JP7224846B2 - 光学硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法 - Google Patents

光学硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法に関する。より詳しくは、硬貨の画像を取得して識別処理を行う光学硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法に関するものである。
従来、光源から硬貨に対して光を照射し、その反射光を受光することによって画像を取得し、得られた画像とテンプレートとの比較結果に基づき硬貨の識別を行う技術が知られている。当該技術によれば、比較結果を基に硬貨の種類(金種)や損傷を検出する。光源としては、赤外光を照射するものが知られており、硬貨面に対する光の照射角度は、硬貨表面の模様を検出するために比較的小さく設定される。
このような技術に関連し、特許文献1においては、赤色とは異なる単色のLEDからなる第1の発光源と、赤色LEDからなる第2の発光源と、カラー受光素子と、このカラー受光素子で得られる第1の発光源による外径画像信号と第2の発光源による図柄凹凸画像信号とに基づいて被写体としてのコインを認識する認識手段とを有し、第1の発光源が第2の発光源の入射角よりも小さい入射角をもって配置されていること等を特徴とする画像認識装置を用いたコイン判別装置が開示されている。
また、特許文献2においては、模様のエッジが立った硬貨や、なだらかな肖像のように模様のエッジが不明確な硬貨をそれぞれ判別するために、LowアングルLEDとHighアングルLEDを設け、硬貨画像を得ることが開示されている(図4、[0034]~[0038])。
特許第3090594号明細書 特許第5264343号明細書
ところで、海外硬貨の識別のためには、硬貨表面の模様だけでなく硬貨の色に基づかなければ金種を正確に判定できない場合がある。また、汚損硬貨の検出精度の向上についても望まれていた。これに対し、赤外光を照射する光源を用いた場合には色の検出精度が不充分であったことから、硬貨の色及び汚損の検出能力を向上することが求められていた。
なお、特許文献1のコイン判別装置は、赤色とは異なる単色のLEDからなる第1の発光源により外径画像信号を得て、赤色LEDからなる第2の発光源により図柄凹凸画像信号を得るものであり、硬貨の色の検出精度を向上しようとするものではなかった。特許文献2の硬貨識別装置もまた、硬貨の色の検出精度を向上しようとするものではなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、硬貨の色及び汚損の検出能力を向上することが可能な光学硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、硬貨の画像を取得して識別処理を行う光学硬貨識別装置であって、硬貨面に対して45度以下の照射角度で光を照射するローアングル白色光源と、硬貨面に対して45度を超えて90度以下の範囲内の照射角度で光を照射するハイアングル白色光源と、前記ローアングル白色光源により照明された硬貨面全体を含むローアングル画像、及び前記ハイアングル白色光源により照明された硬貨面の少なくとも一部を含むハイアングル画像を取得する撮像部と、前記ローアングル画像の色成分特徴量と前記ハイアングル画像の色成分特徴量とにより、硬貨の識別処理を行う識別処理部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記識別処理は、金種判定及び汚損判定の少なくとも一方であることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記ローアングル白色光源及び前記ハイアングル白色光源の少なくとも一方は、赤色光を発する光源、緑色光を発する光源、及び青色光を発する光源の組み合わせ、又は白色光を発する光源で構成されることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記ローアングル画像の色成分特徴量及び前記ハイアングル画像の色成分特徴量は、RGB色空間、HSV色空間、YCbCr色空間又はL色空間に含まれる色成分に基づく特徴量であることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、硬貨を搬送する搬送部と、1枚の硬貨が通過する期間中に複数のハイアングル画像を取得し、かつ前記複数のハイアングル画像を取得する合間に前記ローアングル画像を取得するように、前記撮像部の撮像間隔を制御する制御部と、
前記複数のハイアングル画像の中から、前記識別処理に用いる特定の画像を選択する選択部と、を更に備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記光学硬貨識別装置を備えることを特徴とする硬貨処理機である。
また、本発明は、ローアングル白色光源が硬貨面に対して45度以下の照射角度で光を照射しつつ、撮像部が前記ローアングル白色光源により照明された硬貨面全体を含むローアングル画像を取得する第一の撮像ステップと、ハイアングル白色光源が硬貨面に対して45度を超えて90度以下の範囲内の照射角度で光を照射しつつ、前記撮像部が前記ハイアングル白色光源により照明された硬貨面の少なくとも一部を含むハイアングル画像を取得する第二の撮像ステップと、前記ローアングル画像の色成分特徴量と前記ハイアングル画像の色成分特徴量とにより、硬貨の識別処理を行う識別ステップと、を含むことを特徴とする硬貨識別方法である。
本発明の光学硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法によれば、硬貨の色及び汚損の検出能力を向上することができる。
