JP7228874B2 - 透明容器内充填物中の異物検査装置及び異物検査方法 - Google Patents

透明容器内充填物中の異物検査装置及び異物検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7228874B2
JP7228874B2 JP2018218640A JP2018218640A JP7228874B2 JP 7228874 B2 JP7228874 B2 JP 7228874B2 JP 2018218640 A JP2018218640 A JP 2018218640A JP 2018218640 A JP2018218640 A JP 2018218640A JP 7228874 B2 JP7228874 B2 JP 7228874B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent container
movement
foreign matter
container
rotation shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018218640A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020085604A (ja
Inventor
崎 誠 山
井 卓 也 荒
Original Assignee
株式会社 デクシス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社 デクシス filed Critical 株式会社 デクシス
Priority to JP2018218640A priority Critical patent/JP7228874B2/ja
Publication of JP2020085604A publication Critical patent/JP2020085604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7228874B2 publication Critical patent/JP7228874B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Description

本発明はバイアル、アンプル、或いは瓶などの各種透明容器内に充填された充填物中への異物の混在を検査するための異物検査装置及び異物検査方法に関し、特に充填物が粉体、粒体又は液体等の流動体である場合に効率的に異物の混在を検査することのできる異物検査装置及び異物検査方法に関する。
従来、バイアル瓶やアンプルなどの様々な透明容器内に、粉体、粒体、或いは液体等の充填物を収容したものが各種分野において提供されている。そして当該透明容器入り充填物を提供する際には、充填物中に異物が混入していないことを確認する異物検査を行う装置として異物検査装置も提供されている。
かかる異物検査装置では、近年において画像処理技術も応用されており、バイアル瓶等の透明容器に回転もしくは振動を与えることで、粉末と該粉末内の異物とにおける比重差により両者を分離させ、この分離された状態を撮像して画像処理を行うことによって異物を検出する異物検査装置も提案されている。
例えば特許文献1(特開2000-298103号公報)では、透明容器に充填された粉末内に混入した異物を精度良く検出でき、また粉末と略等しい比重の異物に対しても検出可能な透明容器内粉末の異物検査装置として、前記容器を加振して粉末を容器内で対流させる加振手段と、該加振手段により加振された容器内の粉末表面を複数回撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像された複数の画像を用いて、画像内の濃淡レベルに応じて異物を検出する異物検出手段とを備えた透明容器内粉末の異物検査装置が提案されている。
また特許文献2(特開平3-51748号公報)では、アンプル、バイアル等の粉末を密封した透明容器に対して、容器自体の外観検査および密封された粉末中の異物検査を、自動的に連続して行うようにした粉末密封透明容器の自動検査装置を提案している。そしてこの文献には、回転円盤の全円周上に、狭い隙間をあけて放射状に多数の容器支持枠を並設し、各支持枠の先端に容器保持用の吸着チャックを取り付けて粉末密封透明容器を保持する事、および回転円盤の外周に配置した第一振動器及び第二振動器により、粉末密封透明容器を振動させることが開示されている。
そして本願特許出願人は、特許文献3(特開2010-8339号公報)において、透明容器の内壁に付着してしまうような粉末や流動性が悪い粉末であっても検査することができ、粉末に対する比重に制限されることなく、透明容器内に充填された粉末中の異物を容易且つ確実に検査可能な透明容器内粉末中の異物検査方法及び異物検査装置を提案している。即ち、透明容器内に充填された粉末中への異物の混入の有無を検査する異物検査方法において、前記透明容器に縦方向の往復振動と横方向の往復振動を合成した振動を与えて該透明容器内の粉末を循環流動させながら、内面に粉末が付着している透明容器壁面を通して粉末を撮像し、得られた画像を用いて異物の有無を検査する異物検査方法を提案している。
特開2000-298103号公報 特開平03-51748号公報 特開2010-8339号公報
前述の通り、透明容器内に収容した充填物中に混入した異物を検査する装置は幾つか提案されている。しかしながら前記特許文献1は加振によって容器内の粉末を対流させるように構成したものであり、粘度の高い粉末では十分な対流が行われないことが危惧される。
また引用文献2では、粉末密封透明容器を回転円盤上で回転させると共に、振動を与えることが開示されているが、検査対象物に応じた内容物の対流を実現するのが困難である。よって、粘度の高い粉末では十分な対流が行われないことが危惧される。
更に特許文献3では、透明容器に縦方向の往復振動と横方向の往復振動を合成した振動を与えて、該透明容器内の粉末を循環流動させることを開示している。しかしながら、検査対象が透明容器の内壁に付着してしまうような粉末や流動性が悪い粉末である場合には、透明容器内の粉末を循環流動させることについて、更に改良することが望ましい。
そこで本発明は、透明容器内における充填物の循環流動を更に改良した、透明容器内の異物検査装置及び異物検査方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するべく、本発明では透明容器内における充填物の循環流動の動向を検証しながら、当該透明容器の動かし方について改良を行った結果、ついに本発明を完成させたものである。
即ち本発明では、透明容器内に充填した充填物中の異物の有無を検査する異物検査装置であって、前記透明容器を公転移動および/または往復移動させる公転等移動部を備えており、前記公転等移動部は、前記透明容器の公転移動軌跡および/または往復移動軌跡を変化させる軌跡変更機構を備えている、透明容器内充填物中の異物検査装置を提供する。
前記公転等移動部は、検査対象となる充填物が収容された透明容器を任意の形状(軌跡)、例えば円形、楕円形、丸角多角形等の各種形状で公転移動および/または往復移動させることができ、当該公転等移動部が備える軌跡変更機構は、当該公転移動の軌跡を任意の形状、例えば相似形、縦横比を変えた異なる形状に変化させるか、または往復移動の長さや傾きなどを変化させることができる。
