JP7221076B2 - レーザー加工装置の設定方法、レーザー加工方法、レーザー加工装置、薄化システム、および基板処理方法 - Google Patents

レーザー加工装置の設定方法、レーザー加工方法、レーザー加工装置、薄化システム、および基板処理方法 Download PDF

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本開示は、レーザー加工装置の設定方法、レーザー加工方法、レーザー加工装置、薄化システム、および基板処理方法に関する。
特許文献1に記載の積層ウェハの加工方法は、積層ウェハ形成ステップと、改質面形成ステップと、分離ステップとを有する。積層ウェハ形成ステップは、第1ウェハと第2ウェハとを積層することにより、積層ウェハを形成する。改質面形成ステップは、第1ウェハの内部にレーザー光線の集光点を形成することにより、第1ウェハの内部に改質面を形成する。分離ステップは、改質面を境界に第1ウェハの一部を積層ウェハから分離する。
特開2015-032690号公報
本開示の一態様は、改質層を形成するレーザー光線によってデバイス層が劣化するのを抑制できる、技術を提供する。
本開示の一態様に係るレーザー加工装置の設定方法は、
下地基板の主表面に形成されるデバイス層とは反対側から、前記下地基板の内部にレーザー光線を集光照射することにより、前記下地基板の内部に改質層を形成するレーザー加工装置の設定方法であって、
試験基板の主表面に形成されるダメージ確認層とは反対側から、前記試験基板の内部に前記レーザー光線を集光照射することにより、前記試験基板の内部に改質層を形成する工程と、
前記改質層の形成によって前記ダメージ確認層に生じるダメージの有無と、前記レーザー光線の集光点と前記試験基板の前記主表面との間隔との関係を検査する工程と、
前記ダメージの有無と前記間隔との関係に基づいて、前記下地基板の内部に前記改質層を形成する時の前記間隔の下限値を設定する工程とを有し、
前記下地基板の内部に形成した前記改質層を起点に分割して薄化した前記下地基板の研削後の目標厚さよりも前記下限値が大きいことを条件として、前記下地基板の内部に前記改質層を形成する時の前記間隔を前記下限値に設定する工程を有する
本開示の一態様によれば、改質層を形成するレーザー光線によってデバイス層が劣化するのを抑制できる。
図1は、一実施形態に係る薄化システムを示す平面図である。 図2は、一実施形態に係る下地基板、デバイス層、および支持基板を示す側面図である。 図3は、一実施形態に係るレーザー加工装置を示す断面図である。 図4は、一実施形態に係る下地基板の第2分割予定面および第3分割予定面を示す平面図である。 図5は、一実施形態に係るベベル除去装置を示す断面図である。 図6は、一実施形態に係るベベル除去装置を示す平面図である。 図7は、一実施形態に係る第1撮像部の画像を示す図である。 図8は、一実施形態に係る第2撮像部の画像を示す図である。 図9は、一実施形態に係る搬入出位置に位置するチャックと搬送ロボットとを示す断面図である。 図10は、一実施形態に係る研削位置に位置するチャックと加工ユニットとを示す断面図である。 図11は、一実施形態に係る薄化方法を示すフローチャートである。 図12は、一実施形態に係るレーザー加工装置と試験基板とを示す断面図である。 図13は、一実施形態に係る検査装置と試験基板とを示す断面図である。 図14は、一実施形態に係る検査装置の撮像部の画像を示す図である。 図15は、一実施形態に係る下限値の設定方法を示すフローチャートである。 図16は、変形例に係る第1改質層および第2改質層の位置を示す断面図である。 図17は、変形例に係るベベルの除去および薄化を示す断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。本明細書において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向およびY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。
図1は、一実施形態に係る薄化システムを示す平面図である。薄化システム1は、下地基板100を薄化する。また、薄化システム1は、下地基板100を薄化する前に、下地基板100のベベル104を除去する。ベベル104とは、面取り加工が施された部分である。ベベル104は、図2ではR面取り加工が施された部分であるが、C面取り加工が施された部分であってもよい。
下地基板100は、例えばシリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体基板である。下地基板100の片面には、図2に示すようにデバイス層110が予め形成される。デバイス層110は、電子回路である。以下、下地基板100のデバイス層110が形成される主表面を、第1主表面101とも呼ぶ。また、第1主表面101とは反対側の主表面を、第2主表面102とも呼ぶ。
図2は、一実施形態に係る下地基板、デバイス層、および支持基板を示す側面図である。デバイス層110の、下地基板100と反対側の表面には、酸化層120が形成される。酸化層120は、下地基板100のベベル104を円滑に除去すべく、下地基板100の直径よりも小さく形成される。酸化層120は、例えば酸化シリコン層である。酸化シリコン層は、例えばオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)で形成される。
支持基板130は、下地基板100と同様に、シリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体基板である。支持基板130は、デバイス層110を介して下地基板100と貼合される。支持基板130は、下地基板100の加工中に下地基板100およびデバイス層110を補強するので、下地基板100およびデバイス層110の破損を抑制できる。
支持基板130の、デバイス層110に対向する表面には、酸化層140が形成される。酸化層140は、酸化層120と同様に形成される。なお、酸化層140と支持基板130との間には、不図示のデバイス層が形成されてもよい。
