JP2015018208A - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、明度、コントラスト比(CR)に優れたカラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタを提供する。【解決手段】蛍光を有する色素(A)、金属錯塩染料の造塩化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)を含むカラーフィルタ用着色組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、及びこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行なっているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
カラーフィルタに要求される品質項目としては、明度とコントラスト比が挙げられる。コントラスト比が低いカラーフィルタを用いると、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまい、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ぼやけた画面となってしまう。そのため高品質な液晶表示装置を実現するためには、高コントラスト化が不可欠である。
また、明度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高明度化がトレンドとなっている。さらに、前述のようにカラー液晶装置がテレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高明度化、高コントラスト化とともに、高い信頼性の要求も高くなっている。
近年顔料で達成し得ない高コントラスト比・高明度化を実現するため、染料系の色材に注目が集まっている。中でもローダミン色素、エオシン色素等のキサンテン系色素、ジフェニルメタン等のジアリールメタン系色素、トリフェニルメタン等のトリアリールメタンメタン系色素等は色特性に優位性があることから、高明度化を達成する材料として期待されている。また染料は、溶剤下において、顔料のような粒子状態ではなく溶解状態で存在するため、光散乱等が生じず、結果的に、従来の顔料同士の組み合わせた着色組成物より、コントラスト比の高いカラーフィルタが得られることが期待されている。
しかし、染料種によっては、蛍光発光特性を示す(例えば特許文献1参照)ため、コントラスト比が低くなるという問題があった。また、染料一般の特性として、顔料に比較して耐熱性・耐光性など堅牢性に劣る傾向にあり、またカラーフィルタ用着色物として好適な有機溶剤への溶解性が劣る傾向にある。そのため、染料を使用するに当たって、有機溶剤溶解性を付与すること、堅牢性を付与すること、蛍光を有する染料においては蛍光発光を抑制する技術が求められている。
染料の発する蛍光を消光する材料として、様々な文献が提案されているが(例えば特許文献2参照)、これらの消光材は、カラーフィルタの基板作製時の加熱工程で昇華・分解等することにより蛍光消光効果を発揮できず、充分なコントラスト比を得ることが出来ていなかった。
特開2010−32999号公報 特開2013−101166号公報
本発明の目的は、耐熱性、明度、コントラスト比(CR)に優れたカラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタを提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、蛍光を有する色素(A)、金属錯塩染料の造塩化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)を含むカラーフィルタ用着色組成物が高い耐熱性、明度、コントラスト比を持つことを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、蛍光を有する色素(A)、金属錯塩染料の造塩化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、金属錯塩染料の造塩化合物(B)が、金属錯塩染料(BX)と、カチオン性基を有する化合物(BY)とを反応させて得られた造塩化合物、あるいは金属錯塩染料(BX)と脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)とを反応させて得られた造塩化合物、であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、カチオン性基を有する化合物(BY)が、下記一般式(1)で表わされる化合物、または下記一般式(2)で表される構造単位を含む樹脂であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(1)
Figure 2015018208
[一般式(1)中、R1〜R4 は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R1〜R3のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
一般式(2)
Figure 2015018208
[一般式(2)中、R5は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R6〜R8 は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、―CONH−R9−、―COO−R9−を表し、R9はアルキレン基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
また、本発明は、金属錯塩染料の造塩化合物(B)中の金属錯塩染料(BX)の中心金属が、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、および銅(Cu)からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、金属錯塩染料の造塩化合物(B)中の金属錯塩染料(BX)が、アゾ染料もしくはメチン染料を配位子とし、クロム、コバルトもしくはニッケルを中心金属とする金属錯塩染料であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、金属錯塩染料の造塩化合物(B)中の金属錯塩染料(BX)が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(3)
Figure 2015018208

[式(3)中、R10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、ニトロ基、ハロゲン原子、−SO2NHR30、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
28及びR29は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、−SO2NHR30、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
30は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
1〜A4は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はMとの結合手を表す。
Mは、Cr又はCoを表す。
nは、1〜5の整数を表す。
+は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。]
また、本発明は、蛍光を有する色素(A)が、キサンテン系染料、キサンテン系レーキ顔料、シアニン系染料、アントラキノン系染料、ジケトピロロピロール系顔料、キノフタロン系染料、キノフタロン系顔料、アゾ系顔料、およびアゾ系染料からなる群から選ばれる少なくとも1種の染料または顔料であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)を構成する脂肪酸アマイドが、不飽和脂肪酸アマイドであることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、基板上に、前記カラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明においては、蛍光を有する色素(A)、金属錯塩染料の造塩化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)を含むカラーフィルタ用着色組成物を用いることで、高い耐熱性、明度、コントラスト比(CR)を有したカラーフィルタを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、少なくとも蛍光を有する色素(A)、金属錯塩染料の造塩化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)を含むカラーフィルタ用着色組成物である。
<蛍光を有する色素(A)>
蛍光を有する色素(A)としては、蛍光発光する色素であれば制限されない。すなわち蛍光を有する染料、蛍光を有する顔料であれば用いることができるが、中でも、トリフェニルメタン系色素(トリフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系レーキ顔料)、ジフェニルメタン系色素(ジフェニルメタン系染料、ジフェニルメタン系レーキ顔料)、チアジン系染料、チアゾール系染料、キサンテン系色素(キサンテン系染料、キサンテン系レーキ顔料)、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系色素(アゾ系染料、アゾ系顔料)、シアニン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系色素(キノフタロン系染料、キノフタロン系顔料)等を用いることができる。
これらの中でも、キサンテン系染料、キサンテン系レーキ顔料であるキサンテン系色素、キノフタロン系染料、キノフタロン系顔料であるキノフタロン系色素、ジケトピロロピロール系顔料、シアニン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系顔料、アゾ系染料を用いることが最も好ましい。
特に可視光領域において蛍光発光する色素を用いた場合、高コントラスト比のカラーフィルタとする効果に優れている。
本発明において好ましく用いることのできる蛍光を有する色素(A)は、染料の形態である場合は、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料等の各種染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。また顔料の形態であるものとしては、蛍光を有する顔料や、前記染料をレーキ化したレーキ顔料が挙げられる。色素(A)が染料の場合は油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料を用いることが色相に優れるために好ましい。
油溶性染料としては、カラーインデックスに分類される、C.I.ソルベントに分類されるもの、塩基性染料としては、同C.I.ベーシックに分類されるもの、酸性染料としては、同C.I.アシッドに分類されるもの、直接染料としては、同C.I.ダイレクトに分類されるものである。ここで直接染料は、構造中にスルホン酸基(−SO3H、−SO3Na)を有しており、本発明においては、直接染料は酸性染料として見なすものである。
以下具体的に好ましい蛍光を有する色素(A)について説明する。
(キサンテン系色素:キサンテン系染料、キサンテン系レーキ顔料)
キサンテン系色素の場合は、透過スペクトルにおいて650nmの領域で透過率が90%以上であり、600nmの領域で透過率が75%以上、500〜550nmの領域で透過率が5%以下、400nmの領域で透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、650nmの領域で透過率が95%以上であり、600nmの領域で透過率が80%以上、500〜550nmの領域で透過率が10%以下、400nmの領域で透過率が75%以上である。中でも、キサンテン系塩基性染料、およびキサンテン系酸性染料は、400〜450nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している
また、キサンテン系色素の中でも、ローダミン系色素は発色性、耐性に優れているために好ましい。
[キサンテン系染料の油溶性染料としての形態]
具体的には、キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
[キサンテン系染料の酸性染料としての形態]
キサンテン系染料の酸性染料(キサンテン系酸性染料)としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
[キサンテン系染料の塩基性染料としての形態]
キサンテン系塩基性染料としては、C.I. ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)、C.I. ベーシック バイオレット 11等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I. ベーシック レッド 1、C.I. ベーシック バイオレット 10、C.I. ベーシック バイオレット 11を用いることが好ましい。
[キサンテン系染料のキサンテン系レーキ顔料としての形態]
キサンテン系レーキ顔料としては、C.I.ピグメント レッド 81、C.I.ピグメント レッド 81:1、C.I.ピグメント レッド 81:2、C.I.ピグメント レッド 81:3、C.I.ピグメント レッド 81:4、C.I.ピグメント レッド 81:5、C.I.ピグメント レッド 169、C.I.ピグメント バイオレット 1、C.I.ピグメント バイオレット 1:1、C.I.ピグメント バイオレット 1:2、C.I.ピグメント バイオレット 2等が挙げられる。
(ジフェニル及びトリフェニルメタン系色素、:トリフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系レーキ顔料、ジフェニルメタン系染料、ジフェニルメタン系レーキ顔料)
ジフェニル及びトリフェニルメタン系色素の場合は、ブルー系(青色)のトリアリールメタン系塩基性染料は、400〜440nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している。
[ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の酸性染料としての形態]
ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の酸性染料としては、食用青色101号(C.I.アシッド ブルー 1)、アシッドピュアブルー(C.I.アシッド ブルー 3)、レーキブルーI(C.I.アシッド ブルー 5)、レーキブルーII(C.I.アシッド ブルー7)食用青色1号(C.I.アシッド ブルー 9)、C.I.アシッド ブルー 22、C.I.アシッド ブルー 83、C.I.アシッド ブルー 90、C.I.アシッド ブルー 93、C.I.アシッド ブルー 100、C.I.アシッド ブルー 103、C.I.アシッド ブルー 104、C.I.アシッド ブルー 109を用いることが好ましい。
[ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の塩基性染料としての形態]
トリフェニルメタン系塩基性染料、ジフェニルメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNH2あるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。
NH2、OH基の数によって以下3つの型に分けられるが、中でもトリアミノトリフェ
ニルメタン系の塩基性染料の形態であることが良好な青色、赤色、緑色を発色する点で好ましいものである。
a)ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
c)OH基を有するロゾール酸系塩基性染料
トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料、ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅ロウ性に優れ好ましいものである。またジフェニルナフチルメタン塩基性染料および/またはトリフェニルメタン塩基性染料が好ましい。
具体的には、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同25(ベーシック ブルーGO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)等があげられる。
[ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料のレーキ顔料としての形態]
ジフェニルメタン系レーキ顔料、トリフェニルメタン系レーキ顔料として、具体的に、C.I. ピグメント ブルー 1、C.I. ピグメント ブルー 2、C.I. ピグメント ブルー 9、C.I. ピグメント ブルー 10、C.I. ピグメント ブルー 14、C.I. ピグメント ブルー 62、C.I.ピグメント バイオレット 3、C.I.ピグメント バイオレット 27、C.I.ピグメント バイオレット 39等が挙げられる。
更に好ましいものを具体的に示すと、C.I. ピグメント ブルー 1、C.I.ベーシック ブルー 26、C.I.ベーシック ブルー 7 をリンタングステン・モリブデン酸でレーキ化、C.I. ピグメント バイオレット 3、C.I.ベーシック バイオレット 1をリンタングステン・モリブデン酸でレーキ化、C.I. ピグメント バイオレット 39、C.I.ベーシック バイオレット 3(クリスタルバイオレット)をリンタングステン・モリブデン酸でレーキ化、中でもC.I. ピグメント ブルー 1を用いることが好ましい。
(キノフタロン系色素:キノフタロン系染料、キノフタロン系顔料)
キノフタロン系染料としては、Solvent Yellow 33、Solvent Yellow 98、Solvent Yellow 157、Disperse Yellow54、Disperse Yellow 160、Acid Yellow 3等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
キノフタロン系顔料としては、C.I.Pigment Yellow138(ビー・エーエス・エフ社製パリオトールイエローK0961−HD)などが挙げられる。
なかでも発色性の観点からAcid Yellow 3、C.I.Pigment Yellow138(ビー・エーエス・エフ社製パリオトールイエローK0961−HD)が好ましい。
(チアジン系染料)
チアジン系染料としては、P−フェニレンジアミンを硫化水素の存在下で、FeCl2下で酸化して得られるLauth‘s Violet、メチレンブルー、メチレングリーンB、C.I. ベーシック ブルー9、17、24、25、ソルベント ブルー8、C.I.ベーシック グリーン5、C.I.ダイレクト レッド70等があげられる。
(チアゾール系染料)
チアゾール系染料としては、チアゾール環を有する染料をチアゾール系染料とするが、具体的には、C.I. ベーシックイエロー1、C.I. ベーシックバイオレット44、46、C.I. ベーシック ブルー116、C.I.アシッドイエロー186、同ダイレクトイ
