<第1の実施形態>
以下、図面に沿って第1の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
[画像形成装置]
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の構成図である。図1に示すように、画像形成装置1は、4つの感光ドラムを有し、中間転写方式を用いたフルカラーの電子写真画像形成装置である。画像形成装置1は、トナー像を形成する画像形成手段として、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各トナー色に対応する4つの画像形成部(プロセスユニット)PY,PM,PC,PKを備えている。各画像形成部PY,PM,PC,PKは、装置本体に着脱自在に配置されており、像担持体としてのドラム型で回転可能な感光体である感光ドラム11Y,11M,11C,11Kを有している。また、各画像形成部PY,PM,PC,PKは、感光ドラム11Y,11M,11C,11Kを帯電する帯電装置12Y,12M,12C,12Kと、を有している。帯電装置12Y,12M,12C,12Kは、第1の帯電ローラ121Y,121M,121C,121Kと、第2の帯電ローラ122Y,122M,122C,122Kと、を有しており、より詳しくは、後述する。
各画像形成部PY,PM,PC,PKは、帯電された感光ドラム11Y,11M.11C,11Kの表面に画像情報に応じたレーザ光を出力し静電潜像を形成する静電潜像形成手段としての露光装置13Y,13M,13C,13Kを有している。また、各画像形成部PY,PM,PC,PKは、現像電圧が印加されることで、感光ドラム11Y,11M.11C,11Kの表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段としての現像装置14Y,14M,14C,14Kを有している。
各画像形成部PY,PM,PC,PKの下方には、中間転写体として周回移動可能な無端状のベルト体である中間転写ベルト31が配設されている。中間転写ベルト31は、駆動ローラ33と、張架ローラ34と、二次転写内ローラ32と、に張架されている。駆動ローラ33は、不図示の駆動モータからの駆動力が伝達されて図1中矢印方向(時計回り)に中間転写ベルト31を回転移動させる。
中間転写ベルト31は、多様化した記録材への対応を図るべく、表面が柔らかい弾性層を有するベルトから構成されており、表面の凹凸がある記録材の転写抜けを防止し、コート紙やOHP紙等で発生しやすい「中抜け」と呼ばれる転写不良を防止する。中間転写ベルト31は、基材、弾性層、コート層の3層構造で厚みの合計が約360μmとなっている。基材は、厚さ80~90μmであり、導電性ポリイミド樹脂材料から構成されている。弾性層は、基材の上にクロロプレンゴム200~300μm積層して形成され、JIS-A硬度が60度となっている。コート層は、担持したトナー粒子や記録材の離型性を確保するために積層されており、プリウレタン樹脂のバインダーにフッ素樹脂を分散させた厚さ5~15μmの最表層となっている。
中間転写ベルト31は、内側に配設され中間転写ベルト31の内周面と接触する一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kによって感光ドラム11Y,11M,11C,11Kに向けて付勢されている。これにより、画像形成装置1では、中間転写ベルト31の外周面が感光ドラム11Y,11M,11C,11Kに接触し、感光ドラム11Y,11M,11C,11Kと中間転写ベルト31との間に一次転写部(一次転写ニップ部)が形成されている。
中間転写ベルト31の電気抵抗は、体積抵抗率が1×109~1×1011Ω・cmに調整され、表面抵抗率が1×1011~1×1013Ωに調整されている。また、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、中間転写ベルト31の回転に伴って従動回転し、不図示の一次転写バイアス電源からトナーの帯電極性とは逆極性の一次転写バイアス電圧(例えば+1500V)が印加されている。
一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、温度23℃湿度50%の測定環境下で+2kV印加時の抵抗値が1×102~1×108Ωのものを用いることが好ましい。第1の実施形態において、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、ニトリルゴムとエチレン-エピクロルヒドリン共重合体との混合により形成された外径16mm、芯金径8mmのイオン導電性スポンジローラから構成されている。
第1の実施形態の画像形成装置1では、トナーが負の帯電極性を有し、一次転写バイアス電圧が正極性である。このため、一次転写部には、帯電したトナー粒子を一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに向けて移動させるバイアス電界が形成される。そして、画像形成装置1では、感光ドラム11Y,11M,11C,11Kに担持されたトナー像が別の像担持体としての中間転写ベルト31の表面に順次静電的に転写(一次転写)され、4色のトナーが重畳したトナー像が形成される。
各画像形成部PY,PM,PC,PKは、一次転写ローラ35Y,35C,35M,35Kを通過後の感光ドラム11Y,11M,11C,11K上に残留する残留電位を除電する除電装置16Y,16C,16M,16Kを有している。また、各画像形成部PY,PM,PC,PKは、一次転写ローラ35Y,35C,35M,35Kを通過後の感光ドラム11Y,11M,11C,11K上に残留するトナー像を除去するクリーニング部材17Y,17K,17C,17Kを有している。
そして、各画像形成部PY,PM,PC,PKは、感光ドラム11Y,11M,11C,11Kの表面の帯電電位を検知する電位検知手段18Y,18M,18C,18Kを有している。電位検知手段18Y,18M,18C,18Kは、感光ドラム11Y,11M,11C,11Kの回転方向(反時計回り)において、露光装置13Y,13M,13C,13Kの下流でかつ現像装置14Y,14M,14C,14Kの上流の位置に配設されている。
第1の実施形態において、記録材としてのシートP1は、記録材格納庫61~64に積載される形で収納され、搬送手段61a~64aによって画像を形成するタイミング(画像形成タイミング)に合わせて搬送される。搬送手段61a~64aによって送り出されたシートP1は、搬送パス3等を通過し、レジストローラ対76へ搬送される。連続して画像を形成する場合、搬送手段61a~64aは、複数のシートP1を所定の間隔で搬送する。
レジストローラ対76は、シートP1を突き当てることで、先端を倣わせ斜行を修正する。また、レジストローラ対76は、シートP1への画像形成タイミングと同期し、所定のタイミングにて二次転写内ローラ32、二次転写外ローラ41を有する二次転写装置4へシートP1を搬送する。
中間転写ベルト31に転写されたトナー像は、中間転写ベルト31の回転移動に伴って、二次転写内ローラ32と二次転写外ローラ41とが対向し、中間転写ベルト31と二次転写外ローラ41との間に形成された二次転写部N(二次転写ニップ)に搬送される。二次転写外ローラ41は、不図示の二次転写バイアス電源からトナーの帯電極性とは逆極性である正極性の二次転写バイアス電圧が印加されている。
画像形成装置1では、二次転写内ローラ32と二次転写外ローラ41との間に、負極性のトナーを中間転写ベルト31上から、搬送ローラ等によって二次転写部Nに搬送された記録材としてのシートP1に向けて移動させる方向の電界が形成される。これにより、中間転写ベルト31上(中間転写体上)のトナー像は、シートP1上に転写(二次転写)される。二次転写部においてトナー像が転写されたシートP1は、加熱及び加圧することでトナー像を溶融定着させる定着手段としての定着装置5へと搬送され、トナー像がシートP1に定着する。
片面印刷の場合、画像形成装置1は、トナー像が定着したシートP1を排出ローラ78により装置本体の外部の排紙トレイ66に排紙する。両面印刷の場合、画像形成装置1は、反転ローラ79でシートP1を反転させた後、反転搬送路に設けられる搬送ローラ8により反転したシートP1を画像形成部PY,PM,PC,PKに再搬送し、上述の画像形成に係る一連のプロセスを実行する。一連のプロセスを実行した後、画像形成装置1は、排出ローラ78により装置本体の外部の排紙トレイ66にシートP1を排紙する。
このようにして、画像形成装置1は、画像形成部PY,PM,PC,PKで形成された各色のトナー像を中間転写ベルト31上に順次に一次転写して重ね合わせる。そして、画像形成装置1は、一次転写後、一括で紙等のシートP1に二次転写し、二次転写された4色のトナー像を定着することで4色フルカラー画像を形成している。この、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35K、中間転写ベルト31、二次転写装置4が、第1の実施形態における感光ドラム11Y,11M,11C,11Kの表面のトナー像をシートP1に転写する転写手段を構成する。
