JP7226070B2 - 数値制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、数値制御装置に関する。
工作機械を制御するための制御条件を適切に決定する為に、工作機械の伝達特性を示す物理パラメータ(イナーシャ等)を高精度に設定する必要がある。特許文献1は、制御誤差の推定技術を開示する。該推定技術は、制御出力の観測値にプラントの逆モデルを適用して制御入力を演算する。そして、演算した制御入力と、制御入力の観測値との比較により、制御誤差を推定する。
特開2011-72178号公報
上記技術を適用して工作機械の物理パラメータを設定した時、工作機械の駆動時受ける偏荷重の影響が考慮されず、物理パラメータの精度が低下する。故に、工作機械を適切に制御できる制御条件を決定できない時があるという問題点がある。
本発明の目的は、工作機械の伝達特性のパラメータを精度良く設定して工作機械を適切に制御できる数値制御装置の提供である。
本発明の第一態様に係る数値制御装置は、被削材を加工する工具と前記被削材とを相対的に移動及び回転させる為のモータを備えた工作機械に対し、前記モータの駆動条件を示す指令を出力する数値制御装置であって、所定の前記駆動条件である入力条件を取得する取得部と、前記取得部により取得した前記入力条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記工作機械の伝達モデルを前記入力条件に適用して導出した導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルのパラメータを特定する特定部と、前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記指令を決定する決定部と、を備え、前記パラメータは、前記工作機械に関する慣性モーメント、粘性摩擦、クーロン摩擦、及び、偏荷重を含み、前記偏荷重は、前記被削材を保持するテーブルの回転角度に応じて変動し、前記モータを特定の方向に回転させようとする力又は前記モータのトルクを表す前記パラメータであることを特徴とする。
数値制御装置は、伝達モデルのパラメータに基づき、工作機械に出力してモータを駆動するための指令を決定する。ここで、伝達モデルのパラメータは、少なくとも偏荷重を含む。故に、数値制御装置は、偏荷重の影響を考慮した高精度なパラメータに基づき指令を決定し、決定した指令により工作機械を制御できる。
又、数値制御装置は、工作機械のテーブルの回転角度に応じて偏荷重が変動する場合でも、適切な指令を決定することで工作機械を制御できる。
本発明の第二態様に係る数値制御装置は、被削材を加工する工具と前記被削材とを相対的に移動及び回転させる為のモータを備えた工作機械に対し、前記モータの駆動条件を示す指令を出力する数値制御装置であって、所定の前記駆動条件である入力条件を取得する取得部と、前記取得部により取得した前記入力条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記工作機械の伝達モデルを前記入力条件に適用して導出した導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルのパラメータを特定する特定部と、前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記指令を決定する決定部と、を備え、前記パラメータは、前記工作機械に関する慣性モーメント、粘性摩擦、クーロン摩擦、及び、偏荷重を含み、前記決定部は、前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記モータの加減速時における加減速時定数を調整することで、前記指令を決定することを特徴とする第二態様によれば、数値制御装置は、伝達モデルのパラメータに基づき、工作機械に出力してモータを駆動するための指令を決定する。ここで、伝達モデルのパラメータは、少なくとも偏荷重を含む。故に、数値制御装置は、偏荷重の影響を考慮した高精度なパラメータに基づき指令を決定し、決定した指令により工作機械を制御できる。又、数値制御装置は、モータの加減速時における時定数を、偏荷重の影響を考慮して調整し、指令を決定できる。
本発明の第三態様に係る数値制御装置は、被削材を加工する工具と前記被削材とを相対的に移動及び回転させる為のモータを備えた工作機械に対し、前記モータの駆動条件を示す指令を出力する数値制御装置であって、所定の前記駆動条件である入力条件を取得する取得部と、前記取得部により取得した前記入力条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記工作機械の伝達モデルを前記入力条件に適用して導出した導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルのパラメータを特定する特定部と、前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記指令を決定する決定部と、を備え、前記パラメータは、前記工作機械に関する慣性モーメント、粘性摩擦、クーロン摩擦、及び、偏荷重を含み、前記決定部は、前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記工作機械に作用する外乱トルクを決定し、前記外乱トルクが所定の閾値をこえた時、機械が異常であると判断することを特徴とする第三態様によれば、数値制御装置は、伝達モデルのパラメータに基づき、工作機械に出力してモータを駆動するための指令を決定する。ここで、伝達モデルのパラメータは、少なくとも偏荷重を含む。故に、数値制御装置は、偏荷重の影響を考慮した高精度なパラメータに基づき指令を決定し、決定した指令により工作機械を制御できる。又、数値制御装置は、外乱トルクの異常を検出して適切に対処できる。
