JP7222356B2 - 電池用包装材料及び電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池用包装材料及び電池に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質などの電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていたが、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話などの高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材層/接着剤層/バリア層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の電池用包装材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなフィルム状の電池用包装材料では、熱融着性樹脂層同士を対向させて周縁部をヒートシールにて熱融着させることにより電池素子を封止できるように形成されている。
特開2008-287971号公報
電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話などに用いられる電池は、外部からの強い衝撃を受けることがある。ところが、フィルム状の電池用包装材料は、金属製の包装材料と比較すると、耐衝撃性に劣るため、電池用包装材料の耐衝撃性を向上させることが求められている。
電池用包装材料の耐衝撃性を向上させる手法としては、電池用包装材料の支持体として機能する基材層を複数設ける方法が挙げられる。
一方、電池用包装材料においては、一般的に、冷間成形により凹部が形成され、当該凹部によって形成された空間に電極や電解液などの電池素子を配し、熱融着性樹脂層同士を熱融着させることにより、電池用包装材料の内部に電池素子が収容された電池が得られる。しかしながら、このようなフィルム状の包装材料は、金属製の包装材料に比べて薄く、成形時にピンホールやクラックが生じ易いという欠点がある。電池用包装材料にピンホールやクラックが生じた場合には、電解液がアルミニウム合金箔層にまで浸透して金属析出物を形成し、その結果、短絡を生じさせることになりかねないため、フィルム状の電池用包装材料には、成形時にピンホールが生じ難い特性、即ち優れた成形性を備えさせることは不可欠となっている。
ところが、本発明者らが検討したところ、電池用包装材料の耐衝撃性を向上させるために、基材層を複数設けると、成形性が低下することが見出された。
従来、基材層を複数設ける技術は知られているが、基材層を複数備える電池用包装材料の成形性を如何にすれば高められるかについて、十分に検討されていない。
このような状況下、本発明は、複数の基材層を備える電池用包装材料の成形性を高める技術を提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該電池用包装材料を用いた電池を提供することも目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、第1接着剤層のナノインデンテーション法により測定される硬さが20MPa以上であり、かつ、第2接着剤層のナノインデンテーション法により測定される硬さが20MPa以上である電池用包装材料は、複数の基材層を備えているにも拘わらず、成形性に特に優れた電池用包装材料となることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
前記第1接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上であり、かつ、
前記第2接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上である、電池用包装材料。
項2. 前記第1基材層が、ポリアミド及びポリエステルの少なくとも一方を含んでおり、
前記第2基材層が、ポリアミドを含んでいる、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記第1基材層と前記第2基材層の合計厚みが、20μm以上50μm以下であり、かつ、
前記第2基材層の厚みが、12μm以上30μm以下である、項1又は2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記第1接着剤層及び前記第2接着剤層の厚みが、それぞれ、5μm以下である、項1~3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記第1接着剤層は、ポリウレタン系接着剤、ポリアクリル系接着剤、変性ポリプロピレン系接着剤、シラン系カップリング剤を含む接着剤、またはチタネート系カップリング剤を含む接着剤により形成されている、項1~4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記第2接着剤層は、ポリウレタン系接着剤、ポリアクリル系接着剤、変性ポリプロピレン系接着剤、シラン系カップリング剤を含む接着剤、またはチタネート系カップリング剤を含む接着剤により形成されている、項1~5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1~6のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
本発明によれば、複数の基材層を備えているにも拘わらず、成形性に優れた電池用包装材料を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該電池用包装材料を用いた電池を提供することもできる。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 電池用包装材料の成形によるカールの評価方法を説明するための模式図である。 電池用包装材料の成形によるカールの評価方法を説明するための模式図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、第1接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上であり、かつ、第2接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上であることを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料、当該電池用包装材料を用いた電池について詳述する。
なお、本明細書において、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
1.電池用包装材料の積層構造
本発明の電池用包装材料は、図1に示すように、少なくとも、第1基材層11、第1接着剤層21、第2基材層12、第2接着剤層22、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4をこの順に備える積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、第1基材層11が最外層側になり、熱融着性樹脂層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置する熱融着性樹脂層4同士が熱融着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
本発明の電池用包装材料は、図2,3に示すように、バリア層3と熱融着性樹脂層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。また、図3に示すように、第1基材層11の外側(熱融着性樹脂層4側とは反対側)には、必要に応じて表面被覆層6などが設けられていてもよい。
本発明の電池用包装材料の総厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは50~200μm程度、より好ましくは60~160μm程度が挙げられる。
2.電池用包装材料を形成する各層の組成
[第1基材層11及び第2基材層12]
本発明の電池用包装材料において、第1基材層11及び第2基材層12は、電池用包装材料の保形性や耐衝撃性を高めるために設けられる層である。第1基材層11は、最外層側に位置する層である。また、第2基材層12は、後述の第1接着剤層21を介して、第1基材層11とバリア層3との間に設けられる層である。
第1基材層11及び第2基材層12を形成する素材については、それぞれ、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。第1基材層11及び第2基材層12を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物などが挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルなどが挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル-ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)などが挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化などが発生し難いという利点があり、第1基材層11及び第2基材層12の形成素材として好適に使用される。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66との共重合体などの脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)などのヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸-テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などの芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)などの脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’-ジフェニルメタン-ジイソシアネートなどのイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体などが挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の第1基材層11及び第2基材層12の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、第1基材層11及び第2基材層12の形成素材として好適に使用される。
