)における反射率をf(x,y,z)とする。p(x’,y’,z’)における計測データをs(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)とする。真空中の電磁波の伝播波長をλとする。媒質の比誘電率をεとする。伝播する電磁波の波数をkとする。
このとき、計測データs(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)は、以下の式で表せる。
Figure 0007230286000051

但し
Figure 0007230286000052

である。
式(3-1)では、電磁波を球面波で表しており、距離減衰は省略されている。この距離減衰は、以降の処理を行う上で影響が小さいため、省略されている。式(3-1)中の二段目の式の被積分関数の指数部をフーリエ変換の表記で表すと、以下の式となる。これは、式(3-1)の球面波を3次元の平面波に分解することに等しい。
Figure 0007230286000053

ここで、(k’x1,k’y1,k’z1)は、送信点から反射点までの間で伝搬する波動の球面波の波数ベクトルの成分である。また、(k’x2,k’y2,k’z2)は、反射点から受信点までの間で伝搬する波動の球面波の波数ベクトルの成分である。但し、
Figure 0007230286000054

を満たす。
ここで、送信点p(x’,y’,z’)と受信点p(x’,y’,z’)のx座標が等しいことから、x’=x’=x’とすると、式(3-3)は以下の式で表される。
Figure 0007230286000055
ここで、以下の変数置換を行う。
Figure 0007230286000056

式(3-6)から以下の式が得られる。
Figure 0007230286000057
式(3-7)からヤコビアンの絶対値を計算すると、以下の式が得られる。
Figure 0007230286000058
式(3-6)、式(3-8)を式(3-5)に代入して変数置換を行うと、以下の式が得られる。
Figure 0007230286000059
ここで、式(3-9)の2行目のuに関する積分は、定数となるため省略した。式(3-9)の両辺に(x,y,y)について3重逆フーリエ変換を行うと、以下の式が得られる。
Figure 0007230286000060
式(3-10)の左辺を以下の式のように書き換えて整理する。
Figure 0007230286000061

すると、式(3-10)は、以下の式で表される。
Figure 0007230286000062
式(3-12)の両辺に以下の積分を行うと、以下の式が得られる。
Figure 0007230286000063
ここで、(k’y1,k’y2)、(k’z1,k’z2)に対して、以下の変数置換を定義する。
Figure 0007230286000064

Figure 0007230286000065
ここで、式(3-14)から、以下の式が得られる。
Figure 0007230286000066

この変数置換でのヤコビアンの絶対値は、以下の式で与えられる。
Figure 0007230286000067
式(3-1)、式(3-15)、式(3-17)を式(3-13)に代入して、変数置換を行うと、以下の式が得られる。
Figure 0007230286000068
ここで、式(3-18)の2行目右辺のvに関する積分は、定数となるため省略した。式(3-18)の両辺に(k,k,k)について3重逆フーリエ変換を行うと、反射率f(x,y,z)が以下のように得られる。
Figure 0007230286000069

ここで、原点を通るx’-y’平面に計測面を合わせるため、z’=0とすると、式(3-19)は、以下のように表される。
Figure 0007230286000070
式(3-20)を解くために、kを(k’y1,k’y2,k)又は(k,v,k)で表す必要がある。
式(3-4)、式(3-6)、式(3-15)、及び、仮定より得られる以下の式(3-21)の4つの式の連立方程式を解く。
Figure 0007230286000071
これより、kは以下の式で表される。
Figure 0007230286000072
以上のように、データ処理ユニット66は、計測データs(x’,x’,y’,y’,z’,z’,k)に基づいて、反射率f(x,y,z)を求める。
以下、図14を参照して、本実施形態のデータ処理方法、及び、プログラムについて説明する。図14は、本実施形態のデータ処理方法を示すフローチャートである。
まず、計測ユニット61が計測データs(x’,y’,y’,0,0,k)を取得する(ステップS3-1)。そして、データ処理ユニット66は、計測データs(x’,y’,y’,0,0,k)に対して、ヒルベルト変換を行う(ステップS3-2)。これにより、各計測点における周波数データの虚数成分が得られる。
次に、データ処理ユニット66は、計測データs(x’,y’,y’,0,0,k)に対して、(x’,y’,y’)に関する3重フーリエ変換を行う(ステップS3-3)。これにより、式(3-11)に示されるように、S(k,k’y1,k’y2,0,0,k)が得られる。
次に、データ処理ユニット66は、S(k,k’y1,k’y2,0,0,k)に対して、変数置換を行う(ステップS3-4)。具体的には、式(3-14)、式(3-15)を用いて、(k,k’y1,k’y2,k)の関数を(k,k,v,k)の関数にする。これにより、S(k,k,v,0,0,k)が得られる。
次に、データ処理ユニット66は、S(k,k,v,0,0,k)に対して、(k,k,k)に対して3重逆フーリエ変換を行う(ステップS3-5)。これにより、式(3-20)に示されるように、反射率f(x,y,z)が得られる。
記憶部66aは、本実施形態のデータ処理方法を実行するためのプログラムを記憶する。記憶部66aに記憶されたプログラムは、データ処理ユニット66に、本実施形態のデータ処理方法を実行させる。
ここで、電磁波の周波数を4.46484GHz、比誘電率を10、計測間隔Δx = 10mm、計測間隔Δy’ = 38.5mm、計測間隔Δy’ = 38.5mm、計測幅616mm、媒質中の最高周波数の波長λfmax= 21.24mmとする。このとき、以下の式(3-23)が得られる。
Figure 0007230286000073