本発明の第四態様に係る数値制御装置は、被削材を加工する工具と前記被削材とを相対的に移動及び回転させる為のモータを備えた工作機械に対し、前記モータの駆動条件を示す指令を出力する数値制御装置であって、所定の前記駆動条件である入力条件を取得する取得部と、前記取得部により取得した前記入力条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記工作機械の伝達モデルを前記入力条件に適用して導出した導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルのパラメータを特定する特定部と、前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記指令を決定する決定部と、を備え、前記パラメータは、前記工作機械に関する慣性モーメント、粘性摩擦、クーロン摩擦、及び、偏荷重を含み、前記取得部は、前記入力条件として、設定可能な最大速度で前記モータが回転する早送り条件を取得し、前記決定部は、前記取得部により取得した前記早送り条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記伝達モデルを前記早送り条件に適用して導出した前記導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルの前記パラメータを決定することを特徴とする第四態様によれば、数値制御装置は、伝達モデルのパラメータに基づき、工作機械に出力してモータを駆動するための指令を決定する。ここで、伝達モデルのパラメータは、少なくとも偏荷重を含む。故に、数値制御装置は、偏荷重の影響を考慮した高精度なパラメータに基づき指令を決定し、決定した指令により工作機械を制御できる。又、数値制御装置は、偏荷重の影響を考慮した指令を、モータの回転速度に依らず決定できる。
第一態様から第四態様において、前記指令に基づき前記モータを駆動し、前記工具により前記被削材を加工する加工部を備えてもよい。
工作機械1の斜視図。 被削材支持装置8の斜視図。 数値制御装置40と工作機械1の電気的構成を示す電気ブロック図。 駆動回路51の制御系を示す図。 数値制御装置40の機能を示す機能ブロック図。 二段のFIRフィルタを適用した時の速度曲線と加速度曲線の図。 メイン処理の流れ図。 評価例1の評価結果を示すグラフ。 評価例2の評価結果を示すグラフ。
本発明の実施形態を、図面を参照し説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。工作機械1の左右方向、前後方向、上下方向は夫々、工作機械1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。右方向、前方向、上方向は夫々、正方向であり、左方向、後方向、下方向は夫々、負方向である。図1に示す工作機械1は、工具により被削材(図示略)の切削加工と旋削加工ができる複合機である。
<工作機械1の構造>
図1を参照し、工作機械1の構造を説明する。工作機械1は基台2、Y軸移動機構(図示略)、X軸移動機構(図示略)、Z軸移動機構(図示略)、移動体15、立柱5、主軸ヘッド6、主軸(図示略)、被削材支持装置8、工具交換装置9、制御箱(図示略)、数値制御装置40(図3参照)等を備える。基台2は架台11、主軸基台12、右側基台13、左側基台14等を備える。架台11は前後方向に長い略直方体状の構造体である。主軸基台12は前後方向に長い略直方体状に形成し、架台11上面後方に設ける。右側基台13は架台11上面右前方に設ける。左側基台14は架台11上面左前方に設ける。右側基台13と左側基台14は夫々、上面に被削材支持装置8を支持する。
Y軸移動機構は主軸基台12上面に設け、Y軸モータ62(図3参照)等を備える。Y軸移動機構はY軸モータ62の駆動により、略平板状の移動体15をY軸方向に移動する。X軸移動機構は移動体15上面に設け、X軸モータ61(図3参照)等を備える。X軸移動機構はX軸モータ61の駆動により、立柱5をX軸方向に移動する。立柱5は、Y軸移動機構、移動体15、X軸移動機構により、基台2上をX軸方向とY軸方向に移動可能である。Z軸移動機構は立柱5前面に設け、Z軸モータ63(図3参照)等を備える。Z軸移動機構はZ軸モータ63の駆動により、主軸ヘッド6をZ軸方向に移動する。主軸(図示略)は主軸ヘッド6内部に設け、主軸下部に工具装着穴(図示略)を備える。工具装着穴は工具を装着する。故に、X軸移動機構、Y軸移動機構、Z軸移動機構は夫々、主軸に装着した工具に対して被削材を相対的に、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動できる。主軸は主軸ヘッド6上部に設けた主軸モータ66(図3参照)で回転する。該時、主軸に設けた工具は、被削体に対して回転する。
工具交換装置9は立柱5と主軸ヘッド6周囲を取り巻く略円環状である。工具交換装置9は主軸ヘッド6を昇降する間に、主軸に現在装着する工具を交換する。制御箱は工作機械1を覆うカバー(図示略)の外壁に取り付ける。数値制御装置40(図3参照)は制御箱の内側に格納する。数値制御装置40はNCプログラムに基づき工作機械1の動作を制御する。工作機械1を覆うカバーは外壁面に操作盤10(図3参照)を備える。操作盤10は操作部18と表示部19を備える。操作部18は数値制御装置40の各種設定を行う。表示部19は各種画面、メッセージ、アラーム等を表示する。
