JP7223681B2 - 魚釣用リールの歯車取付構造 - Google Patents

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本発明は、魚釣用リールの歯車取付構造に関する。
一般に、魚釣用リールは、ハンドルの回転操作で回転する回転軸をリール本体内に備えている。回転軸には、ハンドルの回転操作で発生した駆動力の伝達手段として歯車が取り付けられている。例えば、両軸受け型の魚釣用リールでは、ハンドルの回転操作により駆動される回転軸としてのスプール軸から歯車を介して駆動力を取り出し、この駆動力でレベルワインド装置に備わる回転軸としての螺軸を回転させている(例えば、特許文献1,2参照)。
前記した特許文献1,2では、回転軸としての螺軸の端部に取り付けられる歯車取付構造を開示している。特許文献1では、螺軸の端部に歯車を回り止め嵌合し、螺軸の端部を歯車の側方に突出させて、その突出した部分にリテイナを係止して歯車を抜け止めしている。
また、特許文献2では、螺軸の端部から側方に突出して歯車を貫通する略T字形状の抜け止め部を設けている。特許文献2では、歯車の側部外面に略T字形状の抜け止め部が係止される溝部を設けている。
特開平11-346614号公報 実開平03-108372号公報
前記した特許文献1の魚釣用リールは、前記したように、螺軸の端部に歯車を回り止め嵌合し、リテイナで歯車を抜け止めする構造であるため、部品数が多くなるとともに、組立てや分解が煩雑であった。また、寸法を管理する部品や加工部位が多くなり、歯車の軸方向の規制を高精度に維持することが難しかった。仮に、螺軸に対する歯車のガタつきが生じると、前段の入力歯車との噛合状態にも影響を及ぼしてしまう。
また、特許文献2の魚釣用リールは、螺軸の端部から側方に突出した抜け止め部を歯車の溝部に係止させる構造であるため、特許文献1のような別部材のリテイナは不要である。しかしながら、特許文献2の抜け止め部は、歯車の溝部に係止することで、螺軸に対する歯車の抜け止めと回り止めとの両機能を備えるものであるため、動力伝達時に、抜け止め部に対して負荷が局部的に作用するおそれがあり、抜け止め部が折損するおそれがあった。
本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、歯車の取付構造が簡単で組立てや分解が容易であるとともに、歯車の安定した噛合状態の維持、及び回転軸に対する歯車の取付強度を確保することができる魚釣用リールの歯車取付構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る魚釣用リールの歯車取付構造は、ハンドルの回転操作により回転する回転軸と、前記回転軸に設けられた嵌合部と、前記回転軸に挿通されて前記嵌合部に回り止め嵌合される歯車と、を備えている。前記歯車には、前記嵌合部に前記歯車が嵌合した状態で前記回転軸の外面に係止し、前記回転軸に対して前記歯車を挿通する際の挿通方向と反対方向に前記歯車が移動するのを規制する係止部が設けられている。前記係止部は、前記回転軸に対して前記歯車を挿通する際の挿通方向と同方向に延在し、前記回転軸の外面に設けられた被係止部に係止されるフック部を備えている。前記嵌合部は、前記回転軸の外周面を平らに面取りして形成した係止面と、前記係止面の端部に形成され、前記係止面よりも径方向に突出するフランジ部とを有している。前記歯車は、前記歯車を挿通する際の挿通方向と同方向から前記フランジ部の側面に当接する係止突部を有している。前記フック部は、前記フランジ部の側面に前記係止突部が当接した状態で、前記回転軸の軸方向における前記係止突部との間に、前記フランジ部を挟持するようにして前記被係止部に係止可能であることを特徴とする。
この魚釣用リールの歯車取付構造では、回転軸に歯車を挿通して、回転軸の嵌合部に歯車を回り止め嵌合すると、歯車に備わるフック部が、回転軸の外面に備わる被係止部に対して係止し、回転軸に対する歯車の取り付けが完了する。フック部は、回転軸に対して歯車を挿通する際の挿通方向に延在し、係止後は、歯車の抜け方向への移動、すなわち、挿通方向と反対方向の移動を規制するので、回転軸に対する歯車の取付状態(固定状態)が好適に維持される。
