JP7219161B2 - 段取り支援装置、段取り支援方法および段取り支援プログラム - Google Patents

段取り支援装置、段取り支援方法および段取り支援プログラム Download PDF

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Description

この発明は、段取り支援装置、段取り支援方法および段取り支援プログラムに関し、特に、部品実装装置における部品の配置の段取りの支援を行うための段取り支援装置、段取り支援方法および段取り支援プログラムに関する。
従来、部品実装装置における部品の配置の段取りの支援を行うための段取り支援装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、部品実装装置における部品の配置の段取りの支援を行うための管理コンピュータ(段取り支援装置)が開示されている。この管理コンピュータは、部品実装装置における部品の配置を示すデータである部品配置データを作成するように構成されている。また、この管理コンピュータは、部品の外形、サイズなどを示すデータである部品データが変更された場合、タクト改善(作業時間の改善)のために、部品配置変更処理を行うように構成されている。部品配置変更処理による部品の配置に基づいて、ユーザは、部品の配置変更の段取り作業を行う。
特開2016-25131号公報
上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1に記載されるような段取り支援装置では、部品配置変更処理は、基板の生産計画が変更された場合にも行われることがある。具体的には、基板の生産計画の変更により、現在の部品の配置による生産時間が目標生産時間を超える場合に、生産時間を目標生産時間内に収めるような部品の配置を得るために、部品配置変更処理が行われることがある。この場合、部品配置変更処理による部品の配置において現在の部品の配置からの部品の配置変更が多いと、部品の配置変更の段取り作業に要する手間および時間が増加するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、基板の生産計画の変更により部品の配置変更が行われる場合に、部品の配置変更の段取り作業に要する手間の軽減および時間の短縮を図ることが可能な段取り支援装置、段取り支援方法および段取り支援プログラムを提供することである。
この発明の第1の局面による段取り支援装置は、部品を供給する部品供給部を複数配置可能な部品実装装置を複数備える実装ラインにおいて、部品実装装置における部品供給部の配置の段取りの支援を行うための段取り支援装置であって、基板の生産計画と目標生産時間とを取得する取得部と、基板の生産計画の変更により、現在の部品供給部の配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の部品供給部の配置に基づいて、1つの部品供給部の配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行う制御部と、を備える。
この発明の第1の局面による段取り支援装置では、上記のように、基板の生産計画の変更により、現在の部品供給部の配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の部品供給部の配置に基づいて、1つの部品供給部の配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行う制御部を設ける。これにより、小数部品配置変更処理により、通常の部品配置変更処理を行う場合に比べて部品の配置変更(部品供給部の配置変更)が少ない部品の配置(部品供給部の配置)を得ることができる。その結果、ユーザは、得られた部品の配置に基づいて、現在の部品の配置から、小数の部品の配置変更の段取り作業を行うだけでよくなる。これにより、基板の生産計画の変更により部品の配置変更が行われる場合に、部品の配置変更の段取り作業に要する手間の軽減および時間の短縮を図ることが可能な段取り支援装置を提供することができる。
上記第1の局面による段取り支援装置において、好ましくは、小数部品配置変更処理では、制御部は、1つの部品供給部の配置変更後の部品供給部の配置による予測生産時間と、目標生産時間とを比較する比較処理を行うように構成されている。このように構成すれば、複数の部品の配置変更(部品供給部の配置変更)後の部品の配置(部品供給部の配置)による予測生産時間と、目標生産時間とが比較される場合に比べて、小数部品配置変更処理に複雑な処理を行う必要がない。その結果、小数部品配置変更処理に要する負荷の軽減および時間の短縮を図ることができる。
この場合、好ましくは、制御部は、比較処理において予測生産時間が目標生産時間を超える場合、他の部品供給部について比較処理を繰り返すように構成されている。このように構成すれば、予測生産時間が目標生産時間内に収まるまで、1部品ずつ比較処理を順次行うことができる。その結果、最小限または最小限に近い部品の配置変更(部品供給部の配置変更)をするだけで済む部品の配置(部品供給部の配置)を容易に得ることができる。
上記比較処理を繰り返す構成において、好ましくは、制御部は、予測生産時間が目標生産時間を超えるという条件以外の条件である比較処理の繰り返しを続行する続行条件を満たす場合、比較処理を繰り返して、続行条件を満たさない場合、部品供給部の配置変更数に制限がない通常の部品配置変更処理を行うように構成されている。このように構成すれば、比較処理を繰り返しても予測生産時間が目標生産時間内に収まらない場合、通常の部品配置変更処理を行って、通常の部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるような適切な部品の配置を得ることができる。
上記比較処理を行う構成において、好ましくは、制御部は、実装ラインの複数の部品実装装置のうち、サイクルタイムが最も大きい部品実装装置に配置されている部品供給部から、配置変更する1つの部品供給部を選択する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、サイクルタイムが最も大きいために、サイクルタイムの短縮の余地が大きく、部品の配置変更(部品供給部の配置変更)による生産時間の短縮を図るのに適した部品実装装置から、配置変更する1つの部品(部品供給部)を選択することができる。その結果、サイクルタイムが小さい部品実装装置に配置されている部品から、配置変更する1つの部品が選択される場合に比べて、小数部品配置変更処理における1部品の配置変更による生産時間の短縮効果を高めることができる。
この場合、好ましくは、制御部は、実装ラインの複数の部品実装装置のうち、サイクルタイムが最も大きい部品実装装置から、実装ラインの複数の部品実装装置のうち、サイクルタイムが最も小さい部品実装装置への、1つの部品供給部の配置変更を行うように構成されている。このように構成すれば、サイクルタイムが最も大きいために、サイクルタイムの短縮の余地が大きい部品実装装置から、サイクルタイムが最も小さいために、サイクルタイムの増加の余地が小さい部品実装装置への、1つの部品の配置変更(部品供給部の配置変更)を行うことができる。その結果、サイクルタイムが最も小さい部品実装装置から、サイクルタイムが最も大きい部品実装装置への、1つの部品の配置変更が行われる場合に比べて、小数部品配置変更処理における1部品の配置変更による生産時間の短縮効果を高めることができる。