[画像形成部]
次に、ブラックの画像形成部PKを例にして、画像形成部PY,PM,PC,PKの構成を説明する。なお、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像形成部PY,PM,PCは、ブラックの画像形成部PKとトナー色の違いを除いて同様に構成されている。このため、画像形成部PKと同様の構成及び作用を有する要素には、符号の数字として同様の数字(例えば、画像形成部PKのカートリッジ10Kと同様の画像形成部PY,PM,PCのカートリッジ10Y,10M,10C)を付して説明を省略する。なお、本実施形態において、中間転写ベルト31の回転方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に4つの画像形成部PY,PM,PC,PKが配置されているが、配置を変更してもよく、色の数及び組合せもこれに限らない。
図2は、第1の実施形態における画像形成部PKの概略図である。図2に示すように、画像形成部PKは、感光ドラム11Kに接触する帯電装置12Kとして、第1の帯電ローラ121Kと、第2の帯電ローラ122Kと、を有している。第1の帯電ローラ121Kは、感光ドラム11Kと接触することで従動回転する。また、第1の帯電ローラ121Kは、第1の帯電ローラ121Kの表面を清掃する帯電部清掃ローラ123Kと接触している。第2の帯電ローラ122Kは、第1の帯電ローラ121Kよりも感光ドラム11Kの回転方向下流側に配設され、感光ドラム11Kと接触することで従動回転する。また、第2の帯電ローラ122Kは、第1の帯電ローラ121Kの表面を清掃する帯電部清掃ローラ124Kと接触している。
第1の実施形態において、画像形成部PKは、感光ドラム11K、帯電装置12K、除電装置16K、クリーニング部材17K及び電位検知手段18Kを一体化したカートリッジ10Kとして構成されており、現像装置14Kとは別体の構成となっている。なお、画像形成部PKは、現像装置14Kを含む一体の構成となっていてもよい。また、画像形成部PKは、電位検知手段18Kについて、感光ドラム11K上の電位を検知可能であれば、画像形成装置1の装置本体に配設し画像形成部PKとは別体の構成であってもよい。
[感光ドラム]
画像形成部PKは、回転ドラム型の電子写真感光体として感光ドラム11Kを有している。第1の実施形態において、感光ドラム11Kは、直径84mm、長手方向の長さ370mmとなっており、中心を軸として約350mm/secのプロセススピード(周速度)で反時計方向に回転駆動される。
感光ドラム11Kは、負帯電特性のOPC(有機光半導体)で形成された感光層を含む有機感光体の層構造を有している。具体的には、感光ドラム11Kは、径方向外側から順に、表面保護層、電荷輸送層、電荷発生層、注入阻止層、下引き層、シリンダーを有する。表面保護層は、クリーニング性向上のために設けられている。電荷輸送層は、電荷を輸送するために設けられている。電荷発生層は、光照射による電荷を発生させるために設けられている。注入阻止層は、電荷発生層で発生したホールの通過を抑制し、電子のみを通過させるために設けられている。下引き層は、シリンダーの構造に依拠する光の干渉抑制及び上層で発生した電荷の輸送を妨げないようにするために設けられている。シリンダーは、導電性の基材であり、第1の実施形態ではアルミニウム製となっている。
[帯電装置]
図3は、第1の実施形態における帯電装置12Kを示す概略図である。図3に示すように、第1の帯電ローラ121Kは、芯金121a(支持部材)の長手方向(回転軸線方向)の両端部が、軸受け125により回転自在に保持されるとともに、付勢手段としての押圧バネ127によって感光ドラム11Kに向かって付勢されている。これにより、第1の帯電ローラ121Kは、感光ドラム11Kの表面に所定の押圧力をもって圧接され、感光ドラム11Kの回転に従動して時計回りに回転する。また、第2の帯電ローラ122Kも、芯金122aの長手方向の両端部が、軸受け126により回転自在に保持されるとともに、押圧バネ128によって感光ドラム11Kに向かって付勢されている。これにより、第2の帯電ローラ122Kは、第1の帯電ローラ121Kと略同様に、感光ドラム11Kの表面に所定の押圧力をもって圧接され、感光ドラム11Kの回転に従動して時計回りに回転する。
第1の実施形態において、第1の帯電ローラ121Kは、長手方向の長さ330mm、直径14mmとなっている。また、第1の帯電ローラ121Kは、芯金121aの外周に下層121b、中間層121c、表層121dを順次積層した3層構造を有する。
芯金121aは、直径6mmのステンレス製の丸棒となっている。下層121bは、カーボンを分散した発泡EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)で形成した電子導電層であり、比重が0.5g/cm^3、体積抵抗率が107~109Ω・cm、厚さが約3.5mmである。中間層121cは、カーボンを分散したNBR(ニトリルゴム)から形成されており、体積抵抗率が102~105Ω・cmであり、厚さが約500μmである。表層121dは、フッ素化合物のアルコール可用性ナイロン樹脂に、酸化錫、カーボンを分散して形成したイオン伝導層であり、体積抵抗率が107~1010Ω・cm、表面粗さ(JIS規格10点平均表面粗さRz)が1.5μm、厚さが約5μmである。
第1の実施形態において、第2の帯電ローラ122Kは、第1の帯電ローラ121Kと同じ直径に構成されている。また、第2の帯電ローラ122Kは、第1の帯電ローラ121Kの芯金121a、下層121b、中間層121c及び表層121dと略同様の芯金122a、下層122b、中間層122c及び表層122dを有する3層構造となっている。
第1の帯電ローラ121Kは、帯電バイアスを印加する第1の電圧印加部材としての高圧電源HV1に電気的に接続されている。高圧電源HV1は、直流電圧発生部(DC電源)を有し、第1の帯電ローラ121Kに直流電圧を印加する。第2の帯電ローラ122Kは、帯電バイアスを印加する第2の電圧印加部材としての高圧電源HV2に電気的に接続されている。高圧電源HV2は、直流電圧発生部(DC電源)と交流電圧発生部(AC電源)とを有し、第2の帯電ローラ122Kに直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスを印加する。画像形成部PKは、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとに帯電バイアスを印加し、回転する感光ドラム11Kの表面に負極性の所定の電位を帯電させる。
画像形成部PKでは、感光ドラム11K上の帯電電位が現像装置14Kによって静電潜像からトナー像が形成される現像位置において約-800Vとなるように、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとに帯電バイアスが印加される。具体的には、第1の帯電ローラ121Kには、DC電圧が-1700V印加され、第2の帯電ローラ122Kには、DC電圧が-850V、AC電圧が1500Vpp、周波数2.9kHzが印加される。
なお、画像形成部PKは、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとが感光ドラム11Kに接触せずに近接した状態で所定の電位を帯電させる構成である場合、印加される直流電圧、交流電圧について、上述の例に限定されない。
[露光装置]
第1の実施形態における露光装置13Kは、半導体レーザ光源とポリゴンミラー工学系とを用いたレーザビーム走査露光装置である。画像形成装置1では、レーザ香料制御回路がレーザ出力信号に対して所望の画像濃度レベルが得られるように、露光装置13Kの露光出力を決定する。露光装置13Kは、PWM(パルス幅変調)を用いた二値の面積階調により、画像の静電潜像を帯電処理された感光ドラム11Kに書き込む。これにより、画像形成部PKでは、濃度階調を有する画像形成が行われる。
[現像装置]
現像装置14Kは、感光ドラム11K上の静電潜像に現像剤(トナー)を供給し、静電潜像をトナー像として顕在化する。第1の実施形態において、現像装置14Kは、二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置から構成されている。
現像装置14Kは、二成分現像剤を収容する現像容器と、感光ドラム11K上の静電潜像に選択的にトナーを付着させる現像スリーブと、を有している。現像容器内に収容される二成分現像剤は、トナーと磁性キャリアとの混合物として形成されており、トナーとキャリアの重量比が約9:91の割合で混合したトナー濃度(TD比)9%の二成分現像剤となっている。