エロー7、8、9、14、17、18、22、28、29、30、54、59、165、C.I.ダイレクトオレンジ18、C.I.ダイレクトレッド11、等が挙げられる。
(ジケトピロロピロール系顔料)
ジケトピロロピロール系顔料は、下記一般式(7)で表される構造の赤〜橙色の顔料である。下記一般式(7)で表されるジケトピロロピロール系顔料の具体例を示すと、C.I.Pigment Red254、255、264、272およびC.I.Pigment Orange 71、73、81が挙げられる。発色性の観点からC.I.Pigment Red254が好ましい。
一般式(7)
Figure 2015018208
式中X, Y:それぞれ独立に、CN、C(CH33、CH3、Cl、C65、Hを表す。
(アゾ系色素:アゾ系顔料、アゾ系系染料)
[アゾ系顔料]
アゾ顔料とはアゾ結合を有する化合物からなる顔料であり、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料に大別され、不溶性アゾ顔料はさらに、モノアゾ顔料、ジズアゾ顔料、ポリアゾ顔料、アゾメチンアゾ顔料、ナフトールアゾ顔料に大別される。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、49、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、100、101、104、105、106、111、113、114、116、120、124、126、127、128、130、133、150、151、152、154、155、165、167、168、169、170、172、174、175、176、180、181、182,183,191、194、205、206、209、212、214、219、C.I.ピグメントオレンジ1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、24、31、34、36、38、46、60、62、64、67、72、74、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、95、112、114、119、136、144、146、147、150、164、166、170、171、175、176、178、183、184、185、187、188、193、200、208、210、211、213、214、220、221、237.238、239、242、245、247、248、251、253、256、258、262、266、268、269、C.I.バイオレット25、または50等が挙げられる。これらの中でも、ピグメントイエロー150、ピグメントレッド242、269が発色性の観点で好ましい。
[アゾ系染料]
アゾ系染料は、アゾ系酸性染料とアゾ系塩基性染料に大別される。
アゾ系酸性染料としては、例えば、C.I. アシッドレッド1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、254、257、266、296、337;
C.I. アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I. アシッドバイオレット11、56、58;
C.I. アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I. アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I. アシッドブルー92、102、113、117などが挙げられる。
また、アゾ系塩基性染料としては、ベーシックレッド22、ベーシックレッド76、ベーシックイエロー57、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17等が挙げられる。これらの中でも発色性の観点からアシッドレッド254、266が好ましい。
(シアニン系染料)
シアニン系染料は、公知のもの又は市販品を使用することが出来る。例えば、C.I.ベーシックエロー11、12、13、14、21、22、23、24、28、29、33、35、40、43、44、45、48、49、51、52、53、C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、27、35、36、37、45、48、49、52、53、66、68、C.I.ベーシックバイオレット7、15、16、20、21、39、40、C.I.ベーシックオレンジ27、42、44、46、C.I.ベーシックブルー62、63等が挙げられる。これらの中でも、溶解性が良く、発色が良好であるという点でC.I.ベーシックエロー11、13、C.I. ベーシックレッド12、13、14、15、37、C.I. ベーシックバイオレット15、16等を好適に使用出来る。
(アントラキノン系染料)
アントラキノン系染料の具体例としては、下記の酸性染料、油溶性染料を挙げることができるが、これらに制限させるものではない。
[アントラキノン系染料の酸性染料としての形態]
アントラキノン系酸性染料としては、C.I. アシッドブルー23、25、27、35、40、41、43、45、47、49、51、53、55、56、62、68、69、78、80、81:1、11、124、127、127:1、140、150、175、215、230、277、344、C.I. アシッドバイオレット41、42、43、C.I. アシッドグリーン25、27、またはダイレクトバイオレット17等が挙げられる。
[アントラキノン系染料の油溶性染料としての形態]
アントラキノン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド172、222、C.I.ソルベントバイオレット60等が挙げられる。
<蛍光を有する色素の造塩化合物、スルホン酸アミド化合物>
本発明において好ましく用いることのできる蛍光を有する色素(A)は、カラーフィルタ用着色組成物として用いた場合、一定以上の耐熱性、耐溶剤性を備えていなければならない。しかし、一般的に蛍光を有する色素(A)は、良好な分光特性を有し、発色性に優れるものの、耐熱性、耐溶剤性が悪く、また有機溶剤への溶解性が不足するためカラーフィルタ用着色組成物として使用できないという色素が多い。
ゆえに、蛍光を有する色素(A)がカチオン性基を有する場合は、アニオン性基を有する化合物と造塩させることで、また、蛍光を有する色素(A)がアニオン性基を有する場合は、カチオン性基を有する化合物と造塩させることで、耐熱性、耐溶剤性、有機溶剤への溶解性を著しく向上させることができる。また、これらの欠点を改善するために、蛍光を有する色素(A)が酸性染料、直接染料の形態の場合に、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることで、耐熱性、耐光性、耐溶剤性を向上させることができる。
(蛍光を有する色素がアニオン性基を有する色素の場合)
蛍光を有する色素が、アニオン性基を有する色素の場合、アニオン性基を有する色素に含まれるアニオン性基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、およびそれらの塩基などが挙げられ、耐熱性、耐溶剤性の観点からスルホン酸基、リン酸基、およびそれらの塩基であることが好ましい。(蛍光を有する)アニオン性基を有する色素としては、アニオン性基を少なくとも一つは有する色素であれば特に制限はなく使用できるが、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド254、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9、食用青色101号(C.I.アシッド ブルー 1)、アシッドピュアブルー(C.I.アシッド ブルー 3)、レーキブルーI(C.I.アシッド ブルー 5)、レーキブルーII(C.I.アシッド ブルー7)食用青色1号(C.I.アシッド ブルー 9)、C.I.アシッド ブルー 22、C.I.アシッド ブルー 83、C.I.アシッド ブルー 90、C.I.アシッド ブルー 93、C.I.アシッド ブルー 100、C.I.アシッド ブルー 103、C.I.アシッド ブルー 104、C.I.アシッド ブルー 109、C.I.ダイレクトレッド70、C.I.アシッドイエロー186、同ダイレクトイエロー7、8、9、14、17、18、22、28、29、30、54、59、165、C.I.ダイレクトオレンジ18、C.I.ダイレクトレッド11などが挙げられる。C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド254は色相および発色性の観点でより好ましい。
蛍光を有する色素が、アニオン性基を有する色素である場合は、カチオン性基を有する化合物と造塩をすることで造塩化合物の形態として用いることが出来る。カチオン性基を有する化合物としては、後述する「カチオン性基を有する化合物(BY)」と同じものを用いることが好ましい。また、造塩化合物の製造法については後述する「蛍光を有する色素の塩形成」に記載の方法が好ましい。
(蛍光を有する色素がカチオン性基を有する色素の場合)
蛍光を有するカチオン性基を有する色素としては、少なくとも1つのカチオン性基を有する色素であれば、公知の色素化合物から選択する事ができる。一例としては、C.I. ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)、C.I. ベーシック バイオレット 11、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同25(ベーシック ブルーGO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)、 C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、Lauth‘s Violet、メチレンブルー、メチレングリーンB、C.I. ベーシック ブルー9、同17、同24、同25、C.I. ベーシックイエロー1、C.I. ベーシックバイオレット44、同46、C.I. ベーシック ブルー116、C.I.ベーシックエロー11、12、13、14、21、22、23、24、28、29、33、35、40、43、44、45、48、49、51、52、53、C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、27、35、36、37、45、48、49、52、53、66、68、C.I.ベーシックバイオレット7、15、16、20、21、39、40、C.I.ベーシックオレンジ27、42、44、46、C.I.ベーシックブルー62、63などが挙げられる。C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)、C.I. ベーシック バイオレット 11、C.I.ベーシックレッド12、C.I.ベーシック ブルー 7が色相、発色性の観点でより好ましい。
蛍光を有する色素が、カチオン性基を有する色素である場合は、アニオン性基を有する化合物と造塩をすることで造塩化合物の形態として用いることが出来る。その場合、アニオン性基を有する化合物としては、下記一般式(6)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂あるいは、フッ素基含有リンアニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、シアノ基含有窒素アニオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基、有機酸、無機酸を有するものが好ましい。なかでも、フッ素基含有ホウ素アニオンを用いることが好ましい。
[アニオン性基を有する有機酸、無機酸]
また、有機酸、無機酸を用いて造塩化することも好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましく、中でもナフタレンスルホン酸を用いることが好ましい。とりわけトビアス酸が好ましい。また無機酸としては、過塩素酸を用いることが特に好ましい。
[一般式(6)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂]
アニオン性基を有する化合物として、下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を好適に用いることができる。中でもアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
一般式(6)
Figure 2015018208
一般式(6)中、R56は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Tは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R57−、または−COO−R57−を表し、R57は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。S-は、―SO3 -、または−COO-を表す。U+は無機または有機のカチオンを表す。
56におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
56で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。上記の中でも、R56としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(6)中におけるS-は、−SO3 -又は−COO-を表し、耐熱性の観点で−SO3 -がより好ましい。
一般式(6)中、アクリル部位とS-を連結するTの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R57−、−COO−R57−を表し、R57はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R57−、−COO−R57−であることが好ましい。また、R57がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
一般式(6)中におけるU+の成分は、無機または有機のカチオンを表し、公知のものが制限なく採用できる。Uとして具体的には、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム化合物等が挙げられる。その際、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであり、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムであることが好ましい。また、アンモニウム化合物とは、NH4+または、そのHを炭化水素基などで置換した化合物のことである。
本発明の好ましい様態である下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るには、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有するモノマーを単量体成分として共重合する方法が挙げられる。
以下に、一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るために使用可能なスルホン酸基、もしくはカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。
[カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体]
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、
また、カルボキシル基を有するモノマーとしては、カルボン酸無水物基を有するモノマーも含まれ、カルボン酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等が挙げられる。
[スルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体]
スルホン酸基を有するモノマーは、式(IV)のモノマーおよびその水溶性塩、殊にアルカリ金属塩、例えばカリウムおよび、殊に有利には、ナトリウム塩、およびアンモニウム塩である。
式(IV)
58(R59)C=C(R60)−X−SO3
[式(IV)中、R58、R59およびR60は、互いに無関係に、−H、C原子1〜12個を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、直鎖または分岐鎖のC原子2〜12個を有するモノ不飽和またはポリ不飽和のアルケニル基(その際、後者の2個の基は非置換であるか、または1個以上の基−NH2、−OHまたは−COOHによって置換されている)、−COOHまたは−COOR61であり、またR58はXSO3Hであり;R61は、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のC原子1〜12個を有する炭化水素であり;Xは、単結合、n=1〜4である−(CH2)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6である−COO−(CH2)k−、−CO−NH−、m=0〜3である−CO−NH−CR'R''−(CH2)mまたは−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、−H、−CH3または−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
スルホン酸基を有するモノマーのなかでとりわけ有利なのは、式(IVa)、(IVb)および/または(IVc)のモノマーである。
2C=CH−X−SO3H (IVa)
2C=C(CH3)−X−SO3H (IVb)
HO3S−X−(R62)C=C(R63)−X−SO3H (IVc)
[式中、R62およびR63は、互いに無関係に、−H、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3または−CH(CH32でありかつXは、単結合、n=1〜4の−(CH2)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6の−COO−(CH2)k−、−CO−NH−、m=0〜3の−CO−NH−CR'R''−(CH2)m−または−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、−H、−CH3または−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
極めて有利なスルホン酸基含有モノマーは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸(2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸)、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミドならびに挙げられた酸の水溶性の塩およびエステルであって、その際、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の形態であること、殊にNa塩およびK塩の形態であることが有利である。
殊に有利なスルホン酸基を有するモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、または2−ソジウムスルホエチルメタクリレートである。
[その他共重合可能なエチレン性不飽和単量体]