上記第1の局面による段取り支援装置において、好ましくは、制御部は、小数部品配置変更処理を行う前に、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行うように構成されている。このように構成すれば、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まらないと予測された場合、小数部品配置変更処理を実行しないようにすることができる。その結果、小数部品配置変更処理の効果が見込めない場合に、不必要に小数部品配置変更処理が実行されることを抑制することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まると予測された場合、小数部品配置変更処理を行うとともに、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まらないと予測された場合、部品供給部の配置変更数に制限がない通常の部品配置変更処理を行うように構成されている。このように構成すれば、小数部品配置変更処理を行う前に、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まらないと予測された場合、小数部品配置変更処理を行うことなく、通常の部品配置変更処理を行って、通常の部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるような適切な部品の配置を得ることができる。
上記予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行う構成において、好ましくは、制御部は、基板の最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標、および、複数の部品実装装置間のサイクルタイムのバランスを示す指標のうちの少なくとも一方に基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行うように構成されている。このように構成すれば、生産時間の短縮の余地を示す指標である、基板の最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標、および、複数の部品実装装置間のサイクルタイムのバランスを示す指標のうちの少なくとも一方に基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを正確に予測することができる。
この発明の第2の局面による段取り支援方法は、部品を供給する部品供給部を複数配置可能な部品実装装置を備える実装ラインにおいて、部品実装装置における部品供給部の配置の段取りの支援を行うための段取り支援方法であって、基板の生産計画と目標生産時間とを取得するステップと、基板の生産計画の変更により、現在の部品供給部の配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の部品供給部の配置に基づいて、1つの部品供給部の配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行うステップと、を備える。
この発明の第2の局面による段取り支援方法では、上記のように、基板の生産計画の変更により、現在の部品供給部の配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の部品供給部の配置に基づいて、1つの部品供給部の配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行うステップを設ける。これにより、上記第1の局面による段取り支援装置と同様に、基板の生産計画の変更により部品の配置変更(部品供給部の配置変更)が行われる場合に、部品の配置変更の段取り作業に要する手間の軽減および時間の短縮を図ることが可能な段取り支援方法を提供することができる。
この発明の第3の局面による段取り支援プログラムは、部品を供給する部品供給部を複数配置可能な部品実装装置を備える実装ラインにおいて、部品実装装置における部品供給部の配置の段取りの支援を行うための段取り支援プログラムであって、コンピュータを、基板の生産計画の変更により、現在の部品供給部の配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の部品供給部の配置に基づいて、1つの部品供給部の配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行う制御手段として機能させるための段取り支援プログラムである。
この発明の第3の局面による段取り支援プログラムでは、上記のように、コンピュータを、基板の生産計画の変更により、現在の部品供給部の配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の部品供給部の配置に基づいて、1つの部品供給部の配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行う制御手段として機能させる。これにより、上記第1の局面による段取り支援装置と同様に、基板の生産計画の変更により部品の配置変更(部品供給部の配置変更)が行われる場合に、部品の配置変更の段取り作業に要する手間の軽減および時間の短縮を図ることが可能な段取り支援プログラムを提供することができる。
本発明によれば、上記のように、基板の生産計画の変更により部品の配置変更が行われる場合に、部品の配置変更の段取り作業に要する手間の軽減および時間の短縮を図ることが可能な段取り支援装置、段取り支援方法および段取り支援プログラムを提供することができる。
一実施形態による部品実装システムを示す模式的な図である。 一実施形態による部品実装装置を示す模式的な平面図である。 一実施形態による段取り支援装置を示すブロック図である。 (A)は、一実施形態による部品実装システムの基板の生産計画の一例を説明するための図である。(B)は、(A)に示した基板の生産計画の変更を説明するための図である。 一実施形態による段取り支援装置による小数部品配置変更処理を説明するための図である。 一実施形態による小数部品配置変更処理による部品配置変更前の状態を説明するための図である。 一実施形態による小数部品配置変更処理による部品配置変更後の状態を説明するための図である。 一実施形態による小数部品配置変更処理において1部品配置変更しても予測生産時間が目標生産時間を超える場合を説明するための図である。 一実施形態による小数部品配置変更処理において移動先に部品が配置されている場合を説明するための図である。 (A)および(B)は、一実施形態による小数部品配置変更処理において配置変更部品が共通部品である場合を説明するための図である。 一実施形態による部品実装装置間のサイクルタイムのバランスを示す指標を説明するための図である。 一実施形態による生産時間の短縮可能時間を示す指標を説明するための図である。 一実施形態による指標に基づく小数部品配置変更処理の効果の予測を説明するための図である。 一実施形態による段取り支援装置の部品配置変更処理を説明するためのフローチャートである。 図14の1部品配置変更処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、一実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。
