JP7224583B2 - ガレクチン-9産生促進剤 - Google Patents

ガレクチン-9産生促進剤 Download PDF

Info

Publication number
JP7224583B2
JP7224583B2 JP2018159238A JP2018159238A JP7224583B2 JP 7224583 B2 JP7224583 B2 JP 7224583B2 JP 2018159238 A JP2018159238 A JP 2018159238A JP 2018159238 A JP2018159238 A JP 2018159238A JP 7224583 B2 JP7224583 B2 JP 7224583B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
galectin
glycylproline
cancer
present
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018159238A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019131531A (ja
Inventor
祐子 村上
浩 田中
勉 坂井田
紘介 深田
宏行 山羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Menard Cosmetic Co Ltd
Original Assignee
Nippon Menard Cosmetic Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Menard Cosmetic Co Ltd filed Critical Nippon Menard Cosmetic Co Ltd
Publication of JP2019131531A publication Critical patent/JP2019131531A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7224583B2 publication Critical patent/JP7224583B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、特定のペプチドを含有することを特徴とするガレクチン-9産生促進剤に関し、又、ガレクチン-9が関与する疾患に対する予防、改善又は治療用薬剤組成物に関する。
ガレクチンは、β-ガラクトシドに親和性をもつレクチンファミリーの一種で、細胞表面上の糖鎖を認識して結合する。ガレクチンは、細胞の発生、分化、成熟、細胞死、炎症修飾、ガン浸潤や転移等の多彩な場面に関与している。
現在、哺乳類のガレクチンとして、ガレクチン-1から-15まで知られている。このうち、ガレクチン-9は、好酸球の遊走促進、ガン細胞のアポトーシス誘導、過剰な免疫反応の抑制等の様々な機能に関与する(非特許文献1及び2)。ガレクチン-9は、ガン細胞に対してアポトーシス誘導活性や細胞傷害活性を示すが、正常細胞にはそのような活性を示さない。このことから、ガレクチン-9のタンパク質、アゴニスト、アンタゴニスト拮抗物質が、抗腫瘍剤、抗アレルギー剤、自己免疫疾患用剤等として開発されている(特許文献1)。又、安定化ガレクチン-9は、代表的な関節炎リウマチのモデルであるコラーゲン誘導関節炎を改善することが知られている(非特許文献3)。更に、最近の知見から、ガレクチン-9は成熟した不溶性エラスチンと結合することが明らかとなってきた(非特許文献4)。
自己免疫疾患は、何らかの原因により、本来生体に備わっている細菌やウイルス等に対して抵抗する機能に異常が生じ、自分自身の正常な細胞に対して敵対反応を示すことで、細胞や組織に炎症等の問題が生じてしまう疾患である。この患者数は、日本国内だけでも数百万人と見積もられている。自己免疫疾患の症状は、全身或いは一部の組織に炎症が起こり、少し体を動かすだけで激痛が走るため、日常生活を送るのにも困難な病気である。例えば、関節炎リウマチは、関節に炎症が続くことでその中にある滑膜に血管や細胞が増え、滑膜が厚く腫れてしまう。腫れあがった滑膜は、やがて骨の軟骨部分や靱帯を破壊し、進行すれば骨まで破壊してしまう。原因がはっきりと分かっていないが、細菌やウイルス等の感染、過労、ストレス、喫煙、出産又は怪我等をきっかけに発症することがある。
ガンは、遺伝子変異によって細胞が制御されずに増殖し、その細胞集団が周囲の組織に浸潤したり転移を起こしたりして、次から次へと新しい組織を作ってしまう疾患である。大きく分けて、増殖が緩やかで宿主に悪影響を及ぼさない良性腫瘍と、近傍の組織に侵入、遠隔転移し、宿主の体を破壊しながら宿主が死ぬまで増え続けていく悪性腫瘍がある。ガンは死因の上位に挙げられ、高齢化によって患者数は年々増加している。又、二人に一人が一生のうちに何らかのガンにかかると言われており、今やガンは誰でもなり得る身近な病気である。ガンの発生は、喫煙、食生活、飲酒、運動等の生活習慣と深い関わりがあることが分かっているが、完全に予防できる病気ではない。
