JP7224864B2 - ホイップドクリームの製造方法及びホイップドクリーム - Google Patents
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前記ホイップドクリームの製造方法は、一定の回転速度のホイッパーを用いてクリームをホイップする第一ホイップ工程と、前記第一ホイップ工程の後に、前記第一ホイップ工程における前記回転速度より小さい回転速度のホイッパーを用いて前記クリームをホイップする第二ホイップ工程と、を含んでもよい。
前記第一ホイップ工程において、ホイップを開始してから終了するまでの時間は、前記第一ホイップ工程における前記回転速度のホイッパーを用いて該回転速度を変更せずにクリームのホイップを開始してから終了するまでの時間を100%とした場合に、20~90%の時間であってもよい。
前記第一ホイップ工程において、ホイップを開始してから終了するまでの時間は、前記第一ホイップ工程における前記回転速度のホイッパーを用いて該回転速度を変更せずにクリームのホイップを開始してから終了するまでの時間を100%とした場合に、70~90%の時間であってもよい。
前記第一ホイップ工程における前記回転速度は、40~70cm/sであってもよい。
前記第二ホイップ工程における前記回転速度は、35~50cm/sであってもよい。
前記ホイップドクリームの製造方法は、前記第二ホイップ工程の後に、前記第二ホイップ工程における前記回転速度と異なる回転速度のホイッパーを用いて前記クリームをホイップする第三ホイップ工程を含んでもよい。
前記クリームは、フレッシュクリームであってもよい。
また、本技術は、平均気泡径が54μm以下であり、オーバーランが120%以下であり、下記ΔPeが6.0mm以下である、ホイップドクリームを提供する。
ΔPe=(24時間冷蔵保存した後のホイップドクリームのペネトロ値)-(ホイップ直後のホイップドクリームのペネトロ値)
[クリームをホイップする工程]
本技術のホイップドクリームの製造方法は、ホイッパーの回転速度を1回以上変更してクリームをホイップする工程を含む。
第一ホイップ工程における回転速度のホイッパーを用いて該回転速度を変更せずにクリームのホイップを開始してから終了するまでの時間を100%とした場合に、70~90%の時間であることが特に好ましい。このように70~90%の範囲とすることで、ホイップドクリームの生産性と冷蔵保存時の保形性とを向上させつつ、更にホイップドクリームのオーバーランを低くすることが可能であり、具体的にはオーバーランを120%以下とすることが可能である。
本技術のホイップドクリームの製造方法は、乳原料からホイップ用のクリームを調製する工程を含むことが可能である。例えば、ホイップ用のクリームとしてフレッシュクリームを用いる場合、本技術のホイップドクリームの製造方法は、乳原料から乳脂肪分以外の成分を除去してフレッシュクリームを調製する工程を含むことが可能である。
本技術のホイップドクリームは、上記製造方法により得られる。本技術のホイップドクリームは、好ましくは、下記式で示されるΔPeが6.0mm以下のホイップドクリームである。
ΔPe=(24時間冷蔵保存した後のホイップドクリームのペネトロ値)-(ホイップ直後のホイップドクリームのペネトロ値)
ミキサーは、デロンギ社製シェフクラシックを用いた。400gのクリーム(森永乳業社製、乳脂肪分45%)に32gの砂糖を添加し、7℃に調整したものをホイップして、ホイップドクリームを製造した。表1にホイップ時の第一回転速度及び第二回転速度を示した。なお、第一ホイップ工程における回転速度のホイッパーを用いて該回転速度を変更せずにクリームのホイップを開始してから終了するまでの時間を100%とした場合の第一ホイップ工程におけるホイップ時間の割合(%)は、「ホイップ時間に対する第一回転速度でのホイップ時間の割合(%)」として表1に示した。
ホイップドクリームのペネトロ値(Pe)が、21.5±1.0mmの範囲に入った時点でホイップを終了し、ホイップが終了した直後(ホイップ終了後1分以内)、及び5℃にて24時間冷蔵保存した後にペネトロ値(Pe)を測定した。先端角40°、質量12gのコーンをホイップドクリーム表面から自由落下させ、落下後5秒後のコーンの落下距離を測定し、当該落下距離をPeとした。24時間冷蔵保存した後のPeからホイップ直後のPeを引いてΔPeを算出した。ΔPeは大きいほど、冷蔵保存時の保形性低下が大きい。実際にホイップドクリームをケーキ等に用いる際にはΔPeは6.0mm以下であることが好ましい。
ホイップはホイップドクリームのPeが21.5±1.0mmとなった時に終了し、ホ
イップを開始してから終了するまでの時間(ホイップ時間)が2分30秒以下である場合に生産性が良いと評価した。
試験例1の結果を表1に示す。
ミキサーは、デロンギ社製シェフクラシックを用い、400gの45%乳脂肪率のクリーム(森永乳業社製)に32gの砂糖を添加し、7℃に調整したものをホイップして、ホイップドクリームを製造した。ホイップ途中で二回、回転速度を変えた以外は前記試験例1と同じ実験操作を行った。試験例2の第一回転速度、第二回転速度、及び第三回転速度、並びに試験例2の結果を表2に示す。なお、第二ホイップ工程における回転速度のホイッパーを用いて該回転速度を変更せずにクリームのホイップを開始してから終了するまでの時間を100%とした場合の第二ホイップ工程におけるホイップ時間の割合(%)は、「ホイップ時間に対する第二回転速度でのホイップ時間の割合(%)」として表2に示した。
