JP6551085B2 - カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ Download PDF

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置、およびカラー撮像素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
カラー液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行なう表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となった。そのため液晶表示装置は、テレビやパソコンモニタ用途への展開が進んでいる。
その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行なっているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
一般的にカラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に形成された、赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)および青色フィルタ層(B)、もしくは赤色、緑色、青色の補色に相当する、シアン色フィルタ層(C)、マゼンタ色フィルタ層(M)、およびイエロー色フィルタ層(Y)からなる微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメント(画素)を、平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
カラー液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの上には、一般に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成工程を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行なう必要がある。
カラーフィルタに要求される品質項目としては、明度とコントラスト比が挙げられる。コントラスト比が低いカラーフィルタを用いると、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまい、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ぼやけた画面となってしまう。そのため高品質な液晶表示装置を実現するためには、高コントラスト化が不可欠である。
また、明度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高明度化がトレンドとなっている。さらに、前述のようにカラー液晶装置がテレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高明度化、高コントラスト化とともに、高い信頼性の要求も高くなっている。
カラーフィルタの製造方法には、着色剤として染料、造塩染料を使った染色法、染料分散法や、着色剤として顔料を使った顔料分散法、印刷法、電着法などがある。このうち染色法、あるいは染料分散法は着色剤が染料であることから、耐熱性や耐光性にやや劣る欠点がある。よってカラーフィルタの着色剤としては耐熱性や耐光性に優れる顔料が用いられ、製造方法としては形成方法の精度や安定性から顔料分散法を用いる場合が多い。
顔料分散法は、透明樹脂中に着色剤である顔料粒子を分散させたものに感光剤や添加剤などを混合・調合することによってカラーレジスト化し、このカラーレジストを基板上にスピンコーターなどの塗布装置により塗膜形成し、アライナーやステッパー等によりマスクを介して選択的に露光を行い、アルカリ現像、熱硬化処理をすることによりパターニングし、この操作を繰り返すことによってカラーフィルタを作製する方法である。
一般に顔料粒子に微細化処理を行い、その微細化された顔料を極限まで一次粒子に近づけた顔料分散体を作成することによって、顔料による光の散乱が抑制され、高コントラスト化が達成できる。また分散体の透明度も向上するため、分散体の分光スペクトルが高透過率を持ち、高明度化が実現する。この分散体をカラーレジストに用いることにより、高コントラスト、高明度をもつカラーフィルタが得られる。
カラーフィルタ中の、青色フィルタセグメント(画素)やシアン色フィルタセグメント(画素)の形成に用いられる着色剤としては、耐性および色調に優れたフタロシアニン顔料が用いられることが多い。フタロシアニン顔料は、α型、β型、δ型、ε型等の異なる結晶型を持っており、それぞれが鮮明で着色力も高いという優れた性質を持っていることから、カラーフィルタ用の着色剤として適したものである。このフタロシアニン顔料には、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム等の種々の中心金属を持つものが知られている。中でも銅フタロシアニン顔料は、最も色調が鮮明であることから広く用いられている。その他にもメタルフリーフタロシアニン顔料や、亜鉛フタロシアニン顔料、アルミニウムフタロシアニン顔料、コバルトフタロシアニン顔料等の異種金属フタロシアニン顔料も実用化されている。
従来の冷陰極管タイプのバックライトを用いた液晶表示装置などの表示装置においては、青色フィルタセグメントやシアン色フィルタセグメントに、銅フタロシアニン顔料とジオキサジン系顔料等を組み合わせることで、高い明度と広い色表示領域を達成することができていた。しかしながら前述のように、カラーフィルタに対してさらなる高明度化や広い色再現領域が要求されている。
上記の課題を解決するために、着色剤として顔料ではなく染料を樹脂等に溶解させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また青色フィルタセグメントやシアン色フィルタセグメントに用いる着色剤として、トリアリールメタン系色素、特にトリアリールメタン系染料をカラーフィルタ用着色剤として用いることも提案されている(例えば特許文献2参照)が、染料は顔料に比較して耐熱性、耐光性、耐溶剤性に劣るという問題があった。
一方、マゼンタ色を示す色素としてキサンテン系色素が知られており、その中でキサンテン系の染料は優れた分光特性を有しているため、マゼンタ色のカラーフィルタによく用いられている(例えば特許文献3参照)。
また、キサンテン系染料の分光は、銅フタロシアニン顔料や、シアニン顔料と比較した場合、400〜450nm付近において高い透過率を有するため、上記顔料や他の青色色素と併用して青色カラーフィルタを作成した場合、色バランスを崩さない、より高明度な青色カラーフィルタが得られることが提案されている。(例えば特許文献4、5参照)
しかし、染料は溶解性の高さから、顔料のみを用いた場合に見られるような散乱等が生じないためずコントラスト比の高いカラーフィルタが得られると期待されたが、キサンテン系の染料のような蛍光性の色素を用いた場合、コントラスト比が低くなるという問題があり(例えば特許文献6参照)、高明度かつ高コントラスト比の両立可能なカラーフィルタは実現されていなかったのが現状であった。
特開平6−75375号公報 特開2001−81348号公報 特開2005−292305号公報 特開2009−265641号公報 特開2010−32999号公報 特開2005−025175号公報
本発明の目的は、高明度、高コントラスト比かつ耐熱性に優れるカラーフィルタ用青色着色組成物、並びにそれを用いた高明度、高コントラスト比かつ耐熱性に優れたカラーフィルタを提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、カラーフィルタ用青色着色組成物において、着色剤として、樹脂と造塩したアニオン性染料(樹脂造塩化合物(A1))を用い、さらに当該樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より長波長側にピーク波長λmax2を有する特定の着色剤(着色剤(A2))を添加することで、カラーフィルタとしたときに、高明度と広い色再現領域、及び高コントラスト比の実現が可能となり、また耐熱性においても優れていることを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち本発明は、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、および有機溶剤(C)を含むカラーフィルタ用着色組成物であって、
着色剤(A)が、側鎖にカチオン性基を有する下記一般式(1)で表わされる構造単位を有するビニル系樹脂(a1)とアニオン性染料(a2)とを反応させて得られた樹脂造塩化合物(A1)と、該樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax2を有し、かつ下記一般式(2)で表わされる着色剤(A2−1)または下記一般式(3)で表わされる着色剤(A2−2)である着色剤(A2)とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(1)


[一般式(1)中、R11は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R12〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R12〜R14のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R15−、−COO−R15−を表し、R15はアルキレン基を表す。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
一般式(2)

[一般式(2)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO3Mb、−SO3R29、−SO2NH2、−SO2NHR30、又は−SO2NR31R32を表す。但し、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO3Mc、−SO3R33、−SO2NH2、−SO2NHR34、又は−SO2NR35R36で置換されていてもよい。R29〜R36は、相互に独立に、置換基を有しても良いアルキル基を表す。Maは2〜4価の置換基を有して良い金属原子であり、Mb、Mcは、分子の電価を中性にする金属原子である。R21とR22、R23とR24、R25とR26、R27とR28の各々の置換基は入れ替わっても良いし、各配置の違う異性体の混合物でも良い。]
一般式(3)

[一般式(3)中、R41〜R43は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO44、−SONH、−SONHR45、又は−SONR4647を表す。但し、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO48、−SONH、−SONHR49、又は−SONR5051で置換されていてもよい。R44〜R51は、相互に独立に、置換基を有しても良いアルキル基を表す。M、Mは、分子の電価を中性にする金属原子である。n1は1〜8、m1は0〜7の整数であり、n1またはm1が複数の場合は各々のR41、R42、R43は別構造であって良い。]
また、本発明は、着色剤(A2)の含有量が、樹脂造塩化合物(A1)の有効色素成分1重量部に対し、0.03〜0.5重量部であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
また、本発明は、着色剤(A)が、樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax3を有し、かつ下記一般式(4)で表わされる着色剤(A3)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。

一般式(4)
P−Lm
[一般式(4)中、Pは、m価のフタロシアニン顔料残基であり、mは、1〜4の整数であり、Lは、一般式(5)、(6)、及び(7)で示される群から選ばれる置換基のいずれかである。フタロシアニン顔料残基は中心金属として2〜4価の置換基を有して良い金属原子を有する。]
一般式(5)

一般式(6):

一般式(7)

[一般式(5)〜(7)中、Xは、−SO−、−CO−、−CH−、
−CHNHCOCH−、−CHNHSOCH−、又は直接結合であり、
は、−NH−、−O−、又は直接結合であり、
nは、1〜10の整数であり、
は、−NH−、−NR−Z−NR10−、又は直接結合であり、
、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36のアルキル基、炭素数2〜36のアルケニル基、又はフェニル基であり、
Zは、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20のアリーレン基を表す。
、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、又はRとRとが一体となってさらなる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む複素環であり、
、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリーレン基であり、
は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数2〜20のアルケニル基であり、
は、一般式(5)で示される置換基、又は一般式(6)で示される置換基であり、
Qは、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシル基、一般式(5)で示される置換基、又は一般式(6)で示される置換基を表す。]
また、本発明は、着色剤(A3)の有機溶剤(C)に対する溶解度[A3]と、着色剤(A2)の有機溶剤(C)に対する溶解性[A2]の溶解度比([A3]/[A2])が、10%以下であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、着色剤(A3)の含有量が、樹脂造塩化合物(A1)の有効色素成分1重量部に対し、0.2〜1.2重量部であり、
着色剤(A2)と着色剤(A3)の重量配合比率が5:95〜90:10であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合開始剤(H)を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、バインダー樹脂(B)が、下記一般式(8)で表わされるジシクロ環構造単位を有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(8)

