JP7222446B2 - 蓄電デバイス用外装材、その製造方法、及び蓄電デバイス - Google Patents

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Description

本開示は、蓄電デバイス用外装材、その製造方法、及び蓄電デバイスに関する。
従来、様々なタイプの蓄電デバイスが開発されているが、あらゆる蓄電デバイスにおいて、電極や電解質などの蓄電デバイス素子を封止するために外装材が不可欠な部材になっている。従来、蓄電デバイス用外装材として金属製の外装材が多用されていた。
一方、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話などの高性能化に伴い、蓄電デバイスには、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の蓄電デバイス用外装材では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る蓄電デバイス用外装材として、基材層/金属層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
このような蓄電デバイス用外装材においては、一般的に、冷間成形により凹部が形成され、当該凹部によって形成された空間に電極や電解液などの蓄電デバイス素子を配し、熱融着性樹脂層を熱融着させることにより、蓄電デバイス用外装材の内部に蓄電デバイス素子が収容された蓄電デバイスが得られる。
特開2008-287971号公報 特開2015-26528号公報
例えば特許文献2には、特許文献1とは異なり、金属層を設けずに、より薄型化、軽量化された外装材が開示されている。
本開示の発明者らは、このような外装材は、外装材のさらなる軽量化、薄膜化などの観点からは利点があるものの、金属層を設けないことによって外装材の透明性が高まり、蓄電デバイスの内部構造が把握され、偽造防止などの観点から望ましくないという新たな課題を見出した。
このような状況下、本開示は、金属により形成された金属層を有していないにも拘わらず、遮蔽性を有する、蓄電デバイス用外装材を提供することを主な目的とする。
本開示の発明者らは、外側から順に、少なくとも、基材層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成され、金属により形成された金属層を設けない蓄電デバイス用外装材において、透明性を付与しないという、従来技術では全く想定されていない構成を採用することに着目した。
即ち、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
外側から順に、少なくとも、基材層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記積層体は、遮蔽層を有しており、
前記積層体は、金属により形成された金属層を有しない、蓄電デバイス用外装材。
また、本開示は、下記に掲げる態様の発明についても提供する。
少なくとも、熱融着性樹脂層を備える蓄電デバイス用外装材であって、
前記蓄電デバイス用外装材は、遮蔽層を有しており、
前記蓄電デバイス用外装材は、金属により形成された金属層を有しない、蓄電デバイス用外装材。
本開示によれば、金属により形成された金属層を有していないにも拘わらず、遮蔽性を有する、蓄電デバイス用外装材を提供することができる。金属により形成された金属層を有していないことから、蓄電デバイス用外装材を軽量化、薄膜化することができる。また、遮蔽性を有することから蓄電デバイスの内部構造が把握され偽造されることを防止でき、さらに、蓄電デバイスの製造工程において、センサーによる位置の把握を高精度で行うことが可能となり、蓄電デバイス用外装材の搬送や、蓄電デバイス素子の封止などを正確に行うことが可能となる。さらに、遮蔽層を例えば黒色にすれば、蓄電デバイスを黒色の高級感のある意匠とすることができる。また、他の電装品と共に黒色で統一して、製品としての高級感を付与することも可能となる。また、蓄電デバイスを収容する包装体を、内側包装体と外側包装体の二重構造とし、本開示の蓄電デバイス用外装材を内側包装体として好適に利用することも可能となる。本開示によれば、当該蓄電デバイス用外装材の製造方法、及び当該蓄電デバイス用外装材を利用した蓄電デバイスを提供することもできる。
本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に蓄電デバイス素子を収容する方法を説明するための模式図である。 本開示の蓄電デバイスの断面構造の一例を示す模式図である。 本開示の蓄電デバイスの断面構造の一例を示す模式図である。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、外側から順に、少なくとも、基材層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、積層体は、遮蔽層を有しており、積層体は、金属により形成された金属層を有しないことを特徴とする。本開示の蓄電デバイス用外装材は、金属により形成された金属層を有していないにも拘わらず、遮蔽性を有する。
以下、本開示の蓄電デバイス用外装材について詳述する。なお、本明細書において、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。また、遮蔽層とは、光透過を遮蔽する層を意味しており、本開示の蓄電デバイス用外装材においては、遮蔽層によって内容物が見えにくくなる。また、金属層とは、金属により形成された層を意味しており、例えば、金属箔や金属板などが挙げられ、金属箔の厚みは例えば10~200μm程度、金属板の厚みは例えば200μmから数mm程度が挙げられる。
1.蓄電デバイス用外装材の積層構造と物性
本開示の蓄電デバイス用外装材10は、例えば図1~4、6~7に示すように、少なくとも、基材層1及び熱融着性樹脂層4を備える積層体から構成されている。蓄電デバイス用外装材10において、基材層1が最外層側になり、熱融着性樹脂層4は最内層になる。蓄電デバイス用外装材10と蓄電デバイス素子を用いて蓄電デバイスを組み立てる際に、蓄電デバイス用外装材10の熱融着性樹脂層4同士を対向させた状態で、周縁部を熱融着させることによって形成された空間に、蓄電デバイス素子が収容される。なお、図7の蓄電デバイス用外装材10は、基材層1が第1基材層11及び第2基材層を含む態様である。
また、本開示の蓄電デバイス用外装材10は、例えば図5に示すように、熱融着性樹脂層4のみから構成されていてもよい。
本開示の蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体において、少なくとも1層が、遮蔽性を備える遮蔽層Sを構成している。すなわち、当該積層体に含まれる遮蔽層Sは、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。蓄電デバイス用外装材10は、例えば図1から図4及び図6から図7に示すように、基材層1と熱融着性樹脂層4との間に、これらの層間の接着性を高めることなどを目的として、必要に応じて接着剤層2を有していてもよい。図1,4においては、接着剤層2が遮蔽層Sを構成する図を示している。
本開示の蓄電デバイス用外装材10を構成する層が熱融着性樹脂層のみである場合、図5に示すように、熱融着性樹脂層4が、遮蔽性を備える遮蔽層Sを構成する。
また、図2に示すように、基材層1と熱融着性樹脂層4との間には、必要に応じて着色層3(内側着色層ということがある)を有していてもよい。図2においては、基材層1の内側の着色層3が遮蔽層Sを構成する図を示している。また、図3に示すように、基材層1の外側に、必要に応じて着色層3(外側着色層ということがある)を有していてもよい。図3においては、基材層1の外側の着色層3が遮蔽層Sを構成する図を示している。着色層3は、基材層1の少なくとも一方の表面に設ける(すなわち、基材層1と着色層3とは接触している)ことが好ましい。これは、基材層はコシがある場合が多く、着色層をコーティングする際に顔料の塗工がし易いため、膜厚のバラツキを抑えることができ、均一な遮蔽層を形成することができるためである。
また、例えば図4に示すように、基材層1の外側(熱融着性樹脂層4側とは反対側)には、必要に応じて表面被覆層6などが設けられていてもよい。
蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚みとしては、特に制限されないが、コスト削減、エネルギー密度向上等の観点からは、例えば190μm以下、好ましくは約180μm以下、約170μm以下が挙げられる。また、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚みとしては、蓄電デバイス素子を保護するという蓄電デバイス用外装材の機能を維持する観点からは、好ましくは約35μm以上、約45μm以上、約60μm以上が挙げられる。また、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の好ましい範囲については、例えば、35~190μm程度、35~180μm程度、35~170μm程度、45~190μm程度、45~180μm程度、45~170μm程度、60~190μm程度、60~180μm程度、60~170μm程度、が挙げられ、特に60~170μm程度が好ましい。
蓄電デバイス用外装材10において、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚み(総厚み)に対する、基材層1、必要に応じて設けられる着色層3、必要に応じて設けられる接着剤層2、熱融着性樹脂層4、及び必要に応じて設けられる表面被覆層6の合計厚みの割合は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。具体例としては、本開示の蓄電デバイス用外装材10が、基材層1、接着剤層2、及び熱融着性樹脂層4を含む場合、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚み(総厚み)に対する、これら各層の合計厚みの割合は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。また、本開示の蓄電デバイス用外装材10が、基材層1、着色層3、接着剤層2、及び熱融着性樹脂層4を含む積層体である場合にも、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚み(総厚み)に対する、これら各層の合計厚みの割合は、例えば80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上とすることができる。
本開示の蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体は、JIS K7361-1:1997の規定に準拠して測定される全光線透過率が、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、さらに好ましくは8%以下である。全光線透過率が低いほど、蓄電デバイス用外装材10が高い遮蔽性を発揮できる。全光線透過率の下限値は0%である。蓄電デバイス用外装材の全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に規定された測定方法に準拠し、市販の分光光度計(例えば、日本分光製、紫外可視近赤外分光光度計V-670)を用い、可視光領域(400~700nm)における透過率測定を行い、平均値を全光線透過率とする。測定条件は、光源としてハロゲンランプを使用し、UV/Visバンド幅:5.0nm、走査速度:1000nm/min、レスポンス:Medium、データ取り込み間隔:1.0nmとする。
蓄電デバイス用外装材10は、黒色であることが好ましい。これにより、遮蔽性が高く、偽造防止効果が高い蓄電デバイス用外装材10となる。また、蓄電デバイスの製造工程において、センサーによる位置の把握をより高精度で行うことが可能となり、蓄電デバイス用外装材10の搬送や、蓄電デバイス素子の封止などをより正確に行うことが可能となる。さらに、蓄電デバイスと他の電装品を共に黒色で統一して、製品としての高級感を付与することも可能となる。
2.蓄電デバイス用外装材を形成する各層
[基材層1]
本開示において、基材層1は、蓄電デバイス用外装材の基材としての機能を発揮させることなどを目的として設けられる層である。蓄電デバイス用外装材10が基材層1を有する場合、基材層1は、蓄電デバイス用外装材の外層側に位置する。
基材層1を形成する素材については、基材としての機能、すなわち少なくとも絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されない。基材層1は、例えば樹脂を用いて形成することができ、樹脂には後述の添加剤が含まれていてもよい。基材層1は透明とし、基材層1とは別の層で構成する遮蔽層Sと積層して用いることが好ましいが、基材層1に後述する着色剤などを配合して遮蔽層Sを構成してもよい。
基材層1が樹脂により形成されている場合、基材層1は、例えば、樹脂により形成された樹脂フィルムであってもよいし、樹脂を塗布して形成したものであってもよい。樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムとしては、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムが挙げられ、二軸延伸フィルムが好ましい。二軸延伸フィルムを形成する延伸方法としては、例えば、逐次二軸延伸法、インフレーション法、同時二軸延伸法等が挙げられる。樹脂を塗布する方法としては、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、押出コーティング法などが挙げられる。