ミキサーは、愛工舎社製KENMIX MAJOR PREMIERを用い、400gの42%乳脂肪率クリーム(森永乳業社製)に32gの砂糖を添加し、7℃に調整したものをホイップして、ホイップドクリームを製造した。脂肪率42%のクリームを用いた以外は、試験例1と同じ実験操作を行った。この条件でもホイップ時間が2分30秒以下の場合、生産性が良好であると判定した。第一回転速度及び第二回転速度、並びに試験例3の結果を表3に示す。
ミキサーは、愛工舎社製マイティ30コートを用いた。7kgの45%乳脂肪率クリーム(森永乳業社製)に560gの砂糖を添加し、7℃に調整したものをホイップして、ホイップドクリームを製造した以外は、試験例1と同じ実験操作を行った。ミキサーのスケールが大きくなると、ホイップ時間がかなり遅延する傾向にあるため、試験例4ではホイップ時間が10分以下の場合、生産性が良好であると判定した。7kgのクリームを一時にホイップするため、10分であっても、一バッチ400gでのホイップより生産性は高い。第一回転速度及び第二回転速度、並びに試験例4の結果を表4に示す。
ミキサーは、デロンギ社製シェフクラシックを用いた。400gのクリーム(森永乳業社製、乳脂肪分45%)に32gの砂糖を添加し、7℃に調整したものをホイップして、ホイップドクリームを製造した。ホイップ時間が2分30秒以下である場合に生産性が良いと評価した。表5にホイップ時の第一回転速度及び第二回転速度を示した。ホイップドクリームの平均気泡径とオーバーランは、下記手順で測定した。
(A)気泡の観察
気泡の変形をできるだけ防止するため、以下の操作を行い、顕微鏡観察試料を調製した。
まず、スライドグラス上にスペーサーとしてカバーグラス(厚み0.15mm)を間隔をあけて置き、その間にホイップドクリーム(試料)を置いた。次に、試料の上をカバーグラスで覆った。この時、試料は、スペーサーとしてのカバーグラスが存在するために、0.15mm以下に圧縮されないことになる。気泡は0.01~0.1mm程度であるため、この処理により気泡の変形を防ぐことができる。顕微鏡(BX53、オリンパス社製)で、10倍の対物レンズを用いて気泡の観察を行い、3視野の写真を撮影した。視野の選択は、変形が少なく球状を維持している気泡が多い視野を選択した。
(B)気泡径測定及び平均気泡径の算出
顕微鏡写真の気泡を画像処理ソフト(イメージプロプラス7.0J、メディアサイバネティクス社製)を用い、個々の気泡の円相当径を求めた。3視野とも写真に写っているすべての気泡を測定した(1視野凡そ200個)。下記式(1)で算出されるザウター径(D32)を、平均気泡径とした。なお、下記式(1)において、「di」は個々の気泡径を示す。
D32=Σdi 3/Σdi 2 ・・・(1)
加糖されたホイップ前のクリームの比重(ρ0)(単位:g/mL)及びホイップ後のホイップドクリームの比重(ρw)(単位:g/mL)を測定し、下記式(2)にてオーバーランを算出した。
オーバーラン(%)=(ρ0-ρw)/ρw×100 ・・・(2)
ミキサーは、デロンギ社製シェフクラシックを用い、400gの45%乳脂肪率のクリーム(森永乳業社製)に32gの砂糖を添加し、7℃に調整したものをホイップして、ホイップドクリームを製造した。ホイップ途中で二回、回転速度を変えた以外は前記試験例1と同じ実験操作を行った。試験例6の第一回転速度、第二回転速度、及び第三回転速度、並びに試験例6の結果を表6に示す。
Claims (3)
- ホイッパーの回転速度を1回以上変更してクリームをホイップする工程を含み、
前記クリームをホイップする工程は、
一定の回転速度のホイッパーを用いてクリームをホイップする第一ホイップ工程と、
前記第一ホイップ工程の後に、前記第一ホイップ工程における前記回転速度より小さい回転速度のホイッパーを用いて前記クリームをホイップする第二ホイップ工程と、を含み、
前記第二ホイップ工程における前記回転速度は、35~50cm/sである、ホイップドクリームの製造方法。 - 前記第二ホイップ工程の後に、前記第二ホイップ工程における前記回転速度と異なる回転速度のホイッパーを用いて前記クリームをホイップする第三ホイップ工程を含む、請求項1に記載のホイップドクリームの製造方法。
- 前記クリームは、フレッシュクリームである、請求項1又は2に記載のホイップドクリームの製造方法。
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WO2016129569A1 (ja) | 2015-02-09 | 2016-08-18 | 株式会社 明治 | フレッシュクリームの製造方法、および、フレッシュクリーム中の脂肪球の平均球径調整方法 |
WO2018021199A1 (ja) | 2016-07-27 | 2018-02-01 | 日清オイリオグループ株式会社 | 油脂組成物 |
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- 2018-11-13 JP JP2018212645A patent/JP7224864B2/ja active Active
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WO2016129569A1 (ja) | 2015-02-09 | 2016-08-18 | 株式会社 明治 | フレッシュクリームの製造方法、および、フレッシュクリーム中の脂肪球の平均球径調整方法 |
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