実施形態1の画像センサの斜視模式図である。 図1の画像センサの搬送面を示す平面模式図である。 図1の画像センサから搬送路側カバーを取り外して内部構造を示した図である。 図1の画像センサの断面模式図である。 ローアングル白色光源が発した光の光路を説明する図であり、実線が硬貨に照射される光の光路を、二点鎖線が硬貨で反射された光の光路を示している。 ハイアングル白色光源が発した光の光路を説明する図であり、実線が硬貨に照射される光の光路を、二点鎖線が硬貨で反射された光の光路を示している。 実施形態1の光学硬貨識別装置による硬貨の識別処理のフローの一例を示すフローチャートである。 (a)は、識別処理部によりRGB色空間を用いて作成されるヒストグラムの例であり、(b)は、識別処理部によりHSV色空間を用いて作成されるヒストグラムの例であり、(c)は、識別処理部によりYCbCr色空間を用いて作成されるヒストグラムの例であり、(d)は、識別処理部によりL色空間を用いて作成されるヒストグラムの例である。 ローアングル白色光源とハイアングル白色光源を交互に照明して連続撮像する場合に必要な撮像範囲を説明する図である。 ハイアングル白色光源の照明による連続撮像に必要な撮像範囲を説明する図である。 金属毎の波長-反射率特性を示したグラフである。 反射率差によるコントラスト向上を説明するための模式図であり、(a)が赤外光の反射を示し、(b)が青色光の反射を示している。 実施形態1の光学硬貨識別装置の機能的な構成の一例を説明するブロック図である。 実施形態1の硬貨処理機の断面図である。 実施形態1の硬貨処理機の斜視図である。 実施形態1の硬貨処理機の処理機本体を処理機枠体から引き出した状態の平面図である。 (a)は図16のA-A断面図、(b)は図16のB-B断面図である。 変形例の画像センサの断面模式図である。
(実施形態1)
実施形態1の光学硬貨識別装置は、硬貨を識別及び計数するために利用される硬貨処理機内に設けられ、硬貨処理機内を搬送される硬貨の識別処理用画像を取得する。なお、本明細書において「硬貨」とは、硬貨及びそれに類似する大きさ及び形状を有する媒体全般を意味し、金属製の貨幣だけでなく、メダルや、樹脂製の貨幣(樹脂コイン)等も含まれる。
実施形態1の光学硬貨識別装置は、ローアングル白色光源、ハイアングル白色光源、及び撮像部を含む画像センサを備える。本実施形態の光学硬貨識別装置において、後に説明する識別処理部、制御部等は、画像センサ内の回路基板に実装されていてもよいし、画像センサから独立した外部の回路基板に実装され、画像センサに接続されていてもよい。
まず、図1~4を用いて、実施形態1の画像センサの構造について説明する。図1は、実施形態1の画像センサの斜視模式図である。図2は、図1の画像センサの搬送面を示す平面模式図である。図3は、図1の画像センサから搬送路側カバーを取り外して内部構造を示した図である。図4は、図1の画像センサの断面模式図である。図1及び3中の矢印は、搬送路を上流側から下流側に向かって通過する硬貨100の搬送方向を示している。
硬貨100は、搬送路に沿って搬送面の上方に張られた搬送ベルト21aと、搬送ベルト21aに対して一定間隔で固定された搬送ピン21bとを含む搬送部21により搬送され、画像センサ10を通過する。搬送ベルト21aは、プーリー、モータ等を備える駆動装置によって駆動される。円柱状の搬送ピン21bが硬貨100の外縁部に接触し、搬送ベルト21aが移動することによって、硬貨100は、一枚ずつ間隔を空けて搬送路上を搬送される。なお、搬送部21の構成は、硬貨100を搬送することができるものであれば図示した構成に限定されず、搬送ピン21bを省略して搬送ベルト21aのみとしてもよいし、搬送ピン21bの形状及び大きさを変更してもよい。搬送ピン21bが省略される場合には、搬送ベルト21aが硬貨100の上面を押さえつつ硬貨100とともに移動する。搬送ベルト21aを設けることにより、搬送路の表面や搬送ガイド28に硬貨100を接触させた状態で摺動させることができるので、画像センサ10による検出の精度を向上することができる。硬貨100は、搬送路の端部に片寄せされた状態で、すなわち、硬貨100の端面が搬送ガイド28に接触した状態で、搬送面上を摺動することが好ましい。
画像センサ10は、撮像領域22aに対応して設けられた円形の平面形状を有する透光部22の下方に、撮像領域22aを照明するローアングル白色光源11及びハイアングル白色光源16と、撮像領域22aを撮像する撮像部24とを有する。上記構成により、透光部22上を通過する硬貨100を照明しつつ撮像することができる。
具体的には、上方が開口した箱状の筐体26の内部に、ローアングル白色光源11、ハイアングル白色光源16及び撮像部24が設置され、筐体26の上部に、搬送路側カバー27及び搬送ガイド28が取り付けられる。搬送路側カバー27の中央には、上記透光部22が設けられている。透光部22の材質は、強度及び透明性に優れていることが望ましく、サファイヤガラスが好適に用いられる。透光部22の寸法は、撮像対象となる1種以上の硬貨100のうちで最大径を有する硬貨の径よりも大きいことが望ましい。搬送ガイド28は、搬送路側カバー27の上面よりも突出するように設けられており、硬貨100が通過する搬送路の幅を規定する側壁として機能する。搬送路側カバー27及び搬送ガイド28の材質は特に限定されず、硬質樹脂、セラミック、金属等で構成される。
ローアングル白色光源11は、筐体26内の上部に設けられ、平面視において撮像領域22aを囲むように配置された円環状照明である。ローアングル白色光源11は、円環状に配置された複数の発光素子12と、発光素子12の上に配置された円環状のプリズム(導光体)13と、を含む。円環状照明の径は、撮像対象となる1種以上の硬貨100のうちで最大径を有する硬貨の径よりも大きくされる。ハイアングル白色光源16は、筐体26内の下部に設けられ、平面視において撮像部24を囲むように配置された複数の発光素子12を含む円環状照明である。なお、ハイアングル白色光源16は、硬貨面の色の検出に用いるハイアングル画像を取得するために設けられることから、硬貨面の少なくとも一部を照明できるものであればよく、円環状照明ではなくスポット光源を使用することも可能である。
