JP2017198815A - カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2017198815A
JP2017198815A JP2016088814A JP2016088814A JP2017198815A JP 2017198815 A JP2017198815 A JP 2017198815A JP 2016088814 A JP2016088814 A JP 2016088814A JP 2016088814 A JP2016088814 A JP 2016088814A JP 2017198815 A JP2017198815 A JP 2017198815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
parts
resin
substituent
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016088814A
Other languages
English (en)
Inventor
美幸 平佐
Yoshiyuki Hirasa
美幸 平佐
基貴 田中
Motoki Tanaka
基貴 田中
伸也 鈴木
Shinya Suzuki
伸也 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2016088814A priority Critical patent/JP2017198815A/ja
Publication of JP2017198815A publication Critical patent/JP2017198815A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、高明度かつ高コントラスト比を有するカラーフィルタの作製を可能とするカラーフィルタ用着色組成物を提供することである。
【解決手段】上記課題は、着色剤と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、及びカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
近年、カラーフィルタにおいて、その高精細化、高明度化、高コントラスト化が望まれている。これを達成するために、特許文献1のように、着色剤として染料を使用する技術が提案されている。
キサンテン色素をカラーフィルタに用いる例としては、特許文献2では高コントラストが得られる構造が示されている。また、特許文献3にはキサンテン色素のリチウム塩を用いると明度の高い着色組成物が得られるとある。しかし、これらのキサンテン色素は、カラーフィルタ用着色物として用いるには耐熱性が不十分であった。
また、キサンテン色素は、染料であるため溶剤への溶解性が高いことから顔料のみを用いた場合に見られるような散乱等が生じずコントラスト比の高いカラーフィルタが得られると期待されたが、蛍光発光を示す(例えば特許文献4参照)ため、コントラスト比が低くなるという問題があった。
このように、キサンテン系色素による高明度かつ高コントラスト比の両立可能なカラーフィルタは実現されていなかった。
特開平11−189733号公報 特開2010−254964号公報 特開2014−109017号公報 特開2005−025175号公報
本発明の目的は、高明度かつ高コントラスト比を有するカラーフィルタの作製を可能とするカラーフィルタ用着色組成物を提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カラーフィルタ用着色組成物して、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)を使用することによって、明度の低下を改善し、高明度、高コントラスト比の達成が実現できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち本発明は、着色剤と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また本発明は、キサンテン色素(A)が、下記一般式(1)で表わされるキサンテン色素である上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(1)

[一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5〜8のシクロアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。
及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
〜Rにおける有してもよい置換基は、−SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO であってもよく、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
は、−SOH;−COOH;及びこれら酸性基の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、−SO 、−CO 、−SO 又は−CO を表し、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表し、pは、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
Xは、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、スルホン基又はカルボキシル基を表し、m は0〜4 の整数を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
N−メチルフタルイミド基は、R〜Rに結合していてもよい。]
また本発明は、キサンテン色素(A)が、下記一般式(2)で表わされるキサンテン色素である上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(2)


[一般式(2)中、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5〜8のシクロアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。
及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
10及びR11は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
〜R11における有してもよい置換基は、−SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO であってもよく、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。
12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
14は、水素原子、−SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO を表し、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。
Xは、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、スルホン基又はカルボキシル基を表し、m は0〜4 の整数を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
N−メチルフタルイミド基は、R〜R11に結合していてもよい。]
また本発明は、一般式(1)及び一般式(2)における側鎖にカチオン性基を有する樹脂が、下記一般式(4)で表されるカチオン性基を有する構成単位を含む樹脂である上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(4)

[一般式(4)中、R21は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。
22〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルケニル基又は置換基を有しても良いアリール基を表し、R22〜R24のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
Qは、アルキレン基、アリーレン基、−CONH−R25−又は−COO−R25−を表し、R25はアルキレン基を表す。
は、無機又は有機のアニオンを表す。]
また本発明は、着色剤が、さらに有機顔料を含有する上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また本発明は、さらに、光重合性単量体及び光重合開始剤の少なくとも一方を含有する、上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
さらに本発明は、上記カラーフィルタ用着色組成物により形成されるカラーフィルタに関する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、N−メチルフタルイミド基を有するキサンテン色素を含有することにより、高明度、高コントラスト比を達成することができる。そのため、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いることにより、特性に優れたカラーフィルタを提供することができる。これは、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)は、熱をかけたときに、分光変化が少ないことに起因する。その結果、カラーフィルタ用着色組成物として使用したときに、230度の熱をかけた後(ポストベイク)も、明度の低下を改善し、高明度な着色組成物が得られる。また、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)は、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基を持たないキサンテン色素に比べ蛍光発光が少なく、カラーフィルタ用着色組成物として使用したときに、高いコントラストが得られる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)を含有する着色剤と、樹脂と、溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物である。以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物の各種構成成分について説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
<着色剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤として、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)を含むことで、高明度、高コントラストで、耐熱性に優れたカラーフィルタ用着色組成物を達成する。また、後述するように、さらに有機顔料を併用して用いることも、色度調整が容易になり、耐性も良好となるために、好ましいものである。
<キサンテン色素(A)>
[一般式(1)で表わされるキサンテン色素]
N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)としては、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素であれば制限はないが、一般式(1)で表わされるキサンテン色素を好ましく用いることができる。
一般式(1)
[一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5〜8のシクロアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。
及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
〜Rにおける有してもよい置換基は、−SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO であってもよく、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
は、−SOH;−COOH;及びこれら酸性基の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、−SO 、−CO 、−SO 又は−CO を表し、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表し、pは、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
Xは、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、スルホン基又はカルボキシル基を表し、m は0〜4 の整数を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
N−メチルフタルイミド基は、R〜Rに結合していてもよい。]
〜Rにおける置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリフルオロメチル基、2−エトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ベンジル基、4−メチルべンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
〜Rにおける置換基を有してもよい炭素数5〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
〜Rにおける置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル基等が挙げられる。
〜Rにおける有してもよい置換基としては、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、アルキル基、フェニル基等のアリール基、メトキシ基等のアルコキシル基、アミノ基、ニトロ基等のほか、−SO3H;−COOH;及びこれら酸性基の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、−SO 又は−CO であってもよい。Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。また、置換基は、複数あっても良い。