第1基材層11及び第2基材層12は、それぞれ、ポリアミド及びポリエステルの少なくとも一方を含むことが好ましい。また、成形性をより向上させる観点から、第1基材層11がポリアミド及びポリエステルの少なくとも一方を含んでおり、第2基材層12がポリアミドを含んでいることがより好ましく、特に、第1基材層11及び第2基材層12が、ポリアミドを含んでいることが好ましく、第1基材層11及び第2基材層12がポリアミドにより構成されていることがさらに好ましい。
第1基材層11及び第2基材層12は、それぞれ、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、第1基材層11及び第2基材層12として好適に使用される。
これらの中でも、第1基材層11及び第2基材層12を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、さらに好ましくは延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは延伸ナイロンが挙げられる。
第1基材層11及び第2基材層12は、それぞれ、ナイロンフィルム及びポリエステルフィルムの少なくとも一方により形成されていることが好ましい。また、第1基材層11がナイロンフィルム及びポリエステルフィルムの少なくとも一方により形成されており、第2基材層12がナイロンフィルムにより形成されていることがより好ましい。さらに、第1基材層11及び第2基材層12が、ナイロンフィルムにより形成されていることが特に好ましい。
また、電池用包装材料の成形性をより高める観点から、第1基材層11及び第2基材層12のナノインデンテーション法により測定される硬さとしては、下限については、好ましくは約150MPa以上、より好ましくは約200MPa以上が挙げられ、上限については、好ましくは約400MPa以下、より好ましくは約385MPa以下、さらに好ましくは約350MPa以下が挙げられ、好ましい範囲としては、150~400MPa程度、150~385MPa程度、150~350MPa程度、200~400MPa程度、200~385MPa程度、200~350MPa程度が挙げられる。第1基材層11及び第2基材層12が、ナイロンフィルムにより形成されている場合、当該硬さとしては、下限については、好ましくは約150MPa以上、より好ましくは約200MPa以上が挙げられ、上限については、好ましくは約400MPa以下、より好ましくは約350MPa以下、さらに好ましくは約250MPa以下が挙げられ、好ましい範囲としては、150~400MPa程度、150~350MPa程度、150~250MPa程度、200~400MPa程度、200~350MPa程度、200~250MPa程度が挙げられる。また、ポリエステルフィルムにより形成されている場合、当該硬さとしては、下限については、好ましくは約300MPa以上、より好ましくは約350MPa以上が挙げられ、上限については、好ましくは約400MPa以下、より好ましくは約385MPa以下、さらに好ましくは約350MPa以下が挙げられ、好ましい範囲としては、300~400MPa程度、300~385MPa程度、300~350MPa程度、350~400MPa程度、350~385MPa程度が挙げられる。
なお、本発明において、第1基材層11及び第2基材層12のナノインデンテーション法により測定される硬さは、それぞれ、後述の第2接着剤層22における硬さの測定方法において、硬さの測定対象を第1基材層11又は第2基材層12とし、押し込み荷重を100μNとすること以外は、第2接着剤層22と同様にして測定できる。
本発明において、電池用包装材料を薄型化しつつ、成形性を向上させる観点から、第1基材層11の厚さとしては、例えば、下限については好ましくは約10μm以上、より好ましくは12μm以上が挙げられ、上限については好ましくは約20μm以下、より好ましくは18μm以下、さらに好ましくは約15μm以下が挙げられ、好ましい範囲としては、10~20μm程度、10~18μm程度、10~15μm程度、12~20μm程度、12~18μm程度、12~15μm程度が挙げられる。また、同様の観点から、第2基材層12の厚さとしては、例えば、下限については好ましくは約12μm以上、より好ましくは約15μm以上が挙げられ、上限については好ましくは約30μm以下、より好ましくは約28μm以下、さらに好ましくは約25μm以下が挙げられ、好ましい範囲としては、12~30μm程度、12~28μm程度、12~25μm程度、15~30μm程度、15~28μm程度、15~25μm程度が挙げられる。
また、電池用包装材料を薄型化しつつ、電池用包装材料の成形後のカールを抑制する観点からは、第1基材層11の厚さとしては、前記の値が好ましく、第2基材層12の厚さとしては、例えば、下限については好ましくは約10μm以上、より好ましくは約12μm以上、さらに好ましくは15μm以上が挙げられ、上限については好ましくは約30μm以下、より好ましくは約28μm以下、さらに好ましくは約25μm以下、さらに好ましくは約20μm以下、さらに好ましくは約18μm以下、さらに好ましくは約15μm以下が挙げられ、好ましい範囲としては、10~30μm程度、10~28μm程度、10~25μm程度、10~20μm程度、10~18μm程度、10~15μm程度、12~30μm程度、12~28μm程度、12~25μm程度、12~20μm程度、12~18μm程度、12~15μm程度、15~30μm程度、15~28μm程度、15~25μm程度、15~20μm程度、15~18μm程度が挙げられる。
さらに、同様の観点から、第1基材層11と第2基材層12の合計厚みとしては、下限については、好ましくは約20μm以上、より好ましくは約25μm以上、さらに好ましくは約28μm以上が挙げられ、上限については、好ましくは約50μm以下、より好ましくは約45μm以下、さらに好ましくは約40μm以下、さらに好ましくは約35μm以下が挙げられ、好ましい範囲としては、20~50μm程度、20~45μm程度、20~40μm程度、20~35μm程度、25~50μm程度、25~45μm程度、25~40μm程度、25~35μm程度、28~50μm程度、28~45μm程度、28~40μm程度、28~35μm程度が挙げられる。
また、電池用包装材料の湿熱環境での耐久性に優れる観点から、第1基材層11及び第2基材層12の少なくとも一方がポリアミドフィルム(好ましくはナイロンフィルム)により形成されている場合、第1基材層11及び第2基材層12のポリアミドフィルムの合計厚みとしては、下限については、好ましくは約10μm以上、より好ましくは約12μm以上、さらに好ましくは約15μm以上、さらに好ましくは約25μm以上が挙げられ、上限については、好ましくは約45μm以下、より好ましくは約35μm以下が挙げられ、好ましい範囲としては、10~45μm程度、10~35μm程度、12~45μm程度、12~35μm程度、15~45μm程度、15~35μm程度、25~45μm程度、25~35μm程度が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、後述の第2接着剤層22のバリア層3側とは反対側(外層側)には、第1基材層11、第1接着剤層21、及び第2基材層12に加えて、さらに他の層を備えていてもよい。他の層を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。他の層を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。他の層を備える場合、他の層の厚みとしては、好ましくは0.1~20μm程度、より好ましくは0.5~10μm程度が挙げられる。
本発明において、電池用包装材料の成形性を高める観点からは、第1基材層11の表面には、滑剤が付着していることが好ましい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくは後述の熱融着性樹脂層4において例示するアミド系滑剤が挙げられる。
第1基材層11の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、温度24℃、相対湿度60%環境において、好ましくは3mg/m2以上、より好ましくは4~15mg/m2、さらに好ましくは5~14mg/m2が挙げられる。
[第1接着剤層21]
本発明の電池用包装材料において、第1接着剤層21は、第1基材層11と第2基材層12とを接着するために設けられる層である。
本発明の電池用包装材料においては、第1接着剤層21の硬さと、後述の第2接着剤層22の硬さがとが、それぞれ、所定値を充足していることにより、基材層を複数備えている(すなわち、第1基材層11と第2基材層12を備えている)にも拘わらず、優れた成形性が発揮される。より具体的には、第1接着剤層21及び第2接着剤層22のナノインデンテーション法により測定される硬さが、それぞれ、20MPa以上であることにより、基材層を複数備えているにも拘わらず、優れた成形性が発揮される。
電池用包装材料の成形性をより高める観点から、第1接着剤層21の当該硬さとしては、好ましくは30MPa以上、より好ましくは51MPa以上、さらに好ましくは150MPa以上、特に好ましくは200MPa以上が挙げられる。また、第1接着剤層21の当該硬さの上限としては、好ましくは400MPa以下、より好ましくは350MPa以下が挙げられる。第1接着剤層21の当該硬さの好ましい範囲としては、20~400MPa程度、20~350MPa程度、30~400MPa程度、30~350MPa程度、51~400MPa程度、51~350MPa程度、150~400MPa程度、150~350MPa程度、200~400MPa程度、200~350MPa程度が挙げられる。本発明において、特に成形性を高める観点からは、第1接着剤層21の当該硬さは、200~400MPa程度、さらには200~350MPa程度が好ましい。
本発明において、第1接着剤層21及び第2接着剤層22のナノインデンテーション法により測定される硬さは、それぞれ、次のようにして測定された値である。装置として、ナノインデンター((HYSITRON(ハイジトロン)社製の「TriboIndenter TI950」)を用いる。ナノインデンターの圧子としては、Berkovich圧子(三角錐)を用いる。第2接着剤層22の硬さについては、相対湿度50%、23℃環境において、当該圧子を、電池用包装材料の第2接着剤層22の表面(第2接着剤層22が露出している面であり、各層の積層方向とは垂直方向)に当て、10秒間かけて、当該表面から荷重40μNまで圧子を接着剤層に押し込み、その状態で5秒間保持し、次に、10秒間かけて除荷する。最大荷重Pmax(μN)と最大深さ時の接触投影面積A(μm2)を用い、Pmax/Aにより、当該インデンテーション硬さ(MPa)を算出する。また、第1接着剤層21の硬さについては、荷重を10μNとすること以外は、第2接着剤層22と同様にして測定する。
第1接着剤層21の形成に使用される接着剤は、第1接着剤層21が形成された後に、上記硬さを備えさせることができるものであれば、特に限定されず、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、第1接着剤層21の形成に使用される接着剤についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