基材層1を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂などの樹脂や、これらの樹脂の変性物が挙げられる。また、基材層1を形成する樹脂は、これらの樹脂の共重合物であってもよいし、共重合物の変性物であってもよい。さらに、これらの樹脂の混合物であってもよい。
基材層1を形成する樹脂としては、これらの中でも、好ましくはポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル等が挙げられる。また、共重合ポリエステルとしては、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル-ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66との共重合体等の脂肪族ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸-テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミドPACM6(ポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンアジパミド)等の脂環式ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’-ジフェニルメタン-ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等のポリアミドが挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1は、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、及びポリオレフィンフィルムのうち少なくとも1つを含むことが好ましく、延伸ポリエステルフィルム、及び延伸ポリアミドフィルム、及び延伸ポリオレフィンフィルムのうち少なくとも1つを含むことが好ましく、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムのうち少なくとも1つを含むことがさらに好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムのうち少なくとも1つを含むことがさらに好ましい。
また、ポリオレフィンとしては、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン骨格を含む樹脂が好ましい。ポリオレフィンは、基材層1の外側表面に熱融着性を付与する観点から好ましい。ポリオレフィンの具体例としては、後述する熱融着性樹脂層4で例示するポリオレフィンと同じものが例示される。
基材層1は、単層であってもよいし、2層以上により構成されていてもよい。基材層1が2層以上により構成されている場合、基材層1は、樹脂フィルムを接着剤などで積層させた積層体であってもよいし、樹脂を共押出しして2層以上とした樹脂フィルムの積層体であってもよい。また、樹脂を共押出しして2層以上とした樹脂フィルムの積層体を、未延伸のまま基材層1としてもよいし、一軸延伸または二軸延伸して基材層1としてもよい。
例えば、基材層1が2層以上により構成されている場合、外側から順に、第1基材層11及び第2基材層12とすることができる。第1基材層11と第2基材層12とは、直接積層されていてもよいし、図7に示すように、接着剤層13を介して積層されていてもよい。基材層1が第1基材層11及び第2基材層12を有する場合であって、基材層1を遮蔽層Sとする場合、例えば、第1基材層11及び第2基材層12の少なくとも一方を遮蔽層Sとすることができる。例えば図7には、第1基材層11を遮蔽層Sとする態様を示している。
基材層1において、2層以上の樹脂フィルムの積層体の具体例としては、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとの積層体、2層以上のナイロンフィルムの積層体、2層以上のポリエステルフィルムの積層体などが挙げられ、好ましくは、延伸ナイロンフィルムと延伸ポリエステルフィルムとの積層体、2層以上の延伸ナイロンフィルムの積層体、2層以上の延伸ポリエステルフィルムの積層体が好ましい。例えば、基材層1が2層の樹脂フィルムの積層体である場合、ポリエステル樹脂フィルムとポリエステル樹脂フィルムの積層体、ポリアミド樹脂フィルムとポリアミド樹脂フィルムの積層体、またはポリエステル樹脂フィルムとポリアミド樹脂フィルムの積層体が好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムの積層体、ナイロンフィルムとナイロンフィルムの積層体、またはポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムの積層体がより好ましい。また、ポリエステル樹脂は、例えば電解液が表面に付着した際に変色し難いことなどから、基材層1が2層以上の樹脂フィルムの積層体である場合、ポリエステル樹脂フィルムが基材層1の最外層に位置することが好ましい。
また、基材層1の外側表面に熱融着性を付与する観点からは、2層以上の樹脂フィルムの積層体の具体例としては、ポリオレフィンとポリエステルの積層体、ポリオレフィンとポリオレフィンの積層体、ポリオレフィンとポリアミドの積層体が好ましい。例えば、ポリオレフィンとポリエステルの積層体の場合、ポリプロピレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムとの積層体、ポリプロピレンフィルムとポリエチレンナフタレートフィルムとの積層体、ポリプロピレンフィルムとポリブチレンテレフタレートフィルムとの積層体、酸変性ポリプロピレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムとの積層体、酸変性ポリプロピレンフィルムとポリエチレンナフタレートフィルムとの積層体、酸変性ポリプロピレンフィルムとポリブチレンテレフタレートフィルムとの積層体が好ましい。また、例えば、ポリオレフィンとポリオレフィンの積層体の場合、ポリプロピレンとポリプロピレンの積層体、酸変性ポリプロピレンと酸変性ポリプロピレンの積層体、酸変性ポリプロピレンとポリプロピレンの積層体が好ましい。ポリオレフィンとポリアミドの積層体の場合、ポリプロピレンとナイロンとの積層体、酸変性ポリプロピレンとナイロンとの積層体が好ましい。基材層1の外側表面に金属に対する接着性を付与する観点からは、酸変性ポリプロピレン、酸変性ポリエチレンなどの酸変性ポリオレフィンを第1基材層11として用いることが好ましい。なお、前記のように、基材層1の外側表面に金属に対する接着性を付与した場合には、蓄電デバイス用外装体10を内側包装体として、蓄電デバイス用外装材10の外側表面を、金属(例えば金属箔、金属缶など)により構成された外側包装体に好適に接着させることができる。
基材層1が、2層以上の樹脂フィルムの積層体である場合、2層以上の樹脂フィルムは、接着剤を介して積層させてもよい。好ましい接着剤については、後述の接着剤層2で例示する接着剤と同様のものが挙げられる。すなわち、前記の接着剤層13は、後述の接着剤層2で例示する接着剤と同様のものによって形成することができる。接着剤層13に後述する着色剤などを配合して遮蔽層Sとすることもできる。なお、2層以上の樹脂フィルムを積層させる方法としては、特に制限されず、公知方法が採用でき、例えばドライラミネート法、サンドイッチラミネート法、押出ラミネート法、サーマルラミネート法などが挙げられ、好ましくはドライラミネート法が挙げられる。ドライラミネート法により積層させる場合には、接着剤としてポリウレタン接着剤を用いることが好ましい。このとき、接着剤の厚みとしては、例えば2~5μm程度が挙げられる。また、樹脂フィルムにアンカーコート層を形成し積層させても良い。アンカーコート層は、後述の接着剤層2で例示する接着剤と同様のものが挙げられる。このとき、アンカーコート層の厚みとしては、例えば0.01~1.0μm程度が挙げられる。アンカーコート層を接着剤層2や接着剤層13として使用することができる。
また、本開示においては、基材層1は、樹脂により形成された樹脂層1aと、無機酸化物及び無機窒化物の少なくとも一方を含む薄膜層1bとの積層体により構成されていてもよい。薄膜層1bは、樹脂層1aの少なくとも一方側の表面上に設けられていることが好ましい。
樹脂層1aを形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されず、前述した基材層1を形成する樹脂と同じものが例示される。
本開示において、薄膜層1bは、蓄電デバイス用外装材の絶縁性を担保しつつ、蓄電デバイス用外装材に優れた水蒸気バリア性を付与することを目的として設けられる層である。
薄膜層1bは、塗膜層及び蒸着層のうち少なくとも1層を有することが好ましい。塗膜層は、無機酸化物及び無機窒化物の少なくとも一方と、ポリビニルアルコール系樹脂及びエチレン・ビニルアルコール共重合体の少なくとも一方とを含むことが好ましい。また、蒸着層は、無機酸化物及び無機窒化物の少なくとも一方を含むことが好ましい。薄膜層1bは、無機酸化物及び無機窒化物の少なくとも一方を含むことが好ましい。
薄膜層1bが複数層により形成されている場合、薄膜層1bを構成する少なくとも1層は、塗膜層であることが好ましく、蒸着層及び塗膜層を、それぞれ少なくとも1層有することがより好ましい。なお、同様の観点から、蒸着層及び塗膜層の少なくとも一方を複数有する場合、蒸着層と塗膜層とは、交互に設けられていることが好ましい。以下、蒸着層及び塗膜層について、詳述する。
[蒸着層]
蒸着層は、無機酸化物及び無機窒化物の少なくとも一方を含むことが好ましい。蒸着層に含まれる無機酸化物及び無機窒化物としては、例えば、珪素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物または窒化物が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、珪素(Si)又はアルミニウム(Al)の酸化物が挙げられる。
無機酸化物は、例えば、SiOX、AlOX、MgOX等のようにMOX(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲が異なる)で表される。
また、上記のXの値として、珪素(Si)は0~2の数(但し、0を除く)、アルミニウム(Al)は0~1.5の数(但し、0を除く)、マグネシウム(Mg)は0~1の数(但し、0を除く)、カルシウム(Ca)は0~1の数(但し、0を除く)、カリウム(K)は0~0.5の数(但し、0を除く)、スズ(Sn)は0~2の数(但し、0を除く)、ナトリウム(Na)は0~0.5の数(但し、0を除く)、ホウ素(B)は0~1.5の数(但し、0を除く)、チタン(Ti)は0~2の数(但し、0を除く)、鉛(Pb)は0~1の数(但し、0を除く)、ジルコニウム(Zr)は0~2の数(但し、0を除く)、イットリウム(Y)は0~1.5の数(但し、0を除く)の範囲の値をとることができる。蓄電デバイス用外装材の絶縁性を担保しつつ、蓄電デバイス用外装材に優れた水蒸気バリア性を付与する観点から、Xの値として、好ましくは、珪素(Si)は1.0~2.0の数、アルミニウム(Al)は0.5~1.5の数が挙げられる。
蒸着層の厚みは、無機酸化物及び無機窒化物の種類等によって異なるが、例えば5×10-9~2×10-6m、好ましくは1×10-8~5×10-8mの範囲内で任意に選択することができる。
さらに、無機酸化物が、珪素酸化物である場合は、SiOxyで表される炭素含有珪素酸化物であってもよい。SiOxyにおいて、xは1.5~2.2の数であって、yは0.15~0.80の数であることが好ましく、そしてxが1.7~2.1の数であって、yが0.39~0.47の数であることがさらに好ましい。
無機窒化物についても無機酸化物と同様である。蒸着層において、無機酸化物及び無機窒化物は、それぞれ、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上の組み合わせで含まれていてもよい。
[蒸着層の形成方法]
蒸着層の形成は、好ましくは、化学気相成長法、物理気相成長法、またはこれらを併用して行うことができる。
(1)化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)
本開示で利用する化学気相成長法には、例えば、プラズマCVD法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等が含まれる。プラズマCVD法(Plasma Chemical Vapor Deposition法)においては、具体的には、蒸着層を積層する層の被蒸着面の表面に、蒸着用モノマーガスを原料とし、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて、蒸着層を形成することができる。低温プラズマ化学気相成長法としては、例えば、特開2011-5839号公報に記載されたような公知の方法を採用することができる。
低温プラズマ発生装置として、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができる。本開示においては、高活性の安定したプラズマを得るために、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
低温プラズマ化学気相成長装置において、蒸着層は、プラズマ化した原料ガスを用いて、蒸着層を積層する層の上に薄膜状に形成されるので、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となる。従って、例えば真空蒸着法等によって形成される蒸着層よりも高い水蒸気バリア性を示し、薄い膜厚で十分な水蒸気バリア性を得ることができる。
(2)物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)