ローアングル白色光源11は、硬貨面(透光部22の上面)に対する照射角度が0~45度の範囲内で光を照射するものであり、ハイアングル白色光源16は、硬貨面に対する照射角度が45度を超えて90度以下の範囲内で光を照射するものである。また、ローアングル白色光源11及びハイアングル白色光源16はいずれも、撮像部24が硬貨100のカラー画像を取得できるように構成されており、例えば、複数の発光素子12の各々が白色光を発してもよいし、複数の発光素子12の組み合わせが異なる波長域の光を発することにより白色光が得られるものであってもよい。後者の具体例としては、赤色光を発する発光素子、緑色光を発する発光素子及び青色光を発する発光素子の組み合わせが挙げられる。
ローアングル白色光源11及びハイアングル白色光源16が備える発光素子12としては、発光ダイオード(LED)が好適である。ローアングル白色光源11では、発光素子12が発した光は、プリズム13に入射する。プリズム13は、図4に示したように、発光素子12の発光面に対向する下面(入光面)と、下面から入射した上方へ向かう光を撮像領域22aの方向へ反射させる反射面と、撮像領域22aに対向する出光面とを有する。ローアングル白色光源11では、プリズム13の出光面と撮像領域22aとの間に、光を拡散させる機能を有する光拡散フィルムを設けてもよい。ハイアングル白色光源16では、発光素子12の出光面と撮像領域22aとの間に、光拡散フィルムを設けてもよい。
撮像部24は、ローアングル白色光源11により照明された硬貨面全体を含むローアングル画像と、ハイアングル白色光源16により照明された硬貨面の少なくとも一部を含むハイアングル画像とを取得する。すなわち、ローアングル白色光源11の発光タイミングとハイアングル白色光源16の発光タイミングとは異なり、撮像部24は、ローアングル白色光源11の発光タイミングで撮像し、かつハイアングル白色光源16の発光タイミングで撮像するように、撮像タイミングが制御される。撮像部24には、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等が配置された光電変換部24aと、撮像領域22aを通過する硬貨100で反射された光を受光して光電変換部24aの受光面に結像させるレンズユニット24bとが含まれる。撮像部24は、撮像領域22aの法線方向に配置されることが好ましい。
図5は、ローアングル白色光源11が発した光の光路を説明する図であり、実線が硬貨100に照射される光の光路を、二点鎖線が硬貨100で反射された光の光路を示している。図示のように、ローアングル白色光源11が発した光については、硬貨面で正反射された成分は撮像部24に入射せず、硬貨面で拡散反射された成分が撮像部24に入射する。ローアングル白色光源11により照明することで、緑青(青緑色の錆)等の硬貨100の汚損を見た目に近い色で検出することができる。また、硬貨面の凹凸模様の検出精度にも優れている。
図6は、ハイアングル白色光源16が発した光の光路を説明する図であり、実線が硬貨100に照射される光の光路を、二点鎖線が硬貨100で反射された光の光路を示している。図示のように、ハイアングル白色光源16が発した光については、硬貨面で正反射された成分が撮像部24に入射し、硬貨面で拡散反射された成分は撮像部24に入射しない。このため、ハイアングル白色光源16により照明することで、鏡面に近い新貨の硬貨表面の色や金属光沢の有無、目視でも見分け辛い硬貨100の汚損を検出することができる。
上記画像センサ10を備える実施形態1の光学硬貨識別装置は、ローアングル画像の色成分特徴量とハイアングル画像の色成分特徴量とを組み合わせて硬貨の識別処理を行う識別処理部を備えるので、硬貨の色及び汚損の検出能力を向上することが可能である。以下、図7に示すフローチャートを用いて、実施形態1の光学硬貨識別装置による硬貨100の識別処理のフローの一例を説明する。
搬送部21により搬送された硬貨100が撮像領域22aに突入すると、ローアングル白色光源11が発光するとともに撮像部24が撮像し、ローアングル画像が取得される(第一の撮像ステップS11)。ローアングル画像は、硬貨面の凹凸模様の検出に用いられることから、硬貨面全体を含むものとされる。
また、搬送部21により搬送された硬貨100が撮像領域22aに突入すると、上記第一の撮像ステップS11とは別のタイミングで、ハイアングル白色光源16が発光するとともに撮像部24が撮像し、ハイアングル画像が取得される(第二の撮像ステップS21)。ハイアングル画像は、硬貨面の色の検出に用いられるものであることから、硬貨面の少なくとも一部を含むものであれば使用できる。
第一の撮像ステップS11で取得されたローアングル画像、及び第二の撮像ステップS21で取得されたハイアングル画像を用いて、識別ステップが行われる。以下、識別ステップについて説明する。
まず、識別処理部が、取得されたローアングル画像について、色成分抽出領域を決定する(ステップS12)。色成分抽出領域としては、撮像領域22aを撮像したローアングル画像から、硬貨100が存在しない背景部分(黒成分の画素)と、硬貨100の模様に対応する硬貨面の段差部(白成分の画素)とを除いた領域を選択してもよい。これにより、色成分抽出領域として硬貨100の素地部分(平坦部分)を抽出することができる。黒成分及び白成分はそれぞれ、ローアングル画像のRGB値を用いて設定された所定の閾値に基づき、画素ごとに決定される。
次に、識別処理部が、ローアングル画像中の色成分抽出領域について、色成分特徴量を算出する(ステップS13)。色成分特徴量の算出方法は、画像中の色成分の特徴を抽出できれば特に限定されないが、例えば、所定の色空間で用いられる色成分の値を横軸とし、色成分抽出領域内の全画素に含まれる色成分の画素数を縦軸としたヒストグラムを作成し、このヒストグラムを基に平均値を求めることが挙げられる。色成分特徴量の算出に使用される色空間は特に限定されないが、RGB色空間、HSV色空間、YCbCr色空間、L色空間等の公知の色空間を用いることができる。図8(a)は、識別処理部によりRGB色空間を用いて作成されるヒストグラムの例であり、図8(b)は、識別処理部によりHSV色空間を用いて作成されるヒストグラムの例であり、図8(c)は、識別処理部によりYCbCr色空間を用いて作成されるヒストグラムの例であり、図8(d)は、識別処理部によりL色空間を用いて作成されるヒストグラムの例である。RGB色空間では、赤、緑及び青の色成分の組み合わせが用いられ、HSV色空間では、色相、彩度及び明度の色成分の組み合わせが用いられ、YCbCr色空間では、輝度、青系統の色相と彩度、及び赤系統の色相と彩度の組み合わせが用いられ、L色空間では、明度、緑~赤の色相、及び青~黄色の色相の組み合わせが用いられる。