第1接着剤層21の形成に使用できる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリカーボネート、;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン系接着剤が挙げられる。
第1接着剤層21の形成に使用される接着剤の具体例としては、ポリウレタン系接着剤、ポリアクリル系接着剤、変性ポリプロピレン系接着剤、シラン系カップリング剤を含む接着剤、またはチタネート系カップリング剤を含む接着剤などが挙げられる。
ポリウレタン系接着剤としては、ポリオール成分(A)を含有する主剤と、ポリイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤とを含有するポリウレタン接着剤であって、ポリオール成分(A)がポリエステルポリオール(A1)を含有し、ポリエステルポリオール(A1)が多塩基酸成分と多価アルコール成分とから構成される数平均分子量5000~50000のポリエステルポリオールであって、多塩基酸成分100モル%中、芳香族多塩基酸成分を45~95モル%含み、接着剤層の100%伸び時の引張り応力が100kg/cm2以上、500kg/cm2以下となるものが挙げられる。また、主剤とポリイソシアネート硬化剤とを含有する電池用包装材用ポリウレタン接着剤であって、主剤が、ガラス転移温度が40℃以上のポリエステルポリオール(A1)5~50重量%およびガラス転移温度が40℃未満のポリエステルポリオール(A2)95~50重量%を含むポリオール成分(A)とシランカップリング剤(B)とを含み、ポリオール成分(A)由来のヒドロキシ基とカルボキシル基の合計に対する硬化剤中に含まれるイソシアネート基の当量比[NCO]/([OH]+[COOH])が1~30であるものが挙げられる。
さらに、変性ポリプロピレン及びポリアクリル系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂(A)、または、シラン系カップリング剤及びチタネート系カップリング剤の少なくとも一方を含むカップリング剤(B)のいずれか一方((A)または(B))を含有する樹脂を含む接着剤が挙げられる。すなわち、ポリアクリル系接着剤、変性ポリプロピレン系接着剤、シラン系カップリング剤を含む接着剤、チタネート系カップリング剤を含む接着剤なども好適に使用することができる。
なお、第1接着剤層21には、後述の第2接着剤層22と同様の着色剤を含んでいてもよい。
第1接着剤層21の硬さは、接着剤に含まれる樹脂の種類だけでなく、樹脂の分子量や架橋点の数、主剤と硬化剤の割合、主剤と硬化剤の希釈倍率、乾燥温度、エージング温度、エージング時間などを調整することにより、上記の値となるように調整することができる。
第1接着剤層21の厚みについては、電池用包装材料を薄型化しつつ、成形性を向上させる観点から、好ましくは5μm以下、好ましくは1~5μm程度が挙げられる。
[第2接着剤層22]
本発明の電池用包装材料において、第2接着剤層22は、第2基材層12とバリア層3を接着するために設けられる層である。
前述の通り、本発明の電池用包装材料においては、前述の第1接着剤層21の硬さと、第2接着剤層22の硬さとが、それぞれ、所定値を充足していることにより、基材層を複数備えている(すなわち、第1基材層11と第2基材層12を備えている)にも拘わらず、優れた成形性が発揮される。より具体的には、第1接着剤層21及び第2接着剤層22のナノインデンテーション法により測定される硬さが、それぞれ、20MPa以上であることにより、基材層を複数備えているにも拘わらず、優れた成形性が発揮される。
電池用包装材料の成形性をより高める観点から、第2接着剤層22の当該硬さとしては、好ましくは30MPa以上、より好ましくは51MPa以上、さらに好ましくは150MPa以上、特に好ましくは200MPa以上が挙げられる。また、第2接着剤層22の当該硬さの上限としては、好ましくは400MPa以下、より好ましくは350MPa以下が挙げられる。第2接着剤層22の当該硬さの好ましい範囲としては、20~400MPa程度、20~350MPa程度、30~400MPa程度、30~350MPa程度、51~400MPa程度、51~350MPa程度、150~400MPa程度、150~350MPa程度、200~400MPa程度、200~350MPa程度が挙げられる。本発明において、特に成形性を高める観点からは、第2接着剤層22の当該硬さは、200~400MPa程度、さらには200~350MPa程度が好ましい。
本発明において、第2接着剤層22のナノインデンテーション法により測定される硬さは、前述の方法により測定された値である。
第2接着剤層22の形成に使用される接着剤は、第2接着剤層22に対して上記硬さを備えさせることができるものであれば、特に限定されず、前述の第1接着剤層21と同じものが例示される。すなわち、第2接着剤層22の形成に使用できる接着成分及び接着剤の具体例としても、前述の第1接着剤層21と同じものが例示される。
また、第2接着剤層22は、着色剤を含んでいてもよい。第2接着剤層22が着色剤を含んでいることにより、電池用包装材料を着色することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
例えば、無機系の顔料の具体例としては、好ましくはカーボンブラック、酸化チタンなどが挙げられる。また、有機系の顔料の具体例としては、好ましくはアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料などが挙げられる。アゾ系顔料としては、ウォッチングレッド、力―ミン6Cなどの溶性顔料;モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾ口ンオレンジ、ピラゾ口ンレッド、パーマネントレッド等の不溶性アゾ顔料が挙げられ、フタロシアニン系顔料としては、銅フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料としての青系顔料や緑系顔料が挙げられ、縮合多環系顔料としては、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンバイオレットなどが挙げられる。また、顔料としては、パール顔料や、蛍光顔料なども使用できる。
着色剤の中でも、例えば電池用包装材料の外観を黒色とするためには、カーボンブラックが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、特に制限されず、例えば、0.05~5μm程度、好ましくは0.08~2μm程度が挙げられる。なお、顔料の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
第2接着剤層22における顔料の含有量としては、電池用包装材料が着色されれば特に制限されず、例えば5~60質量%程度が挙げられる。
第2接着剤層22の硬さは、前述の第1接着剤層21と同じく、接着剤に含まれる樹脂の種類だけでなく、樹脂の分子量や架橋点の数、主剤と硬化剤の割合、主剤と硬化剤の希釈倍率、乾燥温度、エージング温度、エージング時間などを調整することにより、上記の値となるように調整することができる。
第2接着剤層22の厚みについては、電池用包装材料を薄型化しつつ、成形性を向上させる観点から、好ましくは5μm以下、好ましくは1~5μm程度が挙げられる。
[バリア層3]
電池用包装材料において、バリア層3は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止する機能を有する層である。バリア層3は、金属箔、金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜、これらの蒸着層を設けたフィルムなどにより形成することができ、金属箔で形成されている層であることが好ましい。バリア層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン鋼などが挙げられ、好ましくはアルミニウム又はステンレスが挙げられ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔又はステンレス鋼箔により形成することがさらに好ましい。
電池用包装材料の製造時に、バリア層3にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、バリア層は、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS H4160:1994 A8021H-O、JIS H4160:1994 A8079H-O、JIS H4000:2014 A8021P-O、JIS H4000:2014 A8079P-O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
また、ステンレス鋼箔としては、オーステナイト系のステンレス鋼箔、フェライト系のステンレス鋼箔などが挙げられる。ステンレス鋼箔は、オーステナイト系のステンレス鋼により構成されていることが好ましい。
ステンレス鋼箔を構成するオーステナイト系のステンレス鋼の具体例としては、SUS304、SUS301、SUS316Lなどが挙げられ、これら中でも、SUS304が特に好ましい。
バリア層3の厚さについては、例えば、10~200μm程度、好ましくは20~100μm程度が挙げられる。
また、バリア層3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは少なくとも熱融着性樹脂層4側の面、さらに好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、バリア層3の表面に耐酸性皮膜を形成する処理である。化成処理は、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム化合物を用いたクロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸処理;下記一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位からなるアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。なお、当該アミノ化フェノール重合体において、下記一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位は、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上の任意の組み合わせであってもよい。
Figure 0007222356000001
Figure 0007222356000002
Figure 0007222356000003