[一般式(8)中、環Aは、水素もしくは置換基を有して良い炭素、水素もしくは置換基を有して良い窒素、酸素、または硫黄のいずれかの元素の結合で形成される4〜10員の環構造であり、Bは、水素または置換基を有して良い炭素、水素もしくは置換基を有して良い窒素、酸素、または硫黄のいずれかの元素の結合で形成される1〜6員の第二の環を形成する連結鎖である。一般式(8)はさらに環構造を形成する連結鎖を有しても良い。]
また、本発明は、基材上に、前記カラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明においては、着色剤として、樹脂造塩化合物(A1)と、該樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より長波長側にピーク波長λmax2を有する特定の着色剤(A2)とを含有するカラーフィルタ用着色組成物により形成されたカラーフィルタを用いることで、耐熱性、耐光性に優れ、さらに高い明度と広い色再現領域、及び蛍光の発生を抑制することによる高いコントラスト比とを有するカラー画像表示装置を得ることが出来る。
なかでも、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、特に青色フィルタセグメントに用いることが好適である。その場合、樹脂造塩化合物(A1)のアニオン性染料(a2)が、キサンテン系染料であることが好ましい。
従来の青色カラーフィルタに用いられていた、銅フタロシアニンブルー顔料と調色成分であるジオキサジン系顔料等を組み合わせたカラーフィルタ用青色着色組成物の透過率スペクトルは、透過率のピーク位置が450nm付近に存在し、450nm以下の短波長側ではジオキサジン系顔料の影響によりそれが急激に低下している。
これに対し本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、調色成分として樹脂造塩化合物(A1)を含有することにより、その透過スペクトルが450nm以下の短波長側においても高い透過率を維持している。そのため425〜440nm付近にピークを持つ冷陰極管や450nm近傍にピークを持つLED等がバックライトである場合に有効に作用し、高い明度を得ることが出来き、さらに有効に550〜700nmの領域に発する蛍光を抑制できるため、高いコントラスト比を得ることが出来る。
さらには着色剤(A3)との組み合わせにより、より効率的に蛍光を抑制し高いコントラスト比を得ることが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、側鎖にカチオン性基を有する一般式(1)で表わされる構造単位を有するビニル系樹脂(a1)とアニオン性染料(a2)とを反応させて得られた樹脂造塩化合物(A1)と、該樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax2を有し、かつ一般式(2)で表わされる着色剤(A2−1)または下記一般式(3)で表わされる着色剤(A2−2)である着色剤(A2)とを含有する着色剤(A)と、バインダー樹脂(B)と、有機溶剤(C)とを含むことを特徴とする。さらに好ましくは着色剤(A)がさらに、樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax3を有し、かつ下記一般式(4)で表わされる着色剤(A3)を含有することを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
《着色剤(A)》
本発明のカラーフィルタ用着色組成物の着色剤(A)としては、側鎖にカチオン性基を有する一般式(1)で表わされる構造単位を有するビニル系樹脂(a1)とアニオン性染料(a2)とを反応させて得られた樹脂造塩化合物(A1)と、さらに該樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax2を有し、かつ一般式(2)で表わされる着色剤(A2−1)または下記一般式(3)で表わされる着色剤(A2−2)である着色剤(A2)とを含有するものである。
さらに好ましくは樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax3を有し、かつ一般式(4)で表わされる着色剤(A3)を含有するものである。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに青色顔料(A4)と組み合わせて青色フィルタセグメントに用いることが好適である。
青色顔料(A4)と樹脂造塩化合物(A1)とを併用、混合して用いることで、前述のように多くのバックライトがもつ特徴的なピークをもつ425〜500nm付近において、分光スペクトルが高い透過率を有することが可能になり、従来の銅フタロシアニン系顔料とジオキサジン系顔料を組み合わせたカラーフィルタより、高い明度と広い色再現性を得ることが出来る。
<青色顔料(A4)>
青色顔料としては、フタロシアニン系顔料、トリアリールメタン系レーキ顔料等が用いられる。フタロシアニン系顔料としては、銅フタロシアニンブルー顔料を用いることが好ましいものである。
銅フタロシアニンブルー顔料としては、C.I.ピグメント ブルー 15、C.I.ピグメント ブルー 15:1、C.I.ピグメント ブルー 15:2、C.I.ピグメント ブルー 15:3、C.I.ピグメント ブルー 15:4、C.I.ピグメント ブルー 15:6、等の顔料が挙げられ、中でも、ε型、α型の構造を有する銅フタロシアニンブルー顔料が好ましい。このような好ましい顔料は、具体的にはC.I.ピグメント ブルー 15:6およびC.I.ピグメント ブルー 15:1である。
トリアリールメタン系レーキ顔料としては、C.I.ピグメント ブルー 1、同1:2、同1:3、C.I.ピグメント ブルー 2、同2:1、同2:2、C.I.ピグメント ブルー 3、C.I.ピグメント ブルー 8、C.I.ピグメント ブルー 9、C.I.ピグメント ブルー 10、同10:1、C.I.ピグメント ブルー 11、C.I.ピグメント ブルー 12、C.I.ピグメント ブルー 18、C.I.ピグメント ブルー 19、C.I.ピグメント ブルー 24、同24:1、C.I.ピグメント ブルー 53、C.I.ピグメント ブルー 56、同56:1、C.I.ピグメント ブルー 57、C.I.ピグメント ブルー 58、C.I.ピグメント ブルー 59、C.I.ピグメント ブルー 61、C.I.ピグメント ブルー 62等が挙げられる。
これらの中でも青色顔料としてC.I.ピグメント ブルー 15:6を用いることが特に好ましいものである。
<その他の顔料>
また本発明の青色着色組成物には、効果に支障を来たさない範囲でその他の有機顔料を添加することができる。
その他の有機顔料としては、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料を併用することが好ましい。中でもジオキサジン系顔料を併用することが好ましい。ジオキサジン系顔料としては、C.I.ピグメント バイオレット 23を用いることが好ましい。本発明の青色着色組成物にジオキサジン系顔料を併用することで、さらに耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れ、安定した高品質な青色着色組成物とすることができる。
(顔料の微細化)
本発明の青色着色組成物に使用する青色顔料(A4)、又は併用することのできるその他の顔料は、ソルトミリング処理を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。よって、20〜100nmの範囲を有することが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。
なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、100個以上の顔料粒子について、個々の顔料の、一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。このとき顔料粒子をグリッドメッシュ上にサンプリングし、TEM観察用の試料を作製した。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅が狭く、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全重量を基準(100重量%)として、50〜2000重量%用いることが好ましく、300〜1000重量%用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全重量を基準(100重量%)として、5〜1000重量%用いることが好ましく、50〜500重量%用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量を基準(100重量%)として、5〜200重量%の範囲であることが好ましい。
<樹脂造塩化合物(A1)>
樹脂造塩化合物(A1)は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)と、アニオン性染料(a2)とを反応させて得られた樹脂造塩化合物である。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1))
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
本発明の樹脂造塩化合物(A1)を含有するカラーフィルタ用着色組成物を調製し、カラーフィルタとしての特性を発現させる場合は、カラーフィルタ用着色組成物を構成するバインダー樹脂(B)と同種の樹脂を使用することが望ましい。本発明では、カラーフィルタ用着色組成物にアクリル系樹脂が好ましく用いられることから、樹脂造塩化合物を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)としてはアクリル系樹脂であることが望ましい。
また、本発明の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)としては、下記一般式(1)で表わされる構造単位を含むビニル系樹脂が好ましく用いられる。
一般式(1)

[一般式(1)中、R11は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R12〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R12〜R14のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R15−、−COO−R15−を表し、R15はアルキレン基を表す。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
一般式(1)中、R11は、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R11におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
R11で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。
上記の中でも、R11としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(1)中、R12〜R14としては、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
ここで、R12〜R14におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
R12〜R14におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリール、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル及び2−メチル−2−プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基である。
R12〜R14におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
R12〜R14で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びフェニル基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、フェニル基が特に好ましい。
R12〜R14としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基がさらに好ましい。
また、R12〜R14のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
一般式(1)中、ビニル部位とアンモニウム塩基を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R15−、−COO−R15−を表し、R15はアルキレン基を表す。中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R15−、−COO−R15−であることが好ましい。また、R15がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることがさらに好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
当該樹脂の対アニオンを構成する一般式(1)中におけるY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよい。対アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。対アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
本発明の好ましい様態である一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るには、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合する方法だけでなく、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合したアミノ基を有するアクリル系樹脂を得た後、オニウム塩化剤を反応させ、アンモニウム塩化する方法により得ても良い。
アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合する場合、4級アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アミノ基を有するアクリル系樹脂を得た後、オニウム塩化剤を反応させ、アンモニウム塩化する場合、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体として、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、またはジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、またはベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、またはオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、またはオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、またはベンジルブロマイド等が挙げられる。
アミノ基とオニウム塩化剤との反応は、通常はアミノ基に対して等モル以下のオニウム塩化剤を、アミノ基を有する重合体溶液に滴下することによって行うことができる。アンモニウム塩化反応時の温度は90℃程度以下であり、特にビニルモノマーをアンモニウム塩化する場合には30℃程度以下が好ましく、反応時間は1〜4時間程度である。
別に、オニウム塩化剤として、アルコキシカルボニルアルキルハライドを使用することもできる。アルコキシカルボニルアルキルハライドは下記一般式(14)で表される。
一般式(14)
Z−R15−COOR16