〜Rに、SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO で置換されたアリール基を含むと、より耐熱性に優れたカラーフィルターが得られるため好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル、トリル、キシリル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アンスリル、フェナンスリル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
アルコキシル基は、前述のアルキル基に酸素原子が結合した基である。
〜Rとしては、水素原子、無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基であることが好ましく、アリール基としてはフェニル基が好ましい。置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、−SONa又は−SO が好ましい。
及びR並びにR及びRが一緒になって窒素原子を含む環を形成する場合、例えば、以下のものが挙げられる。

形成した環は、置換基を有していてもよい。置換基としては例えば、メチル基、エチル基、塩素原子、−COOH、−OHが挙げられる。
N−メチルフタルイミド基の結合部位に限定は無く、R〜Rに結合していてもよい。その場合は、R〜Rの置換基から水素原子が1つ除かれ、N−メチルフタルイミド基が結合する。
及びRにおける炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。R及びRとしては、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
〜Rの有してもよい置換基及びRにおける1価〜3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、アルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
〜Rの有してもよい置換基及びRにおける側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
としては、−SO 、−SONa及び−SO の少なくとも1つであることが好ましい。pは、1〜2の整数であることが好ましい。pが2であるときの一方のRは−SO であることが好ましい。
Xにおけるハロゲン原子としては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素が挙げられる。また、Xにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
nは、1〜4の整数を表し、中でもnが1又は2であることが好ましい。nが1又は2であると、質量当たりの吸光度が高く、着色力が高いため好ましい。
[一般式(2)で表わされるキサンテン色素]
さらに、本発明のキサンテン色素(A)は、一般式(2)で表わされるキサンテン色素であることが好ましい。
一般式(2)

[一般式(2)中、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5〜8のシクロアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。
及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
10及びR11は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
〜R11における有してもよい置換基は、−SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO であってもよく、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。
12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
14は、水素原子、−SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO を表し、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。
Xは、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、スルホン基又はカルボキシル基を表し、m は0〜4 の整数を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
N−メチルフタルイミド基は、R〜R11に結合していてもよい。]
ここで、R〜R11における置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5〜8のシクロアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基、形成してもよい窒素原子を含む環並びに有してもよい置換基、
12及びR13における炭素数1〜3のアルキル基、
14における1価〜3価の金属塩、アルキルアンモニウム塩並びに側鎖にカチオン性基を有する樹脂、及び、Xにおけるハロゲン原子並びにアルキル基は、一般式(1)にて説明した基と同義である。
14としては、水素原子、−SONa、−SOK又は−SO であることが好ましい。
[一般式(4)で表されるカチオン性基を有する構造単位を含む樹脂]
側鎖にカチオン性基を有する樹脂Zは、カラーフィルタとしての特性を発現させるために、カラーフィルタ用着色組成物を構成するバインダー樹脂と同種の樹脂を使用することが望ましい。バインダー樹脂としてはアクリル系樹脂が好ましく用いられることから、側鎖にカチオン性基を有する樹脂はアクリル系樹脂であることが好ましく、下記一般式(4)で表されるカチオン性基を有する構造単位を含むアクリル系樹脂であることがより好ましい。
一般式(4)
[一般式(4)中、R21は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。
22〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルケニル基又は置換基を有しても良いアリール基を表し、R22〜R24のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
Qは、アルキレン基、アリーレン基、−CONH−R25−又は−COO−R25−を表し、R25はアルキレン基を表す。
は、無機又は有機のアニオンを表す。]
21におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。R21で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。中でも、R21としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
22〜R24におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
22〜R24におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(アリル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基である。
22〜R24におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル、トリル、キシリル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アンスリル、フェナンスリル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
22〜R24で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びフェニル基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、フェニル基が特に好ましい。
22〜R24としては、安定性等の観点からアルキル基が好ましく、特に無置換のアルキル基が好ましい。
一般式(4)中、アクリル部位とアンモニウム塩基を連結するQは、アルキレン基、アリーレン基、―CONH−R25−、―COO−R25−を表すが、アルキレン基及びアリーレン基は、R22〜R24におけるアルキル基及びアリール基から水素原子を1つ除いた基である。中でも、重合性、入手容易性の理由から、−CONH−R25−、−COO−R25−であることが好ましい。また、R25がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
一般式(4)中、Y-は無機又は有機のアニオンであればよい。アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
本発明の好ましい様態である一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得るには、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合する方法だけでなく、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合したアミノ基を有するアクリル系樹脂を得た後、オニウム塩化剤を反応させ、アンモニウム塩化する方法により得ても良い。
以下に、本発明の好ましい様態である一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得るために使用可能なエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」、のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」、と記載することがある。同様に、「アクリロイル、メタクリロイル」のいずれか或いは双方を示す場合、「(メタ)アクリロイル」と記載することがある。
(アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体)
4級アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
(アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体)
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、又はジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、又はベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、又はオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、又はオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、又はベンジルブロマイド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とオニウム塩化剤との反応は、通常はアミノ基に対して等モル以下のオニウム塩化剤を、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体溶液に滴下することによって行うことができる。アンモニウム塩化反応時の温度は90℃程度以下であり、特にビニルモノマーをアンモニウム塩化する場合には30℃程度以下が好ましく、反応時間は1〜4時間程度である。
(熱架橋性基の導入)
本発明の好ましい様態である一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂は、熱架橋基を有することが好ましい。熱架橋製官能基を有するアクリル樹脂は、カラーフィルタの製造における加熱工程において、熱架橋製官能基を有するアクリル樹脂同士、又はバインダー樹脂との架橋を形成する。それにより強固な被膜が形成され、塗膜の色変化を防ぐ、すなわち耐熱性を向上させることができ、また、耐溶剤性も向上する。
上記熱架橋性官能基の好適な構造としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸無水物、1級又は2級アミノ基、イミノ基、オキセタニル基、t−ブチル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アリル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。中でもカラーフィルタ用着色組成物という用途における保存安定性や他の材料との反応性の観点から、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキセタニル基、t−ブチル基、イソシアネート基、(メタ)アクリル基が好ましく、特にヒドロキシル基を有していることが好ましい。また、アルカリ現像性の観点からはカルボキシル基を有していることが好ましい。
一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂に、上述の熱架橋性官能基を導入する1つの方法は、熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体を、一般式(4)で表されるカチオン性基に対応するエチレン性不飽和単量体と共重合する方法である。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート又はこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5が好ましい)などが挙げられる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、カルボン酸無水物基を有するエチレン性不飽和単量体としては、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等が挙げられる。
オキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどが挙げられる。
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽単量体としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレートなどが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸2−(0−[1'メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
