JP2020067772A - 硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬貨の潜像の状態を画像により判定することができる硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法を提供する。【解決手段】硬貨の潜像を識別に用いる硬貨識別装置であって、硬貨を照明する照明部と、前記照明部により照明された硬貨の画像を取得する撮像部と、硬貨を特定方向から照明したときの硬貨画像を取得するように、硬貨の向き及び前記照明部の照明方向の少なくとも一方を制御する制御部と、硬貨の潜像に対応する基準データを記憶する記憶部と、前記硬貨画像を前記基準データと比較し、得られた比較結果に基づいて硬貨の正損判定を行う判定部と、を備えることを特徴とする硬貨識別装置である。【選択図】図5

Description

本発明は、硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法に関する。より詳しくは、硬貨の潜像を識別に用いる硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法に関するものである。
従来、光源から硬貨に対して光を照射し、その反射光を受光することによって画像を取得し、得られた画像と予め登録されている真貨の基準画像であるテンプレートとの比較結果に基づき硬貨の識別を行うことが知られている。このような硬貨の識別方法により、金種(硬貨の種類)、真偽、正損(損傷の有無)が検出されている。
一方、硬貨には、偽造防止のために潜像が形成されることがある。ここで、「潜像」とは、何等かの手法を用いて肉眼では見えない又は見えにくいように形成した画像を意味し、例えば、日本国で2000年以降に発行された500円硬貨では、裏面のゼロを表す模様部分に対し、見る角度によって「500円」の文字が浮かび上がる潜像が仕込まれている。また、イギリス発行の2ポンド硬貨においても潜像が形成されている。硬貨の潜像は、目視による硬貨の識別では利用されているが、画像センサでは検出が難しく、自動機による硬貨の識別では通常利用されていない。
特許文献1には、硬貨の潜像を検出して硬貨の真偽判定を行う硬貨判別装置が開示されている。特許文献1の硬貨判別装置においては、硬貨面上方から光を照射し、円環状に配置した複数の受光素子で受光し、受光素子の出力の比を真貨と比較することにより、潜像の真偽を判定している。
特開2001−2016549号公報
ところで、硬貨の潜像は、通常、硬貨表面の凹凸によって形成されるものであることから、凸部の摩耗や凹部への汚れの付着によって潜像が不明瞭になる可能性がある。これに対して、特許文献1の硬貨判別装置は、潜像部のみの反射光強度ではなく、硬貨全面からの反射光強度によって潜像の真偽を判定しており、硬貨の潜像の状態を明瞭に捉えることができるものではなかった。このため、潜像の状態を画像により直接判定する技術が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、硬貨の潜像の状態を画像により判定することができる硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、硬貨の潜像を識別に用いる硬貨識別装置であって、硬貨を照明する照明部と、前記照明部により照明された硬貨の画像を取得する撮像部と、硬貨を特定方向から照明したときの硬貨画像を取得するように、硬貨の向き及び前記照明部の照明方向の少なくとも一方を制御する制御部と、硬貨の潜像に対応する基準データを記憶する記憶部と、前記硬貨画像を前記基準データと比較し、得られた比較結果に基づいて硬貨の正損判定を行う判定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記照明部は、平面視において前記撮像部の周りに円環状に配置された複数の光源を含み、前記制御部は、撮像対象の硬貨に対して、前記複数の光源の各々を異なるタイミングで発光させ、かつ前記撮像部が各タイミングで硬貨画像を取得するように、前記照明部及び前記撮像部を制御し、照明方向が異なる複数枚の硬貨画像を取得することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数の光源は、6以上の光源で構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、硬貨を回転させる硬貨回転機構を更に備え、前記制御部は、回転する撮像対象の硬貨に対して、前記照明部を複数回発光させ、かつ前記撮像部が各発光タイミングで硬貨画像を取得するように、前記硬貨回転機構、前記照明部及び前記撮像部を制御し、照明方向が異なる複数枚の硬貨画像を取得することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記記憶部は、硬貨の金種と向きに対応する基準データを記憶し、前記判定部は、硬貨全体画像から撮像対象の硬貨の金種と向きを判定し、前記照明部は、平面視において前記撮像部の周りに円環状に配置された複数の光源を含み、前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づき、撮像対象の硬貨に対して、前記複数の光源のうちの特定の光源を発光させ、かつ前記撮像部が前記特定の光源で照明された硬貨画像を取得するように、前記照明部及び前記撮像部を制御することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、撮像対象の硬貨を回転させる硬貨回転機構を更に備え、前記記憶部は、硬貨の金種と向きに対応する基準データを記憶し、前記判定部は、硬貨全体画像から撮像対象の硬貨の金種と向きを判定し、前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づき、前記硬貨回転機構が所定の向きとなるように撮像対象の硬貨を回転させてから、前記撮像部が前記照明部により照明された硬貨画像を取得するように、前記硬貨回転機構、前記照明部及び前記撮像部を制御することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記判定部は、更に、前記硬貨画像を前記基準データと比較し、得られた比較結果に基づいて硬貨の真偽判定を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記照明部は、硬貨面に対する照射角度が0度を超えて45度以下の範囲内で光を照射することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、硬貨を搬送する搬送部を更に備え、前記制御部は、前記搬送部が硬貨を搬送している間に硬貨画像を取得するように制御することを特徴とする。
また、本発明は、前記硬貨識別装置を備えることを特徴とする硬貨処理機である。
また、本発明は、硬貨の潜像を識別に用いる硬貨識別方法であって、制御部が、硬貨の向き及び照明部の照明方向の少なくとも一方を制御することにより、硬貨を特定方向から照明したときの硬貨画像を撮像部が取得する撮像ステップと、判定部が、記憶部に記憶された硬貨の潜像に対応する基準データと前記硬貨画像を比較し、得られた比較結果に基づいて硬貨の正損判定を行う判定ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の硬貨識別装置、硬貨処理機及び硬貨識別方法によれば、硬貨の潜像の状態を画像により判定することができる。
実施形態1の硬貨識別装置が備える画像センサユニットの側面模式図である。 図1中の画像センサユニットの搬送面を示す平面模式図である。 図1中の画像センサユニットから搬送路側カバーを取り外して内部構造を示した図である。 図1中の画像センサユニットの断面模式図である。 潜像を含む硬貨画像の取得方法を説明する図であり、(a)は、硬貨に「500円」の文字(潜像)が鮮明に現れる方向から照明した場合を示し、(b)は、硬貨に横線(潜像)が現れる方向から照明した場合を示している。 実施形態1の硬貨識別装置による硬貨の識別処理のフローの一例を示すフローチャートである。 新貨のテンプレートに最も一致する画像の一致度(最大一致度)を用いた判定処理について説明する図である。 実施形態1の硬貨識別装置の機能的な構成の一例を説明するブロック図である。 実施形態1の硬貨処理機の斜視図である。 実施形態1の硬貨処理機の処理機本体を処理機枠体から引き出した状態の平面図である。 (a)は図11のA−A断面図、(b)は図11のB−B断面図である。 実施形態2における潜像の撮像方法を説明する図であり、(a)は硬貨を回転させる前の初期状態、(b)は硬貨を回転させた後の潜像撮像時の状態を示している。 実施形態2の変形例1における潜像の撮像方法を説明する図であり、(a)は単一光源を回転させる前の初期状態、(b)は単一光源を回転させた後の潜像撮像時の状態を示している。 実施形態3の硬貨識別装置による硬貨の識別処理のフローの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係る硬貨識別装置及び硬貨識別方法の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
実施形態1の硬貨識別装置は、硬貨を識別及び計数するために利用される硬貨処理機内に設けられ、硬貨処理機内を搬送される硬貨の潜像を用いて、少なくとも正損判定(汚損判定)を行うものである。なお、本明細書において「硬貨」とは、硬貨及びそれに類似する大きさ及び形状を有する媒体全般を意味し、金属製の貨幣だけでなく、メダルや、樹脂製の貨幣(樹脂コイン)等であってもよい。実施形態1における潜像の検出は、複数の光源を用いて照明方向が異なる複数枚の硬貨画像を取得することによって、潜像が現れる特定方向から硬貨を照明したときの硬貨画像を取得することにより行われる。
まず、図1〜4を用いて、実施形態1の硬貨識別装置が備える画像センサユニットの構造について説明する。図1は、実施形態1の硬貨識別装置が備える画像センサユニットの側面模式図である。図2は、図1中の画像センサユニットの搬送面を示す平面模式図である。図3は、図1中の画像センサユニットから搬送路側カバーを取り外して内部構造を示した図である。図4は、図1中の画像センサユニットの断面模式図である。図1及び3中の矢印は、搬送路を上流側から下流側に向かって通過する硬貨100の搬送方向を示している。図4中の実線矢印は、硬貨100に照射される光の光路を示し、二点鎖線矢印は、硬貨100で反射された光の光路を示している。
硬貨100は、搬送路の上下にそれぞれ設けられた搬送ベルト21a等で構成される搬送部21によって、一枚ずつ間隔を空けて搬送され、搬送路の上下にそれぞれ設けられた一対の画像センサユニット10a及び10bの撮像領域22a及び22bを通過する。搬送ベルト21aは、プーリー21b、モータ等を備える駆動装置によって駆動されている。
搬送路上流側の画像センサユニット10aと搬送路下流側の画像センサユニット10bとは、搬送面に対して線対称な構成を有し、一対の画像センサユニット10a及び10bによって、硬貨100の表面及び裏面が撮像される。これにより、硬貨100の一方の面のみに潜像が形成されている場合であっても、潜像を検出することができる。硬貨表裏取り揃え機構等によって搬送路を搬送される硬貨の表裏が揃えられている場合や、硬貨の表裏両方に潜像が形成されている場合には、一つの画像センサユニット10a又は10bのみが設けられてもよい。
画像センサユニット10a及び10bは、撮像領域22a又は22bに対応して設けられた円形の平面形状を有する透明部22と、撮像領域22a又は22bを照明する照明部23と、撮像領域22a又は22bを撮像する撮像部24とを有する。上記構成により、撮像領域22a又は22bを通過する硬貨100を照明しつつ撮像することができる。