(部品実装システムの構成)
部品実装システム100は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)を、プリント基板などの基板Pに実装して、部品Eが実装された基板Pを生産するシステムである。
図1に示す部品実装システム100は、基板Pの生産を行うための実装ライン200と、基板Pの生産の支援を行うための段取り支援装置300とを備えている。
図1に示す実装ライン200は、印刷装置200aと、複数(3台)の部品実装装置200bと、リフロー前の検査装置200cと、リフロー炉200dと、リフロー後の検査装置200eとを備えている。なお、実装ライン200の装置構成は、図1に示す装置構成に限られるものではない。
図1に示す実装ライン200では、印刷装置200aと、部品実装装置200bと、リフロー前の検査装置200cと、リフロー炉200dと、リフロー後の検査装置200eとは、上流側から下流側に向かって、この順に並んで配置されている。また、各装置の間には、それぞれ、装置間において基板Pを搬送して受け渡す受渡コンベア(図示せず)が配置されている。受渡コンベアは、基板Pを基板搬送方向(X方向)に搬送して、上流側の装置から下流側の装置に受け渡す。
印刷装置200aは、基板Pの生産作業として、はんだなどの接合材を基板Pにスクリーン印刷する印刷作業を行う。部品実装装置200bは、基板Pの生産作業として、部品Eを印刷装置200aにより印刷作業が行われた基板Pに実装する実装作業を行う。リフロー前の検査装置200cは、基板Pの検査作業として、部品実装装置200bにより実装作業が行われた基板Pを検査する検査作業を行う。リフロー炉200dは、基板Pの生産作業として、基板Pに印刷された接合材を溶融させて固化させることにより、部品Eをリフロー前の検査装置200cにより検査作業が行われた基板Pに接合するリフロー作業を行う。リフロー後の検査装置200eは、基板Pの検査作業として、リフロー炉200dによりリフロー作業が行われた基板Pを検査する検査作業を行う。
(部品実装装置の構成)
次に、図2を参照して、部品実装装置200bの構成について説明する。なお、以下の説明では、基板搬送方向に沿う方向をX方向とし、水平面内でX方向と直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向とする。
図2に示す部品実装装置200bは、基台201と、搬送部202と、ヘッドユニット203と、ヘッド水平移動機構部204と、部品撮像部205と、基板撮像部206と、制御部207と、通信部208とを備えている。
基台201は、部品実装装置200bにおいて各構成要素を配置する基礎となる台である。基台201上には、搬送部202、レール部242および部品撮像部205が設けられている。また、基台201内には、制御部207が設けられている。また、基台201には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、部品Eを供給する部品供給部210を配置するための配置部211が設けられている。配置部211には、部品供給部210が着脱可能に構成されたスロット212が設けられている。スロット212は、X方向に並んで複数設けられている。スロット212に装着されることにより、部品供給部210が、基台201のY方向の両側においてX方向に並んで複数配置される。具体的には、部品供給部210は、予め作成された部品配置情報D(図3参照)による部品Eの配置になるように、配置部211のスロット212に配置される。
部品供給部210は、基板Pに実装される部品Eを供給する装置である。具体的には、部品供給部210は、部品Eを収納する部品供給テープ(図示せず)を送ることにより、部品Eを供給するテープフィーダである。部品供給部210は、ヘッドユニット203による部品保持動作に応じて、部品供給テープを間欠的に送るように構成されている。
搬送部202は、実装前の基板Pを搬入し、基板搬送方向(X方向)に搬送し、実装後の基板Pを搬出するように構成されている。また、搬送部202は、搬入された基板Pを基板固定位置Paまで搬送するとともに、基板固定位置Paにおいて基板固定機構(図示せず)により固定するように構成されている。また、搬送部202は、一対の搬送ベルト221を含んでいる。搬送部202は、一対の搬送ベルト221により、基板Pの幅方向(Y方向)の両端をそれぞれ下側(Z2方向側)から支持した状態で、基板Pを基板搬送方向に搬送するように構成されている。
ヘッドユニット203は、部品実装用のヘッドユニットである。ヘッドユニット203は、基板固定位置Paにおいて固定された基板Pに部品Eを実装する。ヘッドユニット203は、複数(5つ)のヘッド231(実装ヘッド)を含む。ヘッド231の先端には、部品Eを保持(吸着)するためのノズル(図示せず)が装着されている。ヘッド231は、負圧供給部(図示せず)からの負圧により、ノズルに部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。また、ヘッド231は、部品Eを保持するためかまたは保持された部品Eを実装するための下降位置と、保持された部品Eを基板Pに搬送するための上昇位置との間で、上下方向に移動可能に構成されている。
ヘッド水平移動機構部204は、ヘッドユニット203を水平方向(X方向およびY方向)に移動させるように構成されている。ヘッド水平移動機構部204は、ヘッドユニット203をX方向に移動可能に支持する支持部241と、支持部241をY方向に移動可能に支持するレール部242とを含む。支持部241は、X方向に延びるボールねじ軸241aと、ボールねじ軸241aを回転させるX軸モータ241bとを有する。ヘッドユニット203には、支持部241のボールねじ軸241aと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。ヘッドユニット203は、X軸モータ241bによりボールねじ軸241aが回転されることにより、ボールねじ軸241aと係合するボールナットとともに、支持部241に沿って基板搬送方向に移動可能に構成されている。
レール部242は、支持部241のX方向の両端部をY方向に移動可能に支持する一対のガイドレール242aと、Y方向に延びるボールねじ軸242bと、ボールねじ軸242bを回転させるY軸モータ242cとを有する。支持部241には、レール部242のボールねじ軸242bと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。支持部241は、Y軸モータ242cによりボールねじ軸242bが回転されることにより、ボールねじ軸242bと係合するボールナットとともに、レール部242の一対のガイドレール242aに沿ってY方向に移動可能に構成されている。
ヘッド水平移動機構部204の支持部241およびレール部242により、ヘッドユニット203は、基台201上を水平方向に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット203のヘッド231は、部品供給部210の上方に移動して、部品供給部210から供給される部品Eを保持(吸着)可能である。また、ヘッドユニット203のヘッド231は、基板固定位置Paにおいて固定された基板Pの上方に移動して、保持(吸着)された部品Eを基板Pに実装可能である。