被削材支持装置8は右側基台13と左側基台14の上面に固定する。図2に示すように、被削材支持装置8はA軸台20、左側支持台27、駆動機構部28、回転台29、C軸駆動部30等を備える。A軸台20は台部21、右連結部22、左連結部23を備える。台部21は、A軸台20の傾斜角度が0度で上面が水平面となる平面視略長方形状の板状部である。右連結部22は台部21の右端部から右斜め上方に延び且つ駆動機構部28と回動可能に連結する。左連結部23は台部21の左端部から左斜め上方に延び且つ後述する左側支持台27と回動可能に連結する。左連結部23はその左端面から左方に突出する略円柱状の支軸31を有する。左側支持台27は支軸31を回転可能に支持する。左側支持台27の底部は、左側基台14(図1参照)の上面に固定する。
駆動機構部28はA軸台20右側に位置する。駆動機構部28は内側に、右側支持台(図示略)、A軸モータ65(図3参照)等を格納する。右連結部22はその右端面から右方に突出する略円柱状の支軸(図示略)を有する。右側支持台は右連結部22の支軸を回転可能に支持する。右連結部22の支軸とA軸モータ65の出力軸は、互いに連結する。A軸モータ65の出力軸が回転すると、A軸台20はX軸方向に対して平行な支軸31を中心に、右連結部22と一体して回転する。A軸台20を回転する軸はA軸である。駆動機構部28は工具に対して被削材を、A軸を中心として回転できる。A軸台20はA軸回りに任意角度で傾くことで、主軸に装着する工具に対して被削材を任意方向に傾けることができる。右側支持台の底部は、右側基台13(図1参照)の上面に固定する。
回転台29は台部21上面略中央に回転可能に設ける。回転台29は円盤状に形成し、A軸台20上面略中央に設ける。C軸駆動部30は台部21下面に設け且つ台部21の略中央に設けた穴(図示略)を介して回転台29と連結する。C軸駆動部30は内部に回転軸(図示略)、C軸モータ64(図3参照)等を備える。回転軸は回転台29に対して直交する方向に延びる。回転軸は回転台29に固定する。C軸モータ64は回転軸に固定する。故に、C軸モータ64が回転軸を回転すると、回転台29はZ軸方向に平行な軸を中心に回転可能である。回転台29を回転する軸はC軸である。回転台29上面の冶具200は、被削材を固定する。C軸駆動部30は工具に対して被削材を、C軸を中心として回転できる。
<電気的構成>
図3を参照して数値制御装置40と工作機械1の電気的構成を説明する。数値制御装置40はCPU41、ROM42、RAM43、フラッシュメモリ44、入出力部45、駆動回路51~56を備える。工作機械1はX軸モータ61、Y軸モータ62、Z軸モータ63、C軸モータ64、A軸モータ65、主軸モータ66、エンコーダ71~76を備える。以下、駆動回路51~56を区別しない時、駆動回路50と総称する。X軸モータ61、Y軸モータ62、Z軸モータ63、C軸モータ64、A軸モータ65、主軸モータ66を区別しない時、モータ60と総称する。エンコーダ71~76を区別しない時、エンコーダ70と総称する。
CPU41は工作機械1の動作を制御する。ROM42は後述するメイン処理(図7参照)を実行する為の制御プログラム等を記憶する。RAM43は各種処理実行中に発生する各種データを記憶する。フラッシュメモリ44はNCプログラム等を記憶する。入出力部45は駆動回路50、エンコーダ70、操作部18、表示部19との間で各種信号の入出力を行う。
駆動回路50は、CPU41が出力する指令に基づき、モータ60にパルス信号を出力する。エンコーダ70は、対応するモータ60の回転位置を検出し、該検出信号を駆動回路50及び入出力部45に出力する。モータ60は何れもサーボモータである。エンコーダ70は一般的な絶対値エンコーダであり、回転位置の絶対位置を検出して出力する位置センサである。
図4を参照し、駆動回路50のサーボ制御系を説明する。数値制御装置40のCPU41は、NCプログラムの制御指令に基づいて目標位置のデータ(後述)を生成し、駆動回路50に出力する。エンコーダ70は、モータ60の現在の位置情報を位置フィードバック信号として、駆動回路50に出力する。駆動回路50は、該フィードバック信号及び該データに基づき、モータ60に出力する駆動電流を制御する。
詳細は次の通りである。駆動回路50の加算器50Aは、実際の位置の信号である位置フィードバック信号と位置指令との位置偏差を算出し、該位置偏差に位置比例ゲインを乗ずることで速度指令を算出する。加算器50Bは、算出した速度指令と実際の速度、即ち位置フィードバック信号を微分器50Cで微分して得た速度フィードバック信号との速度偏差を算出する。加算器50Dは、加算器50Bが算出した速度偏差に速度比例ゲインを乗ずることで得た電流指令と、上記速度偏差を積分器50Eで積分してその積分結果に速度積分ゲインを乗ずることで得た電流指令を加算し、トルク指令を生成する。駆動回路50は、トルク指令を示すパルス信号により、モータ60を駆動する。
<送り軸制御>
被削材に対して工具を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、A軸方向、C軸方向に相対移動させて加工するNCプログラムの指令(以下、「送り軸指令」と称す。)に基づき、工作機械1が駆動する場合を例示する。以下、工具に対して被削材を、A軸まわりに移動する場合を例示して説明する。被削材に対して工具を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、C軸方向に移動する場合については、A軸まわりに移動する場合と同様であるので、説明は省略する。