また、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、市販品を使用できるほか、公知の方法で調製して使用することもできる。例えば、エチレン性不飽和結合を有しているイソシアネート化合物とブロック剤とを溶媒中0〜200℃程度の温度で撹拌し、濃縮、濾過、抽出、晶析、蒸留等の公知の分離精製手段を用いて分離することにより得ることができる。
一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂に、熱架橋性官能基を導入する他の方法は、アクリル樹脂を得た後に、該アクリル樹脂が有する官能基に、前記官能基に対し反応し得る官能基と熱架橋性官能基を有する化合物を反応させる方法である。例えば、カルボキシル基を有するアクリル樹脂中のカルボキシル基に、グリシジル基を有するエチレン性不飽和単量体のグリシジル基を反応させることで、熱架橋性官能基として(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂を得ることができる。
上記熱架橋性官能基は樹脂中に少なくとも一種類含まれている必要があり、二種類以上含まれていてもよい。
さらに、熱架橋性官能基が二種類以上含まれている場合、熱架橋性官能基同士には好ましい組み合わせがある。これは熱架橋性官能基同士が熱時により反応しやすい組み合わせであり、この場合に架橋の効果が向上する。例えば、オキセタニル基とカルボキシル基を同時に用いると効果的である。同様に、t-ブチル基は熱時にカルボキシル基になるため、オキセタニル基とt-ブチル基の組み合わせも効果的である。また、ヒドロキシル基とブロックイソシアネート基及びイソシアネート基の組み合わせも効果的である。特に、ヒドロキシル基とカルボキシル基の組み合わせは熱架橋により強固な被膜が得られるだけでなく、熱架橋する前のアルカリ現像の工程では、カルボキシル基の存在によりアルカリ現像性が向上するため最も好ましい。
一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を合成する際に、用いるエチレン性不飽和単量体を選択することで、ガラス転移温度(以下Tgと略記する)を制御することができる。アクリル樹脂のTgはカラーフィルタの耐熱性に直接影響するため、Tgが50℃以上であることが好ましい。200℃以上の加熱工程があるカラーフィルタ等のエレクトロニクス分野での使用を 考えると、アクリル部位のTgは、70℃以上がより好ましい。Tgの上限は特にない が、150℃を超えると、実用上、加工性や造膜性に問題を生じる場合があるので、150℃未満が好ましい。
本発明のアクリル樹脂のTgとは、共重合するエチレン性不飽和単量体それぞれの単独重合体のTgから、下記に示すFoxの式で算出した値を示している。
Foxの式
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
W1からWnは、使用している単量体の質量分率を示し、Tg1からTgnは、単量体の単独重合体のガラス転移温度(単位は絶対温度「K」)を示す。算出に使用する主な単量体の単独重合体のTg(ガラス転移温度)を下記に例示する。
エチルアクリレート:−22℃(251K)
ブチルアクリレート :−54℃ (219K)
ベンジルメタクリレート:55℃(328K)
アクリル酸: 106℃ (379K)
メチルメタクリレート :105℃ (378K)
n−ブチルメタクリレート :20℃ (293K)
2−エチルヘキシルメタクリレート :−10℃ (263K)
ヒドロキシエチルメタクリレート :55℃ (328K)
メタクリル酸:130℃(403K)
3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン :105℃ (378K)
2−イソシアネートエチルメタクリレート:60℃(333K)
t−ブチルメタクリレート :107℃ (380K)
メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩:58℃ (331K)
例えば、上記方法で計算を行うとメチルメタクリレート90質量部、エチルアクリレート10質量部を用いて合成したエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなるビニル重合体部位のガラス転移温度は86.8℃となる。
Tgを高くするためには、単独重合体のTgが高いエチレン性不飽和単量体を共重合組成に含有することが必要である。前記エチレン性不飽和単量体の中でも以下のものは、Tgが高く、アクリル樹脂のTgを高くするには効果的である。単独重合体のTgが比較的高い単量体を列記する。
メチルメタクリレート :105℃ (378K)
t−ブチルメタクリレート :107℃ (380K)
メタクリル酸:130℃(403K)
アクリル酸: 106℃ (379K)
3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン :105℃ (378K)
イソボルニルアクリレート:94℃(367K)
イソボルニルメタクリレート:180℃(453K)
ジシクロペンタニルアクリレート:120℃(393K)
ジシクロペンタニルメタクリレート:175℃(448K)
アダマンチルアクリレート:153℃(426K)
アダマンチルメタクリレート:250℃(523K)
この中でも、t−ブチルメタクリレート、メタクリル酸はTgを高くできるのに加え、熱架橋性官能基を導入することができるので特に好ましい。また、メチルメタクリレートは汎用性の観点から好ましい。
その他、一般式(4)で表される構造単位以外で用いることができるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
本発明に好適な一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合又はリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、又は2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、又はジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,
2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995
,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Scien
ce,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂は、一般式(4)で表される構造単位を含むAブロックと一般式(4)で表される構造単位を含まないBブロックによるA−Bブロック共重合体、若しくはB−A−Bブロック共重合体であることが好ましい。
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、又はジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの有機溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に用いる側鎖にカチオン性基を有する樹脂中に存在するカチオン性基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のカチオン塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。カチオン塩価とは、オニウム塩価、四級アンモニウム塩価、アミン塩価として表されるものである。また、中でも本発明に好適な一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂中に存在するアンモニウム塩基、アミン塩基の量は、樹脂のアンモニウム塩価、アミン塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
本発明に使用される一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1000〜50000であることが好ましく、3000〜15000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することがより好ましい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂において、上記一般式(4)で表される構造単位の総含有量は、特に制限はないが、側鎖にカチオン性基を有する樹脂に含有される全構造単位を100質量%とした場合に、造塩化合物の溶剤溶解性と着色力の点から、上記一般式(4)で表される構造単位の総含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
(塩形成)
本発明に用いる造塩化合物は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂と、キサンテン染料とを溶解させた水溶液を攪拌又は振動させるか、あるいは側鎖にカチオン性基を有する樹脂の水溶液とキサンテン染料の水溶液とを攪拌又は振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のカチオン性基とキサンテン染料のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対アニオンとキサンテン染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にカチオン性基を有する樹脂、及びキサンテン染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
塩形成時に使用する水溶液として、側鎖にカチオン性基を有する樹脂、及びキサンテン染料を溶解させるため、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全質量を基準(100質量%)として、5〜50質量%用いることが好ましく、5〜20質量%用いることが最も好ましい。
[一般式(1)以外のキサンテン色素(A)]
一般式(1)で表わされるキサンテン色素以外のキサンテン色素(A)としては、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素であれば制限はないが、後述のキサンテン染料(X13)で示すようなエチレン性不飽和二重結合を有する置換基で置換されたキサンテン色素や、該二重結合含有キサンテン染料を重合して得られる色素多量体を挙げることができる。
本発明のキサンテン色素(A)は、必要に応じて、無機又は有機のアニオンと塩を形成する。
代表的なアニオンしては、カルボン酸イオン、ハロゲン化物イオン(クロライドイオン、ブロマイドイオンなど)、トリフラートイオン、硫酸イオン、有機スルホネートイオン(例えば炭素数1〜20のアルキルスルホネート、ベンゼンスルホネートなど)、脂肪酸イオン(炭素数1〜20の脂肪族カルボキシレートなど)、安息香酸イオン、しゅう酸イオン、過ハロゲン酸イオン、チオシアン酸イオン、フッ素基含有リンアニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、シアノ基含有窒素アニオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、又はハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオンなどが挙げられ、好ましく用いることができる。
又は、これらのアニオン性基を側鎖に有する樹脂を用いることもでき、このような樹脂のなかでも、アニオン部位が、―SO−、又は−COO−である樹脂が好ましい。
これらのアニオンのなかでも、耐性付与の点から、硫酸イオン、有機スルホネートイオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、又はハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオンが好ましい。より好ましくは、硫酸イオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、又はハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオンである。
用いることのできるアニオンの具体例を下記に記載するが、これに限定されるものではない。
フッ素基含有リンアニオンとしては、PF−、(CFPF−、(CPF−、(CPF−、[(CFCF]PF−、[(CFCF]PF−、(n−CPF−、(n−CPF−、(n−CPF−、(C)(CFPF−、[(CFCFCFPF−、[(CFCFCFPF−、(n−CPF−、(n−CPF−、(CH)(CFPF−、(CPF−、(C)(CFPF−等が挙げられる。
これらのなかでも、PF−、(CPF−、(CPF−、((n−CPF−、(n−CPF−、[(CFCF]PF−、[(CFCF]PF−、[(CFCFCFPF−、[(CFCFCFPF−が好ましい。
フッ素基含有ホウ素アニオンの具体例としては、BF−、(CFB−、(CFBF−、(CFBF−、(CF)BF−、(CB−、(CBF−、(C)BF−、(CBF−、(CF)(CBF−、(CB−、[(CFB−、(CFB−、(CBF−、(C)BF−、(CB−、B(CN)−、B(CN)F−、B(CN)−、B(CN)F−、(CFB(CN)−、(CFB(CN)−、(CB(CN)−、(CB(CN)−、(n−CB(CN)−、(n−CB(CN)−、(n−CB(CN)−、(n−CB(CN)−、(CHFB(CN)−、(CHFB(CN)−、(CHCFB(CN)−、(CHCFB(CN)−、(CHB(CN)−、(CHB(CN)−、(CHCHB(CN)−、(n−CCHB(CN)−、(CB(CN)−等が挙げられる。
中でも、B(CN)F−、(CFB−、(CB−、[(CF)2CB−が好ましい。
シアノ基含有窒素アニオンとしては、[(CN)N]−、[(FSON]−、[(FSO)N(CFSO)]−、[(FSO)N(CFCFSO)]−、[(FSO)N{(CFCFSO}]−、[(FSO)N(CFCFCFSO)]−、[(FSO)N(CFCFCFCFSO)]−、[(FSO)N{(CFCFCFSO}]−、[(FSO)N{CFCF(CF)CFSO}]−、[(FSO)N{(CFCSO}]−等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基としては、特に限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有するスルホン酸(−SOH)、スルホンイミド酸(−SONHSO−)等を挙げることができる。
