JP7238403B2 - 電池用包装材料、その製造方法、及び電池 - Google Patents
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Description
項1. 少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
プローブの変位量を測定する熱機械分析において、前記積層体の断面の前記接着層表面に前記プローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、前記プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、前記プローブの位置が初期値よりも低下する温度が、130℃以下である、電池用包装材料。
項2. 少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
プローブの変位量を測定する熱機械分析において、前記積層体の断面の前記接着層表面に前記プローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、前記プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、前記プローブの位置が最高点になる温度が、100℃以下である、電池用包装材料。
項3. 前記電池用包装材料の前記熱融着性樹脂層同士を熱融着させた部分の120℃環境におけるシール強度が、25℃環境におけるシール強度の1/8以下である、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記電池用包装材料の前記熱融着性樹脂層同士を熱融着させた部分の120℃環境におけるシール強度が、20N/15mm以下である、項1~3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記基材層は、ポリエステルフィルム層及びポリアミドフィルム層の少なくとも一方を備えている、項1~4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記基材層は、少なくとも、ポリエステルフィルム層及びポリアミドフィルム層を備えている、項1~4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記ポリエステルフィルム層の厚みと、前記ポリアミドフィルム層の厚みの比が、1:1から1:5の範囲にある、項6に記載の電池用包装材料。
項8. 前記基材層において、前記バリア層側から順に、前記ポリアミドフィルム層及び前記ポリエステルフィルム層を備える、項6または7に記載の電池用包装材料。
項9. 前記ポリエステルフィルム層と前記ポリアミドフィルム層との間に、ポリエステル及びポリオレフィンの少なくとも一方を含む層を備える、項6~8のいずれかに記載の電池用包装材料。
項10. 前記接着層を構成している樹脂が、ポリオレフィン骨格を含んでいる、項1~9のいずれかに記載の電池用包装材料。
項11. 前記接着層が、酸変性ポリオレフィンを含む、項1~9のいずれかに記載の電池用包装材料。
項12. 前記接着層の前記酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸変性ポリプロピレンであり、
前記熱融着性樹脂層が、ポリプロピレンを含む、項11に記載の電池用包装材料。
項13. 前記接着層が、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物の硬化物である、項1~12のいずれかに記載の電池用包装材料。
項14. 前記接着層が、酸素原子、複素環、C=N結合、及びC-O-C結合からなる群より選択される少なくとも1種を有する硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である、項1~12のいずれかに記載の電池用包装材料。
項15. 前記接着層が、ウレタン樹脂、エステル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1~12のいずれかに記載の電池用包装材料。
項16. 前記接着層の厚みが、5μm以下である、項1~15のいずれかに記載の電池用包装材料。
項17. 前記バリア層の表面に、耐酸性皮膜を備えており、
前記耐酸性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、Ce2PO4 +、CePO4 -、CrPO2 +、及びCrPO4 -からなる群より選択される少なくとも1種に由来するピークが検出される、項1~16のいずれかに記載の電池用包装材料。
項18. 前記バリア層の表面に、リン化合物、クロム化合物、フッ化物、及びトリアジンチオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む耐酸性皮膜を備えている、項1~16のいずれかに記載の電池用包装材料。
項19. 前記バリア層の表面に、セリウム化合物を含む耐酸性皮膜を備えている、項1~16のいずれかに記載の電池用包装材料。
項20. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1~19のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
項21. 少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、
前記接着層として、プローブの変位量を測定する熱機械分析において、前記積層体の断面の前記接着層表面に前記プローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、前記プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、前記プローブの位置が初期値よりも低下する温度が、130℃以下となるものを用いる、電池用包装材料の製造方法。
項22. 少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、
