JP7223050B2 - 車体側部構造 - Google Patents
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Description
したがって、特許文献1に記載の従来技術にあっては、センターピラーとルーフサイドレールとの接続部分における開口を抑制し、入力荷重に対する剛性をより向上する点において改善の余地があった。
また、請求項2に記載の発明に係る車体側部構造(例えば、実施形態における車体側部構造1)は、車両の上方かつ側方において前記車両の前後方向に沿って延び、車室側に配置されるルーフサイドレールインナ(例えば、実施形態におけるルーフサイドレールインナ21)及び車外側に配置されるルーフサイドレールアウタ(例えば、実施形態におけるルーフサイドレールアウタ22)を有するルーフサイドレール(例えば、実施形態におけるルーフサイドレール2)と、前記ルーフサイドレールから前記車両の下方に延び、前記車室側に配置されるセンターピラーインナ(例えば、実施形態におけるセンターピラーインナ31)及び前記車外側に配置されるセンターピラーアウタ(例えば、実施形態におけるセンターピラーアウタ32)を有するセンターピラー(例えば、実施形態におけるセンターピラー3)と、前記センターピラーの上端部に設けられ前記ルーフサイドレールと前記センターピラーとにより形成されるコーナ部(例えば、実施形態におけるコーナ部10)において、前記ルーフサイドレールアウタと前記ルーフサイドレールインナとを接合する第一接合部(例えば、実施形態における第一接合部5)と、前記コーナ部において、前記センターピラーアウタと前記ルーフサイドレールインナとを接合する第二接合部(例えば、実施形態における第二接合部6)と、前記コーナ部において、前記センターピラーインナと前記センターピラーアウタとを接合する第三接合部(例えば、実施形態における第三接合部7)と、を備え、前記第一接合部、前記第二接合部及び前記第三接合部が前記上方から前記下方に向けて連続して設けられており、前記コーナ部において、前記ルーフサイドレールアウタと前記センターピラーアウタとの間には、前記側方から見て第一隙間(例えば、実施形態における第一隙間11)が設けられ、前記コーナ部において、前記ルーフサイドレールインナと前記センターピラーインナとの間には、前記側方から見て第二隙間(例えば、実施形態における第二隙間12)が設けられることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明に係る車体側部構造は、前記ルーフサイドレール及び前記センターピラーは車幅方向外側からサイドパネル(例えば、実施形態におけるサイドパネル4)に覆われ、前記サイドパネルは、前記第一接合部、前記第二接合部及び前記第三接合部と接合されることを特徴としている。
第一接合部、第二接合部及び第三接合部が上方から下方に向けて連続して設けられる。これにより、コーナ部におけるスポット溶接の間隔を狭め、最小間隔でスポット溶接を行うことができる。よって、コーナ部の一部を避けて溶接する又はスポット溶接の間隔を大きくして溶接する従来技術と比較して、側方からの荷重入力時における開口の発生を抑制できる。これにより、車両の側方から荷重が入力した場合であっても、車体側部構造のコーナ部におけるセンターピラー及びルーフサイドレールの破断や剥離を抑制し、車体側部構造の剛性を向上できる。
したがって、センターピラーとルーフサイドレールとの接続部分における開口の発生を抑制し、従来技術と比較して側方からの入力荷重に対する剛性をより向上できる車体側部構造を提供できる。
本発明の請求項7に記載の車体側部構造によれば、車幅方向外側からルーフサイドレール及びセンターピラーを覆っているサイドパネルが形成され、サイドパネルがルーフサイドレール又はセンターピラーとコーナ部で接合される。つまり、サイドパネルを一体に接合すると各接合部で最大3枚接合となる。これにより、4枚の板部材を重ねる場合と比較して、接合部における板合わせ枚数を減少させることができる。これにより、各接合部においてスポット溶接等を確実に行うことができ、接合強度を得ることができるので、破断や剥離を抑制できる。