具体的には、透明部22側が開口した箱状の筐体26の内部に、照明部23及び撮像部24が設置され、筐体26の上部に、搬送路側カバー27が取り付けられる。搬送路側カバー27の中央に、上記透明部22が設けられている。透明部22の材質は、強度及び透明性に優れていることが望ましく、サファイヤガラスが好適に用いられる。透明部22の寸法は、撮像対象となる硬貨100のうちで最大径を有する硬貨の径よりも大きくなっている。
照明部23は、筐体26内の上部に設けられ、平面視において撮像部24(撮像領域22a又は22b)を囲むように配置された円環状照明である。照明部23は、円環状に配置された複数の発光素子12と、発光素子12の上に配置された円環状のプリズム(導光体)13と、を含む。円環状照明の径は、撮像対象となる硬貨100のうちで最大径を有する硬貨の径よりも大きくされる。
照明部23は、硬貨面(透明部22の上面)に対する照射角度が0度を超えて45度以下の範囲内で光を照射するローアングル光源であることが好ましい。図4に示したように、ローアングル光源が発した光については、硬貨面で正反射された成分が撮像部24に入射せず、硬貨面で拡散反射された成分が撮像部24に入射する。したがって、ローアングル光源による照明は、硬貨面の凹凸模様の検出に有利であり、潜像の検出に適している。
発光素子12としては、発光ダイオード(LED)が好適である。発光素子12が発した光は、プリズム13に入射する。プリズム13は、図4に示したように、発光素子12の発光面に対向する下面(入光面)と、下面から入射した上方へ向かう光を撮像領域22aの方向へ反射させる反射面と、撮像領域22aに対向する出光面とを有する。照明部23には、プリズム13の出光面と撮像領域22aとの間に、光を拡散させる機能を有する光拡散フィルムを設けてもよい。
撮像部24は、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等が配置された光電変換部24aと、撮像領域22a又は22bを通過する硬貨100で反射された光を受光して光電変換部24aの受光面に結像させるレンズユニット24bとを含む。撮像部24は、撮像領域22a又は22bに直交する方向に配置されることが好ましい。
また、搬送路の画像センサユニット10aよりも上流側の位置に、画像センサユニット10a及び10bとは異なる別のセンサを備えてもよい。別のセンサの種類は特に限定されないが、例えば、磁気センサが挙げられる。磁気センサとしては、磁気抵抗素子、ホール素子(ホールIC)等の磁気検出素子を含むセンサが用いられる。
以下において、図5(a)及び(b)を用いて、本実施形態における潜像を含む硬貨画像の取得方法について説明する。硬貨100に潜像が形成されている場合、硬貨100を特定方向から照明したときの硬貨画像のみに潜像が現れる。例えば、図5(a)に示したように、方向Aから照明した場合には硬貨100の「0」の中に「500円」の文字(潜像)が鮮明に現れ、図5(b)に示したように、方向Bから照明した場合には硬貨100の「0」の中に横線(潜像)が現れ、それ以外の方向から照明した場合には硬貨100の「0」の中には何も現れない。
これに対して、円環状に配置された複数の発光素子12の発光タイミングを異ならせ、各発光タイミングで撮像部24による撮像を行うことで、硬貨100をそれぞれ異なる方向から照明した複数の硬貨画像を取得することができる。したがって、潜像が形成された硬貨100を撮像する場合であっても、複数の硬貨画像の少なくとも一つにおいて潜像を検出させることができる。図5(a)及び(b)に示した例では、24個の発光素子12を備える照明部23を6分割し、それぞれ4個の発光素子12からなる6個の光源とされている。照明部23を分割して構成された各光源は、撮像部24が硬貨100のカラー画像を取得できるように、白色光源であることが好ましい。白色光源は、複数の発光素子12の各々が白色光を発するものであってもよいし、複数の発光素子12の組み合わせが異なる波長域の光を発することにより白色光が得られるものであってもよい。後者の具体例としては、赤色光を発する発光素子、緑色光を発する発光素子及び青色光を発する発光素子の組み合わせが挙げられる。
硬貨100は円形である為に搬送される向きを一定の向きに定めることができないし、また搬送中に回転することから、撮像領域22a又は22bを通過する際の硬貨100の向きを認識していない場合には、潜像を確実に検出する観点から、白色光源11は、6以上の光源(光源間の間隔60°以下)に分割されることが好ましく、12以上の光源(光源間の間隔30°以下)とすれば、より確実に鮮明な潜像の画像を取得できる。分割された光源は、等間隔であることが好ましい。
上記構成を備える実施形態1の硬貨識別装置は、潜像を検出した硬貨画像を、硬貨の潜像に対応する基準データと比較し、得られた比較結果に基づいて硬貨の正損判定を行う判定部を備えるものである。判定部は、硬貨100の潜像を用いて、正損判定だけでなく、得られた比較結果に基づいて真偽判定を行うものであってもよい。以下、図6及び7を用いて、実施形態1の硬貨識別装置による硬貨100の正損判定及び真偽判定のフローの一例を説明する。
<撮像ステップ>
図6のフローチャートに示したように、搬送部21により搬送された硬貨100が撮像領域22a又は22bに突入すると、複数の光源(分割数=n)に分割された照明部23の一部が点灯する(ステップS11)。また、照明部23の点灯に同期して撮像部24が撮像し、硬貨画像が取得される(ステップS12)。点灯させる発光素子を変更しながら、照明部23の一部の点灯と撮像部24の撮像とが、n回完了するまで繰り返される(ステップS13)。