したがって、例えば公転等移動部は、前記透明容器を楕円形状の公転移動軌跡で移動させるように形成することができる。その際、当該公転等移動部が備える軌跡変更機構は、当該楕円形状の軌跡における長径、短径、及び傾きの少なくとも何れかを変化させるように形成することができる。
また、前記公転等移動部は、透明容器を、その公転移動軌跡及び/又は往復移動の軌跡の中心が、当該透明容器の公転移動面および/または往復移動面の外に存在するように公転移動させることもできるが、望ましくは当該透明容器の公転移動軌跡の中心が、当該透明容器の公転移動面内に存在するか、および/または当該透明容器の往復移動軌跡の中心が、当該透明容器の往復移動面内に存在するように公転移動させる。公転移動および/または往復移動の軌跡を小さくすることにより、透明容器内の充填物の攪拌をより効率的に行うことができる。
また、本発明にかかる透明容器内充填物中の異物検査装置は、更に前記透明容器を保持する容器保持部を備えることができる。例えば、前記透明容器を筒状の周壁面を有する形状(円筒状)に形成した場合には、その周壁面を保持する容器保持部を備えることができる。
かかる容器保持部は、前記透明容器を立てた状態、または横に寝かせた状態、あるいは傾斜させた状態で保持するように構成することができるが、当該容器保持部は、前記透明容器を、その筒状の壁面が横向きになるように保持することが望ましい。当該透明容器を横向きに保持することにより、内容物には下向きの重力が作用して容器の側面に押圧することができる。特に容器の側面は底面に比べて広い面積である場合が多いことから、より広い面積で内容物への異物の混入の有無を検査することができる。また、当該透明容器を横向きに保持する際には、前記公転等移動部は、当該透明容器を、筒状の周壁面の中心軸と交差する向きに公転させることが望ましい。これにより容器の内周面に沿って内容物を移動させることができる。
更に本発明にかかる異物検査装置では、公転移動中及び/又は往復移動中の透明容器を振動させる振動機構を備えることが望ましい。かかる振動機構はバイブレーション装置を使用することができ、透明容器の何れか一方から、または対向する方向から振動を与えるように構成することができる。また当該振動機構は何れか一方から付与する振動と、他の方向から付与する振動の周波数をそれぞれ変えることもできる。それぞれの周波数を異ならせた場合には、同調したタイミングでより大きな振動を与えることができる。なお、当該振動機構は専ら前記透明容器に対して振動を与えるために別個設けることができる他、前述の保持部を介して前記透明容器を振動させることもできる。かかる振動機構により透明容器を振動させることにより、前記公転及び/又は往復移動と相俟って、当該透明容器内の検査対象物を効果的に撹拌させることができる。
また、本発明にかかる異物検査装置では、更に前記透明容器の傾きを変動させ得る傾き変動機構を備えることが望ましい。かかる傾き変動機構はピストン機構等により構成して、公転移動する透明容器の傾きを変更させることができ、バイアル瓶などの様な筒状の透明容器にあっては、その中心軸方向の傾きを変化させることができる。かかる傾き変更機構は、公転移動前の透明容器の傾きを変化させる他、公転移動中の透明容器の傾きを変化させるように形成することもできる。特に公転移動中の透明容器の傾きを変化させれば、当該傾き変動機構により、容器に対する重力加速度方向を変えることが出来、容器内面と内容物の摩擦抵抗による偏り、内容物自体の凝集性による偏りを、重力加速度方向を変更することにより解消することができる。
そして本発明にかかる透明容器内充填物中の異物検査装置は、前記公転等移動部によって循環流動される内容物を撮像する撮像装置を備えることができる。かかる撮像装置は、公転移動する容器の重力方向側(即ち下側)から撮像するように設置することが望ましく、前記透明容器を横向きに配置して公転移動させる場合には、当該容器の下側から側壁面を撮像するように設けるのが望ましい。よって本発明にかかる異物検査装置は、更に、該透明容器内の充填物を循環流動させながら、横向きに保持された透明容器の側壁面側から当該循環流動する充填物を撮像する撮像装置を備えることができる。
また本発明にかかる透明容器内充填物中の異物検査装置において、前記撮像装置は、その撮像動作を前記公転等移動部の動作に連動させて制御する撮像装置制御機構を伴うことができる。かかる撮像装置制御機構は、前記透明容器内の充填物が、当該透明容器の内壁面に押圧された時に撮像するように、当該撮像装置を制御するのが望ましい。
更に本発明では、前記課題を解決するために、透明容器内の充填物を効率的に攪拌させて、その中に混入している異物の有無を検査することのできる透明容器内充填物中の異物検査方法を提供する。
即ち、透明容器内に充填した充填物中の異物の有無を検査する異物検査方法であって、前記透明容器を公転移動および/または往復移動させると共に、公転移動中および/または往復移動中の透明容器を振動させて当該透明容器内の充填物を循環流動させながら、当該循環流動する充填物を撮像し、得られた画像を用いて充填物中の異物の有無を検査する透明容器内充填物中の異物検査方法を提供する。
かかる異物検査方法では、前記透明容器を公転移動および/または往復移動させる際に、透明容器内の充填物(即ち検査対象物)の量や特性などに応じて、その公転移動軌跡を変化させることが望ましい。
また前記異物検査方法では、前記透明容器の公転移動に際して、その公転移動軌跡を楕円形状にすると共に、当該透明容器内の充填物(即ち検査対象物)の量や特性に応じて、当該楕円形状の軌跡における長径、短径、及び傾きの少なくとも何れかを変化させることも望ましい。また前記透明容器を往復移動させる場合には、その移動長さや傾きを変化させることも望ましい。
また前記異物検査方法では、前記透明容器を公転移動させる際に、その軌跡の中心は、当該透明容器の公転移動面内に存在するように行うのが望ましい。また前記透明容器を往復移動させる際に、その軌跡の中心は、当該透明容器の往復移動面内に存在するように行うのが望ましい。
また前記異物検査方法では、前記透明容器を筒状の周壁面を有する透明容器として、これを筒状の壁面が横向きになるように保持し、前記公転移動および/または往復移動は、当該透明容器を、筒状の周壁面の中心軸と交差する向きに移動させることが望ましい。
また前記異物検査方法では、該透明容器内の充填物を循環流動させながら、横向きに保持された透明容器の側壁面側から当該循環流動する充填物を撮像することが望ましい。
また前記異物検査方法では、前記循環流動する充填物の撮像は、前記公転等移動部の動作に連動し、前記透明容器内の充填物が当該透明容器の内壁面に押圧された時に撮像することが望ましい。
本発明の透明容器内充填物中の異物検査装置及び異物検査方法によれば、検査対象物である充填物を収容した透明容器を、振動させながら公転移動および/または往復移動することで、透明容器内における充填物の循環流動を更に改良した、透明容器内の異物検査装置及び異物検査方法を実現している。更に公転移動および/または往復移動する透明容器の傾きも変化させた場合には、透明容器内における検査対象物の偏りも、より一層解消することができる。