なお、回転軸の被係止部に対するフック部の係止状態を解除することで回転軸に対する歯車の抜け方向の移動が可能になるので、回転軸から歯車を容易に抜き取ることができる。
したがって、本発明の魚釣用リールの歯車取付構造によれば、歯車の取付構造が簡単で組立てや分解が容易であるとともに、歯車の安定した噛合状態の維持、及び回転軸に対する歯車の取付強度を確保することができる。
また、本発明に係る魚釣用リールの歯車取付構造は、前記歯車は、釣糸をスプールに平行に巻回するために摺動体を往復動させるための歯車伝達機構を構成していることが好ましい。このように構成することで、歯車伝達機構の安定した噛合状態の維持及び強度を確保できるので、摺動体の良好な往復動を実現することができる。したがって、魚釣用リールの操作性の向上を図ることができる。
また、本発明の係る魚釣用リールの歯車取付構造は、前記歯車は、合成樹脂材で形成されており、前記フック部は、前記歯車の周方向の少なくとも一箇所から前記被係止部に向けて延出していることが好ましい。このように構成することで、歯車の軽量化を図りつつ弾性を有するフック部を好適に形成することができる。また、歯車の係止構造を簡単に構成でき、コストの低減を図ることができる。
本発明によれば、構造が簡単で組立てや分解が容易であるとともに、歯車の安定した噛合状態の維持、及び取付強度を確保することができる魚釣用リールの歯車取付構造が得られる。
第1実施形態に係る魚釣用リールの歯車取付構造が適用される魚釣用リールの全体構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る魚釣用リールの歯車取付構造が適用される魚釣用リールの内部構造を一部断面で示す概略図である。 第1実施形態に係る魚釣用リールの歯車取付構造が適用される魚釣用リールのスプール軸を示す図であり、(a)は後面図、(b)は平面図である。 第1実施形態に係る魚釣用リールの歯車取付構造が適用される魚釣用リールの歯車を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は縦断面図、(c)は右側面図、(d)は斜視図である。 第1実施形態に係る魚釣用リールの歯車取付構造が適用される魚釣用リールのスプール軸に歯車が取り付けられた状態を一部断面で示す拡大後面図である。 第2実施形態に係る魚釣用リールの歯車取付構造が適用される魚釣用リールのレベルワインド装置及び歯車伝達機構を断面で示す構造図である。 第2実施形態に係る魚釣用リールの歯車取付構造が適用される魚釣用リールの要部を断面で示す構造図である。 第2実施形態に係る魚釣用リールの歯車取付構造が適用される魚釣用リールの回転軸と歯車との分解断面図である。 第3実施形態に係る魚釣用リールの歯車取付構造が適用される魚釣用リールのレベルワインド装置の螺軸と歯車との分解斜視図である。
以下、魚釣用リールの実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、「前後」「上下」「左右」を言うときは、図1に示した方向を基準とする。各実施形態において同一の部分には同様の符号を付し重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1に示すように、魚釣用リール1Rは、両軸受型のリールである。魚釣用リール1Rは、左右に離間して配置される左右の側板2a,2bを有するリール本体1と、右側の側板2bに回転自在に支持されるハンドル7と、左右の側板2a,2b間に配置されたスプール8と、釣りに関する情報を表示可能な表示装置9と、を備えている。
リール本体1は、小型化されており、釣人がリール本体1を掌と手指で包むように把持すること、つまり、パーミングすることが可能になっている。
