JP7227503B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
図1は、本開示の一実施形態に係る電力変換装置10の構成を示す回路図である。図1において、電力変換装置10は、整流回路20と、インバータ回路40と、アクティブフィルタ回路60と、スイッチング電源80と、1つのプリント配線板70とを備えている。
(2-1)整流回路20
整流部21は、6つのダイオードD0a,D0b,D1a,D1b,D2a,D2bによってブリッジ状に構成されている。具体的には、ダイオードD0aとD0b、D1aとD1b、D2aとD2bは、それぞれ互いに直列に接続されている。
インバータ回路40は、リアクトル24と、平滑コンデンサ22と、インバータモジュール30、電圧検出部32と、電流検出部33と、インバータマイコン35とを有している。
リアクトル24は、その一端が整流回路20の正側出力端子に接続され、その他端が平滑コンデンサ22の正側入力端子に接続されている。
平滑コンデンサ22は、一端が整流回路20の正側出力端子に接続され、他端が整流回路20の負側出力端子に接続されている。平滑コンデンサ22は、整流回路20によって整流された電圧を平滑する。
インバータモジュール30は、スイッチング回路25および制御回路26が内蔵され、1つのパッケージになっている。
スイッチング回路25は、モータMのU相、V相およびW相の駆動コイルLu,Lv,Lwそれぞれに対応する3つの上下アームが互いに並列に、且つ平滑コンデンサ22の出力側に接続されている。
制御回路26は、インバータマイコン35からの指令電圧に基づき、スイッチング回路25の各トランジスタQ3a~Q5bのオンおよびオフの状態を変化させる。
電圧検出部32は、平滑コンデンサ22の出力側に接続されており、平滑コンデンサ22の両端電圧を検出する。電圧検出部32は、例えば、互いに直列に接続された2つの抵抗が平滑コンデンサ22に並列接続され、平滑コンデンサ22の両端電圧が分圧されるように構成される。それら2つの抵抗同士の接続点の電圧値は、インバータマイコン35に入力される。
電流検出部33は、平滑コンデンサ22およびスイッチング回路25の間であって、かつ平滑コンデンサ22の負側出力端子側に接続されている。電流検出部33は、モータMの起動後、モータMに流れるモータ電流を三相分の電流の合計値として検出する。
インバータマイコン35は、電圧検出部32、電流検出部33、および制御回路26と接続されている。本実施形態では、インバータマイコン35は、モータMをロータ位置センサレス方式にて駆動させている。なお、ロータ位置センサレス方式に限定されるものではなく、センサ方式で行なってもよい。
アクティブフィルタ回路60は、アクティブフィルタモジュール50と、第1コンデンサ52と、キャリアフィルタ53と、連繋リアクトル54と、アクティブフィルタマイコン55と、電圧検出部56と、電流検出部57と、U相電流検出部58uと、W相電流検出部58wとを有している。
アクティブフィルタモジュール50は、スイッチング回路45および制御回路46が内蔵され、1つのパッケージになっている。
スイッチング回路45は、高調波電流を抑制するための補償電流を生成する複数のスイッチング素子から成る。
制御回路46は、スイッチング素子を制御する。制御回路46の構成も、インバータモジュール30の制御回路26の構成と同じであるので、インバータモジュール30の制御回路26と同じ符号を付して、説明を省略する。
第1コンデンサ52は、スイッチング回路45の出力電力を平滑するコンデンサである。
キャリアフィルタ53は、スイッチング回路45のスイッチングに伴うノイズを除去する。具体的には、キャリアフィルタ53は、スイッチング回路45のスイッチングによって生じる補償電流の高域成分を除去する。
連繋リアクトル54は、スイッチング回路45と電源ラインとを連系する。
アクティブフィルタマイコン55は、電圧検出部56、電流検出部57、U相電流検出部58u、W相電流検出部58w、および制御回路46と接続されている。
電圧検出部56は、第1コンデンサ52の出力側に接続されており、第1コンデンサ52の両端電圧を検出する。電圧検出部56は、例えば、互いに直列に接続された2つの抵抗が第1コンデンサ52に並列接続され、第1コンデンサ52の両端電圧が分圧されるように構成される。それら2つの抵抗同士の接続点の電圧値は、アクティブフィルタマイコン55に入力される。
電流検出部57は、第1コンデンサ52およびスイッチング回路45の間であって、かつ第1コンデンサ52の負側出力端子側に接続されている。電流検出部57は、スイッチング回路45の母線電流を検出する。
U相電流検出部58uは、U相に流れる補償電流を検出する。W相電流検出部58wは、W相に流れる補償電流を検出する。