前記接着層として、プローブの変位量を測定する熱機械分析において、前記積層体の断面の前記接着層表面に前記プローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、前記プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、前記プローブの位置が最高点になる温度が、100℃以下となるものを用いる、電池用包装材料の製造方法。
本発明の電池用包装材料10は、例えば図1に示すように、基材層1、バリア層3、接着層4、及び熱融着性樹脂層5をこの順に備える積層体から構成されている。本発明の電池用包装材料において、基材層1が最外層側になり、熱融着性樹脂層5は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置する熱融着性樹脂層5同士が熱融着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は、最外層側に位置する層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。
本発明の電池用包装材料において、接着剤層2は、基材層1とバリア層3を強固に接着させるために、必要に応じて、これらの間に設けられる層である。
着色層は、基材層1と接着剤層2との間に必要に応じて設けられる層である(図示を省略する)。着色層を設けることにより、電池用包装材料を着色することができる。
電池用包装材料において、バリア層3は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。バリア層3は、金属箔、金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜、これらの蒸着層を設けたフィルムなどにより形成することができ、金属で形成されている層であることが好ましい。バリア層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン鋼などが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。バリア層3は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔又はステンレス鋼箔により形成することがさらに好ましい。電池用包装材料の製造時に、バリア層3にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS H4160:1994 A8021H-O、JIS H4160:1994 A8079H-O、JIS H4000:2014 A8021P-O、JIS H4000:2014 A8079P-O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
本発明の電池用包装材料において、接着層4は、バリア層3と熱融着性樹脂層5を強固に接着させるために、これらの間に設けられる層である。
プローブの変位量を測定する熱機械分析においては、例えば図5の概念図に示すように、まず、電池用包装材料の断面の接着層4の表面に熱機械分析の装置のプローブ11を設置する(図5の測定開始A)。このときの断面は、電池用包装材料の中心部を通るように厚み方向に切断して得られた、接着層4の断面が露出した部分である。図4に、プローブの設置位置4aを示す。切断は、市販品の回転式ミクロトームなどを用いて行うことができる。なお、電解質などが封入された電池に使用されている電池用包装材料について、変位量測定を行う場合には、電池用包装材料の熱融着性樹脂層が互いに熱融着されている部分について、上述した方法と同様に厚み方向に切断して測定を行う。熱機械分析の装置としては、加熱機構付きのカンチレバーを取り付けられる原子間力顕微鏡を使用することができ、例えば、ANASIS INSTRUMENTS社製のafm plusシステムを用い、プローブとしてはカンチレバーThermaLever AN2-200(ばね定数0.5~3N/m)を使用することができる。プローブ11の先端半径は30nm以下、プローブ11のディフレクション(Deflection)の設定値は-4V、昇温速度5℃/分とする。次に、この状態でプローブを加熱すると、プローブからの熱により図5のBのように、接着層4表面が膨張して、プローブ11が押し上げられ、プローブ11の位置が初期値(プローブの温度が40℃である時の位置)よりも上昇する。さらに加熱温度が上昇すると、接着層4が軟化し、図5のCのように、プローブ11が接着層4に突き刺さり、プローブ11の位置が下がる。なお、プローブの変位量を測定する熱機械分析においては、測定対象となる電池用包装材料は室温(25℃)下にあり、40℃に加熱されたプローブを接着層4表面に設置して、測定を開始する。プローブの変位量測定は、電池用包装材料について、厚み方向に沿った断面を作製し、断面の5箇所について測定し(図19を参照)、平均値を測定値として採用する。なお、断面の厚み方向と垂直方向については、いずれの方向(例えばTDが挙げられる)でもよく、いずれかの方向において、プローブの位置が初期値よりも低下する温度が130℃以下となればよい。また、キャリブレーションについても、5回行い、平均値を採用する。
本発明の電池用包装材料において、熱融着性樹脂層5は、最内層に該当し、電池の組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して電池素子を密封する層である。
必要に応じて滑剤を存在させてもよい。滑剤としては、特に制限されず、公知の滑剤を用いることができ、例えば、上記の基材層1で例示したものなどが挙げられる。滑剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。熱融着性樹脂層5の表面における滑剤の存在量としては、特に制限されず、電子包装用材料の成形性を高める観点からは、温度24℃、湿度60%環境において、好ましくは10~50mg/m2程度、さらに好ましくは15~40mg/m2程度が挙げられる。