図1は、実施形態に係る車体側部構造1の側面図である。図2は、図1におけるサイドパネル4の図示を省略した車体側部構造1の側面図である。図3は、図2におけるセンターピラーアウタ32の図示を省略した車体側部構造1の側面図である。図4は、図3におけるルーフサイドレールアウタ22の図示を省略した車体側部構造1の側面図である。
車体側部構造1は、例えば自動車等(車両)の車体の側部を構成している。車体側部構造1は、車体の左右の側部にそれぞれ設けられている。左右の車体側部構造1は対称の構成となっているため、以下の実施形態では左側の車体側部構造1について説明し、右側の車体側部構造1についての説明を省略する場合がある。
図5は、図1のV-V線に沿う断面図である。
図2及び図5に示すように、ルーフサイドレール2は、車両の上方かつ側方において、車両の前後方向に沿って延びている。ルーフサイドレール2は、例えば複数の金属材料により形成される骨格部材である。図5に示すように、ルーフサイドレール2は、ルーフサイドレールインナ21と、ルーフサイドレールアウタ22と、を有する。ルーフサイドレールインナ21及びルーフサイドレールアウタ22を組み合わせることにより、ルーフサイドレール2は、前後方向と直交する断面視において閉断面20を有するように形成されている。
上フランジ17は、前後方向及び左右方向に延び、上下方向を面直方向とする板状に形成されている。上フランジ17は、ルーフサイドレールインナ21の上壁部14に沿って延びている。上フランジ17は、例えばスポット溶接により、ルーフサイドレールインナ21の上壁部14の上面に接合されている。
下フランジ19は、膨出部18の下端部に接続されている。下フランジ19は、膨出部18の下端部から車幅方向の外側かつ下方に向けて斜めに延びている。下フランジ19は、ルーフサイドレールインナ21のフランジ部16に沿って延びている。下フランジ19は、例えばスポット溶接により、ルーフサイドレールインナ21のフランジ部16に接合されている。
ルーフサイドレールインナ21と同様に、ルーフサイドレールアウタ22の下縁は、コーナ部10の上側部分を構成している。
図2及び図5に示すように、パッチ部材25は、車幅方向におけるルーフサイドレールインナ21とルーフサイドレールアウタ22との間の閉断面20に設けられている。具体的に、パッチ部材25は、ルーフサイドレールアウタ22の膨出部18のうち、車幅方向内側を向く面(閉断面20内を向く面)に取り付けられている。パッチ部材25は、前後方向において、ルーフサイドレール2とセンターピラー3とが交差する部分(接続点)に設けられている。パッチ部材25は、少なくともルーフサイドレール2とセンターピラー3との接続点から前後のコーナ部10に亘って前後方向に延びている。パッチ部材25は、断面視において、膨出部18に沿って車幅方向外側に凸となるように形成されている。
図2から図4に示すように、センターピラー3は、車両の側方かつ前後方向の中央部において、上下方向に沿って延びている。センターピラー3は、例えば複数の金属材料により形成される骨格部材である。センターピラー3の上端部は、ルーフサイドレール2に接続されている。センターピラー3は、ルーフサイドレール2から下方に延びている。センターピラー3の下端部は、車両の下方において前後方向に延びる不図示のサイドシルに接続されている。センターピラー3は、センターピラーインナ31(図3参照)と、センターピラーアウタ32(図2参照)と、を有する。センターピラーインナ31及びセンターピラーアウタ32を組み合わせることにより、センターピラー3は、上下方向と直交する断面視において閉断面30(図5参照)を有するように形成されている。
図2に示すように、ルーフサイドレール2にセンターピラー3が接続された状態で、センターピラーアウタ32の上端部33は、ルーフサイドレール2の上端部よりも下方で終端している。より詳細に、センターピラーアウタ32の上端部33は、パッチ部材25の上下方向における中央部26まで延びている。よって、センターピラーアウタ32に入力された荷重をパッチ部材25で受けることが可能となっている。
