JP7220639B2 - ブレーキ制動力調整方法 - Google Patents

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Description

本発明はブレーキ制動力調整方法に関する。
従来、クレーン装置として、例えば特許文献1に示されるような、ワイヤロープに掛かる荷重変動を低減することで、掛かる荷重変動によるワイヤロープの衝撃応力を低減するワイヤロープ荷重変動低減装置を備えたものが知られている。
特許文献1には、一端に重量物を吊り下げたワイヤロープを巻上装置によってシーブを介して巻き取ることにより重量物を吊り上げるように構成され、ワイヤロープから伝達されるシーブの軸受荷重の作用によって油圧を発生する油圧装置と、油圧装置に接続されて油圧の変動を減衰させる油圧変動吸収装置とを備え、油圧装置によりワイヤロープの荷重変動を油圧変動に変換し、油圧変動吸収装置により油圧変動を吸収することによりワイヤロープの荷重変動を減衰させるように構成されたワイヤロープ荷重変動低減装置を備えたクレーンについて記載されている。
特開2005-170668号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来のクレーン装置では、重量物を吊り上げる際に生じるワイヤロープの荷重変動を低減することは可能であるが、入力される地震レベルが大きい場合に対応したものではない。すなわち、従来のクレーン装置では、例えば吊荷を吊り上げて停止した状態において、入力地震レベルが大きくなると、吊荷が飛び跳ねるようにして浮き上がり、さらにワイヤロープが弛んでから落下するときにワイヤロープが突っ張った状態となってワイヤロープに大きな衝撃張力が発生する。このような落下時の大きな衝撃張力は、ワイヤロープの許容荷重を超えてしまい、ワイヤロープの切断や損傷が生じ得るおそれがあった。
そのため、ワイヤロープの切断や損傷に対応するためには、ワイヤロープの許容荷重を大きくしたものを採用する必要があることから、コストが増大するという問題があり、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ワイヤロープに許容荷重以上の張力が作用しない構成とすることで、ワイヤロープの切断や損傷を抑制し、かつワイヤロープにかかるコストの増大を抑えるこができるクレーン装置およびブレーキ制動力調整方法を提供することを目的とする。
本発明の他の一態様に係るブレーキ制動力調整方法は、一端に重量物を吊り下げたワイヤロープを巻上げる電磁ブレーキ付きのモータのモータ軸に支持されるアーマチュアと、該アーマチュアに接触してブレーキ制動力を発生させるディスクと、を備えたブレーキ制動部を有するクレーン装置を用いたブレーキ制動力調整方法であって、前記アーマチュアを前記ディスクと離反する方向に吸引するブレーキ電磁マグネットの吸引力を半分作用させ、前記ブレーキ制動力を半分有効な状態で前記ブレーキ制動部で前記ワイヤロープを滑らせる工程と、前記ブレーキ制動部において前記ワイヤロープの滑りがなくなったときに前記アーマチュアの吸引力を大きくして前記ブレーキ制動力を小さくする工程と、を有することを特徴としている。
上記態様に係るブレーキ制動力調整方法によれば、ブレーキ電磁マグネットの吸引力が半分作用した状態とすることで、ブレーキ制動力も半分となり、モータにより意図的にワイヤロープのブレーキを滑らせた状態とすることができる。このときの吸引力は、電磁石に流れる電流値に比例するため、電流を半分にすることで容易に制御することができる。
そして、ブレーキ制動部においてワイヤロープの滑りがなくなった場合には、ブレーキ制動力が大き過ぎることから、ブレーキ制動力を小さくすることで、ワイヤロープが滑るようにブレーキを調整する。ブレーキ制動力を小さくする具体的な調整方法としては、アーマチュアをディスクに押し付ける弾性力を変化させる。例えば弾性変形方向にばね力調整ねじを付けておこくことで、簡単にブレーキ制動力を調整することができ、ワイヤロープの切断や損傷を抑制し、かつワイヤロープにかかるコストの増大を抑えるこができる。
本発明ブレーキ制動力調整方法によれば、ワイヤロープに許容荷重以上の張力が作用しない構成とすることで、ワイヤロープの切断や損傷を抑制し、かつワイヤロープにかかるコストの増大を抑えるこができる。