部品撮像部205は、部品認識用のカメラである。部品撮像部205は、ヘッドユニット203のヘッド231による部品Eの基板Pへの搬送中に、ヘッド231のノズルに保持(吸着)された部品Eを撮像する。部品撮像部205は、基台201の上面上に固定されており、部品Eの下側(Z2方向側)から、ヘッド231のノズルに保持(吸着)された部品Eを撮像する。部品撮像部205による部品Eの撮像画像に基づいて、制御部207は、部品Eの保持状態(回転姿勢およびヘッド231に対する保持位置)を取得(認識)する。
基板撮像部206は、基板認識用のカメラである。基板撮像部206は、ヘッドユニット203のヘッド231による基板Pへの部品Eの実装開始前に、基板固定位置Paにおいて固定された基板Pにおいて、基板Pの上面に付された位置認識マークF(フィデューシャルマーク)を上方から撮像する。位置認識マークFは、基板Pの位置を認識するためのマークである。基板撮像部206による位置認識マークFの撮像画像に基づいて、制御部207は、基板固定位置Paにおいて固定された基板Pの正確な位置および姿勢を取得(認識)する。また、基板撮像部206は、ヘッドユニット203に取り付けられている。基板撮像部206は、ヘッドユニット203と共に、水平方向に移動可能に構成されている。
制御部207は、部品実装装置200bの動作を制御する制御回路である。制御部207は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)を含んでいる。制御部207は、生産プログラムに基づいて、搬送部202、部品供給部210、X軸モータ241bおよびY軸モータ242cなどを制御することにより、ヘッドユニット203により基板Pに部品Eを実装させて、基板Pを生産する制御を行うように構成されている。
通信部208は、情報の通信を行うためのインターフェースである。通信部208は、部品実装装置200bと、部品実装システム100の他の装置(印刷装置200a、リフロー前の検査装置200c、リフロー炉200d、リフロー後の検査装置200e、段取り支援装置300)とを通信可能に接続する。
(段取り支援装置)
次に、図3を参照して、段取り支援装置300の構成について説明する。
段取り支援装置300は、実装ライン200において、部品実装装置200bにおける部品Eの配置の段取りの支援を行うための装置である。段取り支援装置300は、たとえば、各種の演算を行うことが可能に構成されたパーソナルコンピュータである。
図3に示す段取り支援装置300は、取得部301と、表示部302と、通信部303と、記憶部304と、制御部305とを備えている。
取得部301は、マウスやキーボードなどの入力部を含んでおり、ユーザからの入力を受け付けて、入力情報を取得するように構成されている。取得部301は、たとえば、基板Pの生産計画(図4参照)、目標生産時間(図4参照)などの入力情報を取得するように構成されている。表示部302は、たとえば液晶モニタを含み、情報を表示する。表示部302は、部品配置情報Dなどの段取り支援のための演算結果を表示する。通信部303は、情報の通信を行うためのインターフェースである。通信部303は、段取り支援装置300と、部品実装システム100の他の装置(印刷装置200a、部品実装装置200b、リフロー前の検査装置200c、リフロー炉200d、リフロー後の検査装置200e)とを通信可能に接続する。
記憶部304は、たとえばフラッシュメモリを含む記憶媒体であり、情報を記憶可能に構成されている。記憶部304には、段取り支援プログラム304aなどの制御部305に実行させる複数のコンピュータプログラムがインストールされている。段取り支援プログラム304aは、たとえば、光ディスクなどの可搬型記憶媒体から読み出すか、または、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることにより、記憶部304に保存することが可能である。また、記憶部304には、段取り支援のための演算結果である部品配置情報Dが記憶される。
制御部305は、段取り支援装置300の動作を制御する制御回路である。制御部305は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)を含んでいる。制御部305は、段取り支援プログラム304aを実行することにより、後述する部品配置変更処理などの段取り支援処理を実行する制御手段305aとして機能する。
また、制御部305は、部品配置作成処理により、基板Pの生産計画に応じた複数の部品実装装置200bにおける部品Eの配置を示す部品配置情報Dを作成するように構成されている。ユーザは、作成された部品配置情報Dによる部品Eの配置に基づいて、複数の部品実装装置200bへの部品Eの配置の段取り作業を行う。
(基板の生産計画)
次に、図4(A)(B)を参照して、基板Pの生産計画について説明する。
図4(A)に示す基板Pの生産計画では、A、BおよびCの3種類の基板Pの生産が計画されている。具体的には、種類Aの基板Pを5枚、種類Bの基板Pを30枚、種類Cの基板Pを5枚生産することが計画されている。ユーザは、段取り支援装置300により、図4(A)に示す基板Pの生産計画に応じた部品配置情報Dを作成させて、複数の部品実装装置200bへの部品Eの配置の段取り作業を行う。すなわち、A、BおよびCの3種類の基板Pの生産を効率よく行うことが可能なように、複数の部品実装装置200bへの部品Eの配置が行われる。
この部品Eの配置では、たとえば、種類Aの基板PのラインCT(ラインサイクルタイム)が40秒、種類Bの基板PのラインCTが10秒、種類Cの基板PのラインCTが30秒となる。なお、ラインCTとは、複数の部品実装装置200bによるサイクルタイム(1枚の基板の生産に要する作業時間)である。図4(A)に示す基板Pの生産計画の場合、予測生産時間が650秒となり、予測生産時間が目標生産時間である900秒内に収まる。このため、この部品Eの配置により、A、BおよびCの3種類の基板Pの生産を行うことが可能である。
このような基板Pの生産計画は、基板Pの出荷数の変更などの理由から、変更される場合がある。
図4(B)に、図4(A)に示す基板Pの生産計画が変更された場合の一例を示す。図4(B)に示す基板Pの生産計画では、種類Aの基板Pを15枚、種類Bの基板Pを20枚、種類Cの基板Pを5枚生産することに、生産計画が変更されている。図4(B)に示す基板Pの生産計画の場合、予測生産時間が950秒となり、予測生産時間が目標生産時間である900秒を超える。このため、現在の部品Eの配置では、目標生産時間内に、A、BおよびCの3種類の基板Pの生産を行うことができない。
この場合、ユーザが、予測生産時間が目標生産時間内に収まるような部品Eの配置を得るために、段取り支援装置300により、部品配置変更処理を行わせることがある。この場合、部品配置変更処理による部品Eの配置において現在の部品Eの配置からの部品Eの配置変更が多いと、部品Eの配置変更の段取り作業に要する手間および時間が増加する。
(小数部品配置変更処理)
そこで、本実施形態では、図5に示すように、制御部305は、基板Pの生産計画の変更により、現在の部品Eの配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の部品Eの配置に基づいて、通常の部品配置変更処理(上記した部品配置作成処理)よりも小数の部品配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行うように構成されている。小数部品配置変更処理では、制御部305は、1つの部品Eの配置変更を行い、配置変更後の予測生産時間を取得する制御を行う。なお、通常の部品配置変更処理は、たとえば、小数部品配置変更処理とは異なり、部品Eの配置変更数に制限がない処理である。