重合基板150は、下地基板100と、デバイス層110と、2つの酸化層120、140と、支持基板130とを有する。2つの酸化層120、140は、加熱処理によって結合される。なお、重合基板150は、2つの酸化層120、140のうちの1つのみを有してもよい。
薄化システム1は、下地基板100を薄化する。また、薄化システム1は、下地基板100を薄化する前に、下地基板100のベベル104を除去する。薄化システム1は、図1に示すように、搬入出ステーション2と、第1処理ステーション3と、第2処理ステーション6と、制御装置9とを備える。搬入出ステーション2と、第1処理ステーション3と、第2処理ステーション6とは、この順で、X軸方向負側からX軸方向正側に配置される。
搬入出ステーション2は、複数の載置部21を備える。複数の載置部21は、Y軸方向に一列に配置される。複数の載置部21には、複数のカセットCS1~CS3が載置される。カセットCS1は、処理前の重合基板150を鉛直方向に間隔をおいて複数収容する。カセットCS2は、処理後の重合基板150を鉛直方向に間隔をおいて複数収容する。カセットCS3は処理の途中で異常の生じた重合基板150を鉛直方向に間隔をおいて複数収容する。なお、載置部21の数は特に限定されない。同様に、カセットCS1~CS3の数も特に限定されない。
また、搬入出ステーション2は、搬送部23を備える。搬送部23は、複数の載置部21の隣に配置され、例えばこれらのX軸方向正側に配置される。また、搬送部23は、受渡部26の隣に配置され、例えば受渡部26のX軸方向負側に配置される。搬送部23は、搬送装置24を内部に備える。
搬送装置24は、重合基板150を保持する保持機構を備える。保持機構は、水平方向(X軸方向およびY軸方向の両方向)および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。搬送装置24は、複数の載置部21に載置された複数のカセットCS1~CS3と、受渡部26との間で、重合基板150を搬送する。
また、搬入出ステーション2は、受渡部26を備える。受渡部26は、搬送部23の隣に配置され、例えば搬送部23のX軸方向正側に配置される。また、受渡部26は、第1処理ステーション3の隣に配置され、例えば、第1処理ステーション3のX軸方向負側に配置される。受渡部26は、トランジション装置27を有する。トランジション装置27は、重合基板150を一時的に収容する。複数のトランジション装置27が鉛直方向に積み重ねられてもよい。トランジション装置27の配置や個数は、特に限定されない。
第1処理ステーション3は、処理ブロック4を備える。処理ブロック4は、洗浄装置41と、エッチング装置42とを有する。洗浄装置41は、下地基板100の研削された第2主表面102を洗浄する。研削で付着した付着物を除去できる。エッチング装置42は、下地基板100の研削された第2主表面102をエッチングする。研削で生じたダメージ層を除去できる。なお、処理ブロック4を構成する各種装置の配置や個数は、図1に示す配置や個数に限定されない。
第1処理ステーション3は、図1に示すように搬送部5を備える。搬送部5は、搬入出ステーション2のトランジション装置27の隣に配置され、例えばトランジション装置27のX軸方向正側に配置される。また、搬送部5は、処理ブロック4の隣に配置され、例えば処理ブロック4のY軸方向正側に配置される。さらに、搬送部5は、第2処理ステーション6の隣に配置され、例えば第2処理ステーション6のX軸方向負側に配置される。搬送部5は、搬送装置51を内部に備える。
搬送装置51は、重合基板150を保持する保持機構を備える。保持機構は、水平方向(X軸方向およびY軸方向の両方向)および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。搬送装置51は、重合基板150を、搬入出ステーション2のトランジション装置27、第1処理ステーション3の処理ブロック4、および第2処理ステーション6のトランジション装置61に対して搬送する。
第2処理ステーション6は、トランジション装置61と、レーザー加工装置62と、ベベル除去装置63と、研削装置64と、搬送ロボット65とを有する。トランジション装置61とレーザー加工装置62とベベル除去装置63とは、鉛直方向に積み重ねられる。なお、第2処理ステーション6における各種装置の配置や個数は、図1に示す配置や個数に限定されない。
図3は、一実施形態に係るレーザー加工装置を示す断面図である。図4は、一実施形態に係る下地基板の第2分割予定面および第3分割予定面を示す平面図である。
レーザー加工装置62は、デバイス層110とは反対側(例えば上側)から下地基板100の内部にレーザー光線LBを集光照射することにより、下地基板100の内部に改質層を形成する。レーザー光線LBは、パルス発振され、集光点Pの位置に、改質層を形成する。
下地基板100が単結晶シリコンである場合、レーザー光線LBとして赤外線が用いられる。赤外線は単結晶シリコンに対して高い透過性を有し、赤外線の集光点Pの位置に改質層としてアモルファスシリコン層が形成される。改質層は、下地基板100の分割の起点になる。下地基板100の分割は、応力の印加によって行われる。
レーザー加工装置62は、下地基板100を板厚方向に分割する第1分割予定面D1に、第1改質層M1を形成する。第1分割予定面D1は、下地基板100の第1主表面101および第2主表面102に対して平行な平坦面である。第1改質層M1は、第1分割予定面D1の面内に分散して複数形成される。第1改質層M1の形成時に、第1改質層M1同士をつなぐ第1クラックC1が生じる。
レーザー加工装置62は、下地基板100を径方向に分割する第2分割予定面D2に、第2改質層M2を形成する。第2分割予定面D2は、下地基板100の外周面103と同心円状の円周面である。第2改質層M2は、下地基板100の周方向および板厚方向に間隔をおいて複数形成される。第2改質層M2の形成時に、第2改質層M2同士をつなぐ第2クラックC2が生じる。