[一般式(14)中、Zは、塩素、または臭素等のハロゲン、好ましくは臭素であり、R15は、炭素数1〜6、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3のアルキレン基であり、R16は、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基である。]
アミノ基とアルコキシカルボニルアルキルハライドとの反応は、アミノ基に対して等モル以下のアルコキシカルボニルアルキルハライドを上記オニウム塩化剤同様に反応させた後、−COOR16を加水分解してカルボキシレートイオン(−COO-)に変換することにより得られる。これにより、一般式(14)式で示すカルボキシベタイン構造を有しアンモニウム塩基を有する重合体を得ることができる。
その他、本発明の側鎖にカチオン性基を有する構造単位を形成するエチレン性不飽和単量体と併用して用いることができるその他のエチレン性不飽和単量体として、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、ビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。また、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含んでいても良い。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
酸基を有する単量体としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げられる。
本発明において、側鎖にカチオン性基を有する構造単位、特に一般式(1)で表される構造単位を含む共重合体を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、さらには、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)国際公開96/030421号パンフレット
(参考文献6)国際公開97/018247号パンフレット
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に好適な一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に存在するアンモニウム塩基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のアンモニウム塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
本発明に好適な一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することがより好ましい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)において、一般式(1)で表わされる構造単位の総含有量は、特に制限はないが、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)に含有される全構造単位を100重量%とした場合に、樹脂造塩化合物(A1)の溶剤溶解性と着色力の点から、5重量%以上であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。
(アニオン性染料(a2))
アニオン性染料(a2)としては、上述した側鎖にカチオン性基を有する樹脂とイオン結合する着色化合物であればよい。このような着色化合物としては、分子中にカルボン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基、またはこれらの金属塩などを有するものであれば、特に限定はなく、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、本組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを勘案して適宜選択することができる。
アニオン性染料(a2)としては、例えば、アントラキノン系アニオン性染料、モノアゾ系アニオン性染料、ジスアゾ系アニオン性染料、オキサジン系アニオン性染料、アミノケトン系アニオン性染料、キサンテン系アニオン性染料、キノリン系アニオン性染料、トリフェニルメタン系アニオン性染料などが挙げられる。またアニオン性染料(a2)の態様として、酸性染料、直接染料を用いることが好ましいものである。以下に、樹脂造塩化合物の合成に使用可能なアニオン性染料(a2)の具体例を示す。
中でも、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、アニオン性染料(a2)が、キサンテン系アニオン性染料である場合、明度、コントラスト比、および耐熱性に優れたものとすることができるために好ましい。
赤色系染料としては、C.I.アシッド レッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、25:1、26、26:1、26:2、27、29、30、31、32、33、34、35、36、37、39、40、41、42、43、44、45、47、50、52、53、54、55、56、57、59、60、62、64、65、66、67、68、70、71、73、74、76、76:1、80、81、82、83、85、86、87、88、89、91、92、93、97、99、102、104、106、107、108、110、111、113、114、115、116、120、123、125、127、128、131、132、133、134、135、137、138、141、142、143、144、148、150、151、152、154、155、157、158、160、161、163、164、167、170、171、172、173、175、176、177、181、229、231、237、239、240、241、242、249、252、253、255、257、260、263、264、266、267、274、276、280、286、289、299、306、309、311、323、333、324、325、326、334、335、336、337、340、343、344、347、348、350、351、353、354、356、388等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト レッド1、2、2:1、4、5、6、7、8、10、10:1、13、14、15、16、17、18、21、22、23、24、26、26:1、28、29、31、33、33:1、34、35、36、37、39、42、43、43:1、44、46、49、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、67、67:1、68、72、72:1、73、74、75、77、78、79、81、81:1、85、86、88、89、90、97、100、101、101:1、107、108、110、114、116、117、120、121、122、122:1、124、125、127、127:1、127:2、128、129、130、132、134、135、136、137、138、140、141、148、149、150、152、153、154、155、156、169、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、186、189、204、211、213、214、217、222、224、225、226、227、228、232、236、237、238等も使用できる。
黄色系染料としては、C.I.アシッド イエロー 2,3、4、5、6、7、8、9、9:1、10、11、11:1、12、13、14、15、16、17、17:1、18、20、21、22、23、25、26、27、29、30、31、33、34、36、38、39、40、40:1、41、42、42:1、43、44、46、48、51、53、55、56、60、63、65、66、67、68、69、72、76、82、83、84、86、87、90、94、105、115、117、122、127、131、132、136、141、142、143、144、145、146、149、153、159、166、168、169,172、174、175、178、180、183、187、188、189、190、191、192、199等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト イエロー1、2、4、5、12、13、15、20、24、25、26、32、33、34、35、41、42、44、44:1、45、46、48、49、50、51、61、66、67、69、70、71、72、73、74、81、84、86、90、91、92、95、107、110、117、118、119、120、121、126、127、129、132、133、134等も使用できる。
橙色系染料としては、C.I.アシッド オレンジ 1、1:1、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、17、18、19、20、20:1、22、23、24、24:1、25、27、28、28:1、30、31、33、35、36、37、38、41、45、49、50、51、54、55、56、59、79、83、94、95、102、106、116、117、119、128、131、132、134、136、138等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト オレンジ1、2、3、4、5、6、7、8、10、13、17、19、20、21、24、25、26、29、29:1、30、31、32、33、43、49、51、56、59、69、72、73、74、75、76、79、80、83、84、85、87、88、90、91、92、95、96、97、98、101、102、102:1、104、108、112、114等も使用できる。
青色染料としては、C.I.アシッド ブルー 1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、13、14、15、17、19、21、22、23、24、25、26、27、29、34、35、37、40、41、41:1、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、62、62:1、63、64、65、68、69、70、73、75、78、79、80、81、83、84、85、86、88、89、90、90:1、91、92、93、95、96、99、100、103、104、108、109、110、111、112、113、114、116、117、118、119、120、123、124、127、127:1、128、129、135、137、138、143、145、147、150、155、159、169、174、175、176、183、198、203、204、205、206、208、213、227、230、231、232、233、235、239、245、247、253、257、258、260、261、262、264、266、269、271、272、273、274、277、278、280等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト ブルー1、2、3、4、6、7、8、8:1、9、10、12、14、15、16、19、20、21、21:1、22、23、25、27、29、31、35、36、37、40、42、45、48、49、50、53、54、55、58、60、61、64、65、67、79、96、97、98:1、101、106、107、108、109、111、116、122、123、124、128、129、130、130:1、132、136、138、140、145、146、149、152、153、154、156、158、158:1、164、165、166、167、168、169、170、174、177、181、184、185、188、190、192、193、206、207、209、213、215、225、226、229、230、231、242、243、244、253、254、260、263等も使用できる。
紫色染料としては、C.I.アシッド バイオレット 1、2、3、4、5、5:1、6、7、7:1、9、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、23、24、25、27、29、30、31、33、34、36、38、39、41、42、43、47、49、51、63、67、72、76、96、97、102、103、109等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト バイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、17、18、21、22、25、26、27、28、29、30、31、32、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、51、52、54、57、58、61、62、63、64、71、72、77、78、79、80、81、82、83、85、86、87、88、93、97等も使用できる。
緑色染料としては、C.I.アシッド グリーン 2、3、5、6、7、8、9、10、11、13、14、15、16、17、18、19、20、22、25、25:1、27、34、36、37、38、40、41、42、44、54、55、59、66、69、70、71、81、84、94、95等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト グリーン11、13、14、24、30、34、38、42、49、55、56、57、60、78、79、80等も使用できる。
(塩形成)
本発明に用いる樹脂造塩化合物は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)と、アニオン性染料(a2)とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいは側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)の水溶液とアニオン性染料(a2)の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のカチオン性基と染料のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対アニオンと酸性染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)、およびアニオン性染料(a2)は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
塩形成時に使用する水溶液として、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)、およびアニオン性染料(a2)を溶解させるため、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量を基準(100重量%)として、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
本発明に用いる樹脂造塩化合物(A1)中のアニオン性染料(a2)に由来する色素成分の含有量は、樹脂造塩化合物(A1)100重量%中、10〜60重量%の範囲に調整でき、特に15〜55重量%の範囲とすることが好ましい。この範囲に制御することで、溶剤溶解性に優れる樹脂造塩化合物を得ることができる。
また樹脂造塩化合物(A1)に含まれるアニオン性染料(a2)中の有効色素成分(アルカリ金属イオンなどの対イオンを除いたもの)の重量%は、同濃度に調整した樹脂造塩化合物(A1)溶液とアニオン性染料(a2)溶液の分光スペクトルを測定し、極大吸収波長の分光強度比を求めることによって算出することができる。
例えば、樹脂造塩化合物(A1)とアニオン性染料(a2)の両方を良く溶解させることができる溶媒(N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて、樹脂造塩化合物(A1)溶液およびアニオン性染料(a2)溶液をある一定濃度で調製し、吸光度測定にて得られた樹脂造塩化合物(A1)溶液およびアニオン性染料(a2)溶液の極大吸収波長における吸光度をそれぞれXaおよびXbとする。アニオン性染料(a2)にはアルカリ金属イオンなどの対イオンを含むものが多く、その場合、1分子中に存在する対イオンの個数をNa個、その対イオンの原子量をMaとし、キサンテン系酸性染料の分子量をMbとすると、アニオン性染料(a2)中の有効色素成分の重量%は、下記式にて与えられる。
(1−Ma×Na/Mb)×100 [重量%]
そしてこの式を用いて、樹脂造塩化合物(A1)に含まれるアニオン性染料(a2)中の有効色素成分の重量%は、下記式より算出することができる。
(Xa/Xb)×(1−Ma×Na/Mb)×100 [重量%]
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)と、アニオン性染料(a2)との比率は、樹脂の全カチオンユニットとアニオン性染料(a2)の全アニオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の樹脂造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
<着色剤(A2)>
着色剤(A2)は、樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax2を有し、かつ下記一般式(2)で表わされる着色剤(A2−1)または下記一般式(3)で表わされる着色剤(A2−2)である。
着色剤(A2−2)のように、着色剤(A2)が可視部に2個の吸収を強く示す場合は、両方の波長がピーク波長λmax2に該当し、どちらかのピーク波長が樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にあるものである。
より好ましくは6〜60nm長波長側にある場合である。
着色剤のピーク波長λmax測定方法は、着色剤分散体、または着色剤溶液について、ガラス基板上にスピンコーティングで成膜し、これを分光機(日本分光製吸光光度測定機V−570)で測定されたAbsorbanceデータより可視光領域の最大値の波長位置として求めることができる。
また、ピーク波長λmaxとは、極大吸収波長のことであり、塗膜の吸光度(Absorbance)が最大となる波長のことである。ただし、最大強度の極大吸収ピークに対して70%以内の強度で別の吸収ピークを有する場合は、この吸収も蛍光発光に対して有効な消光効果を発揮するので、本発明ではピーク波長λmaxとした。
樹脂造塩化合物(A1)を着色剤として用いた場合、顔料のみを用いた場合に対し、染料の溶解性の高さに由来する透明性の高さから高明度なカラーフィルタが得られる半面、染料そのものから蛍光を発生し、コントラスト比が低下する問題を有している。この主因はコントラスト比測定時の漏れ光に蛍光が存在し、クロス側の輝度が高くなるためである。
本発明者等はこの蛍光発光によるコントラスト比低下の問題を解決するべく検討を行なった結果、樹脂造塩化合物(A1)と、該樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax2を有する着色剤であって、かつ一般式(2)で表わされる着色剤(A2−1)または下記一般式(3)で表わされる(A2−2)を用いることで、アニオン性染料からの蛍光の発生をなくし、クロス側の輝度を下げることにより、高コントラスト化の実現を可能とすることができた。
これは、着色剤(A2)が、樹脂造塩化合物(A1)の透過領域には吸収を持たず、樹脂造塩化合物(A1)の蛍光発光領域であるピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax2を有しているので、蛍光を吸収する形でその発生を抑えていると思われる。この高コントラスト化の効果は、アニオン性染料(a2)が側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)と造塩せずに単独で用いられた場合には低下する。アニオン性染料(a2)が側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)と造塩構造を有する事で、着色剤分散膜の樹脂マトリックス中で着色剤(A2)が樹脂造塩化合物(A1)と共に均質に分布できる事に起因すると思われる。
さらに着色剤(A2)は樹脂造塩化合物(A1)と同様、カラーフィルタ用着色組成物に用いられる有機溶剤(C)に容易に溶解するので、透明性の高さから高明度なカラーフィルタが得られる。
(着色剤(A2−1))
着色剤(A2−1)は、樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax2を有し、かつ下記一般式(2)で表わされる着色剤である。
一般式(2)