その他、用いることのできるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、または、(メタ)アクリル酸ベンジルが好ましく、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリルまたはスチレンが、造塩化合物を使用した着色組成物の保存安定性の観点でより好ましい。
[その他共重合可能な熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体]
熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体を共重合させることで、カラーフィルタの製造における加熱工程において、熱架橋製官能基を有するアクリル樹脂同士、またはバインダー樹脂との架橋を形成する。それにより強固な被膜が形成され、塗膜の色変化を防ぐ、すなわち耐熱性を向上させることができ、また、耐溶剤性も向上する。
上記熱架橋性官能基の好適な構造としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、1級または2級アミノ基、イミノ基、オキセタニル基、t−ブチル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アリル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
中でもカラーフィルタ用着色組成物という用途における保存安定性や他の材料との反応性の観点から、ヒドロキシル基、オキセタニル基、t−ブチル基、イソシアネート基、(メタ)アクリル基が好ましく、特にヒドロキシル基を有していることが好ましい。
本発明に用いる、アニオン性基を有するビニル系樹脂中の熱架橋性官能基をアニオン性基を有するビニル系樹脂に導入する1つの方法は、熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体を、一般式(6)で表されるアニオン性基に対応するエチレン性不飽和単量体と共重合する方法である。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5が好ましい)などが挙げられる。
オキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどが挙げられる。
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽単量体としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレートなどが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸 2-(0-[1'-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
また、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、市販品を使用できるほか、公知の方法で調製して使用することもできる。例えば、エチレン性不飽和結合を有しているイソシアネート化合物とブロック剤とを溶媒中0〜200℃程度の温度で撹拌し、濃縮、濾過、抽出、晶析、蒸留等の公知の分離精製手段を用いて分離することにより得ることができる。
本発明に用いるアニオン性基を有するビニル樹脂中の熱架橋性官能基をアクリル樹脂に導入する他の方法は、アクリル樹脂を得た後に、該アクリル樹脂が有する官能基に、前記官能基に対し反応し得る官能基と熱架橋性官能基を有する化合物を反応させる方法である。例えば、カルボキシル基を有するアクリル樹脂中のカルボキシル基に、グリシジル基を有するエチレン性不飽和単量体のグリシジル基を反応させることで、熱架橋性官能基として(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂を得ることができる。
上記熱架橋性官能基は樹脂中に少なくとも一種類含まれている必要があり、二種類以上含まれていてもよい。
本発明に好適な下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に好適な下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に存在するスルホン酸基およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、共重合組成の合計100重量%のうち2〜50重量%を含む共重合体であることが好ましく、より好ましくは、5〜35重量%を含む共重合体であることが好ましい。
本発明に使用される下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、グリコールアセテート類、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することが好ましい。
[フッ素基含有リンアニオン]
フッ素基含有リンアニオンとしては、PF6- 、(CF33 PF3 - 、(C2 52 PF4 - 、(C25 3 PF3 - 、[(CF32 CF]2 PF4 - 、[(CF32 CF]3 PF3ー、(n−C372 PF4 - 、(n−C37 3 PF3 - 、(n−C49 3 PF3 - 、(C2 5 )(CF32 PF3 - 、[(CF32 CFCF22 PF4 - 、[(CF3 2 CFCF23 PF3 - 、(n−C4 92 PF4 - 、(n−C493 PF3 - 、(C2 4 H)(CF3 2 PF3 - 、(C232 3 PF3 - 、(C25 )(CF32 PF3 - 等が挙げられる。中でも、PF6 - 、(C25 2 PF4 - 、(C25 3 PF3 - 、(n−C373 PF3 - 、(n−C49 3 PF3 - 、[(CF3 2 CF]3 PF3 - 、[(CF3 2 CF]2 PF4 - 、[(CF32 CFCF2 3 PF3 - 、[(CF3 2 CFCF2 2 PF4 - が好ましい。
[フッ素基含有ホウ素アニオン]
フッ素基含有ホウ素アニオンとしては、BF4 - 、(CF3 4 - 、(CF3 3 BF- 、(CF3 2 BF2 - 、(CF3 )BF3 - 、(C2 5 4 - 、(C2 5 3 BF- 、(C25 )BF3 - 、(C2 52 B F2 - 、(CF3 )(C2 52 BF- 、(C6 54 - 、[(CF3 2634 - 、(CF364 4- 、(C652 BF2 - 、(C6 5 )BF3 - 、(C6 3 24- 、B(CN)4 - 、B(CN)F3 - 、B(CN)22 -、B(CN)3 - 、(CF3 3 B(CN)- 、(CF32 B(CN)2 - 、(C2 5 3 B(CN)- 、(C2 5 2B(CN)2 - 、(n−C373 B(CN)- 、(n−C49 3 B(CN)- 、(n−C492 B(CN)2 - 、(n−C63 3 B(CN)- 、(CHF23 B(CN) - 、(CHF2 2 B(CN)2 - 、(CH2 CF3 3 B(CN)- 、(CH2 CF32 B(CN)2 - 、(CH22 5 3 B(CN)- 、(CH2252 B(CN)2 - 、(CH2 CH2 372 B(CN)2 - 、(n−C3 7 CH22 B(CN)2 - 、(C65 3 B(CN)- 等が挙げられる。中でも、BF4 - 、B(CN)3 - 、(CF3)4- 、(C654-、[(CF3 26 3 4 - が好ましい。
[シアノ基含有窒素アニオン]
シアノ基含有窒素アニオンとしては、[(CN)2 N]- 、[(FSO22 N]- 、[(FSO2 )N(CF3 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF3 2 CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF32 CFCF2 SO2 }]- 、[(FSO2 )N{CF3 CF2 (CF3 )CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N{(CF3 3 CSO2 }]- 等が挙げられる。中でも、[(CN)2 N]- が特に好ましい。
[ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基]
ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基としては、特に限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有するスルホン酸(−SO3 H)、スルホンイミド酸(−SO2 NHSO2 −)等を挙げることができ、具体的には下記に示す化合物を挙げることができる。
Figure 2015018208
Figure 2015018208
(蛍光を有する色素の塩形成)
本発明の造塩化合物は、蛍光を有するアニオン性基を有する色素を溶解させた水溶液と、カチオン性基を有する化合物を攪拌または振動させるか、あるいは、蛍光を有するアニオン性基を有する色素の水溶液と、カチオン性基を有する化合物の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。
水溶液中で、アニオン性基を有する色素のアニオン性基とカチオン性基を有する化合物のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。析出してこない場合は、適宜貧溶剤中に、反応液(アニオン性基を有する色素水溶液と、カチオン性基を有する化合物の水溶液の混合液)を攪拌しながら落とすことで析出物を得ることができる。
また、カチオン性基を有する化合物の対アニオンとアニオン性基を有する色素の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するカチオン性基を有する化合物、および蛍光を有するアニオン性基を有する色素は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、本発明の造塩化合物は、蛍光を有するカチオン性基を有する色素を溶解させた水溶液と、アニオン性基を有する化合物を攪拌または振動させるか、あるいは、蛍光を有するカチオン性基を有する色素の水溶液と、アニオン性基を有する化合物の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。
水溶液中で、カチオン性基を有する色素のカチオン性基とアニオン性基を有する化合物のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。析出してこない場合は、適宜貧溶剤中に、反応液(カチオン性基を有する色素水溶液と、アニオン性基を有する化合物の水溶液の混合液)を攪拌しながら落とすことで析出物を得ることができる。また、アニオン性基を有する化合物の対カチオンとカチオン性基を有する色素の対アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するアニオン性基を有する化合物、および蛍光を有するカチオン性基を有する色素は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
本発明の造塩化合物は、水溶液中でカチオン性基を有する化合物と蛍光を有するアニオン性基を有する色素を混合し、カチオン性基を有する化合物の対アニオンと(蛍光を有する)アニオン性基を有する色素の対カチオンとからなる塩を除去してなる化合物であること、もしくは、水溶液中でアニオン性基を有する化合物と、蛍光を有するカチオン性基を有する色素とを混合し、アニオン性基を有する化合物の対カチオンと、蛍光を有するカチオン性基を有する色素の対アニオンとからなる塩を除去してなる化合物であることが、耐熱性、保存安定性の観点で好ましい。造塩化合物中に塩形成で生じた副生物(例えばNaCl)などが存在する場合は、着色組成物中で造塩化合物の耐熱性が悪くなる場合がある。
塩形成時に使用する水溶液として、カチオン性基を有する化合物、および蛍光を有するアニオン性基を有する色素を溶解させるため、もしくは、アニオン性基を有する化合物、および蛍光を有するカチオン性基を有する色素を溶解させるための溶媒として、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜90重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
カチオン性基を有する化合物と、蛍光を有するアニオン性基を有する色素との比率は、カチオン性基を有する化合物の全カチオンユニットと、蛍光を有するアニオン性基を有する色素の全アニオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
また、アニオン性基を有する化合物と、蛍光を有するカチオン性基を有する色素との比率は、アニオン性基を有する化合物の全アニオンユニットと蛍光を有するカチオン性基を有する色素の全カチオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
(酸性染料のスルホン酸アミド化合物)
蛍光を有する色素(A)に好ましく用いることのできる酸性染料のスルホン酸アミド化合物は、−SO3H、−SO3Naを有する酸性染料を常法によりクロル化して、−SO3Hを−SO2Clとし、この化合物を、−NH2基を有するアミンと反応して製造することができる。
また、スルホンアミド化において好ましく使用できるアミン化合物としては、具体的には、2−エチルへキシルアミン、ドデシルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、シクロへキシルアミン等を用いることが好ましい。
一例をあげると、C.I.アシッドレッド289を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合は、C.I.アシッドレッド289をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド289のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。また、C.I.アシッドレッド52を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合も、C.I.アシッドレッド52をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド52のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
<金属錯塩染料の造塩化合物(B)>
本発明の金属錯塩染料の造塩化合物(B)は、蛍光消光能を有するものであり、蛍光を有する色素(A)と併用することで、着色組成物のコントラスト比を増大させる効果がある。金属錯塩染料の造塩化合物(B)は、金属錯塩染料(BX)と、カチオン性基を有する化合物(BY)とを反応させて得られた造塩化合物の形態、あるいは金属錯塩染料(BX)と、脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)とを反応させて得られた造塩化合物の形態であることが好ましい。
造塩化合物の形態で用いることで、金属錯塩染料の耐熱性が向上し、カラーフィルタ作製時の加熱工程における昇華・分解が抑制され、また有機溶剤への溶解性が増すことで、その結果十分な量の蛍光を抑制し、高コントラスト比を発現する事ができる。
<金属錯塩染料(BX)>
本発明の金属錯塩染料の造塩化合物(B)に含まれる金属錯塩染料(BX)は、分子中に金属原子と錯塩化し得る基を含む染料分子(配位子)と、金属原子とを錯塩化した金属錯塩染料である。
(金属錯塩染料(BX)中の染料分子(配位子))
前記染料分子(配位子)としては、アゾ染料、メチン染料等が挙げられ、アゾ染料が好ましい。
(金属錯塩染料(BX)中の金属原子)
金属錯塩染料(BX)中の金属原子としては、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、等が挙げられる。中でも、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)が消光能の観点でより好ましい。
金属錯塩染料(BX)としては、金属原子と染料分子との結合比が1:1である1:1形金属錯塩染料と、該比が1:2である1:2形金属錯塩染料とが挙げられ、1:2形金属錯塩染料が好ましい。
金属錯塩染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー13、19、21、25、25:1、62、79、81、82、83、83:1、88、89、90、151、161、C.I.ソルベントオレンジ5、11、20、40:1、41、45、54、56、58、62、70、81、99、C.I.ソルベントレッド8、35、83:1、84:1、90、90:1、91、92、118、119、122、124、125、127、130、132、160、208、212、214、225、233、234、243;C.I.ソルベントバイオレット2、21、21:1、46、49、58、61;C.I.ソルベントブルー137;C.I.ソルベントブラウン28、42、43、44、53、62、63;C.I.アシッドイエロー59、121;C.I.アシッドオレンジ74、162;C.I.アシッドレッド211が挙げられる。これらの中でも、蛍光を有する色素(A)の蛍光発光抑制の観点から、C.I.ソルベントイエロー 21、79、81、82、C.I.ソルベントオレンジ 41、54、56、62、99、C.I.ソルベントレッド 8、118、122、127が好ましく、蛍光発光抑制と明度のバランスを考えると、C.I.ソルベントオレンジ41、56、62、99が特に好ましい。
金属錯塩染料の造塩化合物(B)の好ましい形態としては、下記一般式(3)または下記一般式(4)、または下記一般式(5)で表される化合物であることが好ましく、特に一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
(一般式(3)で表される化合物)
Figure 2015018208
一般式(3)中、R10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、ニトロ基、ハロゲン原子、−SO2NHR30、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
28及びR29は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、−SO2NHR30、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
30は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
1〜A4は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はMとの結合手を表す。
Mは、Cr又はCoを表す。
nは、1〜5の整数を表す。
+は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。
一般式(3)中、R10〜R27、R30で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基が挙げられる。
10〜R27のうち、少なくとも1つがニトロ基であることが好ましい。ニトロ基を有することにより、化合物の分光濃度が高くなる傾向がある。
また、ニトロ基に加えてさらに少なくとも一つのハロゲン原子を有することにより、化合物の蛍光発光が弱まる傾向がある。ハロゲン原子の中でも、クロロ基、ブロモ基が好ましい。
28及びR29は、それぞれ独立に、水素、メチル基、−SO2NHR30、−SO3H又は−SO2CHが好ましい。