リール本体1の前部には、公知のレベルワインド装置40が備わる。レベルワインド装置40は、釣糸をスプール8に平行に巻回するために摺動体である釣糸案内部41を往復動させるものであり、左右の側板2a,2b間に回転自在に支持され、釣糸案内部41を左右方向に往復動させる回転駆動部として機能する螺軸42を有している。
左右の側板2a,2bは、図2に示すように、スプール軸10を軸受8a,8bを介して回転自在に支持している。スプール軸10は、ハンドル7の回転操作により回転する回転軸として機能する。スプール軸10にはスプール8が固定されている。左右の側板2a,2bは、左右に離間して配置された左右のフレーム3a,3bと、左右のフレーム3a,3bのそれぞれの外側に配置される左右のサイドプレート4a,4bと、を備えている。
なお、本実施形態では、別体の左フレーム3aと左サイドプレート4aとを組み合わせて左側板2aを形成し、別体の右フレーム3bと右サイドプレート4bとを組み合わせて右側板2bを形成しているが、特に限定されない。例えば、左フレーム3aと左サイドプレート4aとが一体形成された左側板2aであってもよく、右フレーム3bと右サイドプレート4bとが一体に形成された右側板2bであってもよい。
左右のフレーム3a,3bは、これらの間に延在する図示しない支柱で一体的に連結されている。
右フレーム3bと右サイドプレート4bとの間には空間が形成され、この空間には、ハンドル7の回転駆動力をスプール軸10に伝達する公知の駆動力伝達機構11が配設されている。また、右フレーム3bと右サイドプレート4bとの間には、スプール軸10を動力伝達状態と動力遮断状態に切り換える公知のクラッチ機構12が配設されている。クラッチ機構12は、図示しないクラッチ切り換え操作部材を操作することで、クラッチON状態(動力伝達状態であり釣糸巻き取り状態)からクラッチOFF状態(動力遮断状態であり釣糸放出状態)に切り換える。なお、クラッチOFF状態からクラッチON状態への復帰は、図示しない自動復帰機構によってハンドル7を回転操作することで行うことが可能である。
駆動力伝達機構11は、ハンドル7のハンドル軸7aにドラグ装置7bと関連して装着された駆動歯車13と、この駆動歯車13に噛合するピニオン14とを備えている。駆動歯車13は、ドラグ装置8bにより付与されたドラグ力に抗して釣糸が引き出された際に、ハンドル7の回転操作方向と反対方向に回転するようになっている。
ハンドル軸7aは、公知のように、右サイドプレート4bに設けられた一方向クラッチ15により、釣糸巻き取り方向の回転を許容し、釣糸繰り出しに伴う逆回転を防止する逆回転防止機構を構成している。
ピニオン14は、スプール軸10の小径部10cに設置されており、小径部10cに沿って軸方向に移動可能となっている。ピニオン14の外周には、円周溝14aが形成されており、この円周溝14aに、クラッチ機構12の公知のヨーク12aが係合して、ピニオン14を軸方向に移動させるように構成されている。すなわち、ピニオン14が軸方向に移動することで、スプール軸10との間で継脱がなされ、動力伝達状態(クラッチON)/動力遮断状態(クラッチOFF)に切り換えられるように構成されている。
スプール軸10には、図2に示すように、歯車20が取り付けられている。歯車20は、レベルワインド装置40(図1参照)に駆動力を伝達するための歯車伝達機構50の一部を構成している。歯車20の詳細は後記する。
スプール軸10は、図3(a)(b)に示すように、大径部10aと、大径部10aの右側に連続する中径部10bと、中径部10bの右側に連続する小径部10cと、を備え、左右方向に延在する軸体である。大径部10aには、図2に示すように、スプール8が固定されている。大径部10aの左側には、軸受8aに支持される小径支持部10a1が形成されている。