トナーは、ポリエステルを主体とした樹脂バインダーに顔料を混練したものを粉砕分級して得られた平均粒径が約6μmのものとなっている。キャリアは、表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金、あるいは酸化物フェライト等の磁性粒子が使用可能であり、磁性粒子の製造法は特に制限されない。キャリアは、体積平均粒径が20~50μm、好ましくは30~40μmであり、抵抗率が107Ωcm以上、好ましくは108Ωcm以上である。第1の実施形態では、フェライトを主とするコアにシリコン樹脂をコートし、平均粒径が35μm、抵抗率が5×108Ωcm、磁化量が200emu/ccのキャリアを用いている。
現像スリーブは、感光ドラム11Kと最も近接する位置において感光ドラム11Kとの距離が約250μmに保持された状態で配設され、感光ドラム11Kに対向し現像部を構成する。現像スリーブは、感光ドラム11Kの回転方向の順方向に回転駆動される。現像スリーブは、内側にマグネットローラを有し、マグネットローラの磁力によって、二成分現像剤が現像スリーブの回転に伴って現像部に回転搬送される。現像スリーブの表面に形成される磁気ブラシ層は、不図示の現像剤コーティングブレードにより所定の薄層に整層される。
現像スリーブには、不図示の高圧電源から所定の現像バイアスが印加される。現像スリーブに印加される現像バイアスは、DC電圧とAC電圧とを重畳した振動電圧である。具体的には、現像スリーブには、感光ドラム11K上の帯電電位が-800Vである場合、DC電圧が-640V、AC電圧が1300Vpp、周波数10kHZの現像バイアスが印加される。
現像装置14Kは、現像バイアスの電界によって、感光ドラム11K上の静電潜像に対応して二成分現像剤中のトナーを選択的に付着させ、静電潜像をトナー像として現像する。このとき、感光ドラム11K上に現像されたトナーの帯電量は、約30μC/gである。現像部を通過した現像スリーブ上の現像剤は、現像スリーブの回転に伴い現像容器内の現像剤溜まり部に戻される。
[除電装置]
除電装置16Kは、一次転写ローラ35K(図1参照)を通過した感光ドラム11K上の残留電位を光エネルギーにより除電する機構を有する。第1の実施形態の除電装置16Kは、電気光学特性としてドミナント波長λD=650nmの赤色LEDを発光素子として有し、高圧電源により可変可能な定電流制御を実行する。
[クリーニング部材]
クリーニング部材17Kは、中間転写ベルト31に転写されず感光ドラム11Kの表面に残った残トナー像をクリーニングするために配設されている。第1の実施形態の画像形成部PKは、クリーニング部材17Kとして、クリーニングブレードを有している。なお、画像形成部PKは、クリーニング部材17Kとして、ファーブラシ等を有していてもよい。
[電位検知手段]
電位検知手段18Kは、感光ドラム11Kに対向し、感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知し、感光ドラム11Kの回転方向において露光装置13Kの下流側でかつ現像装置14Kの上流側の位置に配設されている。電位検知手段18Kは、シートP1を所定の間隔(紙間)で連続通紙する場合において、紙間で感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知する。帯電電位を検知する周期の詳細については、後述する。
[動作シーケンス]
図4は、画像形成時における動作シーケンス図である。
(1)初期回転動作(前多回転工程)
前多回転工程は、プリンタの起動時の始動動作期間(起動動作期間、ウォーミング期間)である。画像形成装置1は、起動スイッチ-オンにより、感光体ドラムを回転駆動させ、また定着装置の所定温度への立ち上げ等、所定のプロセス機器の準備動作を実行させる。
(2)印字準備回転動作(前回転工程)
前回転工程は、プリント信号-オンから実際に画像形成(印字)工程動作がなされるまでの間の画像形成前の準備回転動作期間であり、初期回転動作中にプリント信号が入力したときには初期回転動作に引き続いて実行される。画像形成装置1は、プリント信号の入力がないときには初期回転動作の終了後にメインモータの駆動を一旦停止し感光ドラムの回転駆動を停止し、プリント信号が入力されるまでスタンバイ(待機)状態に保つ。画像形成装置1は、プリント信号が入力すると印字準備回転動作を実行する。
(3)印字工程、転写工程(画像形成工程、作像工程)
印字工程及び転写工程は、印字準備回転動作が終了し、続いて感光ドラムに対する作像プロセスが実行され、感光ドラム面に形成されたトナー像のシートP1への転写、定着装置によるトナー像の定着がなされ画像形成物がプリントアウトされる期間である。画像形成装置1では、連続印字(連続プリント)モードの場合、上記の印字工程が所定の設定プリント枚数n枚分繰り返して実行される。
第1の実施形態において、画像形成装置1は、印字工程におけるプリント時において、ジョブ情報、特にシートP1の情報と、連続して搬送されるシートP1間(紙間)の関係を取得し、電位検知周期制御の演算工程に反映させる。電位検知周期制御の演算工程の詳細については、後述する。この、印字工程が、第1の実施形態における画像形成時を構成する。
(4)紙間工程
紙間工程は、連続印字モードにおいて、シートP1の後端部が二次転写部Nを通過した後、次のシートP1の先端部が二次転写部Nに到達するまでの間の、二次転写部NにおけるシートP1の非通紙状態期間である。この、紙間工程が、第1の実施形態における非画像形成時を構成する。
(5)後回転動作
後回転動作は、最後のシートP1の印字工程が終了した後もしばらくの間メインモータの駆動を継続させて感光体ドラムを回転駆動させ、所定の後動作を実行させる期間である。
(6)スタンバイ
画像形成装置1は、所定の後回転動作が終了すると、メインモータの駆動が停止して感光ドラムの回転駆動を停止し、次のプリントスタ-ト信号が入力するまでスタンバイ状態に保つ。画像形成装置1は、1枚だけのプリントの場合、該プリントの終了後、後回転動作を経てスタンバイ状態になる。画像形成装置1は、スタンバイ状態において、プリントスタート信号が入力されると、前回転工程に移行する。
[制御部]
図5は、第1の実施形態の画像形成装置1の制御ブロック図である。画像形成装置1では、図5に示すユーザの操作を受け付ける操作部503又は不図示の外部出力装置から制御部500がプリント動作の命令を受信する。画像形成制御部501は、画像形成部PY,PM,PC,PKによる画像形成プロセス及びシート搬送部によるシート搬送動作の制御を行う。CPU501aは、ROM501bに格納されたプログラムに従って画像形成動作を実行する。また、CPU501aは、画像形成動作において一時的又は恒久的に必要な書き換え可能なデータをRAM501cに保存する。第1の実施形態において、ROM501bには、紙間の搬送方向の長さに関するデータ、感光ドラム、第1、第2の帯電ローラのそれぞれの周長のデータ、第1、第2の帯電ローラの周長と感光ドラムの周長に対する最小公倍数のデータが格納されている。
画像処理制御部502は、画像データの生成や処理を行う。CPU502aは、画像処理制御手順(画像処理制御プログラム)を記憶したROM502bからプログラムを順次読み取り、プログラムに従って画像処理動作を実行する。また、RAM502cは、入力データを記憶する作業用の記憶領域として用いられる。第1の実施形態において、ROM502bには、シートP1の搬送方向の長さに関するデータが格納されている。
[電位検知周期制御]
制御部500は、電位検知手段18Y,18M,18C,18Kが感光ドラム11Y,11M,11C,11Kの表面の帯電電位を検知する周期を演算し設定する電位検知周期制御を実行する。以下に、ブラックの画像形成部PKにおいて電位検知手段18Kが感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知する電位検知周期制御を例に説明する。なお、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像形成部PY,PM,PCにおける電位検知周期制御についても、ブラックの画像形成部PKとトナー色の違いを除いて同様に実行される。
上述した通り、第1の実施形態において、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとは、共に同じ直径φ14mmから構成されていることから、周長も同じ長さに構成されている。制御部500は、第1の帯電ローラ121Kの周長及び感光ドラム11Kの周長の最小公倍数と、シートP1の搬送方向長さ及び連続して搬送されるシートP1の紙間の搬送方向長さの合計と、から電位検知手段18Kが検知する周期を設定する。なお、制御部500は、第1、第2の帯電ローラ121K,122Kの周長が等しいことから、第2の帯電ローラ122Kの周長及び感光ドラム11Kの周長の最小公倍数を算出するように構成されていてもよい。また、制御部500は、第1、第2の帯電ローラ121K,122Kの双方の周長と、感光ドラム11Kの周長と、の最小公倍数を求めるように構成されていてもよい。