30で表される炭素数2〜15のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、1−イソプロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、1−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられる。
一般式(3)において、D以外の各基の好ましい組合せは以下の通りである。すなわち
10〜R18、R19〜R27のうち1つがそれぞれ独立に、水素原子、クロロ基、SO2NHR30、−SO3H、及び−SO2CH3であり、
28及びR29がそれぞれ独立に水素原子、メチル基または−SO3Hであり、
30が水素原子、炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であり、
1〜A4のうち2つが*−O−、残りが同一に*−O−又は*−O−CO−であり、
MはCrであり、
nは1となる組合せが好ましい。
式(3)で表される金属錯塩染料としては、C.I.ソルベントレッド130(式(3−1)で表される化合物)、C.I.ソルベントオレンジ62(式(3−2)で表される化合物)、C.I.ソルベントオレンジ41等が挙げられる。中でも、C.I.ソルベントオレンジ62(式(3−2)で表される化合物)、C.I.ソルベントオレンジ41が好適に用いられる。
式(3−1)
Figure 2015018208
式(3−2)
Figure 2015018208
(一般式(4)で表される化合物)
Figure 2015018208
一般式(4)中、R31〜R39は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基、ハロゲン原子、−SO2NHR41、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
40は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、−SO2NHR41、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
41は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
5及びA6は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はM1との結合手を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
n1は、0〜2の整数を表す。
D1+は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。]
一般式(4)中、R31〜R39、R41で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基が挙げられる。
31〜R39のうち、少なくとも1つがそれぞれ独立に水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、−SO2NHR41、−SO3H又は−SO2CH3であることが好ましい。ニトロ基を有することにより、化合物の分光濃度が高くなる傾向がある。また、ハロゲン原子を有することにより、化合物の蛍光発光が弱まる傾向があるので好ましい。ハロゲン原子の中でも、クロロ基、ブロモ基が好ましい。R41は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
40は、メチル基、−SO2NHR41、−SO3H又は−SO2CHが好ましい。
41で表される炭素数2〜15のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、1−イソプロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、1−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられる。
一般式(4)において、D1以外の各基の好ましい組合せは以下の通りである。
すなわち、R31〜R39のうち1つがニトロ基であり、1つが水素原子又はクロロ基であり、1つがSO2NHR41、−SO3H、及びSO2CH3から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、
40がメチル基、または−SO3Hであり、
41が水素原子、炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であり、
5〜A6のうち1つが*−O−、残りが*−O−又は*−O−CO−であり、
M1はCr又はCoであり、
n1は0又は1となる組合せが好ましい。
式(4)で表される金属錯塩染料としては、例えば、C.I.ソルベントオレンジ56(式(4−1)で表される化合物)等が挙げられる。
式(4−1)
Figure 2015018208
(一般式(5)で表される化合物)
Figure 2015018208
一般式(5)中、 R42は、炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH、−OR49、−CO−OR49、−O−COR49、−CONR4950、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−及び−CO−の少なくとも1つで置き換わっていてもよい。
43は、水素原子、−CN、又は−CONH2を表す。
44は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。
45〜R48は、互いに独立に、−R49、−OR49、−CO−OR49、−COR49、−OCO−OR49、−O−COR49、−CN、−NO2、ハロゲン原子、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR4950又は−NR5253を表す。R45及びR46、R46及びR47、並びにR47及びR48は、互いに結合してベンゼン環の炭素を含んだ6〜7員環を形成してもよい。
49及びR50は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR51で置換されていてもよい。
51は、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。
52及びR53は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜8のアシル基又はテトラヒドロフルフリル基を表す。R52及びR53は、互いに結合して窒素原子を含んだ環を形成してもよい。
7〜A10は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はM2との結合手を表す。
2は、Cr又はCoを表す。
n2は、1〜5の整数を表す。
D2+は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。
一般式(5)中、R42で表される炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等の直鎖状飽和炭化水素基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、メチルペンチル基、エチルブチル基、メチルヘキシル基、エチルペンチル基、プロピルブチル基、(メチルエチル)ブチル基、(メチルエチル)(メチル)プロピル基、メチルヘプチル基、エチルヘキシル基、プロピルペンチル基、(メチルエチル)ペンチル基、ブチルブチル基、(ブチル)(メチル)ブチル基、(ジメチルエチル)(ブチル)ブチル基、ジメチルプロピル基、ジメチルブチル基、(エチル)(メチル)プロピル基、ジメチルペンチル基、(エチル)(メチル)ブチル基、ジメチルヘキシル基、(エチル)(メチル)ペンチル基、(プロピル)(メチル)ブチル基、(メチルエチル)(メチル)ブチル基、ジエチルブチル基等の分枝鎖状飽和炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
一般式(5)中、R44で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、R42で例示した前記各基のうち炭素数が4以下の直鎖状飽和炭化水素基、炭素数が4以下の分枝鎖状飽和炭化水素基が例示できる。
一般式(5)中、R49、R50、R52及びR53で表される炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、R42で例示した前記各基のうち炭素数が8以下のものが例示できる。さらには、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、2−メチルプロペニル基等も挙げられる。
一般式(5)中、R49及びR50における炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。R49、R50及びR51における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。R51で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、R42で例示した前記各基のうち炭素数が8以下のものが例示できる。
一般式(5)中、R52及びR53における炭素数2〜8のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基等が挙げられる。
一般式(5)中、R42において、−CH2−が−O−又は−CO−で置き換えられた飽和炭化水素基としては、例えば、アセチル基、オキソブチル基、オキソペンチル基、オキソヘキシル基等のオキソ基を含有する飽和炭化水素基;
フェナシル基、オキソ(ナフチル)エチル基、オキソ(ヒドロキシフェニル)エチル基、オキソ(ヒドロキシナフチル)エチル基、オキソ(メトキシフェニル)エチル基、オキソ(フェニル)プロピル基、オキソ(ナフチル)プロピル基等の芳香族基で置換されたオキソ基含有飽和炭化水素基;等の1つの−CH2−が−CO−で置き換えられた飽和炭化水素基;並びに
2−[2−(アセチルオキシ)アセトキシ]エチル基、2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エチル基、2−[2−(メトキシカルボニル)エチルカルボニルオキシ]エチル基等のアルキル基、アルキレン基、及びエステル結合とで形成される基;
2−ベンゾイルオキシエチル基等のアルキレン基、芳香族環、及びエステル結合とで形成される基;等の1つの−CH2−が−CO−で置き換えられ、1つの−CH2−が−O−で置き換えられた飽和炭化水素基が挙げられる。
一般式(5)において、D2以外の各基の好ましい組合せは、
42が、炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;アルキル基とアルキレン基と2つのエステル結合とで形成される基、アルキレン基と芳香族環と1つのエステル結合とで形成される基のいずれかであり、
43が−CNであり、
44が炭素数1〜4のアルキル基であり、
45〜R48のうち3つが水素原子であるR49であり、残る一つが水素原子であるR49又は−NR5253であり、この−NR5253を構成するR52及びR53のうち一方は水素原子であり、他方は炭素数2〜4のアシル基であり、
11〜A14のうち2つが*−O−、残りが同一に*−O−又は*−O−CO−であり、
2はCrであり、
n2は1となる組合せである。
一般式(3)、(4)、(5)中、D+、D1+、D2+で表される1価の金属カチオンとしては、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン等が挙げられる。
式(5)で表される金属錯塩染料としては、例えば、式(5−1)〜(5−6)で表されるアニオン構造を含む化合物と、ヒドロン、1価の金属カチオンとの塩である。
式(5−1)〜(式5−6)
Figure 2015018208
<カチオン性基を有する化合物(BY)>
金属錯塩染料(BX)が、アニオン性基を有する染料である場合は、カチオン性基を有する化合物(BY)と造塩をすることで造塩化合物の形態として用いることが出来る。その場合、カチオン性基を有する化合物としては、下記一般式(1)で表わされるカチオン性化合物、または、下記一般式(2)で表される構造単位を含むカチオン性基含有アクリル樹脂、を用いることが出来る。
(一般式(1)で表わされるカチオン性化合物)
Figure 2015018208
一般式(1)中、R1〜R4 は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R1〜R3のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Y-は無機または有機のアニオンを表す。
一般式(1)中、R1〜R4としては、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
ここで、R1〜R4におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、炭素数1〜4のアルキル基が最も好ましい。
1〜R4のアルキル基におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル及び2−メチル−2−プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2〜20のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、炭素数2〜4のアルケニル基が最も好ましい。
1〜R4におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
1〜R4で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びフェニル基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、フェニル基が特に好ましい。
1〜R4としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基が更に好ましい。
また、R1〜R3のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
一般式(1)で表される化合物(四級アンモニウム塩化合物)の好ましい形態は、無色、または白色を呈するものである。ここで無色、または白色とは、いわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものである必要がある。
四級アンモニウム塩化合物のカウンタとなるカチオン部分の分子量は190〜900の範囲であることが好ましい。ここでカチオン部分とは、下記一般式(1)中の(NR1234+の部分に相当する。分子量が190よりも小さいと耐光性、耐熱性が低下して
しまい、さらに溶剤への溶解性が低下してしまう場合がある。また分子量が900よりも大きくなると分子中の発色成分の割合が低下するために、発色性が低下し、明度も低下してしまう場合がある。より好ましくはカチオン部分の分子量が240〜850の範囲であり、特に好ましいのは350〜800の範囲である。
ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
一般式(1)中のR1〜R4の少なくとも2つ以上の側鎖のCの数を5〜20個とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。R1〜R4のうちCの数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生しやすくなってしまう。また側鎖にCの数が20を超えてしまうアルキル基が存在すると造塩化合物の発色性が損なわれてしまうことがある。
四級アンモニウム塩化合物のアニオンを構成するY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよいが、ハロゲンであることが好ましく、塩素であることがより好ましい。
このような四級アンモニウム塩化合物として具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が74)、テトラエチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が122)、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が312)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が550)、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が788)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が284)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が368)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が270)、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が228)、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が382)、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が536)、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が318)、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が360)、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が444)、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が612)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が388)、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が248)、またはジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)(カチオン部分の分子量が438〜550)等を用いることが好ましい。
製品としては、花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、または2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、またはアーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)等が好ましいものである。
(一般式(2)で表される構造単位を含むカチオン性基含有アクリル樹脂)
Figure 2015018208
一般式(2)中、R5は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R6〜R8 は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、―CONH−R9−、―COO−R9−を表し、R9はアルキレン基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。