特に本発明にかかる透明容器内充填物中の異物検査装置では、前記公転等移動部が透明容器の公転移動軌跡を変化させる軌跡変更機構を備えていることから、透明容器内に充填した検査対象物(充填物)の量や特性に応じて、容器内における循環流動をきめ細やかに調整することができ、これにより透明容器の内壁に付着してしまうような粉末や流動性が悪い粉末であっても、十分に循環流動させることができる透明容器内の異物検査装置及び異物検査方法とすることができる。
本実施の形態にかかる異物検査装置の全体動作を示す正面図 異物検査装置における公転等移動部の一部を示す動作説明図 左右偏芯機構における左右回転軸部と、左右クランク部材と、左右揺動部材との連結状態を示す分解図斜視図 左右クランク部材の偏芯距離を異ならせた態様を示す要部拡大図 公転等移動部における軌跡変更機構を示す略図 公転等移動部における軌跡変更機構を示す略図 公転等移動部における軌跡変更機構を示す略図 容器保持部と振動機構の動作を示す要部拡大図 他の実施の形態にかかる容器保持部と振動機構の動作を示す要部拡大図
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかる異物検査装置10を具体的に説明する。本実施の形態では、特にバイアル瓶等の透明容器内に収容した粉体中の異物を検査するように構成した異物検査装置10の具体例を示している。ただし、当該検査対象物Pは必ずしも粉体に制限されるものではなく、液体等の流動体であっても使用することができる。
図1は本実施の形態にかかる異物検査装置10の全体動作を示す正面図であり、図2は当該異物検査装置10における公転等移動部の一部を示す動作説明図であり、図3は左右偏芯機構における左右回転軸部21と、左右クランク部材22と、左右揺動部材23との連結状態を示す分解図斜視図であり、図4(A)~(E)は左右クランク部材22の偏芯距離を異ならせた態様を示す要部拡大図であり、図5~7は公転等移動部における軌跡変更機構を示す略図であり、図8は容器保持部12と振動機構の動作を示す要部拡大図であり、図9は他の実施の形態にかかる容器保持部12と振動機構の動作を示す要部拡大図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる異物検査装置10は、筐体11の正面側に、検査対象物P(即ち、透明容器Bの充填物である粉体P)を収容した透明容器Bを保持する容器保持部12を備えている。特に本実施の形態において、当該容器保持部12には、保持している透明容器B、望ましくは公転移動中及び/又は往復移動中の透明容器Bを振動させる為の振動機構を備えている。
また、この容器保持部12を公転移動および/または往復移動させるための公転等移動部を備えており、当該公転等移動部は、本実施の形態では上下移動機構40と左右移動機構20とで構成している。更に、本実施の形態にかかる異物検査装置10は、公転移動および/または往復運動する透明容器内の検査対象物Pを撮影する為の撮像装置60を備えている。当該撮像装置60は光学素子を用いて形成しており、静止画又は動画を撮影することのできる機器を使用し、公転移動および/または往復運動する透明容器内の検査対象物Pを、当該透明容器Bの下側から撮像するように設けることができる。なお、当該撮像装置60は当該透明容器Bの下側を直接撮像する他、鏡面などを用いた間接像を撮像しても良い。
そして本実施の形態において、前記容器保持部12は、前記容器保持部12を上下方向に移動させる上下移動機構40に設けている。
かかる上下移動機構40は、前記容器保持部12が設けられると共に、上下方向に往復移動する上下移動部材44を備えており、この上下移動部材44は上下揺動部材43に軸着されている。そして当該上下揺動部材43は、モーターなどの回転駆動機構の回転軸によって回転駆動される上下回転軸部41に連結された上下クランク部材42に軸着されている。これにより上下回転軸部41が回動すると、当該上下回転軸部41に対して偏芯して設けられた上下クランク部材42が上下回転軸部41の回転軸周りに回動する。当該上下クランク部材42の回動は、上下回転軸部41からの偏芯距離を半径とした円運動となり、当該円運動に追従して前記上下揺動部材43は前記上下移動部材44との軸着部を中心に揺動しながら上下方向に移動する。これにより前記上下移動部材44は上下方向に移動することができる。その際、当該上下移動部材44は他の部材(後述する左右移動部材24など)に対して左右方向への移動を規制するためのスライダ乃至はガイドレールを設けることが望ましい。なお本実施の形態では、前記上下揺動部材43を板状に形成しているが、これはロッド状に形成することもでき、また前記上下クランク部材42も円盤状に形成しているが、これもロッド状又はプレート状に形成することもできる。
また本実施の形態では、前記上下移動部材44を左右方向に移動させるための左右移動機構20を備えている。
かかる左右移動機構20は、前記上下移動部材44を左右方向に往復移動させる左右移動部材24を備えており、この左右移動部材24は左右揺動部材23に軸着されている。そして当該左右揺動部材23は、モーターなどの回転駆動機構の回転軸によって回転駆動される左右回転軸部21に連結された左右クランク部材22に軸着されている。これにより左右回転軸部21が回動すると、当該左右回転軸部21に対して偏芯して設けられた左右クランク部材22が左右回転軸部21の回転軸周りに回動する。当該左右クランク部材22の回動は、左右回転軸部21からの偏芯距離を半径とした円運動となり、当該円運動に追従して前記左右揺動部材23は前記左右移動部材24との軸着部を中心に揺動しながら左右方向に移動する。これにより前記左右移動部材24は左右方向に移動することができる。その際、当該左右移動部材24は他の部材(筐体11に固定されている部材など)に対して上下方向への移動を規制するためのスライダ乃至はガイドレールを設けることが望ましい。なお本実施の形態では、前記左右揺動部材23を板状に形成しているが、これはロッド状に形成することもでき、また前記左右クランク部材22も円盤状に形成しているが、これもロッド状又はプレート状に形成することもできる。
以上のように構成した本実施の形態における異物検査装置10では、公転等移動部は前記上下移動機構40と左右移動機構20とで構成されており、上下移動機構40が上下方向の往復移動を生み出し、左右移動機構20が左右方向の往復移動を生み出すことができる。これにより両機構の移動を合成することにより、前記容器保持部12で保持している透明容器Bを、円や楕円などの公転軌道で移動させることができ、また任意の角度で直線方向の往復移動を実現することができる。
次に図2を参照しながら、上下方向または左右方向の移動を生み出す各機構部の動作を説明する。
図2において、(A)はB1-B1断面図、(B1)はクランク部材が鉛直上方向から半時計方向に90°回転している状態を示す略図、(B2)はクランク部材が(B1)から更に半時計方向に90°回転している状態を示す略図、(B3)はクランク部材が(B2)から更に半時計方向に90°回転している状態を示す略図、(B4)はクランク部材が(B3)から更に半時計方向に90°回転している状態を示す略図であり、(C1)~(C4)は(B1)~(B4)を模式的に示した略図である。