図6に示すように、まず、制御部305は、1つの部品Eを選択する制御を行う。具体的には、制御部305は、実装ライン200の複数の部品実装装置200bのうち、サイクルタイム(マシンCT)が最も大きい部品実装装置200bに配置されている部品Eから、配置変更する1つの部品Eを選択する制御を行う。選択制御の際、たとえば、制御部305は、部品実装装置200bに配置されている部品Eのうち、基板Pへの搭載点数が多い部品E(すなわち、時間短縮効果が高そうな部品E)を選択する。また、選択制御の際、たとえば、制御部305は、配置変更を行うとラインCTが増加しそうな部品Eを配置変更対象から除外する。除外する部品Eは、たとえば、概略的な計算(ラフな計算)により、配置変更を行った場合のラインCTを取得することにより、決定することができる。
そして、図7に示すように、制御部305は、実装ライン200の複数の部品実装装置200bのうち、サイクルタイム(マシンCT)が最も大きい部品実装装置200bから、実装ライン200の複数の部品実装装置200bのうち、サイクルタイム(マシンCT)が最も小さい部品実装装置200bへの、1つの部品Eの配置変更を行う。
そして、制御部305は、1つの部品Eの配置変更後の部品Eの配置による予測生産時間を取得する制御を行う。そして、制御部305は、取得した予測生産時間と、目標生産時間とを比較する比較処理を行う。そして、制御部305は、比較処理において予測生産時間が目標生産時間内に収まる場合、小数部品配置処理による部品Eの配置を含む部品配置情報Dを作成するとともに、作成した部品配置情報Dをユーザに提示する制御を行う。部品配置情報Dのユーザへの提示は、たとえば、表示部302に情報を表示させることにより行うことができる。
また、図8に示すように、制御部305は、比較処理において予測生産時間が目標生産時間を超える場合、他の部品Eについて比較処理を繰り返すように構成されている。すなわち、制御部305は、配置変更が行われた部品Eとは別の1つの部品Eを選択して、配置変更を行い、予測生産時間を取得して、比較処理を行う。これにより、小数部品配置処理では、予測生産時間が目標生産時間内に収まるまで、1部品ずつ比較処理を順次行うことができる。
また、予測生産時間が目標生産時間を超えるという条件以外に、比較処理の繰り返しを続行する続行条件が設定されていてもよい。続行条件は、たとえば、比較処理の繰り返しの回数(たとえば、10回)とすることができる。この場合、続行条件となる繰り返しの回数は、予め決められた固定の回数であってもよいし、ユーザにより予め指定された回数であってもよい。
たとえば、制御部305は、続行条件を満たす場合、比較処理を繰り返して、続行条件を満たさない場合、通常の部品配置変更処理を行う。すなわち、この場合、制御部305は、続行条件を満たす場合、小数部品配置処理を継続して、続行条件を満たさない場合、小数部品配置処理を停止して、通常の部品配置変更処理を行う。
なお、図9に示すように、小数部品配置処理を行う場合に、サイクルタイムの短縮に有利な位置を、部品Eの移動先(配置変更先)として選ぶ場合、そのような場所には既に部品Eが配置されている場合がある。この場合、サイクルタイムの短縮に有利な位置に既に配置されている移動先の部品Eのうち、移動させても問題なさそうな部品E(たとえば、基板Pへの搭載点数が少ない部品E)を、移動させればよい。移動させる部品Eについては、たとえば、空き位置となる移動元の部品Eの位置、移動先の部品Eを有する部品実装装置200b内の空き位置などに配置変更すればよい。なお、このような配置変更を行った場合にも、ラインCTが改善されない場合には、その部品Eの配置変更の効果が弱いため、配置変更を検討した部品Eは元の配置位置に戻す。
また、図10(A)(B)に示すように、小数部品配置処理において配置変更される部品Eは、複数種類の基板Pの実装に共通に用いられる共通部品である場合がある。図10(A)(B)では、配置変更される部品Eが、種類AおよびBの2種類の基板Pに共通に用いられる共通部品である場合が図示されている。なお、図10(A)が、共通部品である部品Eの配置変更が有効である場合の一例を示す図であり、図10(B)が、共通部品である部品Eの配置変更が有効ではない場合の一例を示す図である。
このような場合、制御部305は、複数種類の基板Pの各々のラインCTを考慮して、共通部品である部品Eの配置変更が有効であるか否かを判断する制御を行う。具体的には、制御部305は、共通部品である部品Eの配置変更後の複数種類の基板Pの各々のラインCTに基づいて、共通部品である部品Eの配置変更後の複数種類の基板Pの各々の生産時間を取得する制御を行う。そして、制御部305は、取得した複数種類の基板Pの各々の生産時間の合計値に基づいて、共通部品である部品Eの配置変更が有効であるか否かを判断する制御を行う。
制御部305は、合計値が正の値である場合(図10(A)に示す場合)、共通部品である部品Eの配置変更が有効であると判断する制御を行う。すなわち、制御部305は、取得した複数種類の基板Pの各々の生産時間のうちに、負の値を示す生産時間があったとしても、生産時間の合計値が正の値であれば、共通部品である部品Eの配置変更が有効であると判断する制御を行う。一方、制御部305は、合計値が負の値である場合(図10(B)に示す場合)、共通部品である部品Eの配置変更が有効ではないと判断する制御を行う。
(小数部品配置変更処理の効果の予測)
また、本実施形態では、図11~図13に示すように、制御部305は、小数部品配置変更処理を行う前に、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行うように構成されている。
具体的には、制御部305は、基板Pの最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標(図12に一例を示す指標)、および、複数の部品実装装置200b間のサイクルタイムのバランスを示す指標(図11に一例を示す指標)に基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行うように構成されている。
複数の部品実装装置200b間のサイクルタイムのバランスを示す指標(編成率)は、特に限られないが、たとえば、図11に示すように、マシンCTの合計値/(マシン台数×マシンCTの最大値)により表すことができる。たとえば、図11に示すケース1の場合、マシンCTの合計値が90秒(=5秒+25秒+60秒)であり、マシン台数が3台であり、マシンCTの最大値が60秒である。この場合、マシン間のサイクルタイムのバランスを示す指標は、0.5(=90/(3×60)、50%)となる。図11に示すケース2~4について同様の計算を行うと、各ケースの指標はそれぞれ60%、75%、100%となる。なお、マシンとは、部品実装装置200bを意味している。
指標の値が小さいほどサイクルタイムのバランスが悪く、指標の値が大きいほどサイクルタイムのバランスが良い。また、指標の値が小さくサイクルタイムのバランスが悪いほど、サイクルタイムの改善の余地が大きいため、小数部品配置変更処理による基板Pの生産時間の短縮効果が見込める。一方、指標の値が大きくサイクルタイムのバランスが良いほど、サイクルタイムの改善の余地が小さいため、小数部品配置変更処理による基板Pの生産時間の短縮効果が見込めない。