一般式(2)中、R5は、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
5におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。R5で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。上記の中でも、R5としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(2)中、R6〜R8としては、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
ここで、R6〜R8におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
一般式(2)中、R6〜R8におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル及び2−メチル−2−プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基である。
6〜R8におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
一般式(2)中、R6〜R8で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びフェニル基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、フェニル基が特に好ましい。
6〜R8としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基が更に好ましい。
また、一般式(2)中、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
一般式(2)中、アクリル部位とアンモニウム塩基を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R9−、−COO−R9−を表し、R9はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R9−、−COO−R9−であることが好ましい。また、R9がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
当該樹脂の対アニオンを構成する一般式(2)中におけるY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよい。対アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。対アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
一般式(2)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るには、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合する方法だけでなく、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合したアミノ基を有するアクリル系樹脂を得た後、オニウム塩化剤を反応させ、アンモニウム塩化する方法により得ても良い。
以下に、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体と、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体、およびオニウム塩化剤の具体例を示す。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」、のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」、と記載することがある。同様に、「アクリロイル、メタクリロイル」のいずれか或いは双方を示す場合、「(メタ)アクリロイル」と記載することがある。
[アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体]
アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
[アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体]
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
[オニウム塩化剤]
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、またはジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、またはベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、またはオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、またはオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、またはベンジルブロマイド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とオニウム塩化剤との反応は、通常はアミノ基に対して等モル以下のオニウム塩化剤を、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体溶液に滴下することによって行うことができる。アンモニウム塩化反応時の温度は90℃程度以下であり、特にビニルモノマーをアンモニウム塩化する場合には30℃程度以下が好ましく、反応時間は1〜4時間程度である。
別に、オニウム塩化剤として、アルコキシカルボニルアルキルハライドを使用することもできる。アルコキシカルボニルアルキルハライドは下記一般式(70)で表される。
一般式(70)
Z−R54−COOR55
一般式(70)中、Zは、塩素、または臭素等のハロゲン、好ましくは臭素であり、R54は、炭素数1〜6、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3のアルキレン基であり、R55は、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基である。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とアルコキシカルボニルアルキルハライドとの反応は、アミノ基に対して等モル以下のアルコキシカルボニルアルキルハライドを上記オニウム塩化剤同様に反応させた後、−COOR55を加水分解してカルボキシレートイオン(−COO-)に変換することにより得られる。これにより、一般式(70)式で示すカルボキシベタイン構造を有しアンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を得ることができる。
[その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体]
その他、用いることのできるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
前記、アニオン性基を有するビニル系樹脂で使用可能な「その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体」を適宜用いることができる。
[その他共重合可能な熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体]
熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体を共重合させることで、カラーフィルタの製造における加熱工程において、熱架橋製官能基を有するアクリル樹脂同士、またはバインダー樹脂との架橋を形成する。それにより強固な被膜が形成され、塗膜の色変化を防ぐ、すなわち耐熱性を向上させることができ、また、耐溶剤性も向上する。
前記、アニオン性基を有するビニル系樹脂で使用可能な「その他共重合可能な熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体」を適宜用いることができる。それ以外で共重合可能な熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体について以下に記載する。
その他、更に、酸基を有するモノマーを用いることが現像性の観点からより好ましい。
酸基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げられる。
その他の共重合可能なモノマーとしては、耐熱性の観点から(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、または、(メタ)アクリル酸ベンジルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリルまたはスチレンが保存安定性の観点より好ましい。
本発明に好適な一般式(2)で表されるカチオン性構造単位を含むビニル系樹脂を重合して得る方法は、前述の「一般式(6)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂」と同様の方法で重合し合成する事が出来る。
カチオン性基を有する樹脂中に存在するアンモニウム塩基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のアンモニウム塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
樹脂のアンモニウム塩価が、上記範囲を満たすためには、4級アンモニウム塩基を有する構造単位の好ましい含有量は、樹脂を構成する構造単位の合計100重量%のうち2〜50重量%を含む共重合体であることが好ましく、より好ましくは、10〜40重量%を含む共重合体であることが好ましい。
本発明に使用される下記一般式(2)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、2,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な下記一般式(2)で表される構造単位を含むビニル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、グリコールアセテート類、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することが好ましい。
一般式(2)で表される構造単位を含むビニル系樹脂として市販されているものとしては、例えばニットーボーメディカル株式会社製PAS−2401、PAS−A−1、PAS−A−5、PAS−J−81L、PAS−J−81、PAS−880、PAS−24、PAS−H−1L、PAS−H−5L、PAS−H−10L、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2150、2155、2163、2164、BASF社製のEFKA−4300、4330、4400、4401などが挙げられるが、これに限定されるものではない。好ましくは、コントラスト比の観点でDisperbyk−2000、2001、2010、2164、PAS−A−1、PAS−J−81L、PAS−880、PAS−2401、PAS−24、PAS−H−1Lが好ましい。
<脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)>
本発明の金属錯塩染料の脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)は、脂肪酸アマイドと塩酸、硫酸、酢酸、硝酸等といった無機酸との造塩化合物である。脂肪酸アマイドとしては、飽和脂肪酸のアマイド、不飽和脂肪酸アマイド、アルキレンビス不飽和脂肪酸アマイドに大別される。
代表的な脂肪酸アマイドとしては、ラウリン酸アマイド、ミリスチン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、イソステアリン酸アマイド、エチルヘキサン酸アマイド、トリエチルへキサン酸アマイド等が挙げられ、
不飽和脂肪酸アマイドとしては、トウハク酸アマイド、リンデル酸アマイド、ツズ酸アマイド、パルミトオレイン酸アマイド、オレイン酸アマイド、バクセン酸アマイド、リノール酸アマイド、リノレン酸アマイド、エレオステアリン酸アマイド、アラキドン酸アマイド、ネルボン酸アマイド、及びエルカ酸アマイド等が挙げられ、
代表的なアルキレンビス不飽和脂肪酸アマイドとしては、メチレンビストウハク酸アマイド、メチレンビスリンデル酸アマイド、メチレンビスツズ酸アマイド、メチレンビスパルミトオレイン酸アマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、メチレンビスバクセン酸アマイド、メチレンビスリノール酸アマイド、メチレンビスリノレン酸アマイド、メチレンビスエレオステアリン酸アマイド、メチレンビスアラキドン酸アマイド、メチレンビスネルボン酸アマイド、及びメチレンビスエルカ酸アマイド等、あるいは、エチレンビストウハク酸アマイド、エチレンビスリンデル酸アマイド、エチレンビスツズ酸アマイド、エチレンビスパルミトオレイン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスバクセン酸アマイド、エチレンビスリノール酸アマイド、エチレンビスリノレン酸アマイド、エチレンビスエレオステアリン酸アマイドエチレンビスアラキドン酸アマイド、エチレンビスネルボン酸アマイド、及びエチレンビスエルカ酸アマイド等が挙げられる。
特に、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、メチレンビスエルカ酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイドが好ましく用いられる。
(金属錯塩染料の塩形成)
[金属錯塩染料(BX)とカチオン性基を有する化合物(BY)との塩形成]
本発明の金属錯塩染料の造塩化合物(B)は、金属錯塩染料(BX)とカチオン性基を有する化合物(BY)をいずれもが溶解する水溶性有機溶剤中で攪拌または振動させることによって得られる析出物、また析出が無い場合は反応液を水中に落とすことで得られた析出物を水洗することで容易に造塩化合物を得ることが出来る。金属錯塩染料(BX)と、カチオン性基を有する化合物(BY)の反応により生じる副生物は水溶性であるため、水洗等により除去が可能であるため水洗することが好ましい。使用するカチオン性基を有する化合物(BY)、および金属錯塩染料(BX)は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。攪拌または振動させる時は0℃〜100℃であることが好ましい。
また、金属錯塩染料(BX)が水に可溶な場合、金属錯塩染料(BX)とカチオン性基を有する化合物(BY)を水に溶解させ、攪拌または振動することで造塩化合物を容易に得ることが出来る。もしくは、水に金属錯塩染料(BX)を溶解させた水溶液を、水にカチオン性基を有する化合物(BY)を溶解させた水溶液中に攪拌化で滴下混合することで、あるいは水にカチオン性基を有する化合物(BY)を溶解させた水溶液を、水に金属錯塩染料(BX)を溶解させた水溶液中に攪拌下で滴下混合することで造塩化合物を容易に得ることが出来る。
塩形成時に使用する溶液として、カチオン性基を有する化合物、および金属錯塩染料(BX)を溶解させるための溶媒として、水あるいは水溶性有機溶剤、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用できる。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。水と水溶性有機溶剤との混合溶液の場合は、これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜90重量%用いることが好ましい。
カチオン性基を有する化合物と、金属錯塩染料(BX)との比率は、カチオン性基を有する化合物の全カチオンユニットと金属錯塩染料(BX)の全アニオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の金属錯塩染料の造塩化合物(B)を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
[金属錯塩染料(BX)と脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)との塩形成]
まず、脂肪酸アマイドと無機酸との反応させることで脂肪酸アマイドの無機酸塩を得る必要がある。無機酸としては塩酸、酢酸、硝酸等から選ばれるいずれか一つが好ましく、塩酸が最も好ましい。この反応は、脂肪酸アマイドの水溶液、または有機溶媒溶液に、脂肪酸アマイドの1モル以上20モル倍以下の塩化水素を含む水溶液を添加混合することにより行われる。また反応は、−100〜100℃で実施することが好ましい。反応時間は、0.1乃至100時間程度で脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)水溶液、または有機溶剤溶液を得ることが出来る。
得られた脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)水溶液、または有機溶剤溶液を、前記載の「金属錯塩染料(BX)とカチオン性基を有する化合物(BY)との塩形成」の記載内容のカチオン性基を有する化合物(BY)に置き換える以外は同様の方法で、容易に造塩化合物を得ることが出来る。
金属錯塩染料(BX)と脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)との塩形成の一例として、C.I.ソルベントレッド130とエルカ酸アマイドの塩酸塩との造塩行程を示す。
Figure 2015018208
<バインダー樹脂(C)>
バインダー樹脂は、蛍光を有する色素(A)、金属錯塩染料の造塩化合物(B)、及び有機顔料(D)を分散するもの、もしくは染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有モノマーを共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用着色組成物として好ましい。
本発明に使用されるバインダー樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が5,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは7,000〜50,000である。バインダー樹脂の換算重量平均分子量が、5,000〜100,000であると、現像時に膜減りが生じにくく、また現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基および現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基および芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、現像で微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、着色剤100重量部に対し、20〜500重量部の量で用いることが好ましい。20重量部未満では、成膜性および諸耐性が不十分となり、500重量部より多いと着色剤の濃度が低くなり、色特性を発現できないことがある。
<熱硬化性化合物>