中径部10bは、図3(a)(b)に示すように、大径部10aよりも小径に形成されており、スプール軸10に挿通された歯車20が回り止め嵌合される部位である。中径部10bと大径部10aとの間には、中径部10bの外径よりも小径に形成された溝部10eが形成されている。溝部10eは、スプール軸10の外面に備わる被係止部として機能する。溝部10eは周方向に亘って形成された周溝である。中径部10bの外面の一部には、平らに面取りされた係止面10b1が形成されている。中径部10bは、係止面10b1を備えることで断面非円形に形成されている。係止面10b1の左端部には、係止面10b1よりも径方向に突出するフランジ部10b2が形成されている。フランジ部10b2の右側面10b3には、歯車20の後記する係止突部24が当て付けられる(図5参照)。
中径部10bの右部には、径方向に貫通する貫通孔10b5が形成されている。貫通孔10b5には、図2に示すように、係合ピン16が挿通されている。この係合ピン16は、ピニオン14とスプール軸10とを係合する役割をなす。
歯車20は、スプール軸10に挿通されて中径部10bに取り付けられ、スプール軸10とともに一体に回転する歯車である。歯車20は、合成樹脂材により一体に形成されている。歯車20は、環状の基部21と、基部21の外表面に形成された歯部21aと、基部21の左端部から左側方へ向けて延出するフック部22と、基部21の内面に突出する係止突部24とを備えている。
基部21は、スプール軸10の中径部10bに外嵌される内径を備えている。係止突部24は、スプール軸10の中径部10bの係止面10b1に対向して形成されており、中径部10bに歯車20を装着した状態で、係止面10b1に対して当接し、歯車20を中径部10bに回り止め保持する役割をなす。係止突部24の左端部25は左側方へ幾分突出している。この左端部25は、中径部10bのフランジ部10b2の右側面10b3に当接して、歯車20の挿通方向(装着方向:左方向)の移動を規制している。
フック部22は、図4各図に示すように、扁平な円弧状を呈している。フック部22は、係止部として機能し、径方向に弾性変形可能に構成されている。フック部22の先端部には、径方向内側に向けて突出する爪部23が一体に設けられている。爪部23は、中径部10bのフランジ部10b2の右側面10b3に係止突部24の左端部25が当接した状態で、スプール軸10の中径部10bと大径部10aとの間に形成された溝部10eに係止可能である(図5参照)。フック部22と係止突部24とは、図4(a)に示すように、歯車20の軸方向から見て中心軸Oを挟んで対称の位置に設けられている。つまり、軸方向から見て係止突部24と反対側からフック部22がスプール軸10の溝部10eに係止するので、中径部10bの係止面10b1に対する係止突部24の当接が好適に維持され、その結果、スプール軸10に対する歯車20の取付強度が向上する。
スプール軸10に対して歯車20を取り付ける場合には、スプール軸10の小径部10c側から歯車20を挿通し、中径部10bの係止面10b1と歯車20の係止突部24とを位置合わせして中径部10bに歯車20を移動させる。歯車20を移動させる過程で、小径部10cから中径部10bに歯車20のフック部22が差し掛かると、フック部22が径方向外側に弾性変形して中径部10bの外面上に逃げる。
その後、中径部10bにおいて、歯車20の係止突部24の左端部25が中径部10bのフランジ部10b2の右側面10b3に当接すると、歯車20の挿通方向の移動が規制され、中径部10bに歯車20が位置決めされる。この状態で、フック部22が弾性復帰し、爪部23が中径部10bの左側の溝部10eに係止される(図5参照)。
この係止によって、中径部10bのフランジ部10b2の右側面10b3に対する歯車20の係止突部24の左端部25の当接が維持されるとともに、中径部10bから抜ける方向への歯車20の移動が規制される。これによって、歯車20は、中径部10bに対して回り止め保持されるとともに、抜け止め保持された状態で固定されることとなる。
なお、スプール軸10から歯車20を取り外す場合には、フック部22を弾性変形させて溝部10eに対するフック部22の爪部23の係止を解除し、小径部10cを通じて歯車20を右方向に引き抜くことにより行う。