また、識別処理部が、取得されたハイアングル画像について、色成分抽出領域を決定する(ステップS22)。色成分抽出領域としては、撮像領域22aを撮像したハイアングル画像から、硬貨100が存在しない背景部分(黒成分の画素)と、硬貨100の模様に対応する硬貨面の段差部(黒成分の画素)とを除いた領域を選択してもよい。黒成分は、ハイアングル画像のRGB値を用いて設定された所定の閾値に基づき、画素ごとに決定される。
次に、識別処理部が、ハイアングル画像中の色成分抽出領域について、上記ステップS13と同様の方法で色成分特徴量を算出する(ステップS23)。
識別処理部が、得られたローアングル画像の色成分特徴量とハイアングル画像の色成分特徴量とについて、光学硬貨識別装置に格納されたテンプレートとの比較を行い、照合値を算出する(ステップS31)。照合値としては、得られた色成分特徴量とテンプレートとのユークリッド距離を用いることができる。テンプレートは、識別可能な硬貨の種類(金種)に対応して用意される。n(nは、1以上の任意の整数)番目のテンプレートnとの比較が行われてn番目の照合値Dnが算出されると、続けてn+1番目のテンプレートとの比較が行われてn+1番目の照合値Dn+1が算出される。T個のテンプレートが保持されている場合には、T<nに到達するまで、テンプレートとの比較による照合値の算出が繰り返される(ステップS32)。
T<nに到達すると、1番目の照合値D1~T番目の照合値DTから最小照合値Dminを求め、最小照合値Dminに対応するテンプレートの番号Nminを特定する(ステップS33)。そして、予め設定した閾値1よりも最小照合値Dminが小さいか否かを判定する(ステップS34)。最小照合値Dminが閾値1よりも小さい場合には、テンプレートの番号Nminに対応する金種Nminであると決定し(ステップS35)、識別処理のフローを終了する。一方、最小照合値Dminが閾値1以上である場合には、予め設定した閾値2よりも最小照合値Dminが小さいか否かを再判定する(ステップS36)。最小照合値Dminが閾値2よりも小さい場合には、汚損であると判定し(ステップS37)、フローを終了する。一方、最小照合値Dminが閾値2以上である場合には、硬貨100の受け入れを拒絶する判定を行い(ステップS38)、フローを終了する。
上記のように、ローアングル画像の色成分特徴量とハイアングル画像の色成分特徴量とを組み合わせることにより、硬貨100の表面素材に基づく色をより的確に把握することができ、流通過程における硬貨100の色味の変化の影響が軽減された金種判定が可能になる。したがって、形状(径の大きさ、穴の有無を含む)、模様及び磁気の点で類似する特徴を有する硬貨間であっても、硬貨表面の色に基づいて分類することができる。また、磁気センサで検出した材質特徴の測定結果を組み合わせることにより、表面にメッキが施された硬貨やバイカラー硬貨の検出精度についても向上することができる。
なお、ローアングル画像及びハイアングル画像の撮像タイミングの制御は、硬貨100の到来を検知するためのタイミングセンサを利用してもよいし、タイミングセンサを設けずに予め設定した撮像間隔で撮像領域22aの撮像を連続的に行うものであってもよい。前者のタイミングセンサを利用する方式では、タイミングセンサによる硬貨100の侵入検知を妨げないように、搬送ベルト21a及び搬送ピン21bの配置を設計する必要があるが、後者のタイミングセンサを設けない方式では、タイミングセンサの配置のために搬送ベルト21a及び搬送ピン21bの配置が制約されることがない。国内外の多様な硬貨に対応可能な硬貨処理機とするためには、処理可能な硬貨100の径の範囲を大きくすることが求められるが、処理可能な硬貨100の径の範囲を大きくすると、搬送ベルト21a及び搬送ピン21bの構成や配置とタイミングセンサの配置との関係を調整することが困難なことがある。したがって、国内外の多様な硬貨に対応可能な硬貨処理機とする場合には、後者のタイミングセンサを設けない方式が好適に用いられる。
以下、タイミングセンサを設けない方式を用いる場合のローアングル画像及びハイアングル画像の撮像タイミングについて説明する。タイミングセンサを設けない方式では、硬貨100の到来のタイミングを厳密に検知できないため、予め設定した撮像間隔で撮像領域22aの撮像を連続的に行うことにより、硬貨100の搬送状態を常時監視する。この搬送監視は、ローアングル白色光源11の照明による連続撮像であってもよいし、ハイアングル白色光源16の照明による連続撮像であってもよいし、ローアングル白色光源11とハイアングル白色光源16を交互に照明して連続撮像するものであってよいが、ハイアングル白色光源16の照明による連続撮像が好適である。
ハイアングル白色光源16の照明による連続撮像が好適な理由の一つ目としては、ハイアングル白色光源16は、硬貨100の表面部(大面積)で反射した光を検出するために用いられるのに対し、ローアングル白色光源11は、硬貨100のエッジ部(小面積)で反射した光を検出するために用いられることから、ハイアングル白色光源16の照明に対する反射率の方がローアングル白色光源11の照明に対する反射率よりも大きいことが挙げられる。ローアングル白色光源11の照明によって一定量の反射光を確保するために、ローアングル白色光源11の照度を大きくすると、消費電力や発熱量が増加することになり、発光素子12の寿命が短くなるおそれもある。
ハイアングル白色光源16の照明による連続撮像が好適な理由の二つ目としては、以下で説明するように撮像範囲を小さくできることから、センサの小型化が図れるためである。耐久性に優れた透光部22とするために、透光部22に高価なサファイヤガラスを用いている場合には、センサの小型化により透光部22の面積を小さくできれば、製造コストを大きく低減することができる。