前述のとおり、この図2に示す左右移動機構20は、左右移動部材24、左右揺動部材23、左右クランク部材22および左右回転軸部21を備えている。この内、左右移動部材24と左右揺動部材23とは、揺動回転軸26によって回り対偶で接続されており、左右揺動部材23と左右クランク部材22とは、クランク回転軸25によって回り対偶で接続されている。そして前記左右移動部材24は筐体11に固定されているレール部材27に対して、滑り対偶で接続されている。
この左右移動機構20は、例えば図2(B1)に示すように、鉛直上方向から半時計方向に90°回転している状態においては、前記左右移動部は左右回転軸部21から離れた位置に存在する。この図2に示す実施の形態では、当該図2(B1)に示した状態において、前記左右移動部は、前記左右回転軸部21から最も離れた位置(図面では最も左側)に存在することになる。
その後、図2(B2)に示すように、クランク部材22が(B1)の状態から半時計方向に90°回転することにより、前記左右移動部は、前記左右クランク部材22が左右回転軸部21から偏芯している距離Lだけ左右回転軸部21側に近づくことになる。この時、当該左右クランク部材22の回転中心は前記左右回転軸部21の真下に存在することから、前記偏芯している距離Lは実質的にゼロとなり、当該左右移動部材24における左右方向の往復移動の中心位置に存在することになる。
そして図2(B3)に示すように、クランク部材が(B2)の状態から更に半時計方向に90°回転することにより、前記左右移動部は更に左右回転軸部21に前記偏芯距離Lだけ近づくことになる。この図2(B3)に示した状態において、前記左右移動部は、前記左右回転軸部21に最も近づいた位置(図面では最も右側)に存在することになる。そして図2(B4)に示すように、クランク部材22を(B3)の状態から更に半時計方向に90°回転させることにより、前記左右移動部材24は、前記距離Lだけ左右回転軸部21側から離れることになる。この時、当該左右クランク部材22の回転中心は、前記左右回転軸部21の真上に存在することから、前記偏芯している距離Lは実質的にゼロとなり、当該左右移動機構20における左右方向の往復移動の中心位置に存在することになる。
以上の様にして左右回転軸部21が連続回転することにより、その回転運動は左右移動部材24における往復運動に変換され、前記偏芯した距離Lの2倍の距離で当該左右移動部材24は左右方向に往復運動することができる。
なお、この図2では特に左右移動機構20について説明しているが、前記上下移動機構40も同様にして動作する。即ち、上下回転軸部41が連続回転することにより、その回転運動は上下クランク部材42と上下揺動部材43によって上下方向の往復運動に変換され、前記上下クランク部材42が上下回転軸部41から偏芯した距離Lの2倍の距離で、当該上下移動部材44は上下方向に往復運動することができる。なお、当該上下移動機構40も左右方向を上下方向に置き換えれば同様であることから、詳細な説明は省略する。
次に図3及び図4を参照しながら、本実施の形態における上下移動機構40及び左右移動機構20における偏芯動作を説明する。図3は左右偏芯機構における左右回転軸部21と、左右クランク部材22と、左右揺動部材23との連結状態を示す分解斜視図であり、図4(A)~(E)は、左右クランク部材22の偏芯距離を異ならせた態様を示す要部拡大図である。
本実施の形態において、左右回転軸部21の先端側には、直径方向に延伸して突出する凸条部31が設けられており、前記左右クランク部材22における左右回転軸部21との接合面には、前記凸条部31を受容する溝部32が設けられている。これにより、前記左右回転軸部21と左右クランク部材22とは、当該凸条部31と溝部32とが嵌合し、当該左右クランク部材22は、前記凸条部31の長さ方向にスライド移動できるように構成されている。そして当該左右クランク部材22において、溝部32が形成された側とは反対側の面には、その中心に円柱状の凸部(クランク回転軸25)を設けている。そして当該凸部には、前記左右揺動部材23の基端側に形成した貫通孔33を差し込み、当該左右揺動部材23を回り対偶によって連結している。そして当該左右揺動部材23は抑えリング34によって抜け止めされている。
以上のように構成した左右揺動部材23は、図4に示すように凸条部31と溝部32とをスライド移動させることにより、前記左右クランク部材22の偏芯距離を調整することができる。即ち、図4(A)に示すように、左右クランク部材22を距離L1だけ左右回転軸部21からスライド移動させることにより、当該左右クランク部材22は偏芯距離L1で左右回転軸部21の軸心を回動する。これにより前記左右揺動部材23の基端側も偏芯距離L1で左右回転軸部21の軸心を回動し、当該左右揺動部材23先端側は、当該偏芯距離L1の2倍の長さ分だけ左右方向に往復移動することができる。
そして図4(B)に示すように、左右クランク部材22を左右回転軸部21側にスライド移動させて、左右回転軸部21の回転中心と、左右揺動部材23の回転中心との距離をL2とした場合には、前記左右揺動部材23の基端側は偏芯距離L2で左右回転軸部21の軸心を回動し、当該左右揺動部材23先端側は、当該偏芯距離L2の2倍の長さ分だけ左右方向に往復移動することができる。
そして図4(C)に示すように、左右回転軸部21の回転中心と、左右揺動部材23の回転中心とを一致させた場合には、両者の偏芯距離はゼロとなる。その結果、左右回転軸部21が回転しても、前記左右揺動部材23は左右方向に往復移動することはない。
その後、図4(D)に示すように、左右クランク部材22を左右回転軸部21から離れる方向にスライド移動させて、左右回転軸部21の回転中心と、左右揺動部材23の回転中心との距離をL3とした場合には、前記左右揺動部材23の基端側は偏芯距離L3で左右回転軸部21の軸心を回動し、当該左右揺動部材23先端側は、当該偏芯距離L3の2倍の長さ分だけ左右方向に往復移動することができる。この時、偏芯距離L3が前記偏芯距離L2と同じ場合には、往復移動距離は同じになる。
そして図4(E)に示すように、左右クランク部材22を左右回転軸部21から離れる方向にスライド移動させて、左右回転軸部21の回転中心と、左右揺動部材23の回転中心との距離をL3とした場合には、前記左右揺動部材23の基端側は偏芯距離L3で左右回転軸部21の軸心を回動し、当該左右揺動部材23先端側は、当該偏芯距離L3の2倍の長さ分だけ左右方向に往復移動することができる。この時、偏芯距離L3が前記偏芯距離L2と同じ場合には、往復移動距離は同じになる。更に、図4(F)に示すように、左右クランク部材22を更に左右回転軸部21から離れる方向にスライド移動させて、偏芯距離をL4とした場合には、前記同様に左右揺動部材23先端側は、当該偏芯距離L4の2倍の長さ分だけ左右方向に往復移動することができる。この時、偏芯距離L4が前記偏芯距離L1と同じ場合には、往復移動距離は同じになる。