Figure 0007222356000004
一般式(1)~(4)中、Xは水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基又はベンジル基を示す。また、R1及びR2は、同一又は異なって、ヒドロキシ基、アルキル基、又はヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)~(4)において、X、R1、R2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などの炭素数1~4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1、R2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1~4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)~(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシ基、及び、ヒドロキシアルキル基のいずれかであることが好ましい。一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位からなるアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500~100万程度、好ましくは1000~2万程度が挙げられる。
また、バリア層3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、約150℃以上で焼付け処理を行うことにより、バリア層3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層を形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミン又はその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーは1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの化成処理は、1種の化成処理を単独で行ってもよく、2種以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。これらの中でも、好ましくはクロム酸処理、さらに好ましくはクロム化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせた化成処理が挙げられる。クロム化合物の中でも、クロム酸化合物が好ましい。
化成処理においてバリア層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えばクロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせてクロメート処理を行う場合であれば、バリア層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で0.5~50mg程度、好ましくは1.0~40mg程度、リン化合物がリン換算で0.5~50mg程度、好ましくは1.0~40mg程度、及びアミノ化フェノール重合体が1~200mg程度、好ましくは5.0~150mg程度の割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、バリア層3の表面に塗布した後に、バリア層3の温度が70~200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、バリア層3に化成処理を施す前に、予めバリア層3を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、バリア層3の表面の化成処理を一層効率的に行うことが可能になる。
[熱融着性樹脂層4]
本発明の電池用包装材料において、熱融着性樹脂層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して電池素子を密封する層である。
熱融着性樹脂層4に使用される樹脂成分については、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。すなわち、熱融着性樹脂層4を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を含んでいても含んでいなくてもよく、ポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましい。熱融着性樹脂層4を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β-不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β-不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記酸変性ポリオレフィンの変性に使用されるものと同様である。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン;更に好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
熱融着性樹脂層4は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。更に、熱融着性樹脂層4は、1層のみで成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上で形成されていてもよい。
また、熱融着性樹脂層4は、必要に応じて滑剤などを含んでいてもよい。熱融着性樹脂層4が滑剤を含む場合、電池用包装材料の成形性を高め得る。滑剤としては、特に制限されず、公知の滑剤を用いることができる。
滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。滑剤の具体例としては、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸アミドの具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。置換アミドの具体例としては、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミドなどが挙げられる。また、メチロールアミドの具体例としては、メチロールステアリン酸アミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどが挙げられる。脂肪酸エステルアミドの具体例としては、ステアロアミドエチルステアレートなどが挙げられる。また、芳香族系ビスアミドの具体例としては、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、m-キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱融着性樹脂層4の表面における滑剤の存在量としては、特に制限されず、電子包装用材料の成形性を高める観点からは、温度24℃、湿度60%環境において、好ましくは10~50mg/m2程度、さらに好ましくは15~40mg/m2程度が挙げられる。
また、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、熱融着性樹脂層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば約100μm以下、好ましくは約85μm以下、より好ましくは15~85μm程度が挙げられる。なお、例えば、後述の接着層5の厚みが10μm以上である場合には、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、好ましくは約85μm以下、より好ましくは15~45μm程度が挙げられ、例えば後述の接着層5の厚みが10μm未満である場合や接着層5が設けられていない場合には、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、好ましくは約20μm以上、より好ましくは35~85μm程度が挙げられる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、バリア層3と熱融着性樹脂層4を強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、バリア層3と熱融着性樹脂層4とを接着可能である樹脂によって形成される。接着層5の形成に使用される樹脂としては、その接着機構、接着剤成分の種類等は、第1接着剤層21で例示した接着剤と同様のものが使用できる。また、接着層5の形成に使用される樹脂としては、前述の熱融着性樹脂層4で例示したポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂も使用できる。バリア層3と熱融着性樹脂層4との密着性に優れる観点から、ポリオレフィンとしては、カルボン酸変性ポリオレフィンが好ましく、カルボン酸変性ポリプロピレンが特に好ましい。すなわち、接着層5を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を含んでいても含んでいなくてもよく、ポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましい。接着層5を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
バリア層3(又は耐酸性皮膜)と熱融着性樹脂層4との密着性を向上させる観点から、接着層5は、酸変性ポリオレフィンを含むことが好ましい。酸変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンをカルボン酸などの酸成分でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用される酸成分としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのカルボン酸又はその無水物が挙げられる。また、変性されるポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)などのポリプロピレン;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマーなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
接着層5において、酸変性ポリオレフィンの中でも、特に無水マレイン酸変性ポリオレフィン、さらには無水マレイン酸変性ポリプロピレンが好ましい。