なお、硬貨100の突入の検知は、タイミングセンサを利用してもよいし、タイミングセンサを設けずに予め設定した撮像間隔で撮像領域22aの撮像を連続的に行ってもよい。前者のタイミングセンサを利用する方式では、タイミングセンサによる硬貨100の侵入検知を妨げないように、搬送ベルト21aの配置を設計する必要があるが、後者のタイミングセンサを設けない方式では、タイミングセンサの配置のために搬送ベルト21aの配置が制約されることがない。国内外の多様な硬貨に対応可能な硬貨処理機とするためには、処理可能な硬貨100の径の範囲を大きくすることが求められるが、処理可能な硬貨100の径の範囲を大きくすると、搬送ベルト21aの構成や配置とタイミングセンサの配置との関係を調整することが困難なことがある。したがって、国内外の多様な硬貨に対応可能な硬貨処理機とする場合には、後者のタイミングセンサを設けない方式が好適に用いられる。
<判定ステップ>
n枚の硬貨画像が取得されると、各硬貨画像に含まれる潜像部分の画像と、記憶部に記憶された新貨のテンプレート(基準データ)とを比較し、模様の一致度を算出するマッチング処理を行う(ステップS14)。なお、潜像部分の画像は、硬貨100の種類(金種)ごとに記憶部に記憶されているため、金種と向きが特定されていない場合は、全ての潜像に対応する基準データとのマッチング処理を行うが、金種と向きが予め決まっている場合や事前に特定された場合には、特定の潜像に対応する基準データとのマッチング処理を行うことになる。
マッチング処理の結果を基に、新貨のテンプレートに最も一致する潜像部分の画像(最大一致度を示す画像)を決定し、得られた最大一致度について、真偽判定用の真偽閾値と大小を比較する(ステップS15)。図7に示したように、最大一致度が真偽閾値よりも小さい場合には、n枚の硬貨画像中に潜像が検出されなかったことを意味しており、偽貨の可能性があるため、硬貨処理機内への硬貨100の受け入れを拒否する処理(リジェクト)が行われる。一方、最大一致度が真偽閾値以上である場合には、正損判定へ進む。
上記最大一致度について、正損判定用の正損閾値と大小を比較する(ステップS16)。図7に示したように、最大一致度が正損閾値よりも小さい場合には、n枚の硬貨画像中に検出された潜像がいずれも不鮮明であったことを意味するので、硬貨100が摩耗していると判断し、再利用に適さない摩耗貨として硬貨処理機内の保管庫へ搬送する。一方、最大一致度が正損閾値以上である場合には、市場に流通可能な正貨として硬貨処理機内の金種別収納部へ取り込む。
次に、図8に示すブロック図を用いて、実施形態1の硬貨識別装置の機能的な構成の一例を説明する。
制御部30は、搬送制御部31、撮像制御部33及び画像検出部34を含む。搬送制御部31は、搬送ベルト21a等で構成される搬送部21による硬貨100の搬送を制御する。撮像制御部33は、照明部23の点灯タイミングや撮像部24の撮影タイミングを制御し、両者を同期させる。上述したように、照明部23は、複数の光源に分割されており、例えば、6個の光源A、光源B、光源C、光源D、光源E及び光源Fに分割されている場合には、撮像対象の硬貨に対して、光源A、光源B、光源C、光源D、光源E及び光源Fを異なるタイミングで発光させ、撮像部24は、各発光タイミングで異なる方向から照明された硬貨100を撮影する。画像検出部34は、撮像部24の出力に基づいて照明方向が異なる複数枚の硬貨画像を作成するものであり、例えば、一枚の硬貨100について、光源Aで撮影された画像A、光源Bで撮影された画像B、光源Cで撮影された画像C、光源Dで撮影された画像D、光源Eで撮影された画像E、及び光源Fで撮影された画像Fをそれぞれ作成する。制御部30においては、搬送部21が硬貨100を搬送している間に硬貨画像を取得する。なお、制御部30と、白色光源11、撮像部24等のセンサ構成部材との間には、適宜、増幅回路、フィルタ回路、AD変換回路、駆動回路等の硬貨処理機の分野において一般的な回路が介在してもよい。
記憶部50は、硬貨識別装置で行われる処理に必要な各種のデータを記憶するために利用され、具体的には、マッチング処理に用いる新貨のテンプレート(基準データ)51、真偽判定用の真偽閾値52、正損判定用の正損閾値53等の処理対象の硬貨100に関する硬貨情報を予め格納しており、硬貨100の処理に伴い、硬貨画像110を格納する。
識別処理部70は、硬貨100の識別処理を行うために利用され、マッチング処理部71及び判定部72を備える。真偽判定及び正損判定を行う場合には、まずマッチング処理部71において、新貨のテンプレート51と、画像A、画像B、画像C、画像D、画像E及び画像F等の硬貨画像とを比較し、それぞれ一致度を算出するマッチング処理が行われる。マッチング処理により新貨のテンプレート51に最も一致する画像の一致度に相当する最大一致度が求められる。次に、判定部72において、マッチング処理部71で求めた最大一致度と真偽閾値52の大小が比較され、真偽判定が行われる。続いて、判定部72において、マッチング処理部71で求めた最大一致度と正損閾値53の大小が比較され、正損判定が行われる。判定部72は、真偽判定、正損判定に加えて、硬貨100の種類を識別するための金種判定、硬貨100の表裏及び向きを識別するための向き判定を行う。
制御部30及び識別処理部70の物理的な構成としては、例えば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラム、当該ソフトウェアプログラムを実行するCPU(中央処理装置)、当該CPUによって制御される各種ハードウェア、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理デバイス等を含むものが挙げられる。各部の動作に必要なソフトウェアプログラムやデータの保存には、記憶部50や、別途専用に設けられたRAMやROM等のメモリ、ハードディスク等が利用される。
記憶部50の物理的な構成としては、例えば、揮発性又は不揮発性のメモリやハードディスク等の記憶装置が挙げられる。