[一般式(2)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO29、−SONH、−SONHR30、又は−SONR3132を表す。但し、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO33、−SONH、−SONHR34、又は−SONR3536で置換されていてもよい。R29〜R36は、相互に独立に、置換基を有しても良いアルキル基を表す。Mは2〜4価の置換基を有して良い金属原子であり、M、Mは、分子の電価を中性にする金属原子である。R21とR22、R23とR24、R25とR26、R27とR28の各々の置換基は入れ替わっても良いし、各配置の違う異性体の混合物でも良い。]
21〜R28、R29〜R36がアルキル基を有する場合、それは飽和脂肪族炭化水素基及び飽和脂環式炭化水素基のいずれでもよい。また、飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。
中でも、R21、R22のいずれか、R23、R24のいずれか、R25、R26のいずれか、およびR27、R28のいずれか一方が炭素数3〜10の分岐状の飽和脂肪族炭化水素であり、もう一方が炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であることが好ましく、この芳香族炭化水素基の結合位置の隣の位置(オルト位)にハロゲン原子を有していることがさらに好ましい。Mとして具体的には、Cu、Zn、Si(OH)、Si(R29、Pd、Co、Ni、VOなどが好ましいが、Cuが特に好ましい(R29は置換基を有してよいアルコキシル基、アリールオキシ基、またはシロキシ基である)。
また、R29〜R36の置換基を有しても良いアルキル基中の水素原子は、下記置換基群Xから選択された置換基により置換されていても良い。
「置換基群X」
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。
(着色剤(A2−2))
着色剤(A2−1)は、樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax2を有し、かつ下記一般式(2)で表わされる着色剤である。
一般式(3)

[一般式(3)中、R41〜R43は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO44、−SONH、−SONHR45、又は−SONR4647を表す。但し、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO48、−SONH、−SONHR49、又は−SONR5051で置換されていてもよい。R44〜R51は、相互に独立に、置換基を有しても良いアルキル基を表す。M、Mは、分子の電価を中性にする金属原子である。n1は1〜8、m1は0〜7の整数であり、n1またはm1が複数の場合は各々のR41、R42、R43は別構造であって良い。]
41〜R43、R44〜R51がアルキル基を有する場合、それは飽和脂肪族炭化水素基及び飽和脂環式炭化水素基のいずれでもよい。また、飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。
また、R44〜R51の置換基を有しても良いアルキル基中の水素原子は、置換基群Xから選択された置換基により置換されていても良い。「置換基群X」とは、前記着色剤(A2−1)の項で挙げた「置換基X」と同義である。
中でも、R41が水素原子であり、R42が炭素数1〜10の飽和炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、nが2であり、一般式(3−b)のR52、R53の位置に結合していることが好ましい。また、R42が炭素数6〜10の芳香族炭化水素基である場合、R42のうちの少なくとも1つが−SONHR49、又は−SONR5051で置換されていることがさらに好ましい。
一般式(3−b)


R52、またはR53は、それぞれ独立に、−NR41R42、またはR43である。
<着色剤(A3)>
本発明者等は蛍光発光によるコントラスト低下の問題を解決するべく検討を行なった結果、樹脂造塩化合物(A1)および着色剤(A2)を含む着色剤に、さらに樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax3を有し、かつ一般式(4)で表わされる着色剤(A3)を含有することで、より高コントラスト化の実現を可能とすることができることを見出した。さらにはより高い耐熱性を得ることができる。
着色剤(A3)はフタロシアニン骨格に置換基を有した構造であり、有機溶剤(C)に対する溶解性は、青色顔料(A4)よりは高く着色剤(A2)より劣る。青色顔料(A4)に対して易溶性である樹脂造塩化合物(A1)、および着色剤(A2)との仲立ちとなる溶解性が高コントラスト化の効果に寄与していると思われる。
着色剤(A3)の含有量が、樹脂造塩化合物(A1)の有効色素成分1重量部に対し、0.2〜1.2重量部であることが望ましい。0.2重量部以上であることによりコントラスト比を高める効果が向上し、1.2重量部以下であると、明度や耐熱性がより良好である。より好ましくは0.3〜1.2重量部であり、さらに好ましくは0.5〜1.1重量部である。
さらに、着色剤(A2)と着色剤(A3)との重量配合比率が5:95〜90:10であることが望ましい。
より望ましくは、この重量配合比率は10:90〜80:20である。重量配合比率がこの範囲内であることによりコントラスト比を高める効果が向上する。
樹脂造塩化合物(A1)がキサンテン系アニオン性染料の造塩化合物であり、着色剤(A3)であるフタロシアニンのアミン化合物の中でも、銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物を用いた場合は上記作用に加え、キサンテン系染料と電荷移動錯体を形成し易いために蛍光発光そのものが著しく抑制され、蛍光が著しく消光されると考えられる。また、上記蛍光の消光効果に加え、銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物を用いた場合の染料と銅フタロシアニン青色顔料との相溶性の高さは、銅フタロシアニン粒子および染料のレジスト中での偏在による光散乱をより抑制し、その結果、クロス輝度が極めて低くなり、コントラスト比が特に優れるという効果をもたらすものであると考えられる。
一般式(4)
P−Lm
[一般式(4)中、Pは、m価のフタロシアニン顔料残基であり、mは、1〜4の整数であり、Lは、一般式(5)、(6)、及び(7)で示される群から選ばれる置換基のいずれかである。フタロシアニン顔料残基は中心金属として2〜4価の置換基を有して良い金属原子を有する。]
着色剤(A3)は、単独でも使用可能であるが、2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。
一般式(5):
一般式(6)
一般式(7)
[一般式(5)〜(7)中、Xは、−SO−、−CO−、−CH−、
−CHNHCOCH−、−CHNHSOCH−、又は直接結合であり、
は、−NH−、−O−、又は直接結合であり、
nは、1〜10の整数であり、
は、−NH−、−NR−Z−NR10−、又は直接結合であり、
、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36のアルキル基、炭素数2〜36のアルケニル基、又はフェニル基であり、
Zは、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20のアリーレン基を表す。
、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、又はRとRとが一体となってさらなる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む複素環であり、
、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリーレン基であり、
は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数2〜20のアルケニル基であり、
は、一般式(5)で示される置換基、又は一般式(6)で示される置換基であり、
Qは、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシル基、一般式(5)で示される置換基、又は一般式(6)で示される置換基を表す。]
一般式(5)〜(7)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジ ン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニペコチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、又は1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
本発明の塩基性置換基を有するフタロシアニンのアミン化合物は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、銅フタロシアニンやその他の金属のフタロシアニンに下記一般式(9)〜(12)で示される置換基を導入した後、上記置換基と反応して一般式(5)〜(7)で示される置換基を形成する上記アミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミン、又は4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
一般式(10): −SOCl
一般式(11): −COCl
一般式(12): −CHNHCOCH2Cl
一般式(13): −CHCl
一般式(10)〜(13)の置換基と上記アミン成分との反応時、一般式(10)〜(13)の置換基の一部が加水分解して、塩素が水酸基に置換したものが混在していてもよい。その場合、一般式(10)、及び一般式(13)は、それぞれ、スルホン酸基、及びカルボン酸基となるが、何れも遊離酸のままでもよく、又、1〜3価の金属又は上記のモノアミンとの塩であってもよい。
本発明の着色剤(A3)のうち、一般式(7)で示される置換基は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式(5)、(6)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン又はN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンもしくはアルコール等を反応させることによって得られる。
本発明で用いるフタロシアニンのアミン化合物の中で最も好ましい形態は、銅フタロシアニン塩基性化合物である銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物である。
銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物とは、上記の塩基性置換基を有する銅フタロシアニン化合物のうち一般式(5)〜(7)中、
一般式(5)〜(7)の
Xは−SO2−、−CH2NHSO2CH2−であり、
0は−NH−、又は直接結合であり、
nは1〜10の整数であり、
1は、−NH−、−NR9−Z−NR10−である化合物である。
[ここで、 R9、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36のアルキル基、炭素数2〜36のアルケニル基、又はフェニル基であり、Zは、炭素数1〜20のアルキレン基、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜20のアリーレン基、好ましくは炭素数1〜10のアリーレン基であり、例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、フェニレン基が挙げられる。]
着色剤(A3)としては、銅フタロシアニンのアミン化合物が好ましく、銅フタロシアニン顔料に塩基性置換基を有する塩基性化合物(銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物)や、酸性置換基と4級アンモニウム塩との樹脂造塩化合物(銅フタロシアニンスルホン酸アンモニウム塩)、又は置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物が挙げられる。以下に具体的に説明する。
フタロシアニンとしては、前記銅フタロシアニンの他に、無金属フタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン等を用いることもできる。
本発明に用いる着色剤(A3)としては、上記の中でも銅フタロシアニン顔料に塩基性置換基を有する塩基性化合物、特に、銅フタロシアニンスルホン酸アンモニウム塩、銅フタロシアニン3級アミン化合物、銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物が好ましい。また同様に亜鉛フタロシアニン顔料に塩基性置換基を有する塩基性化合物も好ましく用いることができる。
また、本発明において着色剤(A2)と着色剤(A3)はいずれも樹脂造塩化合物(A1)から発する蛍光に対して消光効果を有する。そして着色剤(A2)と着色剤(A3)各々の溶解度には差があり、着色剤(A2)は有機溶剤(C)に対して易溶性であり、有機溶剤(C)を含有する着色組成物中では樹脂造塩化合物(A1)では均一的に存在して消光効果を発揮し、着色剤(A3)は有機溶剤(C)に対して低い溶解性(一部溶解)であり、有機溶剤(C)を含有する着色組成物中において青色顔料(A4)に近接して分布し、蛍光の散乱に対して消光効果を発揮するという相乗効果が得られる。
ここで、着色剤(A3)の有機溶剤(C)に対する溶解度[A3]と、着色剤(A2)の有機溶剤(C)に対する溶解度[A2]の溶解度比([A3]/[A2])が、10%以下であることが、コントラスト比に優れたものとすることができるために好ましい。より好ましくは6%以上である。
着色剤の溶解度は、例えば下記のようにして算出することができる。
例えば、着色組成物中の有機溶剤(C)がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである場合には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部に対して最初は1部の比率で着色剤(A2)または着色剤(A3)を配合し超音波処理を行う。溶解しきった場合は着色剤の配合量を超音波処理後も析出が認められるまで増やしてゆき、超音波処理液を作製する。この処理液を0.2ミクロンのメンブランフィルター(PTFE)でろ過し、秤量したろ液を200℃30分の条件で蒸発乾固させて再度秤量する事によって、ろ液重量に対する着色剤の溶解重量として溶解度を算出することができる。
また、着色組成物中の有機溶剤(C)が、単一成分あるいは90重量%以上の含有比の有機溶剤成分(C‐1)から成る場合は、着色剤の有機溶剤(C)に対する溶解度は主溶剤(C‐1)に対する溶解度として算出する。着色組成物中の有機溶剤(C)が90重量%以上の含有比の有機溶剤成分を含まない場合は、実際に着色組成物に用いられている含有比率の溶剤に対する溶解度として算出する。
《バインダー樹脂(B)》
バインダー樹脂(B)は、着色剤を分散するもの、もしくは染色、浸透させる役割を担うものであり、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂が好ましい。たとえば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などがありこれらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。また、本発明の着色組成物をアルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する感光性樹脂を用いることもできる。
特に、バインダー樹脂(B)の中でアルカリ可溶性能と光硬化性能とを併せもつアルカリ可溶性感光性樹脂(B1)が、両方の性能を有するものとして好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、例えば、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。
酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
バインダー樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは5,000〜80,000の範囲であり、さらに好ましくは、5,000〜30,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)が100,000を越えると樹脂間の相互作用が強くなり、カラーフィルタ用着色組成物の粘度が高くなるため、取り扱いが困難となりやすい。また、重量平均分子量(Mw)が5,000未満だと現像性やガラス等の基板への密着性に問題のおこることがある。
バインダー樹脂(B)の酸価は、顔料の分散性、浸透性、現像性、及び耐性の観点から、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなることがある。
バインダー樹脂(B)は、着色組成物中の着色剤(A)100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。
(アルカリ可溶性感光性樹脂(B1))
本発明の着色組成物に使用されるバインダー樹脂(B)は、アルカリ可溶性感光性樹脂(B1)を含むことが好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性感光性樹脂(B1)としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合を導入し感光性樹脂の機能を持たせ、かつ、アルカリ可溶性機能を持つカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
アルカリ可溶性感光性樹脂(B1)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、若しくはα−クロルアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、又はマレイン酸、若しくはフマル酸等の不飽和ジカルボン酸等のカルボキシル基を含有し、かつエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性感光性樹脂(B1)の前駆体であるその他のエチレン性不飽和単量体としては、メチル(メタ)メタアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチルアクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、1−メチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプタ(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、又はオレイル(メタ)アクリレート等のアルキル又はアルケニル(メタ)アクリレートが挙げられるが、目的に応じて、これらに限定することなく他のエチレン性不飽和単量体を選ぶこともでき、2種類以上併用することも出来る。中でも顔料分散性の観点から、メチル(メタ)アクリルメタクリレート、又はエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
さらにバインダー樹脂(B)は、下記一般式(8)で表わされるジシクロ環構造単位を有することが好ましい。