さらに、電池用包装材料の厚みを薄くしつつ、成形後の形状安定性に優れた電池用包装材料とする観点からは、接着層5は、酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることがより好ましい。酸変性ポリオレフィンとしては、好ましくは、前記のものが例示できる。
また、接着層5は、酸変性ポリオレフィンと、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む樹脂組成物の硬化物であることが好ましく、酸変性ポリオレフィンと、イソシアネート基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む樹脂組成物の硬化物であることが特に好ましい。また、接着層5は、ウレタン樹脂、エステル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。エステル樹脂としては、例えばアミドエステル樹脂が好ましい。アミドエステル樹脂は、一般的にカルボキシル基とオキサゾリン基の反応で生成する。接着層5は、これらの樹脂のうち少なくとも1種と前記酸変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物の硬化物であることがより好ましい。なお、接着層5に、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、エポキシ樹脂などの硬化剤の未反応物が残存している場合、未反応物の存在は、例えば、赤外分光法、ラマン分光法、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)などから選択される方法で確認することが可能である。
また、バリア層3(又は耐酸性皮膜)と熱融着性樹脂層4と接着層5との密着性をより高める観点から、接着層5は、酸素原子、複素環、C=N結合、及びC-O-C結合からなる群より選択される少なくとも1種を有する硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。複素環を有する硬化剤としては、例えば、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C=N結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤、イソシアネート基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C-O-C結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤、ウレタン樹脂などが挙げられる。接着層5がこれらの硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることは、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)、赤外分光法(IR)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)、X線光電子分光法(XPS)などの方法で確認することができる。
イソシアネート基を有する化合物としては、特に制限されないが、耐酸性皮膜と接着層5との密着性を効果的に高める観点からは、好ましくは多官能イソシアネート化合物が挙げられる。多官能イソシアネート化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されない。多官能イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ペンタンジイソシアネート(PDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。
接着層5における、イソシアネート基を有する化合物の含有量としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。
オキサゾリン基を有する化合物は、オキサゾリン骨格を備える化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン基を有する化合物の具体例としては、ポリスチレン主鎖を有するもの、アクリル主鎖を有するものなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
接着層5における、オキサゾリン基を有する化合物の割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3(又は耐酸性皮膜)と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
エポキシ樹脂としては、分子内に存在するエポキシ基によって架橋構造を形成することが可能な樹脂であれば、特に制限されず、公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂の重量平均分子量としては、好ましくは50~2000程度、より好ましくは100~1000程度、さらに好ましくは200~800程度が挙げられる。なお、本発明において、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。
エポキシ樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル誘導体、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層5における、エポキシ樹脂の割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3(又は耐酸性皮膜)と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
なお、本発明において、接着層5が、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種と、前記酸変性ポリオレフィンとを含む樹脂組成物の硬化物である場合、酸変性ポリオレフィンが主剤として機能し、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ樹脂は、それぞれ、硬化剤として機能する。
カルボジイミド系硬化剤は、カルボジイミド基(-N=C=N-)を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に限定されない。カルボジイミド系硬化剤としては、カルボジイミド基を少なくとも2つ以上有するポリカルボジイミド化合物が好ましい。
接着層5によるバリア層3と熱融着性樹脂層4との密着性を高めるなどの観点から、硬化剤は、2種類以上の化合物により構成されていてもよい。
接着層5を形成する樹脂組成物における硬化剤の含有量は、0.1~50質量%程度の範囲にあることが好ましく、0.1~30質量%程度の範囲にあることがより好ましく、0.1~10質量%程度の範囲にあることがさらに好ましい。
さらに、接着層5は、例えば、接着剤を用いて好適に形成することもできる。接着剤としては、例えば、カルボキシル基を有する非結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)と、多官能イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を有さない3級アミン(C)を含有し、カルボキシル基の合計1モルに対して、イソシアネート基の量が0.3~10モルとなる範囲で多官能イソシアネート化合物(B)を含有し、カルボキシル基の合計1モルに対して、3級アミン(C)を1~10モルとなる範囲で含有する、接着剤組成物から形成されたものが挙げられる。また、接着剤としては、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、粘着付与剤(B)と、ポリイソシアネート(C)とを含有し、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、粘着付与剤(B)との合計100重量%中に、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A)を20~90重量%、前記粘着付与剤(B)を10~80重量%含み、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、0.003~0.04mmol/gのアミノ基または水酸基に由来する活性水素を有し、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)由来の前記活性水素1モルに対して、前記粘着付与剤(B)の官能基由来の活性水素が0~15モルであり、ポリイソシアネート(C)は、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A)由来の活性水素と、粘着付与剤(B)由来の活性水素との合計1モルに対して、イソシアネート基が3~150モルとなる範囲で含まれているものからなる接着剤組成物により形成されたものなども挙げられる。
接着層5の厚みについては、接着層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、第1接着剤層21で例示した接着剤を用いる場合であれば、好ましくは2~10μm、より好ましくは2~5μm程度が挙げられる。また、熱融着性樹脂層4で例示した樹脂を用いる場合であれば、好ましくは2~50μm程度、より好ましくは10~40μm程度が挙げられる。また、酸変性ポリオレフィンと硬化剤との硬化物である場合であれば、好ましくは約30μm以下、より好ましくは0.1~20μm程度、さらに好ましくは0.5~5μm程度が挙げられる。前述の接着剤組成物により形成された接着剤層であれば、乾燥硬化後の厚みとして1~30g/m2程度が挙げられる。なお、接着層5が酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である場合、当該樹脂組成物を塗布し、加熱等により硬化させることにより、接着層5を形成することができる。
[表面被覆層6]
本発明の電池用包装材料においては、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性の向上などを目的として、必要に応じて、第1基材層11の上(第1基材層11のバリア層3側とは反対側)に、表面被覆層6を設けてもよい。表面被覆層6は、電池を組み立てた時に、最外層に位置する層である。
表面被覆層6は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂などにより形成することができる。表面被覆層6は、これらの中でも、2液硬化型樹脂により形成することが好ましい。表面被覆層6を形成する2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ポリエステル系樹脂、2液硬化型エポキシ系樹脂などが挙げられる。また、表面被覆層6には、添加剤を配合してもよい。添加する添加剤は、例えばマット化剤として機能してもよく、表面被覆層はマット層として機能してもよい。