このとき、ナイキスト基準を満たさず、x軸方向、y’軸方向、y’軸方向のそれぞれに、エイリアシングが発生する。この場合のナイキスト波数は、以下の式(3-24)で表される。
Figure 0007230286000074
最高周波数から求まる最大波数は、以下の式(3-25)で表される。
Figure 0007230286000075
ここで、ステップS3-3におけるx軸に関するフーリエ変換は、図15で表される。また、ステップS3-3におけるy’軸、y’軸に関するフーリエ変換は、図16で表される。
図15より、x軸に関するフーリエ変換において、それぞれ、±kx,nyq、±k’x2,nyqを上限とする波数が範囲Aに出力される。±kx,nyqを超える波数のデータは、エイリアスデータとして、2kx,nyqを周期として折り返し現れる。よって、ステップS3-4の変数置換処理において、範囲Aではなく、それぞれ、±kxmaxを上限とする範囲A’で変数置換処理を行う。これにより、エイリアスデータを折り返し雑音として捨てるのではなく、実際に意味のあるデータとして変数置換処理に加えることにより、x軸方向の分解能を向上させ、更には浅いターゲットの画像強度をより強くさせることが可能になる。
y’軸、y’軸に関しても、第2実施形態と同様に、図16に示すように、範囲Bではなく、それぞれ、±k’y1max、±k’y2maxを上限とする範囲B’で変数置換処理を行う。
(シミュレーション結果)
以下、第3実施形態のデータ処理方法をコンピュータシミュレーションした結果について説明する。シミュレーション条件は、以下の通りである。
・使用周波数帯域fmin~fmax:DC~4.46484GHz
・中心周波数fc:2.23242GHz
・中心周波数の真空中の波長λ0c:134.38mm
・媒質の比誘電率ε:10
・媒質中の中心周波数の波長λc:42.50mm
・媒質中の最高周波数の波長λfmax:21.24mm
・計測数Nx:128pt
・計測間隔Δx:10mm
・計測幅:1280mm
・計測数Ny’1:16pt
・計測間隔Δy’1:38.5mm
・計測幅:616mm
・計測数Ny’2:16pt
・計測間隔Δy’2:38.5mm
・計測幅:616mm
・点ターゲット1の座標(単位:mm):(640,307,20)
・点ターゲット2の座標(単位:mm):(640,307,200)
図17は、比較例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット1のxz平面画像を示す。図18は、実施例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット1のxz平面画像を示す。図19は、比較例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット1のyz平面画像を示す。図20は、実施例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット1のyz平面画像を示す。
図21は、比較例1と実施例1の点ターゲット1のx軸方向の波形を示す。図22は、比較例1と実施例1の点ターゲット1のy軸方向の波形を示す。図23は、比較例1と実施例1の点ターゲット1のz軸方向の波形を示す。図21~図23において、いずれも実施例1は実線で示され、比較例1は破線で示される。
図24は、比較例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット2のxz平面画像を示す。図25は、実施例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット2のxz平面画像を示す。図26は、比較例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット2のyz平面画像を示す。図27は、実施例1のデータ処理方法でシミュレーションした点ターゲット2のyz平面画像を示す。
図28は、比較例1と実施例1の点ターゲット2のx軸方向の波形を示す。図29は、比較例1と実施例1の点ターゲット2のy軸方向の波形を示す。図30は、比較例1と実施例1の点ターゲット2のz軸方向の波形を示す。図28~図30において、いずれも実施例1は実線で示され、比較例1は破線で示される。
比較例1では、本実施形態におけるステップS3-4の変数置換処理において、範囲Aで変数置換処理を行った。実施例1では、本実施形態におけるステップS3-4の変数置換処理において、範囲Aではなく、それぞれ、±kxmaxを上限とする範囲A’で変数置換処理を行った。以下、実施例1における±kxmaxを上限とする範囲A’での変数置換処理を超分解能処理と呼ぶ。
図17~図30より、比較例1に比べて、超分解能処理を行う実施例1によれば、点ターゲット1、2のいずれにおいても、x軸方向、y軸方向の分解能が向上することが確認された。
<第4実施形態>
本実施形態では、第3実施形態において生じ得るノイズを低減する。y軸方向に関する計測データsは、送信アンテナからターゲットまで伝播する電磁波の振幅をt、ターゲットの反射率を1、ターゲットから受信アンテナまで伝播する電磁波の振幅をrとすると、以下の式(4-1)で表される。
Figure 0007230286000076
このとき、ナイキスト周波数以下の振幅成分をt、rとし、n回の折り返し振幅成分(エイリアスデータ)をt、rとすると、tとrは、それぞれ以下の式(4-2)で表される。
Figure 0007230286000077
式(4-2)を式(4-1)に代入すると、以下の式(4-3)が得られる。
Figure 0007230286000078
第3実施形態で示した超分解能処理は、例えば、ステップS3-4の変数置換時に、図16で示される(k’y1,k’y2)空間において、以下の式(4-4)で示されるように、送信アンテナの切替えに起因するk’y1と、受信アンテナに起因するk’y2がどちらもナイキスト波数以下の範囲内にある場合には、エイリアスデータ(折り返し雑音成分)を含む成分は、信号処理の中で全て雑音成分となる。
Figure 0007230286000079
このとき、式(4-3)は、式(4-5)のように表される。
Figure 0007230286000080