以下に、第1、第2の帯電ローラ121K,122Kの直径がφ14mm、感光ドラム11Kの直径がφ84mm、連続通紙するA3RサイズのシートP1の紙間の搬送方向の長さ(紙間長)が28mmである場合を例に電位検知周期制御を説明する。図6は、第1の実施形態において制御部500が実行する電位検知周期制御を示すフローチャートである。
まず、制御部500は、操作部503又は不図示の外部出力装置から、プリント信号が入力されることで画像形成ジョブの開始を検知する(S101)。ここで、画像形成ジョブとは、記録材に画像形成するプリント信号(画像形成信号)に基づいて、画像形成を開始してから画像形成が完了するまでの期間である。すなわち、画像形成ジョブは、図5に示したプリント信号が入力されてから後回転動作が終了するまでの一連の動作を行う期間である。制御部500は、画像形成ジョブの開始を検知することで、電位検知周期制御を開始する。
次に、制御部500のうち画像処理制御部502のCPU502aは、入力されたプリント信号からシートP1の搬送方向の長さ(搬送長)に関するデータを、ROM502bから取得する(S102)。次に、制御部500のうち画像形成制御部501のCPU501aは、入力されたプリント信号から連続して搬送されるシートP1の紙間長をROM501bから取得する(S103)。ステップS102,S103の処理を実行することで、制御部500は、ROM501b,502bから搬送長と紙間長とのデータを取得し、RAM501cに保持する。
次に、CPU501aは、感光ドラム11K、第1の帯電ローラ121K及び第2の帯電ローラ122Kのそれぞれの周長に関するデータ(周長データ)を、ROM501bから取得する(S104)。次に、CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kと感光ドラム11Kの最小公倍数X1を算出する(S105)。ステップS104,S105の処理において、CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kの周長と第2の帯電ローラ122Kの周長とが同じ長さであることから、第1の帯電ローラ121Kの周長と感光ドラム11Kの周長との最小公倍数X1を算出する。CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kの周長と感光ドラム11Kの周長との最小公倍数X1を算出することで、第1の帯電ローラ121Kの周長と同じ周長の第2の帯電ローラ122Kと感光ドラム11Kの周長との最小公倍数も算出できる。
表1は、ROM501aに格納されている帯電ローラの周長と感光ドラムの周長とに対する最小公倍数のデータである。なお、表1に記載の最小公倍数の値は、帯電ローラの周長の小数点以下を四捨五入し整数化した値と感光ドラムの周長の小数点以下を四捨五入し整数化した値と、に対する最小公倍数を予め演算し算出した値である。
第1の帯電ローラ121Kの直径がφ14mmであり、感光ドラム11Kの直径がφ84である場合、最小公倍数X1は、表1より264である。この、最小公倍数X1が、第1の実施形態における第1値を構成する。
次に、CPU501aは、搬送長と紙間長とを加算し加算値A1を算出する(S106)。この処理において、CPU501aは、ステップS102,S103で取得した搬送長と紙間長とのデータを加算する。第1の実施形態のシートP1は、A3Rサイズであることから、搬送長が420mmとなっている。紙間長が28mmであることから、加算値A1は、448mmとなる。この、加算値A1が、第1の実施形態における第2値を構成する。
次に、CPU501aは、最小公倍数X1と加算値A1とを用いて除算演算処理を実行する(S107)。除算演算処理において、CPU501aは、まず、最小公倍数X1と加算値A1とを比較し、どちらの値の方が大きい値であるかを判定し、除算における除数と被除数とを決定する。上述の通り、最小公倍数X1は、264mmであり、加算値A1は、448mmである。このため、CPU501aは、加算値A1の方が最小公倍数X1よりも大きい値であると判定し、加算値A1を被除数、最小公倍数X1を除数と決定する。
次に、CPU501aは、被除数を除数で除算し、得られた数値の小数点以下を四捨五入することで整数化した除算値を算出する。第1の実施形態においては、加算値A1を最小公倍数X1で除算することで算出される値「1.69・・・」の小数点以下を四捨五入して整数化することで、除算値「2」を算出する。
次に、CPU501aは、算出した除算値を電位検知手段18Kが電位を検知する周期(電位検知周期)に決定し(S108)、電位検知周期制御を終了する。ステップS108の処理において、CPU501aは、ステップS107の処理で除算値「2」を算出したことから、電位検知周期として、2枚のシートP1が二次転写部Nを通過する周期に決定する。
CPU501aによって電位検知周期制御が実行されることで、画像形成装置1では、電位検知手段18Kによる感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知する電位検知周期が設定され、周期的に感光ドラム11Kの表面の帯電電位が検知される。この、CPU501aを有し電位検知周期を設定する制御部500が、第1の実施形態における設定手段を構成する。
以上のように、第1の実施形態の画像形成装置1は、第1の帯電ローラ121K及び感光ドラム11Kの周長の最小公倍数X1と、シートP1及び紙間の搬送方向の長さの合計の加算値A1と、から電位検知手段18Kが帯電電位を検知する周期を設定する。これにより、画像形成装置1は、第1の帯電ローラ121Kと、感光ドラム11Kと、が接触する箇所の周期性を含めた電位検知周期で感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知するため、高い検知精度で検知することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る画像形成装置1について説明する。第2の実施形態の画像形成装置1は、第1の帯電ローラ121Kの直径と、第2の帯電ローラ122Kの直径と、が異なる直径となっている。この点において、第2の実施形態の画像形成装置1は、上述した第1の実施形態とは異なっている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。
以下に、第1の帯電ローラ121Kの直径がφ24mm、第2の帯電ローラ122Kの直径がφ14mm、感光ドラム11Kの直径がφ84mm、連続通紙するA3RサイズのシートP1の紙間の搬送方向の長さ(紙間長)が28mmである場合を例に説明する。図7は、第2の実施形態において制御部500が実行する電位検知周期制御を示すフローチャートである。
まず、制御部500は、図6に示すステップS101の処理と略同様に、操作部503又は不図示の外部出力装置から、プリント信号が入力されることで画像形成ジョブの開始を検知する(S201)。次に、制御部500のうち画像処理制御部502のCPU502aは、図6に示すステップS102の処理と略同様に、入力されたプリント信号からシートP1の搬送方向の長さ(搬送長)に関するデータを、ROM502bから取得する(S202)。次に、制御部500のうち画像形成制御部501のCPU501aは、図6に示すステップS103の処理と略同様に、入力されたプリント信号から連続して搬送されるシートP1の紙間長をROM501bから取得する(S203)。
次に、CPU501aは、感光ドラム11K及び第1の帯電ローラ121Kのそれぞれの周長データを、ROM501bから取得する(S204)。次に、CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kと感光ドラム11Kの最小公倍数Y1を算出する(S205)。ステップS204,S205の処理において、CPU501aは、第1の帯電ローラ121K及び感光ドラム11Kの周長データから最小公倍数Y1を算出する。第1の帯電ローラ121Kの直径がφ24mmであり、感光ドラム11Kの直径がφ84である場合、最小公倍数Y1は、表1より6600mmである。この、最小公倍数Y1は、第2の実施形態における第1値を構成する。
次に、CPU501aは、感光ドラム11K及び第2の帯電ローラ122Kのそれぞれの周長データを、ROM501bから取得する(S206)。次に、CPU501aは、第2の帯電ローラ122Kと感光ドラム11Kの最小公倍数Z1を算出する(S207)。ステップS206,S207の処理において、CPU501aは、第2の帯電ローラ122K及び感光ドラム11Kの周長データから最小公倍数Z1を算出する。第2の帯電ローラ122Kの直径がφ14mmであり、感光ドラム11Kの直径がφ84である場合、最小公倍数Z1は、表1より264mmである。この、最小公倍数Z1は、第2の実施形態における第1値を構成する。
