JP2004282045A - 生産システム、生産方法及び設備調節方法 - Google Patents

生産システム、生産方法及び設備調節方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 いわゆるセル生産方式において、各セルでの処理時間の短縮を図り、生産効率を向上させることである。
【解決手段】 本生産システムは、はんだ付けロボット1によりプリント基板上に電子部品をはんだ付けし、サーキットチェック装置によりプリント基板の電気特性を検査した後、ROMライタ3によりプリント基板上のフラッシュROMに所定のデータを書き込み、ファンクションテスト装置4により最終的な機能検査を行う。これらの処理工程を行うための各設備は、同じ作業員Aが作業可能な程度に近接して配置されており、セル(ファミリー)を構成している。作業員は、ファンクションテスト装置が処理している間に、はんだ付けロボットによるはんだ付け処理、サーキットチェック及びデータ書込処理を行う。よって、このセルで1枚のプリント基板を処理する時間は、ファンクションテストの時間だけ済む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、処理対象物に対して加工、組み立て等の処理を行う複数の処理工程を実施するための生産システム及び生産方法に関するものである。
製品又は部品等の最終生産物を大量生産する場合、生産効率をいかに高めるかが非常に重要となる。そのため、従来では、一連の生産プロセスを複数の処理工程に分割し、各処理工程での作業をそれぞれ作業員によって分担するバッチ作業による生産方式(以下、「バッチ生産方式」という。)が採用されている。このバッチ生産方式は、一般に、処理対象物をコンベアにより流しながら各作業員がそれぞれ担当する処理工程を行い、処理対象物の種類に応じ、必要に応じて一部の処理工程を変更する。このようなバッチ生産方式においては、各処理工程で作業を行う作業員のスキルが専門的であるため、各処理工程での処理能力が高く、生産能力が高いという利点がある。しかし、処理工程ごとに作業員が配置されるため人的コストが高く、また作業員のスキルが専門的であることから最終生産物の生産数量の増減や最終生産物の変更等に対して柔軟に対応することが困難であるという欠点がある。
一方、近年、特許文献1や特許文献2に開示されているようなセル生産方式と呼ばれる生産方式も提案されている。このセル生産方式は、生産プロセスの一部又は全部を担う2つ以上の処理工程を1つのグループ(セル)とし、各作業員をセルごとに担当させる生産方式である。このセル生産方式では、上記バッチ生産方式に比べて作業員数を少なくできるので人的コストを抑えることができるという利点がある。また、作業員は複数の処理工程での作業を担うため、作業員のスキルは多能工的となり、各セルを担当する作業員を配置換え等することで、生産対象物の生産数量の増減や生産対象物の変更等に対して柔軟に対応することができるという利点もある。
特開2000−194755号公報 特開2001−1237号公報
上記セル生産方式は、上記コンベア生産方式に比べて上述のような利点を有するが、製品又は部品等の最終生産物を大量生産するものである以上、生産効率をいかに高めるかが重要となる。生産効率を高めるには、1つの生産対象物に対する生産ライン全体の作業時間(リードタイム)を短くすることが必要になる。したがって、上述した利点を生かしつつ生産効率を高めるには、セル生産方式においていかにリードタイムを短縮するかが問題である。
ところが、従来のセル生産方式では、作業員は、1つの処理対象物に対してセル内に含まれる複数の処理工程を順次行うものである。1つの処理対象物に対するセルでの作業時間は、そのセル内に含まれる各処理工程の作業時間(以下、「タクト時間」という。)の累積時間となる。そのため、従来のセル生産方式においてリードタイムを短縮するには、各処理工程の作業時間を短縮するしかない。各処理工程の作業時間を短縮するには、その処理工程を実行する装置を高速な装置に取り換えるたり、作業員のスキルを向上させたりする必要があるが、現実的に限界がある。