図5に示すように、数値制御装置40のCPU41は、はじめにNCプログラムを読み込み、NCプログラムから送り軸指令を取得する(P1)。CPU41は、被削材を送り軸指令により指定した角度まで移動する為、目標位置の時系列データを決定する(P2)。CPU41は、所定周期で目標位置のデータを駆動回路55に出力する。該データは、目標位置まで被削材を移動する為のA軸モータ65の駆動条件を示す。
駆動回路55は、CPU41が出力した目標位置のデータに基づき、A軸モータ65を駆動する。A軸モータ65は、A軸台20を目標位置までA軸まわりに回転する。CPU41が駆動回路51に目標位置のデータを入力する都度、駆動回路55はA軸モータ65を駆動する。これにより、A軸台20は、送り軸指令により指定した回転角度(以下、「指令角度」と称す。)に最終的に到達する。送り軸指令に基づきCPU41が実行する上記の制御を、「送り軸制御」と称す。
図6を参照し、CPU41による目標位置の時系列データの決定方法について説明する。図6(A)(B)に示すように、はじめにCPU41は、送り軸指令の指令角度までA軸台20が移動する時の速度が一定に推移する(図6(B))ように、各目標位置を決定する(図6(A))。次にCPU41は、図6(B)に示す速度の時系列変化を示す波形(以下、「速度波形」と称す。)に移動平均フィルタ(以下、「FIRフィルタ」と称す)を少なくとも二回適用し、速度変化を滑らかにする(図6(C)(D))。一回目に適用するFIRフィルタを「第一FIRフィルタ」と称し、図6において「FIR1」と表す。第一FIRフィルタを適用した時の速度の時定数を、「T1」と称す。二回目に適用するFIRフィルタを「第二FIRフィルタ」と称し、図6において「FIR2」と表す。第二FIRフィルタを適用した時の速度の時定数を、「T2」と称す。
図6(B)に示す速度波形に第一FIRフィルタを適用した時、図6(C)に示すように、速度波形のうち速度が0からVmaxまで変化する部分(立ち上がり部分)、及び、速度がVmaxから0まで変化する部分(立ち下がり部分)の傾き(加速度)は一定となる。速度波形の立ち上がり部分及び立ち下がり部分の時間(以下、夫々を「立ち上がり時間」「立ち下がり時間」と称す。)は、何れもt1となる。t1は、速度波形に第一FIRフィルタを適用した時の時定数T1に対応する。
第一FIRフィルタを適用した速度波形(図6(C)参照)に第二FIRフィルタを適用した時、図6(D)に示すように、速度波形の立ち上がり部分及び立下り部分の傾き(加速度)が一定となる部分の開始部分及び終了部分で、速度は緩やかに変化する。該時、加速度の時系列変化を示す波形(以下、「加速度波形」と称す。)において、速度が緩やかに変化する部分に対応する傾きは一定となる。速度波形の立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、夫々t2ずつ増加し、「t1+t2」となる。t2は、速度波形に第二FIRフィルタを適用した時の時定数T2に対応する。以上のように、CPU41は、速度に複数のFIRフィルタを適用することで、送り軸制御時における被削材支持装置8の移動速度の変化を緩和する。第一FIRフィルタの時定数T1及び第二FIRフィルタの時定数T2は、制御対象となるA軸モータ65の加減速時における加減速時定数に対応する。
CPU41は、P1の工程(図5参照)によりNCプログラムから取得した送り軸指令に基づいて、所定周期毎に工具の速度(図6(B)参照)を算出する。CPU41は、時定数T1、T2の夫々の第一FIRフィルタ及び第二FIRフィルタを、算出した速度に適用することで、速度波形の形状に対応する加減速特性を調整する(図6(C)(D))。CPU41は、第一FIRフィルタ及び第二FIRフィルタを適用して算出した速度波形(図6(D)参照)に基づき、所定周期毎の目標位置を決定する。CPU41は、決定した目標位置のデータを所定周期で駆動回路51に出力する。尚、CPU41は、後述のP4(図5参照)の工程で、第一FIRフィルタ及び第二FIRフィルタの時定数T1、T2を最適化して調整する。CPU41は、調整した時定数T1、T2の第一FIRフィルタ及び第二FIRフィルタを用いる。
駆動回路51は、CPU41が所定周期で出力する目標位置のデータに基づき、A軸モータ65を駆動する。A軸モータ65は、A軸台20を目標位置までA軸まわりに回転する。A軸台20は所定周期毎に目標位置まで回転する動作を繰り返す。これにより、A軸台20は、送り軸指令により指定した指令角度に最終的に到達する。
<提案モデル>
工作機械1において、偏荷重は、被削材支持装置8のA軸台20の回転角度に応じて変動し、A軸モータ65を特定の方向に回転させようとする力又はトルクを示す。より具体的には、図2に示すように、A軸台20の重心Cを定義する時、該重心Cは、支軸31の回転中心Rに対して下方に位置する。故に、A軸モータ65が回転する時、該重心Cに対して鉛直下向き方向に偏荷重による力が作用する。
故に、本発明では、偏荷重Fθsin(θ)を定義する。偏荷重係数Fθは偏荷重を算出するためのパラメータである。θ=0は、A軸台20が鉛直下向き方向に位置することを表すものとする。尚、以下において、「θ(上付き一つドット)」は、角度の一回時間微分を示す。「θ(上付き二つドット)」は、角度の二回時間微分を示す。式(1)は、本実施形態において制御対象となるモデルを示す。uは駆動回路55がA軸モータ65に対して出力するトルク、Jは工具被削材支持装置8に関する慣性モーメントである。
Figure 0007226070000001
式(1)において、fは式(2)の関係を満たす。ここで、Dは工具被削材支持装置8に関する粘性摩擦係数、Fは工具被削材支持装置8に関するクーロン摩擦である。