本発明のキサンテン染料(A)の具体例として、下記に示すキサンテン染料(X1)〜(X16)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[その他の着色剤]
本発明の着色剤は、キサンテン色素(A)以外の染料及び、又は、有機顔料を含有してもよい。有機顔料を含有する場合、赤色顔料及び青色顔料の少なくとも一方を含有することが好ましい。
(有機顔料)
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、又は15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、又は15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。
特に、着色組成物を青色フィルタセグメント用に用いる場合、青色顔料を併用することで、多くのバックライトがもつ特徴的なピークをもつ425〜500nm付近において、分光スペクトルが高い透過率を有することが可能になり、従来の青色顔料及びその他の顔料を組み合わせた着色剤よりも青色フィルタセグメントとして、高い明度を得ることができるために好ましい。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、又は特開2004−70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36又は58である。また、アルミフタロシアニン顔料を用いることも好ましく、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等を用いることもできる。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、又は185であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、又は185である。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、又は23であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、1 01、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げることができる。
赤色顔料と同様にはたらくオレンジ色顔料としては、例えばC.I.ピグメント オレンジ36、38、43、51、55、59、61等のオレンジ色顔料を用いることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177を用いることが特に好ましいものである。
(顔料の微細化)
本発明の着色組成物に併用する着色剤が顔料の場合、ソルトミリング処理等により微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分な分光特性を得ることができない場合がある。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニ−ダ−、2本ロ−ルミル、3本ロ−ルミル、ボ−ルミル、アトライタ−、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャ−プな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノ−ル、2−ブトキシエタノ−ル、2−(イソペンチルオキシ)エタノ−ル、2−(ヘキシルオキシ)エタノ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、トリエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、液状のポリエチレングリコ−ル、1−メトキシ−2−プロパノ−ル、1−エトキシ−2−プロパノ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルモノエチルエ−テル、液状のポリプロピレングリコ−ル等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
上記着色剤の含有量としては、カラーフィルタ用着色組成物の固形分を基準として10〜45質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは15〜40質量%の範囲である。この範囲であれば、カラーフィルタを一般的な膜厚範囲(1.0〜3.0μm程度)で使用した際の色再現性が良好であるために好ましい。
(染料)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、キサンテン色素(A)以外の染料を含んでもよい。キサンテン色素(A)とは異なるものであれば特に限定されず、公知の染料を使用することができる。
染料としては、キサンテン色素(A)とは異なるその他のキサンテン染料を使用することもできる。
その他のキサンテン染料としては、透過スペクトルにおいて650nmの領域で透過率が90%以上であり、600nmの領域で透過率が75%以上、500〜550nmの領域で透過率が5%以下、400nmの領域で透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、650nmの領域で透過率が95%以上であり、600nmの領域で透過率が80%以上、500〜550nmの領域で透過率が10%以下、400nmの領域で透過率が75%以上である。
なかでも、キサンテン塩基性染料、及びキサンテン酸性染料は、400〜450nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有しているが、耐光性、耐熱性に問題があり、高い信頼性が要求されるカラーフィルタを使用する画像表示装置に用いるには、その特性は十分なものではない場合がある。
そのため、これらの欠点を改善するために、キサンテン塩基性染料は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化して用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。
また、キサンテン酸性染料は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることが耐性の面で好ましい。
以下、その他のキサンテン染料の具体的に詳述する。
(キサンテン油溶性染料)
キサンテン油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
(キサンテン塩基性染料)
キサンテン塩基性染料としては、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I.ベーシックバイオレット10(ローダミンB)等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックバイオレット10を用いることが好ましい。
(キサンテン酸性染料)
キサンテン染料の酸性染料について説明する。キサンテン染料の酸性染料としては、C.I.アシッド レッド 51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッド レッド 52(アシッドローダミン)、C.I.アシッド レッド 87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッド レッド 92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッド レッド 289、C.I.アシッド レッド 388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッド バイオレット 9、C.I.アシッド バイオレット 9、C.I.アシッド バイオレット 30を用いることが好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
その他のキサンテン染料を用いる場合、全キサンテン染料中のキサンテン系色素(A)の含有量は30質量%以上が好ましく、より好ましは50質量%以上である。キサンテン系色素(A)の割合が少ないと、熱をかけたときに会合が起こり、明度が低下する場合がある。
キサンテン染料以外の染料は、キサンテン染料とは異なるものであれば特に限定されず、公知の染料を使用することができ、例えば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクワリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、着色剤、特に本発明の造塩化合物及び顔料を分散するもの、を分散するもの、若しくは造塩化合物を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物はアルカリ現像型着色レジスト材の形態であるため、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。
酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
酸性基含有エチレン性不単量体を共重合したアルカリ可溶性樹脂の光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。また、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いると、レジスト材での耐溶剤性改善の効果があるため、好ましい。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(a)や(b)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(a)]
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(b)]
方法(b)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂は、顔料及び造塩化合物の分散性、浸透性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料及び造塩化合物の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、成膜性及び諸耐性が良好なことから、着色剤の全質量を基準(100質量%)として、30質量%以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500質量%以下の量で用いることが好ましい。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることができる。
有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明の顔料、造塩化合物(D)の分散、溶解が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。特に、安全衛生面と低粘度化の観点からプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の好ましい有機溶剤が65〜95質量%含有されていることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤の全質量を基準(100質量%)にして、800〜4000質量%の量で用いることが好ましい。
<分散>
本発明の着色組成物は、キサンテン色素(A)を含む着色剤とバインダー樹脂と有機溶剤とを、必要に応じて、有機顔料や色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、キサンテン色素(A)、有機顔料等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本明において、キサンテン色素(A)は、顔料の分散助剤としての役割を果たすことも期待される。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドン又はトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、又は置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加顔料の分散性向上の観点から、添加顔料の全量を基準(100質量%)として、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、最も好ましくは3質量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、添加顔料の全量を基準(100質量%)として、好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。
樹脂型分散剤は、添加顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加顔料に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155又はAnti−Terra−U、203、204、又はBYK−P104、P104S、220S、6919、又はLactimon、Lactimon−WS又はBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASFジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、添加顔料の全量を基準(100質量%)として、好ましくは0.1〜55質量%、さらに好ましくは0.1〜45質量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1質量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55質量%より多いと、過剰な分散剤により分散に悪影響を及ぼすことがある。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体及び/又は光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。