[一般式(8)中、環Aは、水素もしくは置換基を有して良い炭素、水素もしくは置換基を有して良い窒素、酸素、または硫黄のいずれかの元素の結合で形成される4〜10員の環構造であり、Bは、水素または置換基を有して良い炭素、水素もしくは置換基を有して良い窒素、酸素、または硫黄のいずれかの元素の結合で形成される1〜6員の第二の環を形成する連結鎖である。一般式(8)はさらに環構造を形成する連結鎖を有しても良い。]
バインダー樹脂(B)が一般式(8)で表わされるジシクロ環構造単位を含める製造方法としては、1分子中に当該構造単位とともに不飽和結合を有する化合物を原料とし、他の不飽和結合を有する化合物と共に重合させる方法が一例として挙げられる。
1分子中に一般式(8)で表わされるジシクロ環構造単位を有する骨格としては、ノルボルナンやノルボルネン、アダマンタン骨格が挙げられる。
これらの骨格と共に不飽和結合を有し、一般式(8)で表されるジシクロ環構造単位を導入するための前駆体としては、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−プロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1,3−アダマンチルジオールジ(メタ)アクリレート、1,3,5−アダマンチルトリ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1,5−アダマンチルジ(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、特に好ましくは、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレ−ト、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2-エチル−2−アダマンチルアクリレートが好ましい。
《有機溶剤(C)》
本発明の着色組成物には、着色剤(A)を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤(C)を含有させることができる。
有機溶剤(C)としては、例えばベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル、乳酸ブチル等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。
中でも、本発明の着色剤(A)の分散性、溶解性、浸透性が良好なことから、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。中でもシクロヘキサノンを用いることが好ましい。
また有機溶剤(C)は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤(A)の全重量を基準(100重量%)にして、800〜4000重量%の量で用いることが好ましい。
本発明の青色着色組成物は、さらに光重合性単量体及び/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として使用することが出来る。
《光重合性単量体》
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の含有量は、着色剤100重量部に対し、5〜500重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜400重量部であることがより好ましい。
《光重合開始剤》
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤含有量は、着色剤100重量部に対し、1〜500重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から5〜400重量部であることがより好ましい。
《増感剤》
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ミヒラーケトン誘導体等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
上記増感剤の中で、特に好適な増感剤としては、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。さらに具体的には、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N−エチルカルバゾール、3−ベンゾイル−N−エチルカルバゾール、3,6−ジベンゾイル−N−エチルカルバゾール等が用いられる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
《酸素還元アミン系化合物》
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのある酸素還元アミン系化合物を含有させることができる。
このような酸素還元アミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
《レベリング剤》
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、青色着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
《硬化剤、硬化促進剤》
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系硬化剤、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂全量に対し、0.01〜15重量%が好ましい。
(その他の添加剤成分)
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の着色剤(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤の全量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
《カラーフィルタ用着色組成物の製造方法》
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤を、必要に応じて分散助剤を用いて、バインダー樹脂(B)などの着色剤担体および/または溶剤中に、必要に応じて分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(着色剤分散体)。このとき、着色剤は、樹脂造塩化合物(A1)、および着色剤(A2)、必要に応じて用いる青色顔料(A4)、着色剤(A3)について、2種以上の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。
染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合性単量体及び/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
<分散助剤>
着色剤(A)を着色剤担体中に分散する際には、適宜、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤(A)中の顔料成分の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤(A)を着色剤担体中に分散してなる青色着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
(樹脂型分散剤)
樹脂型分散剤は、着色剤、特に顔料に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤(A)の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.1〜45重量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量%より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
《粗大粒子の除去》
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行なうことが好ましい。このようにカラーフィルタ用着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくはすべての粒子が実質的に0.3μm以下であることが好ましい。またここでは、動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置「Nano−S(シスメックス株式会社)」を用いて確認することができる。
《カラーフィルタ》
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基材上に、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するものであることが好ましく、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、または黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよく、前記少なくとも1つのフィルタセグメントが、本発明の着色組成物から形成されてなるものである。
特に好ましくは、青色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなる場合である。
本発明の着色組成物から形成されてなるフィルタセグメント以外のフィルタセグメントは、従来公知の着色剤を用い、従来公知の方法で得られたものを使用することができる。
赤色フィルタセグメントは、赤色顔料と顔料担体を含む通常の赤色着色組成物を用いて形成することができる。赤色着色組成物には、例えばC.I.ピグメントレッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、177、178、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、又は287等の赤色顔料が用いられる。また赤色を呈する塩基性染料、酸性染料の樹脂造塩化合物を使用することもできる。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 43、71、又は73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を併用することができる。また橙色及び/または黄色を呈する塩基性染料、酸性染料の樹脂造塩化合物を使用することもできる。
緑色フィルタセグメントは、緑色顔料と顔料担体を含む通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58等が用いられる。
また緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を挙げることができる。また黄色を呈する塩基性染料、酸性染料の樹脂造塩化合物を併用することもできる。
青色フィルタセグメントは、青色顔料と着色剤担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、または64等が用いられる。
また、青色着色組成物には、C.I.ピグメントバイオレット23等の紫色顔料や、C.I.ピグメントレッド81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5などのローダミン系染料の金属レーキ顔料を併用できる。また青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料、酸性染料の造塩化合物等を使用することもできる。
《カラーフィルタの製造方法》
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した本発明の青色着色組成物を含む着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行なうことができる。印刷を行なうためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行なうこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した本発明の青色着色組成物を含む感光性着色組成物を、透明基板等の基材上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行なう。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行なうこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特にことわりがない限り、「部」とは「重量部」を意味する。
また、樹脂の重量平均分子量(Mw)、顔料の比表面積、顔料粒子の平均一次粒子径、側鎖にカチオン性基を有する樹脂のアンモニウム塩価、着色剤のピーク波長λmax、および塗膜のコントラスト比の測定方法と、着色剤(A2)および着色剤(A3)の同定方法とは以下の通りである。
(樹脂の重量分子量(Mw))
樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(顔料の比表面積)
顔料の比表面積の測定は、窒素吸着のBET法による自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)により行なった。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂のアンモニウム塩価)
鎖にカチオン性基を有する樹脂のアンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、固形分のアンモニウム塩価を示す。
(着色剤のピーク波長λmax(極大吸収波長))
各着色剤のピーク波長λmax測定方法は、着色剤分散溶液、または着色剤溶液について、ガラス基板上にスピンコーティングで成膜し、これを分光機(日本分光製吸光光度測定機V−570)で測定されたAbsorbanceデータより可視光領域の最大値の波長位置として求めた。また、着色剤(A2−2)のように、可視部に最大強度のAbsorbance値の極大吸収ピークに対して70%以内の強度で別の吸収ピークを有する場合は、この吸収も蛍光発光に対して有効な消光効果を発揮するので、ピーク波長λmaxとした。
(塗膜のコントラスト比)
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜を通過し、偏光板に到達する。偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板を透過する光量が減り、偏光板が直行のときは偏光板を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
従って、塗膜中の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てた。
(着色剤(A2)および着色剤(A3)の同定方法)
化合物の同定は、ブルカー・ダルトニクス社製飛行時間型質量分析装置autoflexIII(TOF−MS)を用いて得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致、さらに、パーキン・エルマー社製2400CHN元素分析装置を用いて得られる炭素、水素および窒素の比率と、理論値との一致をもって行った。
続いて、実施例および比較例に用いたバインダー樹脂溶液、微細化顔料、顔料分散体、側鎖にカチオン性基を有する樹脂、着色剤(A2)、および着色剤(A3)の製造方法と、着色剤(A2)、および着色剤(A3)の溶解度測定結果と、カラーフィルタ作製時に使用する赤色、緑色レジスト材の製造方法とから説明する。
<バインダー樹脂溶液の製造方法>
(アルカリ可溶性感光性樹脂(B1)の製造方法)
[バインダー樹脂溶液(B1−1)]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン5.2部、グリシジルメタクリレート35.5部、ジシクロペンタニルメタクリレート41.0部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸17.0部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、及びハイドロキノン0.3部を投入し、120℃で5時間反応を続け固形分酸価=0.8となったところで反応を終了し、重量平均分子量が約12000(GPCによる測定)の樹脂溶液を得た。
さらにテトラヒドロ無水フタル酸30.4部、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させ、不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液(B1−1)を得た。
[バインダー樹脂溶液(B1−2)]
バインダー樹脂溶液(B1−1)のジシクロペンタニルメタクリレートをジシクロペンテニルメタクリレートにした以外はバインダー樹脂溶液(B1−1)と同様の方法にて合成反応を行い、バインダー樹脂溶液(B1−2)を得た。重量平均分子量は12500であった。
[バインダー樹脂溶液(B1−3)]
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下
後、さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の当量)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。さらに、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の当量)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して、バインダー樹脂溶液(B1−3)を得た。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
[バインダー樹脂溶液(B1−4)]
バインダー樹脂溶液(B1−1)のジシクロペンタニルメタクリレートをn−デシルメタクリレートにした以外はバインダー樹脂溶液(B1−1)と同様の方法にて合成反応を行い、バインダー樹脂溶液(B1−3)を得た。重量平均分子量は12800であった。
(アルカリ可溶性非感光性樹脂溶液の製造方法)
[バインダー樹脂溶液(B2−1)]
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間反応を継続し、固形分30重量%、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液(B2−1)を得た。
<微細化顔料の製造方法>
(青色微細顔料(A4−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色微細顔料(A4−1)を得た。青色微細顔料(A4−1)の比表面積は80m/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は50nmであった。
(赤色微細顔料)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「IRGAZIN RED L 3660 HD」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料を得た。赤色微細顔料の比表面積は65m/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は54nmであった。
(緑色微細顔料)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 36(トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の緑色微細顔料を得た。緑色微細顔料の比表面積は75m/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は51nmであった。
(黄色微細顔料1)
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 139(BASF社製「パリオトールエローD1819」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の黄色微細顔料1を得た。黄色微細顔料1の比表面積は80m/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は49nmであった。
(黄色微細顔料2)
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌し
てスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の黄色微細顔料2を得た。黄色微細顔料2の比表面積は70m/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は53nmであった。
あった。
(紫色微細顔料)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の紫色微細顔料を得た。紫色微細顔料の比表面積は95m/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は45nmであった。
あった。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(DP−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(DP−1)を作製した。