物理気相成長法には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等が含まれる。本開示において利用できる物理気相成長法については、特に制限されず、例えば、特開2011-5839号公報に記載されたような公知の方法を採用することができる。
[塗膜層]
本開示において、塗膜層は、無機酸化物及び無機窒化物の少なくとも一方と、水溶性高分子とを含む塗膜により形成された層であることが好ましい。塗膜層は、例えば、蓄電デバイス用外装材の各層を積層する際、塗膜層に隣接する層の表面に、塗膜層を形成する組成物を塗布して形成してもよい。また、例えば、転写法などのように、別途、基体表面に当該組成物を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を、塗膜層に隣接する層の表面に積層して形成してもよい。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール系樹脂及びエチレン・ビニルアルコール共重合体の少なくとも一方を含むことが好ましい。塗膜層としては、アルコキシドと水溶性高分子とをゾル-ゲル法によって重縮合して得られる水蒸気バリア性組成物(ガスバリア性組成物)を塗布してなるものであることが好ましい。これにより、本開示の蓄電デバイス用外装材の水蒸気バリア性をさらに向上させることができる。
(1)アルコキシド
該水蒸気バリア性組成物において用いることができるアルコキシドとしては、一般式R1 nM(OR2m(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1~8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す)で表される1種類またはそれ以上のアルコキシドを好ましく用いることができる。
本開示において、一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドとしては、金属原子Mとして、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムその他を使用することができ、Mが珪素であるアルコキシシランを使用することが好ましい。また、本開示において、単独又は二種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うことができる。
また、上記の一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドにおいて、R1で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基その他のアルキル基を挙げることができる。R2で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基その他を挙げることができる。
一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解縮合物の少なくとも1種以上を使用することができ、また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよく更に、加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2~6量体のものを使用される。
(2)水溶性高分子
水溶性高分子として、好ましくはポリビニルアルコール系樹脂及びエチレン・ビニルアルコール共重合体の少なくとも一方とを含む。本開示において、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体の含有量は、上記のアルコキシドの合計量100質量部に対して5~500質量部の範囲であることが好ましい。
本開示において、ポリビニルアルコール系樹脂として、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるものを使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、株式会社クラレ製PVA110(ケン化度=98~99%、重合度=1100)、PVA117(ケン化度=98~99%、重合度=1700)、PVA124(ケン化度=98~99%、重合度=2400)、PVA135H(ケン化度=99.7%以上、重合度=3500)、同社製のRSポリマーであるRS-110(ケン化度=99%、重合度=1000)、同社製のクラレポバールLM-20SO(ケン化度=40%、重合度=2000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM-14(ケン化度=99%、重合度=1400)及びゴーセノールNH-18(ケン化度=98~99%、重合度=1700)等を使用することができる。
また、本開示において、エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン-酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものを使用することができる。このようなケン化物には、酢酸基が数十モル%残存する部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないか又は酢酸基が全く残存していない完全ケン化物までが包含される。特に限定されるものではないが、水蒸気バリア性の観点から、ケン化度が80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であるものを使用することが望ましい。また、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0~50モル%、好ましくは20~45モル%であるものを使用することが好ましい。上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製、エバールEP-F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。
(3)シランカップリング剤
本開示において、塗膜層を形成する水蒸気バリア性組成物を調製するには、シランカップリング剤等も添加することができる。本開示において、シランカップリング剤は、無機物と反応する加水分解基、及び有機物と反応する有機官能基の両方を一分子中にもつ有機ケイ素化合物からなる。無機物と反応する加水分解基としては、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、アセトキシ基及びクロロ基などが挙げられる。また、有機物と反応する有機官能基としては、水酸基含有アクリル樹脂中の水酸基又はイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基が好ましく、例えばイソシアネート基、アミノ基、エポキシ基及びメルカプト基が挙げられる。また、ビニル基及びメタクリルオキシ基などであってもよい。
該有機ケイ素化合物は、無機物及び有機物のいずれとも反応しないアルキル基やフェニル基を有していてもよい。また、有機官能基を有しないケイ素化合物、例えば加水分解基のみを有するアルコキシシランのような化合物と混合することもできる。本開示において、シランカップリング剤は、1種類または2種類以上の混合物であっても良い。
本開示において用いられるシランカップリング剤としては、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
(4)水蒸気バリア性組成物の調製
アルコキシドと水溶性高分子(ポリビニルアルコール系樹脂及びエチレン・ビニルアルコール共重合体の少なくとも一方)とを、ゾル-ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤、および必要に応じて、シランカップリング剤等を混合して水蒸気バリア性組成物を調製する。水蒸気バリア性組成物の調製には、上記のアルコキシドの合計モル量1モルに対して0.1~100モルの割合の水を用いることが好ましい。水蒸気バリア性組成物の調製において用いられる、ゾル-ゲル法触媒としては、実質的に水に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第三級アミン、例えばN,N-ジメチルベンジルアミンを用いることができ、また、酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸、並びに酢酸、酒石酸等の有機酸その他を使用することができる。更に、有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール等を用いることができる。
更に、水蒸気バリア性組成物に関して、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体は、上記のアルコキシドやシランカップリング剤等を含む塗工液中で溶解した状態にあることが好ましく、そのため上記の有機溶媒の種類が適宜選択される。本開示において、溶剤中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、ソアノール(日本合成化学社製)として市販されているものを使用することができる。
(5)水蒸気バリア性塗布膜の形成方法
上記の水蒸気バリア性組成物を、基材層1や蒸着層の上に塗布し、加熱して溶媒及び重縮合反応により生成したアルコールを除去すると、重縮合反応が完結し、塗膜層が形成される。更に、加水分解によって生じた水酸基や、シランカップリング剤由来のシラノール基が基材層1や蒸着層の表面の水酸基と結合する為、該蒸着層と水蒸気バリア性塗布膜との密着性、接着性等が良好なものとなる。
上述のように形成されることにより、塗膜層は、結晶性を有する直鎖状ポリマーを含み、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された構造を取る。このような結晶構造は、結晶性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやポリビニルアルコール)と同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内に存在し、分子の凝集エネルギーが高いため、良好な水蒸気バリア性を示す。
本開示においては、蒸着層と塗膜層との2層間で、例えば、加水分解・共縮合による化学結合、水素結合、或いは、配位結合等を形成し、これら2層間の密着性が向上し、相乗効果により、より良好な水蒸気バリア性を発揮される。従って、薄膜層1bは、蒸着層と塗膜層との積層体であることが好ましい。
本開示において、上記の水蒸気バリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段により、1回或いは複数回の塗布で、乾燥膜厚が0.01~30μm、好ましくは0.1~10μmの塗膜を形成することができる。更に、通常の環境で、20~300℃、好ましくは20~200℃の温度環境で、3秒~60分間、好ましくは10秒~10分間加熱・乾燥することにより、縮合が行われ、塗膜層を形成することができる。
薄膜層1bの具体例としては、例えば、樹脂層1aの一方側の表面に、珪素酸化物を含む蒸着層と、珪素酸化物及びポリビニルアルコール系樹脂を含む塗膜層とが順に積層された2層構造が挙げられる。この時、珪素酸化物は、化学気相成長法によって形成された炭素含有珪素酸化物であることが好ましい。また、珪素酸化物及びポリビニルアルコール系樹脂を含む塗膜層は、ゾル-ゲル法により形成された層であることが好ましい。
また、薄膜層1bの具体例としては、例えば、樹脂層1aの一方側の表面に、アルミニウム酸化物を含む蒸着層と、珪素酸化物及びポリビニルアルコール系樹脂を含む塗膜層と、アルミニウム酸化物を含む蒸着層と、珪素酸化物及びポリビニルアルコール系樹脂を含む塗膜層とが順に積層された4層構造が挙げられる。この時、アルミニウム酸化物を含む蒸着層は、物理気相成長法によって形成されたものであることが好ましい。また、珪素酸化物及びポリビニルアルコール系樹脂を含む塗膜層は、ゾル-ゲル法により形成された層であることが好ましい。
薄膜層1bの総厚みとしては、好ましくは0.01~30μm程度、より好ましくは0.1~10μm程度が挙げられる。
基材層1の表面及び内部の少なくとも一方には、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤、耐電防止剤等の添加剤が存在していてもよい。添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本開示において、蓄電デバイス用外装材の成形性を高める観点からは、基材層1の表面には、滑剤が存在していることが好ましい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。アミド系滑剤の具体例としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、脂肪酸エステルアミド、芳香族ビスアミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸アミドの具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。置換アミドの具体例としては、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミドなどが挙げられる。また、メチロールアミドの具体例としては、メチロールステアリン酸アミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどが挙げられる。脂肪酸エステルアミドの具体例としては、ステアロアミドエチルステアレートなどが挙げられる。また、芳香族ビスアミドの具体例としては、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、m-キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、好ましくは約3mg/m2以上、より好ましくは4~15mg/m2程度、さらに好ましくは5~14mg/m2程度が挙げられる。