図9は、ローアングル白色光源11とハイアングル白色光源16を交互に照明して連続撮像する場合に必要な撮像範囲を説明する図であり、図10は、ハイアングル白色光源16の照明による連続撮像に必要な撮像範囲を説明する図である。ローアングル画像111としては硬貨面全体を含むものを識別処理で使用するので、硬貨面全体を含むローアングル画像111を確実に取得する必要がある。タイミングセンサを設けない方式では、硬貨100の到来のタイミングを厳密に検知できないため、撮像領域22aを1枚の硬貨100が通過する所要時間内に2つ以上のローアングル画像111を撮像できるように、ローアングル画像111の撮像間隔を制御する。その結果、図9における撮像範囲A1には、2つ以上の硬貨面全体を含むローアングル画像111を確実に取得可能できるようにマージンMが設定され、撮像範囲A1は大きくなる。一方、ハイアングル画像116は主に硬貨100の色を検出するためのものであることから、硬貨面の少なくとも一部を含むものであれば識別処理に使用できる。ハイアングル画像116の撮像により硬貨100の到来のタイミングを検知した後、ローアングル画像111の撮像を行えば、マージンを設けなくても硬貨面全体を含むローアングル画像111を確実に取得できるので、図10における撮像範囲A2は、図9における撮像範囲A1よりも小さくできる。
また、ローアングル画像111は、緑青等の硬貨100の汚損を見た目に近い色で検出することができることに加えて、ハイアングル画像116と比べて、硬貨面の凹凸模様の検出精度にも優れている。しかしながら、海外硬貨では、肖像画に代表される、凹凸の小さな模様が設けられることがあるため、硬貨100表面の平坦部と凹凸部の反射光強度に差が出にくく、高コントラストの画像が得られないおそれがある。これに対して、ローアングル画像111を硬貨面の素地の反射率が比較的小さい短波長領域を利用して撮像すれば、コントラストを向上できる。図11は、金属毎の波長-反射率特性を示したグラフである。図11に示したように、短波長領域の方が赤外領域と比較して反射率が低い傾向があり、特に銅や金については、青色光(波長約450nm)の反射率が赤外光(波長800nm超)の反射率の半分程度になる。また、図12は、反射率差によるコントラスト向上を説明するための模式図であり、図12(a)が赤外光の反射を示し、図12(b)が青色光の反射を示している。ローアングル光源による照明では、平坦部で拡散反射が生じ、凹凸部で正反射が生じる。図12(a)に示したように、赤外光源12IRを用いた場合には、硬貨面の素地の反射率が大きいため、拡散反射光の強度と正反射光の強度の差が小さい。一方、図12(b)に示したように、青色光源12Bを用いた場合には、硬貨面の素地の反射率が小さいことに伴って拡散反射光の強度も小さくなるので、拡散反射光の強度と正反射光の強度の差が大きくなり、コントラストが向上する。よって、硬貨面の凹凸模様の検出精度を向上するために、ローアングル画像111として、色成分特徴量の算出に用いるカラー画像の他に、青色光のみで撮像した硬貨画像や、カラー画像から青色成分を抽出して作成した硬貨画像を用いてもよい。また、青色光よりも短波長の光で撮像してもよい。
次に、図13に示すブロック図を用いて、実施形態1の光学硬貨識別装置の機能的な構成の一例を説明する。
制御部30は、搬送制御部31、撮像制御部33及び画像検出部34を含む。搬送制御部31は、搬送ベルト21a等で構成される搬送部21による硬貨100の搬送を制御する。撮像制御部33は、ローアングル白色光源11及びハイアングル白色光源16の発光タイミングや撮像部24の撮像タイミングを制御し、両者を同期させる。画像検出部34は、撮像部24の出力に基づいて硬貨100のローアングル画像111及びハイアングル画像116を作成する。なお、制御部30と、ローアングル白色光源11、ハイアングル白色光源16、撮像部24等のセンサ構成部材との間には、適宜、増幅回路、フィルタ回路、AD変換回路、駆動回路等の硬貨処理機の分野において一般的な回路が介在してもよい。
記憶部50は、光学硬貨識別装置で行われる処理に必要な各種のデータを記憶するために利用され、具体的には、黒成分及び白成分の決定に用いられる閾値や、最大照合値Dmaxとの比較に用いられる閾値といった各種の閾値56、色成分特徴量との比較に用いられるテンプレート57等の処理対象の硬貨100に関する硬貨情報51を予め格納しており、硬貨100の処理に伴い、ローアングル画像111及びハイアングル画像116を格納するものである。
選択部60は、1枚の硬貨100が通過する期間中に複数のローアングル画像111及び/又は複数のハイアングル画像116が撮像された場合に、それらの画像の中から、識別処理部70での識別処理に用いる特定の画像を選択する。すなわち、選択部60は、タイミングセンサを設けずに、予め設定した撮像間隔で撮像領域22aの撮像を連続的に行うことにより、硬貨100の搬送状態を常時監視する場合に設けられる。
識別処理部70は、硬貨の識別処理を行うために利用され、硬貨100の種類(金種判定)、正損判定(汚損判定)、真偽判定等を行う。識別処理部70による識別処理の少なくとも一部は、ローアングル画像111の色成分特徴量とハイアングル画像116の色成分特徴量とを併用する方法で行われ、金種判定及び汚損判定の少なくとも一方がローアングル画像111の色成分特徴量とハイアングル画像116の色成分特徴量とを併用する方法で行われることが好ましい。例えば図7に示したフローによれば、ローアングル画像111の色成分特徴量とハイアングル画像116の色成分特徴量とを併用して、金種判定及び汚損判定の両方を行うことができる。