本発明の実施形態によるクレーン装置の概略構成を示した側面図である。 図1に示すクレーン装置に設けられるモータの制動構造を模式的に示す図であって、(a)はブレーキ開放時の状態を示す図、(b)はブレーキ作動時の状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態によるクレーン装置およびブレーキ制動力調整方法について、図面に基づいて説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
図1に示すように、本実施形態によるクレーン装置1は、例えば工場等で重量物である吊荷Mを吊り上げるために天井付近に設けられる天井クレーンに適用したものである。具体的にクレーン装置1は、建屋の天井付近に固定された天井スラブや梁材に設けられる走行レール(図示省略)上を移動する板状の基台11を備えている。
クレーン装置1は、ブレーキ制動部2を備えてワイヤロープ3を繰り出し可能な巻取り装置4と、巻取り装置4のワイヤロープ3が巻き回される複数(ここでは2つ)の滑車5A、5Bと、ワイヤロープ3の繰り出し方向(ワイヤロープ繰出し方向E1)で最も下流に位置する滑車(ここでは第2滑車5B)からのワイヤロープ3の落下方向への変位を自動的に復元するワイヤロープ復元装置6と、を備えている。
ここで、ワイヤロープ繰出し方向E1に対して、巻取り装置4でワイヤロープ3が巻き取られる方向をワイヤロープ巻取り方向E2という。
2つの滑車5A、5Bのうち、ワイヤロープ繰出し方向E1の順で第1滑車5A、第2滑車5Bとする。第1滑車5Aは、ブラケット51を介して基台11の下面11bに回転自在に固定されている。第2滑車5Bは、基台11の上方において基台11上に固定される支持枠体52に対してワイヤロープ復元装置6を介して回転自在に固定されている。
支持枠体52は、基台11の上面11aに立設され互いに間隔をあけて配置された一対の柱53、53と、これら柱53、53の上端同士を連結する梁材54と、を門型に枠組みして構成されている。梁材54の下面には、ワイヤロープ復元装置6が固定され、このワイヤロープ復元装置6の下端に第2滑車5Bが固定されている。
ワイヤロープ復元装置6は、ワイヤロープ3に許容荷重を超える張力が作用する場合において、ワイヤロープ3が吊荷Mとともに落下方向に変位することを許容する。つまり、吊荷は落下方向に変位するが、ワイヤロープ復元装置6によって自動的に復元することができ、かつ上記の許容荷重を超えない通常時にはワイヤロープ3が変位しないようにばね(後述するばね部材64)に初期張力を設定した構成となっている。
ワイヤロープ復元装置6では、ワイヤロープ3を案内する第2滑車5B位置が変化するように構成され、第2滑車5Bを動かすため、第2滑車5Bの移動量の2倍の変位がワイヤロープ3の下端(ワイヤロープ先端部3a)に生じることになる。
ワイヤロープ復元装置6は、収容ケース61と、収容ケース61内で上下方向Yに摺動可能な摺動板62と、摺動板62の下面62aから下方に延びて収容ケース61の下壁61Aを貫通する連結ロッド63と、下壁61Aと摺動板62との間に配置され摺動板62を上向きに付勢するばね部材64と、を備えている。
収容ケース61は、下壁61Aと、下壁61Aの外周全周に設けられる側壁61Bと、を有する有底筒状に形成されている。側壁61Bの上端は、ボルト締結や溶着等の適宜な固定手段により支持枠体52の梁材54の下面に固定されている。収容ケース61の下壁61Aの中央には、厚さ方向に貫通する貫通孔63aが形成され、この貫通孔63aには連結ロッド63が挿通可能となっている。収容ケース61は、摺動板62やばね部材64を収容している。
摺動板62は、収容ケース61内において、収容ケース61の下壁61Aとの間でばね部材64を上下方向Yに挟み込むとともに、側壁61Bの内周面に沿って上下方向Yに移動可能に設けられている。摺動板62の下面62aには、ばね部材64の上端が当接している。摺動板62は、ばね部材64の伸縮に伴って上下方向Yに摺動する。
連結ロッド63は、上下方向Yに延びる棒状に形成され、摺動板62の下面62aから下方に延びて収容ケース61の下壁61Aの貫通孔61aを貫通し、さらに下壁61Aよりも下方に延び、ばね部材64を伸縮させるように摺動板62とともに収容ケース61に対して上下方向に直線移動する。連結ロッド63の下端63aには、第2滑車5Bの回転軸5aが連結されている。第2滑車5Bは、連結ロッド63の下端63aに対して回転可能に連結され、連結ロッド63とともに上下方向Yに移動可能に設けられている。