以上説明した本実施形態の魚釣用リールの歯車取付構造では、スプール軸10に歯車20を挿通して、スプール軸10の中径部10bに歯車20を回り止め嵌合すると、歯車20に備わるフック部22の爪部23がスプール軸10の溝部10eに係止される。この係止により、スプール軸10に対する歯車20の取り付けが完了する。フック部22は、スプール軸10に対して歯車20を挿通する際の挿通方向に延在し、溝部10eへの係止後は、歯車20の抜け方向への移動、すなわち、挿通方向と反対方向の移動を規制するので、スプール軸10に対する歯車20の取付状態(固定状態)が好適に維持される。
また、スプール軸10の溝部10eに対するフック部22の爪部23の係止状態を解除することでスプール軸10に対する歯車20の抜け方向の移動が可能になるので、スプール軸10から歯車20を容易に抜き取ることができる。
したがって、本実施形態によれば、歯車20の取付構造が簡単で組立てや分解が容易であるとともに、歯車20の安定した噛合状態の維持、及びスプール軸10に対する歯車20の取付強度を確保することができる。
また、歯車20は、歯車伝達機構50の一部を構成し、歯車伝達機構50の安定した噛合状態の維持及び強度を確保できるので、レベルワインド装置40の釣糸案内部41の良好な往復動を実現することができる。したがって、魚釣用リール1Rの操作性の向上を図ることができる。
また、歯車20は、合成樹脂材で形成されているので、軽量化を図りつつ弾性を有するフック部22を好適に形成することができる。
また、フック部22は、歯車20の周方向の少なくとも一箇所から溝部10eに向けて延出することにより構成されるので、歯車20の係止構造を簡単に構成でき、コストの低減を図ることができる。
(第2実施形態)
図6から図8を参照して第2実施形態の魚釣用リールの歯車取付構造について説明する。本実施形態では、レベルワインド装置40へ駆動力を伝達する歯車伝達機構50の途中部分に、出力歯車20Aを配置している。
図6に示すように、歯車伝達機構50は、第1実施形態で説明した歯車20と、第1連結歯車51と、第2連結歯車52と、出力歯車20Aと、入力歯車53とを備えて構成される。
第1連結歯車51は、歯車20に噛合して歯車20の後段に配置されている。第1連結歯車51は、取付ネジ51aを介して右フレーム3bに回転可能に支持されている。
第2連結歯車52は、第1連結歯車51の後段に配置されており、軸受52bを介して右フレーム3bに回転可能に支持される支軸52aの一端部に固定されている。支軸52aの他端部(嵌合部)には、出力歯車20Aが固定されている。出力歯車20Aは、第1実施形態で説明した歯車20と同様の構造によって、支軸52aの他端部(右部)に取り付けられている。
出力歯車20Aは、図7,図8に示すように、支軸52aに挿通されて支軸52aの他端部に取り付けられ、支軸52aとともに一体に回転する歯車である。出力歯車20Aは、合成樹脂材により一体に形成されている。出力歯車20Aは、基部21と、歯部21aと、フック部22と、爪部23と、係止突部24と、左端部25とを備えている。
基部21は、支軸52aに外嵌される内径を備えている。係止突部24は、支軸52aの係止面52a1に対向しており、支軸52aに出力歯車20Aを装着した状態で、係止面52a1に対して当接し、出力歯車20Aを支軸52aに回り止め保持する役割をなす。係止突部24の左端部25は、支軸52aのフランジ部52a2の右側面52a3に当接して、出力歯車20Aの挿通方向(装着方向:左方向)の移動を規制している。
フック部22の爪部23は、支軸52aのフランジ部52a2の右側面52a3に係止突部24の左端部25が当接した状態で、支軸52aの軸方向の略中央部に形成された溝部52eに係止可能である。
なお、入力歯車53は、レベルワインド装置40の螺軸52の他端の突出部42bに回り止め嵌合され、リング状のリテイナ42cで抜け止め保持されている。螺軸52は、これを覆う筒体43に軸受42a,42aを介して回転自在に支持されている。筒体43の前方には前カバー5が配置されている。