本発明の光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー若しくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、着色剤の全質量を基準(100質量%)として、5〜400質量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜300質量%であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
<光重合開始剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合、光重合開始剤等を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。光重合開始剤を使用する際の配合量は、着色剤の全量を基準として、5〜200質量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150質量%であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4'−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は1種又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。これらの光重合開始剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の着色剤の全量を基準(100質量%)として、5〜200質量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150質量%であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフェノン、3,3'又は4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤の全質量を基準(100質量%)として、3〜60質量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量%であることがより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全質量を基準(100質量%)として、0.003〜0.5質量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂全量に対し、0.01〜15質量%が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量を基準(100質量%)として、0.1〜10質量%の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤の全量を基準(100質量%)として、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、及び青色フィルタセグメントを具備するもの、又はマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、及びイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法又はフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか若しくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特にことわりがない限り、「部」とは「質量部」を意味する。
[側鎖にカチオン性基を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)]
重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
[側鎖にカチオン性基を有する樹脂のアンモニウム塩価]
アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、固形分のアンモニウム塩価を表す。
まず、実施例及び比較例に用いたバインダー樹脂、微細化顔料、キサンテン色素の製造方法から説明する。
<バインダー樹脂溶液の調製方法>
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で、スチレン80.0部、メタクリル酸40.0部、メチルメタクリレート85.0部、n−ブチルメタクリレート95.0部、及びアゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後、更に、100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に、100℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約30,000、酸価が87mgKOH/gのアクリル樹脂のシクロヘキサノン溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に、不揮発分が20質量%になるようにエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
<樹脂型分散剤溶液の調製方法>
(樹脂型分散剤溶液の調整)
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製EFKA4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40質量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液として使用した。
<側鎖にカチオン性基を有する樹脂の調製方法>
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂1の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3部を仕込み、窒素気流下で75 ℃に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n−ブチルメタクリレート28.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、及びメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が6830である事を確認した後、50℃に冷却した。この溶液に塩化メチル3.2部、エタノール22.0部を添加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47質量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂2の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール75.1部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート15.7部、メタクリル酸2.5部、n−ブチルメタクリレート27.3部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.3部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩12.2部、及び別途メチルエチルケトン23.4部に溶解した2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7.0部を、均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7330である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、メタノールを14.3部加え、樹脂成分が40質量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂2を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は32mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂3の調製):ブロック重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート15.7部、メタクリル酸2.5部、n−ブチルメタクリレート27.3部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、テトラメチルエチレンジアミン1.6部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.1部、塩化第一銅1.9部、プロピレングリコールモノメチルエーテル62.3部を仕込み、窒素気流下で、100℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.1部、第二ブロックモノマーとしてメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩12.2部を投入し、100℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
GPC測定の結果、ポリマーのMw9200、Mw/Mn=1.5であり、反応転化率は98.5%であった。このようにして、固形分当たりの4級アンモニウム塩価が33mgKOH/gの側鎖にカチオン性基を有する樹脂3を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が40質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して側鎖にカチオン性基を有する樹脂3の溶液を得た。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂3は、4級アンモニウム塩モノマーによるAブロックとその他のモノマーによるBブロックが連結したブロック樹脂である。
<キサンテン染料の合成方法>
(キサンテン染料(a)の合成)
特開2013−53099の合成法に従い、キサンテン染料(a)を合成した。
(キサンテン染料(b)の合成)
既知の方法で作成した式(5)で示される化合物 20.0部と、N−メチル−o−トルイジン55.0部を、N−メチルピロリドン160部中添加し、150℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、3%塩酸1200部添加し室温で1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別し、1晩減圧乾燥し、キサンテン染料(b)27.6部得た。
式(5)
(キサンテン染料(c)の合成)
式(5)で示される化合物 20.0部と、4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン40.0部を、N−メチルピロリドン180部中添加し、120℃で8時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、3%塩酸1200部添加し室温で1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別し、1晩減圧乾燥し、色素中間体1を28.5部得た。
色素中間体1を25.0部と、1−ヨードブタン29.5部及び炭酸カリウム23.5部をN−メチルピロリドン200部中に加え、90℃で4時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、余剰の炭酸カリウムをろ過により除去し、酢酸エチル2000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル1500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、キサンテン染料(c)32.3部を得た。
(キサンテン染料(d)の合成)
C.I.アシッド レッド 289を45.0部と、1−ヨードプロパン45.3部及び炭酸カリウム36.8部をN−メチルピロリドン280部中に加え、90℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、余剰の炭酸カリウムをろ過により除去し、酢酸エチル3000部に添加し室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、キサンテン染料(d)43.6部を得た。
(キサンテン染料(e)の合成)
メタンスルホン酸480部中に2−スルホ安息香酸無水物を111部、2−メチルレソルシノールを186部加え、90℃で16時間撹拌を行った。その後、水5000部中に先の反応溶液を滴下して析出させた。さらに25%苛性ソーダを950部加えて溶解せた後、35%塩酸を370部加えて析出させた。得られた固体をろ別した後、60℃で16時間乾燥させた。続いて、塩化チオニル250部に、先に得られた粉末を150部、N,N−ジメチルホルムアミドを25部加え、2時間加熱還流を行った。冷却後、水5000部、氷5000部を混合した氷水に先の反応溶液を滴下して析出させた。得られた固体をろ別した後、80℃で16時間乾燥させて、色素中間体2を得た。
続いて、N−メチル−2−ピロリドン1000部中に、先に得られた色素中間体2の粉末を130部、ジブチルアミン155部を加え、50℃で6時間撹拌した。冷却後、水12000部中に先の反応溶液を滴下した後、35%塩酸を640部加えて析出させた。得られた固体をろ別した後、40℃で16時間乾燥させて、目的のキサンテン染料(e)93部を得た。
(キサンテン染料(f)の合成)
環流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.Basic Violet 10(東京化成品:Rodamine B)を50.0部、グリセリンモノメタクリレート(GLM)20.0部をジクロロメタン500gに溶解させ、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩 22.0部、ジメチルアミノピリジン2.5部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、キサンテン染料(f)を19.5部を得た。
(キサンテン染料(g)の合成)
式(5)で示される化合物 20.0部と、N−エチル−ウィクロヘキシルアミン19.0部を、N−メチルピロリドン160部中添加し、130℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、3%塩酸1200部添加し室温で1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別し、1晩減圧乾燥し、キサンテン染料(g)25.5部得た。
