以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図13を参照して、第1実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。
(部品実装システムの構成)
図1を参照して、本発明の実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。
部品実装システム100は、基板に部品を実装して、部品が実装された基板を製造するように構成されている。部品実装システム100は、図1に示すように、実装ライン10と、制御装置20とを備えている。
実装ライン10は、1つ設けられている。実装ライン10は、ローダ1と、印刷機2と、印刷検査機(図示せず)と、ディスペンサ装置(図示せず)と、部品実装装置3と、外観検査装置(図示せず)と、リフロー装置4と、外観検査装置5と、アンローダ6とを含んでいる。また、実装ライン10では、上流側から下流側に向かって基板が搬送されるように構成されている。
(実装ラインの構成)
次に、実装ライン10を構成する各装置の構成について説明する。
ローダ1は、部品が実装される前の基板(配線基板)を保持するとともに実装ライン10に基板を搬入する役割を有する。なお、部品は、LSI、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗器などの小片状の電子部品を含む。
印刷機2は、スクリーン印刷機であり、クリーム半田を基板の実装面上に塗布する機能を有する。印刷検査機は、印刷機2により印刷したクリーム半田の状態を検査する機能を有する。ディスペンサ装置は、基板にクリーム半田や接着剤などを塗布する機能を有する。部品実装装置3は、クリーム半田が印刷された基板の所定の実装位置に部品を実装(搭載)する機能を有する。外観検査装置は、複数の部品実装装置3の下流に設けられている。外観検査装置は、部品実装装置3により部品が実装された基板の外観を検査する機能を有する。リフロー装置4は、加熱処理を行うことにより半田を溶融させて部品を基板の電極部に接合する機能を有する。リフロー装置4は、レーン上の基板を搬送しながら、加熱処理を行うように構成されている。外観検査装置5は、リフロー装置4の下流に設けられている。外観検査装置5は、リフロー装置4により加熱処理が行われた後の基板の外観を検査する機能を有する。アンローダ6は、部品が実装された後の基板を実装ライン10から排出する役割を有する。
制御装置20は、制御部21と、記憶部22となどを含んでいる。制御装置20は、実装ライン10に関する情報を管理するサーバである。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)により構成されている。記憶部22は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリを有する記憶装置である。記憶部22には、実装ライン10により基板に部品が実装された生産品の基板の種類、枚数、実装する部品の種類、部品の在庫量、実装に関するデータを管理するデータ管理プログラムが記憶されている。制御装置20は、実装ライン10の各装置(ローダ1、印刷機2、印刷検査機、ディスペンサ装置、部品実装装置3、外観検査装置、リフロー装置4、外観検査装置5、アンローダ6)と通信可能に構成されている。なお、制御部21については、後に詳細に説明する。
(部品実装装置)
図2に示すように、部品実装装置3は、部品をプリント基板などの基板に実装するように構成されている。
ここで、部品実装装置3において、基板を搬送する搬送方向をX1方向とし、基板を搬送する搬送方向の逆方向をX2方向とし、X1方向およびX2方向を合わせた方向をX方向とする。また、水平方向のうちのX方向に直交する方向をY方向とし、Y方向の一方をY1方向とし、Y方向の他方をY2方向とする。また、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向(上下方向)とし、Z方向の一方をZ1方向(上方向)とし、Z方向の他方をZ2方向(下方向)とする。
部品実装装置3は、基台30と、基板搬送部31と、支持部32と、レール部33と、ヘッドユニット34と、部品認識カメラ35と、基板認識カメラ36と、取付部材37(図4参照)と、ノズル保持部材38と、表示部39とを備えている。
基台30は、部品実装装置3において各構成要素を配置する基礎となる台である。基台30上には、構成要素として、基板搬送部31、レール部33、部品認識カメラ35および取付部材37が設けられている。また、基台30には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、複数のテープフィーダを配置可能なフィーダ配置部が設けられている。
基板搬送部31は、部品実装装置3の外部から基板を搬入し、基板を搬送方向(X1方向)に搬送するように構成されている。基板搬送部31は、一対のコンベア部31aと、一対のコンベア部31aを回転駆動させるための駆動モータ(図示せず)とを含んでいる。一対のコンベア部31aの各々は、プーリ(図示せず)と、プーリに掛け回された輪状の搬送ベルトとを有している。
支持部32は、レール部33に複数(2個)配置されているが、両方とも同じ構造であるのでY2方向側の支持部32についてのみ説明を行う。
支持部32は、ヘッドユニット34をX方向に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、支持部32は、X方向に延びるボールねじ軸32aと、ボールねじ軸32aを回転させるX軸モータ32bとを含んでいる。ヘッドユニット34には、支持部32のボールねじ軸32aと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。