以上の様にして、左右クランク部材22の中心と、左右回転軸部21の中心との距離を変更する事により、左右揺動部材23の先端側の往復移動距離を任意に変化させることができる。その結果、前記左右移動部の公転距離および/または往復移動距離を調整することができる。特に本実施の形態では前記左右クランク部材22が、左右回転軸部21の回転中心を跨ってスライド移動できるように構成しているが、いずれかの半径方向にのみ移動するように構成しても良い。また、前記左右揺動部材23の基端側の回転中心と前記左右回転軸部21の回転中心との距離、すなわち偏芯距離を調整できる限りにおいて、前記スライド移動に限ることなく、他の構成によって実現することも可能である。また上下移動機構40は、前記左右移動機構20における左右方向を上下方向に変更する事により実施できることから詳細な説明は省略する。
次に図5~7を参照しながら、本実施の形態における公転等移動部における軌跡変更機構を説明する。この図5~7の実施形態では、左右移動機構20における左右方向の偏芯距離をL1とし、上下移動機構40における上下方向の偏芯距離をL2としている。特に本実施の形態では、L2はL1の半分の距離に設定している。
図5(A)に示す実施の形態では、左右移動機構20における左右クランク部材22の回転中心の回転開始位置を、前記左右回転軸部21の左側であって最も離れた位置(L1)とし、また上下移動機構40における上下クランク部材42の回転中心の回転開始位置を、前記上下回転軸部41の上側であって最も離れた位置(L2)としている。この時、容器保持部12に保持された、検査対象物P(即ち、透明容器Bの充填物である粉体P)を収容した透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(―L1,L2)となる。
その後、図5(B)に示すように、左右回転軸部21及び上下回転軸部41を図面において左回り(反時計回り)に90°回転させて、左右クランク部材22の回転中心を左右回転軸部21の下側に移動させ、上下クランク部材42の回転中心を上下回転軸部41の左側に移動させる。この時、前記透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(0,0)となる。
そして図5(C)に示すように、左右回転軸部21及び上下回転軸部41を、前記図5(B)から、更に左回りに90°回転させて、左右クランク部材22の回転中心を左右回転軸部21の右側であって最も離れた位置(L1)に移動させ、上下クランク部材42の回転中心を上下回転軸部41の下側であって最も離れた位置(L2)に移動させる。この時、前記透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(L1,―L2)となる。
その後、図5(D)に示すように、左右回転軸部21及び上下回転軸部41を、前記図5(C)から、更に左回りに90°回転させて、左右クランク部材22の回転中心を左右回転軸部21の上側に移動させ、上下クランク部材42の回転中心を上下回転軸部41の右側に移動させる。この時、前記透明容器Bの座標位置(X,Z)は、再び(0,0)となる。
以上の様にして、各回転軸部を同じ回転速度で連続回転させることにより、前記透明容器Bを図5中に模式的に示す座標系において、座標位置(―L1,L2)から(L1,―L2)の範囲を、原点を通って直線状に往復移動することができる。この時、仮に上下移動機構40と左右移動機構20における偏芯距離を同じにした場合には、当該容器保持部12の軌跡を、座標原点を通り、傾きを―1とした直線状の往復移動とすることができ、また上下移動機構40における偏芯距離を、左右移動機構20とにおける偏芯距離の2倍とした場合には、当該容器保持部12の軌跡を、座標原点を通り、傾きを―2とした直線状の往復移動とすることができる。更に、左右移動機構20における左右クランク部材22の回転中心の回転開始位置を、前記左右回転軸部21の右側であって最も離れた位置(L1)とした場合には、直線往復移動の傾きを正の値にすることができ、また左右移動機構20又は上下移動機構40の何れかにおいて、偏芯距離をゼロとした場合には、他方の移動機構の偏芯距離分だけ、Z軸又はX軸場を往復する直線移動とすることができる。即ち、左右クランク部材22の偏芯距離により往復移動距離を変化させ、左右移動機構20及び上下移動機構40における相対的な回動開始位置を変化させることにより往復移動の傾きを変化させることができる。
次に図6を参照しながら、公転軌道における軌跡の変更方法を説明する。特にこの図6に示す実施態様では、左右移動機構20及び上下移動機構40における相対的な回動開始位置を変化させることにより、透明容器Bを保持する容器保持部12の公転軌道を変化させている。
即ち、この図6に示す実施形態では、左右移動機構20における左右クランク部材22の回転中心の回転開始位置を、前記左右回転軸部21の上側とし、上下移動機構40における上下クランク部材42の回転中心の回転開始位置を、前記図5の実施形態と同じく、前記上下回転軸部41の上側としている。この時、容器保持部12に保持された透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(0,L2)となる。
その後、図6(B)に示すように、左右回転軸部21及び上下回転軸部41を、図面において左回り(反時計回り)に90°回転させて、左右クランク部材22の回転中心を左右回転軸部21の左側に移動させ、上下クランク部材42の回転中心を上下回転軸部41の左側に移動させる。この時、前記透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(―L1,0)となる。
そして図6(C)に示すように、左右回転軸部21及び上下回転軸部41を、前記図6(B)から、更に左回りに90°回転させて、左右クランク部材22の回転中心を左右回転軸部21の下側に移動させ、上下クランク部材42の回転中心を上下回転軸部41の下側に移動させる。この時、前記透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(0,―L2)となる。
その後、図6(D)に示すように、左右回転軸部21及び上下回転軸部41を、前記図6(C)から、更に左回りに90°回転させて、左右クランク部材22の回転中心を左右回転軸部21の右側に移動させ、上下クランク部材42の回転中心を上下回転軸部41の右側に移動させる。この時、前記透明容器Bの座標位置(X,Z)は、再び(0,0)となる。
以上の様に、本実施の形態では左右移動機構20と上下移動機構40において、各クランク部材の回転中心と各回転軸部の回転中心との相対的な位置関係を同期させることにより、容器保持部12の公転軌跡を横長の楕円形状にすることができる。即ち、当該容器保持部12の公転軌道を、長径がL1の2倍であり、短径がL2の2倍であって、長軸を左右方向(X軸方向)に向けた楕円形状とすることができる。この時、仮に上下移動機構40における偏芯距離をL1と同じにした場合には、当該容器保持部12の軌跡を円形にすることができ、また左右移動機構20における偏芯距離をL2とし、上下移動機構40とにおける偏芯距離をL1とした場合には、長径を上下方向(Z軸方向)に向けた楕円形状とすることができる。
図7は更に左右移動機構20における左右クランク部材22の回転中心の回転開始位置を異ならせた実施形態を示している。