ばね部材64は、例えば弾性的に伸縮変形可能なコイルばね等が採用される。ばね部材64は、収容ケース61とばね部材64が同軸となるように収容ケース61内に収容され、収容ケース61内において上下方向Yに弾性的に伸縮変形可能となっている。ばね部材64のばね定数は、ばね復元力によるワイヤロープ3の張力増加分を考慮して設定されている。
設定された許容荷重に達しない通常時には、ばね部材64が圧縮変形していない初期状態(ばね部材64が伸びきった状態)で摺動板62には連結ロッド63を介して下向きの荷重が作用していない。摺動板62に前記許容荷重を超える下向き荷重が作用すると、ばね部材64が圧縮変形することになり、ばね部材64の付勢力に抗して摺動板62が下方に移動する。そして、前記許容荷重を超える下向き荷重が小さくなるに伴って、ばね部材64の復元力(ばね部材64が元の形状に戻ろうとする力)が作用して下方に移動した摺動板62が元の位置に戻る。
このようなワイヤロープ復元装置6を設ける場合には、ばね部材64により初期位置に復元することができるため、地震後の調整作業が必要ない。
巻取り装置4は、基台11上に設けられている。巻取り装置4は、前述したブレーキ制動部2が装備された電磁ブレーキ付きのモータ40と、モータ40を支持するモータ支持部41と、モータ40の回転軸に同軸に支持された巻取りドラム42と、を備えている。
巻取りドラム42から繰り出されたワイヤロープ3は、第1滑車5Aと第2滑車5Bとに巻き回されたワイヤロープ先端部3aにおいて、不図示の吊り治具(フック)等によって吊荷Mが吊り下げられる。
モータ支持部41は、基台11上に固定され、モータ40を下方から支持している。
モータ40は、上述したように電磁ブレーキ付きの構造であって、図2(a)、(b)に示すように、回転中心に設けられるモータ軸43と、モータ軸43に回りに回転可能に支持されコイル45(ブレーキ電磁マグネット)を備えたヨーク44と、を備えている。
ブレーキ制動部2は、アーマチュア21、ディスク22、プレート23がモータ軸43の方向(以下、軸線Oという)でヨーク44から離れる方向に向かう順で設けられている。さらに、ブレーキ制動部2として、ヨーク44には、押付けばね24と、ばね力調整ねじ25(ばね力調整部材)(図2(c)参照)と、が設けられている。
ブレーキ制動部2においては、モータ40のモータ駆動力以上(ここでは、モータ駆動力の1.5倍以上)、かつワイヤロープ3のワイヤロープ許容荷重以下のブレーキ制動力となるように設定されている。
つまり、ブレーキ制動部2におけるブレーキ制動力として、運用上許容されるワイヤロープ荷重より小さく設定するとともに、法令上定められた制動力(モータ駆動力の1.5倍以上)は遵守するように設定している。
アーマチュア21は、コイル45との間での電流のオンオフによりディスク22に対して軸線Oの方向に近接離反する。アーマチュア21は、ヨーク44の軸線Oに直交する側面44aに対向し、ヨーク44とディスク22との間の位置に配置されている。
ディスク22は、アーマチュア21とプレート23との間に配置され、モータ軸43に沿って移動可能に支持にされている。
プレート23は、円板状に形成され、その中心がモータ軸43の先端部43aに設けられている。
このように構成されるブレーキ制動部2では、図2(b)に示すように、平常時でモータ40のブレーキ電源がオフのときには、アーマチュア21は、ヨーク44との間に磁気回路が形成されずにヨーク44に吸引されない状態となる。そのため、押付けばね24の伸びる方向の弾性変形によって、アーマチュア21は、ヨーク44から離反するとともに、ディスク22に近接する方向に移動する。これによりアーマチュア21がディスク22に当接するとともにさらにディスク22をプレート23側に向けて押し込む。これによりディスク22がアーマチュア21とプレート23に挟持されて互いに摩擦力が生じ、ブレーキ制動力(ブレーキトルク)が発生して所定の制動力が作用する。
モータ40のブレーキ電源がオンになると、図2(a)に示すように、アーマチュア21は、ヨーク44との間に磁気回路が形成され、ヨーク44に吸引される。このとき、アーマチュア21は、ヨーク44側への吸引力により押付けばね24の付勢力に抗してヨーク44に近接する方向に移動する。これによりディスク22がアーマチュア21から離反して、開放された状態、あるいは弱く接触した状態となり、ブレーキ制動力が発生しない、又はブレーキ制動力が小さくなる構成となっている。
例えば、ワイヤロープ許容荷重を8t、モータ40の駆動力を5tとしたときに、ブレーキ制動力は7.5tに設定される。この場合、地震時の吊荷浮き上がり後の落下衝撃により、ブレーキ制動部2のブレーキが7.5tで滑り、ワイヤロープ3に作用する荷重も7.5tとなる。つまり、7.5t以上の荷重が作用するとワイヤロープ3が繰り出されるため、ワイヤロープ3に許容値以上の張力が作用することがない。