青色微細顔料(A4−1) :11.0部
(C.I.ピグメント ブルー 15:6)
バインダー樹脂溶液(B2−1) :40.0部
樹脂型分散剤 : 1.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
溶剤 :48.0部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(顔料分散体(DP−2〜6))
以下、表1に示す顔料に変更した以外は、上記の顔料分散体(DP−1)と同様にして、顔料分散体(DP−2〜6)を作製した。
<側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)の製造方法>
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−1))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール75.1部を仕込み、窒素気流下で75℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート33.2部、n−ブチルメタクリレート27.3部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.3部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩12.2部、およびメチルエチルケトン15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7420である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、イソプロピルアルコールを72部加え、樹脂成分が40重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−1)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は33mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−2))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール75.1部を仕込み、窒素気流下で75℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート15.7部、n−ブチルメタクリレート27.3部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.3部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩12.2部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、メタクリル酸2.5部およびメチルエチルケトン15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7420である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、イソプロピルアルコールを72部加え、樹脂成分が40重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−2)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は33mgKOH/gであった。
<樹脂造塩化合物(A1)の製造方法>
なお、樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1(極大吸収波長)は、下記のようにして求めた。
[樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1(極大吸収波長)]
以下の配合で超音波溶解処理をして得られた着色剤処理液を用いてガラス基板上にスピンコーティングで成膜し、これを分光機(日本分光製吸光光度測定機V−570)で測定されたAbsorbanceデータより可視光領域の最大値の波長位置として求めた。

樹脂造塩化合物(A1) : 0.8部
バインダー樹脂溶液(B2−1) :50.0部
樹脂型分散剤 : 2.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
溶剤 :50.0部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(樹脂造塩化合物(A1−1))
下記の手順でC.I.アシッドレッド52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−1)とからなる樹脂造塩化合物(A1−1)を製造した。
水2000部に51部のカチオン性基を有する樹脂(a1−1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッドレッド52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、樹脂造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った樹脂造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッドレッド52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−1)との樹脂造塩化合物(A1−1)を得た。このとき樹脂造塩化合物(A1−1)中のC.I.アシッドレッド52に由来する有効色素成分の含有量は25重量%であった。
樹脂造塩化合物(A1−1)のピーク波長λmax1は、561nmであった。
(樹脂造塩化合物(A1−2))
下記の手順でC.I.アシッドレッド52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−2)とからなる樹脂造塩化合物(A1−2)を製造した。
水2000部に51部のカチオン性基を有する樹脂(a1−2)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッドレッド52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、樹脂造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った樹脂造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッドレッド52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−2)との樹脂造塩化合物(A1−2)を得た。このとき樹脂造塩化合物(A1−2)中のC.I.アシッドレッド52に由来する有効色素成分の含有量は25重量%であった。
樹脂造塩化合物(A1−2)のピーク波長λmax1は、562nmであった。
(樹脂造塩化合物(A1−3))
下記の手順でC.I.アシッドレッド289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−1)とからなる樹脂造塩化合物(A1−3)を製造した。
10%のメタノール水溶液2000部に88部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッドレッド289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、樹脂造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った樹脂造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、43部のC.I.アシッドレッド289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1−1)との樹脂造塩化合物(A1−3)を得た。このとき樹脂造塩化合物(A1−3)中のC.I.アシッドレッド289に由来する有効色素成分の含有量は25重量%であった。
樹脂造塩化合物(A1−3)のピーク波長λmax1は、538nmであった。
<着色剤(A2)の製造方法>
なお、着色剤(A2)のピーク波長λmax2(極大吸収波長)は、下記のようにして求めた。
[着色剤(A2)のピーク波長λmax2(極大吸収波長)]
以下の配合で超音波溶解処理をして得られた着色剤処理液を用いてガラス基板上にスピンコーティングで成膜し、これを分光機(日本分光製吸光光度測定機V−570)で測定されたAbsorbanceデータより可視光領域の最大値の波長位置として求めた。
なお、着色剤(A2−2)は、可視部に2個の吸収を強く示すので、両方の波長位置をピーク波長λmax2としてともに記載した。

着色剤(A2) : 0.2部
バインダー樹脂溶液(B2−1) :50.0部
樹脂型分散剤 : 2.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
溶剤 :50.0部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
《着色剤(A2−1)の製造方法》
着色剤(A2−1−1)〜(A2−1−7)の合成は以下の参考文献に基づいて行った。

(参考文献9) 特開2002−129052号公報
(参考文献10)特開2006−321925号公報
(参考文献11)特開2007−099744号公報
(参考文献12)特開2007−186708号公報
(参考文献13)特開2012−121821号公報
(着色剤(A2−1−1))
参考文献11、実施例4の合成方法で得られた原料に置き換えた、実施例8の合成方法で合成し、着色剤(A2−1−1)を得た。なお、着色剤(A2−1−1)の異性体構造の代表例を下記に示す。
着色剤(A2−1−1)
(着色剤(A2−1−2))
参考文献9、合成例1の合成方法で合成し、着色剤(A2−1−2)を得た。
(着色剤(A2−1−3))
参考文献10、実施例1および実施例3の合成方法で、塩化第二銅を塩化パラジウムに置き換えて合成し、着色剤(A2−1−3)を得た。
(着色剤(A2−1−4))
参考文献13、実施例4および実施例10の合成方法で塩化第一銅を塩化パラジウムに置き換えて合成し、着色剤(A2−1−4)を得た。
(着色剤(A2−1−5))
参考文献13、実施例4および実施例10の合成方法で合成し、着色剤(A2−1−5)を得た。
(着色剤(A2−1−6))
参考文献13、実施例6の合成方法で得られた原料に置き換えた、実施例10の合成方法で合成し、着色剤(A2−1−6)を得た。
(着色剤(A2−1−7))
参考文献13、実施例5の合成方法で得られた原料に置き換えた、実施例10の合成方法で合成し、着色剤(A2−1−7)を得た。
着色剤(A2−1−1)〜(A2−1−7)の一般式(2)に対応させた具体的な化学構造とピーク波長λmax2(極大吸収波長)について表2に示す。
21とR22の置換基は入れ替わっても良い。R23とR24、R25とR26、R27とR28の各々についても同様で、着色剤(A2−1)は各配置の違う異性体の混合物であっても良い。
《着色剤(A2−2)の製造方法》
着色剤(A2−2−1)〜(A2−2−7)の合成は以下の参考文献に基づいて行った。

(参考文献14)特開2012−093696号公報
(着色剤(A2−2−1))
参考文献14、化合物(13)の合成方法において、2−エチルヘキシルアミンをテトラヒドロフルフリルアミンに置き換えて合成し、着色剤(A2−2−1)を得た。
(着色剤(A2−2−2))
参考文献10、参考文献14、化合物(13)の合成方法で、化合物(13A)をC.I.ソルベントブルー104(PolysynthrenBlue RBL P;クラリアント社製)に変更し、2−エチルヘキシルアミンをn−デシルアミンに置き換えて合成し、下記化学式で表される着色剤(A2−1−2)を得た。
着色剤(A2−2−2)
(着色剤(A2−2−3))
参考文献14、化合物(13)の合成方法で、化合物(13A)をC.I.ソルベントブルー104(PolysynthrenBlue RBL P;クラリアント社製)に変更し、2−エチルヘキシルアミンを3−メトキシプロピルアミンに置き換えて合成し、着色剤(A2−1−3)を得た。
(着色剤(A2−2−4))
C.I.ソルベントブルー104(Polysynthren Blue RBL P;クラリアント社製)を、着色剤(A2−2−4)として用いた。
(着色剤(A2−2−5))
C.I.ソルベントブルー45(Savinyl Blue RS;クラリアント社製)を、着色剤(A2−2−5)として用いた。
(着色剤(A2−2−6))
C.I.ソルベントブルー35(スダンブルーII;アルドリッチ社製)を、着色剤(A2−2−6)として用いた。
(着色剤(A2−2−7))
参考文献14、化合物(13)の合成方法で、化合物(13A)をC.I.ソルベントブルー104(PolysynthrenBlue RBL P;クラリアント社製)に変更し、2−エチルヘキシルアミンを2−(2−メトキシフェノキシ)エチルアミンに置き換えて合成し、着色剤(A2−1−7)を得た。
<着色剤(A3)の製造方法>
着色剤(A3−1−1)〜(A3−1−5)の製造方法を以下に示す。これらの具体的な物質名や化学構造については表4に示す。
なお、着色剤(A3)のピーク波長λmax(極大吸収波長)は、下記のようにして求めた。
[着色剤(A3)のピーク波長λmax(極大吸収波長)]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250MKII」)で25℃の温度条件で1時間分散して得られた着色剤処理液を用いてガラス基板上にスピンコーティングで成膜し、これを分光機(日本分光製吸光光度測定機V−570)で測定されたAbsorbanceデータより可視光領域の最大値の波長位置として求めた。
着色剤(A3)は可視部に2個の吸収を強く示すので、両方の吸収波長位置をピーク波長λmax3として示した。