各測定温度における電池用包装材料のシール強度は、JIS K7127:1999の規定に準拠して測定する。試験片として、TD(Transverse Direction)の幅を15mmの短冊状に裁断した電池用包装材料を準備する。具体的には、図14に示すように、まず、電池用包装材料を60mm(TD)×200mm(MD(Machine Direction))に裁断する(図14a)。次に、熱融着性樹脂層同士が対向するようにして、電池用包装材料を折り目P(MDの中間)の位置でMDに2つ折りにする(図14b)。折り目Pから10mm程度MDに内側において、シール幅7mm、温度190℃、面圧1.0MPa、3秒間の条件で熱融着性樹脂層同士をヒートシールする(図14c)。図14cにおいて、斜線部Sがヒートシールされている部分である。次に、TDの幅が15mmとなるようにして、MDに裁断(図14dの二点鎖線の位置で裁断)して試験片を得る(図14e)。次に、試験片13を各測定温度で2分間放置し、各測定温度環境において、引張り試験機で熱融着部の熱融着性樹脂層を300mm/分の速度で剥離させる(図15)。剥離時の最大強度をシール強度(N/15mm)とする。なお、シール強度の測定においては、図15に示されるヒートシール界面Aで試験片13が剥離(破壊)される場合と、ヒートシール界面Aとは異なる部分(例えば、図15のBの位置)で試験片13が破断する場合とがある。試験片13が破断した場合には、破断強度をシール強度とする。チャック間距離は、50mmである。
本発明の電池用包装材料においては、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性の向上などを目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1のバリア層3とは反対側)に、必要に応じて、表面被覆層6を設けてもよい。表面被覆層6は、電池を組み立てた時に、最外層に位置する層である。
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されない。すなわち、本発明の第1の電池用包装材料の製造方法においては、少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、接着層として、プローブの変位量を測定する熱機械分析において、積層体の断面の接着層表面にプローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、プローブの位置が初期値よりも低下する温度が、130℃以下となるものを用いる方法が挙げられる。また、本発明の第2の電池用包装材料の製造方法においては、少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、接着層として、プローブの変位量を測定する熱機械分析において、積層体の断面の接着層表面にプローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、プローブの位置が最高点になる温度が、100℃以下となるものを用いる方法が挙げられる。
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装体に使用される。すなわち、本発明の電池用包装材料によって形成された包装体中に、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を収容して、電池とすることができる。
実施例1
基材層として、ポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムとが共押出しにより積層され、2軸延伸した積層フィルムを用意した。当該積層フィルムにおいて、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み5μm)と2軸延伸ナイロンフィルム(厚み20μm)との間は、不飽和カルボン酸誘導体成分でグラフト変性した変性熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物を用いた接着剤(厚み1μm)により接着されている。次に、2軸延伸ナイロンフィルム側の表面に、両面に化成処理を施すことにより耐酸性皮膜を備えたアルミニウム箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚み40μm)から構成されるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、バリア層上に接着剤層(厚み3μm)を形成した。次いで、バリア層上の接着剤層と、基材層の2軸延伸ナイロンフィルム側を積層した後、40℃で24時間のエージング処理を実施することにより、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤/2軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。
測定条件
1次イオン:ビスマスクラスターのダブルチャージイオン(Bi3++)
1次イオン加速電圧: 30 kV
質量範囲(m/z ):0~1500
測定範囲: 100μm×100μm
スキャン数: 16 scan/cycle
ピクセル数(1辺): 256 pixel
エッチングイオン:Ar ガスクラスターイオンビーム(Ar-GCIB)
エッチングイオン加速電圧: 5.0 kV
無延伸のポリプロピレンフィルム(厚み80μm)の代わりに、無延伸のラポリプロピレンフィルム(厚み40μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(5μm)/接着剤(1μm)/2軸延伸ナイロンフィルム(20μm)/接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(2μm)/無延伸ポリプロピレンフィルム(40μm)がこの順に積層された電池用包装材料を得た。なお、電池用包装材料の成形性を高める観点から、無延伸ポリプロピレンフィルムの最内層側(バリア層とは反対側)の表面には、滑剤としてエルカ酸アミドを存在させた。電池用包装材料の層構成を表1に示す。なお、バリア層として使用したアルミニウム箔は、酸化セリウムとリン酸塩を含む耐酸性皮膜を備える。耐酸性皮膜の分析結果は、実施例1と同様であった。