支軸52aに対して出力歯車20Aを取り付ける場合には、支軸52aの係止面52a1と出力歯車20Aの係止突部24とを位置合わせして、支軸52aの右側方から出力歯車20Aを挿通する。出力歯車20Aを挿通する過程で、フック部22は径方向外側に弾性変形して支軸52aの外面上に逃げる。
その後、出力歯車20Aの係止突部24の左端部25が支軸52aのフランジ部52a2の右側面52a3に当接すると、出力歯車20Aの挿通方向の移動が規制され、支軸52aに出力歯車20Aが位置決めされる。この状態で、フック部22が弾性復帰し、爪部23が支軸52aの溝部52eに係止される。
この係止によって、支軸52aのフランジ部52a2の右側面52a3に対する出力歯車20Aの係止突部24の左端部25の当接が維持されるとともに、支軸52aから抜ける方向への出力歯車20Aの移動が規制される。これによって、出力歯車20Aは、支軸52aに対して回り止め保持されるとともに、抜け止め保持された状態で固定されることとなる。
本実施形態においても、第1実施形態で説明した作用効果と同様の作用効果が得られる。つまり、歯車伝達機構50の構造が簡単で組立てや分解が容易であるとともに、出力歯車20Aの安定した噛合状態の維持、及び取付強度を確保することができる。
なお、第2連結歯車52は、支軸52aの取付穴52cに螺合する取付ネジ52dを介して、支軸52aの一端部(左部)に取り付けられる構造であるが、これに限られることはなく、出力歯車20Aと同様の構造を採用して、支軸52aの一端部に取り付けられるように構成してもよい。
(第3実施形態)
図9を参照して第3実施形態の魚釣用リールの歯車取付構造について説明する。本実施形態では、レベルワインド装置40の螺軸42に取り付けられる入力歯車20Bに対して歯車取付構造を採用している。
図9に示すように、螺軸42の他端部(右端部)には、入力歯車20Bが装着される嵌合部として機能する大径の胴部42dと、胴部42dの右側面から右側方へ突出する小径の突出部42bとが形成されている。胴部42dの左側方には、周方向に連続する溝部42hが形成されている。突出部42bは、径方向に対向する一対の平らな係合面42e,42eを備えており、軸方向に直交する方向の断面形状が略小判形状を呈している。
入力歯車20Bは、螺軸42の胴部42dに挿通されて螺軸42の他端部に取り付けられ、螺軸42とともに一体に回転する歯車である。入力歯車20Bは、合成樹脂材により一体に形成されている。入力歯車20Bは、基部21と、歯部21aと、フック部22と、爪部23と、を備えている。
基部21は、螺軸42の胴部42dの外周面に外嵌される大径の円筒内面21dと、螺軸42の突出部42bが係合する小径の係合孔21fを備えている。係合孔21fの内面には、突出部42bの係合面42e,42eに対向して、係合面42e,42eが係合する係合部21e,21eが形成されている。係合孔21fの断面形状は、突出部42bの断面形状に倣って略小判形状となっている。
円筒内面21dと係合孔21fとの間には、環状の平らな段差面21jが形成されている。段差面21jは、螺軸42の胴部42dの環状の右端面42gに対向している。段差面21jは、胴部42dの右端面42gに当接して、入力歯車20Bの挿通方向(装着方向:左方向)の移動を規制する。
フック部22の爪部23は、胴部42dの右端面42gに段差面21jが当接した状態で、螺軸42の溝部42hに係止可能である。
螺軸42に対して入力歯車20Bを取り付ける場合には、螺軸42の右側方から入力歯車20Bを挿通し、係合孔21fの係合部21e,21eと、螺軸42の突出部42bの係合面42e,42eとが対向するように位置合わせをして、突出部42bを係合孔21fに挿入する。入力歯車20Bを挿通する過程で、フック部22は径方向外側に弾性変形して螺軸42の胴部42dの外面上に逃げる。