添加剤としては、例えば、粒径が0.5nm~5μmの微粒子が挙げられる。添加剤の材質については、特に制限されないが、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物等が挙げられる。また、添加剤の形状についても、特に制限されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状等が挙げられる。添加剤として、具体的には、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイト、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケル等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の中でも、分散安定性やコスト等の観点から、好ましくはシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、添加剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理等の各種表面処理を施しておいてもよい。
表面被覆層6を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、表面被覆層6を形成する2液硬化型樹脂を第1基材層11の一方の表面に塗布する方法が挙げられる。添加剤を配合する場合には、2液硬化型樹脂に添加剤を添加して混合した後、塗布すればよい。
表面被覆層中の添加剤の含有量としては、特に制限されないが、好ましくは0.05~1.0質量%程度、より好ましくは0.1~0.5質量%程度が挙げられる。
表面被覆層6の厚みとしては、表面被覆層6としての上記の機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、0.5~10μm程度、好ましくは1~5μm程度が挙げられる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されない。すなわち、本発明の電池用包装材料は、少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を積層して積層体を得る積層工程と、第1接着剤層及び第2接着剤層が上記所定の硬さとなるように硬化させる硬化工程とを備える方法により製造することができる。具体的には、例えば次のようにして製造することができる。
本発明の電池用包装材料の製造方法の一例としては、以下の通りである。まず、第1基材層11、第1接着剤層21、第2基材層12、第2接着剤層22、バリア層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成においては、第1基材層11、第1接着剤層21、第2基材層12が順に積層された積層体を用意することが好ましい。当該積層体は、第1基材層11又は第2基材層12に、第1接着剤層21の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該接着剤を介して第1基材層11と第2基材層12を積層させて、第1接着剤層21を硬化させるドライラミネート法によって行うことができる。次に、得られた積層体の第2基材層12側、又はバリア層3(必要に応じて耐酸性皮膜を備えている)に、第2接着剤層22の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該接着剤を介して前記積層体の第2基材層12側とバリア層3を積層させて、第2接着剤層22を硬化させるドライラミネート法によって、積層体Aが得られる。
次いで、積層体Aのバリア層3上に、接着層5及び熱融着性樹脂層4をこの順になるように積層させる。例えば、(1)積層体Aのバリア層3上に、接着層5及び熱融着性樹脂層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネート法)、(2)別途、接着層5と熱融着性樹脂層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aのバリア層3上に熱ラミネート法により積層する方法、(3)積層体Aのバリア層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングし、高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4をサーマルラミネート法により積層する方法、(4)積層体Aのバリア層3と、予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aと熱融着性樹脂層4を貼り合せる方法(サンドイッチラミネート法)等が挙げられる。
表面被覆層6を設ける場合には、第1基材層11のバリア層3とは反対側の表面に、表面被覆層6を積層する。表面被覆層6は、例えば表面被覆層6を形成する上記の樹脂を第1基材層11の表面に塗布することにより形成することができる。なお、第1基材層11の表面にバリア層3を積層する工程と、第1基材層11の表面に表面被覆層6を積層する工程の順番は、特に制限されない。例えば、第1基材層11の表面に表面被覆層6を形成した後、第1基材層11の表面被覆層6とは反対側の表面にバリア層3を形成してもよい。
第1接着剤層21の硬化は、例えば、第1基材層11と第1接着剤層21と第2基材層12との積層体を得た段階で、エージングを行うことによって実施することができ、さらに、バリア層3を積層した積層体Aについてエージングを行うことによって実施することもできる。また、第2接着剤層22の硬化は、第2基材層12と第2接着剤層22とバリア層との積層体についてエージングを行うことによって実施することもできるし、積層体Aについてエージングを行うことによって実施することもできるし、さらに、必要に応じて設けられる接着層5、熱融着性樹脂層4などを積層した後に、エージングを行うことによって実施することもできる。第1接着剤層21及び第2接着剤層22の硬化条件は、前述の通り、これらの層の形成に使用する接着剤の種類などに応じて、上記所定の硬さとなるように調整する。エージングの条件は特に制限されないが、例えば、温度としては60~120℃程度、時間としては12~120時間程度が挙げられる。
上記のようにして、必要に応じて設けられる表面被覆層6/第1基材層11/第1接着剤層21/第2基材層12/第2接着剤層22/必要に応じて表面が化成処理されたバリア層3/必要に応じて設けられる接着層5/熱融着性樹脂層4からなる積層体が形成されるが、第1接着剤層21または第2接着剤層22の接着性を強固にするために、更に、熱ロール接触式、熱風式、近赤外線式又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150~250℃で1~5分間が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
4.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装体に使用される。すなわち、本発明の電池用包装材料によって形成された包装体中に、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を収容して、電池とすることができる。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(熱融着性樹脂層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部の熱融着性樹脂層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料により形成された包装体中に電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料の熱融着性樹脂部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして、包装体を形成する。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
<電池用包装材料の製造>
実施例1~5及び比較例1~5において、それぞれ、表1に記載の積層構成を備える電池用包装材料を製造した。なお、表1において、ONyは延伸ナイロンフィルム、PETはポリエチレンテレフタレートフィルム、DL1は第1接着剤層、DL2は第2接着剤層、ALMはアルミニウム合金箔、PPaは無水マレイン酸変性ポリプロピレン、PPはランダムポリプロピレンを意味する。また、表1において、各層の括弧内の数値は、層の厚み(μm)を意味する。
実施例1~4及び比較例1~4
後述のエージング条件1~5を採用した場合については、まず、ドライラミネート法により、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)からなる第1基材層の上に、第1接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物、硬化後の厚みは3μm)を塗布し、その上から延伸ナイロンフィルム(それぞれ表1に記載厚み)からなる第2基材層を積層させて、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層が順に積層された積層体を得た。次に、得られた積層体の第2基材層側に、両面に化成処理を施すことにより耐酸性皮膜を備えたアルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、それぞれ表1に記載厚み)から構成されるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜を備えたアルミニウム合金箔の一方面に、第2接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、バリア層上に第2接着剤層(硬化後の厚み3μm)を形成した。次いで、バリア層上の第2接着剤層と、前記積層体の第2基材層側を積層することにより、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体Aを作製した。