基材層として、それぞれ、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)と2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)とがドライラミネート法により積層された積層フィルムを用意した。当該積層フィルムにおいて、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと2軸延伸ナイロンフィルムとの間は、ポリオールとイソシアネート系硬化剤を用いたポリウレタン系接着剤(硬化後の厚みが3μm)により接着されている。次に、2軸延伸ナイロンフィルム側の表面に、両面に化成処理を施すことにより耐酸性皮膜を備えたアルミニウム箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚み40μm)から構成されるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、バリア層上に接着剤層(厚み3μm)を形成した。次いで、バリア層上の接着剤層と、基材層の2軸延伸ナイロンフィルム側を積層した後、40℃で24時間のエージング処理を実施することにより、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤/2軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、バリア層として使用したアルミニウム箔は、酸化クロムとリン酸塩を含む耐酸性皮膜を備える。バリア層上の耐酸性皮膜の分析は、実施例1と同様、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて行った。その結果、耐酸性皮膜から、CrPO2 +、CrPO4 -などのCrとPとOからなる2次イオンが検出された。
基材層として、2軸延伸ナイロンフィルム(厚み25μm)を用意した。次に、2軸延伸ナイロンフィルム側の表面に、両面に化成処理を施すことにより耐酸性皮膜を備えたアルミニウム箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚み40μm)から構成されるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、バリア層上に接着剤層(厚み3μm)を形成した。次いで、バリア層上の接着剤層と、2軸延伸ナイロンフィルムを積層した後、40℃で24時間のエージング処理を実施することにより、2軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、バリア層として使用したアルミニウム箔は、酸化クロムとリン酸塩を含む耐酸性皮膜を備える。バリア層上の耐酸性皮膜の分析は、実施例1と同様、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて行った。その結果、耐酸性皮膜から、CrPO2 +、CrPO4 -などのCrとPとOからなる2次イオンが検出された。
基材層として、2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)を用意した。次に、2軸延伸ナイロンフィルム側の表面に、両面に化成処理を施すことにより耐酸性皮膜を備えたアルミニウム箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚み35μm)から構成されるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ポリウレタン系接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、バリア層上に接着剤層(厚み3μm)を形成した。次いで、バリア層上の接着剤層と、2軸延伸ナイロンフィルムを積層した後、40℃で24時間のエージング処理を実施することにより、2軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、バリア層として使用したアルミニウム箔は、酸化クロムとリン酸塩を含む耐酸性皮膜を備える。バリア層上の耐酸性皮膜の分析は、実施例1と同様、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて行った。その結果、耐酸性皮膜から、CrPO2 +、CrPO4 -などのCrとPとOからなる2次イオンが検出された。
基材層として、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み9μm)を用意した。次に、基材層の一方側の表面に、両面に化成処理を施すことにより耐酸性皮膜を備えたステンレス鋼箔(オーステナイト系ステンレス鋼箔、厚み20μm)から構成される金属箔をドライラミネート法により積層させた。具体的には、基材層の一方面に、2液型ポリウレタン系接着剤(樹脂はポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物であり、カーボンブラックを10質量%となるように配合)を塗布し、基材層上に接着剤層(厚み3μm)を形成した。次いで、基材層上の接着剤層と、耐酸性皮膜を備えたステンレス鋼箔の一方面とを積層した後、40℃で24時間のエージング処理を実施することにより、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、バリア層として使用したステンレス鋼箔は、酸化クロムとリン酸塩を含む耐酸性皮膜を備える。バリア層上の耐酸性皮膜の分析は、実施例1と同様、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて行った。その結果、耐酸性皮膜から、CrPO2 +、CrPO4 -などのCrとPとOからなる2次イオンが検出された。
比較例3においては、実施例3とは接着層のエージング条件を変更して電池用包装材料を作製した。具体的には、比較例3においては、実施例3における積層体の前記エージング条件「80℃の温度環境で24時間エージングし、最後に190℃で2分間加熱」の代わりに、「60℃の温度環境で12時間エージングし、さらに80℃の温度環境で72時間エージングし、最後に190℃で2分間加熱」としたこと以外は、実施例3と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/接着剤(3μm)/2軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(3μm)/無延伸ポリプロピレンフィルム(80μm)がこの順に積層された電池用包装材料を得た。なお、比較例3においても、実施例3と同じく、電池用包装材料の成形性を高める観点から、無延伸ポリプロピレンフィルムの最内層側(バリア層とは反対側)の表面には、滑剤としてエルカ酸アミドを存在させた。電池用包装材料の層構成を表1に示す。