自己免疫疾患、炎症又はガンのリスクは、加齢に伴って増加する。高齢化が進む日本では、これらの疾患は深刻な問題である。例えば、抗リウマチ薬として、消炎鎮痛剤(NSAIDs)、生物学的製剤等が知られている。又、抗炎症剤として、糖質コルチコイド等のステロイド、アスピリン等の非ステロイド等が知られている。更に、抗ガン剤として、シクロホスファミド、メトトレキサート等が知られている。しかしながら、これらの薬剤の副作用として、胃腸障害、腎機能障害、肝機能障害等が報告されている。このように、自己免疫疾患、炎症又はガンに効果のある薬剤では少なからず副作用が認められることから、有効で、且つ、副作用の少ない予防、改善又は治療剤が求められている。
生体組織は、コラーゲンやエラスチン等のタンパク質、プロテオグリカン等の糖タンパク質で構成される細胞外マトリックスと細胞により、複雑、且つ、高度に組織化された構造を有し、機能を発現している。細胞外マトリックスは細胞接着能を有するため、細胞の移動、分化、増殖等の多くの機能を積極的に担っている。ガレクチン-9は、細胞表面上の糖鎖を認識して結合し、且つ、成熟した不溶性エラスチンとも結合するため、細胞による細胞外マトリックスの構築に関与していると考えられる。
血管は心臓より排出される血圧を常に受けており、弾力性や伸縮性が重要である。このため、他の結合組織と比較して、エラスチンより構成される弾性線維が多く存在する。加齢に伴って正常なエラスチンが減少したり、エラスチンの構造が変性したりすると、弾力性が低下し、高血圧や動脈瘤等の血管性疾患の原因となる。このため、エラスチン等の細胞外マトリックスの構造を強化する剤が求められている。
グリシルプロリンは、グリシンとプロリンがアミド結合を介して結合したジペプチドであり、分子式はC12である。近年、グリシルプロリンの研究が進められ、コラーゲン合成促進剤(特許文献2)、塩味増強剤(特許文献3)が開示されているが、グリシルプロリンのガレクチン-9産生促進効果は報告されていない。
特開2004-244411 特開2011-105634 特開2017-006095
Perillo NL et al,J.Mol.Med(Berl).,76(6),402-412(1998) Kashio Y et al,J.Immunol.,170(7),3631-3636(2003) 平島光臣,アレルギー,57(9-10),1293(2008) Itoh A et al,Biosci.Biotechnol.Biochem.,81(11),2098-2104(2017)
本発明は、有効で、且つ、副作用の少ないガレクチン-9産生促進剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、この問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、グリシルプロリンに優れたガレクチン-9産生促進効果を発見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)グリシルプロリンを含有することを特徴とするガレクチン-9産生促進剤。
(2)請求項1記載のガレクチン-9産生促進剤を含有することを特徴とする自己免疫疾患の予防、改善又は治療剤。
(3)請求項1記載のガレクチン-9産生促進剤を含有することを特徴とする抗炎症剤。
(4)請求項1記載のガレクチン-9産生促進剤を含有することを特徴とする抗ガン剤。
(5)請求項1記載のガレクチン-9産生促進剤を含有することを特徴とするガン転移抑制剤。
(6)請求項1記載のガレクチン-9産生促進剤を含有することを特徴とする細胞外マトリックス構造強化剤。
本発明のグリシルプロリンはガレクチン-9産生促進効果に優れ、安全で、且つ、ガレクチン-9が関与する自己免疫疾患、炎症又はガンに対して予防、改善又は治療効果が期待される。又、ガレクチン-9が関与する細胞外マトリックスの構築を促して、その構造を強化し、血管性疾患の予防、改善又は治療効果が期待される。
本発明のガレクチン-9(galectin-9、LGALS9、ECALECTIN)とは、レクチンファミリーの一種であり、好酸球の遊走促進、ガン細胞のアポトーシス誘導、過剰な免疫反応の抑制、不溶性エラスチンとの結合等の様々な機能に関与する。ガレクチン-9は、ガン細胞に対してアポトーシス誘導活性や細胞傷害活性を示すが、正常細胞にはそのような活性を示さないことから、抗ガン剤、抗炎症剤、自己免疫疾患用剤等として用いられている。
本発明の自己免疫疾患とは、何らかの原因により、本来生体に備わっている細菌やウイルス等に対して抵抗する機能が自分自身の正常な細胞に対して敵対反応を示してしまい、自分の細胞や組織に炎症等の問題が生じてしまう疾患である。例えば、関節炎リウマチ、全身性強皮症、皮膚筋炎等が挙げられる。