レール部33は、支持部32をY方向に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、レール部33は、リニアモータにより構成されている。すなわち、レール部33は、固定子33aと、可動子33bと、ガイドレール(図示せず)とを含んでいる。
このような構成により、ヘッドユニット34は、基台30上を水平面内で(X方向およびY方向に)移動可能に構成されている。
図3に示すように、ヘッドユニット34は、部品実装用のヘッドユニット34であり、基板のZ1方向(上方)を移動するとともに基板に対して所定の作業(実装作業)を行うように構成されている。つまり、ヘッドユニット34は、作業位置において固定された基板に部品を実装するように構成されている。
具体的には、ヘッドユニット34は、吸着ヘッド34aを含んでいる。吸着ヘッド34aは、部品を保持するとともに、基板上の目標搭載位置(図示せず)に部品を実装するように構成されている。吸着ヘッド34aは、X方向に一列に複数(4個)並んで配置されたインラインヘッドである。
複数の吸着ヘッド34aは、各々、圧力発生装置(図示せず)に接続されており、圧力発生装置により生じる負圧によって、先端に取り付けられた(装着された)ノズル34cに部品を保持(吸着)可能に構成されている。また、複数の吸着ヘッド34aは、各々、圧力発生装置による負圧を正圧に切り換えることによって、部品を基板に実装(搭載)可能に構成されている。
複数の吸着ヘッド34aは、各々、Z軸モータ34bによりZ方向(上下方向)に移動可能に構成されている。また、複数の吸着ヘッド34aは、各々、R軸モータ(図示せず)により回転軸回りに回転可能に構成されている。
部品認識カメラ35は、基板への電子部品の実装に先立ってノズル34cに保持(吸着)された部品を撮像する部品撮像用のカメラである。部品認識カメラ35は、基台30上に固定されており、部品の下方(Z2方向)から、ノズル34cに保持(吸着)された部品を撮像するように構成されている。
基板認識カメラ36は、ヘッドユニット34に取り付けられ、基板への部品の実装に先立って、基板の上面に付されたフィデューシャルマーク(図示せず)を撮像するマーク撮像用のカメラである。フィデューシャルマークは、基板の位置を確認するためのマークである。
〈取付部材〉
図4および図5に示すように、取付部材37は、ノズル保持部材38を基台30に取り付けるように構成されている。すなわち、取付部材37は、基台30の上面に設けられ、ノズル保持部材38が着脱可能に取り付けられるように構成されている。詳細には、取付部材37には、ノズル保持部材38が着脱可能に係合している、
〈ノズル保持部材〉
ノズル保持部材38は、吸着ヘッド34aに対して着脱可能な交換用のノズル34cを保持するように構成されている。
ここで、ノズル保持部材38および取付部材37の組は、基台30上に4個配置されているが、どれも同じ構造を有しているので、そのうちの1つのノズル保持部材38について説明する。
具体的には、ノズル保持部材38は、シャッタ部材38aと、保持部材本体38bと、識別部38cとを含んでいる。
シャッタ部材38aは、X方向に長い長方形状の平板形状を有している。シャッタ部材38aは、保持部材本体38bの上面に対してスライド移動可能に配置されている。シャッタ部材38aは、ノズル34cを保持状態と解除状態とに切替可能に構成されている。図4では、ノズル34cは、保持されている。
保持部材本体38bは、交換用の複数のノズル34cを保持可能に構成されている。保持部材本体38bは、ブロック状に形成されている。保持部材本体38bには、交換用の複数のノズル34cが収容される複数のノズル収容孔(図示せず)が形成されている。
識別部38cは、QR(Quick Response)コードなどである。識別部38cは、ノズル保持部材38を認識するための識別情報を有している。識別情報は、たとえば、ノズル保持部材38の識別番号などの情報である。識別部38cは、基板認識カメラ36により撮像されることによって認識される。
〈表示部〉
表示部39(図2参照)は、液晶ディスプレイなどから構成されている。表示部39は、制御部21から送信された情報を画面に表示するように構成されている。すなわち、表示部39は、取付部材37に取り付けるノズル保持部材38に関する情報などを、オペレータに報知するように構成されている。詳細には、表示部39は、取付部材37に取り付けるノズル保持部材38の収納位置、識別番号、およびノズル保持部材38の画像などを表示する機能を有している。
(制御部)
図6に示すように、制御部21は、データ管理プログラムに基づいて、ノズル34cの種類、および、ノズル34cの種類ごとのノズル34cの本数の少なくとも一方が異なる複数のノズル34cを各々が有する複数のノズルセット7を予め決定する制御を行うように構成されている。
ここで、ノズルセット7とは、ノズル保持部材38に保持される複数のノズル34cの一式である。すなわち、ノズルセット7は、制御部21により、部品実装装置3により基板に部品を実装することにより生産される生産品の生産予定の品種のデータに基づいて作成される生産計画により予め決定される。詳細には、ノズルセット7は、制御部21により、生産計画に含まれる部品実装装置3による基板への部品の実装に関連する実装関連情報に基づいて決定される。実装関連情報は、複数の吸着ヘッド34aの種類、部品実装装置3の実装ライン10上での配置位置、基板に部品を実装することにより生産される生産品の生産数、実装時間(サイクルタイム)、および、交換回数(段取り回数)などである。
ここで、部品実装装置3の実装ライン10上での配置位置とは、複数の部品実装装置3が実装ライン10上に配置されている場合における部品実装装置3の配置位置(上流、下流および中間など)を示す。実装時間(サイクルタイム)とは、部品実装装置3において1つの基板への部品の実装開始から実装完了までの時間を示す。交換回数(段取り回数)とは、ノズルセット7の交換回数を示す。
