JP7226074B2 - カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents
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Description
これらを実現するために着色剤として染料を適用する検討が行われている。例えば、特許文献2~3には、キサンテン系染料を含む着色組成物が提案されている。更に、キサンテン骨格染料とそれ以外の骨格の染料を併用することでコントラスト比を上げる技術(特許文献4)や、キサンテン骨格の染料であるC.I.アシッドレッド52と別の染料を併用することで耐熱性を向上させる技術(特許文献5)が提案されている。
染料と顔料を併用したカラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ用感光性着色組成物は、染料を溶媒に溶解させて染料溶液とした際に、異物除去の為にフィルター濾過を行う。現在は高濃度での溶解が求められている為に、染料が十分に溶解せず凝集状態となりフィルターに詰まり、濾過性が課題となることが知られている。例えば、染料分散体の製造方法により濾過性の改善を行っている技術などが存在する(特許文献6)。しかし、この技術は3級アミンを用いている為に酸性染料との酸塩基相互作用が比較的弱く、経時での安定性が比較的悪い傾向にある。
一般式(1)
[X1及びX3は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1価の炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表す。
X2及びX4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基を表し、少なくともいずれか一方がスルホ基を有する。]
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤(A)として、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)とアニオン性染料(C)との造塩化合物(D)を少なくとも2種類以上含む。
本発明の造塩化合物(D)は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)とアニオン性染料(C)が塩形成することで得ることができる。
本発明の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)は、下記一般式(2)で表される構造単位を含み、式中のカチオン性基がアニオン性染料(C)のアニオン性基と塩形成することで、本発明の造塩化合物(D)を得ることができる。
アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミノ系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt-ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N-ビニルピロリジン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、またはジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p-トルエンスルホン酸メチル、またはベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、またはオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、またはオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、またはベンジルブロマイド等が挙げられる。
その他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
本発明の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)は、一般式(2)で表わされる構造単位の他に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、オキセタン基、及びt-ブチル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱架橋性基を含むことが耐熱性の向上、また、耐溶剤性の向上の観点から好ましい。これら熱架橋性基を側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)に導入するためには、熱架橋性を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合する方法が挙げられる。
ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、等が挙げられるが、ヒドロキシ基を有していれば、これ以外にも使用することができる。
カルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、カルボン酸無水物基を有するエチレン性不飽和単量体としては、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等が挙げられるが、カルボキシ基を有していれば、これ以外にも使用することができる。
t-ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート等が、t-ブチル基を有していれば、これ以外にも使用することができる。
オキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、3-(アクリロイルオキシメチル)3-メチルオキセタン、3-(メタクリロイルオキシメチル)3-メチルオキセタン、3-(アクリロイルオキシメチル)3-エチルオキセタン、3-(メタクリロイルオキシメチル)3-エチルオキセタン、3-(アクリロイルオキシメチル)3-ブチルオキセタン、3-(メタクリロイルオキシメチル)3-ブチルオキセタン、3-(アクリロイルオキシメチル)3-ヘキシルオキセタン及び3-(メタクリロイルオキシメチル)3-ヘキシルオキセタンなどが挙げられるが、オキセタニル基を有していれば、これ以外にも使用することができる。
本発明に側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)を得る好適な方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合又はリビングラジカル重合が好ましい。
ブロックタイプの側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)は、一般式(2)で表される構造単位を有するAブロックと、特定の基を有するBブロックとからなり、A―Bブロック、B-A-Bブロック、または、A-B-Aが好ましく、A―Bブロック、B-A-Bブロックがさらに好ましく用いることができる。このようなブロックタイプの樹脂は、例えば、以下に示すリビング重合法にて調製される。ここでリビング重合とは、一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、さらには重合の成長が均一に起こるため、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成する重合方法である。重合時に添加する重合開始剤とエチレン性不飽和単量体との仕込み比によって、重合体の分子量や組成を自由にコントロールでき、ブロックポリマー・グラジエントポリマー・星形ポリマー・くし型ポリマー、さらには、末端官能性ポリマーなどの製造に利用することができる。
(参考文献2)特表2000-500516号公報
(参考文献3)特表2000-514479号公報
(参考文献4)ChemicalReview (2001)101,3689
(参考文献5)特表2000-515181号公報