図1及び図5に示すように、サイドパネル4は、側方から見て、ルーフサイドレール2及びセンターピラー3に沿うT字状に形成されている。サイドパネル4は、車幅方向外側からルーフサイドレール2及びセンターピラー3を覆っている。サイドパネル4の縁部は、ルーフサイドレール2又はセンターピラー3と例えばスポット溶接により接合されている。
図2に示すように、複数の隙間11,12は、ルーフサイドレール2及びセンターピラー3が接合されることにより形成されるコーナ部10に設けられている。複数の隙間は、第一隙間11と、第二隙間12と、を有する。
第一隙間11は、コーナ部10において、ルーフサイドレールアウタ22とセンターピラーアウタ32との間に設けられる。第一隙間11は、側方から見て、ルーフサイドレールアウタ22及びセンターピラーアウタ32の少なくとも一方がコーナ部10の外周側(部材側)に向かって切り欠かれることにより形成されている。すなわち、第一隙間11が設けられた部分において、ルーフサイドレールアウタ22及びセンターピラーアウタ32の縁部は、側方から見て互いに重ならない。第一隙間11は、前後のコーナ部10にそれぞれ1個ずつ設けられている。
複数の接合部5,6,7は、上述したルーフサイドレール2、センターピラー3及びサイドパネル4の少なくとも1個を接合している。本実施形態において、複数の接合部5,6,7は、ルーフサイドレール2、センターピラー3及びサイドパネル4の縁部に設けられ、スポット溶接により所定の部材同士を接合する。本実施形態において、複数の接合部は、第一接合部5と、第二接合部6と、第三接合部7と、を有する。第一接合部5、第二接合部6及び第三接合部7は、センターピラー3の上端部であって、コーナ部10と対応する位置に設けられている。
図2及び図6に示すように、第一接合部5、第二接合部6及び第三接合部7は、上方から下方に向けて連続して設けられる。つまり、第一接合部5、第二接合部6及び第三接合部7は、所定の溶接ピッチを隔てて連続形成されるスポット溶接において、所定の溶接ピッチ分だけ互いに離間して設けられている。第一隙間11及び第二隙間12は、この所定の溶接ピッチより小さく形成されることが好ましい。
次に、上述の車体側部構造1の作用、効果について説明する。
本実施形態の車体側部構造1によれば、第一接合部5、第二接合部6及び第三接合部7においてそれぞれの板部材を接合することにより、ルーフサイドレール2とサンタ―ピラーとを接続できる。コーナ部10を構成する4枚の板部材(ルーフサイドレールインナ21、ルーフサイドレールアウタ22、センターピラーインナ31及びセンターピラーアウタ32)のうち、第一接合部5は、ルーフサイドレールアウタ22とルーフサイドレールインナ21とを接合する。第二接合部6は、センターピラーアウタ32とルーフサイドレールインナ21とを接合する。第三接合部7は、センターピラーインナ31とセンターピラーアウタ32とを接合する。このように、各接合部5,6,7では、4枚の板部材のうち所定の2枚の板部材が重ねられるので、4枚の板部材を重ねる場合と比較して、接合部5,6,7における板合わせ枚数を減少させることができる。これにより、各接合部5,6,7においてスポット溶接等を確実に行うことができる。
したがって、センターピラー3とルーフサイドレール2との接続部分における開口の発生を抑制し、従来技術と比較して側方からの入力荷重に対する剛性をより向上できる車体側部構造1を提供できる。
例えば、上述の実施形態において、第一隙間11は第二隙間12より上方に設けられる構成としたが、これに限られない。第一隙間11は第二隙間12より下方に設けられてもよい。
同様に、センターピラー3の断面視において、センターピラーインナ31及びセンターピラーアウタ32の形状は上述した形状に限定されない。センターピラー3は、センターピラーインナ31及びセンターピラーアウタ32が接続されることにより少なくとも閉断面30を形成可能な構成であればよい。
第一隙間11と第二隙間12との間において、複数の第二接合部6が形成されてもよい。
第二隙間12より下方において、複数の第三接合部7が形成されてもよい。
2 ルーフサイドレール
3 センターピラー
5 第一接合部
6 第二接合部
7 第三接合部
10 コーナ部
11 第一隙間
12 第二隙間
21 ルーフサイドレールインナ
22 ルーフサイドレールアウタ
25 パッチ部材
26 (パッチ部材の)中央部