Figure 0007226070000002
駆動回路55が出力するトルクuは、式(1)のモデルによって推定可能である。推定誤差e(ρ)は式(3)により導出可能である。但し、ρは特定するパラメータ、xはエンコーダ75からのフィードバック値、GLPFは、微分ノイズを除去する為のローパスフィルタである。
Figure 0007226070000003
式(3)において、ρ及びxは、それぞれ式(4-1)(4-2)の関係を満たす。
Figure 0007226070000004
Figure 0007226070000005
CPU41は、図5に示すように、評価関数|e(ρ)|が最小になるρを逐次最小二乗法により特定する(P3)。具体的には、逐次最小二乗法とは、ステップkにおける特定中のパラメータをサーカムフレックス付きのρ(以下、ρ^と表記する)(k)、ステップkにおける推定誤差e(ρ)をε(k)、ステップkにおける共分散行列をP(k)と置いた時、ρ^(k)、ε(k)、P(k)は以下の式(5-1)、(5-2)、(5-3)を計算することによって実現される。
Figure 0007226070000006
Figure 0007226070000007
Figure 0007226070000008
ρ^(k)、ε(k)、P(k)は、何れも上記式(5-1)、(5-2)、(5-3)よりステップ(k-1)における該ρ^(k―1)、ε(k―1)、P(k―1)及びステップkにおけるトルクu(k)、フィードバック値x(k)用いて逐次的に算出可能である。故に上記式(5-1)、(5-2)、(5-3)を毎ステップ計算することで、最終的に評価関数|e(ρ)|が最小になるρを逐次的に算出できる。
上記逐次最小二乗法により、CPU41は、偏荷重Fθsin(θ)を考慮したモデルにおいて、評価関数|e(ρ)|が最小になるρを特定することで、推定誤差eを最小にする慣性モーメントJ、粘性摩擦係数D、クーロン摩擦F、偏荷重係数Fθを特定できる。以下、上記評価関数を用いて特定した慣性モーメントJ、粘性摩擦係数D、クーロン摩擦F、偏荷重係数Fθを総称して「モデルパラメータ」と称す。
CPU41は更に、特定したモデルパラメータに基づき、目標位置の時系列データを決定する為に用いる第一FIRフィルタ及び第二FIRフィルタ(図6参照)の時定数T1、T2を特定する(P4)。CPU41は、特定した時定数T1、T2に基づき、目標位置の時系列データを決定する(P1)。又、CPU41は、特定したモデルパラメータに基づき、工作機械1に作用する後述の外乱ノイズを特定する(P4)。CPU41は、特定した外乱ノイズが所定の閾値を超えた時、工作機械1の動作を停止する。
<メイン処理>
図7を参照し、数値制御装置40のCPU41が実行するメイン処理について説明する。メイン処理は、数値制御装置40の電源がONした時、フラッシュメモリ44に記憶したプログラムをCPU41が読み出し実行することにより開始する。
CPU41は、モデルパラメータを同定する動作モード(以下、「同定モード」と称す。)で動作するか判定する(S11)。CPU41は、操作部18を介して作業者が同定モードで動作する設定を入力しない時、同定モードで動作しないと判定する(S11:NO)。該時、CPU41は、処理を後述のS25に進める。CPU41は、作業者が動作モードで動作する設定を入力した時、同定モードで動作すると判定する(S11:YES)。該時、CPU41は、処理をS13に進める。
CPU41は、フラッシュメモリ44に記憶したNCプログラムを読み出す(S13)。CPU41は、読み出したNCプログラムの指令が、早送り条件を満たすか判定する(S15)。早送り条件とは、工作機械1において設定可能な最大速度でモータ60が回転する動作条件を示す。CPU41は、早送り条件を満たす命令であると判定した時(S15:YES)、処理をS17に進める。該工程は、図5のP1の工程に対応する。
CPU41は、取得した早送り条件に応じて駆動回路50に出力する目標位置の時系列データ(目標値r)を、フラッシュメモリ44に記憶した第一フィルタ及び第二FIRフィルタ(図6参照)の時定数T1、T2に基づいて決定する(S17)。該処理は、図5のP2の工程に対応する。尚、CPU41は後述のS29を実行していない時、フラッシュメモリ44に記憶した時定数T1、T2の初期値を用いて目標位置の時系列データを決定する。CPU41は、決定した目標位置の時系列データを、駆動回路50に出力する(S19)。該時、駆動回路50は対応するモータ60を駆動する。工作機械1は、工具により被削材を加工する(S19)。
次にCPU41は、駆動回路55が出力したトルクu及びエンコーダ75からのフィードバック値xを適用した評価関数|e(ρ)|2(式(3)参照)に基づき、推定誤差eが最小になる時のモデルパラメータ(慣性モーメントJ、粘性摩擦係数D、クーロン摩擦F、偏荷重係数Fθ)を特定する(S21)。該処理は、図5のP3の工程に対応する。CPU41は、処理をS13に戻す。
CPU41は、早送り条件を満たす指令でないと判定した時(S15:NO)、処理をS23に進める。CPU41は、S13の処理により読み出したNCプログラムの指令が、工作機械1の動作を停止する指令であるか判定する(S23)。CPU41は、工作機械1の動作を停止する指令でないと判定した時(S23:NO)、処理をS13に戻す。
CPU41は、同定モードで動作しないと判定した時(S11:NO)、S21の処理により特定したモデルパラメータに基づき、工作機械1に作用する外乱トルクを特定する(S25)。CPU41は、決定したトルクが所定の閾値よりも大きいか判定する(S27)。CPU41は、決定したトルクが閾値以下と判定した時(S27:NO)、処理をS13に戻す。CPU41は、決定したトルクが閾値よりも大きいと判定した時(S27:YES)、工作機械1が異常であると判定して、処理をS30に進める。