本発明の炎症とは、外傷、火傷、細菌の侵入、免疫反応の異常、薬物、放射線の作用等に対して生体に起こる防御的反応のことである。生体の一部に充血、腫れ、発熱、痛み等の症状を引き起こす。
本発明のガンとは、遺伝子変異によって細胞が制御されずに増殖し、その細胞集団が周囲の組織に浸潤したり転移を起こしたりして、次から次へと新しい組織を作ってしまう疾患である。
本発明のガン転移とは、ガン細胞が最初に発生した場所から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパの流れにのって別の臓器や器官に移動し、そこで増殖することである。リンパの流れが集まる場所であるリンパ節に転移したり、肺、肝臓、脳、骨等の血液の流れが豊富な場所に転移したりすることが多い。
本発明の細胞外マトリックス構造強化とは、細胞が足場として接着することができるコラーゲンやエラスチン等のタンパク質、プロテオグリカン等の糖タンパク質で構成される細胞外マトリックスの構築を促して、その構造を頑丈なものにすることである。細胞外マトリックスを構成するコラーゲンやエラスチン等を産生するだけではなく、ガレクチン-9を介して適切に構築することが、細胞外マトリックスの構造強化には重要である。このように細胞外マトリックスの構造を強化することで、細胞が移動、分化、増殖等の多くの機能を盛んに行うことができる。
本発明のグリシルプロリンとは、グリシンとプロリンがアミド結合を介して結合したジペプチドであり、分子式はC12である。化学式を(1)に示す
Figure 0007224583000001
グリシルプロリンは、そのまま用いても良いし、塩の状態で用いることもできる。塩としては、製剤上許容できる酸付加塩や塩基付加塩等が挙げられる。具体的には、酸付加塩としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸の塩や、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の有機酸の塩が挙げられる。又、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の金属塩や、アンモニウム、エタノールアミン等のアミン類の塩が挙げられる。
上記の物質の作製方法は、化学的に合成したり、コラーゲン等のタンパク質を加水分解したり、分離精製したりする方法等が挙げられる。化学的に合成する場合には、液相法又は固相法等の通常の合成方法によって行うことができる。固相法の場合、ポリマー性の固相支持体へペプチドのC末端側(カルボキシル末端側)からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸を順次ペプチド結合によって結合していくのが良い。そして、そのようにして得られたペプチドは、トリフルオロメタンスルホン酸、フッ化水素等を用いてポリマー性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護基を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等を用いた周知の方法で精製することができる。又、本物質は、シグマアルドリッチジャパン株式会社や株式会社ペプチド研究所等から市販されているものを用いることができる。
本発明のペプチドは、周知の精製法、例えば、ゲル濾過法や逆相クロマトグラフィー法等を、単独又は組み合わせて用いることにより、必要に応じて精製することができる。
本発明のペプチドは、医薬品、医薬部外品、食品又は化粧品のいずれにも用いることができる。その剤形として、内用剤として用いる場合は、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤等が挙げられる。又、注射液、座薬等として用いることができる。外用剤として用いる場合は、クリーム、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏、パップ剤等が挙げられる。又、点眼薬、洗眼液等の眼に適用する外用剤等として用いることができる。これらの剤形以外の周知な剤形を用いることができ、用途によって適宜選択すれば良い。
本発明のペプチドを内用剤に用いる場合、ペプチドの摂取量は、投与形態、使用目的、年齢、体重等に応じて、適宜選択することが可能であり、一般的には、0.1~5,000mg/日であることが好ましく、1~500mg/日が最も好ましい。又、1日1回から数回投与できる。もちろん前記したように、投与方法や投与量は種々の条件で変動するので、上記投与範囲より少ない量で十分な場合もあるし、又、範囲を超えて投与する必要がある場合もある。又、製剤化における薬効成分の添加方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