<キサンテン色素(X1)〜(X17)の合成方法>
キサンテン色素の製造方法に先だって、本発明に用いたキサンテン色素の同定方法について説明する。
[キサンテン色素の同定]
キサンテン色素は、赤外吸収スペクトル及び質量分析で同定した。
(赤外吸収スペクトル)
日本分光(株)社製フーリエ変換赤外分光光度計FT/IR−410、を用いて、分解能2cm−1、KBr錠剤法にて測定し、C=Oの吸収にてN−メチルフタルイミドが付加していることを判断した。
(質量分析)
LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型、を用いて、イオン化モード ESI− にて分析を行った。
(キサンテン色素(X1)の合成)
98%硫酸300部に10〜20℃でC.I.アシッド レッド 52を20.0部加えて、溶解確認後、N−ヒドロキシメチルフタルイミド12.0部を加えて45〜50℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、反応液を4000部の酢酸エチルに添加したところ結晶が析出した。析出した結晶を濾別したあと、酢酸エチル5000部で洗浄し、乾燥してキサンテン染料(X1)を22.3部得た。下記分析結果から、キサンテン染料(X1)であると同定した。
(質量分析) 実測値:875.9、計算値:876.9
(赤外吸収スペクトル) 1711cm−1にC=Oの吸収
下記キサンテン染料(X2)〜(X18a)について、(X1)と同様にして赤外吸収スペクトルの結果から、キサンテン染料(X2)〜(X18a)であると同定した。また、(X2)〜(X16)については、(X1)と同様にして質量分析からも、キサンテン染料(X2)〜(X16)であると同定できた。
(キサンテン色素(X2)の合成)
メタンスルホン酸300部に10〜20℃でC.I.アシッド レッド 289 23.3部を加えて、溶解確認後、N−ヒドロキシメチルフタルイミド6.1部を加えて10〜20℃で2時間攪拌した。反応液を15%食塩水3000部へ落とした後、1時間撹拌した。析出した結晶を濾別し、再度メタノール200部へ溶解させ、酢酸エチル2000部に添加して1時間撹拌した。再度、析出した結晶を濾別したあと、酢酸エチル3000部で洗浄し、乾燥してキサンテン染料(X2)を22.3部得た。
(キサンテン色素(X3)の合成)
C.I.アシッド レッド 52 20.0部の代わりに、ローダミンB 16.5部を使用し、N−ヒドロキシメチルフタルイミド12.0部を6.1部へ変更した以外は、(X1)と同様の操作を行い、キサンテン染料(X3)17.4部を得た。
(キサンテン色素(X4)の合成)
N−ヒドロキシメチルフタルイミド12.0部の代わりに、6.1部を使用した以外は、(X1)と同様の操作を行い、キサンテン染料(X4)25.1部を得た。
(キサンテン色素(X5)の合成)
98%硫酸300部に10〜20℃でキサンテン染料(a)17.1部を加えて、溶解確認後、N−ヒドロキシメチルフタルイミド6.1部を加えて45〜50温度℃で2時間攪拌する。反応液を3000部の水に添加したところ結晶が析出した。析出した結晶を濾別したあと、乾燥してキサンテン染料(X5)を19.2部得た。
(キサンテン色素(X6)の合成)
C.I.アシッド レッド 289 23.3部の代わりに、キサンテン染料(b)20.2部へ変更した以外は、(X2)と同様の操作を行い、キサンテン染料(X6)29.5部を得た。
(キサンテン色素(X7)の合成)
C.I.アシッド レッド 289 23.3部の代わりに、キサンテン染料(c)31.0部へ変更した以外は、(X2)と同様の操作を行い、キサンテン染料(X7)29.5部を得た。
(キサンテン色素(X8)の合成)
C.I.アシッド レッド 289 23.3部の代わりに、キサンテン染料(d)27.2部へ変更した以外は、(X2)と同様の操作を行い、キサンテン染料(X8)29.5部を得た。
(キサンテン色素(X9)の合成)
N−ヒドロキシメチルフタルイミド19.4部をメタンスルホン酸150部に加え、室温で攪拌しこれを溶解させた。ここに2,6−ジメチルアニリン12.1部を滴下したところ、淡黄色固体が析出するとともに発煙及び発熱がみられ、内温が40℃まで上昇した。この懸濁液を室温で8時間攪拌したところ淡黄色均一液体となった。これを水1500部に滴下したところ淡黄色固体が析出した。析出した固体を濾別した後、水15000部でふりかけ洗浄し、80℃のオーブンで乾燥することにより色素中間体320.4部を得た。
式(5)で示される化合物 10.0部及び色素中間体3 11.0部をN−メチルピロリドン100部に加え、150℃で8時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、3%塩酸水溶液1000部に滴下し室温で1時間攪拌したところ結晶が析出した。析出した結晶を濾別し、水4000部でふりかけ洗浄し、80℃のオーブンで乾燥することにより色素中間体4 19.3部を得た。
色素中間体4 10.0部及び炭酸カリウム6.2部をN−メチルピロリドン100部に加え、攪拌しながら85℃まで昇温させた。ここに1−ヨードプロパン7.6部を滴下したところ発熱がみられ内温が90℃まで上昇したので、90℃を保ちながら6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、水1000部に滴下し室温で1時間攪拌したところ結晶が析出した。析出した結晶を濾別し、水3000部でふりかけ洗浄し、80℃のオーブンで乾燥することによりキサンテン染料(X9)10.5部を得た。
(キサンテン色素(X10)の合成)
色素中間体4 10.0部及び炭酸カリウム6.2部をN−メチルピロリドン100部に加え、攪拌しながら85℃まで昇温させた。ここに3−ブロモプロパンスルホン酸ナトリウム10.1部を添加し、90℃を保ちながら6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、余剰の炭酸カリウムをろ過により除去し、ろ液を酢酸エチル1000部に滴下し室温で1時間攪拌したところ結晶が析出した。析出した結晶を濾別し、酢酸エチル3000部でふりかけ洗浄し、80℃のオーブンで乾燥することによりキサンテン染料(X10)12.1部を得た。
(キサンテン色素(X11)の合成)
キサンテン染料(a)17.1部の代わりに、キサンテン染料(e)18.2部を使用した以外は、(X5)と同様の操作を行い、キサンテン染料(X11)を21.7部得た。
(キサンテン色素(X12)の合成)
C.I.アシッド レッド 289 45.0部、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド98.3部及び炭酸カリウム48.1部をN−メチルピロリドン280部中に加え、110℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、余剰の炭酸カリウムをろ過により除去し、酢酸エチル3000部に添加した。室温下、1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して取得後、酢酸エチル2500部で洗浄後、1晩60℃減圧乾燥し、キサンテン染料(X12)72.5部を得た。
(キサンテン色素(X13)の合成)
98%硫酸300部に10〜20℃で、メタクリロイル基を有するキサンテン染料(f)20.0部を加えて、溶解確認後、N−ヒドロキシメチルフタルイミド10.1部を加えて45〜50温度℃で2時間攪拌する。反応液を4000部の酢酸エチルに添加したところ結晶が析出した。析出した結晶を濾別したあと、酢酸エチル5000部で洗浄し、乾燥して色素中間体5を24.1部得た。
得られた色素中間体5 20.0部を水1000部に溶解させ、これに28.0部のNaB(Cを添加して、2時間室温にて攪拌を行った。ろ過、水洗後、80℃にて乾燥して、キサンテン染料(X13)22.3部を得た。
(キサンテン色素(X14)の合成)
C.I.アシッド レッド 289 23.3部の代わりに、キサンテン染料(d)27.2部を使用し、N−ヒドロキシメチルフタルイミド6.1部を16.6部へ変更した以外は、(X2)と同様の操作を行い、キサンテン染料(X14)35.7部を得た。
(キサンテン色素(X15)の合成)
C.I.アシッド レッド 289 23.3部の代わりに、キサンテン染料(g)19.7部を使用し、N−ヒドロキシメチルフタルイミド6.1部を5.6部へ変更した以外は、(X2)と同様の操作を行い、キサンテン染料(X15)22.4部を得た。
(キサンテン色素(X16)の合成)
98%硫酸500部に10〜20℃でC.I.アシッド レッド52 45部を加えて溶解確認後、パラホルムアルデヒド 5.0部及び4−ブロモフタルイミド 23.2部を加えて45〜50度で2時間撹拌した。室温まで冷却後、室温まで冷却後、反応液を7000部の酢酸エチルに添加したところ結晶が析出した。析出した結晶を濾別したあと、酢酸エチル9000部で洗浄し、乾燥してキサンテン染料(X15)を51.1部得た。
(キサンテン色素(X17)の合成)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、N−メチルピロリドン67.5部を仕込み、窒素気流下で75 ℃に昇温した。別途、メタクリロイル基を有する染料モノマーである色素中間体5 100.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、及びN-メチルピロリドン26.0部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下、重合した。滴下終了2時間後、反応液を水3000部へ落とした後、1時間撹拌した。析出した結晶を濾別し、水5000部で洗浄し、乾燥して、キサンテン染料モノマーの重合体であるキサンテン色素(X17)を90部得た。
(キサンテン色素造塩体(X1a)の製造)
下記の方法で、キサンテン染料(X1)と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との反応により得られうる造塩化合物(X1a)を製造した。
水2000部に、158.0部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱して樹脂溶液を調製した。一方、100部の水に20.0部のキサンテン染料(X1)を溶解させた水溶液を調製し、先に調製した樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下終了後、30℃で90分攪拌して反応を行った。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、77.3部の造塩化合物(X1a)を得た。得られた造塩化合物(X1a)中のキサンテン染料(X1)に由来する有効色素成分の含有量は25質量%であった。
(キサンテン色素造塩体(X1b)の製造)
下記の方法で、キノフタロン染料(X1)と側鎖にカチオン性基を有する樹脂2との反応により得られうる造塩化合物(X1b)を製造した。
10%のメタノール水溶液2000部に88部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱して樹脂溶液を調製した。一方、90部の水に10部のキノフタロン系酸性化合物(X1)を溶解させた水溶液を調製し、先に調製した樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下終了後、60℃で120分攪拌して反応を行った。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、44部の造塩化合物(X1b)を得た。このとき造塩化合物(X1b)中のキノフタロン系酸性化合物(X1)に由来する有効色素成分の含有量は24質量%であった。
(キサンテン色素造塩体(X1c)の製造)
下記の方法で、キノフタロン染料(X1)と側鎖にカチオン性基を有する樹脂3との反応により得られうる造塩化合物(X1c)を製造した。
20%酢酸2000部に63.2部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂3を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱し、側鎖の3級アミノ基のアンモニウム塩化を行った。一方、90部の水に10部のキノフタロン染料(X1)を溶解させた水溶液を調製し、先ほどのアンモニウム塩化された樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下終了後、60℃で120分攪拌して反応を行った。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、39部の造塩化合物(X1c)を得た。このとき造塩化合物(X1c)中のキノフタロン染料(X1)に由来する有効色素成分の含有量は25質量%であった。
(キサンテン色素造塩体(X2a)の製造)
キサンテン染料(X1)20.0部の代わりに、キサンテン染料(X2)23.2部を使用した以外は、上記の造塩化合物(X1a)と同様にして造塩化合物(X2a)を70.4部得た。得られた造塩化合物(X2a)中のキサンテン染料(X2)に由来する有効色素成分の含有量は33質量%であった。
(キサンテン色素造塩体(X2b)の製造)
水400部に20〜30℃でキサンテン染料(X2)20.0部を加えた。溶解確認後、pH9〜10に調整し、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(コータミンD86P:カチオン部分の分子量が550)の10%水溶液を少しずつ添加していった。滴下終了後、20〜30℃で1時間撹拌して反応を行った。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩物が得られたものと判断した。吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、21.8部の造塩化合物(X2b)を得た。
(キサンテン色素造塩体(X8a)の製造)
キサンテン染料(X1)20.0部の代わりに、キサンテン染料(X8)27.6部を使用した以外は、上記の造塩化合物(X1a)と同様にして造塩化合物(X8a)を72.2部得た。得られた造塩化合物(X8a)中のキサンテン染料(X8)に由来する有効色素成分の含有量は34質量%であった。
(キサンテン色素造塩体(X8b)の製造)