各電池用包装材料の断面の接着層表面にプローブを設置(プローブの先端半径は30nm以下、プローブのディフレクション(Deflection)の設定値は-4V)し、プローブを40℃から所定温度(図6~図11のグラフに示されるプロットの右端の温度)まで加熱(昇温速度5℃/分)して、プローブの変位量を測定した。測定条件の詳細は以下の通りである。熱機械分析の装置としては、ANASIS INSTRUMENTS社製のafm plusシステムを用い、プローブとしてはカンチレバーThermaLever AN2-200(ばね定数0.5~3N/m)を用いた。キャリブレーションには、付属の試料3種(ポリカプロラクタム(融点55℃)、ポリエチレン(融点116℃)、ポリエチレンテレフタレート(融点235℃))を用い、印加電圧0.1~10V、速度0.2V/秒、ディフレクション(Deflection)の設定値は-4Vとした。加熱温度とプローブの位置の変位(Deflection(V))との関係を示すグラフをそれぞれ、図6(実施例1)、図7(実施例2)、図8(実施例3)、図9(実施例4)、図10(比較例1)、図11(比較例2)に示す。図6~9に示すように、実施例1~4で得られた電池用包装材料では、プローブの変位量を測定する熱機械分析において、プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、130℃以下の温度でプローブの位置が初期値よりも低下していることが分かる。さらに、実施例1~4では、プローブの位置が最高点になる温度が、100℃以下であることが分かる。一方、図10,11に示すように、比較例1、2で得られた電池用包装材料では、プローブの変位量を測定する熱機械分析において、プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、プローブの位置が初期値よりも低下していないことが分かる。なお、位置の変位(Deflection(V))はプローブ先端の位置(反り)を表しており、値が大きいほどプローブ先端が上にある(プローブが上向きに反っている)状態を意味している。プローブの変位量測定は、電池用包装材料について、TD及び厚み方向に沿った断面を作製し、断面の5箇所について測定し(図19を参照)、平均値を採用した。また、キャリブレーションについても、5回行い、平均値を採用した。
各電池用包装材料の密封性の評価は、JIS C 8714:2007の規定に準拠した方法により行うことができる。図12に示されるように、各電池用包装材料を80mm(MD)×160mm(TD)に裁断した(図12a)。次に、熱融着性樹脂層側から、TDの中央から片側の位置に31.6mm(MD)×54.5mm(TD)の口径の成型金型(雌型)とこれに対応した成型金型(雄型)にて、押え圧0.1MPaで3.0mmの深さに冷間成型し、その中心部分に凹部Mを形成した(図12a)。また、雄型及び雌型のクリアランスは、0.3mmとした。次に、凹部Mが内側になるようにして、成型後の電池用包装材料を折り目P(TDの中間)の位置でTDに2つ折りにした(図12b)。次に、熱融着性樹脂層同士が重なり合っている部分をMDに沿って2箇所ヒートシール(190℃、3秒、面圧1.0MPa、7mm幅)した(図12c)。図12cにおいて、斜線部Sがヒートシールされている部分である。次に、ヒートシールされていない開口部Eから、ダミーセルとしてアルミニウム板AL(30mm×52mm、厚さ3mm)、水0.5gを封入した(図12d)。次に、開口部をヒートシール(190℃、3秒、面圧1.0MPa、7mm幅)して、ダミーセルと水を密封した(図12e)。次に、ヒートシールした部分を幅3mmとなるように(図12eの二点鎖線の位置)カットして、内部空間(圧力1atm)を有するケース状にした試験用電池12を作製した(図12f)。次に、図13に示されるようにして、試験用電池を2枚のステンレス鋼板20で挟み、固定用スペーサー21で固定した。このとき、2枚のステンレス鋼板の間隔Wは、7.0mmとした。次に、この状態で、試験用電池12を減圧可能なオーブンに入れて、オーブン内の圧力が0atmになるように設定し、3℃/分の昇温速度で120℃になるまで昇温し、開封した際の温度を確認した。結果を表2に示す。なお、当該JISの規定では、オーブン温度を基準としているが、本実施例では、より詳細に密封性を評価するために、サンプルの温度を基準とした。また、真空引きを行ったのは、実際の電池の内部ではガスが発生して内圧が上昇することを想定したためである。さらに、ステンレス鋼板と固定用スペーサー21を用いているのは、電池は、通常、ケースなどで固定されているからであり、電池が膨張して膨らみすぎるのを抑えるためである。
JIS K7127:1999の規定に準拠して、それぞれ、25℃環境、80℃環境、100℃環境、及び120℃環境の各測定温度における電池用包装材料のシール強度を次のようにして測定した。試験片として、TDの幅が15mmの短冊状に裁断した電池用包装材料を準備した。具体的には、図14に示すように、まず、各電池用包装材料を60mm(TD)×200mm(MD)に裁断した(図14a)。次に、熱融着性樹脂層同士が対向するようにして、電池用包装材料を折り目P(MDの中間)の位置でMDに2つ折りにした(図14b)。折り目Pから10mm程度MDに内側において、シール幅7mm、温度190℃、面圧1.0MPa、3秒間の条件で熱融着性樹脂層同士をヒートシールした(図14c)。図14cにおいて、斜線部Sがヒートシールされている部分である。次に、TDの幅が15mmとなるようにして、MDに裁断(図14dの二点鎖線の位置で裁断)して試験片を得た(図14e)。次に、試験片13を各測定温度(25℃、80℃、100℃、120℃)で2分間放置し、各測定温度(25℃、80℃、100℃、120℃)の環境において、引張り試験機(島津製作所製、AG-Xplus(商品名))で熱融着部の熱融着性樹脂層を300mm/分の速度で15mm剥離させた(図15)。剥離時の最大強度をシール強度(N/15mm)とした。チャック間距離は、50mmである。結果を表2に示す。なお、シール強度の測定においては、図15に示されるヒートシール界面Aで試験片13が剥離(破壊)される場合と、ヒートシール界面Aとは異なる部分(例えば、図15のBの位置)で試験片13が破断する場合とがある。試験片13が破断した場合には、破断強度をシール強度として表2に記載した(表2の*が付された数値は、破断強度である)。なお、シール強度は、3回測定した平均値である。