本発明においては、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含むことが好ましい。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物及び/又は樹脂、ベンゾグアナミン化合物及び/又は樹脂、ロジン変性マレイン酸化合物及び/又は樹脂、ロジン変性フマル酸化合物及び/又は樹脂、メラミン化合物及び/又は樹脂、尿素化合物及び/又は樹脂、およびフェノール化合物及び/又は樹脂が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のカラーフィルタ用着色組成物ではエポキシ化合物及び/又は樹脂が好ましく用いられる。
エポキシ化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
このようなエポキシ化合物の例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ化合物であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
市販品としては、例えば、エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P、エピコート191P(以上は商品名;油化シェルエポキシ(株)製)、エピコート1004、エピコート1256(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学(株)製)、EPPN−501H、502H(商品名;日本化薬(株)製)、JER 1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、JER 157S65、157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN−201(商品名;日本化薬(株)製)、JER152、JER154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020(以上は商品名;日本化薬(株)製)、セロキサイド2021、EHPE−3150(以上商品名;ダイセル化学工業(株)製)、デナコールEX−810、EX−830、EX−851、EX−512、EX−421、EX−313、EX−201、EX−111(以上は商品名;ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ化合物の配合量は、着色剤100重量に対し、0.5〜300重量部であることが好ましく、1.0〜50重量部であることがより好ましい。0.5重量部未満では耐熱性改善効果が小さく、300重量部より多いとフォトリソグラフィーによるフィルタセグメント形成時に不具合を生ずる場合がある。
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、熱硬化性化合物の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性化合物と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性化合物100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
(その他併用可能な色材)
本発明の着色粗製物は、さらに有機顔料(D)、またはその他の染料を併用して用いることができる。
(有機顔料(D))
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、または15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。
特に、着色組成物を青色フィルタセグメント用に用いる場合、青色顔料を併用することで、多くのバックライトがもつ特徴的なピークをもつ425〜500nm付近において、分光スペクトルが高い透過率を有することが可能になり、従来の青色顔料およびその他の顔料を組み合わせた着色剤よりも青色フィルタセグメントとして、高い明度を得ることができるために好ましい。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55または58を挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36または58である。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、または185であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、または185である。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、または23であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、1 01、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げることができる。
赤色顔料と同様にはたらくオレンジ色顔料としては、例えばC.I.ピグメント オレンジ36、38、43、51、55、59、61等のオレンジ色顔料を用いることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177を用いることが特に好ましいものである。
[顔料の微細化]
本発明に用いる顔料は、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。
微細化した顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して平均体積を求め、この平均体積を有している立方体の一辺の長さを平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、トリミックス、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
(その他併用可能な染料)
次に、本発明の着色粗製物に併用可能な染料について説明する。併用することができる染料としては、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。
(油溶性染料)
油溶性染料を用いる場合、キサンテン系染料、またはアントラキノン系染料が明度の観点で好ましい。
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、またはC.
I.ソルベントバイオレット10等が挙げられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
アントラキノン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド172、222、C.I.ソルベントバイオレット60等が挙げられる。
(酸性染料)
トリアリールメタン系酸性染料としては、C.I. アシッドブルー1、3、5、7、9、11、15、17、19、22、24、38、48、75、83、90、91、93、93:1、100、103、104、109、110、119、147、269、123、213、C.I. ダイレクトブルー41、C.I. アシッドバイオレット17、19、21、23、25、38、49、72、ダイレクトブルー41などが挙げられる。
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
アントラキノン系酸性染料としては、C.I. アシッドブルー23、25、27、35、40、41、43、45、47、49、51、53、55、56、62、68、69、78、80、81:1、11、124、127、127:1、140、150、175、215、230、277、344、C.I. アシッドバイオレット41、42、43、C.I. アシッドグリーン25、27、またはダイレクトバイオレット17等が挙げられる。
アゾ系酸性染料としては、例えば、C.I. アシッドレッド1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、257、266、296、337;
C.I. アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I. アシッドバイオレット11、56、58;
C.I. アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I. アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I. アシッドブルー92、102、113、117などが挙げられる。
(塩基性染料)
塩基性染料を用いる場合、トリアリールメタン系、またはキサンテン系染料が明度の観点で好ましい。
トリアリールメタン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。中でもC.I.ベーシック ブルー7、同グリーン 4、同バイオレット1、同バイオレット3を用いることが好ましい。
ローダミン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド1(ローダミン6G、6GCP)、同3、同8(ローダミンG)、C.I.ベーシック バイオレット10(ローダミンB)等があげられる。中でもC.I.ベーシック レッド1、同バイオレット10、同バイオレット11を用いることが好ましい。
フラビン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー1、
オーラミン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー2、3、
サフラニン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド2、
フロキシン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド12、
アクリジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー5、
オキサジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー3、
チアジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー24、
メチレンブルー系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー9(メチレンブルーFZ、メチレンブルーB)、同25(ベーシック ブルーGO)、同24(ニューメチレンブルーNX)等があげられる。中でもC.I.ベーシック イエロー1、同ブルー9、同24、同25を用いることが好ましい。
アゾ系塩基性染料としては、ベーシックレッド22、ベーシックレッド76、ベーシックイエロー57、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17等が挙げられる。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることができる。
有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明に用いる蛍光を有する色素の造塩化合物や、金属錯塩染料の造塩化合物、オプションとして用いる顔料や併用可能なその他染料の分散、溶解が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、3−メトキシブタノール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。特に、本発明に用いる蛍光を有する色素の造塩化合物や、金属錯塩染料の造塩化合物への溶解性の観点で3−メトキシブタノールを用いることが最も好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の好ましい有機溶剤が65〜95重量%含有されていることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<分散>
本発明の着色組成物は、蛍光を有する色素(A)と、金属錯塩染料の造塩化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)と溶剤とからなる着色剤担体中、さらに顔料を含む場合、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、蛍光を有する色素(A)と、金属錯塩染料の造塩化合物(B)、有機顔料(D)、その他の併用可能な染料等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
《分散助剤》
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、造塩化合物は、顔料の分散助剤としての役割を果たすことも期待される。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加顔料の分散性向上の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、最も好ましくは3重量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。
樹脂型分散剤は、添加顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加顔料に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.1〜45重量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量%より多いと、過剰な分散剤により分散に悪影響を及ぼすことがある。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。
本発明の光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性単量体は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<多官能チオール>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の全固形分の重量を基準(100重量%)として好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。多官能チオールの含有量が0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の固形分重量を基準(100重量%)として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するもの、またはマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
<バインダー樹脂Cの製造方法>
(バインダー樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(バインダー樹脂溶液2の調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体溶液を得た。
次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。
樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してバインダー樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(バインダー樹脂溶液3の調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、グリセロールモノメタクリレート8.5部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体溶液を得た。
次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイオキシルエチルイソシアネート6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。
樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してバインダー樹脂溶液3を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
(バインダー樹脂溶液4の調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、共重合体溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させカルボキシル基と、共重合体溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してバインダー樹脂溶液4を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
<微細化顔料の製造方法>
(青色微細化顔料(P−1):PB15:6)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー株式会社「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(P−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
(紫色微細化顔料(P−2):PV23)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、118部の紫色微細化顔料(P−2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は26.4nmであった。
(黄色微細化顔料(P−3):PY150)
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、95部の黄色微細化顔料(P−3)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は39.2nmであった。
(緑色微細化顔料(P−4):PG36)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 36(トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)120部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部の緑色微細化顔料(P−4)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は32.6nmであった。
(赤色微細化顔料(P−5):PR177)
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(P−5)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は38.9nmであった。
(赤色微細化顔料(P−6):PR254)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「IRGAZIN RED 2030」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(P−6)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
<顔料ペーストの製造方法>