31 センターピラーインナ
32 センターピラーアウタ
33 (センターピラーアウタの)上端部
Claims (7)
- 車両の上方かつ側方において前記車両の前後方向に沿って延び、車室側に配置されるルーフサイドレールインナ及び車外側に配置されるルーフサイドレールアウタを有するルーフサイドレールと、
前記ルーフサイドレールから前記車両の下方に延び、前記車室側に配置されるセンターピラーインナ及び前記車外側に配置されるセンターピラーアウタを有するセンターピラーと、
前記センターピラーの上端部に設けられ前記ルーフサイドレールと前記センターピラーとにより形成されるコーナ部において、前記ルーフサイドレールインナ、前記ルーフサイドレールアウタ、前記センターピラーインナ及び前記センターピラーアウタの4枚の部材のうち前記ルーフサイドレールアウタと前記ルーフサイドレールインナとのみを接合する第一接合部と、
前記コーナ部において、前記4枚の部材のうち前記センターピラーアウタと前記ルーフサイドレールインナとのみを接合する第二接合部と、
前記コーナ部において、前記4枚の部材のうち前記センターピラーインナと前記センターピラーアウタとのみを接合する第三接合部と、
を備え、
前記第一接合部、前記第二接合部及び前記第三接合部が前記上方から前記下方に向けて連続して設けられることを特徴とする車体側部構造。 - 車両の上方かつ側方において前記車両の前後方向に沿って延び、車室側に配置されるルーフサイドレールインナ及び車外側に配置されるルーフサイドレールアウタを有するルーフサイドレールと、
前記ルーフサイドレールから前記車両の下方に延び、前記車室側に配置されるセンターピラーインナ及び前記車外側に配置されるセンターピラーアウタを有するセンターピラーと、
前記センターピラーの上端部に設けられ前記ルーフサイドレールと前記センターピラーとにより形成されるコーナ部において、前記ルーフサイドレールアウタと前記ルーフサイドレールインナとを接合する第一接合部と、
前記コーナ部において、前記センターピラーアウタと前記ルーフサイドレールインナとを接合する第二接合部と、
前記コーナ部において、前記センターピラーインナと前記センターピラーアウタとを接合する第三接合部と、
を備え、
前記第一接合部、前記第二接合部及び前記第三接合部が前記上方から前記下方に向けて連続して設けられており、
前記コーナ部において、前記ルーフサイドレールアウタと前記センターピラーアウタとの間には、前記側方から見て第一隙間が設けられ、
前記コーナ部において、前記ルーフサイドレールインナと前記センターピラーインナとの間には、前記側方から見て第二隙間が設けられることを特徴とする車体側部構造。 - 前記コーナ部において、前記ルーフサイドレールアウタと前記センターピラーアウタとの間には、前記側方から見て第一隙間が設けられ、
前記コーナ部において、前記ルーフサイドレールインナと前記センターピラーインナとの間には、前記側方から見て第二隙間が設けられることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。 - 前記側方から見て、前記第一隙間と前記第二隙間とは前記車両の上下方向において異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車体側部構造。
- 前記車両の車幅方向における前記ルーフサイドレールアウタと前記ルーフサイドレールインナとの間に設けられ、前記前後方向に沿って延びるパッチ部材を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体側部構造。
- 前記センターピラーアウタの上端部は、前記車両の上下方向において前記パッチ部材の中央部まで延びていることを特徴とする請求項5に記載の車体側部構造。
- 前記ルーフサイドレール及び前記センターピラーは車幅方向外側からサイドパネルに覆われ、
前記サイドパネルは、前記第一接合部、前記第二接合部及び前記第三接合部と接合されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体側部構造。
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