ここで、実線で囲んだrは信号成分であり、破線で囲んだ部分はノイズ成分である。
次に、変数置換時にk’y1のみが1回の折り返し雑音領域に入る場合には、式(4-6)の条件となり、式(4-3)は式(4-7)で表される。
Figure 0007230286000081

Figure 0007230286000082

ここで、実線で囲んだrは信号成分であり、破線で囲んだ部分はノイズ成分である。
次に、変数置換時にk’y2が2回の折り返し雑音領域に入る場合には、式(4-8)の条件となり、式(4-3)は式(4-9)で表される。
Figure 0007230286000083

Figure 0007230286000084

ここで、実線で囲んだrは信号成分であり、破線で囲んだ部分はノイズ成分である。
ここで、図5に示したのと同様、送信アンテナ計測点のy’1座標、受信アンテナ計測点のy’2座標が、ターゲットに近い場合、すなわち、ターゲットの直上付近にある場合、y’1、y’2軸方向の計測データの空間周波数は、それぞれ低くなる。反対に、y’1座標、y’2座標が、ターゲットから遠くなるに従い、y’1、y’2軸方向の計測データの空間周波数は、それぞれ高くなる。そして、その地点の波数がナイキスト波数を超えたときに、折り返し雑音(エイリアス)成分として計測データに含まれる。このように、エイリアスデータ成分(折り返し雑音成分)は、相対的にターゲットから遠い地点で発生する傾向がある。そのため、距離減衰によりナイキスト波数以下のデータ成分と比較して、振幅の大きさが小さくなる。そのため、以下の式(4-10)が一般的に成立する。
Figure 0007230286000085
これより、rとtに関する2次の項の大きさは、r或いはt含む項に対して小さくなる。これは、以下の式(4-11)で表される。
Figure 0007230286000086
更に、減衰率が小さな空中とは異なり、減衰率が大きなコンクリート内部や地中を電磁波が伝播する場合には、距離減衰に加えて媒質に起因する減衰率によりrとtの大きさは、より小さくなる。このとき、式(4-11)は、以下の式(4-12)のように表される。
Figure 0007230286000087
よって、式(4-5)、式(4-7)、式(4-9)、式(4-12)からtとrに関する2次の項は、それ以外の項に対して相対的にS/N比が悪いデータとなる。そのため、S/N比を改善するためには、rとtに関する2次の項を、ステップS3-4の変数置換処理において、選択的に除外すれば良い。このとき、式(4-3)は、以下の式(4-13)で表される。
Figure 0007230286000088