スイッチング電源80は、整流回路20の出力側に接続されており、インバータマイコン35およびインバータモジュール30の制御回路26に電力を供給する。また、スイッチング電源80は、アクティブフィルタマイコン55およびアクティブフィルタモジュール50の制御回路46にも電力を供給する。
限流回路90は、限流抵抗91、限流リレー92およびメインリレー93を有している。限流回路90は、平滑コンデンサ22に流れる電流を制限するだけでなく、アクティブフィルタ回路60の第1コンデンサ52に流れる電流を制限する限流回路として兼用される。それゆえ、アクティブフィルタ回路60が個別に限流回路を有する必要がないので、電力変換装置10の小型化、軽量化、低コスト化が図られる。
限流抵抗91は、交流電源100と整流回路20とを結ぶ三相の電源ラインのうちの1つの電源ライン上に接続されている。
限流リレー92は、限流抵抗91が接続されている電源ライン上に、限流抵抗91と直列に接続されている。
メインリレー93は、交流電源100と整流回路20とを結ぶ三相の電源ラインのうち、限流抵抗91および限流リレー92が接続されている電源ライン上であって、限流抵抗91および限流リレー92と並列に接続されている。さらに、メインリレー93は、限流抵抗91および限流リレー92が接続されていない電源ライン上にも接続されている。
図2は、部品が実装されているプリント配線板70の斜視図である。図2において、プリント配線板70上には、インバータ回路40、アクティブフィルタ回路60およびスイッチング電源80が実装されている。これにより、各回路間を接続するハーネスが不要となり、電力変換装置10の小型化やコストダウンが図られる。
図2に示すように、インバータモジュール30には、高温になるスイッチング回路25からの放熱を促すためにヒートシンク200が設置されている。
プリント配線板70は、絶縁体層を挟んで積層される複数の導電パターン層を有する多層プリント配線板である。
第1層Z1では、電流検出用の低電圧パターンが、他の層に形成されている高電圧パターンと積層方向から視て、重ならないように形成されている。
図4Aにおいて、第1層Z1には、第1-A低電圧パターン41Lが、領域X4Y3Z1に形成されている。第1-A低電圧パターン41Lは、インバータモジュール30の電流検出に使用される導電パターンである。インバータモジュール30の電流検出は、電流検出部33を介して行われる。
また、第1層Z1には、第1-B低電圧パターン61Lが、領域X2Y3Z1に形成されている。第1-B低電圧パターン61Lは、アクティブフィルタモジュール50の電流検出に使用される導電パターンである。アクティブフィルタモジュール50の電流検出は、電流検出部57を介して行われる。
さらに、第1層Z1には、第1高電圧パターン61Hが、領域X2Y4Z1、X3Y4Z1、X2Y3Z1、X3Y3Z1およびX3Y2Z1に形成されている。第1高電圧パターン61Hは、整流回路20の出力側とアクティブフィルタ回路60の入力側とを繋ぐ高電圧ラインである。
第2層では、電流検出用および電圧検出用以外の低電圧パターンが、他の層に形成されている高電圧パターンと積層方向から視て、重なるように形成されている。
図4Bにおいて、第2層Z2には、第2低電圧パターン42Lが、領域X2Y1Z2に形成されている。第2低電圧パターン42Lは、冷媒制御用の各リレーのオン・オフ信号の伝送に使用される低電圧ラインである。
また、第2層Z2には、第2高電圧パターン52Hが、領域X4Y2Z2およびX4Y1Z2に形成されている。第2高電圧パターン52Hには、インバータ回路40およびアクティブフィルタ回路60に供給する高電圧が供給される。
第3層では、電流検出用および電圧検出用以外の低電圧パターンの一部が、他の層に形成されている高電圧パターンと積層方向から視て、重なるように形成されている。
図4Cにおいて、第3層Z3には、第3-A低電圧パターン83Lが、領域X1Y2Z3、X2Y2Z3、X3Y2Z3およびX4Y2Z3に形成されている。第3-A低電圧パターン83Lは、スイッチング電源80で生成された各出力電圧(5V、15Vなど)の供給ラインである。
図4Cにおいて、第3層Z3には、第3-B低電圧パターン83L2が、領域X4Y1Z3に形成されている。第3-B低電圧パターン83L2は、メインリレー93のオン・オフ信号の伝送に使用される低電圧ラインである。
また、第3層Z3には、第3-A高電圧パターン43Hが、領域X2Y1Z3に形成されている。第3-A高電圧パターン43Hは、インバータ回路40およびアクティブフィルタ回路60ではない高電圧ラインである(例えば、空調機の場合、スイッチング電源回路、室外ファン回路、冷媒制御回路、室内機への接続回路などの高電圧パターンである。)。