特に、近年のデジタル機器の高機能化、短ライフサイクル化に伴い、デジタル機器に組み込まれるプリント基板が多品種化、短納期化している。例えば、1ヶ月間で、500品種のプリント基板に対して1億個の部品を実装しなければならない状況も存在する。このような状況において、プリント基板が高密度化している近年では、従来のバッチ生産方式やセル生産方式により高品質なプリント基板を短期間で生産することは困難である。生産ラインの全処理工程を自動化する生産方式(以下、「インライン生産方式」という。)を採用し、各処理工程を実行する自動装置として処理速度が高速なものを導入すれば、高品質なプリント基板を短期間で生産することも可能である。しかし、この生産方式では、処理工程が互いに異なる複数種の処理対象物を処理する場合、その生産ラインに流す処理対象物の種類を変更する際に、生産ライン内の設備の部品交換や調整に長時間を要するという欠点がある。したがって、多品種のプリント基板を同じ納期内に生産する場合には、かえって生産効率が悪化してしまい、多品種のプリント基板を短期間に生産することはやはり困難である。一方、複数種の処理対象物に対して個別に生産ラインを準備すれば、多品種のプリント基板を高品質な状態で短期間に生産することも可能であるが、投資コストが極めて高騰する。また、インライン生産方式を採用すると、プリント基板上に実装される部品として面実装可能な高価なものを用意しなければならないし、このような部品は調達が困難であるために安定した生産が困難となる。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、いわゆるセル生産方式の利点を生かしつつ、リードタイムを短縮することが可能な生産システム、生産方法及び設備調節方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とを、同一の作業員が作業可能な程度に近接して配置したことを特徴とするものである。
この生産システムは、少なくとも、自動処理設備と、これに近接配置される1又は2以上の処理設備とを組み合わせて設備群(ファミリー)を構成した生産方式(以下、従来のセル生産方式と区別するために「ファミリー生産方式」という。)用のシステムである。本システムにおいて、作業員は、自動処理設備で処理対象物を処理装置にセットしてからこれを処理装置から取り外すまでの間、作業員の手作業が必要となる処理設備で作業を行うことが可能となる。これにより、本システムでは、上記自動処理設備の処理装置による処理時間中に、上記1又は2以上の処理設備での処理時間を吸収させることが可能となる。すなわち、本システムによるファミリー生産方式では、上記自動処理設備及び上記1又は2以上の処理設備での合計作業時間は、実質的に自動処理設備での処理工程のタクト時間のみとなる。したがって、1つの処理対象物に対する設備群(セル)での作業時間がセルに含まれる全処理工程のタクト時間の累積時間となる従来のセル生産方式に比べて、リードタイムを大幅に短縮することが可能となる。なお、上記1又は2以上の処理設備での処理工程で必要となる作業員の手作業は、例えば手作業によるはんだ付け処理等の処理工程そのもののほか、作業員が処理対象物を処理装置にセットし又は処理装置から取り外す作業も含まれる。すなわち、この1又は2以上の処理設備は、処理対象物を処理装置にセットし又はその処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための設備であってもよい。
また、請求項2の発明は、処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための複数の同一の自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とを、同一の作業員により作業可能な程度に近接して配置したことを特徴とするものである。
この生産システムも、請求項1の生産システムと同様、ファミリー生産方式用のシステムであるが、ファミリー内に同一の自動処理設備が複数配置されている。処理対象物の種類によっては、ファミリーに含める設備をどのように組み合わせても、自動処理設備の処理装置による処理時間が、ファミリーに含まれる処理設備で要する時間を大きく越える場合がある。この場合、自動処理設備での処理工程前で処理対象物の仕掛かりが発生してしまい、その仕掛かり分の処理対象物を置いておく場所が必要となるなどの不具合が生じる。このような場合であっても、本生産システムによれば、ファミリー内に同一の自動処理設備を複数配置しているため、これらの自動処理設備で並列に処理工程を実施することができる。これにより、例えば2つの自動処理設備を設置した場合であれば、自動処理設備での処理工程で要する時間は半分になり、自動処理設備での処理工程前での仕掛かりの発生を抑制することができる。また、本生産システムでは、上記請求項1の生産システムと同様に、上記自動処理設備及び上記1又は2以上の処理設備での合計作業時間は、実質的に自動処理設備での処理工程のタクト時間のみとなる。よって、本生産システムによれば、例えば2つの自動処理設備を設置した場合であれば、自動処理設備での処理工程で要する時間は半分になり、上記自動処理設備及び上記1又は2以上の処理設備での合計作業時間も半分にすることが可能となる。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の生産システムにおいて、同一の作業員が作業可能な程度に近接して配置される上記自動処理設備と上記処理設備とからなる設備群を複数備え、各設備群に備わった設備の少なくとも一部は互いに異なるものであることを特徴とするものである。