2 接着剤層
3 バリア層
4 接着層
4a プローブの設置位置
5 熱融着性樹脂層
6 表面被覆層
10 電池用包装材料
11 プローブ
12 試験用電池
12a 縁部
20 固定用スペーサー
21 ステンレス鋼板
Claims (26)
- 少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
前記熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンフィルムにより形成されており、
プローブの変位量を測定する熱機械分析において、前記積層体の断面の前記接着層表面に前記プローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、前記プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、前記プローブの位置が初期値よりも低下する温度が、130℃以下である、電池用包装材料(但し、金属箔と、熱融着性フィルムと、前記金属箔と前記熱融着性フィルムとを接合する接着剤層とを、少なくとも具備し、前記接着剤層は、カルボキシル基を有する非結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)と、多官能イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を有さない3級アミン(C)を含有し、前記のカルボキシル基の合計1モルに対して、イソシアネート基の量が0.3~10モルとなる範囲で多官能イソシアネート化合物(B)を含有し、前記のカルボキシル基の合計1モルに対して、3級アミン(C)を1~10モルとなる範囲で含有する、接着剤組成物から形成されたものである、非水電解質二次電池容器用積層体を除く。)。 - 少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
前記熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンフィルムにより形成されており、
プローブの変位量を測定する熱機械分析において、前記積層体の断面の前記接着層表面に前記プローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、前記プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、前記プローブの位置が最高点になる温度が、100℃以下である、電池用包装材料(但し、金属箔と、熱融着性フィルムと、前記金属箔と前記熱融着性フィルムとを接合する接着剤層とを、少なくとも具備し、前記接着剤層は、カルボキシル基を有する非結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)と、多官能イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を有さない3級アミン(C)を含有し、前記のカルボキシル基の合計1モルに対して、イソシアネート基の量が0.3~10モルとなる範囲で多官能イソシアネート化合物(B)を含有し、前記のカルボキシル基の合計1モルに対して、3級アミン(C)を1~10モルとなる範囲で含有する、接着剤組成物から形成されたものである、非水電解質二次電池容器用積層体を除く。)。 - 前記電池用包装材料の前記熱融着性樹脂層同士を熱融着させた部分の120℃環境におけるシール強度が、25℃環境におけるシール強度の1/8以下である、請求項1または2に記載の電池用包装材料。
- 前記電池用包装材料の前記熱融着性樹脂層同士を熱融着させた部分の120℃環境におけるシール強度が、20N/15mm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記基材層は、ポリエステルフィルム層及びポリアミドフィルム層の少なくとも一方を備えている、請求項1~4のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記基材層は、少なくとも、ポリエステルフィルム層及びポリアミドフィルム層を備えている、請求項1~4のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記ポリエステルフィルム層の厚みと、前記ポリアミドフィルム層の厚みの比が、1:1から1:5の範囲にある、請求項6に記載の電池用包装材料。
- 前記基材層において、前記バリア層側から順に、前記ポリアミドフィルム層及び前記ポリエステルフィルム層を備える、請求項6または7に記載の電池用包装材料。
- 前記ポリエステルフィルム層と前記ポリアミドフィルム層との間に、ポリエステル及びポリオレフィンの少なくとも一方を含む層を備える、請求項6~8のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記基材層は、ポリエステルフィルム層のみから構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記基材層は、少なくとも、ポリエステルフィルム層を備えており、
前記ポリエステルフィルム層は、厚みが10μm以上50μm以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の電池用包装材料。 - 前記接着層を構成している樹脂が、ポリオレフィン骨格を含んでいる、請求項1~11のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記接着層が、酸変性ポリオレフィンを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記接着層の前記酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸変性ポリプロピレンであり、