基材層1の表面に存在する滑剤は、基材層1を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、基材層1の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
基材層1の厚みについては、基材としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、3~50μm程度、好ましくは10~35μm程度が挙げられる。基材層1が、2層以上の樹脂フィルムの積層体である場合、各層を構成している樹脂フィルムの厚みとしては、それぞれ、好ましくは2~25μm程度が挙げられる。
[接着剤層2]
本開示の蓄電デバイス用外装材10において、接着剤層2は、基材層1と熱融着性樹脂層4との接着性を高めることを目的として、必要に応じて、これらの間に設けられる層である。蓄電デバイス用外装材10において、接着剤層2に着色剤などを配合して、遮蔽層Sとすることが好ましい。接着剤層2を形成する接着剤に着色剤を配合し、1度のコーティングで遮蔽層を形成すれば、接着剤層2以外の箇所に、基材層1への着色顔料のコーティングを追加で実施する必要が無い。そうすると、着色層を遮蔽層として設ける場合と比較して、工程数が削減され、生産効率の向上、及び異物混入リスクの軽減が図られる。また、基材層1と接着剤層2の間に着色層を設けた場合、基材層1と着色層の間、および、着色層と接着剤層2の間の界面強度が低下する恐れがある。よって、長期使用の観点からも、接着剤層2に着色剤を配合することが好ましい。
接着剤層2は、基材層1と熱融着性樹脂層4とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層2の形成に使用される接着剤は限定されないが、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。また、2液硬化型接着剤(2液性接着剤)であってもよく、1液硬化型接着剤(1液性接着剤)であってもよく、硬化反応を伴わない樹脂でもよい。また、接着剤層2は単層であってもよいし、多層であってもよい。
接着剤に含まれる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル等のポリエステル;ポリエーテル;ポリウレタン;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド;ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、酸変性環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;セルロース;(メタ)アクリル樹脂;ポリイミド;ポリカーボネート;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン接着剤が挙げられる。また、これらの接着成分となる樹脂は適切な硬化剤を併用して接着強度を高めることができる。前記硬化剤は、接着成分の持つ官能基に応じて、ポリイソシアネート、多官能エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有ポリマー、ポリアミン樹脂、酸無水物などから適切なものを選択する。
ポリウレタン接着剤としては、例えば、ポリオール化合物を含有する第1剤と、イソシアネート化合物を含有する第2剤とを含むポリウレタン接着剤が挙げられる。好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のポリオールを第1剤として、芳香族系又は脂肪族系のポリイソシアネートを第2剤とした二液硬化型のポリウレタン接着剤が挙げられる。また、ポリウレタン接着剤としては、例えば、予めポリオール化合物とイソシアネート化合物とを反応させたポリウレタン化合物と、イソシアネート化合物とを含むポリウレタン接着剤が挙げられる。また、ポリウレタン接着剤としては、例えば、予めポリオール化合物とイソシアネート化合物とを反応させたポリウレタン化合物と、ポリオール化合物とを含むポリウレタン接着剤が挙げられる。また、ポリウレタン接着剤としては、例えば、予めポリオール化合物とイソシアネート化合物とを反応させたポリウレタン化合物を、空気中などの水分と反応させることによって硬化させたポリウレタン接着剤が挙げられる。ポリオール化合物としては、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するポリエステルポリオールを用いることが好ましい。第2剤としては、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族のイソシアネート系化合物が挙げられる。イソシアネート系化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化XDI(H6XDI)、水素化MDI(H12MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等が挙げられる。また、これらのジイソシアネートの1種類又は2種類以上からの多官能イソシアネート変性体等が挙げられる。また、ポリイソシアネート化合物として多量体(例えば三量体)を使用することもできる。このような多量体には、アダクト体、ビウレット体、ヌレート体等が挙げられる。接着剤層2がポリウレタン接着剤により形成されていることで蓄電デバイス用外装材に優れた電解液耐性が付与され、側面に電解液が付着しても基材層1が剥がれることが抑制される。
また、接着剤層2は、接着性を阻害しない限り他成分の添加が許容され、着色剤や熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、フィラーなどを含有してもよい。接着剤層2が着色剤を含んでいることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。蓄電デバイス用外装材に遮蔽性を付与できる程度に接着剤層2を着色すれば、接着剤層2は遮蔽層Sとすることができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
顔料の種類は、接着剤層2の接着性を損なわない範囲であれば、特に限定されない。有機顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、インジゴチオインジゴ系、ペリノン-ペリレン系、イソインドレニン系、ベンズイミダゾロン系等の顔料が挙げられ、無機顔料としては、カーボンブラック系、酸化チタン系、カドミウム系、鉛系、酸化クロム系、鉄系、銅系等の顔料が挙げられ、その他に、マイカ(雲母)の微粉末、魚鱗箔等が挙げられる。
着色剤の中でも、例えば蓄電デバイス用外装材の外観を黒色とするためには、黒色の着色剤が好ましく、黒色の着色剤の中でもカーボンブラックが好ましい。黒色の着色剤を使用して黒色の蓄電デバイス用外装材10とすることにより、遮蔽性が高く、偽造防止効果が高い蓄電デバイス用外装材10となる。また、蓄電デバイスの製造工程において、センサーによる位置の把握をより高精度で行うことが可能となり、蓄電デバイス用外装材10の搬送や、蓄電デバイス素子の封止などをより正確に行うことが可能となる。さらに、蓄電デバイスと他の電装品を共に黒色で統一して、製品としての高級感を付与することも可能となる。カーボンブラックは、遮蔽性が高い点において、より好ましい着色剤である。
顔料の平均粒子径としては、特に制限されず、例えば、0.05~5μm程度、好ましくは0.08~2μm程度が挙げられる。また、カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内が挙げられる。なお、顔料の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
接着剤層2における顔料の含有量としては、蓄電デバイス用外装材が着色されれば特に制限されず、例えば5~60質量%程度、好ましくは10~40質量%が挙げられる。
接着剤層2の厚みは、基材層1と熱融着性樹脂層4とを接着できれば、特に制限されないが、例えば、約1μm以上、約2μm以上である。また、接着剤層2の厚みは、例えば、約10μm以下、約5μm以下である。また、接着剤層2の厚みの好ましい範囲については、1~10μm程度、1~5μm程度、2~10μm程度、2~5μm程度が挙げられる。
[着色層3]
着色層3は、基材層1と熱融着性樹脂層4との間(図2参照)、基材層1の外側(図3参照)に、必要に応じて設けられる層である。接着剤層2を有する場合には、基材層1と接着剤層2との間に着色層3を設けてもよい。着色層3を設けることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。蓄電デバイス用外装材に遮蔽性を付与できる程度に着色層3を着色すれば、着色層3は遮蔽層Sとすることができる。蓄電デバイス用外装材10において、着色層3を遮蔽層Sとすることが好ましい。基材層1と熱融着性樹脂層4との間の着色層3を内側着色層ということがあり、また、基材層1の外側の着色層3を外側着色層ということがある。着色層3は、基材層1の少なくとも一方の表面に設ける(すなわち、基材層1と着色層3とは接触している)ことが好ましい。
着色層3は、例えば、着色剤を含むインキを基材層1の表面に塗布することにより形成することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
着色層3に含まれる着色剤の具体例としては、[接着剤層2]の欄で例示したものと同じものが例示される。
着色層3の厚みは、蓄電デバイス用外装材10が着色されれば、特に制限されないが、例えば、約1μm以上、約2μm以上である。また、着色層3の厚みは、例えば、約10μm以下、約5μm以下である。また、着色層3の厚みの好ましい範囲については、1~10μm程度、1~5μm程度、2~10μm程度、2~5μm程度が挙げられる。
[熱融着性樹脂層4]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、熱融着性樹脂層4は、最内層に該当し、蓄電デバイスの組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封する機能を発揮する層(シーラント層)である。熱融着性樹脂層4は透明とし、熱融着性樹脂層4とは別の層で構成する遮蔽層Sと積層して用いることが好ましいが、熱融着性樹脂層4に前述する着色剤などを配合して遮蔽層Sを構成してもよい。前記の通り、本開示の蓄電デバイス用外装材10を熱融着性樹脂層4のみで構成する場合、熱融着性樹脂層4が遮蔽層Sを構成する。
熱融着性樹脂層4を構成している樹脂については、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン骨格を含む樹脂が好ましい。熱融着性樹脂層4を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能である。また、熱融着性樹脂層4を構成している樹脂を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出されることが好ましい。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。熱融着性樹脂層4が無水マレイン酸変性ポリオレフィンより構成された層である場合、赤外分光法にて測定すると、無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;エチレン-αオレフィン共重合体;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;プロピレン-αオレフィン共重合体;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマー等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレンが好ましい。共重合体である場合のポリオレフィン樹脂は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。これらポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリオレフィンは、環状ポリオレフィンであってもよい。環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。
酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンを酸成分でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。酸変性されるポリオレフィンとしては、前記のポリオレフィンや、前記のポリオレフィンにアクリル酸若しくはメタクリル酸等の極性分子を共重合させた共重合体、又は、架橋ポリオレフィン等の重合体等も使用できる。また、酸変性に使用される酸成分としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸またはその無水物が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンは、酸変性環状ポリオレフィンであってもよい。酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、酸成分に代えて共重合することにより、または環状ポリオレフィンに対して酸成分をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、酸変性に使用される酸成分としては、前記のポリオレフィンの変性に使用される酸成分と同様である。