次に、上述した構成のブレーキ制動部2によるブレーキ制動力調整方法について説明する。
ブレーキ制動力調整方法としては、図2(a)、(b)に示すように、先ず、アーマチュア21をディスク22と離反する方向に吸引するコイル45の吸引力を半分作用させ、ブレーキ制動力を半分有効な状態でブレーキ制動部2でワイヤロープ3を滑らせる。例えば、制動力7.5tのブレーキの場合には、その半分の3.75tの制動力となる。この制動力の初期値は、把握できているものとする。なお、通常の力で、コイル45の吸引力を作用させると、アーマチュア21がヨーク44側に吸引されディスク22との間に隙間ができ、ブレーキが開放されるが、前記吸引力が半分となるため、ブレーキが弱く作用する状態となる。つまり、ブレーキ制動力が半分有効な状態で、モータ40で意図的にブレーキを滑らせることができる。例えば、ブレーキ制動力が3.75tのため、能力5tのモータ40によりブレーキを滑らせることが可能である。なお、この場合、一時的に法令上定められた制動力(モータ駆動力の1.5倍以上)を順守していない状態となるが、実際には荷を吊った状態ではないことからより安全に調整作業を行うことができる。
次に、ブレーキ制動部においてワイヤロープ3の滑りがなくなったときにアーマチュア21の吸引力を小さくしてブレーキ制動力を小さくする。例えばブレーキ制動力が8.5tの場合には、地震時の吊荷落下時にワイヤロープ3に過大な張力8.5tが作用するため、ブレーキ制動力を例えば初期値の7.5tとなるように戻すように小さくし、ブレーキ制動力3.75tで滑るようにブレーキを調整する。
なお、ブレーキ制動部2のブレーキ制動力は、定期的にモータ40で意図的に滑らせることで実測・調整を行うことにより、設定値を精度よく設定できる。
次に、ブレーキ制動部2によるブレーキ制動力の調整方法としては、上述したようにコイル45の電圧を調整してアーマチュア21の吸引力を変化させる方法の他の調整方法として、図2(c)に示すようにばね力調整ねじ25を使用してばね押付け力を変化させる方法がある。
つまり、図2(c)に示すように、ばね力調整ねじ25は、ヨーク44のアーマチュア21が設けられる一側面とは反対側の他側面44bに設けられ、押付けばね24の一方の第1端部24aに同軸に設けられている。ばね力調整ねじ25は、図2(b)に示すように、ヨーク44の他側面44bに設けられた雌ねじ孔44cに螺合され、そのねじ先端25aが初期位置P1に設けられる押付けばね24の第1端部24aに当接している。
そして、図2(c)に示すように、ばね力調整ねじ25を締め付けることで、押付けばね24の位置を初期位置P1から押込み位置P2にディスク22側に向けて押し込むことができる。このようにばね力調整ねじ25を使用して押付けばね24の位置を調整できるので、アーマチュア21に対する弾性力が調整される。これにより、アーマチュア21の吸引力を変化させることができ、ブレーキ制動力を調整することができる。
次に、上述したクレーン装置1の作用について、図面に基づいて具体的に説明する。
本実施形態によるクレーン装置1では、図1に示すように、地震時にワイヤロープ3で吊られた吊荷が一旦浮き上がった後の落下衝撃が生じる場合のようにワイヤロープ3に許容荷重を超える張力(例えばワイヤロープ3の許容荷重の1.5倍)が作用する場合には、ワイヤロープ3を吊荷とともに落下方向に変位させることができる。つまり、ブレーキ制動部2で作動しているブレーキ制動力を小さくしてワイヤロープ3を滑らせてワイヤロープ3を繰り出すことができる。
このとき、ブレーキ制動部2のブレーキ制動力がモータ駆動力以上、かつワイヤロープ許容荷重以下に設定されているので、落下方向に繰り出されるワイヤロープ3に許容値以上の張力が作用することがなく、ワイヤロープ3の切断や損傷を抑制し、かつワイヤロープ3にかかるコストの増大を抑えるこができる。
また、本実施形態では、ブレーキ制動部2においてワイヤロープ許容荷重以下に設定することで、ワイヤロープ3が落下方向に繰り出された場合に、地震後に繰り出した量だけワイヤロープ3を巻き上げることで地震前の状態に復旧することができる。
また、本実施形態によるクレーン装置1では、図2(a)に示すように、ブレーキ電源がオンの状態においてアーマチュア21が押付けばね24の圧縮力に抗してモータ40のヨーク44に吸引されているときには、ディスク22との間に空隙ができてブレーキが開放され、又は摩擦力が小さくなって、ブレーキ制動力が低減される。