その後、入力歯車20Bの段差面21jが螺軸42の胴部42dの右端面42gに当接すると、入力歯車20Bの挿通方向の移動が規制され、螺軸42に入力歯車20Bが位置決めされる。この状態で、フック部22が弾性復帰し、爪部23が螺軸42の溝部42hに係止される。
この係止によって、螺軸42の胴部42dの右端面42gに対する入力歯車20Bの段差面21jの当接が維持されるとともに、螺軸42から抜ける方向への入力歯車20Bの移動が規制される。これによって、入力歯車20Bは、螺軸42に対して回り止め保持されるとともに、抜け止め保持された状態で固定されることとなる。
本実施形態においても、第1,第2実施形態で説明した作用効果と同様の作用効果が得られる。つまり、歯車伝達機構50の構造が簡単で組立てや分解が容易であるとともに、入力歯車20Bの安定した噛合状態の維持、及び取付強度を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、前記各実施形態では魚釣用リール1Rの歯車伝達機構50に本発明の歯車取付構造を採用したが、これに限られることはなく、魚釣用スピニングリールの歯車伝達機構として備わる公知のオシレーティング装置に対して設けてもよい。オシレーティング装置においても、歯車の取付構造が簡単で組立てや分解が容易であるとともに、歯車の安定した噛合状態の維持、及び回転軸(螺軸)に対する歯車の取付強度を確保することができる。これにより、摺動体をスムーズに往復動させることができ、魚釣操作性が向上する。
また、前記各実施形態では、フック部22を1つ設けた例を示したが、これに限られることはなく、2つ以上設けてもよい。また、フック部22は、種々の形状のものを採用することができる。
1 リール本体
1R 魚釣用リール
7 ハンドル
8 スプール
10 スプール軸(回転軸)
10b 中径部(嵌合部)
20 歯車
20A 出力歯車(歯車)
20B 入力歯車(歯車)
22 フック部(係止部)
23 爪部(係止部)
41 釣糸案内部(摺動体)
42 螺軸(回転軸)
42h 溝部(被係止部)
50 歯車伝達機構
52a 支軸(回転軸)
52e 溝部(被係止部)

Claims (3)

  1. ハンドルの回転操作により回転する回転軸と、前記回転軸に設けられた嵌合部と、前記回転軸に挿通されて前記嵌合部に回り止め嵌合される歯車と、を備えた魚釣用リールの歯車取付構造であって、
    前記歯車には、前記回転軸の外面に係止し前記回転軸に対して前記歯車を挿通する際の挿通方向と反対方向に、前記歯車が移動するのを規制する係止部が設けられており、
    前記係止部は、
    前記回転軸に対して前記歯車を挿通する際の挿通方向と同方向に延在し、前記回転軸の外面に設けられた被係止部に係止されるフック部を備えており、
    前記嵌合部は、前記回転軸の外周面を平らに面取りして形成した係止面と、前記係止面の端部に形成され、前記係止面よりも径方向に突出するフランジ部とを有し、
    前記歯車は、前記歯車を挿通する際の挿通方向と同方向から前記フランジ部の側面に当接する係止突部を有し、
    前記フック部は、前記フランジ部の側面に前記係止突部が当接した状態で、前記回転軸の軸方向における前記係止突部との間に、前記フランジ部を挟持するようにして前記被係止部に係止可能であることを特徴とする魚釣用リールの歯車取付構造。
  2. 前記歯車は、釣糸をスプールに平行に巻回するために摺動体を往復動させるための歯車伝達機構を構成していることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールの歯車取付構造。
  3. 前記歯車は、合成樹脂材で形成されており、
    前記フック部は、前記歯車の周方向の少なくとも一箇所から前記被係止部に向けて延出していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用リールの歯車取付構造。
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