詳細には、複数の吸着ヘッド34aの種類に基づいて決定されたノズルセット7とは、ロータリーヘッドに適した極小部品用のノズルおよび小型チップ部品用のノズルを含むノズルセットである。ここで、ロータリーヘッドに適したノズルセット7では、極小部品用のノズルおよび小型チップ部品用のノズルが多く配置されている。また、複数の吸着ヘッド34aの種類に基づいて決定されたノズルセット7とは、高速インラインヘッド(複数(約10個)のヘッドを有する)に適した小型チップ部品用のノズルおよび大型異形ノズルを含むノズルセットである。また、高速インラインヘッドに適したノズルセット7では、小型チップ部品用のノズルおよび大型異形品用のノズルがバランスよく混在されている。また、複数の吸着ヘッド34aの種類に基づいて決定されたノズルセット7とは、異形インラインヘッド(複数(約5個)のヘッドを有する)に適した大型部品用のノズルおよび異形用のノズルを含むノズルセットである。
また、詳細には、部品実装装置3の実装ライン10上での配置位置に基づいて決定されたノズルセット7とは、上流側に配置された部品実装装置3に適した極小部品用のノズルおよび小型チップ部品用のノズルを含むノズルセットである。ここで、上流側に配置された部品実装装置3に適したノズルセット7では、極小部品用のノズルおよび小型チップ部品用のノズルが多く配置されている。また、部品実装装置3の実装ライン10上での配置位置に基づいて決定されたノズルセット7とは、中間に配置された部品実装装置3に適した小型チップ部品用のノズルおよび中型部品用のノズルを含むノズルセットである。また、複数の吸着ヘッド34aの種類に基づいて決定されたノズルセット7とは、下流側に配置された部品実装装置3に適した大型部品用のノズルおよび異形用のノズルを含むノズルセットである。
また、詳細には、基板に部品を実装することにより生産される生産品の生産数に基づいて決定されたノズルセット7とは、他の生産品よりも多く生産されるメインの生産品のタクトタイムを最小にするノズルの種類およびノズルの本数を有するノズルセットである。なお、基板に部品を実装することにより生産される生産品の生産数に基づいて決定されたノズルセット7とは、他の生産品よりも多く生産されるメインの生産品の他の態様の生産品のタクトタイムを最小にするノズルの種類およびノズルの本数を有するノズルセットであってもよい。
また、詳細には、サイクルタイムに基づいて決定されたノズルセット7とは、サイクルタイムを小さくすることに適したノズルセットである。すなわち、サイクルタイムに基づいて決定されたノズルセット7とは、ノズルの種類に応じたノズルの本数を他のノズルセットよりも多くしたノズルセットである。
また、詳細には、交換回数に基づいて決定されたノズルセット7とは、交換回数を小さくして生産時間を少なくすることに適したノズルセットである。すなわち、交換回数に基づいて決定されたノズルセット7とは、ノズルの種類を他のノズルセットよりも多くするとともに、同じノズルの種類に応じたノズルの本数を他のノズルセットよりも少なくしたノズルセットである。
ノズルセット7である複数のノズル34cは、制御部21により、実装関連情報に基づいてノズル34cの種類およびノズル34cの種類ごとのノズル34cの本数によって決定される。なお、ノズルセット7は、実装関連情報に基づくノズルセット7だけではなく、ノズル34cの種類、または、ノズル34cの種類ごとのノズル34cの本数を適宜変更した汎用的なノズルセット7であってもよい。このような汎用的なノズルセット7は、複数個決定されてもよい。
ここで、第1生産品種および第2生産品種に対する複数のノズルセット7の例について説明する。
たとえば、第1生産品種および第2生産品種を生産するためには、ノズル34cの種類として第1種類、第2種類および第3種類が必要であると仮定する。また、たとえば、複数のノズルセット7の例として、メインの生産品種である第1生産品種の生産品を1枚生産するために必要な時間(タクトタイム)を最短にする第1ノズルセット71、インラインヘッドである複数の吸着ヘッド34aに最適な第2ノズルセット72、タクトタイムを最短にする第3ノズルセット73、第4ノズルセット74および第5ノズルセット75があると仮定する。ここで、第1ノズルセット71は、生産品の生産数に基づいて決定される。第2ノズルセット72は、複数の吸着ヘッド34aの種類に基づいて決定される。第3ノズルセット73、第4ノズルセット74および第5ノズルセット75の各々は、各々の実装時間(サイクルタイム)に基づいて決定される。
この場合、たとえば、第1ノズルセット71の複数のノズル34cでは、第1種類(ハッチングなし)が3本、第2種類(濃いハッチング)が2本、および、第3種類(薄いハッチング)が2本となることがある。また、第2ノズルセット72の複数のノズル34cでは、第1種類が2本、第2種類が3本、および、第3種類が2本となることがある。第3ノズルセット73の複数のノズル34cでは、第1種類が7本となることがある。第4ノズルセット74の複数のノズル34cでは、第2種類が7本となることがある。第5ノズルセット75の複数のノズル34cでは、第3種類が7本となることがある。なお、タクトタイムを最短にする第3ノズルセット73、第4ノズルセット74および第5ノズルセット75は、部品実装装置3に全て取り付けられている。そして、第3ノズルセット73、第4ノズルセット74および第5ノズルセット75を交換して複数のノズル34cに取り付けることにより、基板に全ての部品が実装される。なお、第1ノズルセット71、第2ノズルセット72、第3ノズルセット73、第4ノズルセット74および第5ノズルセット75は、ノズルの本数が7本である例を示したが、ノズルの本数は、2本以上6本以下または8本以上であってもよい。