(参考文献6)国際公開第1999-05099号パンフレット参照
(参考文献7)特開2007-277533号公報
(参考文献8)JournalofAmericanChemicalSociety(2002)124,2874
本発明の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)において、一般式(2)で表される構造単位の含有量は、特に限定されないが、樹脂を構成する構造単位の合計100重量%中、4~74重量%であることが好ましく、8~48重量%であることがより好ましい。この範囲にあることで、造塩化合物(D)とした時の染料由来の着色力に優れ、また分散媒である溶媒への親和性が十分に確保できるため、異物等が発生せず経時安定性が良好となる。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)の分子量は、特に限定されるものではないが、ランダムタイプ、ブロックタイプどちらにおいても、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000~500,000であることが好ましく、3,000~15,000であることがより好ましい。上記範囲であることにより、造塩化合物の経時安定性と耐溶剤性とを両立することができる。
上記側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)を製造する工程では、無溶剤又は場合によって溶剤を使用することができる。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、ヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、又はジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられるが、特にこれらに限定されるものではなく、用途、コストなどから任意に選択することができる。重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
次に、本発明の造塩化合物(D)を得るためのアニオン性染料(C)について説明する。アニオン性染料(C)としては、上述した側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)中のカチオン性基とイオン結合するアニオン性基を有する着色化合物であればよい。
本発明では、少なくとも1つの造塩化合物(D)中のアニオン性染料(C)が、下記一般式(1)で表わされるアニオン性染料を使用することを特徴とする。
X2及びX4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基を表し、少なくともいずれか一方がスルホ基を有する。]
X1及びX3は、更に脂肪族炭化水素基中に置換基を有して良い。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、等のアルコキシ基、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等の1価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記一般式(1)以外に使用できるアニオン性染料(C)としては、例えば、アントラキノン系アニオン性染料、モノアゾ系アニオン性染料、ジスアゾ系アニオン性染料、オキサジン系アニオン性染料、アミノケトン系アニオン性染料、キサンテン系アニオン性染料、キノリン系アニオン性染料、トリフェニルメタン系アニオン性染料などが挙げられる。以下に、使用可能なアニオン性染料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
また、C.I.ダイレクトオレンジ1、2、3、4、5、6、7、8、10、13、17、19、20、21、24、25、26、29、29:1、30、31、32、33、43、49、51、56、59、69、72、73、74、75、76、79、80、83、84、85、87、88、90、91、92、95、96、97、98、101、102、102:1、104、108、112、114等も使用できる。
また、C.I.ダイレクトグリーン11、13、14、24、30、34、38、42、49、55、56、57、60、78、79、80等も使用できる。
本発明の造塩化合物(D)は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)と、アニオン性染料(C)とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいは側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)の水溶液とアニオン性染料(C)の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより塩形成し、容易に造塩化合物(D)を得ることができる。水溶液中で、樹脂のカチオン性基と染料のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対アニオンと酸性染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)、およびアニオン性染料(C)は、濾過性の観点から一般式(1)で表わされる構造の染料と、その他の構造の染料を、複数種類を使用することが好ましい。
造塩化合物(D)の製造時に使用する水溶液として、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)、およびアニオン性染料を溶解させるため、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、2-(メトキシメトキシ)エタノール、2-ブトキシエタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2-ピロリドン、2-メチルピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1,2-ヘキサンジオール、2,4,6-ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4-メトキシ-4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量を基準(100重量%)として、5~50重量%用いることが好ましく、5~20重量%用いることが最も好ましい。
10/1~1/4の範囲が好ましく、さらに2/1~1/2の範囲がより好ましい。
本発明のカラーフィルタ着色組成物は、着色剤(A)として、さらに銅フタロシアニン骨格の青色顔料を含有することが好ましい。銅フタロシアニン骨格の青色顔料を含有することで、着色組成物のコントラスト比が向上する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤(A)として、さらにその他の顔料を添加することができる。その他の顔料としては、有機または無機の顔料を、単独または2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、カラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
本発明の着色組成物は、着色剤(A)全重量中、造塩化合物(D)を15~50重量パーセント含有することが好ましい。着色剤(A)中、造塩化合物(D)を上記範囲で含有することにより、染料が効率よく顔料近傍に存在するようになり、染料から顔料へのエネルギー移動が起こり耐熱性が非常に良好となる。
本発明の着色組成物に添加する顔料としては、高い透過度および高度なコントラストに対応させるため、ソルトミリング処理などにより微細化されていることが好ましい。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、10nm以上であることが好ましい。また、コントラストが高いフィルタセグメントを形成できることから、80nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、20~60nmの範囲である。