また、基板Pの最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標は、特に限られないが、たとえば、図12に示すように、(基板Pの現在のサイクルタイム-基板Pの最小限界のサイクルタイム)×生産予定枚数により表すことができる。なお、基板Pの最小限界のサイクルタイムは、たとえば、特定種類(たとえば、種類A)の基板Pに対して部品配置が最適化された場合の、この基板Pのサイクルタイムとすることができる。たとえば、図12に示す種類Aの基板Pの場合、基板Pの現在のサイクルタイムが50秒であり、基板Pの最小限界のサイクルタイムが20秒であり、生産予定枚数が300枚である。この場合、生産時間の短縮可能時間を示す指標は、9000秒(=(50-20)×300)となる。図12に示す種類B~Dの基板Pについて同様の計算を行うと、各基板Pの指標はそれぞれ9000秒、1500秒、0秒となる。
指標の値が小さいほど、サイクルタイムの改善の余地が小さいため、小数部品配置変更処理による基板Pの生産時間の短縮効果が見込めない。すなわち、生産計画の基板Pの総生産時間の短縮効果が見込めない。一方、指標の値が大きいほど、サイクルタイムの改善の余地が大きいため、小数部品配置変更処理による基板Pの生産時間の短縮効果が見込める。すなわち、生産計画の基板Pの総生産時間の短縮効果が見込める。
図13に示すように、制御部305は、基板Pの最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標(図13に示す指標B)、および、複数の部品実装装置200b間のサイクルタイムのバランスを示す指標(図13に示す指標A)の両方に基づいて、小数部品配置変更処理による基板Pの生産時間の短縮効果が見込めるか否かを判断する制御を行う。すなわち、制御部305は、基板Pの最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標、および、複数の部品実装装置200b間のサイクルタイムのバランスを示す指標の両方に基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行う。
たとえば、制御部305は、基板Pの最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標、および、複数の部品実装装置200b間のサイクルタイムのバランスを示す指標に基づいて、新たな指標を取得するとともに、取得した新たな指標と、この新たな指標用の基準値との比較結果に基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行う。また、たとえば、制御部305は、基板Pの最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標と、この指標用の基準値との比較結果、および、複数の部品実装装置200b間のサイクルタイムのバランスを示す指標と、この指標用の基準値との比較結果のそれぞれを取得するとともに、これらの比較結果に基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行う。
予測処理では、制御部305は、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まると予測された場合、小数部品配置変更処理を行うとともに、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まらないと予測された場合、通常の部品配置変更処理を行う。
(部品配置変更処理)
次に、図14を参照して、本実施形態の段取り支援装置300による部品配置変更処理をフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートの各処理は、制御部305により行われる。
図14に示すように、まず、ステップS1において、基板Pの生産計画と、目標生産時間との取得が行われる。
そして、ステップS2において、現在の部品配置による予測生産時間の取得が行われる。
そして、ステップS3において、基板Pの生産計画の変更により、予測生産時間が目標生産時間を超えるか否かの判断が行われる。ステップS3において、予測生産時間が目標生産時間を超えないと判断された場合、部品配置変更処理が終了される。一方、ステップS3において、予測生産時間が目標生産時間を超えると判断された場合、ステップS4に進む。
そして、ステップS4において、指標(図11~図13に示す指標AおよびB)に基づいて、小数部品配置処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かの予測が行われる。
そして、ステップS5において、ステップS4の予測に基づいて、小数部品配置変更処理を実行するか否かの判断が行われる。ステップS5において、小数部品配置変更処理を実行しないと判断された場合、ステップS10に進む。そして、ステップS10において、通常の部品配置変更処理が実行される。その後、部品配置変更処理が終了される。一方、ステップS5において、小数部品配置変更処理を実行すると判断された場合、ステップS6に進む。
そして、ステップS6において、小数部品配置変更処理が実行される。ステップS6の処理の詳細については、後述する。
そして、ステップS7において、小数部品配置変更処理による配置変更後の部品配置による予測生産時間の取得が行われる。
そして、ステップS8において、予測生産時間が目標生産時間を超えるか否かの判断が行われる。ステップS8において、予測生産時間が目標生産時間を超えないと判断された場合、部品配置変更処理が終了される。一方、ステップS8において、予測生産時間が目標生産時間を超えると判断された場合、ステップS9に進む。
そして、ステップS9において、比較処理の繰り返しを続行する続行条件を満たすか否かの判断が行われる。ステップS9において、続行条件を満たすと判断された場合、ステップS6に戻る。そして、ステップS6~S9の処理が適宜繰り返される。一方、ステップS9において、続行条件を満たさないと判断された場合、ステップS10に進む。そして、ステップS10において、通常の部品配置変更処理が行われる。その後、部品配置変更処理が終了される。
(1部品配置変更処理)
次に、図15を参照して、図14のステップS6の処理である1部品配置変更処理をフローチャートに基づいて説明する。
図15に示すように、まず、ステップS11において、生産計画に含まれる複数種類の基板Pのうち、小数部品配置変更処理による基板Pの生産時間の短縮効果が高い種類の基板P(たとえば、図13に示す種類Aの基板P)の選択が行われる。
そして、ステップS12において、ステップS11において選択された種類の基板Pを生産する場合に、サイクルタイムが最も大きい部品実装装置200bが、部品Eの移動元のマシンとして選択される。
そして、ステップS13において、ステップS11において選択された種類の基板Pを生産する場合に、サイクルタイムが最も小さい部品実装装置200bが、部品Eの移動先のマシンとして選択される。