このように、制御部21は、部品実装装置3による基板への部品の実装に関連する実装関連情報に基づいて、予め複数のノズルセット7を決定する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部21は、実装関連情報として、複数の吸着ヘッド34aの種類、部品実装装置3の実装ライン10上での配置位置、基板に部品を実装することにより生産される生産品の生産数、実装時間、および、交換回数のいずれかに基づいて、予め準備された複数のノズルセット7を構成する各々のノズル34cの種類およびノズル34cの本数を決定する制御を行うように構成されている。
また、図7に示すように、制御部21により決定されたノズルセット7は、実装ライン10上において生産品を生産する前に予め作業者により作成される。すなわち、作業者は、実装ライン10における作業時間外に、制御部21により決定されたノズルセット7を参照し、ノズルセット7に対応するノズル34cの種類およびノズル34cの種類ごとのノズル34cの本数をノズル保持部材38に取り付ける。これにより、複数のノズルセット7の各々は、複数のノズル34cを予め一式揃えた状態で、部品実装装置3に交換可能に取り付けられるように構成されることになる。そして、作業者は、ノズルセット7に対応するノズル34cを取り付けたノズル保持部材38を収納部に収納する。ノズルセット7が複数個ある場合は、同様の作業を作業者が繰り返す。
ここで、上記した複数のノズルセット7の例を用いて説明する。
この場合、作業者は、第1ノズルセット71を取り付けた第1ノズル保持部材381、第2ノズルセット72を取り付けた第2ノズル保持部材382、第3ノズルセット73を取り付けた第3ノズル保持部材383、第4ノズルセット74を取り付けた第4ノズル保持部材384、および、第5ノズルセット75を取り付けた第5ノズル保持部材385を収容部8に収容する。これにより、収容部8には、部品実装装置3に着脱可能に取り付けられ、複数のノズルセット7の各々を保持する複数のノズル保持部材38が収容されている。
また、図8に示すように、制御装置20の記憶部22には、ノズルセット情報7aがデータベースとして記憶されている。詳細には、記憶部22には、複数のノズル保持部材38の各々の識別部38cの識別情報に関連付けて、複数のノズルセット7の各々が有するノズル34cの種類、および、ノズル34cの本数を有するノズルセット情報7aが記憶されている。
ここで、上記した複数のノズルセット7の例を用いて説明する。
この場合、たとえば、ノズルセット情報7aには、ノズル番号、ノズルタイプ(種類)およびノズルホルダという項目が設けられることがある。ノズル番号とは、複数のノズル34cの各々に割り振られた番号を示す。ノズルタイプは、ノズル番号に対応するノズル34cの種類を示す。たとえば、ノズルタイプは、第1生産品種および第2生産品種を生産するために用いられる第1種類、第2種類および第3種類となる。ノズルホルダとは、ノズル番号に対応するノズル34cが保持されているノズルホルダを示す。たとえば、ノズルホルダは、第1ノズル保持部材381、第2ノズル保持部材382、第3ノズル保持部材383、第4ノズル保持部材384および第5ノズル保持部材385となる。ここで、複数のノズルセット7の各々が有するノズル34cの本数は、制御部21により、ノズルタイプおよびノズルホルダの項目を参照することにより算出される。
図9および図10に示すように、第1実施形態の制御部21は、基板に部品を実装する実装時間を最小化する所定ノズルセット70を、予め決定されてされ準備された複数のノズルセット7のうちから選択する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部21は、複数のノズルセット7の各々の実装時間を比較した結果に基づいて、複数のノズルセット7のうちの他のノズルセット7よりも実装時間が短い所定ノズルセット70を選択する制御を行うように構成されている。ここで、実装時間は、制御部21により、ノズルセット7における、ノズル34cの種類と、ノズル34cの種類に対応するノズル34cの数とに基づいて算出される。
具体的には、制御部21は、記憶部22に記憶されたノズルセット情報7aに基づいて、所定ノズルセット70を選択する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部21は、ノズルセット情報7aから複数のノズルセット7の各々のノズル34cの種類、および、ノズル34cの種類に対応するノズル34cの数を取得する制御を行うように構成されている。また、制御部21は、取得したノズル34cの種類、および、ノズル34cの種類に対応するノズル34cの数に基づいて、複数のノズルセット7の各々の実装時間を算出する制御を行うように構成されている。
ここで、上記した複数のノズルセット7の例を用いて説明する。
この場合、たとえば、制御部21は、第1ノズルセット71に関して、第1種類が3本、第2種類が2本、および、第3種類が2本という情報を取得する。これにより、たとえば、制御部21は、第1ノズルセット71に関して、第1実装時間81を取得する。たとえば、制御部21は、第2ノズルセット72に関して、第1種類が2本、第2種類が3本、および、第3種類が2本という情報を取得する。これにより、たとえば、制御部21は、第2実装時間82を取得する。
また、たとえば、第3ノズルセット73、第4ノズルセット74および第5ノズルセット75に関して、それぞれ、第1種類が7本、第2種類が7本および第3種類が7本という情報を取得する。これにより、たとえば、制御部21は、第3実装時間83という情報を取得する。
この結果、制御部21は、第2実装時間82および第2実装時間82よりも第1実装時間81が短いので、第1実装時間81で基板の実装を完了する第1ノズルセット71を所定のノズルセット7として選択する。
このように、制御部21は、複数のノズル保持部材38の各々に保持されている複数のノズルセット7のうちから、所定ノズルセット70を選択する制御を行うように構成されている。