水400部に20〜30℃でキサンテン染料(X8)20.0部を加えて、溶解確認後、硫酸アルミニウム 8%水溶液を少しずつ添加していった。滴下終了後、20〜30℃で1時間撹拌して反応を行った。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、Al造塩物が得られたものと判断した。吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残ったAl造塩物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、19.5部の造塩化合物(X8b)を得た。
(キサンテン色素造塩体(X18a)の製造)
キサンテン染料(X1)20.0部の代わりに、AR52 15.9部を使用した以外は、上記の造塩化合物(X1a)と同様にして造塩化合物(X18a)を53.2部得た。得られた造塩化合物(X18a)中のAR52に由来する有効色素成分の含有量は30質量%であった。
合成したキサンテン染料(X1)〜(X16)の構造は、前述のキサンテン染料の具体例でも示しているが、置換基構造について表1にまとめて示す。なお、(X17)は、キサンテン染料モノマーの重合体である。また、(X1a)〜(X18a)は、(X1)(X2)若しくは(X8)の造塩体である。
<顔料分散体の製造方法>
(青色顔料分散体(P−1):PB15:6)
C.I.ピグメントブルー15:6(PB15:6)(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」を11.0部、アクリル樹脂溶液を35.0部、樹脂型分散剤溶液を5部、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 49部を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、PB15:6の青色顔料分散体(P−1)を作製した。
(紫色顔料分散体(P−2):PV23)
C.I.ピグメントブルー15:6をC.I.ピグメントバイオレット23(PV23)(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」に変更した他は、青色顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PV23の紫色顔料分散体(P−2)を作製した。
(赤色顔料分散体(P−3):PR254)
C.I.ピグメントブルー15:6をC.I.ピグメントレッド254(PR254)(BASF社製「IRGAPHOR RED B−CF」)に変更した他は、青色顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PR254の赤色顔料分散体(P−3)を作製した。
(赤色顔料分散体(P−4):PR177)
C.I.ピグメントブルー15:6をC.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「A2B」)に変更した他は、青色顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PR177の赤色顔料分散体(P−4)を作製した。
(緑色顔料分散体(P−5):PG58)
C.I.ピグメントブルー15:6をC.I.ピグメントグリーン58(PG58)(DIC株式会社製「A110」)に変更した他は、青色顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PG58の緑色顔料分散体(P−4)を作製した。
(黄色顔料分散体(P−6):PY150)
C.I.ピグメントブルー15:6をC.I.ピグメントイエロー150(PY150)(ランクセス社製「E4GN」)に変更した他は、青色顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PY150の黄色顔料分散体(P−5)を作製した。
(橙色顔料分散体(P−7):PR242)
C.I.ピグメントブルー15:6をC.I.ピグメントレッド242(PR242)(Clariant 社製「SandorinScarlet4RF」)に変更した他は、青色顔料分散体(P−1)と同一作製法にて、PR242の橙色顔料分散体(P−7)を作製した。
<着色組成物の製造>
[実施例1]
(染料ペーストDA−1の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(DA−1)を作製した
キサンテン色素(X1) : 3.0部
アクリル樹脂溶液 :57.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :40.0部
[実施例2〜24及び比較例1〜4]
(染料ペーストDA−2〜28)
以下、表2に示すように、組成、配合量を変えた以外は染料ペースト(DA−1)と同様にして染料含有樹脂溶液(DA−2〜28)を得た。
<着色組成物の評価>
得られた着色組成物(DA−1〜28)について、コントラスト比及び耐熱性に関する評価を下記の方法で行った。結果は表2に示す。
(コントラスト比)
染料含有樹脂溶液(DA−1〜28)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、乾燥塗膜の膜厚が1.2μmになるように塗布し、オーブンにて230℃で20分焼成し塗布基板を作製した。得られた塗布基板を用いてコントラスト比(CR)の測定を行った。判定基準は以下の通りである。評価結果において、○は良好な結果であり、△は若干問題があるものの使用上問題ないレベル、×は使用不適に相当する。
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜を通過し、偏光板に到達する。偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板を透過する光量が減り、偏光板が直行のときは偏光板を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
従って、塗膜中の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てた。
○:10000以上
△:7000以上10000未満
×:7000未満
(塗膜の耐熱性評価)
コントラスト比測定に用いた塗布基板と同様に基板を作製し、オーブンにて230℃で1時間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、膜厚が2.0μmになるようにスピンコーターの塗布回転数を調整した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求めた。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
ΔEab*が、2.0未満であればカラーフィルタとしての実用上問題が無く、ΔEabが1.5以下であればさらに好ましく、1.0以下であることが最も好ましい。
AR289: C.I.アシッド レッド289
AR52 : C.I.アシッド レッド52
BV10 : C.I.ベイシック バイオレッド10
PGMAc: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン染料(A)含む本発明の着色組成物は、いずれもコントラスト比が優れており、これは、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基を導入したことにより、キサンテン染料の蛍光が抑制された効果であると考えられる。また、耐熱性が良好であり、ΔEabがいずれも1.5以下であった。N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基を導入したことにより、熱をかけたときの分光変化が抑制されたためと考えられる。
<感光性着色組成物の製造>
[実施例25]
(青色感光性着色組成物(RB−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、青色感光性着色組成物(RB−1)を作製した。
PB15:6顔料分散体(P−1) :40.0部
着色組成物(DA−1) :10.0部
アクリル樹脂溶液 : 7.5部
光重合性単量体 : 2.0部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
光重合開始剤 : 1.5部
(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製「イルガキュア907」))
有機溶剤 :39.0部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例26〜37、比較例5〜7]
(青色感光性着色組成物(RB−2〜16))
着色組成物の種類を表3に示すように変更した以外は、青色感光性着色組成物(RB−1)と同様にして、青色感光性着色組成物(RB−2〜16)を作製した。ここで顔料分散体、着色組成物の配合量(質量部)は、いずれも塗布基板を作製した際に、230℃での焼成後、C光源でx=0.150、y=0.060の色度に合うように、比率を選定した。また、顔料分散体及び染料含有樹脂溶液の合計含有量はすべて50.0部である。
[実施例38]
(赤色感光性着色組成物(RR−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、赤色感光性着色組成物(RR−1)を作製した。
PR254顔料分散体(P−3) :35.0部
染料含有樹脂溶液(DA−1) :15.0部
アクリル樹脂溶液 : 7.5部
光重合性単量体 : 2.0部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
光重合開始剤 : 1.5部
(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製「イルガキュア907」))
有機溶剤 :39.0部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例39〜57及び比較例8〜10]
(赤色感光性着色組成物(RR−2〜23))
顔料分散体、着色組成物の種類を表3に示すように変更した以外は、赤色感光性着色組成物(RR−1)と同様にして、赤色感光性着色組成物(RB−2〜23)を作製した。ここで顔料分散体、着色組成物の配合量(質量部)は、いずれも塗布基板を作製した際に、230℃での焼成後、C光源でx=0.645、y=0.323の色度に合うように、比率を選定した。また、顔料分散体及び染料含有樹脂溶液の合計含有量はすべて50.0部である。
<感光性着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物(RB−1〜16、RR−1〜23)について、明度(分光透過率)及びコントラスト比(CR)に関する評価を下記の方法で行った。結果は表3に示す。
(明度(分光透過率))
各青色感光性着色組成物若しくは赤色感光性着色組成物をスピンコーターにて100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に塗布し、50mJ/cm2の露光量で紫外線により露光した後、23℃の0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で30分焼成し、得られた感光性着色組成物の塗布基板を得た。得られた塗布基板を用いて、明度(分光透過率)を測定した。なお、青色感光性着色組成物による青色塗膜は、230℃での焼成後で、C光源においてx=0.150、y=0.060の色度に合うように塗布した。また、同様の方法により、赤色感光性着色組成物による赤色塗膜は、230℃での焼成後で、C光源においてx=0.645、y=0.323の色度に合うように塗布した。なお、XYZ表色系色度図における明度(分光透過率)の測定は、分光光度計(OTSUKA LCF―1100M)を用いて行った。
判定基準は以下の通りである。評価結果において、○は良好な結果であり、△は若干問題があるものの使用上問題ないレベルに相当する。
≪青色感光性着色組成物≫
○;11.8以上
△;11.5以上11.8未満
×;11.5未満
≪赤色感光性着色組成物≫
○:20.4以上
△:20.0以上20.4未満
×:20.0未満
(コントラスト比)
明度測定に用いた塗布基板と同じ基板を用いてコントラスト比(CR)の測定を行った。判定基準は以下の通りである。評価結果において、○は良好な結果であり、△は若干問題があるものの使用上問題ないレベルに相当する。
≪青色感光性着色組成物≫
○:11000以上
△:8000以上11000未満
×:8000未満
≪赤色感光性着色組成物≫
○:22000以上
△:20000以上22000未満
×:20000未満
キサンテン色素(A)を含む本発明の着色組成物は、いずれもコントラスト比が優れており、こは、キサンテン色素の蛍光が抑制された効果であると考えられる。また、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)は耐熱性が高いため、キサンテン色素(A)を含む本発明の着色組成物は、ベイクでの明度低下が抑制され、高明度な着色組成物が得られた。
<カラーフィルタの製造方法>
<緑色感光性着色組成物(RG−1)の製造方法>
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、緑色感光性着色組成物(RG−1)を作製した。
PG58顔料分散体(P−5) :31.8部
PY150顔料分散体(P−6) :18.2部
アクリル樹脂溶液 : 7.5部
光重合性単量体 : 2.0部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
光重合開始剤 : 1.5部
(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製「イルガキュア907」))
有機溶剤 :39.0部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例58]
(カラーフィルタ(CF−1))
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色感光性着色組成物(RR−21)を塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて150mJ/cmの紫外線を照射した。次いで0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を220℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。ここで、赤色フィルタセグメントは、220℃での熱処理後で、C光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.645、y=0.323の色度に合うようにした。また、同様の方法により、緑色フィルタセグメントは、緑色感光性着色組成物(RG−1)を用いてx=0.290、y=0.600の色度に合うようにし、青色フィルタセグメントは、本発明の青色感光性着色組成物(RB―1)を用いてx=0.150、y=0.060の色度に合うようにし、各フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタ(CF−1)を得た。