また、図2(b)に示すように、ブレーキ電源が切断(オフ)された場合には、アーマチュア21は押付けばね24のばね力により吸引される方向と反対側に押し戻され、アーマチュア21がディスク22を押し付けて、ディスク22がアーマチュア21とプレート23に挟持され、その摩擦トルクによりワイヤロープ3にブレーキ制動力を作用させることができる。
このとき、図2(c)に示すように、押付けばね24のばね力がばね力調整ねじ25によって調整できるので、アーマチュア21が吸引されているときの初期状態において、アーマチュア21とディスク22との間隔を調整することができる。例えば、初期状態でアーマチュア21とディスク22との間に半分程度のブレーキ制動力を作用させるように調整することも可能である。
また、上述したように本実施形態によるブレーキ制動力調整方法では、ブレーキ電磁マグネットのアーマチュア21に対する吸引力が半分作用した状態とすることで、ブレーキ制動力も半分となり、モータ40により意図的にワイヤロープ3のブレーキを滑らせた状態とすることができる。このときの電磁吸引力は、電磁石に流れる電流値に比例するため、電流を半分にすることで容易に制御することができる。
そして、ブレーキ制動部2においてワイヤロープ3の滑りがなくなった場合には、ブレーキ制動力が大き過ぎることから、ブレーキ制動力を小さくすることで、ワイヤロープ3が滑るようにブレーキを調整する。ブレーキ制動力を小さくする具体的な調整方法としては、アーマチュア21をディスク22に押し付ける弾性力を変化させる。つまり、上述したように弾性変形方向にばね力調整ねじ25を付けておこくことで、簡単にブレーキ制動力を調整することができ、ワイヤロープ3の切断や損傷を抑制し、かつワイヤロープ3にかかるコストの増大を抑えるこができる。
上述した本実施形態によるクレーン装置およびブレーキ制動力調整方法では、ワイヤロープ3に許容荷重以上の張力が作用しない構成とすることで、ワイヤロープ3の切断や損傷を抑制し、かつワイヤロープ3にかかるコストの増大を抑えるこができる。
以上、本発明によるクレーン装置およびブレーキ制動力調整方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、ブレーキ制動部2において、モータ40のモータ駆動力の1.5倍以上としているが、モータ駆動力の1.5倍以上であることに限定されることはなく、モータ駆動力以上であればよい。
また、本実施形態では、ブレーキ制動部2として、アーマチュア21と、ディスク22と、押付けばね24と、を備え、押付けばね24によってアーマチュア21でディスク22を押し付けてワイヤロープ3にブレーキ制動力を発生させる構成であり、さらに押付けばね24にばね力を調整するばね力調整ねじ25を設けた構成としているが、このような構成であることに限定されることはない。例えば、押付けばね24の押し付け構造としてばね力調整ねじ25を設けない構成であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1 クレーン装置
2 ブレーキ制動部
3 ワイヤロープ
4 巻取り装置
5A 第1滑車
5B 第2滑車
6 ワイヤロープ復元装置
11 基台
21 アーマチュア
22 ディスク
23 プレート
24 押付けばね
25 ばね力調整ねじ(ばね力調整部材)
40 モータ
43 モータ軸
44 ヨーク
45 コイル(ブレーキ電磁マグネット)
E1 ワイヤロープ繰出し方向
E2 ワイヤロープ巻取り方向
Y 上下方向
M 吊荷(重量物)

Claims (1)

  1. 一端に重量物を吊り下げたワイヤロープを巻上げる電磁ブレーキ付きのモータのモータ軸に支持されるアーマチュアと、該アーマチュアに接触してブレーキ制動力を発生させるディスクと、を備えたブレーキ制動部を有するクレーン装置を用いたブレーキ制動力調整方法であって、
    前記アーマチュアを前記ディスクと離反する方向に吸引するブレーキ電磁マグネットの吸引力を半分作用させ、前記ブレーキ制動力を半分有効な状態で前記ブレーキ制動部で前記ワイヤロープを滑らせる工程と、
    前記ブレーキ制動部において前記ワイヤロープの滑りがなくなったときに前記アーマチュアの吸引力を大きくして前記ブレーキ制動力を小さくする工程と、
    を有するブレーキ制動力調整方法。
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