制御部30、選択部60及び識別処理部70の物理的な構成としては、例えば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラム、当該ソフトウェアプログラムを実行するCPU(中央処理装置)、当該CPUによって制御される各種ハードウェア、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理デバイス等を含むものが挙げられる。各部の動作に必要なソフトウェアプログラムやデータの保存には、記憶部50や、別途専用に設けられたRAMやROM等のメモリ、ハードディスク等が利用される。
記憶部50の物理的な構成としては、例えば、揮発性又は不揮発性のメモリやハードディスク等の記憶装置が挙げられる。
以下、選択部60による画像の選択が行われる場合について、ハイアングル白色光源16の照明による連続撮像が行われる例に基づき、詳しく説明する。
ハイアングル白色光源16の照明による連続撮像は、撮像制御部33が、撮像領域22aを1枚の硬貨100が通過する時間よりも短い撮像間隔となるように、ハイアングル白色光源16の発光タイミング及び撮像部24の撮像タイミングを制御することにより行われる。撮像間隔の制御は、例えば、識別対象の硬貨100の径、搬送部21により調整される硬貨100の搬送速度、撮像領域22aの大きさに応じて行われる。硬貨100の撮像は、撮像対象となる硬貨100のうちで最大径の硬貨の画像を2つ以上撮像可能な撮像間隔で行われることが好ましい。これにより、少なくとも2つのハイアングル画像を取得できることが確保されるので、選択される識別処理用画像の画質を確保することができる。また、画像検出部34は、1枚の硬貨100が通過する期間中に複数のハイアングル画像116を取得する。
そして、ハイアングル画像116等に基づいて硬貨100の到来が検知された場合には、1枚の硬貨100が通過する期間中に複数のハイアングル画像を取得し、かつ複数のハイアングル画像を取得する合間にローアングル画像を取得するように、撮像部の撮像間隔が制御される。
また、搬送路の画像センサ10よりも上流側の位置に、画像センサ10とは異なる別のセンサを備える場合には、撮像制御部33は、別のセンサが硬貨100の到来を検知した後の所定期間中、撮像部24の撮像間隔を短縮する制御を行ってもよい。これにより、硬貨100が含まれていない画像の取得を減らし、処理を簡素化することができる。
別のセンサの種類は特に限定されないが、磁気センサを用いることができる。磁気センサとしては、磁気抵抗素子、ホール素子(ホールIC)等の磁気検出素子を含むセンサが挙げられる。磁気検出素子上を硬貨100が通過すると、その出力信号が硬貨100の磁気量に応じて変化する。磁気センサを利用すれば、磁性を有する硬貨100の到来を検知することができる。なお、磁気センサは、識別処理に用いる硬貨100の磁性情報を取得するために設けられており、通過検知センサのように硬貨100の到来を検知する機能のみを有するものではない。磁気センサに対して、フォトセンサ等で構成される通過検知センサが付設される場合には、その通過検知センサを活用してもよい。
別のセンサを利用して撮像部24の撮像間隔を一時的に短縮する場合、短縮された撮像間隔は、撮像対象となる硬貨100のうちで最大径の硬貨の画像を2枚以上撮像可能な撮像間隔とされることが好ましい。
また、別のセンサを利用して撮像部24の撮像間隔を一時的に短縮する場合、短縮前後の撮像間隔は、撮像対象となる硬貨100のうちで最小径の硬貨(小径硬貨)の少なくとも一部分を撮像可能な撮像間隔とされることが好ましい。すなわち、別のセンサが硬貨100の到来を検知する前、及び、別のセンサが硬貨100の到来を検知した後の所定期間の経過後には、撮像制御部33が、小径硬貨の少なくとも一部分を撮像可能な撮像間隔にする制御を行うことが好ましい。これにより、硬貨100が含まれていない画像の取得を減らしつつ、別のセンサが硬貨100を検知しなかったときに、撮像部24によって撮像されない硬貨100が発生することを防止できる。
小径硬貨の少なくとも一部分を撮像可能な撮像間隔の求め方の一例を以下に示す。
<条件>
・撮像部24の撮像領域22a:45mmΦ
・硬貨100の搬送速度:2000mm/sec
・小径硬貨の直径:14mmΦ
<計算式>
(45+14)/2000=29.5(msec)
したがって、上記条件では、29.5msec以内の間隔で撮像すれば、小径硬貨の少なくとも一部分を撮像可能である。
選択部60は、取得された複数のハイアングル画像116の中から、特定の画像を識別処理用画像として選択する。選択部60で用いられる選択条件は特に限定されないが、選択部60が、複数のハイアングル画像116の中から識別処理用画像として、撮像された硬貨100の中心が撮像領域22aの中心に最も近い画像を選択することが好ましい。また、硬貨100の特定部位を基準点として予め設定しておき、撮像された硬貨100の基準点の位置に基づき、硬貨100の中心が撮像領域22aの中心に最も近い画像を識別処理用画像として選択することが好ましい。基準点は、硬貨100の位置や状態を特定できるものを用いることができ、例えば、硬貨100の中心点、端部(エッジ)等の任意の位置を用いてもよく、中でも硬貨100の中心点が好適に用いられる。
実施形態1の光学硬貨識別装置は、硬貨を識別及び計数するために利用される硬貨処理機内に設けられる。ここで、光学硬貨識別装置は、硬貨処理機から着脱可能に構成されたユニット部品であってもよいし、硬貨処理機と一体不可分に構成された硬貨処理機の一部分であってもよい。
以下、図14~17を用いて、実施形態1の光学硬貨識別装置が組み込まれた硬貨処理機の構成の一例について説明する。図14は、実施形態1の硬貨処理機の断面図、図15は、実施形態1の硬貨処理機の斜視図、図16は、実施形態1の硬貨処理機の処理機本体を処理機枠体から引き出した状態の平面図、図17(a)は、図16のA-A断面図、図17(b)は、図16のB-B断面図である。
処理機枠体511内に処理機枠体511の前面開口を通じて処理機本体512が装着されているとともに、処理機枠体511の両側内壁面に配設された両側のガイドレール機構513によって処理機本体512が処理機枠体511に対して引き出し可能に支持されている。