ここで、実線で囲んだ成分のみを変数置換処理で利用し、破線で囲んだ部分は変数置換処理で利用しない。
このように、減衰率が大きな媒質を電磁波が伝播する場合には、変数置換処理時に式(4-13)で表されるフィルタを利用することにより、3次元画像のS/N比の劣化を抑制できる。これは(k’y1,k’y2)空間における「十字型k’y1-k’y2フィルタ」として表される。図31は、十字型k’y1-k’y2フィルタの概念図である。
図15、図16に示されるkxmax、k’y1max、k’y2maxは、ターゲットの位置あるいはアンテナの指向性に依存する。ここで、計測面近傍(z=0)のターゲットまで計測対象に含めば、式(4-14)で示すように、アンテナの指向性θbx,θbyによって最大値が決定されてもよい。
Figure 0007230286000089

但し、
Figure 0007230286000090

である。
(シミュレーション結果1)
以下、第4実施形態のデータ処理方法をコンピュータシミュレーションした結果について説明する。まず、第3実施形態と同じシミュレーション条件で、浅深度ターゲットの画像強度の改善効果を検証する。
超分解能処理では、失われていたエイリアスデータを用いる。そのため、超分解能処理が無い場合と比較して、ターゲット画像強度(画像振幅)が増加する。この効果は、深深度ターゲットよりも、エイリアスデータの多い浅深度ターゲットの方が大きい。すなわち、エイリアシングによって低減していた浅深度ターゲットの画像強度は、超分解能処理によって大きく回復する。
図32は、4つの点ターゲットのシミュレーション結果を示す。各点ターゲットの水平位置は計測面中央で、深さは、20mm、200mm、400mm、600mmである。図32において、超分解能処理を行った実施例1は実線で示され、超分解能処理を行わない比較例1は破線で示される。3次元画像振幅の大きさは、深さ20mmのターゲットの超分解能処理を行わない振幅を1として正規化されている。
ターゲットの深さが浅いほど、超分解能処理の効果でターゲットの画像振幅が強くなる。シミュレーションデータでは距離減衰を考慮しているため、深いターゲットの振幅が非常に小さくなり、回復効果を直接比較することが難しい。そのため、同じ深さのターゲットの振幅について、超分解能処理を行わない3次元画像振幅に対する超分解能処理を行った3次元画像振幅の比を回復率として定義する。図33は、各点ターゲットの回復率を示す。図33より、ターゲットが浅いほど、エイリアスデータが多いため、超分解能処理による回復率が大きいことが分かる。深さ20mmでは、回復率は6倍に達する。一方、ターゲットが深いほど、エイリアスデータは少なくなり、回復率は小さくなる。深さ600mmでは、回復率は1.2倍程度である。
以上より、超分解能処理によってエイリアスデータを用いることにより、画像振幅強度が改善することが確認された。特に、エイリアスデータの多い浅いターゲットの画像において、顕著な改善が見られる。これは、主に、浅深度ターゲット画像のS/N比の改善として3次元画像に反映される。
(シミュレーション結果2)
以下、第3実施形態、第4実施形態のデータ処理方法をコンピュータシミュレーションした結果について説明する。シミュレーション条件は、以下の通りである。
・使用周波数帯域fmin~fmax:DC~4.46484GHz
・中心周波数fc:2.23242GHz
・中心周波数の真空中の波長λ0c:134.38mm
・媒質の比誘電率ε:5
・媒質中の中心周波数の波長λc:60.1mm
・媒質中の最高周波数の波長λfmax:30.05mm
・走査方向の計測間隔Δx:10mm
・計測数Nx:115pt
・計測幅:1150mm
・送信アンテナの計測間隔Δy1:38.5mm
・送信アンテナ数Ny1:12
・受信アンテナの計測間隔Δy2:38.5mm
・受信アンテナ数Ny2:12pt
・計測幅:481.25mm