図11に示すように、制御部21は、基板への部品の実装開始前に、予め所定ノズルセット70を選択して通知する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部21は、選択された所定ノズルセット70の情報を表示部39に表示する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部21は、部品実装装置3の取付部材37に取り付けられているノズル保持部材38を交換する際(段取りの際)に、作業者に所定ノズルセット70の情報を表示部39に表示させる制御を行うように構成されている。これにより、作業者は、表示部39において視認したノズル保持部材38を収納部から取り出して取付部材37に取り付ける。
ここで、上記した複数のノズルセット7の例を用いて説明する。
この場合、たとえば、作業者は、表示部39に表示された第1ノズル保持部材381に関する情報を確認した後に、収納部に第1ノズル保持部材381を取りに行く。そして、作業者は、複数のノズルが配置された状態の第1ノズル保持部材381を取付部材37に取り付ける。これにより、ノズル保持部材38の交換作業(段取り作業)が完了する。
(ノズル選択処理)
以下に、図12および図13を参照して、制御部21による所定ノズルセット70を選択するノズルセット選択処理について説明する。ノズルセット選択処理は、実装時間を最小にする所定ノズルセット70を予め選択しておく処理である。
図12に示すように、ステップS1において、制御部21では、記憶部22にノズルセット情報7aがあるか否かが判断される。ノズルセット情報7aがある場合には、ステップS2に進む。また、ノズルセット情報7aがない場合にはステップS4に進んで、制御部21により生産計画に基づいてノズルセット情報7aが作成される。
ステップS2において、制御部21では、ノズルセット情報7aが再構築される。ここで、再構築とは、ノズルセット情報7aを更新する場合、部品実装装置3に変更が加えられた場合、実装ライン10において生産される生産品の品種が変更された場合、および、実装ライン10の装置構成が変更された場合などが生じた際、ノズルセット情報7aを変更することを示す。
このように、ステップS1~S3において、基板に実装する部品を吸着する複数のノズル34cを各々が有する複数のノズルセット7が予め決定される。
ステップS3において、制御部21では、所定ノズルセット70の選択が行われる。ここで、ステップS3では、基板に部品を実装する実装時間を最小化する所定ノズルセット70が、予め決定された複数のノズルセット7のうちから選択される。ステップS5において、制御部21では、生産データの更新が行われる。ここで、生産データの更新とは、所定ノズルセット70を用いる場合において、部品実装装置3での所定ノズルセット70による部品の搭載順を最適化することを示す。ステップS5の処理の後、ノズルセット選択処理が終了する。
図13を参照して、所定ノズルセット選択処理(ステップS3のサブルーチン)について説明する。所定ノズルセット選択処理は、ノズルセット情報7aに基づいて、複数のノズルセット7から所定ノズルセット70を取得する処理である。
図13に示すように、ステップS31において、制御部21では、基板情報に基づいて、基板上に部品を実装するために必要なノズル34cの種類が抽出される。ステップS32において、制御部21では、基板情報に基づいて、基板上に部品を実装するために必要なノズル34cの本数が抽出される。ステップS33において、制御部21では、ノズルセット情報7aに基づいて、複数のノズルセット7の中から1つのノズルセット7が選択される。
ステップS34において、制御部21では、選択されたノズルセット7にノズル34cの種類が揃っているか否かが判断される。ノズル34cの種類が揃っている場合には、ステップS35に進み、ノズル34cの種類が揃っていない場合には、ステップS33に戻る。ステップS35において、制御部21では、選択されたノズルセット7にノズル34cの本数が揃っているか否かが判断される。ノズル34cの本数が揃っている場合には、ステップS40に進み選択されたノズルセット7を所定ノズルセット70として決定する。また、ノズル34cの本数が揃っていない場合には、ステップS36に進む。
ステップS36において、制御部21では、ノズル34cの種類およびノズル34cの種類に対応するノズル34cの本数に基づいて、選択されたノズルセット7の実装時間(サイクルタイム)が算出される。ステップS37において、制御部21では、選択されたノズルセット7の実装時間が記憶部22に記憶される。ステップS38において、制御部21では、全てのノズルセット7の計算が完了したか否かが判断される。すなわち、複数のノズルセット7の全ての実装時間が記憶部22に記憶されているか否かが判断される。全てのノズルセット7の計算が完了した場合には、ステップS39に進み、全てのノズルセット7の計算が完了していない場合には、ステップS33に戻る。