[実施例59〜80及び比較例11〜13]
(カラーフィルタ(CF−2〜26))
以下、表4に示す赤色感光性着色組成物及び青色感光性着色組成物の組み合わせへ変更した以外は、カラーフィルタ(CF−1)と同様にしてカラーフィルタ(CF−2〜26)を得た。
<カラーフィルタの評価>
得られたカラーフィルタについて、明度(分光透過率)及びコントラスト比に関する評価を下記の方法で行った。結果は表4に示す。
(明度(分光透過率))
XYZ表色系色度図における明度(分光透過率)の測定は、分光光度計(OTSUKA LCF―1100M)を用いて行った。判定基準は以下の通りである。評価結果において、○は良好な結果であり、△は若干問題があるものの使用上問題ないレベルに相当する。
○:28.80以上
△:28.60以上28.80未満
×:28.60未満
(コントラスト比)
判定基準は以下の通りである。評価結果において、○は良好な結果であり、△は若干問題があるものの使用上問題ないレベルに相当する。
○:17500以上
△:16500以上17500未満
×:16500未満
本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いることにより、高明度かつ高コントラスト比のカラーフィルタを作製することが可能であった。

Claims (7)

  1. 着色剤と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、N−メチルフタルイミド骨格を有する置換基で置換されたキサンテン色素(A)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  2. キサンテン色素(A)が、下記一般式(1)で表わされるキサンテン色素である請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(1)

    [一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5〜8のシクロアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。
    及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
    及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
    〜Rにおける有してもよい置換基は、−SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO であってもよく、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
    は、−SOH;−COOH;及びこれら酸性基の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、−SO 、−CO 、−SO 又は−CO を表し、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表し、pは、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
    Xは、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、スルホン基又はカルボキシル基を表し、m は0〜4 の整数を表す。
    nは、1〜4の整数を表す。
    N−メチルフタルイミド基は、R〜Rに結合していてもよい。]
  3. キサンテン色素(A)が、下記一般式(2)で表わされるキサンテン色素である請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(2)

    [一般式(2)中、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5〜8のシクロアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。
    及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
    10及びR11は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
    〜R11における有してもよい置換基は、−SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO であってもよく、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。
    12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
    14は、水素原子、−SOH、−SO の1価〜3価の金属塩若しくはアルキルアンモニウム塩、又は−SO を表し、Zは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を表す。
    Xは、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、スルホン基又はカルボキシル基を表し、m は0〜4 の整数を表す。
    nは、1〜4の整数を表す。
    N−メチルフタルイミド基は、R〜R11に結合していてもよい。]
  4. 一般式(1)及び一般式(2)における側鎖にカチオン性基を有する樹脂が、下記一般式(4)で表されるカチオン性基を有する構成単位を含む樹脂である請求項2又は3に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(4)

    [一般式(4)中、R21は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。
    22〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルケニル基又は置換基を有しても良いアリール基を表し、R22〜R24のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
    Qは、アルキレン基、アリーレン基、−CONH−R25−又は−COO−R25−を表し、R25はアルキレン基を表す。
    は、無機又は有機のアニオンを表す。]
  5. 着色剤が、さらに有機顔料を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. さらに、光重合性単量体及び光重合開始剤の少なくとも一方を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されるカラーフィルタ。
JP2016088814A 2016-04-27 2016-04-27 カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ Pending JP2017198815A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016088814A JP2017198815A (ja) 2016-04-27 2016-04-27 カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016088814A JP2017198815A (ja) 2016-04-27 2016-04-27 カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017198815A true JP2017198815A (ja) 2017-11-02

Family

ID=60239259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016088814A Pending JP2017198815A (ja) 2016-04-27 2016-04-27 カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017198815A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018018080A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 エルジー・ケム・リミテッド 感光性樹脂組成物及びそれを含むカラーフィルタ
JP2018018079A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 エルジー・ケム・リミテッド 感光性樹脂組成物およびこれを含むカラーフィルタ
JP2018022155A (ja) * 2016-07-26 2018-02-08 エルジー・ケム・リミテッド 感光性樹脂組成物及びそれを含むカラーフィルタ
JP2018521156A (ja) * 2015-06-17 2018-08-02 エルジー・ケム・リミテッド キサンテン系化合物およびこれを含む感光性樹脂組成物
WO2018225817A1 (ja) 2017-06-08 2018-12-13 サントリーホールディングス株式会社 甘味の増大した飲食品
USRE49362E1 (en) 2006-05-18 2023-01-10 Illumina Cambridge Limited Dye compounds and the use of their labelled conjugates

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE49362E1 (en) 2006-05-18 2023-01-10 Illumina Cambridge Limited Dye compounds and the use of their labelled conjugates
JP2018521156A (ja) * 2015-06-17 2018-08-02 エルジー・ケム・リミテッド キサンテン系化合物およびこれを含む感光性樹脂組成物
JP2018018080A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 エルジー・ケム・リミテッド 感光性樹脂組成物及びそれを含むカラーフィルタ
JP2018018079A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 エルジー・ケム・リミテッド 感光性樹脂組成物およびこれを含むカラーフィルタ
JP2018022155A (ja) * 2016-07-26 2018-02-08 エルジー・ケム・リミテッド 感光性樹脂組成物及びそれを含むカラーフィルタ
WO2018225817A1 (ja) 2017-06-08 2018-12-13 サントリーホールディングス株式会社 甘味の増大した飲食品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6205679B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP4993026B1 (ja) カラーフィルタ用着色剤、着色組成物、およびカラーフィルタ
JP4873101B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP6217067B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP6264854B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP5573417B2 (ja) カラーフィルタ用青色着色組成物、およびカラー固体撮像素子に用いるカラーフィルタ
JP5659918B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP2017198815A (ja) カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ
JP6264135B2 (ja) 着色剤とその製造方法およびそれを用いた着色組成物、カラーフィルタ
JP5949246B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP2018136361A (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP6551085B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ
JP5853731B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
WO2013080964A1 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP5611099B2 (ja) カラーフィルタ用青色着色組成物、およびカラーフィルタ
JP2012032770A (ja) カラーフィルタ用青色着色組成物、およびカラーフィルタ
JP5736932B2 (ja) カラーフィルタ用赤色着色組成物、およびカラーフィルタ
JP6379927B2 (ja) カラーフィルタ用赤色着色組成物、カラーフィルタ
JP6295637B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP6645335B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP6973006B2 (ja) カラーフィルタ用着色剤、着色組成物およびカラーフィルタ
JP6733525B2 (ja) カラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP6911604B2 (ja) カラーフィルタ用着色剤、カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ
JP2012013866A (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP6108231B2 (ja) カラーフィルタ用赤色着色組成物及びカラーフィルタ