この生産システムにおいて、各ファミリーにはそれぞれ互いに異なる設備が配置されている。このように設備が互いに異なっている複数のファミリーを予め用意しておくことで、処理対象物に対する処理工程の変更があっても、その処理対象物に応じて利用するファミリーを変更するだけで生産ラインを稼働させることが可能となる。なお、各ファミリー間で互いに異なる設備は、上記自動処理設備であっても、上記処理設備であってもよい。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の生産システムにおいて、上記自動処理設備は、該自動処理設備を含む生産ラインで実行される処理工程の中で処理装置による処理時間が最も長い処理工程を行うためのものであることを特徴とするものである。
この生産システムにおいては、自動処理設備における処理装置による処理時間が、生産ラインで実行される処理工程の中で最も長いので、その自動処理設備の処理装置の処理中に作業員が行うことができる手作業の時間が増える。よって、ファミリーに含めることができる処理設備の自由度が増す。その結果、作業員による作業効率がよくなる処理工程を組み合わせることが可能となり、ファミリーでの作業効率を高めることが可能となる。また、自動処理設備の処理装置の処理中に作業員が行うことができる手作業の時間が増える結果、そのファミリーを担当する作業員が担う処理工程の処理設備数を増やすことが可能となる。よって、生産ラインに携わる作業員の数を減らすことも可能となる。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の生産システムにおいて、上記処理対象物はプリント基板であることを特徴とするものである。
従来のプリント基板の生産システムでは、一般に、上記バッチ生産方式が採用されていた。一方で、プリント基板以外の生産技術の分野においては、人的コストの削減等のため、セル生産方式を採用する場合もある。しかし、上述したように、従来のセル生産方式はセル内に含まれる複数の処理工程を作業員が順次行うものであったため、セル生産方式のリードタイムはバッチ生産方式とほとんど変わらない。したがって、セル生産方式が人的コストを削減できるといっても、生産方式の変更に伴う投資コストを考慮すれば、プリント基板の生産技術分野において、バッチ生産方式からセル生産方式に変更することは通常は考えられていなかった。ところが、本請求項に係る生産システムが採用するファミリー生産方式であれば、生産ラインのリードタイムを大幅に短縮することができるという生産技術の分野にとって極めて有用な効果が得られる。そうすると、生産方式の変更に伴う投資コストを考慮したとしても、セル生産方式と同様の効果を有する本ファミリー生産方式を導入することが実現できる。しかも、プリント基板の生産ラインには、一般に、基板上にプリント配線を施す処理工程、基板上に電子部品をはんだ付けする処理工程、プリント基板の機能テストを行う処理工程などのように、機械により自動化できる工程が存在する。一方、特殊な電子部品などをはんだ付けする処理工程や、はんだ付けの不良箇所を確認したりその不良箇所を修理したりする処理工程などのように、作業員による手作業でしか行うことが困難な工程も存在する。このように、プリント基板の生産ラインは、機械により自動化できる処理工程と作業員の手作業による処理工程とが混在するので、上述したように自動処理設備の処理装置が処理を実行している間に作業員が処理設備で手作業による処理を行い得る本生産システムのファミリー生産方式が極めて有効となる。
また、請求項6の発明は、請求項5の生産システムにおいて、上記処理装置は、上記プリント基板上に電子部品を自動的にはんだ付けする自動はんだ付け装置であることを特徴とするものである。
上述のようにプリント基板の生産ラインに含まれる処理工程の中でも、自動はんだ付け装置による電子部品のはんだ付け処理工程は、プリント基板の種類が変わっても簡単なレイアウト変更をするだけで実行できる。すなわち、作業員は特殊なスキルを持たずとも、そのはんだ付け処理工程で作業を行うことができるので、このはんだ付け処理工程と組み合わされる処理設備による処理工程の自由度を高めることができる。しかも、はんだ付け処理工程は、プリント基板の種類が変わっても必ず生産ラインに含まれる。よって、プリント基板の種類変更により、生産ラインに含める処理工程の変更や各処理工程の作業内容の変更などが変更しても、はんだ付け処理工程に近接配置する処理設備の配置変更及び作業員の配置変更を行うだけで対応することができる。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の生産システムにおいて、互いに近接して配置される上記自動処理設備と上記処理設備で作業する作業員の作業時間及びその作業時間内に処理した処理対象物の数を含む作業実績情報を収集する実績情報収集装置を設けたことを特徴とするものである。