本発明の着色組成物はバインダー樹脂を含有する。バインダー樹脂は、着色剤を分散するもの、もしくは造塩化合物を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシ基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合及びカルボキシ基を導入する方法がある。
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシ基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合及びカルボキシ基を導入する方法がある。
この方法では、方法(a)に比べ、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体由来の水酸基が多く生成する。本発明の造塩化合物を得る際に使用する、側鎖にカチオン性基を有する樹脂に、熱架橋性官能基としてオキセタニル基、t-ブチル基が含まれている場合は、バインダー樹脂として方法(b)によって得られる樹脂を使用すると、より高い耐熱性を発現するため、好ましい。
方法(c)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシ基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
本発明の着色組成物は、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含むことできる。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
このようなエポキシ化合物の例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ化合物であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
157S65、157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN-201(商品名;日本化薬(株)製)、JER152、JER154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EOCN-102S、EOCN-103S、EOCN-104S、EOCN-1020(以上は商品名;日本化薬(株)製)、セロキサイド2021、EHPE-3150(以上商品名;ダイセル化学工業(株)製)、デナコールEX-810、EX-830、EX-851、EX-512、EX-421、EX-313、EX-201、EX-111(以上は商品名;ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂全量に対し、0.01~15重量%が好ましい。
本発明の着色組成物は有機溶剤を含有する。有機溶剤は、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2~5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にすることができる。
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体及び/又は光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。
本発明の光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
これらの光重合性単量体は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤の含有量は、着色剤100質量部に対し、2~200質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3~150質量部であることがより好ましい。
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を添加することができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、及びN,N-ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。
レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ-2122、ビックケミー社製BYK-333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK-310、BYK-370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100質量%)として、0.003~0.5質量%用いることが好ましい。
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
本発明の着色組成物は、着色剤(A)を、バインダー樹脂などの着色剤担体及び/又は溶剤中に、分散助剤を用いて分散して製造することができる(着色剤分散体)。分散手段としては、必要に応じてニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等を適宜選択して分散する。このとき、2種以上の着色剤(A)を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂は、着色剤分散体を調製する段階で加えてもよく、調製した着色剤分散体に後から加えても同様の効果が得られるが、着色組成物の安定性の観点から感光性着色組成物を調整する段階で加える方が好ましい。
染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。この場合、分散助剤は、染料等を溶解した着色剤溶液に添加、混合するだけで用いることもできる。
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、樹脂型分散剤、色素誘導体、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度及び粘度安定性が良好になる。
有機色素としては、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
樹脂型分散剤としては、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシ基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
(S1)水酸基を有する重合体の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物である樹脂型分散剤。
(S2)水酸基を有する化合物の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合した重合体である樹脂型分散剤。
樹脂型分散剤(S1)は、WO2008/007776号公報、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報等の公知の方法で製造することができる。水酸基を有する重合体(p)は、末端に水酸基を有する重合体であることが好ましく、例えば、水酸基を有する化合物(q)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体として得ることができる。水酸基を有する化合物(q)としては、分子内に水酸基とチオール基を有する化合物であることが好ましい。末端の水酸基は複数であることが好ましいため、中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)が好適に用いられる。