特定したモデルパラメータに基づいて外乱トルクを決定する方法の一例は、次の通りである。CPU41は、式(6)により、エンコーダ75が出力するフィードバック値に基づき、推定トルクTestを導出する。
Figure 0007226070000009
又、CPU41は、対応するモータ65の駆動回路55より出力トルクを取得する。ここで、「外乱トルク=出力トルク-推定トルク」の関係が成立する。故に、CPU41は、導出した出力トルク及び推定トルクTestに基づき外乱トルクを精度良く推定できる。
CPU41は、工作機械1が異常であると判定したとき、工作機械1の動作を停止して表示部19にアラームメッセージを表示する(S30)。その後、CPU41は、メイン処理を終了する。
CPU41は、工作機械1の動作を停止する指令であると判定した時(S23:YES)、処理をS29に進める。CPU41は、S21の処理により特定したモデルパラメータに基づき、第一FIRフィルタ及び第二FIRフィルタ(図6参照)の時定数T1、T2を決定する(S29)。CPU41は、フラッシュメモリ44に記憶した時定数T1、T2を、決定した時定数T1、T2により更新する(S29)。その後、CPU41は、メイン処理を終了する。
時定数T1、T2の決定方法の第一例は、次の通りである。CPU41は、特定したモデルパラメータ(慣性モーメントJ、粘性摩擦係数D、クーロン摩擦F、偏荷重係数Fθ)、モータの最高回転速度vmax、モータの最大トルクTmaxより、モータが出力可能な最大の加速度amaxを、式(7-1)により導出する。
max=(Tmax-Fθ-Fc-Dvmax)/J (7-1)
CPU41は、時定数tの移動平均フィルタを用いて加減速を行う場合、最大加速度amaxを超えない最小限の時定数tminを、式(7-2)により導出する。時定数T1がtmin以上なら、加減速時のトルクはモータの最大トルクTmaxを超えることはない。
min=vmax/amax (7-2)
該決定方法により、モータ60のトルクを最大限に利用できる時定数T1、T2を決定できる。
時定数T1、T2の決定方法の第二例は、次の通りである。移動平均フィルタを用いてモータ60の加減速を行う時、例えば機械系が1自由度系である場合には固有振動の周期Tを式(8)により導出できる。Jは特定したモデルパラメータの慣性モーメント、Kは別途測定もしくは算出した機械系のねじり剛性である。
opt=2π√(J/K) (8)
該時、CPU41は、FIRフィルタの時定数T1もしくはT2をToptとすることにより、固有振動数を励起せずにモータ60の加減速を行うことができる。従って、CPU41は、特定したモデルパラメータから算出された該時定数の適用により、機械系の固有振動数を打ち消すことができるので、工作機械1の固有振動を抑制できる。
尚、CPU41は、次に工作機械1の電源をONしてメイン処理を開始した時、前回のメイン処理のS29の処理により更新した時定数T1、T2に基づいて、目標位置の時系列データ(目標値r)を決定する(S17)。
<評価例1>
早送り条件を満たす指令に基づき、モデルパラメータを特定した。A軸台20の最高速度360(deg/s)、最大加速度2880(deg/s)であり、且つ、移動範囲が-30(deg)~120(deg)の往復運動を示す指令を、評価対象として用いた。第一FIRフィルタの時定数T1、及び、第二FIRフィルタの時定数T2を夫々、125msとした。該時、モデルパラメータとして、慣性モーメントJ:0.0051[N/(deg/sec)]、偏荷重係数Fθ:8.6[Nm]、クーロン摩擦F:1.3[Nm]、粘性摩擦係数D:0.0061[Nm/(deg/sec)]を導出した。
<評価例2>
図8は、CPU41が駆動回路55に目標値rを出力したことに応じてA軸モータ65に生じる実際のトルク(測定値)と、上記のように特定したモデルパラメータ及びエンコーダ75からのフィードバック値xを式(6)に適用したときに推定されるA軸モータ65のトルク(推定値)との関係を示す。
図8に示すように、移動中のトルク(推定値)は、トルク(測定値)に非常に近似した。故に、本実施形態の方法により、モデルパラメータを精度良く導出できることが分かった。
<評価例3>
図9は、A軸モータ65の回転速度とトルクとの関係を示す。図9の各プロット点は、A軸モータ65をそれぞれの回転速度で、一定回転速度で動作させて測定された実際のトルクを示す。図9の2本の一次直線は、上記のように特定したモデルパラメータ及びエンコーダ75からのフィードバック値xを式(6)に適用したときの、回転速度とトルクとの関係を示す。
図9に示すように、特定されたモデルパラメータに基づく2本の一次直線は、実際に測定されたトルクの変化を良好に近似することが分かった。このことから、上記の方法で特定されたモデルパラメータが、実際の駆動回路系を良好に反映するものであることが分かった。
<本実施形態の作用、効果>
工作機械1において、高速且つ高精度な制御を行う為の制御パラメータの決定には、工作機械1に関連する慣性モーメント等の物理パラメータが必要である。例えば、モータ65の最大加速度を決定するFIRフィルタの時定数は、モータ65の回転軸の慣性モーメントと最大トルクの関係から、適切な値を自動的に算出するのが好ましい。その理由は、A軸台20上の積載質量が時々刻々と変化するためである。これに対し、従来の方法では、A軸台20上の積載質量により発生する偏荷重Fθsin(θ)を物理パラメータに適用できなかった為、時定数の設定時に偏荷重Fθsin(θ)を考慮した大きなマージンが必要となり、サイクルタイムの短縮及び精度の向上を阻害していた。