第4層Z4では、電圧検出用および電流検出用の低電圧パターンが、他の層に形成されている高電圧パターンと積層方向から視て、重ならないように形成されている。
図4Dにおいて、第4層Z4には、第4-A低電圧パターン44Lが、領域X3Y4Z4、X4Y4Z4、X4Y3Z4およびX4Y2Z4に形成されている。第4-A低電圧パターン44Lは、インバータモジュール30の電圧検出に使用される導電パターンである。インバータモジュール30の電圧検出は、電圧検出部32を介して行われる。
また、第4層Z4には、第4-B低電圧パターン64L1が、領域X3Y3Z4に形成されている。第4-B低電圧パターン64L1は、アクティブフィルタ回路60の電圧検出に使用される導電パターンである。アクティブフィルタ回路60の電圧検出は、電圧検出部56を介して行われる。
さらに、第4層Z4には、第4-C低電圧パターン64L2が、領域X3Y3Z4、X2Y2Z4およびX3Y2Z4に形成されている。第4-C低電圧パターン64L2は、アクティブフィルタ回路60の電流検出に使用される導電パターンである。アクティブフィルタ回路60の電流検出は、U相電流検出部58uおよびW相電流検出部58wを介して行われる。
(4-1)
電力変換装置10では、アクティブフィルタ回路60とインバータ回路40とが1つのプリント配線板70上に実装されることによって、電力変換装置10の小型化、軽量化、低コスト化が図られる。
電力変換装置10では、プリント配線板70が、絶縁体層を挟んで積層される複数の導電パターン層を有する多層プリント配線板である。アクティブフィルタ回路60の電流または電圧を検出するための低電圧パターンと、インバータ回路40の高電圧パターンが、積層方向視において重ならないので、インバータ回路40が動作しても、アクティブフィルタ回路60の当該低電圧パターンにノイズが重畳しない。それゆえ、アクティブフィルタ回路60の電流または電圧が精度よく検出される。
電力変換装置10では、アクティブフィルタ回路60の電流または電圧の検出に関係のない低電圧パターンにノイズが重畳しても電流または電圧の検出精度に影響がないので、当該低電圧パターンの一部が積層方向視において高電圧パターンと重なることが許容される。その結果、プリント配線板70の設計自由度が高まる。
インバータ回路40の電流または電圧を検出するための低電圧パターンと、アクティブフィルタ回路60の高電圧パターンが、積層方向視において重ならないので、アクティブフィルタ回路60が動作しても、インバータ回路40の当該低電圧パターンにノイズが重畳しない。それゆえ、インバータ回路40の電流または電圧が精度よく検出される。
電力変換装置10では、インバータ回路40の電流または電圧の検出に関係のない低電圧パターンにノイズが重畳しても電流または電圧の検出精度に影響がないので、当該低電圧パターンの一部が積層方向視において高電圧パターンと重なることが許容される。その結果、プリント配線板70の設計自由度が高まる。
電力変換装置10では、アクティブフィルタ回路60およびインバータ回路40に電力供給する1つのスイッチング電源回路80がプリント配線板70に実装されている。アクティブフィルタ回路60およびインバータ回路40それぞれが、個別にスイッチング電源回路を有する必要がないので、電力変換装置10の小型化、軽量化、低コスト化が図られる。
電力変換装置10では、プリント配線板70の実装面におけるスイッチング電源回路80、アクティブフィルタ回路60およびインバータ回路40それぞれの実装エリアが分かれている。さらに、プリント配線板70におけるスイッチング電源回路80、アクティブフィルタ回路60およびインバータ回路40それぞれの回路エリアもプリント配線板70の積層方向に分かれている。その結果、電流または電圧を検出するための低電圧パターンが、積層方向視において当該低電圧パターンが属する回路とは異なる回路に属する高電圧パターンと重ならない。
電力変換装置10では、平滑コンデンサ22に流れる電流を制限する限流回路90は、アクティブフィルタ回路60の第1コンデンサ52に流れる電流を制限する限流回路として兼用される。それゆえ、アクティブフィルタ回路60が個別に限流回路を有する必要がなく、電力変換装置10の小型化、軽量化、低コスト化が図られる。
電力変換装置10では、インバータ回路40のインバータモジュール30を冷却するヒートシンク200が、アクティブフィルタモジュール50を冷却するヒートシンクとして兼用される。それゆえ、1つのヒートシンク200でインバータモジュール30およびアクティブフィルタモジュール50を冷却することができるので、電力変換装置10の小型化、軽量化、低コスト化が図られる。
20 整流回路
22 平滑コンデンサ
30 インバータモジュール(第2パワーモジュール)
40 インバータ回路
50 アクティブフィルタモジュール(第1パワーモジュール)