樹脂型分散剤(S2)は、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報等の公知の方法で製造することができ、例えば、水酸基を有する化合物(q)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合することで得られる。中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、単量体(r1)を含むエチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体であることが好ましい。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルター、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、及び青色フィルタセグメントを具備するもの、又はマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、及びイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、印刷法又はフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
酸性分散剤、及びバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)である。
酸性分散剤、及び側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)樹脂の酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)のアンモニウム価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、測定した全アンモニウム塩価を樹脂の固形分換算した値(mgKOH/g)である。
(バインダー樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn-ブチルメタクリレート13.3部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液1を調製した。
(青色微細化顔料(P-1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(P-1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメントレッド254(BASFジャパン社製「IRGAZINRED2030」)200部、粉砕した食塩1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水8000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して食塩および溶剤を除いた後、85℃で24時間乾燥し、190部の赤色微細顔料(P-2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン58(DIC社製「FASTGEN GREEN A110」)を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色着色剤(P-3)97部を得た。平均一次粒子径は28.2nmであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B-1)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート33.2部、n-ブチルメタクリレート27.3部、2-エチルヘキシルメタクリレート27.3部、を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.1部、塩化第一銅1.9部、プロピレングリコールモノメチルエーテル62.3部を仕込み、窒素気流下で、100℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。次に、この反応装置に、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.1部、第二ブロックモノマーとしてメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩12.2部を投入し、100℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し50℃へ冷却した。その後、メタノールを加え、樹脂成分が40質量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B-1)を得た。樹脂(B-1)の重量平均分子量(Mw)は、7300であった。
以下、単量体の種類及び配合量を表1に示すとおり変更した以外は樹脂(B-1)と同様にして、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B-2)~(B-6)を得た。
DMC78: メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩
MMA:メチルメタクリレート、
n-BMA:n-ブチルメタクリレート、
2-EHMA:2-エチルヘキシルメタクリレート、
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート、
MAA:メタクリル酸、
OXMA:3-(メタクリロイルオキシメチル)3-エチルオキセタン、
t-BuMA:ターシャリブチルメタクリレート、
(アニオン性染料(C-1)の合成)
C.I.アシッド レッド 289を45.0部と、1-ヨードプロパン45.3部および炭酸カリウム36.8部をN-メチルピロリドン280部中に加え、90℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-1)47.6部を得た。
C.I.アシッド レッド 289を45.0部と、2-ヨードプロパン56.6部および炭酸カリウム46.0部をN-メチルピロリドン360部中に加え、85℃で12時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3600部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル3000部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-2)43.0部を得た。
1-ヨードプロパン45.3部を1-ヨードデカン71.4部へ変更した以外は、アニオン性染料1の合成法と同様の操作を行い、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-3)53.2部を得た。
式(11)で示される化合物20.0部とスルファニル酸 8.5部を、N-メチルピロリドン180部中添加し、100℃で2時間攪拌した。次いで、アニリン 10.0部を添加し、120度で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル2000部添加し室温で1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別し、1晩減圧乾燥し、中間体1を25.7部得た。
東京化成工業株式会社製 C.I.アシッド レッド 52(製品コード:A0600)を用いた。
東京化成工業株式会社製 C.I.アシッド レッド 289(製品コード:A1906)を用いた。
東京化成工業株式会社製 C.I.アシッド イエロー 3(製品コード:Q0023)を用いた。
東京化成工業株式会社製 C.I.アシッド ブルー 90(製品コード:B1146)を用いた。
C.I.アシッド ブルー 90を45.0部と、1-ヨードメタン29.9部および炭酸カリウム36.8部をN-メチルピロリドン280部中に加え、40℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-10)44.6部を得た。