これに対し、数値制御装置40のCPU41は、偏荷重Fθsin(θ)を含むモデルパラメータを定義する。故に、数値制御装置40は、偏荷重の影響を考慮した高精度なモデルパラメータに基づき目標指令を決定し、決定した指令により工作機械1を制御できる。
偏荷重Fθsin(θ)は、被削材を保持するA軸台20の回転角度に応じて変動する。偏荷重Fθsin(θ)は、A軸モータ65を特定の方向に回転させようとする力、又はトルクである。該時、数値制御装置40は、工作機械1のA軸台20の回転角度に応じて偏荷重Fθsin(θ)が変動する場合でも、適切な目標指令を決定することで工作機械1を制御できる。
CPU41は、特定したモデルパラメータに基づき、FIRフィルタの時定数T1、T2を調整する。時定数T1、T2は、モータ65の加減速時定数に対応する。CPU41は、調整した時定数T1、T2の第一FIRフィルタ及び第二FIRフィルタを適用することで、目標位置の時系列データを作成する。該時、数値制御装置40は、モータ65の加減速時における時定数を、偏荷重Fθsin(θ)の影響を考慮して調整し、目標位置の時系列データを決定できる。
CPU41は、特定したモデルパラメータに基づき、外乱トルクを算出する。CPU41は、外乱トルクが所定の閾値よりも大きい時(S27:YES)、工作機械1の状態が異常であると判定して動作を停止する(S30)。故に、数値制御装置40は、外乱トルクが過大な状態となった時、工作機械1の動作を停止させて安全性を確保できる。
CPU41は、NCプログラムの指令が早送り条件を満たす時(S15:YES)、モデルパラメータを特定する。早送り条件とは、工作機械1において設定可能な最大速度でモータ65が回転する動作条件を示す。尚、時定数T1、T2はモータ速度によらず一定であるので、該条件でモータ65が駆動する時、モータの加速度は最も大きくなる。故に、数値制御装置40は、速度及び加速度が0から最大までの全ての条件を考慮してモデルパラメータを特定するので、モータ65の回転速度、加速度に依らずモデルパラメータを決定できる。
<変形例>
本発明は、上記実施形態に限らない。数値制御装置40は工作機械1に設ける場合に限らず、工作機械1とは別体に設けてもよい。例えば数値制御装置40は、工作機械1に接続した装置(PC、専用機等)でもよい。
上記実施例はA軸モータ65に関するモデルパラメータの特定について示したが、偏荷重の影響を受ける他の軸についても実施可能である。例えば工作機械1のC軸モータ64について実施する場合、C軸上の偏荷重はA軸の影響も受けるため、偏荷重の算出式はFθsin(θ)sin(θ)である。θはA軸の角度、θはC軸の角度を表す。工作機械1とは異なる機械構成を持つ機械に対しても、偏荷重を受ける軸については当然実施可能である。
CPU41は、特定したモデルパラメータに基づき、FIRフィルタの時定数及び外乱トルクの特定以外の処理を実行してもよい。例えば数値制御装置40は、エンコーダ70が出力したフィードバック信号に基づくフィードバック制御だけでなく、フィードフォワード制御を実行してもよい。該時、CPU41は、フィードフォワード制御のパラメータを、決定したモデルパラメータにより最適化してもよい。又、フィードバック制御の位置比例ゲイン、速度比例ゲイン、速度積分ゲイン等の制御パラメータを最適化してもよい。該時、数値制御装置40は、工作機械1高速且つ高精度に制御できる。
CPU41は、NCプログラムの指令が早送り条件を満たす時、モデルパラメータの決定を行い、時定数T1、T2等を特定した。これに対し、CPU41は、指令が他の条件を満たす時にモデルパラメータの決定を行ってもよい。例えばCPU41は、指令が切削送り指令の時にモデルパラメータを特定してもよい。又、例えばCPU41は、指令に基づく工作機械1の動作が複数の静止状態である時に、モデルパラメータを特定してもよい。
<その他>
S15の処理を行うCPU41は、本発明の「取得部」の一例である。S21の処理を行うCPU41は、本発明の「特定部」の一例である。S17の処理を行うCPU41は、本発明の「決定部」の一例である。モデルパラメータは、本発明の「パラメータ」の一例である。駆動回路50は、本発明の「加工部」の一例である。
1 :工作機械
6 :主軸ヘッド
20 :A軸台
40 :数値制御装置
41 :CPU
50、51、52、53、54、55、56 :駆動回路
60、61、62、63、64、65、66 :モータ
70、71、72、73、74、75、76 :エンコーダ

Claims (8)

  1. 被削材を加工する工具と前記被削材とを相対的に移動及び回転させる為のモータを備えた工作機械に対し、前記モータの駆動条件を示す指令を出力する数値制御装置であって、
    所定の前記駆動条件である入力条件を取得する取得部と、
    前記取得部により取得した前記入力条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記工作機械の伝達モデルを前記入力条件に適用して導出した導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルのパラメータを特定する特定部と、
    前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記指令を決定する決定部と、
    を備え、
    前記パラメータは、
    前記工作機械に関する慣性モーメント、粘性摩擦、クーロン摩擦、及び、偏荷重を含み、
    前記偏荷重は、