一方、後述のエージング条件6~15を採用した場合については、まず、両面に化成処理を施すことにより耐酸性皮膜を備えたアルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、それぞれ表1に記載厚み)から構成されるバリア層の上に、延伸ナイロンフィルム(それぞれ表1に記載厚み)からなる第2基材層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜を備えたアルミニウム合金箔の一方面に、第2接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布して、バリア層上に第2接着剤層(硬化後の厚み3μm)を形成し、その上から延伸ナイロンフィルムからなる第2基材層を積層して、第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体を得た。次に、ドライラミネート法により、当該積層体の第2基材層側に、第1接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物、硬化後の厚みは3μm)を塗布し、その上から、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)からなる第1基材層を積層して、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体Aを作製した。
なお、バリア層として使用したアルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で焼付けすることにより行った。
次に、得られた積層体Aのバリア層の上に、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚み40μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚み40μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させて、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層が順に積層された積層体Bからなる電池用包装材料を得た。
実施例1~4及び比較例1~4において、それぞれエージング条件を変えて、第1接着剤層と第2接着剤層の硬さを調整した(表3~6)。例えば、表3に示されるように、実施例1においては、実施例1-1から実施例1-10の電池用包装材料を製造した。第1接着剤層及び第2接着剤層の硬化は、表2に記載のエージング条件の温度及び時間で行った。表2のエージング条件1~5では、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層が順に積層された積層体Aについて、表2に記載のエージング条件にて第1接着剤層と第2接着剤層の硬化を同時に行った。一方、表2のエージング条件6~15では、第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体を作製した段階で、表2に記載のエージング条件にて第2接着剤層の硬化を行い、次いで、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層が順に積層された積層体Aを作製した段階で、表2に記載のエージング条件にて第1接着剤層の硬化を行った。
実施例5及び比較例5
それぞれ、表1に記載の積層構成を備える電池用包装材料を製造した。具体的には、後述のエージング条件1~5を採用した場合については、まず、ドライラミネート法により、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)からなる第1基材層の上に、第1接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物、硬化後の厚みは3μm)を塗布し、その上から延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)からなる第2基材層を積層させて、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層が順に積層された積層体を得た。次に、得られた積層体の第2基材層側に、両面に化成処理を施すことにより耐酸性皮膜を備えたアルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、それぞれ表1に記載厚み)から構成されるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜を備えたアルミニウム合金箔の一方面に、第2接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、バリア層上に第2接着剤層(硬化後の厚み3μm)を形成した。次いで、バリア層上の第2接着剤層と、前記積層体の第2基材層側を積層することにより、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体Aを作製した。
一方、後述のエージング条件6~15を採用した場合については、まず、両面に化成処理を施すことにより耐酸性皮膜を備えたアルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、それぞれ表1に記載厚み)から構成されるバリア層の上に、延伸ナイロンフィルム(それぞれ表1に記載厚み)からなる第2基材層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、耐酸性皮膜を備えたアルミニウム合金箔の一方面に、第2接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、バリア層上に第2接着剤層(硬化後の厚み3μm)を形成し、その上から延伸ナイロンフィルムからなる第2基材層を積層して、第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体を得た。次に、ドライラミネート法により、当該積層体の第2基材層側に、第1接着剤層を形成する2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物、硬化後の厚みは3μm)を塗布し、その上から、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)からなる第1基材層を積層して、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層の積層体Aを作製した。
なお、バリア層として使用したアルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で焼付けすることにより行った。
次に、得られた積層体Aのバリア層の上に、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(厚み40μm)と、熱融着性樹脂層としてのランダムポリプロピレン(厚み40μm)を共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させて、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層が順に積層された積層体Bからなる電池用包装材料を得た。
実施例5及び比較例5において、実施例1~4及び比較例1~4と同じく、それぞれエージング条件を変えて(表2)、第1接着剤層と第2接着剤層の硬さを調整した(表7)。
Figure 0007222356000005
Figure 0007222356000006
<各層の硬さの測定>
装置として、ナノインデンター((HYSITRON(ハイジトロン)社製の「TriboIndenter TI950」)を用いる。ナノインデンターの圧子としては、Berkovich圧子(三角錐)を用いた。まず、相対湿度50%、23℃環境において、当該圧子を、電池用包装材料の第2接着剤層の表面(第2接着剤層が露出している面であり、各層の積層方向とは垂直方向)に当て、10秒間かけて、当該表面から荷重40μNまで圧子を接着剤層に押し込み、その状態で5秒間保持し、次に、10秒間かけて除荷した。最大荷重Pmax(μN)と最大深さ時の接触投影面積A(μm2)を用い、Pmax/Aにより、当該インデンテーション硬さ(MPa)を算出した。測定箇所を変え5か所を測定し平均値を用いた。第1接着剤層の硬さは、荷重を10μNとすること以外は第2接着剤層と同様にして測定した。第1基材層及び第2基材層についても、それぞれ、上記測定条件において、荷重を100μNとしたこと以外は、同様にして、これらの硬さを測定した。それぞれの硬さを表3~7に示す。なお、圧子を押し込む表面は、電池用包装材料の中心部を通るように厚み方向に切断して得られた、測定対象(第2接着剤層など)の断面が露出した部分である。切断は、市販品の回転式ミクロトームなどを用いて行った。
<成形性の評価>
上記で得られた各電池用包装材料を長さ(MD(Machine Direction)の方向)90mm×幅(TD(Transverse Direction)の方向)150mmの長方形に裁断して試験サンプルとした。このサンプルを31.6mm(MDの方向)×54.5mm(TDの方向)の口径を有する矩形状の成形金型(雌型、表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)と、これに対応した成形金型(雄型、表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)を用いて、押さえ圧(面圧)0.25MPaで0.5mmの成形深さから0.5mm単位で成形深さを変えて、それぞれ10個のサンプルについて冷間成形(引き込み1段成形)を行った。このとき、雄型側に熱融着性樹脂層側が位置するよう、雌型上に上記試験サンプルを載置して成形を行った。また、雄型及び雌型のクリアランスは、0.3mmとした。冷間成形後のサンプルについて、暗室の中にてペンライトで光を当てて、光の透過によって、アルミニウム合金箔にピンホールやクラックが生じているか否かを確認した。アルミニウム合金箔にピンホール、クラックが10個のサンプル全てにおいて発生しない最も深い成形深さをAmm、アルミニウム合金箔にピンホール等が発生した最も浅い成形深さにおいてピンホール等が発生したサンプルの数をB個とし、以下の式により算出される値を小数点以下2桁目で四捨五入し、電池用包装材料の限界成形深さとした。結果を表3~表7に示す。
限界成形深さ=Amm+(0.5mm/10個)×(10個-B個)
また、電池用包装材料の成形性について、実施例1及び比較例1、実施例2及び比較例2、実施例3及び比較例3、実施例4及び比較例4、並びに実施例5及び比較例5は、第1基材層の樹脂、各層の厚さ、及び総厚さが完全に同一ではないため、以下の各評価基準A~Eに基づいて、成形性を評価した。結果を表3~表7に示す。
<評価基準A:実施例1及び比較例1>
A+:限界成形深さが10.0mm以上
A:限界成形深さが8.5mm以上10.0mm未満
B:限界成形深さが8.5mm未満
<評価基準B:実施例2及び比較例2>
A++:限界成形深さが11.0mm以上
A+:限界成形深さが10.0mm以上11.0mm未満
A:限界成形深さが9.0mm以上10.0mm未満
B:限界成形深さが9.0mm未満
<評価基準C:実施例3及び比較例3>
A+:限界成形深さが8.5mm以上
A:限界成形深さが7.0mm以上8.5mm未満
B:限界成形深さが7.0mm未満
<評価基準D:実施例4及び比較例4>
A+:限界成形深さが9.5mm以上
A:限界成形深さが8.0mm以上9.5mm未満