好ましい酸変性ポリオレフィンとしては、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリオレフィン、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
熱融着性樹脂層4は、1種の樹脂単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、熱融着性樹脂層4は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されていてもよい。
蓄電デバイス用外装材10の内側表面の少なくとも一部を金属(例えば、金属端子)などに接着させる場合には、熱融着性樹脂層4の内側表面は、金属に対する接着性を有することが好ましい。熱融着性樹脂層4の内側表面に対して、金属接着性を付与するためには、例えば、熱融着性樹脂層4の内側表面を酸変性ポリオレフィン(酸変性ポリプロピレン、酸変性ポリエチレンなど)によって構成することが好ましい。
また、熱融着性樹脂層4は、必要に応じて滑剤などを含んでいてもよい。熱融着性樹脂層4が滑剤を含む場合、蓄電デバイス用外装材の成形性を高め得る。滑剤としては、特に制限されず、公知の滑剤を用いることができる。滑剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。滑剤の具体例としては、基材層1で例示したものが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。滑剤を2種類以上組み合わせることにより、滑剤同士の相互作用などから、蓄電デバイス用外装材10を金型で冷間成形する場合に、金型に対して滑剤が付着することを低減し、蓄電デバイスの連続生産性を好適に高め得る。これは、基材層1に滑剤を用いる場合についても同様である。
熱融着性樹脂層4の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、蓄電デバイス用外装材の成形性を高める観点からは、好ましくは10~50mg/m2程度、さらに好ましくは15~40mg/m2程度が挙げられる。
熱融着性樹脂層4の表面に存在する滑剤は、熱融着性樹脂層4を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、熱融着性樹脂層4の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
また、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、熱融着性樹脂層同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封する機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば約150μm以下、好ましくは約85μm以下、より好ましくは15~85μm程度、さらに好ましくは35~85μm程度が挙げられる。
[表面被覆層6]
本開示の蓄電デバイス用外装材は、意匠性、耐電解液性、耐傷性、成形性などの向上の少なくとも一つを目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1の熱融着性樹脂層4側とは反対側)に、表面被覆層6を備えていてもよい。表面被覆層6は、蓄電デバイス用外装材を用いて蓄電デバイスを組み立てた時に、蓄電デバイス用外装材の最外層側に位置する層である。表面被覆層6は、前述の着色剤などを配合して遮蔽層Sを構成してもよい。
表面被覆層6は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂などの樹脂や、これらの樹脂の変性物が挙げられる。また、これらの樹脂の共重合物であってもよいし、共重合物の変性物であってもよい。さらに、これらの樹脂の混合物であってもよい。樹脂は、好ましくは硬化性樹脂である。すなわち、表面被覆層6は、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物から構成されていることが好ましい。
表面被覆層6を形成する樹脂が硬化型の樹脂である場合、当該樹脂は、1液硬化型及び2液硬化型のいずれであってもよいが、好ましくは2液硬化型である。2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ポリウレタン、2液硬化型ポリエステル、2液硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも2液硬化型ポリウレタンが好ましい。
2液硬化型ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール化合物を含有する第1剤と、イソシアネート化合物を含有する第2剤とを含むポリウレタンが挙げられる。好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のポリオールを第1剤として、芳香族系又は脂肪族系のポリイソシアネートを第2剤とした二液硬化型のポリウレタンが挙げられる。また、ポリウレタンとしては、例えば、予めポリオール化合物とイソシアネート化合物とを反応させたポリウレタン化合物と、イソシアネート化合物とを含むポリウレタンが挙げられる。ポリウレタンとしては、例えば、予めポリオール化合物とイソシアネート化合物とを反応させたポリウレタン化合物と、ポリオール化合物とを含むポリウレタンが挙げられる。ポリウレタンとしては、例えば、予めポリオール化合物とイソシアネート化合物とを反応させたポリウレタン化合物を、空気中などの水分と反応させることによって硬化させたポリウレタンが挙げられる。ポリオール化合物としては、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するポリエステルポリオールを用いることが好ましい。第2剤としては、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族のイソシアネート系化合物が挙げられる。イソシアネート系化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化XDI(H6XDI)、水素化MDI(H12MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等が挙げられる。また、これらのジイソシアネートの1種類又は2種類以上からの多官能イソシアネート変性体等が挙げられる。また、ポリイソシアネート化合物として多量体(例えば三量体)を使用することもできる。このような多量体には、アダクト体、ビウレット体、ヌレート体等が挙げられる。なお、脂肪族イソシアネート系化合物とは脂肪族基を有し芳香環を有さないイソシアネートを指し、脂環式イソシアネート系化合物とは脂環式炭化水素基を有するイソシアネートを指し、芳香族イソシアネート系化合物とは芳香環を有するイソシアネートを指す。表面被覆層6がポリウレタンにより形成されていることで蓄電デバイス用外装材に優れた電解液耐性が付与される。
表面被覆層6は、表面被覆層6の表面及び内部の少なくとも一方には、該表面被覆層6やその表面に備えさせるべき機能性等に応じて、必要に応じて、前述した滑剤や、アンチブロッキング剤、艶消し剤、難燃剤、酸化防止剤、粘着付与剤、耐電防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、平均粒子径が0.5nm~5μm程度の微粒子が挙げられる。添加剤の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
添加剤は、無機物及び有機物のいずれであってもよい。また、添加剤の形状についても、特に制限されず、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、鱗片状などが挙げられる。
添加剤の具体例としては、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロナイト、マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、高融点ナイロン、アクリレート樹脂、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の中でも、分散安定性やコストなどの観点から、好ましくはシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、添加剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理などの各種表面処理を施してもよい。
表面被覆層6を形成する方法としては、特に制限されず、例えば、表面被覆層6を形成する樹脂を塗布する方法が挙げられる。表面被覆層6に添加剤を配合する場合には、添加剤を混合した樹脂を塗布すればよい。
表面被覆層6の厚みとしては、表面被覆層6としての上記の機能を発揮すれば特に制限されず、例えば0.5~10μm程度、好ましくは1~5μm程度が挙げられる。
3.蓄電デバイス用外装材の製造方法
蓄電デバイス用外装材の製造方法については、本開示の蓄電デバイス用外装材が備える各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されず、外側から順に、少なくとも、基材層、及び熱融着性樹脂層が積層された積層体を得る工程を備えており、積層体は、遮蔽層を有しており、積層体は、金属により形成された金属層を有しない。また、本開示の蓄電デバイス用外装材が熱融着性樹脂層によって構成されている場合には、熱融着性樹脂層を構成する樹脂フィルムを用意する。また、蓄電デバイス用外装材が2層以上の熱融着性樹脂層によって構成されている場合には、2層以上が積層された樹脂フィルムを入手して蓄電デバイス用外装材とするか、熱融着性樹脂層を構成する各層を積層して蓄電デバイス用外装材とすることができる。本開示の蓄電デバイス用外装材が、熱融着性樹脂層に加えて、基材層などの他の層を備えている場合には、他の層を備えている樹脂フィルムを入手して蓄電デバイス用外装材とするか、熱融着性樹脂層と他の層を積層して積層体を得る工程を備える。
本開示の蓄電デバイス用外装材の製造方法の一例としては、以下の通りである。まず、基材層1、接着剤層2、熱融着性樹脂層4を構成する材料をそれぞれ用意する。次いで、接着剤層2を介して基材層1と熱融着性樹脂層4とを積層する。具体的には、接着剤層2を形成する接着剤を用いて、基材層1と熱融着性樹脂層4とをドライラミネート法などにより積層することで、基材層1、接着剤層2、熱融着性樹脂層4がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材10を製造することができる。また、基材層1と熱融着性樹脂層4とを接着剤層2を介さずに積層する場合には、基材層1の上に熱融着性樹脂層4を構成する樹脂を溶融押出しする方法などにより、蓄電デバイス用外装材10を製造することができる。着色層3を設ける場合には、基材層1の表面に着色層3を形成してから、熱融着性樹脂層4と積層すればよい。表面被覆層6を設ける場合には、例えば表面被覆層6を形成する上記の樹脂組成物を基材層1の表面に塗布し、硬化させることにより形成することができる。
上記のようにして、外側から順に、必要に応じて設けられる表面被覆層6/必要に応じて設けられる着色層3(外側着色層)/必要に応じて基材層1/必要に応じて設けられる着色層3(内側着色層)/必要に応じて設けられる接着剤層2/熱融着性樹脂層4を備える積層体が形成されるが、必要に応じて設けられる接着剤層2の接着性を強固にするために、さらに、加熱処理に供してもよい。
4.蓄電デバイス用外装材の用途
本開示の蓄電デバイス用外装材は、正極、負極、電解質等の蓄電デバイス素子を密封して収容するための包装体に使用される。すなわち、本開示の蓄電デバイス用外装材によって形成された包装体中に、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスとすることができる。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を、本開示の蓄電デバイス用外装材で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子を外側に突出させた状態で、蓄電デバイス素子の周縁にフランジ部(熱融着性樹脂層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部の熱融着性樹脂層同士をヒートシールして密封させることによって、蓄電デバイス用外装材を使用した蓄電デバイスが提供される。なお、本開示の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に蓄電デバイス素子を収容する場合、本開示の蓄電デバイス用外装材の熱融着性樹脂部分が内側(蓄電デバイス素子と接する面)になるようにして、包装体を形成する。2つの蓄電デバイス用外装材の熱融着性樹脂層同士を対向させて重ね合わせ、重ねられた蓄電デバイス用外装材の周縁部を熱融着して包装体を形成してもよく、また、図8に示す例のように、1つの蓄電デバイス用外装材を折り返して重ね合わせ、周縁部を熱融着して包装体を形成してもよい。折り返して重ね合わせる場合は、図8に示す例のように、折り返した辺以外の辺を熱融着して三方シールにより包装体を形成してもよいし、フランジ部が形成できるように折り返して四方シールしてもよい。また、蓄電デバイス用外装材には、蓄電デバイス素子を収容するための凹部が、深絞り成形または張出成形によって形成されてもよい。図8に示す例のように、一方の蓄電デバイス用外装材には凹部を設けて他方の蓄電デバイス用外装材には凹部を設けなくてもよいし、他方の蓄電デバイス用外装材にも凹部を設けてもよい。