52 第1コンデンサ
60 アクティブフィルタ回路
70 プリント配線板
80 スイッチング電源(スイッチング電源回路)
90 限流回路
Claims (8)
- 交流電源(100)と前記交流電源(100)の交流電力を直流電力に整流する整流回路(20)との間に並列接続され、高調波電流を抑制するための補償電流を生成するアクティブフィルタ回路(60)と、
前記整流回路(20)から出力された直流電力を所定の周波数の交流電力へ変換するインバータ回路(40)と、
前記アクティブフィルタ回路(60)と前記インバータ回路(40)とが実装された1つのプリント配線板(70)と、
を備え、
前記プリント配線板(70)は、絶縁体層を挟んで積層される複数の導電パターン層を有する多層プリント配線板であって、
前記アクティブフィルタ回路(60)の電流または電圧を検出するための第1低電圧パターンを形成する第1層と、
前記インバータ回路(40)の高電圧パターンを形成する第2層と、
を含み、
前記第1低電圧パターンが、積層方向視において前記高電圧パターンと重ならない、
電力変換装置(10)。 - 前記第1層は、前記第1低電圧パターンとは別に、前記アクティブフィルタ回路(60)に属する第2低電圧パターンをさらに形成しており、
前記第2低電圧パターンの一部が、積層方向視において前記高電圧パターンと重なる、
請求項1に記載の電力変換装置(10)。 - 交流電源(100)と前記交流電源(100)の交流電力を直流電力に整流する整流回路(20)との間に並列接続され、高調波電流を抑制するための補償電流を生成するアクティブフィルタ回路(60)と、
前記整流回路(20)から出力された直流電力を所定の周波数の交流電力へ変換するインバータ回路(40)と、
前記アクティブフィルタ回路(60)と前記インバータ回路(40)とが実装された1つのプリント配線板(70)と、
を備え、
前記プリント配線板(70)は、絶縁体層を挟んで積層される複数の導電パターン層を有する多層プリント配線板であって、
前記インバータ回路(40)の電流または電圧を検出するための第1低電圧パターンを形成する第1層と、
前記アクティブフィルタ回路(60)の高電圧パターンを形成する第2層と、
を含み、
前記第1低電圧パターンが、積層方向視において前記高電圧パターンと重ならない、
電力変換装置(10)。 - 前記第1層は、前記第1低電圧パターンとは別に、前記インバータ回路(40)に属する第2低電圧パターンをさらに形成しており、
前記第2低電圧パターンの一部が、積層方向視において前記高電圧パターンと重なる、
請求項3に記載の電力変換装置(10)。 - 前記プリント配線板(70)に実装される1つのスイッチング電源回路(80)をさらに備え、
前記アクティブフィルタ回路(60)および前記インバータ回路(40)は、前記スイッチング電源回路(80)から電力供給を受ける、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置(10)。 - 前記プリント配線板(70)における前記スイッチング電源回路(80)、前記アクティブフィルタ回路(60)および前記インバータ回路(40)それぞれの実装エリアは分かれており、
前記プリント配線板(70)における前記スイッチング電源回路(80)、前記アクティブフィルタ回路(60)および前記インバータ回路(40)それぞれの回路エリアも分かれている、
請求項5に記載の電力変換装置(10)。 - 前記整流回路(20)の出力電力を平滑するコンデンサ(22)と、
前記コンデンサ(22)に流れる電流を制限する限流回路(90)と、
をさらに備え、
前記アクティブフィルタ回路(60)は、
高調波電流を抑制するための補償電流を生成する第1スイッチング回路と、
前記第1スイッチング回路の出力電力を平滑する第1コンデンサ(52)と、
を有し、
前記限流回路(90)は、前記アクティブフィルタ回路(60)の前記第1コンデンサ(52)に流れる電流を制限する限流回路として兼用される、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置(10)。 - 前記アクティブフィルタ回路(60)は、前記第1スイッチング回路が1つのパッケージに内蔵されている第1パワーモジュール(50)をさらに有し、
前記インバータ回路(40)は、
直流電力を所定の周波数の交流電力へ変換する第2スイッチング回路が1つのパッケージに内蔵されている第2パワーモジュール(30)と、
前記第2パワーモジュール(30)を冷却する冷却器と、
を有し、
前記冷却器は、前記第1パワーモジュール(50)を冷却する冷却器として兼用される、
請求項7に記載の電力変換装置(10)。
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