第2分割予定面D2は、下地基板100のベベル104よりも径方向内側に配置される。第2分割予定面D2よりも径方向外側の部分105を除去することにより、ベベル104を除去できる。ベベル104を除去したうえで研削を行うことができ、いわゆるナイフエッジ106の発生を防止できる。上記部分105を、以下、周縁部105とも呼ぶ。
レーザー加工装置62は、第2分割予定面D2から下地基板100の外周面103まで放射状に延びる複数の第3分割予定面D3に、第3改質層M3を形成する。第3改質層M3は、下地基板100の径方向および板厚方向に間隔をおいて複数形成される。第3改質層M3の形成時に、第3改質層M3同士をつなぐ第3クラックC3が生じる。
第3分割予定面D3の数は、図4では8つであるが、2つ以上であればよい。第3分割予定面D3の数が2つ以上であれば、リング状の周縁部105を、周方向に分割して除去できる。
レーザー加工装置62は、チャック210と、レーザーヘッド220と、昇降機構230とを有する。チャック210は、支持基板130およびデバイス層110を介して下地基板100を保持する。例えば、チャック210は、下地基板100の第2主表面102を上に向けて、下地基板100を下方から水平に保持する。チャック210は、鉛直な回転軸211の周りに回転する。また、チャック210は、X軸方向に延びるガイドレール212に沿って移動する。チャック210の回転および移動によって、集光点Pの位置を下地基板100の周方向および径方向に移動できる。
なお、チャック210は、回転軸211の周りに回転する代わりに、Y軸方向に移動してもよい。この場合も、集光点Pの位置を下地基板100の周方向および径方向に移動できる。また、チャック210は、Z軸方向にも移動してもよい。この場合、集光点Pの位置を下地基板100の板厚方向にも移動できる。
レーザーヘッド220は、集光レンズ221を有する。集光レンズ221は、下地基板100を基準としてデバイス層110とは反対側(例えば上側)から、下地基板100の内部にレーザー光線LBを集光照射することにより、下地基板100の内部に第1改質層M1、第2改質層M2、第3改質層M3を形成する。第1改質層M1、第2改質層M2、第3改質層M3は、集光点Pの位置に形成される。
第1改質層M1を形成する時の集光点Pと、下地基板100の第1主表面101との間隔I1は、後述の方法で設定される下限値Imin以上に設定される。これにより、後述するように、第1改質層M1の形成時に、レーザー光線LBがデバイス層110にダメージを与えるのを防止できる。
なお、第2改質層M2および第3改質層M3の形成時に、レーザー光線LBはデバイス層110に当たらないので、デバイス層110にダメージを与えない。従って、第2改質層M2を形成する時の集光点Pと、下地基板100の第1主表面101との間隔I2は、下限値Imin以上でもよいし、下限値Imin未満でもよい。また、第3改質層M3を形成する時の集光点Pと、下地基板100の第1主表面101との間隔I3は、下限値Imin以上でもよいし、下限値Imin未満でもよい。
レーザーヘッド220は、空間光変調器222を有する。空間光変調器222は、レーザー光線LBを変調して出力する。空間光変調器222は、例えばLCOS(Liquid Crystal on Silicon)である。LCOSは、集光点Pと下地基板100の第1主表面101との間隔I1、I2、I3、およびレーザー光線LBの位相を調節できる。また、LCOSは、下地基板100の第2主表面102に形成される、レーザー光線LBのスポット形状やスポット数を調節できる。
昇降機構230は、レーザーヘッド220を昇降させる。これにより、集光点Pと下地基板100の第1主表面101との間隔I1、I2、I3を調節できる。なお、昇降機構230は、間隔I1、I2、I3を調節すべく、チャック210を昇降してもよい。本実施形態では、間隔I1、I2、I3を調節する間隔調節部として、空間光変調器222および昇降機構230が用いられる。
図5は、一実施形態に係るベベル除去装置を示す断面図である。図6は、一実施形態に係るベベル除去装置を示す平面図である。図7は、一実施形態に係る第1撮像部の画像を示す図である。図7において、二点鎖線はベベル104を除去する前の状態を示し、実線はベベル除去後の状態を示す。図8は、一実施形態に係る第2撮像部で撮像される画像を示す図である。図7および図8において、θ方向は下地基板100の周方向である。
ベベル除去装置63は、第2分割予定面D2および第3分割予定面D3で下地基板100を分割することにより、下地基板100の周縁部105を除去し、下地基板100を径方向に縮小する。ベベル除去装置63は、チャック310と、応力印加部320と、第1撮像部330と、第2撮像部340と、画像処理部350とを有する。
チャック310は、デバイス層110を介して下地基板100を保持する。デバイス層110とチャック310との間には、支持基板130が配置される。チャック310は、下地基板100の第2主表面102を上に向けて、下地基板100を下方から水平に保持する。
チャック310は、鉛直な回転軸311の周りに回転する。また、チャック310は、X軸方向に延びるガイドレール312に沿って移動する。なお、チャック310は、X軸方向のみならず、Y軸方向およびZ軸方向にも移動してもよい。
応力印加部320は、下地基板100に応力を印加することにより、第2改質層M2および第3改質層M3を起点に第2クラックC2および第3クラックC3を面状に広げる。これにより、隣り合う第2クラックC2同士および隣り合う第3クラックC3同士がつながり、第2分割予定面D2および第3分割予定面D3で下地基板100が分割され、下地基板100が径方向に縮小する。
応力印加部320は、例えば、くさびローラ321を有する。くさびローラ321は、下地基板100と支持基板130との間の隙間に挿入されることにより、下地基板100に応力を印加する。くさびローラ321は、鉛直な回転軸322を中心に回転自在とされ、重合基板150の回転に伴って受動的に回転する。くさびローラ321は、回転軸322から径方向外方に向うほど先細り状に形成される。