また、図10に示されるように、本開示の蓄電デバイス用外装材10は、内側包装体10aと外側包装体20の二重構造を有する容器に蓄電デバイス素子32が収容された蓄電デバイス30の内側包装体10aとして、好適に利用することができる。すなわち、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子32を、本開示の蓄電デバイス用外装材10によって形成された内側包装体10a中に収容し、さらに内側包装体10aを外側包装体20中に収容することで、内側包装10a体及び外側包装体20の二重構造を有する容器に蓄電デバイス素子32が収容された蓄電デバイス30が得られる。本開示の蓄電デバイス用外装材10によって形成された内側包装体10a中に蓄電デバイス素子32が収容された部材を1個又は2個以上用意し、1個又は2個以上の部材を外側包装体20中に収容して蓄電デバイスとすることができる。なお、図8~10において、各角部を直角に描いているが、各角部や稜線部の角度は限定されず、各角部や稜線部は丸みをおびていてもよい。
外側包装体については、特に制限されず、基材層/金属層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の積層体により構成された外装材、金属缶などを使用することができる。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、電池(コンデンサー、キャパシター等を含む)などの蓄電デバイスに好適に使用することができる。また、本開示の蓄電デバイス用外装材は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池に使用される。本開示の蓄電デバイス用外装材が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、全固体電池、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本開示の蓄電デバイス用外装材の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本開示を詳細に説明する。但し本開示は実施例に限定されるものではない。
<蓄電デバイス用外装材の製造>
実施例1
基材層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)を準備した。また、熱融着性樹脂層として未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP、厚み50μm)を用意した。基材層と熱融着性樹脂層とを、カーボンブラックを含む2液型ウレタン接着剤(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内)を用い、接着剤層の硬化後の厚みが3μmとなるようにして、ドライラミネート法により、基材層と熱融着性樹脂層とを黒色の接着剤層を介して接着させた。黒色の接着剤層を遮蔽層とした。以上の手順により、基材層/接着剤層(遮蔽層)/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例2
基材層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)を準備した。また、熱融着性樹脂層として未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP、厚み50μm)を用意した。カーボンブラックを含む2液型ウレタン樹脂(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内であり、カーボンブラックの含有量は実施例1と同じとした。)を、硬化後の着色層の厚みが3μmとなるようにして、基材層の一方側の表面に塗布、乾燥、硬化させて、黒色の着色層を形成した。黒色の着色層を遮蔽層とした。次に、基材層の着色層(外側着色層という)側とは反対側と、熱融着性樹脂層とを、2液型ウレタン接着剤を用い、接着剤層の硬化後の厚みが3μmとなるようにして、基材層と熱融着性樹脂層とを接着剤層を介して接着させて、外側着色層(遮蔽層)/基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例3
基材層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)を準備した。また、熱融着性樹脂層として未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP、厚み50μm)を用意した。カーボンブラックを含む2液型ウレタン樹脂(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内であり、カーボンブラックの含有量は実施例1と同じとした。)を、硬化後の着色層の厚みが3μmとなるようにして、基材層の一方側の表面に塗布、乾燥、硬化させて、黒色の着色層を形成した。黒色の着色層を遮蔽層とした。次に、基材層の着色層(内側着色層という)側と、熱融着性樹脂層とを、2液型ウレタン接着剤を用い、接着剤層の硬化後の厚みが3μmとなるようにして、基材層と熱融着性樹脂層とを接着剤層を介して接着させて、基材層/内側着色層(遮蔽層)/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例4
実施例1の接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率を基準100質量部とした場合に、接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率を50質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、基材層/接着剤層(遮蔽層)/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例5
[基材層1の作製]
(1)樹脂層1aとして、コロナ処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)を使用した。また、巻取り式の低温プラズマ化学気相成長法を用いて、以下の蒸着条件により、蒸着層として、膜厚300Åの炭素含有酸化珪素蒸着膜を、樹脂層1aの一方側の表面に形成した。
(蒸着条件)
出力:15kW
蒸着チャンバー内の真空度:5×10-2mbar
処理速度:200m/min
ガス流量:(ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:He:Ar)=(1.2:0.5:0.5:0.5)[単位:slm]
なお、単位「slm」とは、1分間当たりの量をリットルで示したものである。
その後、蒸着層面にグロー放電プラズマ発生装置を用いて、出力9kW、酸素ガス:アルゴンガス=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って蒸着層面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(2)他方、以下の表1に示す組成に従って、組成a.正珪酸エチル(多摩化学社製)、イソプロピルアルコール、0.5規定塩酸水溶液、イオン交換水、シランカップリング剤からなる加水分解液に、予め調製した組成b.のポリビニルアルコール水溶液を加えて撹拌し、無色透明の水蒸気バリア性組成物を得た。
Figure 0007222446000001
次に上記の(1)で形成したプラズマ処理面に、上記で製造した水蒸気バリア性組成物をグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで150℃で60秒間、加熱処理して、厚さ0.2μm(乾燥状態)の塗膜層を形成し、樹脂層a/蒸着層/塗膜層が順に積層された基材層1を得た。なお、基材層1において、蒸着層と塗膜層との積層体が、薄膜層1bを構成している。
(3)次に、得られた基材層1を、巻取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着した。次いで、これを繰り出し、その基材層1の薄膜層1bに、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、出力9kw、酸素ガス:アルゴンガス=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行った。
(4)基材層の薄膜層1b側と熱融着性樹脂層とを、カーボンブラックを含む2液型ウレタン接着剤(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内であり、カーボンブラックの含有率は、実施例1の接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率を基準100質量部とした場合に、接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率が50質量部となるように設定した。)を用い、接着剤層の硬化後の厚みが3μmとなるようにして、ドライラミネート法により、基材層と熱融着性樹脂層とを黒色の接着剤層を介して接着させた。黒色の接着剤層を遮蔽層とした。以上の手順により、基材層(樹脂層/薄膜層[蒸着層/塗膜層])/接着剤層(遮蔽層)/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例6
[基材層1の作製]
(1)樹脂層1aとして、両面コロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)を使用した。樹脂層1aの一方側の表面に、アルミニウムを蒸着源に用いた巻取り式のエレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法を用いて、以下の蒸着条件により、膜厚800Åのアルミニウム酸化物の蒸着層を形成した。得られた蒸着層におけるAlOxのX値を測定した結果、X=0.3であった。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:1×10-4mbar
巻取りチャンバー内の真空度:2×10-2mbar
電子ビーム電力:30kW
酸素導入量:8000sccm
処理速度:240m/min
なお、単位「sccm」とは、1分間当たりの量をミリリットルで示したものである。
その後、蒸着層面にグロー放電プラズマ発生装置を用いて、出力9kW、酸素ガス:アルゴンガス=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って蒸着層面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(2)他方、上記表1に示す組成に従って、組成a.正珪酸エチル(多摩化学社製)、イソプロピルアルコール、0.5規定塩酸水溶液、イオン交換水、シランカップリング剤からなる加水分解液に、予め調製した組成b.のポリビニルアルコール水溶液を加えて撹拌し、無色透明の水蒸気バリア性組成物を得た。
次に上記の(1)で形成した蒸着層のプラズマ処理面に、上記で製造した水蒸気バリア性組成物をグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで150℃で60秒間、加熱処理して、厚さ0.2μm(乾燥状態)の塗膜層を形成した。
(3)次に、上記(2)で得られたフィルムを、巻取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着した。次いで、これを繰り出し、フィルムの塗膜層に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、出力9kw、酸素ガス:アルゴンガス=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行った。
(4)その後、上記(3)のプラズマ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いた巻取り式のエレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法を用いて、以下の蒸着条件により、蒸着層として、膜厚800Åのアルミニウム酸化物蒸着層を形成した。蒸着層におけるAlOxのX値を測定した結果、X=0.3であった。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:1×10-4mbar
巻取りチャンバー内の真空度:2×10-2mbar
電子ビーム電力:30kW
酸素導入量:8000sccm
処理速度:240m/min
その後、蒸着層面にグロー放電プラズマ発生装置を用いて、出力9kW、酸素ガス:アルゴンガス=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(5)上記(4)で形成したプラズマ処理面に上記の(2)で製造した水蒸気バリア性組成物をグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで150℃で60秒間、加熱処理して、厚さ0.2μm(乾燥状態)の塗膜層を形成した。
(6)次に、上記(5)で作製したフィルム1を、巻取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着した。次いで、これを繰り出し、塗膜層の表面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、出力9kw、酸素ガス:アルゴンガス=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、樹脂層1a/薄膜層1bの積層体を得た。蒸着層/塗膜層/蒸着層/塗膜層が、薄膜層1bを構成している。