このような作業実績情報を収集することで、ファミリーの作業効率などを把握することができる。その結果、例えば、把握した作業効率と予定していた作業効率とを比較することができる。また、実績情報収集装置によりリアルタイムで作業実績情報を収集すれば、その作業実績情報に基づいて作業の進捗具合、ファミリーの稼働率などを把握することもできる。
また、請求項8の発明は、処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とが、同一の作業員により作業可能な程度に近接して配置された生産システムを用いて、処理対象物に対して複数の処理工程を実施することにより最終生産物を生産することを特徴とするものである。
この生産方法は、請求項1の生産システムを利用して最終生産物を生産するので、リードタイムの短縮を図ることが可能となる。
また、請求項9の発明は、処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための複数の同一の自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とが、同一の作業員により作業可能な程度に近接して配置された生産システムを用いて、処理対象物に対して複数の処理工程を実施することにより最終生産物を生産することを特徴とするものである。
この生産方法は、請求項2の生産システムを利用して最終生産物を生産するので、自動処理設備での処理工程前での仕掛かりの発生を抑制することができ、また、リードタイムの短縮を図ることが可能となる。
また、請求項10の発明は、処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とが、同一の作業員により作業可能な程度に近接して配置される設備群の各設備を調節する設備調節方法であって、上記1又は2以上の処理設備の処理工程で要する合計時間と、上記自動処理設備の処理装置による処理時間との間に差があるとき、該自動処理設備の処理装置による処理時間及び該処理設備の処理工程で要する時間の少なくとも1つの時間を増減して、該自動処理設備の処理装置による処理時間と該1又は2以上の処理設備の処理工程で要する合計時間との差が少なくなるように調節することを特徴とするものである。
この設備調節方法は、ファミリー内の各設備における個々のタクト時間を調節してファミリー内のタクトバランスを調整するものである。ファミリーに含まれる1又は2以上の処理設備の処理工程で要する合計時間と、自動処理設備の処理装置による処理時間との間に差があるとき、ファミリー内でのタクトバランスが悪く、次のような不具合が生じる。すなわち、自動処理設備の処理装置による処理時間が処理設備の処理工程で要する合計時間を越える場合、自動処理設備の処理装置による処理が終わるまで他の処理設備での処理を進行できない状況が生じ、ファミリー内の作業効率が低下してしまう。また、この場合、自動処理設備の処理装置による処理が終わる前に他の処理設備での処理を進行してしまうと、自動処理設備での処理工程前で仕掛かりが発生してしまう。逆に、処理設備の処理工程で要する合計時間が自動処理設備の処理装置による処理時間を越える場合、処理装置による処理を終えるまで自動処理設備での処理を進行できない状況が生じ、ファミリー内の作業効率が低下してしまう。そこで、本設備調節方法では、ファミリー内でのタクトバランスを調整すべく、自動処理設備の処理装置による処理時間及び処理設備の処理工程で要する時間の少なくとも1つの時間を増減する。一般に、生産ラインで実行される処理工程の中には、多少処理精度を落として処理スピードを高めたり、逆に処理スピードを多少落として処理精度を高めたりすることが可能な処理工程がある。このような処理工程が例えば自動処理設備での処理工程である場合、処理設備で要する合計時間が自動処理設備の処理装置による処理時間を越えるときにはファミリーでの作業時間は処理設備で要する合計時間に依存するため、処理装置による精度を落としてまで処理スピードを高めても、ファミリーでの作業時間は変わらない。よって、処理装置による処理スピードを落としてタクトバランスを調整すれば、ファミリーでの作業時間を延ばすことなく、処理装置による処理精度を高め、また、仕掛かりの発生を少なくすることができる。逆に、自動処理設備の処理装置による処理時間が処理設備で要する合計時間を越えるとき、ファミリーでの作業時間は自動処理設備で要する時間に依存するため、処理スピードを落として必要以上に精度を高めると、ファミリーでの作業時間を延ばすことになる。よって、処理装置による処理精度を多少落として処理スピードをアップさせ、タクトバランスを調整すれば、ファミリーでの作業時間を短縮する。なお、処理設備で要する時間を増減させる場合も、上述した自動処理設備の処理装置による処理時間を増減させる場合と同様の効果を得ることができる。