なお、応力印加部320の構成は特に限定されない。例えば、応力印加部320は、下地基板100の第2主表面102に貼り付けられたエキスパンドテープを放射状に引き伸ばすことにより、下地基板100に応力を印加するものであってもよい。
第1撮像部330は、下地基板100の第2分割予定面D2を、下地基板100の板厚方向(例えば上方)から撮像する。このとき、チャック310が回転することで、第1撮像部330は第2分割予定面D2の周方向全体を撮像できる。第1撮像部330として、例えばCCDまたはCMOSが用いられる。第1撮像部330は、撮像した画像データを画像処理部350に送信する。
第2撮像部340は、下地基板100の第2分割予定面D2を、下地基板100の径方向外方から撮像する。このとき、チャック310が回転することで、第2撮像部340は第2分割予定面D2の周方向全体を撮像できる。第2撮像部340として、例えばCCDまたはCMOSが用いられる。第2撮像部340は、撮像した画像データを画像処理部350に送信する。
画像処理部350は、コンピュータなどで構成される。画像処理部350は、制御装置9の外部に設けられるが、制御装置9の一部として設けられてもよい。画像処理部350は、第1撮像部330によって撮像した画像データを画像処理する。同様に、画像処理部350は、第2撮像部340によって撮像した画像データを画像処理する。
画像処理部350は、第1撮像部330および第2撮像部340のうちの少なくとも1つで撮像した画像データを画像処理することにより、下地基板100の周縁部105を除去できたか否かを検出する。周縁部105を完全に除去した後で、第1分割予定面D1で下地基板100を分割できる。
画像処理部350は、第2撮像部340で撮像した画像データを画像処理することにより、第1分割予定面D1の第1クラックC1が第2分割予定面D2に達しているか否かを検出する。第2分割予定面D2に第1クラックC1が達していない場合、第1分割予定面D1で分割する起点が第2分割予定面D2に無い。この場合、重合基板150は、下地基板100を第1分割予定面D1で分割する前に、第1クラックC1を面状に広げる応力印加装置(不図示)に送られる。第1クラックC1が第2分割予定面D2に達するので、第1分割予定面D1での分割に要する力を低減でき、チッピングなどを抑制できる。
画像処理部350は、第2撮像部340で撮像した画像データを画像処理することにより、第2分割予定面D2の周方向全体に亘って第1クラックC1が連続的に形成されているか否かも検出する。第1クラックC1が途中で途切れている場合、第1分割予定面D1で分割する起点が途中で途切れている。この場合、重合基板150は、下地基板100を第1分割予定面D1で分割する前に、第1クラックC1を面状に広げる応力印加装置(不図示)に搬送される。第2分割予定面D2の周方向全体に亘って第1クラックC1が連続的に形成されるので、第1分割予定面D1での分割に要する力を低減でき、チッピングなどを抑制できる。
画像処理部350は、第2撮像部340で撮像した画像データを画像処理することにより、第2改質層M2と第1主表面101との間隔を検出できる。第2改質層M2を形成する時の集光点Pと第2改質層M2とのずれの有無を確認でき、集光点Pと第1主表面101との間隔I2を補正できる。なお、間隔I2だけではなく、間隔I1、I3の補正も可能である。補正前後の間隔I2の差と、補正前後の間隔I1の差と、補正前後の間隔I3の差とは同じであってよい。
なお、画像処理部350は、第1撮像部330によって撮像した画像データと、第2撮像部340によって撮像した画像データとを合成してもよい。合成した画像データは、画像表示装置によって表示される。
研削装置64は、下地基板100を研削する。研削装置64は、例えば、図1に示すように、回転テーブル410と、2つのチャック420と、加工ユニット430とを有する。なお、チャック420の数や配置は、特に限定されない。また、加工ユニット430の数や配置も、特に限定されない。
回転テーブル410は、回転中心線410Zを中心に回転させられる。回転テーブル410の回転中心線410Zは、例えば鉛直に配置される。回転テーブル410の回転中心線410Zの周りには、2つのチャック420が等間隔で配置される。
2つのチャック420は、回転テーブル410の回転中心線410Zを挟んで配置される。2つのチャック420は、回転テーブル410と共に回転し、搬入出位置A0と、研削位置A1とに交互に移動する。
搬入出位置A0は、重合基板150の搬入が行われる搬入位置と、重合基板150の搬出が行われる搬出位置とを兼ねる。重合基板150の搬入および重合基板150の搬出は、搬送ロボット65によって実行される。
図9は、一実施形態に係る搬入出位置に位置するチャックと搬送ロボットとを示す断面図である。図9に示すように、チャック420は、下地基板100の第2主表面102を上に向けて、下地基板100を下方から水平に保持する。チャック420は、デバイス層110を介して下地基板100を保持する。デバイス層110とチャック420との間には、支持基板130が配置される。
搬送ロボット65は、特に限定されないが、例えば、図1に示すように、複数のアームを有する多関節ロボットである。搬送ロボット65は、トランジション装置61、レーザー加工装置62、ベベル除去装置63、および研削装置64に対し、重合基板150を搬送する。搬送ロボット65は、吸着パッド510を有する。
吸着パッド510は、図9に示すように、下地基板100の直径よりも大きい直径の円形の吸着面を有し、その吸着面に下地基板100を吸着する。吸着パッド510は、下地基板100を、デバイス層110とは反対側から吸着する。吸着パッド510は、水平方向(X軸方向およびY軸方向の両方向)および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。