上記(1)~(6)で作製した、樹脂層1a/薄膜層1bの積層体を2枚準備して、これらが積層された基材層1を得た。具体的には、一方の積層体の薄膜層1b側に、2液硬化型ウレタン接着剤をグラビアロールコート法により塗工(乾燥状態で厚さ4μm)して接着層を形成し、他方の積層体の樹脂層1aとドライラミネートにより接着して、樹脂層1a/薄膜層1b/接着層/樹脂層1a/薄膜層1bの積層構成を有する基材層1を得た。次に、カーボンブラックを含む2液型ウレタン接着剤(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内であり、カーボンブラックの含有率は、実施例1の接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率を基準100質量部とした場合に、接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率が50質量部となるように設定した。)を用い、接着剤層の硬化後の厚みが3μmとなるようにして、ドライラミネート法により、基材層の塗膜層側と熱融着性樹脂層とを黒色の接着剤層を介して接着させた。黒色の接着剤層を遮蔽層とした。以上の手順により、基材層(樹脂層/薄膜層[蒸着層/塗膜層/蒸着層/塗膜層])/接着層/基材層(樹脂層/薄膜層[蒸着層/塗膜層/蒸着層/塗膜層])/接着剤層/熱融着性樹脂層が順に積層された蓄電デバイス用外装材を作製した。
実施例7
実施例1の接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率を基準100質量部とした場合に、接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率が33質量部となるように設定したこと以外は、実施例1と同様にして、基材層/接着剤層(遮蔽層)/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例8
実施例1の接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率を基準100質量部とした場合に、接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率が25質量部となるように設定したこと以外は、実施例1と同様にして、基材層/接着剤層(遮蔽層)/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例9
実施例1の接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率を基準100質量部とした場合に、接着剤層に含まれるカーボンブラックの含有率が10質量部となるように設定したこと以外は、実施例1と同様にして、基材層/接着剤層(遮蔽層)/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
比較例1
実施例1の接着剤層にカーボンブラックを含ませなかったこと以外は、実施例1と同様にして、基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
<全光線透過率>
蓄電デバイス用外装材の全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に規定された測定方法に準拠し、日本分光製、紫外可視近赤外分光光度計V-670を用い、可視光領域(400~700nm)における透過率測定を行い、平均値を全光線透過率とした。測定条件は、光源としてハロゲンランプを使用し、UV/Visバンド幅:5.0nm、走査速度:1000nm/min、レスポンス:Medium、データ取り込み間隔:1.0nmとした。結果を表2に示す。
<遮蔽性評価>
フォントはArial、フォントサイズは36、線の太さは約1mmのアルファベット「A」の文字を、レーザープリンタで黒色にて印刷した紙を用意した。室内の照明(300~500ルクス)の環境下において、蓄電デバイス用外装材の下に「A」の文字が記載された紙を置いた。蓄電デバイス用外装材の正面30cmの距離から、蓄電デバイス用外装材を通して「A」の文字を目視観察した。文字の見えやすさについて、以下のレベル1~5の基準で遮蔽性を評価した。結果を表2に示す。
レベル1:見えやすい。
レベル2:少し見えにくいが文字を認識できる。
レベル3:見えにくいが文字を認識できる。
レベル4:非常に見えにくいがうっすら文字を認識できる。
レベル5:文字が見えない。
Figure 0007222446000002
表2に示された積層構成の「/」は層の区切りを示している。
実施例1~9の蓄電デバイス用外装材は、金属により形成された金属層を有しないが、遮蔽層を備えるため、Aという非常に単純な文字でも遮蔽され、見えにくくする効果があった。従って、遮蔽層を備えることで複雑な形状の蓄電デバイス素子を見えにくくし、偽造を抑制できると考えられる。
実施例10
第1基材層として、カーボンブラック(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内)を含む無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ20μm)を準備した。また、第2基材層として、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(厚さ12μm)を準備した。また、熱融着性樹脂層として無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ20μm)を準備した。2液型ウレタン接着剤を用い、接着剤層の硬化後の厚みが1μm以下となるようにして、ドライラミネート法により、第1基材層と第2基材層とを接着剤層を介して接着させた。さらに、得られた積層体の第2基材層と熱融着性樹脂層とを、同じ接着剤層を介して接着させた。黒色の第1基材層を遮蔽層とした。以上の手順により、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例10の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
実施例11
第2基材層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ9μm)を用いたこと以外は、実施例10と同様にして、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例11の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
実施例12
第2基材層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例10と同様にして、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例12の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
実施例13
第2基材層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ25μm)を用いたこと以外は、実施例10と同様にして、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例13の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
実施例14
第1基材層として、カーボンブラック(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内)を含む無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ30μm)を用いたこと、及び、熱融着性樹脂層として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ30μm)を用いたこと以外は、実施例12と同様にして、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例14の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
実施例15
第1基材層として、カーボンブラック(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内)を含む無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ15μm)を用いたこと、及び、熱融着性樹脂層として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ15μm)を用いたこと以外は、実施例12と同様にして、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例15の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
実施例16
第1基材層として、カーボンブラック(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内)を含むポリプロピレン(PP)フィルム(厚さ20μm)を用いたこと、及び、熱融着性樹脂層として、ポリプロピレン(PP)フィルム(厚さ20μm)を用いたこと以外は、実施例12と同様にして、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例16の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
実施例17
実施例17の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドのみを用いたこと以外は、実施例12と同様にして、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例18
熱融着性樹脂層として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ20μm)を用いたこと以外は、実施例16と同様にして、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例18の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPとPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
実施例19
熱融着性樹脂層として、無水マレイン酸変性ポリエチレン(PEa)フィルム(厚さ20μm)を用いたこと以外は、実施例17と同様にして、第1基材層(遮蔽層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例19の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPaとPEaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドのみが含まれている。
実施例20
カーボンブラック(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内)を含む無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ100μm)を、熱融着性樹脂層のみからなる蓄電デバイス用外装材とした。実施例20の熱融着性樹脂層のPPaには、滑剤としてエルカ酸アミドのみが含まれている。
実施例21
第2基材層としての未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(厚さ60μm)の一方面に、カーボンブラック(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内)を含むポリプロピレン(PP)フィルム(厚さ20μm)を溶融押し出し、CPPフィルムの他方面に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ20μm)を、熱融着性樹脂層のみからなる蓄電デバイス用外装材とした。実施例21の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPとPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドのみが含まれている。
実施例22
第1基材層として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ20μm)を準備した。また、第2基材層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)を準備した。また、熱融着性樹脂層として無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)フィルム(厚さ20μm)を準備した。カーボンブラック(カーボンブラックの平均粒子径は、0.161~0.221μmの範囲内)を含む2液型ウレタン接着剤を用い、接着剤層の硬化後の厚みが3μmとなるようにして、ドライラミネート法により、第1基材層と第2基材層とを接着剤層を介して接着させた。さらに、得られた積層体の第2基材層と熱融着性樹脂層とを、2液型ウレタン接着剤を用い、接着剤層の硬化後の厚みが1μm以下となるようにして、ドライラミネート法により、接着剤層を介して接着させた。第1基材層と第2基材層との間の黒色の接着剤層を遮蔽層とした。以上の手順により、第1基材層/接着剤層(遮蔽層)/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例22の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPaには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