    前記被削材を保持するテーブルの回転角度に応じて変動し、前記モータを特定の方向に回転させようとする力又は前記モータのトルクを表す前記パラメータであることを特徴とする数値制御装置。
  2. 被削材を加工する工具と前記被削材とを相対的に移動及び回転させる為のモータを備えた工作機械に対し、前記モータの駆動条件を示す指令を出力する数値制御装置であって、
    所定の前記駆動条件である入力条件を取得する取得部と、
    前記取得部により取得した前記入力条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記工作機械の伝達モデルを前記入力条件に適用して導出した導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルのパラメータを特定する特定部と、
    前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記指令を決定する決定部と、
    を備え、
    前記パラメータは、
    前記工作機械に関する慣性モーメント、粘性摩擦、クーロン摩擦、及び、偏荷重を含み、
    前記決定部は、
    前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記モータの加減速時における加減速時定数を調整することで、前記指令を決定することを特徴とする数値制御装置。
  3. 被削材を加工する工具と前記被削材とを相対的に移動及び回転させる為のモータを備えた工作機械に対し、前記モータの駆動条件を示す指令を出力する数値制御装置であって、
    所定の前記駆動条件である入力条件を取得する取得部と、
    前記取得部により取得した前記入力条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記工作機械の伝達モデルを前記入力条件に適用して導出した導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルのパラメータを特定する特定部と、
    前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記指令を決定する決定部と、
    を備え、
    前記パラメータは、
    前記工作機械に関する慣性モーメント、粘性摩擦、クーロン摩擦、及び、偏荷重を含み、
    前記決定部は、
    前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記工作機械に作用する外乱トルクを決定し、前記外乱トルクが所定の閾値をこえた時、機械が異常であると判断することを特徴とする数値制御装置。
  4. 被削材を加工する工具と前記被削材とを相対的に移動及び回転させる為のモータを備えた工作機械に対し、前記モータの駆動条件を示す指令を出力する数値制御装置であって、
    所定の前記駆動条件である入力条件を取得する取得部と、
    前記取得部により取得した前記入力条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記工作機械の伝達モデルを前記入力条件に適用して導出した導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルのパラメータを特定する特定部と、
    前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記指令を決定する決定部と、
    を備え、
    前記パラメータは、
    前記工作機械に関する慣性モーメント、粘性摩擦、クーロン摩擦、及び、偏荷重を含み、
    前記取得部は、
    前記入力条件として、設定可能な最大速度で前記モータが回転する早送り条件を取得し、
    前記決定部は、
    前記取得部により取得した前記早送り条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記伝達モデルを前記早送り条件に適用して導出した前記導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルの前記パラメータを決定することを特徴とする数値制御装置。
  5. 前記決定部は、
    前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記モータの加減速時における加減速時定数を調整することで、前記指令を決定することを特徴とする請求項に記載の数値制御装置。
  6. 前記決定部は、
    前記特定部により特定した前記パラメータに基づき、前記工作機械に作用する外乱トルクを決定し、前記外乱トルクが所定の閾値をこえた時、機械が異常であると判断することを特徴とする請求項1、2、5の何れかに記載の数値制御装置。
  7. 前記取得部は、
    前記入力条件として、設定可能な最大速度で前記モータが回転する早送り条件を取得し、
    前記決定部は、
    前記取得部により取得した前記早送り条件に応じて前記モータに出力した出力結果と、前記伝達モデルを前記早送り条件に適用して導出した前記導出結果との誤差が最小となるように、前記伝達モデルの前記パラメータを決定することを特徴とする請求項1から3、5、6の何れかに記載の数値制御装置。
  8. 記指令に基づき前記モータを駆動し、前記工具により前記被削材を加工する加工部を更に備えたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の数値制御装置
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