本発明のペプチドは、これらの具体的な形態に応じて、そのまま使用しても良く、効果を損なわない範囲内で、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、香料、保存料、溶解補助剤、溶剤等の希釈剤を用いることができる。具体的には、乳糖、ショ糖、ソルビット、マンニット、澱粉、沈降性炭酸カルシウム、重質酸化マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、セルロース又はその誘導体、アミロペクチン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、界面活性剤、水、生理食塩水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、カカオ脂、ラウリン脂、ワセリン、パラフィン、高級アルコール等が挙げられる。
本発明のペプチドを外用剤に用いる場合、ペプチドの含有量は剤形や用途等に応じて適宜選択することが可能であり、一般的には、剤全体に対して0.00001~10重量%であることが好ましく、0.0001~1重量%が最も好ましい。この含有量が、剤全体に対して0.00001重量%未満であると、効果を十分に発揮することが困難であり、好ましくない。又、10重量%を超えて含有しても、含有量の増加に見合った効果の増強を見込みにくく、好ましくない。又、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
本発明のペプチドは、これらの具体的な形態に応じて固体、粉末のまま使用しても良く、溶液として用いても良い。又、効果を損なわない範囲内で、医薬組成物や外用剤に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤等の成分を含有することができる。
次に、本発明を詳細に説明するため、実施例1として本発明の処方例、及び、実施例2として実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
処方例1 錠剤
処方 含有量(g)
1.グリシルプロリン 5.0
2.トウモロコシデンプン 10.0
3.精製白糖 20.0
4.カルボキシメチルセルロースカルシウム 10.0
5.微結晶セルロース 40.0
6.ポリビニルピロリドン 5.0
7.タルク 10.0
[製造方法]成分1~5を混合し、次いで成分6の水溶液を結合剤として加え、常法により顆粒化する。これに滑沢剤として成分7を加えて含有した後、1錠100mgの錠剤に打錠する。当該錠剤を1日12錠摂取することで、グリシルプロリンを60mg/日摂取できる。
処方例2 カプセル剤
処方 含有量(g)
1.グリシルプロリン 5.0
2.微結晶セルロース 60.0
3.トウモロコシデンプン 15.0
4.乳糖 18.0
5.ポリビニルピロリドン 2.0
[製造方法]成分1~5を混合して顆粒化した後、2号硬カプセルに250mg充填してカプセル剤を得る。当該カプセル剤を1日6個摂取することで、グリシルプロリンを75mg/日摂取できる。
処方例3 飲料
処方 含有量(g)
1.グリシルプロリン 0.1
2.クエン酸 0.7
3.果糖ブドウ糖液糖 60.0
4.香料 0.1
5.精製水 39.1
[製造方法]成分5に成分1~4を加え、攪拌溶解してろ過し、加熱殺菌後、50mLガラス瓶に充填する。当該飲料を1日1本摂取することで、グリシルプロリンを50mg/日摂取できる。
処方例4 クリーム
処方 含有量(g)
1.グリシルプロリン 0.1
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.25
12.1,3-ブチレングリコール 8.5
13.精製水 68.05
[製造方法]成分2~9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却後、製品とする。
処方例5 ゲル剤
処方 含有量(g)
1.グリシルプロリン 0.001
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 0.1
6.1,3-ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水 84.199
[製造方法]成分2~5と、成分1及び6~11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
処方例6 軟膏
処方 含有量(g)
1.グリシルプロリン 1.0
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水 65.9
[製造方法]成分2~5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び6~8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却後、製品とする。
以下、本発明を効果的に説明するために、実験例を挙げる。尚、本発明はこれにより限定されるものではない。
実験例1 ヒト皮膚線維芽細胞におけるガレクチン-9産生に及ぼすグリシルプロリンの影響
コンフルエントになったヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)にグリシルプロリン(最終濃度1、10、100及び1000μg/mL)を加え、DMEM(-)にて24時間培養し、総RNAの抽出を行った。比較として、グリシルプロリルヒドロキシプロリン(バッケム社製、最終濃度10及び100μg/mL)を用いた。総RNAの抽出には、RNAiso plus(TAKARA)を用いた。総RNAを基に、リアルタイムRT-PCR法により、ガレクチン-9(LGALS9)mRNA発現量の測定を行った。リアルタイムRT-PCR法には、SYBR Select Master Mix(ライフテクノロジーズ)を用いた。同時に、内部標準として、β-アクチンmRNA発現量の測定を行った。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは、次の通りである。
LGALS9用のプライマーセット
TTGAAGATGGAGGGTACGTG(配列番号1)
CACCATCACCTTGAAATCTGAG(配列番号2)
β-アクチン用のプライマーセット
CACTCTTCCAGCCTTCCTTCC(配列番号3)
GTGTTGGCGTACAGGTCTTTG(配列番号4)
その結果を表1に示した。ヒト皮膚線維芽細胞にグリシルプロリンを添加すると、LGALS9mRNA発現量が増加した。
Figure 0007224583000002
グリシルプロリンは、好酸球の遊走因子、ガン細胞のアポトーシス誘導、過剰な免疫反応の抑制、不溶性エラスチンとの結合等の様々な機能に関与するガレクチン-9の産生促進効果を有する。グリシルプロリンを含有する組成物は、ガレクチン-9の産生を促進することで、自己免疫疾患、炎症又はガンを予防、改善又は治療することができる。又、ガレクチン-9が関与する細胞外マトリックスの構築を促して、その構造を強化し、血管性疾患を予防、改善又は治療することができる。

Claims (1)

  1. ペプチドとしてグリシルプロリンのみを含有することを特徴とするガレクチン-9産生促進剤(コラーゲン合成促進剤としての使用を除く)
JP2018159238A 2018-01-29 2018-08-28 ガレクチン-9産生促進剤 Active JP7224583B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018012779 2018-01-29
JP2018012779 2018-01-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019131531A JP2019131531A (ja) 2019-08-08
JP7224583B2 true JP7224583B2 (ja) 2023-02-20

Family

ID=67544766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018159238A Active JP7224583B2 (ja) 2018-01-29 2018-08-28 ガレクチン-9産生促進剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7224583B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001501831A (ja) 1996-10-09 2001-02-13 ヒューマン ジノーム サイエンシーズ,インコーポレイテッド ガレクチン8、ガレクチン9、ガレクチン10、およびガレクチン10sv
JP2004244411A (ja) 2003-01-24 2004-09-02 Galpharma Co Ltd ガレクチン9含有医薬
JP2004346068A (ja) 2003-04-28 2004-12-09 Galpharma Co Ltd ガレクチン9誘導因子
JP2006124299A (ja) 2004-10-27 2006-05-18 Galpharma Co Ltd ガレクチン9誘導因子
JP2011105634A (ja) 2009-11-17 2011-06-02 Nippon Menaade Keshohin Kk コラーゲン合成促進剤
WO2014175001A1 (ja) 2013-04-26 2014-10-30 新田ゼラチン株式会社 美白促進剤またはアトピー性皮膚炎改善剤
JP2016169199A (ja) 2015-03-12 2016-09-23 株式会社ファンケル コラーゲン産生促進剤
JP2017006095A (ja) 2015-06-26 2017-01-12 長谷川香料株式会社 塩味増強剤
JP2016509586A5 (ja) 2013-12-27 2017-01-26
JP2017505341A (ja) 2014-01-27 2017-02-16 チェリンバイオ コ−、リミテッドCellinbio Co., Ltd ペプチド誘導体及びこれを含む機能性化粧品の組成物