次に、CPU501aは、図6に示すステップS106の処理と略同様に、搬送長と紙間長とを加算し加算値A1を算出する(S208)。第2の実施形態のシートP1は、A3Rサイズであることから、搬送長が420mmとなっている。紙間長が28mmであることから、加算値A1は、448mmとなる。この、加算値A1が、第2の実施形態における第2値を構成する。
次に、CPU501aは、最小公倍数Y1と、最小公倍数Z1と、加算値A1とを用いて除算演算処理を実行する(S209)。除算演算処理において、CPU501aは、まず、最小公倍数Y1と加算値A1とを比較し、どちらの値の方が大きい値であるかを判定し、除算における除数と被除数とを決定する。上述の通り、最小公倍数Y1は、6600mmであり、加算値A1は、448mmである。このため、CPU501aは、最小公倍数Y1の方が加算値A1よりも大きい値であると判定し、最小公倍数Y1を被除数、加算値A1を除数と決定する。
次に、CPU501aは、被除数を除数で除算し、得られた数値の小数点以下を四捨五入することで整数化する。第2の実施形態においては、最小公倍数Y1を加算値A1で除算することで算出される値「14.73・・」の小数点以下を四捨五入して整数化することで、値「15」を算出する。
次に、CPU501aは、最小公倍数Z1と加算値A1とを比較し、どちらの値の方が大きい値であるかを判定し、除算における除数と被除数とを決定する。上述の通り、最小公倍数Z1は、264mmであり、加算値A1は、448mmである。このため、CPU501aは、加算値A1の方が最小公倍数Z1よりも大きい値であると判定し、加算値A1を被除数、最小公倍数Z1を除数と決定する。
次に、CPU501aは、被除数を除数で除算し、得られた数値の小数点以下を四捨五入することで整数化する。第2の実施形態においては、加算値A1を最小公倍数Z1で除算することで算出される値「1.69・・」の小数点以下を四捨五入して整数化することで、値「2」を算出する。
次に、CPU501aは、最小公倍数Y1を用いた除算演算処理によって算出された値の方が、最小公倍数Z1を用いた除算演算処理によって算出された値よりも小さいか否かを判定する(S210)。この処理において、CPU501aは、ステップS209の処理において最小公倍数Y1を用いて算出された値と、最小公倍数Z1を用いて算出された値と、を比較し、いずれの値を除算値とするかを判定している。
ステップS210の処理において、最小公倍数Y1を用いた除算演算処理によって算出された値の方が小さいと判定した場合(Yes)、CPU501aは、最小公倍数Y1を用いて算出した値を除算値に設定する。そして、CPU501aは、最小公倍数Y1を用いて算出した除算値を電位検知手段18Kの電位検知周期に決定し(S211)、電位検知周期制御を終了する。
一方、ステップS210の処理において、最小公倍数Y1を用いた除算演算処理によって算出された値の方が大きいと判定した場合(No)、CPU501aは、最小公倍数Z1を用いて算出した値を除算値に設定する。そして、CPU501aは、最小公倍数Z1を用いて算出した除算値を電位検知手段18Kの電位検知周期に決定し(S212)、電位検知周期制御を終了する。
第2の実施形態においては、上述した通り、最小公倍数Y1を用いた除算演算処理によって算出された値が値「15」であり、最小公倍数Z1を用いた除算演算処理によって算出された値が値「2」である。このため、CPU501aは、ステップS210からステップS212に処理を進め、除算値として値「2」を設定し、電位検知周期として、2枚のシートP1が二次転写部Nを通過する周期に決定する。
CPU501aによって電位検知周期制御が実行されることで、画像形成装置1では、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとの周長が異なる場合であっても、適切な電位検知周期が設定される。
以上のように、第2の実施形態の画像形成装置1は、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとの周長が異なる場合であっても、電位検知周期制御により適切な電位検知周期を設定することができる。これにより、画像形成装置1は、第1の帯電ローラ121Kと、第2の帯電ローラ122Kと、感光ドラム11Kと、が接触する箇所の周期性を含めた電位検知周期で感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知するため、高い検知精度で検知することができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係る画像形成装置1aについて説明する。第3の実施形態の画像形成装置1aは、記録材としてロール状に巻かれた連続するシート(ロールシート)に画像を形成する構成となっている。この点において、第3の実施形態の画像形成装置1aは、上述した第1、第2の実施形態とは異なっている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。
[画像形成装置]
図8は、第3の実施形態に係る画像形成装置1aの構成図である。図8に示すように、画像形成装置1aでは、搬送手段としてのロールシート供給装置101から装置本体へロールシートが供給される。ロールシート供給装置101は、中心部としてのロール芯部P2a周囲にシートを巻きつけたロールシートP2が配置されている。ロールシート供給装置101は、ロール芯部P2aが回転することにより、ロールシートP2が画像形成装置1aの装置本体へ供給される。
画像形成装置1aでは、感光ドラム11Y,11M,11C,11Kの表面のトナー像の先端が、ロールシートP2において転写が開始される位置と一致するタイミングで、ロールシートP2が転写ベルト36Y,36M,36C,36Kに搬送される。この、転写ベルト36Y,36M,36C,36Kが、第3の実施形態における感光ドラム11Y,11M,11C,11Kの表面のトナー像をロールシートP2に転写する転写手段を構成する。
上面にトナー像が転写されたロールシートP2は、定着装置5に搬送され、加熱及び加圧されることでトナー像が溶融定着される。トナー像が定着されたロールシートP2は、切断部102から出力するシート(出力シート)のサイズ分だけ搬送された後に切断部102によって切断され、出力シートP2bに切り分けられ、積載部103に積載される。
[電位検知周期制御]
第3の実施形態において、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとは、共に同じ直径φ24mmから構成されており、周長も同じ長さに構成されている。制御部500は、第1の帯電ローラ121Kの周長及び感光ドラム11Kの周長の最小公倍数と、ロールシートP2における画像が形成される領域(画像形成領域)及び余白の搬送方向の長さの合計と、から電位検知手段18Kが検知する周期を設定する。なお、制御部500は、第1、第2の帯電ローラ121K,122Kの周長が等しいことから、第2の帯電ローラ122Kの周長及び感光ドラム11Kの周長の最小公倍数を算出するように構成されていてもよい。また、制御部500は、第1、第2の帯電ローラ121K,122Kの双方の周長と、感光ドラム11Kの周長と、の最小公倍数を求めるように構成されていてもよい。また、画像形成領域及び余白の搬送方向の長さの合計は、出力シートP2bの搬送方向の長さと同じであるため、画像形成領域及び余白の搬送方向の長さの合計に替わり、出力シートP2bの搬送方向の長さを用いて電位検知周期を設定してもよい。また、余白は、画像が形成されない非画像形成領域を構成する。
以下に、第1、第2の帯電ローラ121K,122Kの直径がφ24mm、感光ドラム11Kの直径がφ84mm、画像形成領域の搬送方向の長さが482.6mm、余白の搬送方向の長さが33mmである場合を例に電位検知周期制御を説明する。図9は、第3の実施形態において制御部500が実行する電位検知周期制御を示すフローチャートである。
まず、制御部500は、操作部503又は不図示の外部出力装置から、プリント信号が入力されることで画像形成ジョブの開始を検知する(S301)。次に、制御部500のうち画像処理制御部502のCPU502aは、入力されたプリント信号からロールシートP2の画像形成領域の搬送方向の長さ(搬送長)に関するデータを、ROM502bから取得する(S302)。次に、制御部500のうち画像形成制御部501のCPU501aは、入力されたプリント信号からロールシートP2の余白の搬送方向の長さ(余白長)をROM501bから取得する(S303)。ステップS302,S303の処理を実行することで、制御部500は、ROM501b,502bから搬送長と余白長とのデータを取得し、RAM501cに保持する。