即ち、この図7に示す実施形態では、左右移動機構20における左右クランク部材22の回転中心の回転開始位置を、左右回転軸部21の右側であって、水平方向(X座標方向)から左回り方向(反時計方向)に角度Θだけ回転させた位置とし、上下移動機構40における上下クランク部材42の回転中心の回転開始位置を、前記図5の実施形態と同じく、前記上下回転軸部41の上側としている。この時、容器保持部12に保持された透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(L1cosΘ,L2)となる。
その後、図7(B)に示すように、左右回転軸部21及び上下回転軸部41を、図面において左回り(反時計回り)に90°回転させて、左右クランク部材22の回転中心を、回転中心の上側であって、鉛直方向(Z座標方向)から左回り方向(反時計方向)に角度Θだけ回転させた位置に移動させ、上下クランク部材42の回転中心を上下回転軸部41の左側に移動させる。この時、前記透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(―L1sinΘ,0)となる。
そして図7(C)に示すように、左右回転軸部21及び上下回転軸部41を、前記図7(B)から、更に左回りに90°回転させて、左右クランク部材22の回転中心を左右回転軸部21の左側であって、水平方向(X座標方向)から左回り方向(反時計方向)に角度Θだけ回転させた位置に移動させ、上下クランク部材42の回転中心を上下回転軸部41の下側に移動させる。この時、前記透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(―L1cosΘ,―L2)となる。
その後、図7(D)に示すように、左右回転軸部21及び上下回転軸部41を、前記図7(C)から、更に左回りに90°回転させて、左右クランク部材22の回転中心を、回転軸部の下側であって、鉛直方向(Z座標方向)から左回り方向(反時計方向)に角度Θだけ回転させた位置に移動させ、上下クランク部材42の回転中心を上下回転軸部41の右側に移動させる。この時、前記透明容器Bの座標位置(X,Z)は、(L1sinΘ,0)となる。
以上の様に、本実施の形態では左右移動機構20と上下移動機構40において、各クランク部材の回転中心の回転開始位置を任意の位置に設定することにより、容器保持部12の公転軌跡を傾きが1/2とした楕円形状にすることができる。この時、仮に上下移動機構40における偏芯距離を大きくした場合には、楕円軌道の傾きを大きい値にすることができ、また左右クランク部材22の回転中心の回転開始位置を回転中心の左側に設定した場合には、楕円軌道の傾きを負の値にすることができる。
以上の様に、本実施の形態では各クランク部材の偏芯距離を変化させることにより、公転移動および/または往復移動の軌跡の長さを変化させることができ、また各クランク部材の回転中心の回転開始位置を変化させることにより、軌跡の形状や傾き、或いは往復移動の傾きを変化させることができる。
よって本実施の形態にかかる異物検査装置10では、上下移動機構40と左右移動機構20における回転軸部は、それぞれ独自に制御できることが望ましく、例えば左右回転軸部21を回動させるモーターなどの左右方向回転駆動機構と、上下回転軸部41を回動させるモーターなどの上下方向回転駆動機構とを、それぞれ別に設けることもできる。
以上の様に本実施の形態にかかる異物検査装置10では、左右方向と上下方向で、回転軸部の回転位相などをそれぞれ別に制御できるようにした場合には、公転軌道を楕円形状及び/又は直線形状にすることができ、更に楕円形状とした場合には、その楕円軌跡を任意の角度に傾けることができる。そして当該楕円軌道を任意の角度に傾けられることにより、透明容器B(バイアル瓶など)内の検査対象物P(粉体Pなど)を万遍なく撹拌させるための最適なあおり動作を実現することが可能となる。
更に、左右回転軸部21と上下回転軸部41との回転速度を異ならせることにより、左右移動機構20と上下移動機構40における動作速度を異ならせることができ、これにより公転移動や往復移動の軌跡を動作中に変化させることもできる。更に各クランク部材の偏芯距離を動作中に変化させるように構成することもでき、これにより動作中に公転または往復移動軌跡の長さを変化させることのできる異物検査装置10を実現することができる。
そして本実施の形態にかかる異物検査装置10において、公転移動機構は、前記透明容器Bの公転移動軌跡および/または往復移動軌跡の中心が、当該透明容器Bの公転移動面および/または往復移動面内に存在するように構成することができる。公転移動軌跡および/または往復移動軌跡をこのように制御することにより、公転軌跡を小さくすることができ、これにより撹拌効率を高めることができる。ただし、検査対象物Pの特性や透明容器Bの大きさ次第では、前記透明容器Bの公転移動軌跡または往復移動軌跡の中心を、当該透明容器Bの公転移動面または往復移動面外に存在させることもできる。
更に本実施の形態では、前記の公転移動および/または往復移動により透明容器内の検査対象物Pを撹拌させて煽ることができるところ、前記撮像装置60の撮像動作を、前記公転等移動部の動作に連動させて制御する撮像装置60制御機構を備えることができる。かかる撮像制御装置は、前記した煽り動作において、検査対象物Pが透明容器Bの内面に押圧されたタイミングで前記撮像装置60により撮像するように撮像装置60を制御するように構成することが望ましい。かかる撮像制御装置は、例えばロータリーエンコーダなどを使用することができる。かかる撮像制御装置を使用する事により、検査に使用する画像の数やデータ容量を削減することができ、透明容器内の異物検査の検査速度を高めることができる。
かかる撮像装置60によって撮像した画像は、コンピュータなどを用いて構成された画像判断装置において画像の判断が行われ、検査対象物P中における異物の有無が判断される。かかる画像判断は2値化処理などの公知の画像判断手法を使用することができる。なお、この画像判断結果と撮像した画像とは、管理番号や検査日時などの検査情報と共に記憶装置に保持することもでき、これにより検査対象物Pの履歴などをトレースすることが可能(トレーサビリティーを確保)となる。
そして本実施の形態にかかる異物検査装置10は、検査対象物Pを収容する透明容器Bを保持する容器保持部12を備えている。かかる容器保持部12は、透明容器Bを横向きに保持することが望ましい。即ち、当該容器保持部12は、当該透明容器Bを、その筒状の壁面が横向きになるように保持することが望ましい。バイアル瓶等の様に筒状の容器においては、その周壁面を下に向けて撹拌・煽り動作を行うことにより、角部に検査対象物Pが溜まるような事態を回避することができる。この点、仮に容器の底面を下に向けて保持し、撹拌・煽り動作を行ったとすると、検査対象物Pの凝集性が高い場合には、容器底面と周壁面との角部に検査対象物Pが貯留してしまうことも考えられることから、透明容器Bを横向きに保持することにより、検査対象物Pの撹拌性を高めて、最適な煽り動作を実現することができる。