処理機本体512の前部512aには、前面側上部位置で、上面右側に硬貨受入口525が形成されているとともに、上面左側に操作部526が形成され、さらに、前面下部位置で、左側寄りに受皿状の硬貨払出口527が形成され、右側に着脱収納箱528が着脱自在すなわち前方へ引出可能に配設され、中央に電源スイッチ529が配設されている。
硬貨受入口525は、処理機本体512内に投入される硬貨を受け入れるもので、底面が開口形成されている。硬貨払出口527は、処理機本体512内からの硬貨が払い出されるものである。
また、処理機本体512は、硬貨を金種別に区分収納する金種別収納部541を有し、硬貨受入口525ヘ投入された硬貨を1枚ずつ繰り込んで金種別収納部541へ分類収納する入金機構、出金指令に応じて金種別収納部541から必要な硬貨を繰り出して硬貨払出口527へ払い出す出金機構、硬貨回収指令に応じて金種別収納部541から硬貨を繰り出して硬貨払出口527ヘ回収する回収機構を有している。
硬貨受入口525の下側に硬貨受入口525の底面を構成する平ベルト542が前後方向に沿って配設され、この平ベルト542は後方の繰り込み方向に上昇傾斜され、平ベルト542の回転駆動によって平ベルト542上の硬貨が後方へ繰り込み搬送される。この平ベルト542の後端側上方には、平ベルト542の上面の回転方向と逆方向に逆転駆動されて平ベルト542上に載った硬貨が厚み方向に1枚ずつ通過するように規制する逆転ローラ543が配設されている。
平ベルト542の後端は硬貨通路544の入口に接続されている。この硬貨通路544は、処理機本体512の右側に沿って配設される硬貨識別通路部545及び処理機本体512の後側に沿って配設される金種別硬貨選別通路部546を有し、全体としてほぼL字状に形成されている。硬貨通路544は、通路底面を構成する通路板547上でかつ通路両側を構成する両側のガイド側板548及び549間に形成され、硬貨識別通路部545及び金種別硬貨選別通路部546の上方に沿ってそれぞれ張設される搬送ベルト550、551及び552によって硬貨が搬送される。なお、搬送ベルト550、551及び552による硬貨の搬送速度は平ベルト542による硬貨の繰り込み速度より速く、硬貨通路544内に繰り込まれた硬貨は1枚ずつ前後の間隔があけられた状態で搬送される。
硬貨識別通路部545には、一側のガイド側板548が通路中央側に突出して硬貨が接触しながら搬送される基準縁548aとされ、この基準縁548aに対応して、磁気センサ553、画像センサ10及び硬貨選別部554が順に配設されている。なお、通常の搬送では、磁気センサ553が画像センサ10の上流に位置するが、硬貨処理機は搬送方向を双方向に切り換え可能であり、逆搬送では、画像センサ10が磁気センサ553の上流に位置することになる。磁気センサ553及び画像センサ10により、硬貨の材質、直径、孔の有無等から金種や、硬貨の正損及び真偽が識別される。硬貨選別部554は、損貨、偽造貨及び金種別収納部541が満杯になったときのオーバーフロー硬貨等が識別されたとき、それら硬貨を強制的に落下させて選別するもので、通路板547に選別孔555が形成され、この選別孔555内に、ソレノイドSD1によって通路幅方向で通路内外に進退移動されるシャッタ556が配置されている。選別孔555の下側には選別孔555から落下した硬貨を着脱収納箱528に導くシュート557が取り付けられている。そして、通常はシャッタ556が通路内に進入した状態にあって硬貨の通過が許容され、また、損貨、偽造貨及びオーバーフロー硬貨が識別された場合にシャッタ556が通路外に退避され、硬貨が選別孔555から落下されて下方の着脱収納箱528に収納される。このように、硬貨処理機は、識別処理部により汚損有りと判定された硬貨(損貨)を除去するリジェクト(排出)部を有するものである。
金種別硬貨選別通路部546は、他側のガイド側板549が通路中央側に突出して基準縁549aとされ、この基準縁549aに沿って上流側の小径硬貨から下流側の大径硬貨の順に金種別に径選別する選別孔558が形成されている。各選別孔558から落下された硬貨は下方の金種別収納部541に金種別に区分収納される。
金種別収納部541は、収納部枠581によって処理機本体512の左右方向に金種別に区画形成されており、収納部枠581の上部には蓋体582によって開閉される開口部583が形成されている。各金種別収納部541の底面は平ベルト584によって構成され、この平ベルト584は前方の払出方向へ向けて上昇する傾斜状に張設されて、その払出方向に回転駆動される。
平ベルト584の前端側上方には、平ベルト584の上面の回転方向と逆方向に逆転駆動されて平ベルト584上に載った硬貨が厚み方向に1枚ずつ通過するように規制する逆転ローラ585が配設されている。逆転ローラ585の前側には、平ベルト584によって搬送される硬貨を停止させるストッパ機構586が配設されており、このストッパ機構586は、ストッパ587及びこのストッパ587を硬貨の搬送領域に対して進退させるソレノイドSD3を有している。ストッパ機構586の前側には、ストッパ機構586を通過して放出される硬貨を検知するフォトセンサにて構成された計数センサ588が配設されている。
各金種別収納部541から硬貨が放出される前側位置には、各金種別収納部541から放出された硬貨を硬貨払出口527に導くシュート589が配設されている。
硬貨処理機の使用状態では、硬貨処理機がレジ台の上面に載せられ、硬貨処理機上にキャッシュレジスタ607が載せられて使用される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜削除されてもよいし、変更されてもよいし、組み合わされてもよい。
(変形例)
実施形態1では、ハイアングル白色光源として、ローアングル白色光源と同様の円環状照明を用いたが、ハイアングル白色光源は、図18に示す変形例のように、ビームスプリッターを備える同軸落射照明を用いてもよい。図18は、変形例の画像センサの断面模式図である。図中の実線は、ハイアングル白色光源の面発光光源(図示せず)から硬貨100に照射される光の光路を示し、二点鎖線は、硬貨100で反射された光の光路を示している。