(顔料ペーストPP−1の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(PP−1)を作製した。
微細化顔料(P−1) :10.0部
バインダー樹脂溶液1 :35.0部
シクロヘキサノン :20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :20.0部
樹脂型分散剤 :15.0部
(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」の20%PGMAc溶液)
(顔料ペーストPP−2〜5の作製)
表1に記載した微細化顔料の種類に変更した以外は、顔料ペースト(PP−1)と同様に顔料ペースト(PP−2〜5)を得た。
Figure 2015018208
<カチオン性基を有する化合物(BY)の製造方法>
(カチオン性基を有する化合物:J−1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩5.0部、メチルメタクリレート27.5部、n−ブチルメタクリレート20.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、メタクリル酸3.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、3330である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のカチオン性基を有する樹脂J−1を得た。
(カチオン性基を有する化合物:J−2〜J−9)
表2に示した材料組成に変更した以外は樹脂J−1と同様にして樹脂J−2〜J−9を得た。
(カチオン性基を有する化合物:J−10)
カチオン性基を有する樹脂J−10は、中間体であるカチオン性基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂を合成した後、カルボキシル基とGMA(グリシジルメタクリレート)のグリシジル基を反応させることによって、熱架橋性基(メタクリロイル基)を有する、側鎖にカチオン性基を有する樹脂J−10を得た。以下に手順を示す。
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール75.1部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリ6.7部、n−ブチルメタクリレレート10.7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート21.1部、2−エチルヘキシルメタクリレート15.0部、メタクリル酸20.9部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩25.6部、および別途メチルエチルケトン23.4部に溶解した2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6.5部を、均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であることを確認し、中間体として側鎖にカチオン性基を有するTg(ガラス転移温度)が40℃の樹脂10'を得た。
次に、ブチルセロソルブを106.6部添加した後、80℃以上に加熱し、イソプロピルアルコールおよびメチルエチルケトンをブチルセロソルブと共沸させてイソプロピルアルコールおよびメチルエチルケトンを留去した。内温が100℃に達すると、これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、樹脂溶液の不揮発分が50%であることを確認した。その後、グリシジルメタクリレート28.1部、ジメチルベンジルアミン1.0部、メトキノン0.2部を仕込み、酸素を100ml/min(分)でバブリングした。その後、100℃に昇温し、6時間攪拌した。6時間後、1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、反応率が90%以上であることを確認し50℃へ冷却、カチオン性基を有する樹脂10を得た。メタクリル酸とグリシジルメタクリレートは等モルで反応するため、前駆体のメタクリル酸は20.9部は17.0部消費され、メタクリル酸・グリシジルメタクリレート変性物となっている。この場合、グリシジルメタクリレート残基部分28.1部と含めると45.1部となる。ここまで反応を終えた段階で、全てのモノマーを合計すると128.1部であるため、100.0部に換算した場合、メタクリル酸・グリシジルメタクリレート変性物は35.2部となる。
Figure 2015018208
MOI−BM:メタクリル酸 2-(0-[1'-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル
<アニオン性基を有する化合物の製造方法>
(アニオン性基を有する化合物:J−11)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸20.0部、メチルメタクリレート12.5部、n−ブチルメタクリレート20.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、メタクリル酸3.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、3240である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のアニオン性基を有する樹脂J−11を得た。
(アニオン性基を有する化合物:J−12)
表3に示した材料組成に変更した以外は樹脂J−11と同様にして樹脂J−12を得た。
(アニオン性基を有する化合物:J−13)
アニオン性基を有する樹脂J−13は、中間体であるアニオン性基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂を合成した後、カルボキシル基とGMA(グリシジルメタクリレート)のグリシジル基を反応させることによって、熱架橋性基(メタクリロイル基)を有する、アニオン性基を有する樹脂J−13を得た。以下に手順を示す。
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール75.1部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート6.7部、n−ブチルメタクリレート10.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート15.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート21.1部、メタクリル酸20.9部、2−アクリルアミド−2−メチルプパンスルホン酸25.6部、および別途メチルエチルケトン23.4部に溶解した2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6.5部を、均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であることを確認し、中間体として側鎖にアニオン性基を有するTg(ガラス転移温度)が40℃の樹脂J−13'を得た。
次に、ブチルセロソルブを106.6部添加した後、80℃以上に加熱し、イソプロピルアルコールおよびメチルエチルケトンをブチルセロソルブと共沸させてイソプロピルアルコールおよびメチルエチルケトンを留去した。内温が100℃に達すると、これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、樹脂溶液の不揮発分が50%であることを確認した。その後、グリシジルメタクリレート28.1部、ジメチルベンジルアミン1.0部、メトキノン0.2部を仕込み、酸素を100ml/min(分)でバブリングした。その後、100℃に昇温し、6時間攪拌した。6時間後、1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、反応率が90%以上であることを確認し50℃へ冷却、アニオン性基を有する樹脂J−13を得た。メタクリル酸とグリシジルメタクリレートは等モルで反応するため、前駆体のメタクリル酸は20.9部は17.0部消費され、メタクリル酸・グリシジルメタクリレート変性物となっている。この場合、グリシジルメタクリレート残基部分28.1部と含めると45.1部となる。ここまで反応を終えた段階で、全てのモノマーを合計すると128.1部であるため、100.0部に換算した場合、メタクリル酸・グリシジルメタクリレート変性物は35.2部となる。
Figure 2015018208
MOI−BM:メタクリル酸 2-(0-[1'-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル
<蛍光を有する色素(A)の製造方法>
(蛍光を有する色素(A−1))
水2000部に38.1部のカチオン性基を有する樹脂J−3を加え、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、80部の水、10部のメタノールに10部のAcid Red(ARと略す。)52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。その後、得られた析出物を、吸引濾過にて取り出し、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機で乾燥し、24部のAR52とカチオン性基を有する樹脂J−3との造塩化合物である蛍光を有する色素(A−1)を得た。アニオン性基を有する染料とカチオン性基を有する化合物である樹脂との塩交換反応による副生成物である塩、微量の未反応染料、未反応樹脂は、濃縮液を水中に攪拌しながら滴下したときに水に溶解するため吸引濾過時に除去した。また、その後の水洗でわずかに残る副生成物は完全に除いた。
(蛍光を有する色素(A−2〜6、11〜13、23〜25))
表4に示す色素と造塩用化合物の種類と重量部に変更した以外は、蛍光を有する色素(A−1)の製造方法と同様にして、蛍光を有する色素(A−2〜6、11〜13、23〜25))を製造した。
(蛍光を有する色素(A−7))
C.I.Basic Violet 10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B) 10部を水190部に十分に攪拌混合させることで溶解させる。一方、93.2部の水に6.8部のテトラトリフルオロメチルほう酸カリウム(K[B(CF34])を添加して十分攪拌混合させることで溶解させ、これに先ほどのC.I.ベーシックバイオレット10水溶液を少しずつ滴下していき、2時間室温にて攪拌を行った。ろ過後、200部の水で得られた固形物を水洗することで未反応のC.I.ベーシックバイオレット10、テトラフルオロメチルほう酸カリウムを除去し、その後、80℃にて乾燥して、蛍光を有する色素(A−7)を得た。収率は87.8%であった。
(蛍光を有する色素(A−8〜10、14〜17、26〜29))
表4に示す色素と造塩用化合物の種類と重量部に変更した以外は、蛍光を有する色素(A−7)の製造方法と同様にして、蛍光を有する色素(A−8〜10、14〜17、26〜29)を製造した。
(蛍光を有する色素(A−18):AR52変性化合物の造塩)
特開平6−194828号公報の記載に基づき、C.I.アシッドレッド52を常法によりスルホニルクロリド化後、ジオキサン中で理論当量の2−エチルへキシルアミンと反応させることで一般式(8)で示されるC.I.アシッドレッド52のスルホン酸アミド化合物を得た。
一般式(8):蛍光を有する色素(A−18)
Figure 2015018208
(蛍光を有する色素(A−19):BV10変性化合物の造塩)
還流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.Basic Violet 10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B)を20.0部、エチレングリコールモノイソブチルエーテル5.8部をジクロロメタン160mlに溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 8.8部、ジメチルアミノピリジン1.0部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、Basic Violet10変性物を得た。収率は51.6%であった。
次に、Basic Violet10変性物 10部を水190部に十分に攪拌混合させて溶解させる。一方、93.2部の水に12.1部のテトラペンタフルオロベンジルほう酸ナトリウム(NaB(C654)を添加して十分攪拌混合させることで溶解させ、これに先ほどのBasic Violet10変性物の水溶液を少しずつ滴下していき、2時間室温にて攪拌を行った。ろ過後、200部の水で得られた固形物を水洗することで未反応のBasic Violet10変性物、テトラペンタフルオロベンジルほう酸ナトリウムを除去し、その後、80℃にて乾燥して、一般式(9)に示す蛍光を有する色素(A−19)を得た。収率は86.8%であった。
一般式(9):蛍光を有する色素(A−19)
Figure 2015018208
(蛍光を有する色素(A−20))
ナフトールアゾ系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 269(山陽色素社製 「Permanent Carmine 3810」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料である、蛍光を有する色素(A−20)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は38.9nmであった。
(蛍光を有する色素(A−21))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「IRGAZIN RED 2030」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料である蛍光を有する色素(A−21)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
(蛍光を有する色素(A−22))
キノフタロン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 138(BASF社製「パリオトールエロー K0961HD」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料である蛍光を有する色素(A−22)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は38.7nmであった。
蛍光を有する色素(A)一覧
Figure 2015018208
<金属錯塩染料の造塩化合物(B)の製造方法>
[金属錯塩染料(BX)とカチオン性基を有する化合物(BY)の造塩化合物の製造]
(金属錯塩染料の造塩化合物(B−1))
N−メチルピロリドン20部にC.I.ソルベントオレンジ62(SO62:オリエント化学工業株式会社製 Valifast Orange 3209)10部を十分に攪拌混合させることで溶解させる。一方、3部の水にメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩2.86部を添加して十分攪拌混合させることで溶解させ、これを先ほどのC.I.ソルベントオレンジ62溶液に少しずつ滴下していき、50℃で2時間攪拌を行った。次に、これを2000部の水中に添加し、さらに1時間攪拌を実施した。得られた析出物を、吸引濾過にて取り出し、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機で乾燥し、32部のC.I.ソルベントオレンジ62とメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩との造塩化合物である、金属錯塩染料の造塩化合物(B−1)を得た。
(金属錯塩染料の造塩化合物(B−2〜31、34〜37、40〜54))
表5に示す金属錯塩染料種(BX)、カチオン性基を有する化合物(BY)の種類と重量部に変更した以外は、金属錯塩染料の造塩化合物(B−1)の製造方法と同様にして、金属錯塩染料の造塩化合物(B−2〜31、34〜37、40〜54)を製造した。
[金属錯塩染料(BX)と脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)の造塩化合物の製造]
(金属錯塩染料の造塩化合物(B−32))
メタノール100部中に、10部のエルカ酸アマイド(日本化成株式会社製 ダイヤミッドL−200)、15.6部の塩酸を70℃で3時間攪拌混合させることでエルカ酸アマイドの塩酸塩のメタノール水溶液を得た。一方、メタノール200部にC.I.ソルベントオレンジ62(SO62:オリエント化学工業株式会社製 Valifast Orange 3209)21.5部を、70℃で1時間攪拌混合させ、そこに先ほど得られたエルカ酸アマイドの塩酸塩のメタノール水溶液を加え、さらに50℃で3時間攪拌混合させた。次に、これを3000部の水中に添加し、さらにこれを1時間攪拌混合した。得られた析出物を、吸引濾過で取り出し、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機で乾燥し、20.9部のC.I.ソルベントオレンジ62とエルカ酸アマイドの塩酸塩との造塩化合物である金属錯塩染料の造塩化合物(B−32)を得た。
(金属錯塩染料の造塩化合物(B−33、B−38、B−39))
表5に示す金属錯塩染料種(BX)、脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)の種類と重量部に変更した以外は、金属錯塩染料の造塩化合物(B−32)の製造方法と同様にして、金属錯塩染料の造塩化合物(B−33、B−38、B−39)を製造した。
金属錯塩染料の造塩化合物(B)一覧
Figure 2015018208
<色素ペーストの製造方法>
(色素ペーストD−1の製造方法)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し色素ペースト(D−1)を作製した。
蛍光を有する色素(A−1) : 9.5部
金属錯塩染料の造塩化合物(B−1) : 0.5部
バインダー樹脂溶液1 :50.0部
シクロヘキサノン :20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :20.0部
(色素ペーストD−2〜196、198〜217の作製)
表6〜表8に示す蛍光を有する色素の種類を変更した以外は、色素ペーストD−1と同様にして色素ペーストD−2〜196、198〜217を作製した。
(色素ペーストD−197の製造方法)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(D−197)を作製した。
微細化顔料(P−6) :10.0部
バインダー樹脂溶液1 :35.0部
シクロヘキサノン :20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :20.0部
樹脂型分散剤 :15.0部
(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」の20%PGMAc溶液)
Figure 2015018208
Figure 2015018208
Figure 2015018208
<カラーフィルタ用着色組成物の製造>
[実施例1]
(着色組成物(DB−1)の作製)