次に、CPU501aは、感光ドラム11K、第1の帯電ローラ121K及び第2の帯電ローラ122Kのそれぞれの周長データを、ROM501bから取得する(S304)。次に、CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kと感光ドラム11Kの最小公倍数X1を算出する(S305)。ステップS304,S305の処理において、CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kの周長と第2の帯電ローラ122Kの周長とが同じ長さであることから、第1の帯電ローラ121Kの周長と感光ドラム11Kの周長との最小公倍数X1を算出する。CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kの周長と感光ドラム11Kの周長との最小公倍数X1を算出することで、第1の帯電ローラ121Kの周長と同じ周長の第2の帯電ローラ122Kと感光ドラム11Kの周長との最小公倍数も算出できる。
第1の帯電ローラ121Kの直径がφ24mmであり、感光ドラム11Kの直径がφ84である場合、最小公倍数X1は、上述した表1より6600mmである。この、最小公倍数X1が、第3の実施形態における第1値を構成する。
次に、CPU501aは、搬送長と余白長とを加算し加算値A2を算出する(S306)。この処理において、CPU501aは、ステップS302,S303で取得した搬送長と余白長とのデータを加算する。第3の実施形態のロールシートP2は、画像形成領域の搬送長が482.6mm、余白長が33mmである。このため、加算値A2は、515.6mmとなる。この、加算値A2が、第3の実施形態における第2値を構成する。
次に、CPU501aは、最小公倍数X1と加算値A2とを用いて除算演算処理を実行する(S307)。除算演算処理において、CPU501aは、まず、最小公倍数X1と加算値A2とを比較し、どちらの値の方が大きい値であるかを判定し、除算における除数と被除数とを決定する。上述の通り、最小公倍数X1は、6600mmであり、加算値A2は、515.6mmである。このため、CPU501aは、最小公倍数X1の方が加算値A2よりも大きい値であると判定し、最小公倍数X1を被除数、加算値A2を除数と決定する。
次に、CPU501aは、被除数を除数で除算し、得られた数値の小数点以下を四捨五入することで整数化した除算値を算出する。第3の実施形態においては、最小公倍数X1を加算値A2で除算することで算出される値「12.80・・・」の小数点以下を四捨五入して整数化することで、除算値「13」を算出する。
次に、CPU501aは、算出した除算値を電位検知手段18Kが電位を検知する周期(電位検知周期)に決定し(S308)、電位検知周期制御を終了する。ステップS308の処理において、CPU501aは、ステップS307の処理で除算値「13」を算出したことから、電位検知周期として、ロールシートP2に13枚の画像を形成する周期に決定する。
以上のように、第3の実施形態の画像形成装置1aは、第1の帯電ローラ121K及び感光ドラム11Kの周長の最小公倍数X1と、ロールシートP2の画像形成領域の搬送長及び余白長の合計の加算値A2と、から電位検知周期を設定する。これにより、画像形成装置1aは、記録材がロールシートP2である場合にも、第1の帯電ローラ121Kと、感光ドラム11Kと、が接触する箇所の周期性を含めた電位検知周期で感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知し、高い検知精度で検知できる。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態に係る画像形成装置1aについて説明する。第4の実施形態の画像形成装置1aは、第1の帯電ローラ121Kの直径と、第2の帯電ローラ122Kの直径と、が異なる直径となっている。この点において、第4の実施形態の画像形成装置1aは、上述した第3の実施形態とは異なっている。その他の構成は、第3の実施形態と同様であるため、第3の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。
以下に、第1の帯電ローラ121Kの直径がφ24mm、第2の帯電ローラ122Kの直径がφ14mm、感光ドラム11Kの直径がφ84mm、画像形成領域の搬送長が482.6mm、余白長が33mmである場合を例に電位検知周期制御を説明する。図10は、第4の実施形態において制御部500が実行する電位検知周期制御を示すフローチャートである。
まず、制御部500は、図9に示すステップS301の処理と略同様に、操作部503又は不図示の外部出力装置から、プリント信号が入力されることで画像形成ジョブの開始を検知する(S401)。次に、制御部500のうち画像処理制御部502のCPU502aは、図9に示すステップS302の処理と略同様に、入力されたプリント信号からロールシートP2の画像形成領域の搬送長に関するデータを、ROM502bから取得する(S402)。次に、制御部500のうち画像形成制御部501のCPU501aは、図9に示すステップS303の処理と略同様に、入力されたプリント信号からロールシートP2の余白長をROM501bから取得する(S403)。
次に、CPU501aは、感光ドラム11K及び第1の帯電ローラ121Kのそれぞれの周長データを、ROM501bから取得する(S404)。次に、CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kと感光ドラム11Kの最小公倍数Y1を算出する(S405)。ステップS404,S405の処理において、CPU501aは、第1の帯電ローラ121K及び感光ドラム11Kの周長データから最小公倍数Y1を算出する。第1の帯電ローラ121Kの直径がφ24mmであり、感光ドラム11Kの直径がφ84mmである場合、最小公倍数Y1は、表1より6600mmである。この、最小公倍数Y1は、第4の実施形態における第1値を構成する。
次に、CPU501aは、感光ドラム11K及び第2の帯電ローラ122Kのそれぞれの周長データを、ROM501bから取得する(S406)。次に、CPU501aは、第2の帯電ローラ122Kと感光ドラム11Kの最小公倍数Z1を算出する(S407)。ステップS406,S407の処理において、CPU501aは、第2の帯電ローラ122K及び感光ドラム11Kの周長データから最小公倍数Z1を算出する。第2の帯電ローラ122Kの直径がφ14mmであり、感光ドラム11Kの直径がφ84である場合、最小公倍数Z1は、表1より264mmである。この、最小公倍数Z1は、第4の実施形態における第1値を構成する。
次に、CPU501aは、図9に示すステップS306の処理と略同様に、搬送長と余白長とを加算し加算値A2を算出する(S408)。第4の実施形態のロールシートP2は、画像形成領域の搬送長が482.6mm、余白長が33mmである。このため、加算値A2は、515.6mmとなる。この、加算値A2が、第4の実施形態における第2値を構成する。
次に、CPU501aは、最小公倍数Y1と、最小公倍数Z1と、加算値A2とを用いて除算演算処理を実行する(S409)。除算演算処理において、CPU501aは、まず、最小公倍数Y1と加算値A2とを比較し、どちらの値の方が大きい値であるかを判定し、除算における除数と被除数とを決定する。上述の通り、最小公倍数Y1は、6600mmであり、加算値A2は、515.6mmである。このため、CPU501aは、最小公倍数Y1の方が加算値A2よりも大きい値であると判定し、最小公倍数Y1を被除数、加算値A2を除数と決定する。
次に、CPU501aは、被除数を除数で除算し、得られた数値の小数点以下を四捨五入することで整数化する。第4の実施形態においては、最小公倍数Y1を加算値A2で除算することで算出される値「12.80・・」の小数点以下を四捨五入して整数化することで、値「13」を算出する。
次に、CPU501aは、最小公倍数Z1と加算値A2とを比較し、どちらの値の方が大きい値であるかを判定し、除算における除数と被除数とを決定する。上述の通り、最小公倍数Z1は、264mmであり、加算値A2は、515.6mmである。このため、CPU501aは、加算値A2の方が最小公倍数Z1よりも大きい値であると判定し、加算値A2を被除数、最小公倍数Z1を除数と決定する。
次に、CPU501aは、被除数を除数で除算し、得られた数値の小数点以下を四捨五入することで整数化する。第4の実施形態においては、加算値A1を最小公倍数Z1で除算することで算出される値「1.95・・」の小数点以下を四捨五入して整数化することで、値「2」を算出する。
次に、CPU501aは、最小公倍数Y1を用いた除算演算処理によって算出された値の方が、最小公倍数Z1を用いた除算演算処理によって算出された値よりも小さいか否かを判定する(S410)。この処理において、CPU501aは、ステップS409の処理において最小公倍数Y1を用いて算出された値と、最小公倍数Z1を用いて算出された値と、を比較し、いずれの値を除算値とするかを判定している。