請求項1乃至10の発明によれば、いわゆるセル生産方式の利点を生かしつつ、リードタイムを短縮することが可能となるという優れた効果がある。
特に、請求項2及び9の発明によれば、自動処理設備の処理装置による処理時間がファミリーに含まれる処理設備で要する時間を越える場合、ファミリーでの作業時間を短縮することが可能であるとともに、リードタイム自動処理設備での処理工程前に仕掛かりが発生するのを抑制することが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項3の発明によれば、処理対象物に対する処理工程の変更に迅速に対応することが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項4の発明によれば、人的コストを減らすことが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項5の発明によれば、プリント基板の生産効率を向上させることが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項6の発明によれば、プリント基板の種類変更に柔軟に対応可能な生産ラインを実現可能となるという優れた効果がある。
また、請求項7の発明によれば、生産ライン全体の生産管理を適切に行うことが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項10の発明によれば、ファミリー内のタクトバランスを調整して、ファミリーで処理品質及び処理スピードの双方を考慮した最適な処理を行うことが可能となるという優れた効果がある。
〔実施形態1〕
以下、本発明を、処理対象物であるプリント基板の生産システムに適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
図2は、本実施形態1に係る生産システムが実行する処理工程の流れを示すフローチャートである。本実施形態1の生産システムは、主に機械によって処理工程を行う前段工程と、主に作業員の手作業が必要になる処理工程を行う後段工程とに分けることができる。本実施形態1では、後段部分に係る生産システム部分に本発明の特徴部分を適用したものである。
まず、本生産システムが実行する前段工程の構成及び動作について説明する。
図3は、本生産システムが実行する前段工程に対応した生産ライン前段部分を構成する主要な設備を示す配置図である。この生産ラインの前段部分は、主に、はんだ印刷機20、チップマウンタ30、QFP(quad fiat package)マウンタ40、リフロー炉50及び外観検査装置60から構成されている。この前段部分では、外観検査装置60での外観検査処理に1人の作業員が配置されるだけで、残りの処理は各装置によって自動的に行われる。この前段部分において、まず、部品が実装されていない状態の基板がはんだ印刷機20内に搬送され、その基板上の所定位置にはんだ印刷機20ではんだを印刷する。このようにしてはんだが印刷された基板は、チップマウンタ30及びQFPマウンタ40に順次搬送され、コンデンサやIC等の実装部品が基板上に載置される。その後、その基板はリフロー炉50内に搬送されて加熱処理される。これにより、はんだ印刷機20によって印刷されたはんだが溶解し、冷却されることで、実装部品が基板上に実装される。このようにして実装部品が実装されたプリント基板は、その後、ベルトコンベア等の搬送手段によって、又は作業員による手作業によって、外観検査装置60内に搬入される。この外観検査装置60では、はんだ付けの良否が光学的に判定される。この外観検査処理において、良品と判定されたプリント基板は後述する生産ラインの後段部分におけるサーキットチェック処理を行う手作業処理設備に移送される。一方、不良品と判定されたプリント基板は、リペア処理工程を行う設備に移送される。このリペア処理工程では、不良品と判定されたプリント基板の不良部分を作業員の手作業によってはんだ付けする処理を行う。このリペア処理工程を行うための設備には、作業員の手作業によるはんだ付け処理に必要なはんだこて等が用意されている。