吸着パッド510が下地基板100を上方から吸着すると共にチャック420が下地基板100を下方から保持した状態で、吸着パッド510が上昇する。これにより、下地基板100に応力が印可され、第1クラックC1が面状に広がり、隣り合う第1クラックC1同士がつながるので、第1分割予定面D1で下地基板100が分割され、下地基板100が薄化される。
吸着パッド510は、第1分割予定面D1で下地基板100をねじ切るべく、鉛直な回転軸511を中心に回転しながら、上昇してもよい。なお、吸着パッド510の代わりに、チャック420が回転中心線420Zを中心に回転してもよい。また、吸着パッド510とチャック420とが反対向きに回転してもよい。
研削装置64と搬送ロボット65とは、薄化装置66を構成する。薄化装置66は、複数の第1改質層M1を起点に下地基板100を分割することにより、下地基板100を薄化する。薄化した下地基板100は、回転テーブル410と共に回転し、搬入出位置A0から研削位置A1に移動する。
薄化装置66は、研削装置64を含む。なお、研削装置64は、本実施形態では第1分割予定面D1での下地基板100の分割にも用いられるが、その分割には用いられなくてもよい。例えば、薄化装置66は、研削装置64とは別に、第1分割予定面D1での下地基板100の分割時に、下地基板100を保持するチャックを有してもよい。
図10は、一実施形態に係る研削位置に位置するチャックと加工ユニットとを示す図である。図10において、実線で示す第2主表面102は研削開始時の状態を示し、二点鎖線で示す第2主表面102は研削完了時の状態を示す。研削位置A1は、下地基板100の研削が行われる位置である。下地基板100の研削は、加工ユニット430によって実行される。加工ユニット430は、砥石431を有する。砥石431は、鉛直な回転軸432を中心に回転しながら、昇降する。
研削装置64は、チャック420の回転中心線420Zを中心に下地基板100を回転させると共に、回転軸432を中心に砥石431を回転させながら下降させることにより、下地基板100の第2主表面102を研削する。第1分割予定面D1での分割によって形成された凹凸を、平坦化できる。
制御装置9は、例えばコンピュータで構成され、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)91と、メモリなどの記憶媒体92とを備える。記憶媒体92には、薄化システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御装置9は、記憶媒体92に記憶されたプログラムをCPU91に実行させることにより、薄化システム1の動作を制御する。また、制御装置9は、入力インターフェース93と、出力インターフェース94とを備える。制御装置9は、入力インターフェース93で外部からの信号を受信し、出力インターフェース94で外部に信号を送信する。
かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されていたものであって、その記憶媒体から制御装置9の記憶媒体92にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、例えば、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどが挙げられる。なお、プログラムは、インターネットを介してサーバからダウンロードされ、制御装置9の記憶媒体92にインストールされてもよい。
図11は、一実施形態に係る薄化方法を示すフローチャートである。薄化方法は、工程S101~S108を有する。これらの工程S101~S108は、制御装置9による制御下で実施される。
先ず、搬送装置24が、載置部21に載置されたカセットCS1から重合基板150を取り出し、トランジション装置27に搬送する。続いて、搬送装置51が、トランジション装置27から重合基板150を受け取り、トランジション装置61に搬送する。続いて、搬送ロボット65が、トランジション装置61から重合基板150を受け取り、レーザー加工装置62に搬送する。
次いで、レーザー加工装置62が、デバイス層110とは反対側(例えば上側)から下地基板100の内部にレーザー光線LBを集光照射することにより、下地基板100の内部に第1改質層M1、第2改質層M2および第3改質層M3を形成する(工程S101)。その後、搬送ロボット65が、レーザー加工装置62から重合基板150を受け取り、ベベル除去装置63に搬送する。
次いで、ベベル除去装置63が、第2分割予定面D2および第3分割予定面D3で下地基板100を分割することにより、下地基板100のベベル104を除去する(工程S102)。ベベル104の除去によって、下地基板100は径方向に縮小する。径方向に縮小した下地基板100の外周面103は、第2分割予定面D2と一致する。
次いで、ベベル除去装置63が、下地基板100の外周面103を撮像する(工程S103)。続いて、ベベル除去装置63は、撮像した画像を画像処理する(工程S104)。画像処理によって、ベベル104の除去の完了を確認できる。また、画像処理によって、下地基板100の外周面103まで第1クラックC1が達しているか否を確認できる。その後、搬送ロボット65が、ベベル除去装置63から重合基板150を受け取り、研削装置64に搬送する。
次いで、研削装置64と搬送ロボット65とが、第1分割予定面D1で下地基板100を分割することにより、下地基板100を薄化する(工程S105)。薄化した下地基板100の第1主表面101には、デバイス層110が形成されている。また、薄化した下地基板100の第2主表面102には、第1クラックC1同士をつなげる時に生じた凹凸が形成されている。
次いで、研削装置64が、下地基板100を研削する(工程S106)。下地基板100の第2主表面102は、研削によって平坦化される。研削後の下地基板100の板厚T1は、下地基板100の用途などに応じて、所望の値に設定される。研削前後の下地基板100の板厚の変化量、つまり、研削代T2は、研削によって第1改質層M1が除去されるように設定される。T2は、研削によって第1改質層M1だけではなく第2改質層M2も除去されるように設定されてよい。T1とT2との和(T1+T2)はI1と等しく、I1はImin以上に設定される。下地基板100の研削後、搬送ロボット65が、研削装置64から重合基板150を受け取り、トランジション装置61に搬送する。続いて、搬送装置51が、トランジション装置61から重合基板150を受け取り、洗浄装置41に搬送する。