以上の構成を有する実施形態1の硬貨識別装置によれば、制御部が照明部の照明方向を制御し、分割光源を用いて複数の硬貨画像を取得することにより、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像が得られる。これにより、画像に基づき、硬貨の潜像の状態をより高精度に識別することが可能となるので、潜像を用いた正損判定を行うことができる。また、実施形態1の硬貨画像取得方法によれば、硬貨の向きを認識していない状態であっても潜像が撮像された硬貨画像を取得することができる。
実施形態1の硬貨識別装置は、硬貨を識別及び計数するために利用される硬貨処理機内に設けられる。ここで、硬貨識別装置は、硬貨処理機から着脱可能に構成されたユニット部品であってもよいし、硬貨処理機と一体不可分に構成された硬貨処理機の一部分であってもよい。
以下、図9〜11を用いて、実施形態1の硬貨識別装置が組み込まれた硬貨処理機の構成の一例について説明する。図9は、実施形態1の硬貨処理機の斜視図、図10は、実施形態1の硬貨処理機の処理機本体を処理機枠体から引き出した状態の平面図、図11(a)は、図10のA−A断面図、図11(b)は、図10のB−B断面図である。
処理機枠体511内に処理機枠体511の前面開口を通じて処理機本体512が装着されているとともに、処理機枠体511の両側内壁面に配設された両側のガイドレール機構513によって処理機本体512が処理機枠体511に対して引き出し可能に支持されている。
処理機本体512の前部512aには、前面側上部位置で、上面右側に硬貨受入口525が形成されているとともに、上面左側に操作部526が形成され、さらに、前面下部位置で、左側寄りに受皿状の硬貨払出口527が形成され、右側に着脱収納箱528が着脱自在すなわち前方へ引出可能に配設され、中央に電源スイッチ529が配設されている。
硬貨受入口525は、処理機本体512内に投入される硬貨を受け入れるもので、底面が開口形成されている。硬貨払出口527は、処理機本体512内からの硬貨が払い出されるものである。
また、処理機本体512は、硬貨を金種別に区分収納する金種別収納部541を有し、硬貨受入口525ヘ投入された硬貨を1枚ずつ繰り込んで金種別収納部541へ分類収納する入金機構、出金指令に応じて金種別収納部541から必要な硬貨を繰り出して硬貨払出口527へ払い出す出金機構、硬貨回収指令に応じて金種別収納部541から硬貨を繰り出して硬貨払出口527ヘ回収する回収機構を有している。
硬貨受入口525の下側に硬貨受入口525の底面を構成する平ベルト542が前後方向に沿って配設され、この平ベルト542は後方の繰り込み方向に上昇傾斜され、平ベルト542の回転駆動によって平ベルト542上の硬貨が後方へ繰り込み搬送される。この平ベルト542の後端側上方には、平ベルト542の上面の回転方向と逆方向に逆転駆動されて平ベルト542上に載った硬貨が厚み方向に1枚ずつ通過するように規制する逆転ローラ543が配設されている。
平ベルト542の後端は硬貨通路544の入口に接続されている。この硬貨通路544は、処理機本体512の右側に沿って配設される硬貨識別通路部545及び処理機本体512の後側に沿って配設される金種別硬貨選別通路部546を有し、全体としてほぼL字状に形成されている。硬貨通路544は、通路底面を構成する通路板547上でかつ通路両側を構成する両側のガイド側板548及び549間に形成され、硬貨識別通路部545及び金種別硬貨選別通路部546の上方に沿ってそれぞれ張設される搬送ベルト550、551及び552によって硬貨が搬送される。なお、搬送ベルト550、551及び552による硬貨の搬送速度は平ベルト542による硬貨の繰り込み速度より速く、硬貨通路544内に繰り込まれた硬貨は1枚ずつ前後の間隔があけられた状態で搬送される。
硬貨識別通路部545には、一側のガイド側板548が通路中央側に突出して硬貨が接触しながら搬送される基準縁548aとされ、この基準縁548aに対応して、磁気センサ553、画像センサユニット10a及び10b、硬貨選別部554が順に配設されている。磁気センサ553並びに画像センサユニット10a及び10bにより、硬貨の材質、直径、孔の有無等から金種や、硬貨の正損及び真偽が識別される。硬貨選別部554は、損貨(摩耗貨)、偽造貨及び金種別収納部541が満杯になったときのオーバーフロー硬貨等が識別されたとき、それら硬貨を強制的に落下させて選別するもので、通路板547に選別孔555が形成され、この選別孔555内に、ソレノイドSD1によって通路幅方向で通路内外に進退移動されるシャッタ556が配置されている。選別孔555の下側には選別孔555から落下した硬貨を着脱収納箱(保管庫)528に導くシュート557が取り付けられている。そして、通常はシャッタ556が通路内に進入した状態にあって硬貨の通過が許容され、また、損貨(摩耗貨)、偽造貨及びオーバーフロー硬貨が識別された場合にシャッタ556が通路外に退避され、硬貨が選別孔555から落下されて下方の着脱収納箱(保管庫)528に収納される。偽造貨については、硬貨処理機外に排出してもよい。
金種別硬貨選別通路部546は、他側のガイド側板549が通路中央側に突出して基準縁549aとされ、この基準縁549aに沿って上流側の小径硬貨から下流側の大径硬貨の順に金種別に径選別する選別孔558が形成されている。各選別孔558から落下された硬貨は下方の金種別収納部541に金種別に区分収納される。
金種別収納部541は、収納部枠581によって処理機本体512の左右方向に金種別に区画形成されており、収納部枠581の上部には蓋体582によって開閉される開口部583が形成されている。各金種別収納部541の底面は平ベルト584によって構成され、この平ベルト584は前方の払出方向へ向けて上昇する傾斜状に張設されて、その払出方向に回転駆動される。
平ベルト584の前端側上方には、平ベルト584の上面の回転方向と逆方向に逆転駆動されて平ベルト584上に載った硬貨が厚み方向に1枚ずつ通過するように規制する逆転ローラ585が配設されている。逆転ローラ585の前側には、平ベルト584によって搬送される硬貨を停止させるストッパ機構586が配設されており、このストッパ機構586は、ストッパ587及びこのストッパ587を硬貨の搬送領域に対して進退させるソレノイドSD3を有している。ストッパ機構586の前側には、ストッパ機構586を通過して放出される硬貨を検知するフォトセンサにて構成された計数センサ588が配設されている。