C.I.アシッド ブルー 90を45.0部と、1-ヨードエタン32.9部および炭酸カリウム36.8部をN-メチルピロリドン280部中に加え、40℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-11)52.0部を得た。
C.I.アシッド ブルー 90を45.0部と、1-ヨードプロパン35.8部および炭酸カリウム36.8部をN-メチルピロリドン280部中に加え、100℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-12)45.9部を得た。
C.I.アシッド ブルー 90を45.0部と、1-ヨードブタン38.8部および炭酸カリウム36.8部をN-メチルピロリドン280部中に加え、100℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-13)48.0部を得た。
C.I.アシッド ブルー 90を45.0部と、2-ブロモジエチルエーテル32.3部および炭酸カリウム36.8部をN-メチルピロリドン280部中に加え、100℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-14)45.1部を得た。
(アニオン性染料(C-15))
C.I.アシッド ブルー 90を45.0部と、ヨードベンゼン43.0部および炭酸カリウム36.8部をN-メチルピロリドン280部中に加え、100℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-15)49.0部を得た。
C.I.アシッド ブルー 83を45.0部と、1-ヨードプロパン37.0部および炭酸カリウム36.8部をN-メチルピロリドン280部中に加え、100℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-16)47.5部を得た。
C.I.アシッド ブルー 147を45.0部と、1-ヨードプロパン56.8部および炭酸カリウム36.8部をN-メチルピロリドン280部中に加え、100℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、下記構造式で表わされるアニオン性染料(C-17)52.5部を得た。
山田化学工業株式会社製 C.I.アシッド ブルー 40を用いた。
オリエント化学工業株式会社製 C.I.ソルベント オレンジ 62を用いた。
(造塩化合物(D-1)の調製)
下記の手順でアニオン性染料(C-1)と樹脂(B-1)とからなる造塩化合物(D―1)を製造した。
水2000部に42部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B-1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のアニオン性染料(C-1)を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過と水洗によって側鎖にカチオン性基を有する樹脂の対アニオンとアニオン性染料(C-1)の対カチオンとからなる塩を除去した後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のアニオン性染料(C-1)と樹脂(B-1)との造塩化合物(D-1)を得た。
以下、側鎖にカチオン性基を有する樹脂及び染料を表3に示すものに変更した以外は(D-1)と同様にして、造塩化合物(D-2)~(D-34)を作製した。
(分散剤1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート70部、t-ブチルメタクリレート20部、メタクリル酸10部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、1-チオグリセロール6.0部を添加して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物8.5 部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)115 部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0 ]-7-ウンデセン(DBU)0.20部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分が50重量%、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量9000の分散剤1を得た。
[実施例1]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(DP-1)を作製した。
造塩化合物(D-1) 5.0部
造塩化合物(D-8) 5.0部
分散剤1 4.0部
バインダー樹脂溶液1 40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)
46.0部
造塩化合物、微細化顔料、バインダー樹脂溶液、分散剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表4および表5に示す組成及び配合比に変更した以外は実施例1と同様にして、着色組成物(DP-2)~(DP-59)を作製した。
得られた着色組成物(DP-1~59)について、CR、耐熱性、耐溶剤性、粘度、濾過性に関する試験を下記の方法で行った。結果を表6および表7に示す。
得られた着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布、オーブンにて230℃で30分焼成して熱処理後の塗膜の膜厚が表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定して膜厚が約1.5μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。各基板の膜厚及びコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1.5μmにおけるコントラストを一次相関法で求めた。判定基準は以下の通りである。尚、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
◎:CR≧1700以上
〇:CR=1500以上、1700未満
△:CR=1000以上、1500未満
×:CR=1000未満
得られた着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布、オーブンにて230℃で30分焼成して熱処理後の塗膜の膜厚が表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定して膜厚が約2.0μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が1.0未満
〇:ΔEab*が1.0以上 1.5未満
△:ΔEab*が1.5以上 3.0未満
×:ΔEab*が3.0以上
得られた着色組成物の粘度をE型粘度計を用いて測定した。下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
◎:粘度が5.0未満
〇:粘度が5.0以上 10.0未満
△:粘度が10.0以上 20.0未満
×:粘度が20.0以上
得られた着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布、オーブンにて230℃で30分焼成して熱処理後の塗膜の膜厚が表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定して膜厚が約2.0μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐薬品性試験として得られた塗膜を1-メチル-2-ピロリドンに30分浸漬させ、その後純水で1-メチル-2-ピロリドンを洗浄した後、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が1.0未満