次いで、洗浄装置41が、下地基板100の研削された第2主表面102を洗浄する(工程S107)。洗浄方法は、例えばスクラブ洗浄である。第2主表面102を洗浄することにより、研削で付着した付着物を除去できる。その後、搬送装置51が、洗浄装置41から重合基板150を受け取り、エッチング装置42に搬送する。
次いで、エッチング装置42が、下地基板100の研削された第2主表面102をエッチングする(工程S108)。エッチング方法は、例えばウェットエッチングである。第2主表面102をエッチングすることにより、研削で生じたダメージ層を除去できる。
その後、搬送装置51が、エッチング装置42から重合基板150を受け取り、トランジション装置27に搬送する。続いて、搬送装置24が、トランジション装置27から重合基板150を受け取り、載置部21に載置されたカセットCS2に搬送する。その後、今回の処理が終了する。
ところで、レーザー加工装置62は、上記の通り、図3に示すようにデバイス層110とは反対側(例えば上側)から下地基板100の内部にレーザー光線LBを集光照射する。レーザー光線LBの一部は、集光点Pの位置で吸収され、第1改質層M1、第2改質層M2および第3改質層M3を形成する。レーザー光線LBの残りの一部は、下地基板100を透過し、デバイス層110に達する。
集光点Pと下地基板100の第1主表面101との間隔I1が大きいほど、第1主表面101におけるレーザー光線LBのスポット面積が大きく、単位面積当たりのエネルギーが低い。それゆえ、間隔I1が大きいほど、デバイス層110の温度上昇幅が小さく、デバイス層110の熱劣化を抑制できる。
そこで、レーザー加工装置62は、間隔I1を制御する制御部240を有する。制御部240は、間隔I1の他に、間隔I2、I3も制御する。制御部240は、コンピュータなどで構成される。制御部240は、本実施形態では制御装置9の外部に設けられるが、制御装置9の一部として設けられてもよい。
制御部240は、後述の設定方法で予め設定された下限値Imin以上に、間隔I1を制御する。制御部240は、間隔I1が下限値Imin未満である場合に、レーザー光線LBを下地基板100に照射することを禁止する。これにより、デバイス層110の温度上昇幅を小さくでき、デバイス層110の熱劣化を抑制できる。制御部240は、間隔I1が下限値Imin未満である場合に、アラームを報知してもよい。アラームの報知によって、ユーザに対して間隔I1の設定変更を促すことができる。
次に、図12~図15を参照して下限値Iminの設定方法について説明する。図12は、一実施形態に係るレーザー加工装置と試験基板とを示す断面図である。図13は、一実施形態に係る検査装置と試験基板とを示す断面図である。図14は、一実施形態に係る検査装置の撮像部の画像を示す図である。図15は、一実施形態に係る下限値の設定方法を示すフローチャートである。設定方法は、工程S201~S203を有する。
先ず、レーザー加工装置62が、ダメージ確認層170とは反対側(例えば上側)から試験基板160の内部にレーザー光線LBを照射することにより、試験基板160の内部に改質層Mを形成する(工程S201)。試験基板160の主表面161には、予めダメージ確認層170が形成される。ダメージ確認層170は、改質層Mの形成時に生じるダメージの有無を確認する層である。ダメージの有無は、変色の有無などで確認できる。改質層Mの形成は、間隔Iを変えて繰り返し行われる。間隔I毎に、複数の改質層Mが形成されてよい。
試験基板160は、例えば、下地基板100と同じ材料(例えば単結晶シリコン)で形成され、且つ、下地基板100と同じ板厚を有する。試験基板160の透過率を下地基板100の透過率と一致させることができるので、ダメージ確認層170に照射されるレーザー光線LBの強度をデバイス層110に照射されるレーザー光線LBの強度と一致させることができる。
なお、試験基板160の透過率は下地基板100の透過率以上であればよく、ダメージ確認層170に照射されるレーザー光線LBの強度はデバイス層110に照射されるレーザー光線LBの強度以上であればよい。強度が強いほどダメージが生じやすいからである。例えば、試験基板160の厚さは、下地基板100の厚さよりも小さくてもよい。また、試験基板160の材料は、下地基板100の材料とは異なるものでもよい。
ダメージ確認層170は、例えば、デバイス層110を形成する材料のうちの、最も低い融点の材料で形成される。材料の融点が低いほど、ダメージが生じやすいからである。デバイス層110は、導電性の材料および絶縁性の材料などを含む。最も低い融点の材料は、通常、導電性の材料であり、例えばアルミニウムまたは銅などである。
なお、ダメージ確認層170は、金属スズで形成されてもよい。金属スズの融点は、デバイス層110を形成する材料の融点よりも低い。材料の融点が低いほど、ダメージが生じやすいので、金属スズが使用可能である。金属スズ製のダメージ確認層170にダメージが生じない条件は、デバイス層110にもダメージが生じない条件である。
ダメージ確認層170は、デバイス層110を形成する層のうちの、最も低い融点の材料の層と同じ厚さで形成される。層の厚さを同じにすることで、熱の逃げ道の太さを同じにすることができ、温度の上昇幅を同じにすることができる。よって、ダメージの有無を精度良く調べることができる。
なお、ダメージ確認層170の厚さは、デバイス層110を形成する層のうちの、最も低い融点の材料の層の厚さ以下であればよい。層の厚さが小さいほど、熱の逃げ道の太さが細く、温度の上昇幅が大きく、ダメージが生じやすいからである。
ダメージ確認層170は、本実施形態では単層構造であるが、複数層構造でもよい。また、ダメージ確認層170は、デバイス層110と同一の構造を有してもよい。