上記本実施の形態にかかる異物検査装置は、更に前記透明容器の傾きを変動させ得る傾き変動機構を備えることが望ましい。かかる傾き変動機構は、前記透明容器を公転移動および/または往復移動させる公転等移動部を傾けるか、或いは筐体自体を傾けるように構成することができる。かかる傾き変動機構は、ジャッキやその他のピストン機構等を用いて、前記公転など移動部や筐体を傾斜させるように形成することができる。かかる傾き変更機構は、公転移動前の透明容器の傾きを変化させる他、公転移動中の透明容器の傾きを変化させるように形成するこができる。公転移動中の透明容器の傾きを変化させれば、当該傾き変動機構により、容器に対する重力加速度方向を変えることが出来、容器内面と内容物の摩擦抵抗による偏り、内容物自体の凝集性による偏りを、重力加速度方向を変更することにより解消することができる。また、当該傾き変動機構は、前記透明容器の公転移動面に交差する向き、或いは当該公転移動面に沿う向きに傾けることができ、また前記透明容器の中心軸の延伸方向に沿う向き、或いは当該中心軸の延伸方向に交差する向きに傾けることができる。
図8及び図9は検査対象を収容した透明容器Bを保持する容器保持部12の実施形態を示す正面図であり、各図において(A)保持状態、(B)解放状態を示している。このうち図8に示す容器保持部12は、前記透明容器Bを1つ保持するように構成している。即ち、この図8に示す容器保持部12は、左右方向に移動する2つのクランプ部材を備えており、当該クランプ部材間に前記透明容器Bを保持するように構成している。2つのクランプ部材が対向する方向に移動することにより、所定の位置(例えば前記撮像装置60の撮影位置)に移動させた透明容器Bを、その位置で保持することができる。そして当該クランプ部材の開閉動作はエアーチャックや電磁弁など、公知の機構を採用することができる。
また、本実施の形態における容器保持部12は、保持した容器に対して微振動を与える振動機構を備えている。かかる振動機構は、エアーバイブレーションやソレノイドなどを利用して、周波数が200~400Hz程度、振幅が0.1~0.2mm程度の微振動を透明容器Bに与えることが望ましい。かかる振動機構は、その周波数や振幅を任意に調整できることが望ましく、また左右のクランプ部材ごとに、微振動の周波数や振幅を異ならせることもできる。対向するクランプ部材同士で微振動の周波数や振幅を異ならせた場合には、両者間の距離も変化することから、前記クランプ部材における透明容器Bに対向する面には、透明容器Bを受容する窪みを設けて、クランプ部材同士間の距離が変化した場合であっても、前記透明容器Bを保持できるように形成するのが望ましい。
図9は、2の透明容器Bを並べて保持できるように構成した容器保持部12を示す正面図である。この実施形態に示す容器保持部12は、前記図8に示した容器保持部12を2つ並べて形成しており、従って対向配置した2つのクランプ部材を2組設けている。そして各クランプ部材はそれぞれ振動することができることから、2つの透明容器Bを並列させて保持し、それぞれに微振動を付与することができる。
以上の様に、容器保持部12に保持した透明容器Bに微振動を付与することにより、前記公転移動および/または往復移動と相まって、当該透明容器内の検査対象物P(例えば粉体P)は十分に撹拌され、かつ煽られることから、当該検査対象物P内に異物が混入している場合には、此れを確実に検出することが可能になる。
本発明にかかる異物検査装置および異物検査方法は、バイアル、アンプル、或いは瓶などの各種透明容器内に充填された充填物中への異物の混在を検査する等の検査分野において利用することができる。かかる検査装置及び検査方法は、特に充填物が粉体、粒体又は液体等の流動体である場合に効率的に異物の混在を検査することができる。
また本発明にかかる異物検査装置および異物検査方法は、容器内に充填した流動体を効率的に撹拌できることから、検査分野のみならず、容器内充填物の撹拌のために使用することもできる。
10 異物検査装置
11 筐体
12 容器保持部
20 左右移動機構
21 左右回転軸部
22 左右クランク部材
23 左右揺動部材
24 左右移動部材
25 クランク回転軸
26 揺動回転軸
27 レール部材
40 上下移動機構
41 上下回転軸部
42 上下クランク部材
43 上下揺動部材
44 上下移動部材
60 撮像装置
B 透明容器
P 検査対象物(粉体)

Claims (7)

  1. 透明容器内に充填した充填物中の異物の有無を検査する異物検査装置であって、
    前記透明容器を公転移動および/または往復移動させる公転等移動部を備えており、
    前記公転等移動部は、上下移動機構と左右移動機構とからなり、前記透明容器の公転移動軌跡および/または往復移動軌跡を変化させる軌跡変更機構を備えており、
    前記上下移動機構は、回転駆動機構の回転軸によって回転駆動される上下回転軸部と、当該上下回転軸部によって回転する上下クランク部材とを備え、前記左右移動機構は、回転駆動機構の回転軸によって回転駆動される左右回転軸部と、当該左右回転軸部によって回転する左右クランク部材とを備えており、
    前記上下回転軸部の回転中心と上下クランク部材の回転中心との偏芯距離、および前記左右回転軸部の回転中心と左右クランク部材の回転中心との偏芯距離が変更可能であり、
    前記公転等移動部は、前記透明容器の公転移動軌跡を楕円形状とすることができると共に、当該公転等移動部が備える軌跡変更機構は、前記上下回転軸部の回転中心と上下クランク部材の回転中心との偏芯距離、および前記左右回転軸部の回転中心と左右クランク部材の回転中心との偏芯距離を変更することにより、前記透明容器の楕円形状の軌跡における長径、及び短径の少なくとも何れかを変化させることができ、
    左右移動機構及び上下移動機構における相対的な回動開始位置も変化させることにより、軌跡の形状や傾き、或いは往復移動の傾きを変化させることができる、透明容器内充填物中の異物検査装置。
  2. 前記透明容器の公転移動軌跡または往復移動軌跡の中心は、当該透明容器の公転移動面または往復移動面内に存在する、請求項1に記載の異物検査装置。
  3. 更に、公転移動中及び/又は往復移動中の透明容器を振動させる振動機構と、筒状の周壁面を有する前記透明容器を保持する容器保持部を備えており、
    当該容器保持部は、当該透明容器を、その筒状の壁面が横向きになるように保持し、
    前記公転等移動部は、当該透明容器を、筒状の周壁面の中心軸と交差する向きに公転移動および/または往復移動させる、請求項1又は2に記載の異物検査装置。
  4. 更に前記公転移動中及び/又は往復移動中の透明容器を、公転移動面および/または往復移動面に交差する向きに傾斜させる傾き変動機構を備える、請求項1~3の何れか一項に記載の異物検査装置。
  5. 更に、該透明容器内の充填物を循環流動させながら、横向きに保持された透明容器の側壁面側から当該循環流動する充填物を撮像する撮像装置を備える、請求項1~4の何れか一項に記載の異物検査装置。
  6. 前記撮像装置の撮像動作を、前記公転等移動部の動作に連動させて制御する撮像装置制御機構を備える、請求項5に記載の異物検査装置。
  7. 請求項1に記載の異物検査装置を用いて、透明容器内に充填した充填物中の異物の有無を検査する異物検査方法であって、
    前記透明容器を公転移動させて当該透明容器内の充填物を循環流動させながら、当該循環流動する充填物を撮像し、得られた画像を用いて充填物中の異物の有無を検査し、
    前記透明容器の公転移動では、前記透明容器の公転移動軌跡を楕円形状とすると共に、当該楕円形状の軌跡における長径及び短径を変化させると共に、楕円形状の軌跡の傾きを変化させることができることを特徴とする透明容器内充填物中の異物検査方法。