そして、ステップS14において、移動元の部品実装装置200bに配置されている部品Eからの、配置変更する1つの部品Eの選択と、選択された1つの部品Eの移動先の部品実装装置200bへの配置変更とが行われる。この際、必要に応じて移動先のマシンの部品Eの配置を変更させてもよい。また、効果が少ない部品Eを別マシンに移動させてもよい。その後、図14に示すステップS7に進む。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、基板Pの生産計画の変更により、現在の部品Eの配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の部品Eの配置に基づいて、通常の部品配置変更処理よりも小数の部品配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行う制御部305を設ける。これにより、小数部品配置変更処理により、通常の部品配置変更処理を行う場合に比べて部品Eの配置変更が少ない部品Eの配置を得ることができる。その結果、ユーザは、得られた部品Eの配置に基づいて、現在の部品Eの配置から、小数の部品Eの配置変更の段取り作業を行うだけでよくなる。これにより、基板Pの生産計画の変更により部品Eの配置変更が行われる場合に、部品Eの配置変更の段取り作業に要する手間の軽減および時間の短縮を図ることが可能な段取り支援装置300を提供することができる。
また、本実施形態では、上記のように、小数部品配置変更処理において、制御部305を、1つの部品Eの配置変更後の部品Eの配置による予測生産時間と、目標生産時間とを比較する比較処理を行うように構成する。これにより、複数の部品Eの配置変更後の部品Eの配置による予測生産時間と、目標生産時間とが比較される場合に比べて、小数部品配置変更処理に複雑な処理を行う必要がない。その結果、小数部品配置変更処理に要する負荷の軽減および時間の短縮を図ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部305を、比較処理において予測生産時間が目標生産時間を超える場合、他の部品について比較処理を繰り返すように構成する。これにより、予測生産時間が目標生産時間内に収まるまで、1部品ずつ比較処理を順次行うことができる。その結果、最小限または最小限に近い部品Eの配置変更をするだけで済む部品Eの配置を容易に得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部305を、予測生産時間が目標生産時間を超えるという条件以外の条件である比較処理の繰り返しを続行する続行条件を満たす場合、比較処理を繰り返して、続行条件を満たさない場合、通常の部品配置変更処理を行うように構成する。これにより、比較処理を繰り返しても予測生産時間が目標生産時間内に収まらない場合、通常の部品配置変更処理を行って、通常の部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるような適切な部品Eの配置を得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部305を、実装ライン200の複数の部品実装装置200bのうち、サイクルタイムが最も大きい部品実装装置200bに配置されている部品から、配置変更する1つの部品Eを選択する制御を行うように構成する。これにより、サイクルタイムが最も大きいために、サイクルタイムの短縮の余地が大きく、部品Eの配置変更による生産時間の短縮を図るのに適した部品実装装置200bから、配置変更する1つの部品Eを選択することができる。その結果、サイクルタイムが小さい部品実装装置200bに配置されている部品から、配置変更する1つの部品Eが選択される場合に比べて、小数部品配置変更処理における1部品の配置変更による生産時間の短縮効果を高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部305を、実装ライン200の複数の部品実装装置200bのうち、サイクルタイムが最も大きい部品実装装置200bから、実装ライン200の複数の部品実装装置200bのうち、サイクルタイムが最も小さい部品実装装置200bへの、1つの部品Eの配置変更を行うように構成する。これにより、サイクルタイムが最も大きいために、サイクルタイムの短縮の余地が大きい部品実装装置200bから、サイクルタイムが最も小さいために、サイクルタイムの増加の余地が小さい部品実装装置200bへの、1つの部品Eの配置変更を行うことができる。その結果、サイクルタイムが最も小さい部品実装装置200bから、サイクルタイムが最も大きい部品実装装置200bへの、1つの部品Eの配置変更が行われる場合に比べて、小数部品配置変更処理における1部品の配置変更による生産時間の短縮効果を高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部305を、小数部品配置変更処理を行う前に、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行うように構成する。これにより、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まらないと予測された場合、小数部品配置変更処理を実行しないようにすることができる。その結果、小数部品配置変更処理の効果が見込めない場合に、不必要に小数部品配置変更処理が実行されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部305を、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まると予測された場合、小数部品配置変更処理を行うとともに、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まらないと予測された場合、通常の部品配置変更処理を行うように構成する。これにより、小数部品配置変更処理を行う前に、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まらないと予測された場合、小数部品配置変更処理を行うことなく、通常の部品配置変更処理を行って、通常の部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるような適切な部品Eの配置を得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部305を、基板Pの最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標、および、複数の部品実装装置間のサイクルタイムのバランスを示す指標に基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行うように構成する。これにより、生産時間の短縮の余地を示す指標である、基板Pの最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標、および、複数の部品実装装置間のサイクルタイムのバランスを示す指標に基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを正確に予測することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明の段取り支援装置が、パーソナルコンピュータである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、段取り支援装置が、部品実装装置などの実装ラインの装置であってもよい。