ステップS39において、制御部21では、所定ノズルセット70が選択される。すなわち、制御部21では、複数のノズルセット7の全ての実装時間を記憶部22から取得した後、全ての実装時間が互いに比較される。そして、制御部21では、全ての実装時間のうちの最小の実装時間を算出したノズルセット7が所定ノズルセット70として選択される。ステップS40において、選択されたノズルセット7を所定ノズルセット70として決定した後、所定ノズルセット選択処理を終了してステップS5に進む。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、部品実装システム100の複数のノズルセット7の各々を、複数のノズル34cを予め一式揃えた状態で、部品実装装置3に交換可能に取り付けられるように構成する。そして、制御部21を、基板に部品を実装する実装時間を最小化する所定ノズルセット70を、予め決定されて準備された複数のノズルセット7のうちから選択する制御を行うように構成する。これにより、制御部21により選択された所定ノズルセット70を部品実装装置3に取り付ける際、作業者は複数のノズル34cを一式揃えた状態の所定ノズルセット70を部品実装装置3に取り付けるだけでよいので、所定ノズルセット70の交換作業を容易に行うことができる。すなわち、所定ノズルセット70を部品実装装置3に取り付ける際、作業者は、所定ノズルセット70のノズル34cの種類とノズル34cの本数の組み合わせを参照して、対応する複数のノズル34cを集めてノズルセット7を作成する必要がない。この結果、ノズルセット7の交換の際における作業者の作業負担を軽減することができる。また、実装時間を最小化する所定ノズルセット70を、予め決定されて準備された複数のノズルセット7のうちから選択するように制御部21を構成すれば、所定ノズルセット70により1枚の基板に部品を実装する実装時間を最小化することができるので、全ての基板に部品を実装するために必要な生産時間の増大を抑制することができる。この結果、基板に全ての部品を実装させた生産品を1枚生産するために要した時間(タクトタイム)を短くすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部21を、基板への部品の実装開始前に、予め所定ノズルセット70を選択して通知する制御を行うように構成する。これにより、予め所定ノズルセット70を選択して通知することにより、作業者がノズルセット7を所定ノズルセット70に交換する際に、円滑に交換作業を行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、部品実装システム100に、選択された所定ノズルセット70の情報を表示する表示部39を設ける。これにより、作業者が所定ノズルセット70の情報を視認することができるので、作業者が選択された所定ノズルセット70を正確に認識することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部21を、部品実装装置3による基板への部品の実装に関連する実装関連情報に基づいて、予め複数のノズルセット7を決定する制御を行うように構成する。これにより、部品実装装置3による実装に適した複数のノズル34c(たとえば、複数の吸着ヘッド34aに適した複数のノズル34cなど)を各々が揃えた複数のノズルセット7を準備することにより、複数のノズルセット7から基板の実装作業により合致するような所定ノズルセット70を選択することができるので、上記実装作業をより効率的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部21を、実装関連情報として、複数の吸着ヘッド34aの種類、部品実装装置3の実装ライン10上での配置位置、基板に部品を実装することにより生産される生産品の生産数、実装時間、および、交換回数のいずれかに基づいて、予め準備された複数のノズルセット7を構成する各々のノズル34cの種類およびノズル34cの本数を決定する制御を行うように構成する。これにより、部品実装装置3による実装に関連する特徴に適したノズル34cの種類およびノズル34cの本数を各々が揃えた複数のノズルセット7を準備することにより、複数のノズルセット7から基板の実装作業により一層合致するような所定ノズルセット70を選択することができるので、上記実装をより一層効率的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、部品実装システム100に、部品実装装置3に着脱可能に取り付けられ、複数のノズルセット7の各々を保持する複数のノズル保持部材38を設ける。制御部21を、複数のノズル保持部材38の各々に保持されている複数のノズルセット7のうちから、所定ノズルセット70を選択する制御を行うように構成する。これにより、制御部21により選択された所定ノズルセット70を部品実装装置3に取り付ける際に、作業者はノズル保持部材38を部品実装装置3に取り付けるだけでよいので、所定ノズルセット70を取り付ける作業を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数のノズル保持部材38の各々に、互いに異なる識別情報が割り振られた識別部38cを設ける。部品実装システム100に、複数のノズル保持部材38の各々の識別部38cの識別情報に関連付けて、複数のノズルセット7の各々が有するノズル34cの種類、および、ノズル34cの本数をノズルセット情報7aとして記憶する記憶部22を設ける。制御部21を、記憶部22に記憶されたノズルセット情報7aに基づいて、所定ノズルセット70を選択する制御を行うように構成する。これにより、記憶部22にデータベースとしてノズルセット情報7aを記憶させているので、制御部21による所定ノズルセット70を選択する制御を効率的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部21に、部品実装装置3とは別個に設けられたサーバの制御部21を設ける。これにより、サーバの制御部21において所定ノズルセット70を選択する制御を行うことができるので、部品実装装置3の制御部による処理負荷が増大することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ノズルセット選択方法に、決定された複数のノズルセット7の各々に含まれる複数のノズル34cを一式揃えて複数のノズルセット7を予め準備するステップS1~S4を設ける。そして、ノズルセット選択方法に、基板に部品を実装する実装時間を最小化する所定ノズルセット70を、予め決定されて準備された複数のノズルセット7のうちから選択するステップS3を設ける。