B:限界成形深さが8.0mm未満
<評価基準E:実施例5及び比較例5>
A+:限界成形深さが8.8mm以上
A:限界成形深さが7.0mm以上8.8mm未満
B:限界成形深さが7.0mm未満
Figure 0007222356000007
Figure 0007222356000008
Figure 0007222356000009
Figure 0007222356000010
Figure 0007222356000011
<電池用包装材料の製造>
実施例6~10において、それぞれ、表8に示す積層構成となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、第1基材層/第1接着剤層/第2基材層/第2接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。エージング条件は、前記の条件3とした。なお、表8において、ONyは延伸ナイロンフィルム、PETはポリエチレンテレフタレートフィルム、DL1は第1接着剤層、DL2は第2接着剤層、ALMはアルミニウム合金箔、PPaは無水マレイン酸変性ポリプロピレン、PPはランダムポリプロピレンを意味する。また、表8において、各層の括弧内の数値は、層の厚み(μm)を意味する。
<各層の硬さの測定>
実施例1~5と同様にして、実施例6~10で得られた各電池用包装材料の各層の硬さを測定した。結果を表9に示す。
<成形性の評価>
実施例1~5と同様にして、実施例6~10で得られた各電池用包装材料の成形性の評価をおこなった。評価基準としては、表9に記載の前記各評価基準A,B,C,Eを採用した。結果を表9に示す。
<成形後のカール>
実施例6~10で得られた各電池用包装材料を裁断して、TD(Transverse Direction)150mm×MD(Machine Direction)90mmの短冊片を作製し、試験サンプルとした。電池用包装材料のMDが、アルミニウム合金箔の圧延方向(RD)に対応し、電池用包装材料のTDが、アルミニウム合金箔のTDに対応する。31.6mm×54.5mmの矩形状の雄型(表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)とこの雄型とのクリアランスが0.3mmの雌型(表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)からなる金型を用い、雄型側に熱融着性樹脂層が位置するように雌型上に試験サンプルを載置し、31.6mm(MD)×54.5mm(TD)、成形深さ6.0mmとなるように当該試験サンプルを0.25MPaの押え圧(面圧)で押えて、冷間成形(引き込み1段成形)した。成形を行った位置の詳細は、図4に示される通りである。図4に示されるように、矩形状の成形部Mと試験サンプル(電池用包装材料10)の端部Pとの最短距離d=70.5mmとなる位置で成形した。次に、成形後の試験サンプル(電池用包装材料10)を、図5に示すようにして水平面20におき、水平面20から端部Pまでの垂直方向yの距離の最大値tをカールしている部分の最大高さとし、それぞれ10個の試験サンプルについて最大高さをデジマチックハイトゲージ((株)ミツトヨ製、HD-30AX)にて測定した平均値を成形後のカール(mm)とした。結果を表9に示す。
<成形後の湿熱環境での耐久性評価>
上記で得られた各電池用包装材料を裁断して、150mm(TD)×90mm(MD)の短冊片を作製し、これを試験サンプルとした。なお、試験サンプルは、それぞれについて10枚ずつ作製した。前述の通り、電池用包装材料のMDが、アルミニウム合金箔の圧延方向(RD)に対応し、電池用包装材料のTDが、アルミニウム合金箔のTDに対応する。また、MD及びRDに同一平面垂直方向が、TDとなる。アルミニウム合金箔の圧延方向は、アルミニウム合金箔の圧延痕によって確認することができる。金型は、31.6mm(MD)×54.5mm(TD)の矩形状の雄型(表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)と、この雄型とのクリアランスが0.5mmの雌型(表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)からなる金型を用いた。雄型側に熱融着性樹脂層側が位置するように、雌型上に上記試験サンプルを載置した。それぞれ、成形深さ6.0mmとなるようにして、当該試験サンプルを0.125MPaの面圧で押えて、冷間成形(引き込み1段成形)した。次に、冷間成形後のサンプルを温度65℃、相対湿度90%RH雰囲気下の恒温恒湿槽に入れ、168時間静置した。恒温恒湿槽から成形サンプルを取り出し、基材層とアルミニウム合金箔間で浮き(基材層の剥離)が発生していないかを目視確認し、それぞれ10枚の試験サンプル中の浮きの発生していたサンプルの割合を表9に示す。
Figure 0007222356000012
Figure 0007222356000013
実施例6~8,10の電池用包装材料は、実施例9と比較すると、延伸ナイロンフィルムの厚みが薄いことから、成形後の湿熱環境での耐久性評価が特に優れていた。なお、当該耐久性評価は厳しい条件での試験であり、実施例9の電池用包装材料についても、十分に実用に耐える耐久性を備えている。
実施例6~8,10の電池用包装材料は、実施例9と比較すると、基材層の厚みが薄いことから、成形後のカールが特に抑制されていた。なお、実施例9の電池用包装材料についても、十分に実用に耐える程度にカールは抑制されている。
11 第1基材層
12 第2基材層
21 第1接着剤層
22 第2接着剤層
3 バリア層
4 熱融着性樹脂層
5 接着層
6 表面被覆層

Claims (14)

  1. 少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
    前記第1基材層が、ポリアミドを含んでおり、
    前記第2基材層が、ポリアミドを含んでおり、
    前記第1接着剤層は、ポリウレタン系接着剤、ポリアクリル系接着剤、変性ポリプロピレン系接着剤、シラン系カップリング剤を含む接着剤、またはチタネート系カップリング剤を含む接着剤により形成されており、
    前記第2接着剤層は、ポリウレタン系接着剤、ポリアクリル系接着剤、変性ポリプロピレン系接着剤、シラン系カップリング剤を含む接着剤、またはチタネート系カップリング剤を含む接着剤により形成されており、
    前記バリア層の厚みは、200μm以下であり、
    前記第1接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上であり、かつ、
    前記第2接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上である、電池用包装材料。
  2. 前記バリア層は、アルミニウム箔及びステンレス鋼箔の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記第1基材層と前記第2基材層の合計厚みが、20μm以上50μm以下であり、かつ、
    前記第2基材層の厚みが、12μm以上30μm以下である、請求項1又は2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記第1接着剤層及び前記第2接着剤層の厚みが、それぞれ、5μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
  5. 前記熱融着性樹脂層は、ポリオレフィン骨格を含む樹脂により構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
  6. 前記熱融着性樹脂層は、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン及び酸変性環状ポリオレフィンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
  7. 前記熱融着性樹脂層は、2種以上の樹脂を組み合わせたブレンドポリマーにより形成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
  8. 前記熱融着性樹脂層は、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
  9. 前記第1基材層の厚さは、20μm以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
  10. 前記第2基材層の厚さは、30μm以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
  11. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1~10のいずれか1項に記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
  12. 少なくとも、第1基材層、第1接着剤層、第2基材層、第2接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層がこの順に積層された積層体を得る工程を備えており、
    前記第1基材層が、ポリアミドを含んでおり、
    前記第2基材層が、ポリアミドを含んでおり、
    前記第1接着剤層は、ポリウレタン系接着剤、ポリアクリル系接着剤、変性ポリプロピレン系接着剤、シラン系カップリング剤を含む接着剤、またはチタネート系カップリング剤を含む接着剤により形成されており、
    前記第2接着剤層は、ポリウレタン系接着剤、ポリアクリル系接着剤、変性ポリプロピレン系接着剤、シラン系カップリング剤を含む接着剤、またはチタネート系カップリング剤を含む接着剤により形成されており、
    前記バリア層の厚みは、200μm以下であり、
    前記第1接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上であり、かつ、
    前記第2接着剤層は、ナノインデンテーション法により測定される硬さが、20MPa以上である、電池用包装材料の製造方法。
  13. 前記バリア層と前記熱融着性樹脂層との間に接着層を備えており、
    前記接着層と前記熱融着性樹脂層とは、共押出しラミネート法、熱ラミネート法、サンドイッチラミネート法、又は、前記バリア層上に、前記接着層を形成させるための接着剤を積層させ、前記接着層上に予めシート状に製膜した前記熱融着性樹脂層を積層する方法により形成する、請求項12に記載の電池用包装材料の製造方法。
  14. 前記バリア層と前記熱融着性樹脂層との間に接着層を備えており、
    前記熱融着性樹脂層は、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されている、請求項12又は13に記載の電池用包装材料の製造方法。
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