また、上記実施形態では、比較処理についての続行条件が設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、比較処理についての続行条件が必ずしも設けられなくてもよい。たとえば、比較処理において予測生産時間が目標生産時間を超える場合、続行条件を満たすか否かが判断されることなく、通常の部品配置変更処理が行われてもよい。また、たとえば、予測生産時間が目標生産時間内に収まるまで、比較処理が継続されてもよい。
また、上記実施形態では、サイクルタイムが最も大きい部品実装装置に配置されている部品から、配置変更する1つの部品が選択される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装装置のサイクルタイムとは関係なく、配置変更する1つの部品が選択されてもよい。
また、上記実施形態では、サイクルタイムが最も大きい部品実装装置から、サイクルタイムが最も小さい部品実装装置への、部品の配置変更が行われる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、サイクルタイムとは関係なく、部品実装装置間の部品の配置変更が行われてもよい。
また、上記実施形態では、小数部品配置処理が行われる前に、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かが予測される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かが必ずしも予測されなくてもよい。
また、上記実施形態では、基板の最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標、および、複数の部品実装装置間のサイクルタイムのバランスを示す指標の両方に基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かが予測される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基板の最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標、および、複数の部品実装装置間のサイクルタイムのバランスを示す指標のうちのいずれか一方のみに基づいて、小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かが予測されてもよい。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
200 実装ライン
200b 部品実装装置
210 部品供給部
300 段取り支援装置
301 取得部
304a 段取り支援プログラム
305 制御部
305a 制御手段
E 部品
P 基板

Claims (11)

  1. 部品を供給する部品供給部を複数配置可能な部品実装装置を複数備える実装ラインにおいて、前記部品実装装置における前記部品供給部の配置の段取りの支援を行うための段取り支援装置であって、
    基板の生産計画と目標生産時間とを取得する取得部と、
    前記基板の生産計画の変更により、現在の前記部品供給部の配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の前記部品供給部の配置に基づいて、1つ前記部品供給部の配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行う制御部と、を備える、段取り支援装置。
  2. 前記小数部品配置変更処理では、前記制御部は、1つの前記部品供給部の配置変更後の前記部品供給部の配置による予測生産時間と、目標生産時間とを比較する比較処理を行うように構成されている、請求項1に記載の段取り支援装置。
  3. 前記制御部は、前記比較処理において予測生産時間が目標生産時間を超える場合、他の前記部品供給部について前記比較処理を繰り返すように構成されている、請求項2に記載の段取り支援装置。
  4. 前記制御部は、予測生産時間が目標生産時間を超えるという条件以外の条件である前記比較処理の繰り返しを続行する続行条件を満たす場合、前記比較処理を繰り返して、前記続行条件を満たさない場合、前記部品供給部の配置変更数に制限がない通常の部品配置変更処理を行うように構成されている、請求項3に記載の段取り支援装置。
  5. 前記制御部は、前記実装ラインの複数の前記部品実装装置のうち、サイクルタイムが最も大きい前記部品実装装置に配置されている前記部品供給部から、配置変更する1つの前記部品供給部を選択する制御を行うように構成されている、請求項2~4のいずれか1項に記載の段取り支援装置。
  6. 前記制御部は、前記実装ラインの前記複数の部品実装装置のうち、サイクルタイムが最も大きい前記部品実装装置から、前記実装ラインの前記複数の部品実装装置のうち、サイクルタイムが最も小さい前記部品実装装置への、1つの前記部品供給部の配置変更を行うように構成されている、請求項5に記載の段取り支援装置。
  7. 前記制御部は、前記小数部品配置変更処理を行う前に、前記小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行うように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の段取り支援装置。
  8. 前記制御部は、前記小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まると予測された場合、前記小数部品配置変更処理を行うとともに、前記小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まらないと予測された場合、前記部品供給部の配置変更数に制限がない通常の部品配置変更処理を行うように構成されている、請求項7に記載の段取り支援装置。
  9. 前記制御部は、前記基板の最小限界のサイクルタイムに基づく生産時間の短縮可能時間を示す指標、および、前記複数の部品実装装置間のサイクルタイムのバランスを示す指標のうちの少なくとも一方に基づいて、前記小数部品配置変更処理により、予測生産時間が目標生産時間内に収まるか否かを予測する処理を行うように構成されている、請求項7または8に記載の段取り支援装置。
  10. 部品を供給する部品供給部を複数配置可能な部品実装装置を備える実装ラインにおいて、前記部品実装装置における前記部品供給部の配置の段取りの支援を行うための段取り支援方法であって、
    基板の生産計画と目標生産時間とを取得するステップと、
    前記基板の生産計画の変更により、現在の前記部品供給部の配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の前記部品供給部の配置に基づいて、1つ前記部品供給部の配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行うステップと、を備える、段取り支援方法。
  11. 部品を供給する部品供給部を複数配置可能な部品実装装置を備える実装ラインにおいて、前記部品実装装置における前記部品供給部の配置の段取りの支援を行うための段取り支援プログラムであって、
    コンピュータを、
    基板の生産計画の変更により、現在の前記部品供給部の配置による予測生産時間が目標生産時間を超える場合、現在の前記部品供給部の配置に基づいて、1つ前記部品供給部の配置変更を行う処理である小数部品配置変更処理を行う制御手段として機能させるための段取り支援プログラム。
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