各金種別収納部541から硬貨が放出される前側位置には、各金種別収納部541から放出された硬貨を硬貨払出口527に導くシュート589が配設されている。
(実施形態2)
実施形態2の硬貨識別装置は、単一光源で構成される照明部を用いて、硬貨を回転させながら照明方向が異なる複数枚の硬貨画像を取得することにより、実施形態1と同様に、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を得るものである。すなわち、実施形態2の硬貨識別装置は、硬貨を回転させる硬貨回転機構を備える。実施形態2の制御部は、回転する撮像対象の硬貨に対して、照明部を複数回発光させ、かつ撮像部が各発光タイミングで硬貨画像を取得するように、硬貨回転機構、照明部及び撮像部をそれぞれ制御し、照明方向が異なる複数枚の硬貨画像を取得する。
硬貨の向きを回転させる硬貨回転機構としては特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。照明部としては、撮像領域の硬貨を特定方向から照明する単一光源が用いられる。単一光源は、1つの発光素子で構成されてもよいし、同時に発光する複数の発光素子で構成されてもよい。
図12を用いて、実施形態2における潜像の撮像方法について説明する。図12(a)は、透明部22に搬送された硬貨100を回転させる前の初期状態を示している。図12(a)の初期状態では、単一光源を構成する発光素子12と硬貨100の向きとの配置関係が、硬貨100を照明しても潜像が現れないものとなっている。図12(b)に示したように、硬貨回転機構として、硬貨100が載置される透明部(ガラス板)22が回転する機構を備えることにより、硬貨100を回転させることができる。これにより、単一光源を構成する発光素子12を用いて照明角度が異なる複数枚の硬貨画像の撮像を行うことができるので、潜像が現れる方向から硬貨100を照明したときの硬貨画像を取得することができる。
実施形態2の硬貨識別装置によれば、制御部が硬貨回転機構を介して硬貨の向きを制御するので、単一光源を用いて、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を取得することができる。実施形態2の硬貨識別装置によっても、画像に基づき、硬貨の潜像の状態をより高精度に識別することが可能となるので、潜像を用いた正損判定を行うことができる。
(実施形態2の変形例1)
実施形態2において、硬貨の向きを回転させる硬貨回転機構を用いる代わりに、円環状に回転可能な単一光源を用いてもよい。この場合、円環状に回転可能な単一光源を回転させながら、任意の位置で複数回の発光及び撮像を行うことで、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を取得することができる。
図13を用いて、実施形態2の変形例1における潜像の撮像方法について説明する。図13(a)は、硬貨100が透明部22に搬送された直後であって、単一光源を回転させる前の初期状態を示している。図13(a)の初期状態では、単一光源を構成する発光素子12と硬貨100の向きとの配置関係が、硬貨100を照明しても潜像が現れないものとなっている。単一光源を構成する発光素子12は、光源回転用ガイド28内に設置されている。図13(b)に示したように、硬貨回転機構として、光源回転用ガイド28に沿って発光素子12が回転する機構を備えることにより、単一光源を構成する発光素子12を用いて照明角度が異なる複数枚の硬貨画像の撮像を行うことができる。したがって、単一光源を構成する発光素子12であっても、潜像が現れる方向から硬貨100を照明することができる。
(実施形態2の変形例2)
実施形態2において、撮像領域に対して特定方向に配置された単一光源を用いる代わりに、実施形態1と同様に、円環状に配置された複数の発光素子を備える光源を用いてもよい。この場合、複数の発光素子のうちの特定の発光素子のみを発光させて撮像を行うことで、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を取得することができる。
(実施形態3)
実施形態3の硬貨識別装置は、搬送路の上流に設けたセンサによって硬貨の金種と表裏、向きを認識したうえで、撮像領域の周りに円環状に配置された分割光源により硬貨画像を取得することにより、実施形態1と同様に、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を得るものである。すなわち、実施形態3の硬貨識別装置においては、判定部が、硬貨全体画像から撮像対象の硬貨の金種と向きを判定する。また、照明部としては、平面視において撮像部の周りに円環状に配置され、複数の光源に分割されたもの(分割光源)が用いられる。実施形態3の制御部は、判定部の判定結果に基づき、撮像対象の硬貨に対して、複数の光源のうちの特定の光源を発光させ、かつ撮像部が特定の光源で照明された硬貨画像を取得するように、照明部及び撮像部をそれぞれ制御する。
搬送路の上流に設けるセンサとしては、硬貨の金種と表裏、向きを特定できるデータを取得できるものであれば特に限定されず、例えば、画像センサを用いてもよい。画像センサを用いた場合には、判定部が、硬貨全体画像(硬貨表面又は硬貨裏面の全体を撮像した画像)から撮像対象の硬貨の金種と表裏、向きを判定し、硬貨の金種・向き情報を作成する。得られた硬貨の金種・向き情報と記憶部に予め格納された新貨のテンプレート(硬貨の金種と向きに対応する基準データ)51とに基づいて、発光させる特定の光源を選択することができる。
以下、図14を用いて、実施形態3の硬貨識別装置による硬貨の正損判定及び真偽判定のフローの一例を説明する。