色素ペースト(D−197)と、色素ペースト(D−1)を乾燥塗膜の色度が、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」C光源)測定においてx=0.661、y=0.323となるような配合比にて調整し、1時間ディスパーにて攪拌混合した。
[実施例2〜188、比較例1〜29]
(着色組成物(DB−2〜217))
表9〜表12に示す顔料ペースト、色素ペーストの種類に変更した以外は着色組成物DB−1と同様にして着色粗製物(DB−2〜217)を製造した。
<カラーフィルタ用着色組成物の評価>
得られた着色組成物(DB−1〜217)について、CR、耐熱性、および明度に関する試験を下記の方法で行った。結果を表9〜12に示す。
(塗膜のCR評価)
得られた着色組成物(DB−1〜217)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、回転数を変えて、230℃での熱処理後の膜厚が約1.5μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。乾燥条件は、塗布後70℃で20分、さらに230℃で30分であり、それぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1.5μmにおけるコントラストを一次相関法で求めた。判定基準は以下の通りである。×は使用困難なレベルである。
◎◎◎:CR≧10000以上
◎◎:CR=8000以上、10000未満
◎:CR=6000以上、8000未満
○:CR=5000以上、6000未満
×:CR=5000未満
(塗膜の明度評価)
得られた着色組成物(DB−1〜217)をスピンコーターにて100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にx=0.661になるように塗布し、オーブンにて230℃で30分焼成し、得られた着色組成物の塗布基板を得た。得られた塗布基板を用いて、明度(分光透過率)を測定した。なお、XYZ表色系色度図における明度(分光透過率)の測定は、分光光度計(OTSUKA LCF―1100M)を用いて行った。判定基準は以下の通りである。×は使用困難なレベルである。
◎◎:18.0以上
◎:17.6以上18.0未満
○:17.2以上17.6未満
×:17.2未満
(塗膜の耐熱性評価)
着色組成物(DB−1〜217)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記判定基準で評価した。×は使用困難なレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎◎:ΔEab*が1.0未満
◎:ΔEab*が1.0以上 1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上 3.0未満
×:ΔEab*が3.0以上
Figure 2015018208
Figure 2015018208
Figure 2015018208
Figure 2015018208
蛍光を有する色素と、金属錯塩染料の造塩化合物を併用した場合、蛍光を有する色素から発せられる蛍光を、金属錯塩染料の造塩化合物が効率よく消光し、高コントラスト比の着色粗製物を得ることが出来た。(実施例1〜188)
実施例の中でも、実施例1〜34、実施例83〜87、実施例115、実施例136〜140、実施例168は、カチオン性基を有する化合物(BY)の分子量が比較的小さいため、また、造塩処理を施したことで塗膜にしっかりと造塩化合物が残存するため消光能を損なわれ無いので、最も良好な高コントラスト比の着色粗製物を作製することが出来た。
実施例68〜78、実施例121〜131、実施例170〜180は、カチオン性基を有する化合物(BY)が低分子量ではあるが金属錯塩染料の種類がSO62や、SO41と比較して消光能力が低い金属錯塩染料であったため、その分コントラスト比が僅かに劣る結果となったが十分良好なコントラスト比を得ることができた。
また、カチオン性基を有する化合物(BY)として樹脂を用いた実施例44〜47、実施例49〜53、実施例79〜82、実施例97〜101、実施例103〜106、実施例132〜135、実施例150〜153、実施例155〜159、実施例185〜188は、カチオン性基を有する化合物が樹脂であるため造塩処理を施すことにより塗膜中にしっかりと造塩化合物は残存するが、金属錯塩染料の消光能力がその樹脂によって阻害されてしまうためコントラスト比はやや劣る結果となったが実用上は問題ないレベルであった。
また、実施例48、実施例101、実施例154、実施例54〜59、実施例65、実施例107〜111、実施例118、実施例160〜165、実施例171はに関しては、カチオン性基を有する化合物(BY)が樹脂であるが、樹脂中のメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩の量が多いため消光能が高いため、その結果として良好な高コントラスト比の着色粗製物を得ることが出来ている。
また、実施例60〜61、実施例66〜67、実施例113〜114、実施例119〜120、実施例166〜167、実施例172〜173に関しては金属錯塩染料と脂肪酸アマイドの酸塩(BZ)との造塩化合物を用いているが、脂肪酸アマイドの分子量は樹脂ほど大きくないため、金属錯塩染料の消光能は大きくは阻害されないため、また造塩化合物は塗膜中にしっかり残存するためコントラスト比は良好な結果であった。実施例35〜43、実施例63、実施例88〜96、実施例116、実施例141〜149、実施例169に関しても、分子量は樹脂ほど大きくないため、金属錯塩染料の消光能は大きくは阻害されないため、また造塩化合物は塗膜中にしっかり残存するためコントラスト比は良好な結果であった。
しかし、比較例1〜29は、金属錯塩染料の造塩化合物を使用していないため、蛍光を有する色素から発せられる蛍光のため、低コントラスト比の着色組成物となってしまった。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)の製造>
[実施例189]
(レジスト材(R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−1)を作製した。
着色組成物(DB−1) :60.0部
バインダー樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
[実施例190〜379、比較例30〜58]
(レジスト材(R−2〜220))
以下、着色組成物(DB−1)を表13〜表16に示す着色組成物、バインダー樹脂に変更した以外は実施例189と同様にして、レジスト材(R−2〜220)を作製した。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)の評価>
得られたレジスト材(R−1〜220)について、CR、耐熱性、および明度に関する試験を下記の方法で行った。結果を表13〜表16に示す。
(塗膜のCR評価)
得られたレジスト材(R−1〜220)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、回転数を変えて、230℃での熱処理後の膜厚が約1.5μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。乾燥条件は、塗布後70℃で20分、さらに230℃で30分であり、それぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1.5μmにおけるコントラストを一次相関法で求めた。判定基準は以下の通りである。×は使用困難なレベルである。
◎◎◎:CR≧10000以上
◎◎:CR=8000以上、10000未満
◎:CR=6000以上、8000未満
○:CR=5000以上、6000未満
×:CR=5000未満
(塗膜の明度評価)
得られたレジスト材(R−1〜208)をスピンコーターにてx=0.661になるように、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に塗布し、50mJ/cm2の露光量で紫外線により露光した後、23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で30分焼成し、得られた感光性着色組成物の塗布基板を得た。得られた塗布基板を用いて、明度(分光透過率)を測定した。なお、XYZ表色系色度図における明度(分光透過率)の測定は、分光光度計(OTSUKA LCF―1100M)を用いて行った。判定基準は以下の通りである。×は使用困難なレベルである。
◎◎:18.0以上
◎:17.6以上18.0未満
○:17.2以上17.6未満
×:17.2未満
(塗膜の耐熱性評価)
レジスト材(R−1〜220)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記判定基準で評価した。×は使用困難なレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎◎:ΔEab*が1.0未満
◎:ΔEab*が1.0以上 1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
×:ΔEab*が3.0以上
Figure 2015018208
Figure 2015018208

Figure 2015018208
Figure 2015018208
蛍光を有する色素と、金属錯塩染料の造塩化合物を併用した場合、蛍光を有する色素から発せられる蛍光を、金属錯塩染料の造塩化合物が効率よく消光し、高コントラスト比の着色粗製物を得ることが出来た。(実施例189〜379)
実施例の中でも、実施例189〜222、実施例271〜275、実施例303、実施例320〜322、実施例327〜331、実施例359は、カチオン性基を有する化合物(BY)の分子量が比較的小さいため、また、造塩処理を施しているため塗膜にしっかりと造塩化合物が残存するため消光能を損なわれること無いので、最も良好な高コントラスト比の着色粗製物を作製することが出来た。
実施例256〜266、実施例309〜319、実施例365〜375は、カチオン性基を有する化合物(BY)が低分子量ではあるが金属錯塩染料の種類がSO62や、SO41と比較して消光能力が低い金属錯塩染料であったため、その分コントラスト比が僅かに劣る結果となったが十分良好なコントラスト比を得ることができた。
また、カチオン性基を有する化合物(BY)として樹脂を用いた実施例232〜235、実施例237〜241、実施例267〜270、実施例285〜289、実施例291〜294、、実施例323〜326、実施例341〜344、実施例346〜350、実施例376〜379は、カチオン性基を有する化合物が樹脂であるため造塩処理を施すことにより塗膜中にしっかりと造塩化合物は残存するが、金属錯塩染料の消光能力がその樹脂によって阻害されてしまうためコントラスト比はやや劣る結果となったが実用上は問題ないレベルであった。また、実施例236、実施例289、実施例345、実施例242〜247、実施例253、実施例295〜300、実施例306、実施例351〜356、実施例362はに関しては、カチオン性基を有する化合物(BY)が樹脂であるが、樹脂中のメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩の量が多いため消光能が高いため、その結果として良好な高コントラスト比の着色粗製物を得ることが出来ている。また、実施例256〜257、実施例254〜255、実施例301〜302、実施例307〜308、実施例357〜358、実施例363〜364に関しては金属錯塩染料と脂肪酸アマイドの酸塩(BZ)との造塩化合物を用いているが、脂肪酸アマイドの分子量は樹脂ほど大きくないため、金属錯塩染料の消光能は大きくは阻害されないため、また造塩化合物は塗膜中にしっかり残存するためコントラスト比は良好な結果であった。実施例223〜231、実施例251、実施例276〜284、実施例304、実施例332〜340、実施例360に関しても、脂肪酸アマイドの酸塩と同様の理由で同じような結果となった。
しかし、比較例30〜58は、金属錯塩染料の造塩化合物を使用していないため、蛍光を有する色素から発せられる蛍光のため、低コントラスト比の着色組成物となってしまった。
<カラーフィルタの製造>
[実施例380]
まず、カラーフィルタの作製に使用する青色感光性着色組成物、及び緑色感光性着色組成物の作製を行った。尚、赤色については感光性着色組成物(R−29)を使用した。
(青色感光性着色組成物(RB−1)の作製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、青色感光性着色組成物(RB−1)を作製した。
顔料ペースト(PP−1) :24.0部
顔料ペースト(PP−2) :10.0部
バインダー樹脂溶液1 :15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) : 3.3部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :45.1部
(緑色感光性着色組成物(RG−1)の作製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、緑色感光性着色組成物(RG−1)を作製した。
顔料ペースト(PP−3) :17.0部
顔料ペースト(PP−4) :17.0部
バインダー樹脂溶液1 :15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) : 3.3部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :45.1部
(カラーフィルタの作製)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色感光性着色組成物(R−29)を、膜厚が2.0umになるように塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、本発明の緑色感光性着色組成物(RG−1)を膜厚が2umになるように、青色感光性着色組成物(RB−1)を膜厚が2umになるように、それぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
本発明の赤色感光性着色組成物(R−29)を用いることにより、高コントラスト比、高明度であるカラーフィルタを作製することが可能であった。



Claims (10)

  1. 蛍光を有する色素(A)、金属錯塩染料の造塩化合物(B)、及びバインダー樹脂(C)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  2. 金属錯塩染料の造塩化合物(B)が、金属錯塩染料(BX)と、カチオン性基を有する化合物(BY)とを反応させて得られた造塩化合物、あるいは金属錯塩染料(BX)と脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)とを反応させて得られた造塩化合物、であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. カチオン性基を有する化合物(BY)が、下記一般式(1)で表わされる化合物、または下記一般式(2)で表される構造単位を含む樹脂であることを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(1)
    Figure 2015018208
    [一般式(1)中、R1〜R4 は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R1〜R3のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]

    一般式(2)
    Figure 2015018208
    [一般式(2)中、R5は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R6〜R8 は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、―CONH−R9−、―COO−R9−を表し、R9はアルキレン基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
  4. 金属錯塩染料の造塩化合物(B)中の金属錯塩染料(BX)の中心金属が、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、および銅(Cu)からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項2または3いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 金属錯塩染料の造塩化合物(B)中の金属錯塩染料(BX)が、アゾ染料もしくはメチン染料を配位子とし、クロム、コバルトもしくはニッケルを中心金属とする金属錯塩染料である請求項2〜4いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 金属錯塩染料の造塩化合物(B)中の金属錯塩染料(BX)が、下記一般式(3)で表される化合物である請求項2〜5いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。

    一般式(3)
    Figure 2015018208

    [式(3)中、R10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、ニトロ基、ハロゲン原子、−SO2NHR30、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
    28及びR29は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、−SO2NHR30、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
    30は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
    1〜A4は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はMとの結合手を表す。
    Mは、Cr又はCoを表す。
    nは、1〜5の整数を表す。
    +は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。]
  7. 蛍光を有する色素(A)が、キサンテン系染料、キサンテン系レーキ顔料、シアニン系染料、アントラキノン系染料、ジケトピロロピロール系顔料、キノフタロン系染料、キノフタロン系顔料、アゾ系顔料、およびアゾ系染料からなる群から選ばれる少なくとも1種の染料または顔料であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. 脂肪酸アマイドの無機酸塩(BZ)を構成する脂肪酸アマイドが、不飽和脂肪酸アマイドであることを特徴とする請求項2〜7いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  9. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜8いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  10. 基板上に、請求項1〜9いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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