次に、検査装置67が、ダメージDMの有無を検査する(工程S202)。検査装置67は、本実施形態では薄化システム1とは別に設けるが、薄化システム1の一部として設けられてもよく、例えばレーザー加工装置62の内部に設けられてもよい。
検査装置67は、例えば、撮像部610と、画像処理部620とを有する。撮像部610は、ダメージ確認層170を、試験基板160とは反対側から撮像する。撮像部610として、例えばCCDまたはCMOSが用いられる。撮像部610は、撮像した画像610Pを、画像処理部620に送信する。
画像処理部620は、画像610Pを画像処理することにより、ダメージDMの有無を検出する。ダメージDMの有無は、変色の有無により検出できる。画像処理部620は、例えばコンピュータで構成される。
画像処理部620は、ダメージDMの有無を間隔I毎に検出することにより、ダメージDMの有無と間隔Iとの関係を検出する。検査装置67は、ダメージDMの有無と間隔Iとの関係を、レーザー加工装置62の制御部240に送信する。
次に、制御部240は、ダメージDMの有無と間隔Iとの関係に基づき、下限値Iminを設定する(工程S203)。例えば、制御部240は、ダメージDMが生じない間隔Iの中で最も小さい間隔Iを下限値Iminに設定する。下限値Imin以上に間隔I1を制御すれば、デバイス層110の熱劣化を抑制できる。
制御部240は、下地基板100とデバイス層110との組合せの種類と、下限値Iminとを対応付けて記憶する。上記組合せの種類は、下地基板100の材料および厚さ、ならびにデバイス層110を構成する各層の材料および厚さで区別される。制御部240は、上記組合せの種類ごとに、下限値Iminを記憶する。制御部240は、例えば下地基板100の識別情報を読取装置で読み取ることにより、上記組合せの種類を判別する。識別情報は、文字、数字、1次元コード、または二次元コードなどで表される。
ユーザの入力した間隔I1が下限値Imin以上である場合、制御部240はユーザの入力した間隔I1に従って第1改質層M1を形成する。一方、ユーザの入力した間隔I1が下限値Imin未満である場合、制御部240は第1改質層M1の形成を実施しない。この場合、制御部240は、例えばアラームを報知する。アラームの報知によって、ユーザに対して間隔I1の設定変更を促すことができる。
なお、間隔I1の設定は、ユーザの入力の代わりに、制御部240によって実施されてもよい。この場合、制御部240は、下地基板100とデバイス層110との組み合わせの種類を判別し、その種類に応じた下限値Iminを読み出す。次いで、制御部240は、下限値Iminが下地基板100の目標厚さTよりも大きいか否かをチェックする。目標厚さTは、エッチング後の厚さでもよいが、本実施形態では研削後の厚さT1である。
下限値Iminが目標厚さTよりも大きい場合、制御部240は間隔I1として下限値Iminを設定する。間隔I1が下限値Iminであるので、研削代T2を可及的に小さくでき、研削時間を短縮できる。一方、下限値Iminが目標厚さT以下である場合、制御部240は間隔I1として下限値Iminおよび目標厚さTよりも大きい値を設定する。研削代T2を確保できる。
ところで、下地基板100の研削(工程S106)では、下地基板100に対して砥石431を接近する速度(例えば砥石431の下降速度)を砥石431と下地基板100との接触前に第1速度から第2速度に減速する。砥石431は、第1速度で下地基板100に対して接近した後、第1速度よりも小さい第2速度で下地基板100と接触する。接触時の下地基板100の破損を抑制でき、また、砥石431と下地基板100との接触までの待ち時間を短縮できる。
制御装置9は、砥石431の下降速度を第1速度から第2速度に減速開始する位置を、第1改質層M1の形成時のレーザー光線LBの集光照射位置に応じて決定する。レーザー光線LBの集光照射位置は、間隔I1で表される。間隔I1は、研削開始時の下地基板100の厚さと等しい。従って、間隔I1が大きいほど、減速開始する位置がチャック420から遠い位置に決定される。減速開始する位置を間隔I1に応じて決定することにより、エアカット量を低減でき、スループットを向上できる。エアカット量とは、砥石431の下降速度を減速開始する位置から、砥石431が下地基板100に接触する位置までの距離である。制御装置9は、決定した位置で砥石431の下降速度を減速開始する。
以上、本開示に係るレーザー加工装置の設定方法、レーザー加工方法、レーザー加工装置、薄化システム、および基板処理方法について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
上記実施形態の薄化システム1は、下地基板100の薄化(工程S105)の前に、下地基板100のベベル104の除去(工程S102)を行うが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図16および図17に示すように、ベベル104の除去(工程S102)と薄化(工程S105)とは同時に行われてもよい。
図16は、変形例に係る第1改質層および第2改質層の位置を示す断面図である。図16に示すように、第1改質層M1は、第1クラックC1が第2分割予定面D2と交差し且つ外周面103に達しないように形成される。また、第2改質層M2は、第2クラックC2が第1主表面101に達し且つ第2主表面102に達しないように形成される。
図17は、変形例に係るベベルの除去および薄化を示す断面図である。本変形例に係るベベルの除去および薄化は、上記実施形態の薄化と同様に、図9に示す薄化装置66によって行われる。具体的には、吸着パッド510が下地基板100を上方から吸着すると共にチャック420が下地基板100を下方から保持した状態で、吸着パッド510が上昇する。
下地基板100は、シリコンウェハなどの半導体基板には限定されず、ガラス基板などであってもよい。支持基板130も同様である。また、下地基板100は、デバイス層110が形成されたものであればよく、支持基板130が貼合されたものではなくてもよい。