以下、鉄筋コンクリート試験体を計測した結果を示す。計測に用いた送信アンテナと受信アンテナのレイアウトを、図34に示す。試験体は、z座標の異なる複数の鉄筋を内部に有する。図35は、超分解能処理を行わない、試験体の3次元画像である。図36は、超分解能処理を行った、試験体の3次元画像である。図35、図36において、複数の鉄筋のz座標が示されている。図35と図36を比較すると、超分解能処理を行った図36の方が、全体的に鉄筋の画像が細くなっており、画像分解能の向上が確認できた。また、深さ35mm、45mmの鉄筋の画像強度が強くなっており、浅深度ターゲットの画像振幅の回復効果も確認できた。一方、鉄筋と鉄筋の間に干渉縞のような不要なノイズ(エイリアシングノイズ)が新たに発生していることも確認できた。
次に、第4実施形態、図31で説明した十字型k’y1-k’y2フィルタを適用した。図37は、十字型k’y1-k’y2フィルタを適用して超分解能処理を行った、試験体の3次元画像である。十字型k’y1-k’y2フィルタを適用しないで超分解能処理を行った、試験体の3次元画像である図36と、十字型k’y1-k’y2フィルタを適用して超分解能処理を行った図37を比較すると、十字型k’y1-k’y2フィルタにより、鉄筋画像の分解能や浅深度鉄筋画像の強度の劣化を抑制しつつ、干渉縞ノイズ(エイリアシングノイズ)を低減できることが確認できた。
続いて、十字型k’y1-k’y2フィルタが分解能に与える影響を、シミュレーションデータを用いて評価した。シミュレーションの条件は、第3実施形態と同様である。
図38は、比較例2と実施例2の点ターゲット1のx軸方向の波形を示す。図39は、比較例2と実施例2の点ターゲット1のy軸方向の波形を示す。図40は、比較例2と実施例2の点ターゲット1のz軸方向の波形を示す。図41は、比較例2と実施例2の点ターゲット2のx軸方向の波形を示す。図42は、比較例2と実施例2の点ターゲット2のy軸方向の波形を示す。図43は、比較例2と実施例2の点ターゲット2のz軸方向の波形を示す。
図38~図43において、いずれも実施例2は実線で示され、比較例2は破線で示される。
比較例2では、第3実施形態におけるステップS3-4の変数置換処理において、十字型k’y1-k’y2フィルタを適用しないで、それぞれ、±kxmaxを上限とする範囲A’で変数置換処理を行った。実施例2では、第3実施形態におけるステップS3-4の変数置換処理において、十字型k’y1-k’y2フィルタを適用して、それぞれ、±kxmaxを上限とする範囲A’で変数置換処理を行った。
図38~図43より、十字型k’y1-k’y2フィルタを適用して超分解能処理を行っても、x軸、y軸、z軸のいずれも画像分解能にほとんど影響を与えていないことが確認された。
<第5実施形態>
本実施形態では、第2実施形態において生じ得るノイズを低減する。第4実施形態では、第3実施形態において、十字型k’y1-k’y2フィルタを適用して超分解能処理を行った。本実施形態では、第2実施形態において、十字型k’x1-k’x2フィルタと十字型k’y1-k’y2フィルタを適用して、超分解能処理を行う。図44は、十字型k’x1-k’x2フィルタの概念図である。すなわち、本実施形態では、第2実施形態において、図44に示す十字型k’x1-k’x2フィルタと図31に示す十字型k’y1-k’y2フィルタの両方を適用して超分解能処理を行う。
k’x1max、k’x2max、k’y1max、k’y2maxは、ターゲットの位置あるいはアンテナの指向性に依存する。ここで、計測面近傍(z=0)のターゲットまで計測対象に含めば、式(5-1)で示すように、アンテナの指向性θbx,θbyによって最大値が決定されてもよい。
Figure 0007230286000091

但し、
Figure 0007230286000092

である。
10a 送信アンテナ
10b 受信アンテナ
50 送信用アレイアンテナ
52 受信用アレイアンテナ
60 レーダ装置
61 計測ユニット
64 システム制御回路
66 データ処理ユニット
68 画像表示ユニット
58、59 高周波スイッチ
62 高周波回路
69 エンコーダ