図14のフローチャートに示したように、搬送路の上流に設けた画像センサにより硬貨全体画像を取得する(ステップS21)。続いて、向き判定部が、取得された硬貨全体画像を、記憶部に記憶された新貨のテンプレート(基準データ)と比較し、硬貨の金種と表裏、向き(角度)を判定し、硬貨の金種・向き情報を作成する(ステップS22)。
<撮像ステップ>
硬貨の金種・向き情報に基づいて、分割光源のうちで、潜像が浮き出る方向から照明可能な光源を選択し、搬送部により搬送された硬貨が、潜像撮像用のセンサの撮像領域に突入すると、選択された光源を点灯させ、撮像部により硬貨画像を取得する(ステップS23)。
<判定ステップ>
次に、取得された硬貨画像に含まれる潜像部分の画像と、記憶部に記憶された新貨のテンプレート(基準データ)とを比較し、模様の一致度を算出するマッチング処理を行う(ステップS24)。なお、潜像部分の画像は、硬貨の種類(金種)ごとに記憶部に記憶された潜像の位置データに基づき、硬貨画像から切り出される。
マッチング処理で得られた一致度について、真偽判定用の真偽閾値と大小を比較する(ステップS25)。一致度が真偽閾値よりも小さい場合には、硬貨画像中に潜像が検出されなかったことを意味しており、偽貨の可能性があるため、硬貨処理機内への硬貨の受け入れを拒否する処理(リジェクト)が行われる。一方、一致度が真偽閾値以上である場合には、正損判定へ進む。
上記一致度について、正損判定用の正損閾値と大小を比較する(ステップS26)。一致度が正損閾値よりも小さい場合には、硬貨画像中に検出された潜像が不鮮明であったことを意味するので、硬貨が摩耗していると判断し、再利用に適さない摩耗貨として硬貨処理機内の保管庫へ搬送する。一方、一致度が正損閾値以上である場合には、市場に流通可能な正貨として硬貨処理機内の金種別収納部へ取り込む。
実施形態3の硬貨識別装置によれば、硬貨の向きを回転させる硬貨回転機構を用いずに、制御部が照明部の照明方向を制御することによって、潜像撮像用のセンサにおける1回の撮像によって、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を取得することができる。実施形態3の硬貨識別装置によっても、画像に基づき、硬貨の潜像の状態をより高精度に識別することが可能となるので、潜像を用いた正損判定を行うことができる。
(実施形態4)
実施形態4の硬貨識別装置は、画像センサユニットに硬貨が突入した際に分割光源による最初の撮像を行って硬貨の金種と表裏、向きを判断するための画像を取得し、硬貨の向きを決定したうえで、特定の分割光源を照射して硬貨画像を取得することにより、実施形態1と同様に、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を得るものである。すなわち、実施形態4の硬貨識別装置においては、判定部が、硬貨全体画像から撮像対象の硬貨の金種と向きを判定する。また、照明部としては、平面視において撮像部の周りに円環状に配置され、複数の光源に分割されたもの(分割光源)が用いられる。実施形態4の制御部は、判定部の判定結果に基づき、撮像対象の硬貨に対して、複数の光源のうちの特定の光源を発光させ、かつ撮像部が特定の光源で照明された硬貨画像を取得するように、照明部及び撮像部をそれぞれ制御する。
実施形態4の硬貨識別装置によれば、硬貨の向きを回転させる硬貨回転機構や、硬貨の向きを認識するために搬送路の上流に設けたセンサを用いずに、制御部が照明部の照明方向を制御することによって、潜像撮像用のセンサにおける2回の撮像によって、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を取得することができる。実施形態4の硬貨識別装置によっても、画像に基づき、硬貨の潜像の状態をより高精度に識別することが可能となるので、潜像を用いた正損判定を行うことができる。
(実施形態5)
実施形態5の硬貨識別装置は、搬送路の上流に設けたセンサによって硬貨の金種と表裏、向きを認識したうえで、潜像の撮像に適した向きに硬貨を回転させてから、単一光源により硬貨画像を取得することにより、実施形態1と同様に、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を得るものである。すなわち、実施形態5の硬貨識別装置においては、判定部が、硬貨全体画像から撮像対象の硬貨の金種と向きを判定する。また、実施形態5の硬貨識別装置は、硬貨を回転させる硬貨回転機構を備える。実施形態5の制御部は、判定部の判定結果に基づき、硬貨回転機構が所定の向きとなるように撮像対象の硬貨を回転させてから、撮像部が照明部により照明された硬貨画像を取得するように、硬貨回転機構、照明部及び撮像部をそれぞれ制御する。
搬送路の上流に設けるセンサとしては、実施形態3と同様のものを用いることができる。また、硬貨の向きを回転させる硬貨回転機構、及び単一光源としては、実施形態2と同様のものを用いることができる。
実施形態5の硬貨識別装置によれば、制御部が硬貨回転機構を介して硬貨の向きを制御するので、潜像撮像用のセンサにおける1回の撮像によって、硬貨の潜像が撮像された硬貨画像を取得することができる。実施形態5の硬貨識別装置によっても、画像に基づき、硬貨の潜像の状態をより高精度に識別することが可能となるので、潜像を用いた正損判定を行うことができる。
以上、本発明に係る硬貨識別装置及び硬貨処理機の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜削除されてもよいし、変更されてもよいし、組み合わされてもよい。
以上のように、本発明に係る硬貨識別装置及び硬貨識別方法は、硬貨の潜像の検出能力を向上することができることから、硬貨処理機における硬貨の適切な選別に有用な技術である。
10a、10b:画像センサユニット
12:発光素子
13:プリズム(導光体)
21:搬送部
21a:搬送ベルト