これにより、ノズルセット7の交換の際における作業者の作業負担を軽減することが可能なノズルセット選択方法を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、図14~図17を参照して、第2実施形態の部品実装システム400について説明する。詳細には、実装時間に基づいて所定ノズルセット70を選択する上記第1実施形態の部品実装システム100とは異なり、第2実施形態の部品実装システム400では、総生産時間に基づいて共通のノズルセット470が選択される。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の部品実装システムは、実装ライン10(図1参照)と、制御装置420とを備えている。実装ライン10は、ローダ1(図1参照)と、印刷機2(図1参照)と、印刷検査機(図示せず)と、ディスペンサ装置(図示せず)と、部品実装装置3(図1参照)と、外観検査装置5(図示せず)と、リフロー装置4(図1参照)と、外観検査装置5(図1参照)と、アンローダ6(図1参照)とを含んでいる。
制御装置420は、制御部421と、記憶部22となどを含んでいる。制御装置420は、実装ライン10に関する情報を管理するサーバである。
(部品実装装置)
部品実装装置3は、基台30(図2参照)と、基板搬送部31(図2参照)と、支持部32(図2参照)と、レール部33(図2参照)と、ヘッドユニット34(図2参照)と、部品認識カメラ35(図2参照)と、基板認識カメラ36(図2参照)と、取付部材37(図2参照)と、ノズル保持部材38(図2参照)と、表示部39(図2参照)とを備えている。
(制御部)
図14および図15に示すように、第2実施形態の制御部421は、基板に部品を実装することにより生産される生産品の品種が複数ある場合において、複数の品種の生産品の各々の生産にかかる実装時間を全て加算した総生産時間を最小化する共通のノズルセット470として選択する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部421は、複数の品種の生産品のいずれかの実装時間を最小化しつつ、総生産時間も最小化する制御を行うように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様であるので、詳細な説明を省略する。
ここで、複数の生産品の品種として第1生産品種および第2生産品種がある場合に対する共通のノズルセット470の選択の例について説明する。
たとえば、第1生産品種および第2生産品種を生産するためのノズルセット7として、第1ノズルセット471および第2ノズルセット472が決定されたと仮定する。ここで、ノズルセット7の決定は第1実施形態と同様に行われたとする。第1ノズルセット471は、第1生産品種に対して実装時間を最小にするノズルセット7であり、第2ノズルセット472は、第2生産品種に対して実装時間を最小にするノズルセット7であると仮定する。
第1の日付において、第1生産品種が100枚生産されるとともに、第2生産品種が20枚生産されるとする。第1ノズルセット471により生産される第1生産品種の第1生産時間481は、第1ノズルセット471の実装時間と基板の枚数を乗算することにより算出される。第1ノズルセット471により生産される第2生産品種の第2生産時間482は、第1ノズルセット471の実装時間と基板の枚数を乗算することにより算出される。これらにより、第1ノズルセット471により第1生産品種および第2生産品種の両方を生産した場合の第1総生産時間580は、第1生産時間481と第2生産時間482とを加算した時間である。同様にして、第1の日付において、第2ノズルセット472により第1生産品種および第2生産品種の両方を生産した場合の第2総生産時間680が算出される。
第1の日付において、制御部421は、第1総生産時間580と第2総生産時間680とを比較すると、第1総生産時間580の方が短いので、第1ノズルセット471を共通のノズルセット470して選択する。
また、第2の日付において、第1生産品種が20枚生産されるとともに、第2生産品種が100枚生産されるとする。第1の日付の場合と同様に計算すると、第2の日付において、第1ノズルセット471により第1生産品種および第2生産品種の両方を生産した場合の第3総生産時間780が算出される。第2ノズルセット472により第1生産品種および第2生産品種の両方を生産した場合の第4総生産時間880も算出される。
第2の日付において、制御部421は、第3総生産時間780と第4総生産時間880とを比較すると、第4総生産時間880の方が短いので、第2ノズルセット472を共通のノズルセット470して選択する。
このように、制御部421は、予め決定された複数のノズルセット7から共通のノズルセット470を選択する制御を行うように構成されている。
(ノズルセット選択処理)
以下に、図16および図17を参照して、制御部421による共通のノズルセット470を選択するノズルセット選択処理について説明する。ノズルセット選択処理は、予め総生産時間を最小にする共通の所定ノズルセット70を選択しておく処理である。
図16に示すように、ステップS1~ステップS5は、第1実施形態のノズルセット選択処理のステップS1~ステップS5と同様であるので説明を省略する。ここで、制御部421では、ステップS203において、制御部421では、共通のノズルセット470の選択が行われる。
図17を参照して、共通のノズルセット選択処理(ステップS203のサブルーチン)について説明する。共通のノズルセット選択処理は、ノズルセット情報7aに基づいて、複数のノズルセット7から共通のノズルセット470を取得する処理である。
図17に示すように、ステップS231において、制御部421では、生産計画に基づいて、生産品の数に応じた基板の数が取得される。また、制御部421では、基板情報に基づいて、基板上に部品を実装するために必要なノズル34cの種類およびノズル34cの本数が抽出される。ステップS232において、制御部421では、ノズルセット情報7aに基づいて、複数のノズルセット7の中から1つのノズルセット7が選択される。