ステップS410の処理において、最小公倍数Y1を用いた除算演算処理によって算出された値の方が小さいと判定した場合(Yes)、CPU501aは、最小公倍数Y1を用いて算出した値を除算値に設定する。そして、CPU501aは、最小公倍数Y1を用いて算出した除算値を電位検知手段18Kの電位検知周期に決定し(S411)、電位検知周期制御を終了する。
一方、ステップS410の処理において、最小公倍数Y1を用いた除算演算処理によって算出された値の方が大きいと判定した場合(No)、CPU501aは、最小公倍数Z1を用いて算出した値を除算値に設定する。そして、CPU501aは、最小公倍数Z1を用いて算出した除算値を電位検知手段18Kの電位検知周期に決定し(S412)、電位検知周期制御を終了する。
第4の実施形態においては、上述した通り、最小公倍数Y1を用いた除算演算処理によって算出された値が値「13」であり、最小公倍数Z1を用いた除算演算処理によって算出された値が値「2」である。このため、CPU501aは、ステップS410からステップS412に処理を進め、除算値として値「2」を設定し、電位検知周期として、ロールシートP2に2枚の画像を形成する周期に決定する。
CPU501aによって電位検知周期制御が実行されることで、画像形成装置1aでは、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとの周長が異なる場合であっても、適切な電位検知周期が設定される。
以上のように、第4の実施形態の画像形成装置1aは、記録材がロールシートP2であり、かつ第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとの周長が異なる場合であっても、電位検知周期制御により適切な電位検知周期を設定することができる。これにより、画像形成装置1aは、第1の帯電ローラ121Kと、第2の帯電ローラ122Kと、感光ドラム11Kと、が接触する箇所の周期性を含めた電位検知周期で感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知するため、高い検知精度で検知できる。
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態に係る画像形成装置1について説明する。第5の実施形態の画像形成装置1は、画像形成時における形成色ごとの感光ドラムへの静電潜像の書き込み開始位置から終了位置までの感光ドラムの回転方向の長さと、感光ドラムの周速度と、を用いて電位検知周期を設定する。この点において、第5の実施形態の画像形成装置1は、上述した第1~第4の実施形態とは異なっている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。また、第5の実施形態に係る画像形成装置が実行する電位検知周期制御は、記録材がシートP1とロールシートP2とのいずれであっても実行可能である。
[電位検知周期制御]
第5の実施形態において、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとは、共に同じ直径φ14mmから構成されており、周長も同じ長さに構成されている。制御部500は、第1の帯電ローラ121Kの周長、感光ドラム11Kの周長及び感光ドラム11Kにおける静電潜像の書き込みの開始位置から終了位置までの感光ドラム11Kの回転方向の長さ(書き込み長さ)の最小公倍数を算出する。また、制御部500は、算出した最小公倍数と、感光ドラム11Kの周速度と、を用いて、電位検知手段18Kが検知する周期を設定する。なお、制御部500は、第1、第2の帯電ローラ121K,122Kの周長が等しいことから、最小公倍数の算出時において、第1の帯電ローラ121Kの周長に替わり第2の帯電ローラ122Kの周長を用いてもよい。また、制御部500は、最小公倍数の算出時において、第1、第2の帯電ローラ121K,122Kの双方の周長を用いてもよい。
以下に、第1、第2の帯電ローラ121K,122Kの直径がφ14mm、感光ドラム11Kの直径がφ84mmで周速度が350mm/s、静電潜像の書き込み長さが420mmである場合を例に電位検知周期制御を説明する。図11は、第5の実施形態において、連続して同一の画像を形成する場合に制御部500が実行する電位検知周期制御を示すフローチャートである。
まず、制御部500は、操作部503又は不図示の外部出力装置から、プリント信号が入力されることで画像形成ジョブの開始を検知する(S501)。次に、制御部500のうち画像処理制御部502のCPU502aは、入力されたプリント信号から各形成色に関する情報を分解する(S502)。この処理において、CPU502aは、入力されたプリント信号から形成色ごとに情報を分解し、黒色に関する情報を取得する。
次に、CPU502aは、感光ドラム11Kに書き込まれる静電潜像の書き込み長さB1を算出する(S503)。この処理において、CPU502aは、連続して同一の画像を形成する際の1画像形成時における各形成色の静電潜像の書き込み長さのうち、黒色の静電潜像の書き込み長さB1を算出する。上述した通り、第5の実施形態における静電潜像の書き込み長さB1は、420mmである。
次に、制御部500のうち画像形成制御部501のCPU501aは、感光ドラム11K、第1の帯電ローラ121K及び第2の帯電ローラ122Kのそれぞれの周長データを、ROM501bから取得する(S504)。次に、CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kと感光ドラム11Kの最小公倍数X1を算出する(S505)。ステップS504,S505の処理において、CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kの周長と第2の帯電ローラ122Kの周長とが同じ長さであることから、第1の帯電ローラ121Kの周長と感光ドラム11Kの周長との最小公倍数X1を算出する。CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kの周長と感光ドラム11Kの周長との最小公倍数X1を算出することで、第1の帯電ローラ121Kの周長と同じ周長の第2の帯電ローラ122Kと感光ドラム11Kの周長との最小公倍数も算出できる。
第1の帯電ローラ121Kの直径がφ14mmであり、感光ドラム11Kの直径がφ84mmである場合、最小公倍数X1は、上述した表1より264mmである。
次に、CPU501aは、ステップS503の処理で算出した静電潜像の書き込み長さB1が0ではないか否かを判定する(S506)。この処理において、CPU501aは、静電潜像の書き込み長さB1が0ではないか否かを判定することで、感光ドラム11Kに静電潜像が書き込まれているか否かを判定している。
ステップS506の処理において、静電潜像の書き込み長さB1が0ではないと判定した場合(Yes)、CPU501aは、最小公倍数X1と、静電潜像の書き込み長さB1と、の最小公倍数X2を算出する(S507)。第5の実施形態において、CPU501aは、最小公倍数X1が264mmであり、静電潜像の書き込み長さB1が420mmであることから、最小公倍数X2として9240mmを算出する。この、最小公倍数X2は、第5の実施形態における第1値を構成する。
一方、ステップS506の処理において、静電潜像の書き込み長さB1が0であると判定した場合(No)、CPU501aは、最小公倍数X1を除算演算処理において適用することを決定する(S508)。CPU501aは、感光ドラム11Kの表面に静電潜像が書き込まれていないことから、最小公倍数X1を用いることで、第1の帯電ローラ121Kと、感光ドラム11Kと、の周期性から電位検知周期を設定することを決定する。
第5の実施形態においては、上述した通り、静電潜像の書き込み長さB1が420mmであり0ではないことから、CPU501aによりステップS506からステップS507に処理が進められ、最小公倍数X2が算出される。
ステップS507又はS508の処理を実行した後、CPU501aは、感光ドラム11Kの周速度A3を取得する(S509)。次に、CPU501aは、最小公倍数X1又は最小公倍数X2と、周速度A3と、を用いて除算演算処理を実行する(S510)。除算演算処理において、CPU501aは、まず、最小公倍数X1又は最小公倍数X2と周速度A3とを比較し、どちらの値の方が大きい値であるかを判定し、除算における除数と被除数とを決定する。
上述の通り、第5の実施形態では、最小公倍数X2として、9240mmが算出されている。また、周速度A3は、350mm/sである。このため、CPU501aは、最小公倍数X2の方が周速度A3よりも大きい値であると判定し、最小公倍数X2を被除数、周速度A3を除数と決定する。
次に、CPU501aは、被除数を除数で除算することで除算値を算出する。第5の実施形態においては、最小公倍数X2を周速度A3で除算することで除算値「26.4」を算出する。