21b:プーリー
22:透明部
22a、22b:撮像領域
23:照明部
24:撮像部
24a:光電変換部
24b:レンズユニット
26:筐体
27:搬送路側カバー
28:光源回転用ガイド
30:制御部
31:搬送制御部
33:撮像制御部
34:画像検出部
50:記憶部
51:新貨のテンプレート
52:真偽閾値
53:正損閾値
70:識別処理部
71:マッチング処理部
72:判定部
100:硬貨
110:硬貨画像
511:処理機枠体
512:処理機本体
512a:前部
513:ガイドレール機構
525:硬貨受入口
526:操作部
527:硬貨払出口
528:着脱収納箱
529:電源スイッチ
541:金種別収納部
542:平ベルト
543:逆転ローラ
544:硬貨通路
545:硬貨識別通路部
546:金種別硬貨選別通路部
547:通路板
548、549:ガイド側板
548a、549a:基準縁
550、551、552:搬送ベルト
553:磁気センサ
554:硬貨選別部
555、558:選別孔
556:シャッタ
557:シュート
581:収納部枠
582:蓋体
583:開口部
584:平ベルト
585:逆転ローラ
586:ストッパ機構
587:ストッパ
588:計数センサ
589:シュート
SD1、SD3:ソレノイド

Claims (11)

  1. 硬貨の潜像を識別に用いる硬貨識別装置であって、
    硬貨を照明する照明部と、
    前記照明部により照明された硬貨の画像を取得する撮像部と、
    硬貨を特定方向から照明したときの硬貨画像を取得するように、硬貨の向き及び前記照明部の照明方向の少なくとも一方を制御する制御部と、
    硬貨の潜像に対応する基準データを記憶する記憶部と、
    前記硬貨画像を前記基準データと比較し、得られた比較結果に基づいて硬貨の正損判定を行う判定部と、を備えることを特徴とする硬貨識別装置。
  2. 前記照明部は、平面視において前記撮像部の周りに円環状に配置された複数の光源を含み、
    前記制御部は、撮像対象の硬貨に対して、前記複数の光源の各々を異なるタイミングで発光させ、かつ前記撮像部が各タイミングで硬貨画像を取得するように、前記照明部及び前記撮像部を制御し、照明方向が異なる複数枚の硬貨画像を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨識別装置。
  3. 前記複数の光源は、6以上の光源で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の硬貨識別装置。
  4. 硬貨を回転させる硬貨回転機構を更に備え、
    前記制御部は、回転する撮像対象の硬貨に対して、前記照明部を複数回発光させ、かつ前記撮像部が各発光タイミングで硬貨画像を取得するように、前記硬貨回転機構、前記照明部及び前記撮像部を制御し、照明方向が異なる複数枚の硬貨画像を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨識別装置。
  5. 前記記憶部は、硬貨の金種と向きに対応する基準データを記憶し、
    前記判定部は、硬貨全体画像から撮像対象の硬貨の金種と向きを判定し、
    前記照明部は、平面視において前記撮像部の周りに円環状に配置された複数の光源を含み、
    前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づき、撮像対象の硬貨に対して、前記複数の光源のうちの特定の光源を発光させ、かつ前記撮像部が前記特定の光源で照明された硬貨画像を取得するように、前記照明部及び前記撮像部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨識別装置。
  6. 撮像対象の硬貨を回転させる硬貨回転機構を更に備え、
    前記記憶部は、硬貨の金種と向きに対応する基準データを記憶し、
    前記判定部は、硬貨全体画像から撮像対象の硬貨の金種と向きを判定し、
    前記制御部は、前記判定部の判定結果に基づき、前記硬貨回転機構が所定の向きとなるように撮像対象の硬貨を回転させてから、前記撮像部が前記照明部により照明された硬貨画像を取得するように、前記硬貨回転機構、前記照明部及び前記撮像部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨識別装置。
  7. 前記判定部は、更に、前記硬貨画像を前記基準データと比較し、得られた比較結果に基づいて硬貨の真偽判定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の硬貨識別装置。
  8. 前記照明部は、硬貨面に対する照射角度が0度を超えて45度以下の範囲内で光を照射することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の硬貨識別装置。
  9. 硬貨を搬送する搬送部を更に備え、
    前記制御部は、前記搬送部が硬貨を搬送している間に硬貨画像を取得するように制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬貨識別装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の硬貨識別装置を備えることを特徴とする硬貨処理機。
  11. 硬貨の潜像を識別に用いる硬貨識別方法であって、
    制御部が、硬貨の向き及び照明部の照明方向の少なくとも一方を制御することにより、硬貨を特定方向から照明したときの硬貨画像を撮像部が取得する撮像ステップと、
    判定部が、記憶部に記憶された硬貨の潜像に対応する基準データと前記硬貨画像を比較し、得られた比較結果に基づいて硬貨の正損判定を行う判定ステップと、を含むことを特徴とする硬貨識別方法。
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