ステップS233において、制御部421では、選択されたノズルセット7にノズル34cの種類が揃っているか否かが判断される。ノズル34cの種類が揃っている場合には、ステップS234に進み、ノズル34cの種類が揃っていない場合には、ステップS232に戻る。ステップ234において、制御部421では、選択されたノズルセット7にノズル34cの本数が揃っているか否かが判断される。ノズル34cの本数が揃っている場合には、ステップS239に進み選択されたノズルセット7を共通のノズルセット470として決定する。また、ノズル34cの本数が揃っていない場合には、ステップS235に進む。
ステップS235において、制御部421では、ノズル34cの種類およびノズル34cの種類に対応するノズル34cの本数に基づいて、選択されたノズルセット7の実装時間が算出される。ステップS236において、制御部421では、実装時間および基板の数に基づいて、総生産時間が算出される。また、制御部421では、総生産時間が記憶部22に記憶させる。ステップS237において、制御部421では、全てのノズルセット7の計算が完了したか否かが判断される。すなわち、複数のノズルセット7の全ての総生産時間が記憶部22に記憶されているか否かが判断される。全てのノズルセット7の計算が完了した場合には、ステップS238に進み、全てのノズルセット7の計算が完了していない場合には、ステップS232に戻る。
ステップS238において、制御部421では、共通の所定ノズルセット70が選択される。すなわち、制御部421では、複数のノズルセット7の全ての総生産時間を記憶部22から取得した後、全ての総生産時間が互いに比較される。そして、制御部421では、全ての総生産時間のうちの最小の総生産時間を算出したノズルセット7が共通のノズルセット470として選択される。ステップS239において、選択されたノズルセット7を共通のノズルセット470として決定した後、共通のノズルセット選択処理を終了してステップS5に進む。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態の効果について説明する。
第2実施形態では、上記のように、部品実装システム400の複数のノズルセット7の各々を、複数のノズル34cを予め一式揃えた状態で、部品実装装置3に交換可能に取り付けられるように構成する。そして、制御部421を、基板に部品を実装することにより生産される生産品の品種が複数ある場合において、複数の品種の生産品の各々の生産にかかる実装時間を全て加算した総生産時間を最小化する共通のノズルセット470として選択する制御を行うように構成する。これにより、制御部421により選択された所定ノズルセット70を部品実装装置3に取り付ける際、作業者は複数のノズル34cを一式揃えた状態の所定ノズルセット70を部品実装装置3に取り付けるだけでよいので、所定ノズルセット70の交換作業を容易に行うことができる。すなわち、所定ノズルセット70を部品実装装置3に取り付ける際、作業者は、所定ノズルセット70のノズル34cの種類とノズル34cの本数の組み合わせを参照して、対応する複数のノズル34cを集めてノズルセット7を作成する必要がない。この結果、ノズルセット7の交換の際における作業者の作業負担を軽減することができる。また、共通のノズルセット470によりノズルセット7を交換する交換回数を最小化することによって、ノズルセット7の交換作業(段取り作業)にかかる時間を最小化することができるので、複数の品種の生産品を全て生産するために必要な総生産時間の増大を抑制することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、所定ノズルセット70または共通のノズルセット470が、ディスプレイとしての表示部39に表示して通知される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、所定ノズルセットまたは共通のノズルセットが、作業者が携帯するタブレット端末などの表示部に表示して通知されてもよい。
また、上記第1実施形態では、制御部21は、実装時間を最小化する所定ノズルセット70を、予め決定された複数のノズルセット7のうちから選択する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、ノズルセットを交換する交換回数を最小化する所定ノズルセットを、予め決定された複数のノズルセットのうちから選択する制御を行うように構成されていてもよい。これにより、所定ノズルセットによりノズルセットを交換する交換回数を最小化するように制御部を構成すれば、ノズルセットの交換作業(段取り作業)を減少させることができるので、作業者の作業負担を軽減することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、ノズルセット7の例として、インラインヘッドに対応するノズルセット7を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ノズルセットは、ロータリーヘッドに対応するノズルセットであってもよい。
また、第1および第2実施形態では、制御装置20(420)の制御部21(421)は、サーバの制御部21である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、部品実装装置に設けられた制御部であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、制御部21(421)の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。