着色剤(A3) : 0.2部
バインダー樹脂溶液(B2−1) :50.0部
樹脂型分散剤 : 2.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
溶剤 :50.0部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(着色剤(A3−1−1))
銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物;クロルスルホン酸300部中に銅フタロシアニン30部を仕込み、完全に溶解した後、塩化チオニル24部を加え、徐々に昇温して101℃で3時間反応させた。その反応液を氷水9000部中に注入し、撹拌後、濾過、水洗した。得られたプレスケーキを水300部でスラリーとした後、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン15部を加え、室温で3時間、次いで、60℃で2時間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥し、銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物(A3−1−1)36部を得た。得られた銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物(A3−1−1)について、Waters社製液体クロマトグラフ質量分析計プラットフォームLCZで組成分析したところ、3個以上置換基を有するものは含まれておらず、下記一般式(14)の置換基を1個有する銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物(A3−1−1−D1)と、下記一般式(14)の置換基を2個有する銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物(A3−1−1−D2)の混合物であり、各々の重量比は85:15であった。
一般式(14)
(着色剤(A3−1−2)〜(A3−1−4))
銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物;着色剤(A3−1−1)の製造方法で用いた原料であるN,N−ジメチルアミノプロピルアミンを表4に示す原料に変更した以外は、上記の着色剤(A3−1−1)と同様にして、銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物である着色剤(A3−1−2)〜(A3−1−4)を得た。
(着色剤(A3−1−5))
亜鉛フタロシアニンスルホン酸アミド化合物;クロルスルホン酸300部中に亜鉛フタロシアニン30部を仕込み、完全に溶解した後、塩化チオニル24部を加え、徐々に昇温して101℃で3時間反応させた。その反応液を氷水9000部中に注入し、撹拌後、濾過、水洗した。得られたプレスケーキを水300部でスラリーとした後、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン15部を加え、室温で3時間、次いで、60℃で2時間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥し、亜鉛フタロシアニンスルホン酸アミド化合物;着色剤(A3−1−5)36部を得た。得られた亜鉛フタロシアニンスルホン酸アミド化合物について、Waters社製液体クロマトグラフ質量分析計プラットフォームLCZで組成分析したところ、3個以上置換基を有するものは含まれておらず、下記一般式(15)の置換基を1個有する着色剤(A3−1−5−D1)と下記一般式(15)の置換基を2個有する着色剤(A3−1−5−D2)の混合物であり、各々の重量比は80:20であった。
一般式(15)
ZnPc−(−SONH−(−CH−N(CH)m
m=1,2
一般式(15)中の略語の意味
ZnPc:亜鉛フタロシアニン残基
表4中の略語の意味
CuPc:銅フタロシアニン残基
ZnPc:亜鉛フタロシアニン残基
<着色剤(A2)および着色剤(A3)の溶解度>
着色剤(A2)および着色剤(A3)の溶解度は、有機溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)100部に対して最初は1部の比率で着色剤(A2)または着色剤(A3)を配合し超音波処理を行った。溶解しきった場合は着色剤の配合量を超音波処理後も析出が認められるまで増やしてゆき、超音波処理液を作製した。この処理液を0.2ミクロンのメンブランフィルター(PTFE)でろ過し、秤量したろ液を200℃30分の条件で蒸発乾固させて再度秤量する事によって、ろ液重量に対する着色剤の溶解重量として溶解度を算出した。
得られた結果を下記表5に示す。
<赤色、緑色レジスト材の製造方法>
(赤色レジスト材)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色レジスト材を得た。

顔料分散体(DP−2) :50.0部
顔料分散体(DP−4) :10.0部
バインダー樹脂溶液(B2−1) :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(緑色レジスト材)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、緑色レジスト材を得た。

顔料分散体(DP−3) :45.0部
顔料分散体(DP−5) :15.0部
バインダー樹脂溶液(B2−1) :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
<青色着色組成物の作製>
[実施例1]
(青色着色組成物(DB−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散し、さらに、5.0μmのフィルタで濾過し青色着色組成物(DB−1)を作製した。

顔料分散体(DP−1) : 100.0部
樹脂造塩化合物(A1−1) : 8.0部
着色剤(A2−1−1) : 0.5部
バインダー樹脂溶液(B2−1) : 22.0部
樹脂型分散剤 : 2.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
溶剤 : 54.8部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例2〜38]
(青色着色組成物(DB−2〜38))
以下、青色着色組成物(DB−1)中の着色剤組成を表6に示す顔料分散体、樹脂造塩化合物、および着色剤(A2)、着色剤(A3)の種類、および配合量(重量部)に変更した以外は、上記の実施例1の青色着色組成物(DB−1)と同様にして、青色着色組成物(DB−2〜38)を得た。
[比較例1]
(青色着色組成物(DB−51))
下記の混合物を(DB−1)と同様に処理し、カラーフィルタ用着色組成物(DB−51)を作製した。この配合比は(DB−1)中の樹脂造塩化合物(A1−1)中の有効色素成分比と(DB−51)中の染料単体比とを一致させ、(A1−1)中の側鎖にカチオン性基を有する樹脂比に相当するバインダー樹脂溶液(B2−1)の固形分を増やしたものである。

顔料分散体(DP−1) : 100.0部
C.I.アシッドレッド52(染料単体1) : 2.0部
着色剤(A2−1−1) : 0.6部
バインダー樹脂溶液(B2−1) : 52.0部
樹脂型分散剤 : 2.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
溶剤 : 54.8部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[比較例2〜6]
(青色着色組成物(DB−52〜55))
以下、青色着色組成物(DB−51)中の着色剤組成を表6に示す顔料分散体や染料単体または樹脂造塩化合物および着色剤(A2)、着色剤(A3)の種類、および配合量(重量部)に変更した以外は、上記の比較例1の青色着色組成物(DB−51)と同様にして、青色着色組成物(DB−52〜55)を作製した。青色着色組成物(DB-56)の表6に記載外の配合組成は青色着色組成物(DB−51)と同様である。
また、表6に記載する樹脂造塩化合物(A1)、または染料単体の配合量は、有効色素成分についてであり、樹脂造塩化合物(A1)中の色素有効成分は、いずれも25重量%、染料単体の有効色素成分は、いずれも100重量%である。
表6中の略語を下記に示す。
(A2)/(A1)有効色素分(重量部)
=着色剤(A2)の含有量/樹脂造塩化合物(A1)の有効色素成分量
(A3)/(A1)有効色素分(重量部)
=着色剤(A3)の含有量/樹脂造塩化合物(A1)の有効色素成分量
溶解度比;着色剤(A2)/着色剤(A3)
着色剤(A3)の有機溶剤(C)に対する溶解度[A3]と、着色剤(A2)の有機溶剤(C)に対する溶解度[A2]の溶解度比([A3]/[A2])は下記の(式1)で求めた。

[溶解度比([A3]/[A2])]
=[着色剤(A3)の溶解度]/[着色剤(A2)の溶解度] (式1)
<染料単体>
染料単体1;C.I.アシッドレッド52
染料単体2;C.I.アシッドレッド289
[カラーフィルタ用着色組成物の評価]
得られた青色着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いてC光源においてy=0.06になるような膜厚にそれぞれの青色着色組成物を塗布し、この基板を230℃で20分加熱した。その後、得られた基板のコントラスト比を表6に示す。
着色剤(A)として、樹脂造塩化合物(A1)と着色剤(A2)とを含んでいる本願発明のカラーフィルタ用着色組成物は、樹脂造塩化合物(A1)が染料単体に置き換わっている比較例1〜5、および着色剤(A2)を含んでいない比較例5、6に対し高いコントラスト比を示した。なかでも、さらに着色剤(A3)が組み合わされたカラーフィルタ用着色組成物は特に高いコントラスト比を示した。
また、着色剤(A2)として、着色剤(A2−1−6、7)、または着色剤(着色剤(A2−2−6、7)、を用いた場合にも、実施例の結果と同様に、コントラスト比が高い結果であった。
<レジスト材の作製>
[実施例101〜142、比較例101〜106]
(レジスト材(R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、レジスト材(R−1)を得た。

青色着色組成物(DB−1) :60.0部
バインダー樹脂溶液(B1−1) :11.6部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 3.6部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例102〜142、比較例101〜106]
(レジスト材(R−2〜42、51〜56))
以下、レジスト材(R−1)中の青色着色組成物(DB−1)とバインダー樹脂溶液(B1−1)を表6に示す青色着色組成物とバインダー樹脂溶液に変更した以外は、レジスト材(R−1)と同様にしてアルカリ現像型レジスト材(R−2〜42、51〜56)を得た。実施例101〜142、比較例101〜106で作製したレジスト材の組成を表7に示す。
[レジスト材の評価]
実施例および比較例で得られたレジスト材の色特性(明度)、コントラスト比、および耐熱性評価を下記の方法で行った。結果を表7に示す。
(色特性の評価)
ガラス基板上にC光源において青色レジスト材はy=0.06になるような膜厚にそれぞれのレジスト材を塗布し、この基板を230℃で20分加熱した。その後、得られた基板の明度を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
(コントラスト比評価)
色特性を測定したものと同じ基板を用いてコントラスト比を測定した。
(塗膜耐熱性試験の方法)
透明基板上に乾燥塗膜が約2.5μmとなるようにレジスト材を塗布し、所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行った後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成した。その後、オーブンで230℃1時間加熱、放冷後、得られた塗膜のC光源での色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱試験としてオーブンで250℃1時間加熱し、C光源での色度2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。
測定した色差値を用いて、下記計算式により、色度変化ΔEab*を算出し、塗膜の耐熱性を下記の4段階で評価した。