次に、CPU501aは、算出した除算値を電位検知手段18Kが電位を検知する周期(電位検知周期)に決定し(S511)、電位検知周期制御を終了する。ステップS511の処理において、CPU501aは、ステップS510の処理で除算値「26.4」を算出したことから、電位検知周期として、26.4秒の周期に決定する。
以上のように、第5の実施形態の画像形成装置1は、第1の帯電ローラ121K、感光ドラム11Kの周長及び感光ドラム11Kの静電潜像の書き込み長さの最小公倍数X2と、感光ドラム11Kの周速度A3と、から電位検知周期を設定する。これにより、画像形成装置1は、第1の帯電ローラ121Kと、感光ドラム11Kと、が接触する箇所の周期性を含めた電位検知周期で感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知するため、高い検知精度で検知することができる。また、画像形成装置1は、各色における静電潜像の書き込み長さに応じて、画像の形成色ごとに異なる周期で感光ドラムの表面の帯電電位を周期的に高い検知精度で検知することができる。
<第6の実施形態>
次に、第6の実施形態に係る画像形成装置1について説明する。第6の実施形態の画像形成装置1aは、第1の帯電ローラ121Kの直径と、第2の帯電ローラ122Kの直径と、が異なる直径となっている。この点において、第6の実施形態の画像形成装置1は、上述した第5の実施形態とは異なっている。その他の構成は、第5の実施形態と同様であるため、第5の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。
以下に、第1の帯電ローラ121Kの直径がφ24mm、第2の帯電ローラ122Kの直径がφ14mm、感光ドラム11Kの直径がφ84mmで周速度が350mm/s、静電潜像の書き込み長さが420mmである場合を例に電位検知周期制御を説明する。図12は、第6の実施形態において、連続して同一の画像を形成する場合に制御部500が実行する電位検知周期制御を示すフローチャートである。
まず、制御部500は、図11に示すステップS501の処理と略同様に、操作部503又は不図示の外部出力装置から、プリント信号が入力されることで画像形成ジョブの開始を検知する(S601)。次に、制御部500のうち画像処理制御部502のCPU502aは、図11に示すステップS502の処理と略同様に、入力されたプリント信号から各形成色に関する情報を分解する(S602)。次に、CPU502aは、図11に示すステップS503の処理と略同様に、感光ドラム11Kに書き込まれる静電潜像の書き込み長さB1を算出する(S603)。上述した通り、第6の実施形態における静電潜像の書き込み長さB1は、420mmである。
次に、CPU501aは、感光ドラム11K及び第1の帯電ローラ121Kのそれぞれの周長データを、ROM501bから取得する(S604)。次に、CPU501aは、第1の帯電ローラ121Kと感光ドラム11Kの最小公倍数Y1を算出する(S605)。ステップS604,S605の処理において、CPU501aは、第1の帯電ローラ121K及び感光ドラム11Kの周長データから最小公倍数Y1を算出する。第1の帯電ローラ121Kの直径がφ24mmであり、感光ドラム11Kの直径がφ84mmである場合、最小公倍数Y1は、表1より6600mmである。
次に、CPU501aは、感光ドラム11K及び第2の帯電ローラ122Kのそれぞれの周長データを、ROM501bから取得する(S606)。次に、CPU501aは、第2の帯電ローラ122Kと感光ドラム11Kの最小公倍数Z1を算出する(S607)。ステップS606,S607の処理において、CPU501aは、第2の帯電ローラ122K及び感光ドラム11Kの周長データから最小公倍数Z1を算出する。第2の帯電ローラ122Kの直径がφ14mmであり、感光ドラム11Kの直径がφ84である場合、最小公倍数Z1は、表1より264mmである。
次に、CPU501aは、最小公倍数Y1が最小公倍数Z1よりも大きいか否かを判定する(S608)。この処理において、CPU501aは、以降の処理で静電潜像の書き込み長さB1との最小公倍数X3を算出するために、静電潜像の書き込み長さB1に対する値を最小公倍数Y1と最小公倍数Z1のうち小さい方の値にするための判定を行う。
ステップS608の処理において、最小公倍数Y1の方が最小公倍数Z1よりも小さいと判定した場合(No)、CPU501aは、最小公倍数Y1を以降の処理において適用することを決定する(S609)。一方、ステップS608の処理において、最小公倍数Y1の方が最小公倍数Z1よりも大きいと判定した場合(Yes)、CPU501aは、最小公倍数Z1を以降の処理において適用することを決定する(S610)。
第6の実施形態においては、上述した通り、最小公倍数Y1の方が最小公倍数Z1よりも大きいことから、CPU501aによりステップS608からステップS610に処理が進められ、最小公倍数Z1の適用が決定される。
次に、CPU501aは、図11に示すステップS506の処理と略同様に、ステップS603の処理で算出した静電潜像の書き込み長さB1が0ではないか否かを判定する(S611)。この処理において、静電潜像の書き込み長さB1が0ではないと判定した場合(Yes)、CPU501aは、最小公倍数Y1又はZ1と、静電潜像の書き込み長さB1と、の最小公倍数X3を算出する(S612)。
第6の実施形態において、CPU501aは、上述の通り、最小公倍数Z1の適用を決定している。また、第6の実施形態においては、上述した通り、静電潜像の書き込み長さB1が420mmであり0ではないことから、CPU501aによりステップS611からステップS612に処理が進められ、最小公倍数X3が算出される。CPU501aは、最小公倍数Z1が264mmであり、静電潜像の書き込み長さB1が420mmであることから、最小公倍数X3として9240mmを算出する。この、最小公倍数X3は、第6の実施形態における第1値を構成する。
ステップS612の処理を実行した後又はステップS611の処理において、静電潜像の書き込み長さB1が0ではあると判定した場合(No)、CPU501aは、感光ドラム11Kの周速度A3を取得する(S613)。次に、CPU501aは、最小公倍数Y1、最小公倍数Z1又は最小公倍数X3と、周速度A3と、を用いて除算演算処理を実行する(S614)。除算演算処理において、CPU501aは、まず、最小公倍数Y1、最小公倍数Z1又は最小公倍数X3と周速度A3とを比較し、どちらの値の方が大きい値であるかを判定し、除算における除数と被除数とを決定する。
上述の通り、第6の実施形態では、最小公倍数X3として、9240mmが算出されている。また、周速度A3は、350mm/sである。このため、CPU501aは、最小公倍数X3の方が周速度A3よりも大きい値であると判定し、最小公倍数X3を被除数、周速度A3を除数と決定する。
次に、CPU501aは、被除数を除数で除算することで除算値を算出する。第6の実施形態においては、最小公倍数X3を周速度A3で除算することで除算値「26.4」を算出する。
次に、CPU501aは、算出した除算値を電位検知手段18Kが電位を検知する周期(電位検知周期)に決定し(S615)、電位検知周期制御を終了する。ステップS615の処理において、CPU501aは、ステップS614の処理で除算値「26.4」を算出したことから、電位検知周期として、26.4秒の周期に決定する。
以上のように、第6の実施形態の画像形成装置1は、第1の帯電ローラ121Kと第2の帯電ローラ122Kとの周長が異なる場合であっても、電位検知周期制御により各色における静電潜像の書き込み長さに応じた電位検知周期を設定することができる。これにより、画像形成装置1は、第1の帯電ローラ121Kと、第2の帯電ローラ122Kと、感光ドラム11Kと、が接触する箇所の周期性を含めた電位検知周期で感光ドラム11Kの表面の帯電電位を検知するため、高い検知精度で検知することができる。また、画像形成装置1は、各色における静電潜像の書き込み長さに応じて、画像の形成色ごとに異なる周期で感光ドラムの表面の帯電電位を周期的に高い検知精度で検知することができる。
<他の実施形態>
なお、第1~第4の実施形態において、CPU501aは、除算演算処理の実行時において、四捨五入をすることで整数化した除算値を算出するように構成されているが、これに限定されない。CPU501aは、除算した結果の数値の小数点以下に対して、切り捨てや切り上げを行うことで整数化するように構成されていてもよい。
また、第1~第6の実施形態において、帯電装置12Kは、第1の帯電ローラ121Kに直流電圧を印加する高圧電源HV1と、第2の帯電ローラ122Kに直流電圧に交流電圧を重畳して印加する高圧電源HV2と、を有しているが、これに限定されない。帯電装置12Kは、第1の帯電ローラ121Kに直流電圧を印加し、第2の帯電ローラ122Kに直流電圧に交流電圧を重畳して印加する所定の電圧印加部材を有していてもよい。