1 薄化システム
62 レーザー加工装置
63 ベベル除去装置
64 研削装置
65 搬送ロボット
66 薄化装置
100 下地基板
110 デバイス層
130 支持基板
150 重合基板
160 試験基板
170 ダメージ確認層
210 チャック
221 集光レンズ
222 空間光変調器(間隔調整部)
230 昇降機構(間隔調整部)
240 制御部
LB レーザー光線
P 集光点
M1 第1改質層

Claims (11)

  1. 下地基板の主表面に形成されるデバイス層とは反対側から、前記下地基板の内部にレーザー光線を集光照射することにより、前記下地基板の内部に改質層を形成するレーザー加工装置の設定方法であって、
    試験基板の主表面に形成されるダメージ確認層とは反対側から、前記試験基板の内部に前記レーザー光線を集光照射することにより、前記試験基板の内部に改質層を形成する工程と、
    前記改質層の形成によって前記ダメージ確認層に生じるダメージの有無と、前記レーザー光線の集光点と前記試験基板の前記主表面との間隔との関係を検査する工程と、
    前記ダメージの有無と前記間隔との関係に基づいて、前記下地基板の内部に前記改質層を形成する時の前記間隔の下限値を設定する工程とを有し、
    前記下地基板の内部に形成した前記改質層を起点に分割して薄化した前記下地基板の研削後の目標厚さよりも前記下限値が大きいことを条件として、前記下地基板の内部に前記改質層を形成する時の前記間隔を前記下限値に設定する工程を有する、レーザー加工装置の設定方法。
  2. 前記ダメージ確認層は、前記デバイス層を形成する材料のうちの、最も低い融点の材料で形成される、請求項1に記載のレーザー加工装置の設定方法。
  3. 前記ダメージ確認層は、金属スズで形成される、請求項1に記載のレーザー加工装置の設定方法。
  4. 前記ダメージ確認層は、前記デバイス層を形成する層のうちの、最も低い融点の層と同じ厚さで形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザー加工装置の設定方法。
  5. 前記試験基板は、前記下地基板と同じ材料で形成され、且つ前記下地基板と同じ厚さを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザー加工装置の設定方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の設定方法で設定された前記下限値以上の前記間隔で、前記下地基板の内部に前記改質層を形成する工程を有する、レーザー加工方法。
  7. 記デバイス層および前記デバイス層を介して前記下地基板に貼合された支持基板を介して前記下地基板を保持するチャックと、
    前記下地基板を基準として前記デバイス層とは反対側から前記下地基板の内部に前記レーザー光線を集光照射することにより、前記下地基板の内部に前記改質層を形成する集光レンズと、
    前記レーザー光線の集光点と前記下地基板の前記主表面との間隔を調節する間隔調節部と、
    前記下地基板の内部に前記改質層を形成する時に、請求項1~5のいずれか1項に記載の設定方法で設定された前記下限値以上に、前記間隔を制御する制御部とを備える、レーザー加工装置。
  8. 下地基板の主表面に形成されるデバイス層とは反対側から、前記下地基板の内部にレーザー光線を集光照射することにより、前記下地基板の内部に改質層を形成するレーザー加工装置と、前記下地基板に形成される複数の前記改質層を起点に前記下地基板を分割することにより、前記下地基板を薄化する薄化装置と、を備え、前記薄化装置は、分割によって薄化した前記下地基板を砥石で研削する研削装置を含む、薄化システムであって、
    前記レーザー加工装置は、前記デバイス層および前記デバイス層を介して前記下地基板に貼合された支持基板を介して前記下地基板を保持するチャックと前記下地基板を基準として前記デバイス層とは反対側から前記下地基板の内部に前記レーザー光線を集光することによ前記下地基板の内部に前記改質層を形成する集光レンズと前記レーザー光線の集光点と前記下地基板の前記主表面との間隔を調節する間隔調節部と、を備え、
    前記下地基板の内部に前記改質層を形成する時に、予め設定された下限値以上に、前記間隔を制御する制御部と、前記下地基板に対して前記砥石を接近する速度を前記砥石と前記下地基板との接触前に第1速度から第2速度に減速開始する位置を、前記レーザー光線の集光照射位置に応じて決定する第2制御部と、を備える、薄化システム。
  9. 前記下地基板の周方向に並ぶ複数の前記改質層を起点に前記下地基板を分割することにより、前記下地基板のベベルを除去するベベル除去装置を備える、請求項に記載の薄化システム。
  10. 前記ベベル除去装置は、前記ベベルを除去した前記下地基板の外周面を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像した画像を画像処理する画像処理部とを有する、請求項に記載の薄化システム。
  11. 下地基板の主表面に形成されるデバイス層とは反対側から、前記下地基板の内部にレーザー光線を集光照射することにより、前記下地基板の内部に改質層を形成する基板処理方法であって、
    前記下地基板と前記下地基板に貼り合せらた支持基板とを含む重合基板を、チャックに保持することと、
    前記改質層の形成によって前記デバイス層にダメージが生じない位置に前記レーザー光線を集光照射させることと、
    前記改質層を起点に前記下地基板を分割し薄化することと
    分割によって薄化した前記下地基板を砥石で研削することと、
    前記下地基板に対して前記砥石を接近する速度を前記砥石と前記下地基板との接触前に第1速度から第2速度に減速開始する位置を、前記レーザー光線の集光照射位置に応じて決定することとを有する、基板処理方法。
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