Claims (17)

  1. 物体に放射した波動の散乱波を解析するデータ処理方法であって、
    y軸上に配列された複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)から、前記物体に前記波動を放射し、
    前記物体上の反射点(x, y, z)において反射率f(x, y, z)で反射した前記散乱波を、y軸上に配列された複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)で計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)として受信し、
    前記計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を式(1)より3重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求め、
    Figure 0007230286000093

    x方向の計測間隔で定まるx方向のナイキスト波数をkx,nyqとすると、-kx1≦kx≦kx1(但し、kx,nyq≦kx1)の範囲でx方向の変数置換処理を行い、
    y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行い、
    式(2)より3重逆フーリエ変換して、前記反射率f(x, y, z)を求める、
    Figure 0007230286000094

    データ処理方法。
    但し、
    x’ = x’1 = x’2
    z’1= z’2 = 0
    kは、伝播する前記波動の波数、
    k’x1, k’y1, k’z1は、前記送信点p1(x’1, y’1, z’1)から前記反射点(x, y, z)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
    k’x2, k’y2, k’z2は、前記反射点(x, y, z)から前記受信点p2(x’2, y’2, z’2)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
    kx = k’x1 + k’x2, u = k’x1 - k’x2, ky = k’y1 + k’y2, v = k’y1 - k’y2
    である。
  2. 式(3)で定まるx方向の最大波数をkxmaxとすると、-kxmax≦kx≦kxmaxの範囲でx方向の変数置換処理を行い、
    Figure 0007230286000095

    式(4)で定まるy’1方向の最大波数をk’y1maxとし、y’2方向の最大波数をk’y2maxとすると、-k’y1max≦k’y1≦k’y1max、かつ、-k’y2max≦k’y2≦k’y2maxの範囲でy方向の変数置換処理を行う、
    Figure 0007230286000096

    請求項1に記載のデータ処理方法。
  3. 前記y方向の変数置換処理において、k’y1,nyq≦|k’y1|≦k’y1max、かつ、k’y2,nyq≦|k’y2|≦k’y2maxの範囲を選択的に除外して、y方向の前記変数置換処理を行う、
    請求項2に記載のデータ処理方法。
  4. 前記複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)及び前記複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)は、x方向に移動する、
    請求項1又は2に記載のデータ処理方法。
  5. 前記複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)及び前記複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)は、y方向に移動する、
    請求項1又は2に記載のデータ処理方法。
  6. 前記波動の波数と波数ベクトルの成分は、式(5)を満たす、
    請求項1又は2に記載のデータ処理方法。
    Figure 0007230286000097
  7. 物体に放射した波動の散乱波を解析する計測システムであって、
    送受信部であって、
    y軸上に配列された複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)から、前記物体に前記波動を放射する送信部と、
    前記物体上の反射点(x, y, z)において反射率f(x, y, z)で反射した前記散乱波を、y軸上に配列された複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)で計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)として受信する受信部と、
    を有する送受信部と、
    処理装置であって、
    前記計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を式(1)より3重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求める手順と、
    Figure 0007230286000098

    x方向の計測間隔で定まるx方向のナイキスト波数をkx,nyqとすると、-kx1≦kx≦kx1(但し、kx,nyq≦kx1)の範囲でx方向の変数置換処理を行う手順と、
    y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行う手順と、
    式(2)より3重逆フーリエ変換して、前記反射率f(x, y, z)を求める手順と、
    Figure 0007230286000099

    を実行する処理装置と、
    を有する、計測システム。
    但し、
    x’ = x’1 = x’2
    z’1= z’2 = 0
    kは、伝播する前記波動の波数、
    k’x1, k’y1, k’z1は、前記送信点p1(x’1, y’1, z’1)から前記反射点(x, y, z)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
    k’x2, k’y2, k’z2は、前記反射点(x, y, z)から前記受信点p2(x’2, y’2, z’2)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
    kx = k’x1 + k’x2, u = k’x1 - k’x2, ky = k’y1 + k’y2, v = k’y1 - k’y2
    である。
  8. 前記処理装置は、
    式(3)で定まるx方向の最大波数をkxmaxとすると、-kxmax≦kx≦kxmaxの範囲でx方向の変数置換処理を行う手順と、
    Figure 0007230286000100