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL2938360T3 (pl) * 2012-12-28 2020-05-18 Cobiores Nv Minimalnie toksyczne proleki

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001501831A (ja) 1996-10-09 2001-02-13 ヒューマン ジノーム サイエンシーズ,インコーポレイテッド ガレクチン8、ガレクチン9、ガレクチン10、およびガレクチン10sv
JP2004244411A (ja) 2003-01-24 2004-09-02 Galpharma Co Ltd ガレクチン9含有医薬
JP2004346068A (ja) 2003-04-28 2004-12-09 Galpharma Co Ltd ガレクチン9誘導因子
JP2006124299A (ja) 2004-10-27 2006-05-18 Galpharma Co Ltd ガレクチン9誘導因子
JP2011105634A (ja) 2009-11-17 2011-06-02 Nippon Menaade Keshohin Kk コラーゲン合成促進剤
WO2014175001A1 (ja) 2013-04-26 2014-10-30 新田ゼラチン株式会社 美白促進剤またはアトピー性皮膚炎改善剤
JP2016509586A5 (ja) 2013-12-27 2017-01-26
JP2017505341A (ja) 2014-01-27 2017-02-16 チェリンバイオ コ−、リミテッドCellinbio Co., Ltd ペプチド誘導体及びこれを含む機能性化粧品の組成物
JP2016169199A (ja) 2015-03-12 2016-09-23 株式会社ファンケル コラーゲン産生促進剤
JP2017006095A (ja) 2015-06-26 2017-01-12 長谷川香料株式会社 塩味増強剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019131531A (ja) 2019-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4542300B2 (ja) ヒアルロン酸蓄積促進剤
JP4995155B2 (ja) 生体コラーゲン合成促進剤並びに生体コラーゲン合成促進用化粧品及び医薬部外品
KR101957014B1 (ko) 항염증 활성을 나타내는 펩타이드 및 이를 유효성분으로 포함하는 항염증용 조성물
JP2001064192A (ja) ランゲルハンス細胞の遊走抑制剤及び抗原提示抑制剤
JP5611570B2 (ja) コラーゲン合成促進剤
KR101073854B1 (ko) 히아루론산, 글리코사미노글리칸 및/또는 콜라겐의 생합성을 촉진하는 우리딘 및 우리딘 유도체
JP6259207B2 (ja) エラスチン産生促進剤
JP2005089304A (ja) 炎症性サイトカインの産生抑制剤
JP7224583B2 (ja) ガレクチン-9産生促進剤
KR101300016B1 (ko) 감마-세크레타제 저해제를 유효성분으로 함유하는 류마티스성 관절염의 예방 또는 치료용 조성물
JP7344546B2 (ja) Apeh産生促進剤
KR100977475B1 (ko) 히아루론산, 글리코사미노글리칸 및/또는 콜라겐의생합성을 촉진하는 우리딘 및 우리딘 유도체
KR101897122B1 (ko) 염증성 질환의 예방 또는 치료용 펩타이드 및 이의 용도
JP6522286B2 (ja) ヒアルロン酸産生促進剤
KR101897121B1 (ko) 염증성 질환의 예방 또는 치료용 펩타이드 및 이의 용도
JP5098156B2 (ja) 水分分泌促進剤
TWI576117B (zh) 玻尿酸產生促進劑
CN107890116B (zh) 亮氨酸衍生物、包含其的组合物及其用途
JP4786911B2 (ja) アレルギー性疾患処置剤
JP6547183B2 (ja) トリテルペンを有効成分として含有する変形性関節症の予防又は治療の為の組成物
JP2009102278A (ja) 膝関節痛緩和剤
JP2001026753A (ja) 高血圧症予防又は治療用組成物
KR101351978B1 (ko) 참치 안구 파쇄물을 유효성분으로 포함하는 관절염 예방 또는 치료용 약제학적 조성물 및 식품 조성물
JP7072768B2 (ja) 関節炎症改善剤
JP2014129268A (ja) リパーゼ阻害剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7224583

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150