前記熱融着性樹脂層が、ポリプロピレンを含む、請求項13に記載の電池用包装材料。 - 前記接着層が、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物の硬化物である、請求項1~14のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記接着層が、酸素原子、複素環、C=N結合、及びC-O-C結合からなる群より選択される少なくとも1種を有する硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である、請求項1~14のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記接着層が、ウレタン樹脂、エステル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記接着層の厚みが、5μm以下である、請求項1~17のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記接着層の厚みが、10μm以上40μm以下である、請求項1~17のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記バリア層の表面に、耐酸性皮膜を備えており、
前記耐酸性皮膜について、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて分析した場合に、Ce2PO4 +、CePO4 -、CrPO2 +、及びCrPO4 -からなる群より選択される少なくとも1種に由来するピークが検出される、請求項1~19のいずれか1項に記載の電池用包装材料。 - 前記バリア層の表面に、リン化合物、クロム化合物、フッ化物、及びトリアジンチオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む耐酸性皮膜を備えている、請求項1~19のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記バリア層の表面に、セリウム化合物を含む耐酸性皮膜を備えている、請求項1~19のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 前記熱融着性樹脂層が、2層以上により構成されている、請求項1~22のいずれか1項に記載の電池用包装材料。
- 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1~23のいずれか1項に記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
- 少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、
前記熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンフィルムにより形成されており、
前記接着層として、プローブの変位量を測定する熱機械分析において、前記積層体の断面の前記接着層表面に前記プローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、前記プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、前記プローブの位置が初期値よりも低下する温度が、130℃以下となるものを用いる、電池用包装材料(但し、金属箔と、熱融着性フィルムと、前記金属箔と前記熱融着性フィルムとを接合する接着剤層とを、少なくとも具備し、前記接着剤層は、カルボキシル基を有する非結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)と、多官能イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を有さない3級アミン(C)を含有し、前記のカルボキシル基の合計1モルに対して、イソシアネート基の量が0.3~10モルとなる範囲で多官能イソシアネート化合物(B)を含有し、前記のカルボキシル基の合計1モルに対して、3級アミン(C)を1~10モルとなる範囲で含有する、接着剤組成物から形成されたものである、非水電解質二次電池容器用積層体を除く。)の製造方法。 - 少なくとも、基材層、バリア層、接着層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、
前記熱融着性樹脂層は、ポリプロピレンフィルムにより形成されており、
前記接着層として、プローブの変位量を測定する熱機械分析において、前記積層体の断面の前記接着層表面に前記プローブを設置し、測定開始時の前記プローブのディフレクションの設定値は-4V、昇温速度5℃/分の条件で、前記プローブを40℃から220℃まで加熱した際に、前記プローブの位置が最高点になる温度が、100℃以下となるものを用いる、電池用包装材料(但し、金属箔と、熱融着性フィルムと、前記金属箔と前記熱融着性フィルムとを接合する接着剤層とを、少なくとも具備し、前記接着剤層は、カルボキシル基を有する非結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)と、多官能イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を有さない3級アミン(C)を含有し、前記のカルボキシル基の合計1モルに対して、イソシアネート基の量が0.3~10モルとなる範囲で多官能イソシアネート化合物(B)を含有し、前記のカルボキシル基の合計1モルに対して、3級アミン(C)を1~10モルとなる範囲で含有する、接着剤組成物から形成されたものである、非水電解質二次電池容器用積層体を除く。)の製造方法。
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