    式(4)で定まるy’1方向の最大波数をk’y1maxとし、y’2方向の最大波数をk’y2maxとすると、-k’y1max≦k’y1≦k’y1max、かつ、-k’y2max≦k’y2≦k’y2maxの範囲でy方向の変数置換処理を行う手順と、
    Figure 0007230286000101

    を実行する、
    請求項7に記載の計測システム。
  9. 前記処理装置は、前記y方向の変数置換処理において、k’y1,nyq≦|k’y1|≦k’y1max、かつ、k’y2,nyq≦|k’y2|≦k’y2maxの範囲を選択的に除外して、y方向の前記変数置換処理を行う手順を実行する、
    請求項8に記載の計測システム。
  10. 前記送受信部は、x方向に移動する、
    請求項7~9のいずれかに記載の計測システム。
  11. 前記送受信部は、y方向に移動する、
    請求項7~9のいずれかに記載の計測システム。
  12. 前記波動の波数と波数ベクトルの成分は、式(5)を満たす、
    請求項7~のいずれかに記載の計測システム。
    Figure 0007230286000102
  13. 物体に放射した波動の散乱波を解析するプログラムであって、
    計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)を式(1)より3重フーリエ変換してS(k’x1, k’x2, k’y1, k’y2, z’1, z’2, k)を求める手順と、
    Figure 0007230286000103

    x方向の計測間隔で定まるx方向のナイキスト波数をkx,nyqとすると、-kx1≦kx≦kx1(但し、kx,nyq≦kx1)の範囲でx方向の変数置換処理を行う手順と、
    y方向の計測間隔で定まるy’1方向のナイキスト波数をk’y1,nyqとし、y’2方向のナイキスト波数をk’y2,nyqとすると、-ky1≦k’y1≦ky1、かつ、-ky2≦k’y2≦ky2(但し、k’y1,nyq≦ky1、かつ、k’y2,nyq≦ky2)の範囲でy方向の変数置換処理を行う手順と、
    式(2)より3重逆フーリエ変換して、反射率f(x, y, z)を求める手順と、
    Figure 0007230286000104

    をコンピュータに実行させるプログラム。
    但し、
    x’ = x’1 = x’2
    z’1= z’2 = 0
    kは、伝播する前記波動の波数、
    k’x1, k’y1, k’z1は、前記送信点p1(x’1, y’1, z’1)から前記反射点(x, y, z)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
    k’x2, k’y2, k’z2は、前記反射点(x, y, z)から前記受信点p2(x’2, y’2, z’2)の間で伝播する前記波動の球面波の波数ベクトルの成分、
    kx = k’x1 + k’x2, u = k’x1 - k’x2, ky = k’y1 + k’y2, v = k’y1 - k’y2
    である。
  14. 式(3)で定まるx方向の最大波数をkxmaxとすると、-kxmax≦kx≦kxmaxの範囲でx方向の変数置換処理を行う手順と、
    Figure 0007230286000105

    式(4)で定まるy’1方向の最大波数をk’y1maxとし、y’2方向の最大波数をk’y2maxとすると、-k’y1max≦k’y1≦k’y1max、かつ、-k’y2max≦k’y2≦k’y2maxの範囲でy方向の変数置換処理を行う手順と、
    Figure 0007230286000106

    をコンピュータに更に実行させる、請求項13に記載のプログラム。
  15. 前記y方向の変数置換処理において、k’y1,nyq≦|k’y1|≦k’y1max、かつ、k’y2,nyq≦|k’y2|≦k’y2maxの範囲を選択的に除外して、y方向の前記変数置換処理を行う手順をコンピュータに更に実行させる、
    請求項14に記載のプログラム。
  16. 前記計測値s(x’1, x’2, y’1, y’2, z’1, z’2, k)は、y軸上に配列された複数の送信点p1(x’1, y’1, z’1)から、前記物体に前記波動を放射し、前記物体上の前記反射点(x, y, z)において前記反射率f(x, y, z)で反射した前記散乱波を、y軸上に配列された複数の受信点p2(x’2, y’2, z’2)で受信した値である、
    請求項13~15のいずれかに記載のプログラム。
  17. 前記波動の波数と波数ベクトルの成分は、式(5)を満たす、
    請求項13~15のいずれかに記載のプログラム。
    Figure 0007230286000107
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