ΔE*ab=[[L*(2)−L*(1)]2+[a*(2)−a*(1)]2+[b*(2)−b*(1)]2]1/2
◎:ΔE*abが1.5未満
○:ΔE*abが1.5以上、3.0未満
△:ΔE*abが3.0以上、5.0未満
×:ΔE*abが5.0以上
着色組成物の評価結果と同じく、着色剤(A)として樹脂造塩化合物(A1)と着色剤(A2)を含んでいる実施例101〜113、133、134は樹脂造塩化合物(A1)が染料単体に置き換わっている比較例101〜105、および着色剤(A2)を含んでいない比較例105、106に対し高いコントラスト比を示した。さらに着色剤(A2)に着色剤(A3)が組み合わされた実施例114〜132、135〜142はさらに高いコントラスト比と、良好な耐熱性を示した。
これは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)のカチオン性基ごとにアニオン性染料(a2)が一分子ずつ一対にイオン結合することで、各アニオン性染料が会合することなく顔料分散膜中では樹脂マトリックス中に均質に分布することができ、着色剤(A2)がアニオン性染料から樹脂マトリックス中に発光する蛍光を直接的に消光できると考えられる。着色剤(A2)は易溶性であるため樹脂マトリックス中に均質に分布しやすく、この消光効果を効率良く得ることに適している。
一方、着色剤(A3)は着色剤(A2)に比べて溶解性が低いので、顔料分散膜中では顔料近傍に存在しやすいという特徴を持っていると思われる。そのため、顔料分散膜中の顔料表面で蛍光発光が散乱する際にこれを消光する事に適していると思われる。顔料分散膜中での分布を異にする着色剤(A2)と着色剤(A3)はお互いの相乗効果でキサンテン系染料からの蛍光発光を高効率で消光できるため、クロス輝度が極めて低くなり、その結果、コントラスト比が向上したためであると考察される。
さらに着色剤(A3)の有機溶剤(C)に対する溶解度[A3]と、着色剤(A2)の有機溶剤(C)に対する溶解度[A2]の溶解度比([A3]/[A2])が、10%以下である実施例114〜121、123〜132のカラーフィルタ用着色組成物は、この着色剤(A2)と着色剤(A3)の相互作用により、溶解性比が10%以上の実施例122よりコントラスト比が高い結果であった。
着色剤(A2)の含有量が、樹脂造塩化合物(A1)の有効色素成分1重量部に対し、0.03〜0.5重量部である実施例101〜105、108〜113のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤(A3)の青色塗膜の色特性への影響が少なく、この範囲より大きい実施例107より明度、および耐熱性に優れており、この範囲よりより小さい実施例106よりも蛍光を抑制する能力が優れているためにコントラスト比が高い結果であった。
さらに着色剤(A3)の含有量が、樹脂造塩化合物(A1)の有効色素成分1重量部に対し、0.2〜1.2重量部である実施例114〜121、123、125、126、129〜132のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤(A3)の青色塗膜の色特性への影響が小さく、この範囲より大きい実施例128より明度、および耐熱性に優れており、この範囲よりより小さい実施例124よりも蛍光を抑制する能力が優れているためにコントラスト比が高い結果であった。
また、着色剤(A2)と着色剤(A3)との重量配合比率が5:95〜90:10である実施例114〜121、123、125、126、129〜132のカラーフィルタ用着色組成物は、この範囲外である実施例127よりも蛍光を抑制する能力優れ、よりコントラスト比が高い結果であった。
また、バインダー樹脂成(B)がジシクロ環構造を含むバインダー樹脂溶液(B1−1)、(B1−2)を用いた実施例114〜121、123、125、126、129〜132のカラーフィルタ用着色組成物は、これを含まないバインダー樹脂溶液(B1−3)、(B1−4)、(B2−1)を用いた実施例140〜142より耐熱性と明度の点で優れていた。これはバインダー樹脂中のジシクロ環構造が樹脂造塩化合物(A1)と親和性を有し、顔料分散膜を均質および緊密にする効果によると考えられる。
また、着色剤(A2)として、着色剤(A2−1−6、7)、または着色剤(着色剤(A2−2−6、7)、を用いた場合にも、実施例の結果と同様に、色特性(明度)、コントラスト比、耐熱性に優れた結果であった。
これらの結果より、本発明の着色組成物を用いたレジスト材は色特性(明度)、コントラスト比、耐熱性の全てを兼ね備えた優れた品位が得られることが明らかになった。
<カラーフィルタの作製>
[実施例201]
(カラーフィルタ(CF−1))
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色レジスト材をC光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.640になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、緑色レジスト材をy=0.600になるような膜厚に、青色レジスト材(R−1)をy=0.06になるような膜厚にそれぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタ(CF−1)を得た。
(液晶表示装置の作製)
得られたカラーフィルタ上に、透明ITO電極層を形成し、その上にポリイミド配向層を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。他方、別の(第2の)ガラス基板の一方の表面にTFTアレイ及び画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。このようにして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させて配置し、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。開口部から液晶組成物を注入した後、開口部を封止した。このようにして作製した液晶表示装置をバックライトユニットと組み合わせて液晶パネルを得た。
<カラーフィルタの作製>
[実施例202〜242、比較例201〜206]
(カラーフィルタ(CF−2〜42、51〜56))
以下、レジスト材を表8に示すレジスト材に変更した以外は、カラーフィルタ(CF−1)と同様にして原色系カラーフィルタ(CF−2〜42、51〜56)と液晶表示装置を作製した。赤色レジスト材、緑色レジスト材については固定条件とした。
[カラーフィルタの評価]
その後、得られた液晶表示装置において、光源を発光させカラー画像を表示し、原色系カラーフィルタにおいては赤色、緑色、青色フィルタセグメント部分の明度を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定し、得られた明度からカラーフィルタにおける白色表示の明度を求めた。また、コントラスト比についても赤色、緑色、青色フィルタセグメント部分のコントラスト比を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定し、得られたコントラスト比からカラーフィルタにおける白色表示のコントラスト比を求めた。カラーフィルタの評価結果を表8に示す。実施例の白色表示のコントラスト比は比較例に比べて優位な性能を示す。
実施例201〜242のカラーフィルタは、樹脂造塩化合物(A1)と着色剤(A2)を含み、必要に応じてさらに着色剤(A3)を含み、樹脂造塩化合物(A1)もしくは着色剤(A2)を含まない比較例201〜206に対し、白色表示のコントラスト比は高く、実用性能を満たすものであった。これは比較例が着色剤(A2)を含有しないため、又は着色剤が樹脂造塩化合物ではないため、染料による蛍光成分が漏れ光として存在し、その結果コントラスト比測定時のクロス輝度が高くなり、算出されたコントラスト比が低くなったためである。
以上のことから樹脂造塩化合物(A1)、および着色剤(A2)、必要に応じて着色剤(A3)とを併せて用いることにより、色特性(明度)及び耐熱性、コントラスト比の優れたカラーフィルタ用青色着色組成物とカラーフィルタを得ることが可能になった。

Claims (8)

  1. 着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、および有機溶剤(C)を含むカラーフィルタ用着色組成物であって、
    着色剤(A)が、側鎖にカチオン性基を有する下記一般式(1)で表わされる構造単位を有するビニル系樹脂(a1)とアニオン性染料(a2)とを反応させて得られた樹脂造塩化合物(A1)と、該樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax2を有し、かつ下記一般式(2)で表わされる着色剤(A2−1)または下記一般式(3)で表わされる着色剤(A2−2)である着色剤(A2)とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。

    一般式(1)

    [一般式(1)中、R11は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R12〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R12〜R14のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R15−、−COO−R15−を表し、R15はアルキレン基を表す。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
    一般式(2)

    [一般式(2)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO29、−SONH、−SONHR30、又は−SONR3132を表す。但し、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO33、−SONH、−SONHR34、又は−SONR3536で置換されていてもよい。R29〜R36は、相互に独立に、置換基を有しても良いアルキル基を表す。Mは2〜4価の置換基を有して良い金属原子であり、M、Mは、分子の電価を中性にする金属原子である。R21とR22、R23とR24、R25とR26、R27とR28の各々の置換基は入れ替わっても良いし、各配置の違う異性体の混合物でも良い。]
    一般式(3)

    [一般式(3)中、R41〜R43は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO44、−SONH、−SONHR45、又は−SONR4647を表す。但し、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、−SO、−SO48、−SONH、−SONHR49、又は−SONR5051で置換されていてもよい。R44〜R51は、相互に独立に、置換基を有しても良いアルキル基を表す。M、Mは、分子の電価を中性にする金属原子である。n1は1〜8、m1は0〜7の整数であり、n1またはm1が複数の場合は各々のR41、R42、R43は別構造であって良い。]
  2. 着色剤(A2)の含有量が、樹脂造塩化合物(A1)の有効色素成分1重量部に対し、0.03〜0.5重量部であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 着色剤(A)が、樹脂造塩化合物(A1)のピーク波長λmax1より5〜100nm長波長側にピーク波長λmax3を有し、かつ下記一般式(4)で表わされる着色剤(A3)を含有することを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。

    一般式(4)
    P−Lm
    [一般式(4)中、Pは、m価のフタロシアニン顔料残基であり、mは、1〜4の整数であり、Lは、一般式(5)、(6)、及び(7)で示される群から選ばれる置換基のいずれかである。フタロシアニン顔料残基は中心金属として2〜4価の置換基を有して良い金属原子を有する。]
    一般式(5)

    一般式(6):

    一般式(7)

    [一般式(5)〜(7)中、Xは、−SO−、−CO−、−CH−、
    −CHNHCOCH−、−CHNHSOCH−、又は直接結合であり、
    は、−NH−、−O−、又は直接結合であり、
    nは、1〜10の整数であり、
    は、−NH−、−NR−Z−NR10−、又は直接結合であり、
    、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36のアルキル基、炭素数2〜36のアルケニル基、又はフェニル基であり、
    Zは、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20のアリーレン基を表す。
    、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、又はRとRとが一体となってさらなる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む複素環であり、
    、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリーレン基であり、
    は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数2〜20のアルケニル基であり、
    は、一般式(5)で示される置換基、又は一般式(6)で示される置換基であり、
    Qは、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシル基、一般式(5)で示される置換基、又は一般式(6)で示される置換基を表す。]
  4. 着色剤(A3)の有機溶剤(C)に対する溶解度[A3]と、着色剤(A2)の有機溶剤(C)に対する溶解度[A2]の溶解度比([A3]/[A2])が、10%以下であることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 着色剤(A3)の含有量が、樹脂造塩化合物(A1)の有効色素成分1重量部に対し、0.2〜1.2重量部であり、かつ
    着色剤(A2)と着色剤(A3)との重量配合比率が5:95〜90:10であることを特徴とする請求項3または4記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. さらに光重合開始剤(H)を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. バインダー樹脂(B)が、下記一般式(8)で表わされるジシクロ環構造単位を有することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(8)

    [一般式(8)中、環Aは、水素もしくは置換基を有して良い炭素、水素もしくは置換基を有して良い窒素、酸素、または硫黄のいずれかの元素の結合で形成される4〜10員の環構造であり、Bは、水素または置換基を有して良い炭素、水素もしくは置換基を有して良い窒素、酸素、または硫黄のいずれかの元素の結合で形成される1〜6員の第二の環を形成する連結鎖である。一般式(8)はさらに環構造を形成する連結鎖を有しても良い。]
  8. 基材上に、請求項1〜7いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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