変形例のハイアングル白色光源は、面発光光源の光をビームスプリッター19で反射させる構成を有し、透光部22の下方側の法線方向から硬貨100の全面を照明する。上記面発光光源は特に限定されないが、例えば、表面に複数の発光素子(LED)が実装された発光基板が用いられる。ビームスプリッター19は、面発光光源から入射した光を撮像領域22aに向けて反射させ、かつ、撮像領域22aを通過する硬貨100の表面で反射された光を透過させる。ビームスプリッター19を透過した光が撮像部24により受光される。ビームスプリッター19は、面発光光源から発せられた光の進行方向、及び硬貨100の搬送面に対して、斜め方向に向けられた反射面を有し、例えば、図18に示すように、硬貨100の搬送面に対して45°に傾斜する反射面が設けられる。なお、ビームスプリッター19は、入射光を反射させる機能と透過させる機能の両方を有するものであればよく、透過光と反射光の割合は特に限定されないが、透過光と反射光の割合が1:1となる特性を示すハーフミラーが好適に用いられる。
以上のように、本発明に係る光学硬貨識別装置及び硬貨識別方法は、硬貨の色及び汚損の検出能力を向上することができることから、硬貨処理機における硬貨の適切な選別に有用な技術である。
10:画像センサ
11:ローアングル白色光源
12:発光素子
12B:青色光源
12IR:赤外光源
13:プリズム(導光体)
16:ハイアングル白色光源
19:ビームスプリッター
21:搬送部
21a:搬送ベルト
21b:搬送ピン
22:透光部
22a:撮像領域
24:撮像部
24a:光電変換部
24b:レンズユニット
26:筐体
27:搬送路側カバー
28:搬送ガイド
30:制御部
31:搬送制御部
33:撮像制御部
34:画像検出部
50:記憶部
51:硬貨情報
56:閾値
57:テンプレート
60:選択部
70:識別処理部
100:硬貨
111:ローアングル画像
116:ハイアングル画像
511:処理機枠体
512:処理機本体
512a:前部
513:ガイドレール機構
525:硬貨受入口
526:操作部
527:硬貨払出口
528:着脱収納箱
529:電源スイッチ
541:金種別収納部
542:平ベルト
543:逆転ローラ
544:硬貨通路
545:硬貨識別通路部
546:金種別硬貨選別通路部
547:通路板
548、549:ガイド側板
548a、549a:基準縁
550、551、552:搬送ベルト
553:磁気センサ
554:硬貨選別部
555、558:選別孔
556:シャッタ
557:シュート
581:収納部枠
582:蓋体
583:開口部
584:平ベルト
585:逆転ローラ
586:ストッパ機構
587:ストッパ
588:計数センサ
589:シュート
607:キャッシュレジスタ
M:マージン
SD1、SD3:ソレノイド

Claims (6)

  1. 硬貨の画像を取得して識別処理を行う光学硬貨識別装置であって、
    硬貨面に対して45度以下の照射角度で光を照射するローアングル白色光源と、
    硬貨面に対して45度を超えて90度以下の範囲内の照射角度で光を照射するハイアングル白色光源と、
    前記ローアングル白色光源により照明された硬貨面全体を含むローアングル画像、及び前記ハイアングル白色光源により照明された硬貨面の一部の画像であるハイアングル画像を取得する撮像部と、
    前記ローアングル画像の色成分特徴量と前記ハイアングル画像の色成分特徴量とにより、硬貨の識別処理を行う識別処理部と、
    硬貨を搬送する搬送部と、
    1枚の硬貨が通過する期間中に複数のハイアングル画像を取得し、かつ前記複数のハイアングル画像を取得する合間に前記ローアングル画像を取得するように、前記撮像部の撮像間隔を制御する制御部と、
    前記複数のハイアングル画像の中から、前記識別処理に用いる特定の画像を選択する選択部と、を備えることを特徴とする光学硬貨識別装置。
  2. 前記識別処理は、金種判定及び汚損判定の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の光学硬貨識別装置。
  3. 前記ローアングル白色光源及び前記ハイアングル白色光源の少なくとも一方は、赤色光を発する光源、緑色光を発する光源、及び青色光を発する光源の組み合わせ、又は白色光を発する光源で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学硬貨識別装置。
  4. 前記ローアングル画像の色成分特徴量及び前記ハイアングル画像の色成分特徴量は、RGB色空間、HSV色空間、YCbCr色空間又はL*a*b*色空間に含まれる色成分に基づく特徴量であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の光学硬貨識別装置。
  5. 請求項1~のいずれかに記載の光学硬貨識別装置を備えることを特徴とする硬貨処理機。
  6. ローアングル白色光源が硬貨面に対して45度以下の照射角度で光を照射しつつ、撮像部が前記ローアングル白色光源により照明された硬貨面全体を含むローアングル画像を取得する第一の撮像ステップと、
    ハイアングル白色光源が硬貨面に対して45度を超えて90度以下の範囲内の照射角度で光を照射しつつ、前記撮像部が前記ハイアングル白色光源により照明された硬貨面の一部の画像であるハイアングル画像を取得する第二の撮像ステップと、
    識別処理部が、前記ローアングル画像の色成分特徴量と前記ハイアングル画像の色成分特徴量とにより、硬貨の識別処理を行う識別ステップと、を含む、光学硬貨識別装置による硬貨識別方法であって、
    搬送部により搬送された1枚の硬貨が通過する期間中に複数のハイアングル画像を取得し、かつ前記複数のハイアングル画像を取得する合間に前記ローアングル画像を取得するように、制御部が前記撮像部の撮像間隔を制御し、
    選択部が、前記複数のハイアングル画像の中から、前記識別処理に用いる特定の画像を選択することを特徴とする光学硬貨識別装置による硬貨識別方法。
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