〇:ΔEab*が1.0以上 1.5未満
△:ΔEab*が1.5以上 3.0未満
×:ΔEab*が3.0以上
得られた着色組成物10gを窒素圧(0.3MPa)にて、フィルター(φ0.2μm、ADVANTEC社製、型番;39115221)に通し、フィルターを通して得られた量を測定し、下記判定基準で評価した。
◎:濾過量が8.0g以上
〇:濾過量が5.0g以上 8.0g未満
△:濾過量が3.0g以上 5.0g未満
×:濾過量が3.0g以下
[実施例50]
(感光性着色組成物(DR-1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材R-1を作製した。
着色組成物(DP-1) 60.0部
バインダー樹脂溶液1 11.0部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」)
4.2部
光重合開始剤(BASFジャパン社製「イルガキュアーOXE01」)
1.2部
シクロヘキサノン 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)
18.0部
着色組成物を表8および表9に示す着色組成物に変更した以外は実施例50と同様にして、アルカリ現像型感光性着色組成物(DR-2~59)を作製した。
得られた感光性着色組成物(DR-1~59)について、CR、耐熱性、耐溶剤性、粘度、濾過性に関する試験を着色組成物と同じ方法で行った。
得られた感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJ/cm2で基板全面に紫外線露光を行い塗膜を光硬化させた。その後、オーブンにて230℃で30分焼成して熱処理後の塗膜の膜厚が表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定して膜厚が約1.5μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。各基板の膜厚及びコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1.5μmにおけるコントラストを一次相関法で求めた。判定基準は以下の通りである。尚、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
◎:CR≧1700以上
〇:CR=1500以上、1700未満
△:CR=1000以上、1500未満
×:CR=1000未満
得られた感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJ/cm2で基板全面に紫外線露光を行い塗膜を光硬化させた。その後、オーブンにて230℃で30分焼成して熱処理後の塗膜の膜厚が表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定して膜厚が約2.0μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が1.0未満
〇:ΔEab*が1.0以上 1.5未満
△:ΔEab*が1.5以上 3.0未満
×:ΔEab*が3.0以上
得られた感光性着色組成物の粘度をE型粘度計を用いて測定した。下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
◎:粘度が5.0未満
〇:粘度が5.0以上 10.0未満
△:粘度が10.0以上 20.0未満
×:粘度が20.0以上
得られた感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布し、、超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJ/cm2で基板全面に紫外線露光を行い塗膜を光硬化させた。その後、オーブンにて230℃で30分焼成して熱処理後の塗膜の膜厚が表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定して膜厚が約2.0μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐薬品性試験として得られた塗膜を1-メチル-2-ピロリドンに30分浸漬させ、その後純水で1-メチル-2-ピロリドンを洗浄した後、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記判定基準で評価した。尚、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能なレベル、×は実用には適さないレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が1.0未満
〇:ΔEab*が1.0以上 1.5未満
△:ΔEab*が1.5以上 3.0未満
×:ΔEab*が3.0以上
得られた感光性着色組成物10gを窒素圧(0.3MPa)にて、フィルター(φ0.2μm、ADVANTEC社製、型番;39115221)に通し、フィルターを通して得られた量を測定し、下記判定基準で評価した。
◎:濾過量が8.0g以上
〇:濾過量が5.0g以上 8.0g未満
△:濾過量が3.0g以上 5.0g未満
×:濾過量が3.0g未満
本発明の感光性着色組成物を用いることにより、良好な性能を示すカラーフィルタを作製することができた。
Claims (6)
- 少なくとも着色剤(A)、バインダー樹脂、および有機溶剤を含むカラーフィルタ用着色組成物であって、着色剤(A)が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)とアニオン性染料(C)との造塩化合物(D)を少なくとも2種類以上有し、
そのうち少なくとも1種の造塩化合物(D)中のアニオン性染料(C)が、下記一般式(1)で表わされ、
かつ、少なくとも1種の造塩化合物(D)中のアニオン性染料(C)が、下記化学式Aのいずれかから選ばれることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
一般式(1)
[X1及びX3は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1価の炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表す。
X2及びX4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基を表し、少なくともいずれか一方がスルホ基を有する。]
化学式A
- 側鎖にカチオン性基を有する樹脂(B)が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、オキセタン基、及びt-ブチル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱架橋性基を含むことを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 着色剤(A)が銅フタロシアニン骨格の青色顔料を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 着色剤(A) 全重量中、造塩化合物(D)を15~50重量パーセント含有することを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- さらに光重合性単量体および/ または光重合開始剤から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1~4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 請求項1~5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタ。
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