JP2018218640A 2018-11-21 2018-11-21 透明容器内充填物中の異物検査装置及び異物検査方法 Active JP7228874B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018218640A JP7228874B2 (ja) 2018-11-21 2018-11-21 透明容器内充填物中の異物検査装置及び異物検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018218640A JP7228874B2 (ja) 2018-11-21 2018-11-21 透明容器内充填物中の異物検査装置及び異物検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020085604A JP2020085604A (ja) 2020-06-04
JP7228874B2 true JP7228874B2 (ja) 2023-02-27

Family

ID=70907610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018218640A Active JP7228874B2 (ja) 2018-11-21 2018-11-21 透明容器内充填物中の異物検査装置及び異物検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7228874B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020139749A (ja) * 2019-02-26 2020-09-03 ニプロ株式会社 粉体封入容器の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4912318A (en) 1987-08-04 1990-03-27 Kanebo Ltd. Inspection equipment for small bottles
JP2002336995A (ja) 2001-05-15 2002-11-26 Aida Eng Ltd プレス機械の可変ストローク装置
JP2012220453A (ja) 2011-04-13 2012-11-12 Eisai Machinery Co Ltd 異物検出装置
JP6248476B2 (ja) 2013-08-29 2017-12-20 大日本印刷株式会社 加振装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2711123B2 (ja) * 1989-01-13 1998-02-10 日鉄鉱業株式会社 密封透明容器内に充填された粉末中の異物検査方法
JP2719410B2 (ja) * 1989-07-19 1998-02-25 日鉄鉱業株式会社 粉末密封透明容器の自動検査装置
JPH06248476A (ja) * 1993-02-26 1994-09-06 Mitsuo Wazawa 可変ストローク機構を備えた表面処理装置
JP4021051B2 (ja) * 1998-05-14 2007-12-12 株式会社ベルデックス 容器内の液の検査方法および検査装置
JP5307459B2 (ja) * 2008-06-30 2013-10-02 株式会社 デクシス 透明容器内粉末中の異物検査方法及び異物検査装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4912318A (en) 1987-08-04 1990-03-27 Kanebo Ltd. Inspection equipment for small bottles
JP2002336995A (ja) 2001-05-15 2002-11-26 Aida Eng Ltd プレス機械の可変ストローク装置
JP2012220453A (ja) 2011-04-13 2012-11-12 Eisai Machinery Co Ltd 異物検出装置
JP6248476B2 (ja) 2013-08-29 2017-12-20 大日本印刷株式会社 加振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020085604A (ja) 2020-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10980372B2 (en) Automated stirring and mixing apparatus for cooking
US5399013A (en) Mixing device
JP7228874B2 (ja) 透明容器内充填物中の異物検査装置及び異物検査方法
US9597645B2 (en) Stirring method
JP2006231320A (ja) 実験用攪拌装置
JP4906009B2 (ja) 実験用容器の内容物を混合するためのマルチステーション装置
JP5307459B2 (ja) 透明容器内粉末中の異物検査方法及び異物検査装置
JP2021516607A (ja) 衛生混合器
CN110770589A (zh) 一种管式发光试剂震荡混匀装置及方法
JP7306689B2 (ja) 振盪機
WO2011152276A1 (ja) 異物検査装置および異物検査方法
JP2008298692A (ja) 試料攪拌装置、及び検体分析装置
JP2024026817A (ja) 粉体封入容器の製造方法
KR20170089215A (ko) 입체교반타입의 디졸버
JP6972113B2 (ja) 容器内の粒子検出の改善のためのビデオトリガ同期
JP2008119603A (ja) 撹拌装置
KR20170055795A (ko) 회전속도 조절이 가능한 교반 및 탈포기
CN205851342U (zh) 一种中药材筛选振动筛
JP6364246B2 (ja) 攪拌装置、攪拌方法および当該攪拌装置を備えた自動分析装置
EP2671481A1 (en) Automated stirring and mixing apparatus for cooking
US20130327224A1 (en) Cooking system capable of automated stirring and mixing of food ingredients
US11641981B2 (en) Stirring motion mechanism for cooking apparatus
CN108855887A (zh) 一种筛网可升降旋转式的工业用颗粒物料处理设备
KR102093181B1 (ko) 혼합용 탈포 믹서기
JP2015150113A (ja) 薬剤バイアル撹拌装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220308

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7228874

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150