実施例23
第1基材層として、ポリプロピレン(PP)フィルム(厚さ20μm)を用いたこと、及び、熱融着性樹脂層として、ポリプロピレン(PP)フィルム(厚さ20μm)を用いたこと以外は、実施例22と同様にして、第1基材層/接着剤層(遮蔽層)/第2基材層/接着剤層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。実施例23の第1基材層と熱融着性樹脂層のPPには、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。
参考例1
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ25μm)を準備した。また、バリア層として、アルミニウム(ALM)箔(厚さ40μm)を準備した。また、接着層として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa)を準備した。また、熱融着性樹脂層としてポリプロピレン(PP)を準備した。2液型ウレタン接着剤を用い、接着剤層の硬化後の厚みが3μmとなるようにして、ドライラミネート法により、基材層とバリア層とを接着剤層を介して接着させた。さらに、得られた積層体のバリア層の表面に、接着層(厚さ23μm)及び熱融着性樹脂層(厚さ23μm)を溶融押し出しして、基材層/接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材を得た。参考例1の熱融着性樹脂層のPPには、滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種が含まれている。参考例1の蓄電デバイス用外装材は、外側包装体として好適に使用できる。
実施例10~23及び参考例1で得られた蓄電デバイス用外装材について、それぞれ、実施例1~9及び比較例1と同様にして、全光線透過率の測定及び遮蔽性評価を行った。結果を表3に示す。
<電池の連続生産性>
また、実施例1~23及び参考例1で得られた蓄電デバイス用外装材について、金型を用いた冷間成形を行ったところ、基材層及び/又は熱融着性樹脂層の滑剤としてエルカ酸アミドとベヘン酸アミドの2種類を用いた実施例1~16、18、22、23及び参考例1の蓄電デバイス用外装材は、基材層及び/又は熱融着性樹脂層の滑剤としてエルカ酸アミドのみを用いた実施例1~9、17、19~21及び比較例1、7と比較して、金型への滑剤の付着が抑制されることで、金型の清掃頻度が低減され、蓄電デバイス用外装材の連続生産性に優れていた。表3において、電池の連続生産性により優れている実施例及び比較例を評価Aとし、評価Aよりも劣る場合を評価Bとした。
Figure 0007222446000003
表3に記載された「≦1μm」は、1μm以下を示している。また、表3に示された積層構成の「/」は層の区切りを示している。また、( )内の数値(μm)は、層の厚みを示している。
以上の通り、本開示は、以下に示す態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、熱融着性樹脂層を備える蓄電デバイス用外装材であって、
前記蓄電デバイス用外装材は、遮蔽層を有しており、
前記蓄電デバイス用外装材は、金属により形成された金属層を有しない、蓄電デバイス用外装材。
項2. 前記熱融着性樹脂層が、遮蔽層を構成している、項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
項3. 外側から順に、少なくとも、基材層、及び前記熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されている、項1または2に記載の蓄電デバイス用外装材。
項4. 前記基材層は、外側から順に、第1基材層及び第2基材層を備える、項3に記載の蓄電デバイス用外装材。
項5. 前記第1基材層が、遮蔽層を構成している、項3または4に記載の蓄電デバイス用外装材。
項6. 前記熱融着性樹脂層の内側表面は、金属に対する接着性を有する、項1~5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項7. 外側から順に、少なくとも、基材層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記積層体は、遮蔽層を有しており、
前記積層体は、金属により形成された金属層を有しない、蓄電デバイス用外装材。
項8. 前記基材層と前記熱融着性樹脂層との間に、接着剤層を有しており、
前記接着剤層が、前記遮蔽層を構成している、項3~7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項9. 前記基材層と前記熱融着性樹脂層との間に、着色層を有しており、
前記着色層が、前記遮蔽層を構成している、項3~8のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項10. 前記基材層の外側に着色層を有しており、
前記着色層が、前記遮蔽層を構成している、項3~9のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項11. 前記遮蔽層は、顔料を含んでいる、項1~10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項12. 前記顔料は、カーボンブラックである、項11に記載の蓄電デバイス用外装材。
項13. 黒色である、項1~12のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項14. 無機酸化物及び無機窒化物の少なくとも一方を含む薄膜層を有する、項1~13のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項15. JIS K7361-1:1997の規定に準拠して測定される前記積層体の全光線透過率が、20%以下である、項1~14のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項16. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を収容する容器に用いられ、
前記容器が、内側包装体と外側包装体の二重構造を有しており、
前記内側包装体として用いられる、項1~15のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項17. 外側から順に、少なくとも、基材層、及び熱融着性樹脂層が積層された積層体を得る工程を備えており、
前記積層体は、遮蔽層を有しており、
前記積層体は、金属により形成された金属層を有しない、蓄電デバイス用外装材の製造方法。
項18. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、項1~15のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
項19. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、項16に記 載の蓄電デバイス用外装材により形成された内側包装体中に収容されており、
前記内側包装体が、さらに前記外側包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
1 基材層
2 接着剤層
3 着色層
4 熱融着性樹脂層
6 表面被覆層
10 蓄電デバイス用外装材
11 第1基材層
12 第2基材層
13 接着剤層
20 外側包装体
30 蓄電デバイス
30a 周縁部
31 金属端子
32 蓄電デバイス素子
S 遮蔽層

Claims (18)

  1. 少なくとも、熱融着性樹脂層を備える蓄電デバイス用外装材であって、
    前記蓄電デバイス用外装材は、光透過を遮蔽する遮蔽層を有しており、
    前記熱融着性樹脂層が、前記遮蔽層を構成しており、
    前記蓄電デバイス用外装材は、金属により形成された金属層を有しない、蓄電デバイス用外装材(但し、酸化珪素もしくは酸化アルミニウムの薄膜層、またはポリ塩化ビニリデンの塗膜層のいずれかで被覆された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは2軸延伸ナイロンフィルムまたは2軸延伸ポリプロピレンフィルムである、基材層を含むものを除く。)
  2. 外側から順に、少なくとも、基材層(但し、酸化珪素もしくは酸化アルミニウムの薄膜層、またはポリ塩化ビニリデンの塗膜層のいずれかで被覆された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは2軸延伸ナイロンフィルムまたは2軸延伸ポリプロピレンフィルムであるものを除く。)、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材であって
    前記蓄電デバイス用外装材は、光透過を遮蔽する遮蔽層を有しており、
    前記基材層及び前記熱融着性樹脂層の少なくとも一方が、前記遮蔽層を構成しており、
    前記蓄電デバイス用外装材は、金属により形成された金属層を有しない、蓄電デバイス用外装材。
  3. 前記基材層は、外側から順に、第1基材層及び第2基材層を備える、請求項2に記載の蓄電デバイス用外装材。
  4. 前記第1基材層が、光透過を遮蔽する遮蔽層を構成している、請求項3に記載の蓄電デバイス用外装材。
  5. 前記基材層と前記熱融着性樹脂層との間に、接着剤層を有しており、
    前記接着剤層が、光透過を遮蔽する遮蔽層を構成している、請求項2~4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  6. 前記基材層と前記熱融着性樹脂層との間に、着色層を有しており、
    前記着色層が、光透過を遮蔽する遮蔽層を構成している、請求項2~5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  7. 前記基材層の外側に着色層を有しており、
    前記着色層が、光透過を遮蔽する遮蔽層を構成している、請求項2~6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  8. 前記基材層及び前記熱融着性樹脂層が、前記遮蔽層を構成している、請求項2~7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  9. JIS K7361-1:1997の規定に準拠して測定される前記積層体の全光線透過率が、20%以下である、請求項2~8のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  10. 前記熱融着性樹脂層の内側表面は、金属に対する接着性を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  11. 前記遮蔽層は、顔料を含んでいる、請求項1~10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  12. 前記顔料は、カーボンブラックである、請求項11に記載の蓄電デバイス用外装材。
  13. 黒色である、請求項1~12のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  14. 無機酸化物及び無機窒化物の少なくとも一方を含む薄膜層を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  15. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を収容する容器に用いられ、
    前記容器が、内側包装体と外側包装体の二重構造を有しており、
    前記内側包装体として用いられる、請求項1~14のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  16. 外側から順に、少なくとも、基材層(但し、酸化珪素もしくは酸化アルミニウムの薄膜層、またはポリ塩化ビニリデンの塗膜層のいずれかで被覆された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは2軸延伸ナイロンフィルムまたは2軸延伸ポリプロピレンフィルムであるものを除く。)、及び熱融着性樹脂層が積層された積層体を得る工程を備えており、
    前記積層体は、光透過を遮蔽する遮蔽層を有しており、
    前記基材層及び前記熱融着性樹脂層の少なくとも一方が、前記遮蔽層を構成しており、
    前記積層体は、金属により形成された金属層を有しない、蓄電デバイス用外装材の製造方法。
  17. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、請求項1~14のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
  18. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、請求項15に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された内側包装体中に収容されており、
    前記内側包装体が、さらに前記外側包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
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