本実施形態1では、外観検査装置60に、データ修正処理手段としての修正端末61が接続されている。この修正端末61は、その内部に、外観検査装置60から出力される判定結果データを書き込み及びその書き込まれたデータを読み出すデータ入出力手段を備えている。この修正端末61は、外観検査装置60による良否判定結果が正しいか否かを作業員が目視で再検査し、検査結果に誤りがあったときに検査結果データを修正するためのものである。本実施形態1では、プリント基板上の個別のバーコードが形成されており、そのバーコード情報をバーコード自動読取装置61で読み取る。このバーコード自動読取装置61で読み取ったバーコード情報及び外観検査装置60の判定結果データは、シリアル通信ケーブルを通して修正端末61に送信され、保存される。この保存された判定結果データは、修正端末61の表示手段であるディスプレイ61aに映し出される。そして、作業員は、不良と判定された判定結果がディスプレイ61aに映し出されたら、実際のプリント基板を目視で確認し、本当に不良品であるかを確認する。その結果、不良品でないと判断したら、オペレータは、修正端末61の図示しないキーボード等のデータ修正入力手段によって修正入力を行う。なお、本実施形態1の修正端末61は、外観検査装置60に接続されたスタンドアローン型のコンピュータで構成されているが、外観検査装置60及び本生産システムを構成する他の装置に対して、LAN等のネットワークで接続したものであってもよい。
次に、本生産システムが実行する後段工程の構成及び動作について説明する。
図1は、本生産システムが実行する後段工程に対応した生産ライン後段部分を構成する主要な設備の配置を示す説明図である。本実施形態1において、後段工程には、追加部品のはんだ付け処理工程、サーキットチェック処理工程、ROM書込処理工程、ファンクションテスト処理工程が含まれる。追加部品のはんだ付け処理工程ははんだ付けロボット1が設置された処理設備で行われ、サーキットチェック処理工程はサーキットチェック装置2が設置された処理設備で行われ、ROM書込処理工程はROMライタ3が設置された処理設備で行われ、ファンクションテスト処理工程は処理装置であるファンクションテスト装置4が設置された自動処理設備で行われる。本実施形態1では、これらの設備が1つのファミリーを構成しており、これらの設備で行う処理工程は1人の作業員Aが担当する。なお、ファミリーに含まれる処理工程の作業内容によっては、1つのファミリーを2人の作業員が担当するようにしてもよい。
ファミリーを構成する各設備は、図1に示すように作業員Aを取り囲むように配置されており、1人の作業員Aが各設備で作業可能な程度に近接して配置されている。なお、1人の作業員Aが作業可能な程度に各設備が近接して配置されていれば、設備の配置パターンは、各設備をU字型に配置するなど、図1に示す以外であってもかまわない。
上記追加部品のはんだ付け処理工程では、前段工程では処理できない追加部品を、図4に示すはんだ付けロボット1を用いてプリント基板上にはんだ付けする。この工程の処理対象となるプリント基板は、上記外観検査処理工程及び上記データ修正処理工程で良品と判定されたプリント基板又は上記リペア処理工程で修理されたプリント基板である。本はんだ付け処理工程では、まず、作業員Aは、手作業により、はんだ付けロボット1の横に設置されている処理設備である基板セット用作業台1aの上で、プリント基板100に基板支持用治具5の基板支持スタンド5a,5bを取り付ける。そして、図5に示すように、プリント基板100を部品が載った面が上を向くようにした状態にして、プリント基板100の所定位置に空いている孔に追加部品100aのリードを圧入する。なお、先に追加部品100aを取り付けてから、プリント基板100を基板支持用治具5にセットするようにしてもよい。作業員は、図4のように、プリント基板100がセットされた基板支持用治具5をはんだ付けロボット1の治具固定台5cに取り付ける。はんだ付けロボット1は、治具固定台5cのY軸方向の位置、はんだ付けヘッド6の回転角度、はんだ付けユニット7のX軸方向の位置を制御することにより、はんだ付けすべきプリント基板100上の箇所すなわち追加部品100aのリード部分にコテ先6aを位置決めする。そして、はんだ付けヘッド6をZ軸(作業テーブル面の法線方向)下方に移動させてコテ先6aをプリント基板100に接触させ、コテ先6aのはんだ供給面にはんだを供給し、はんだ付けを行う。なお、このはんだ付け処理工程を終えた後に作業員の手作業による外観目視検査を行うようにしてもよい。
上記サーキットチェック処理工程では、上記はんだ付け処理工程を終えたプリント基板100上の電気特性を検査する処理を行う。このサーキットチェック処理工程では、作業員Aは、手作業によりプリント基板をサーキットチェック装置2内にセットし、所定の操作を行ってそのサーキットチェック装置2に検査を行わせる。また、作業員Aは、サーキットチェック装置2による検査が終了したら、手作業によりプリント基板100をサーキットチェック装置2から取り外す。
上記ROM書込処理工程では、上記サーキットチェック処理工程を終えたプリント基板上に実装されたフラッシュROMに対して書き込み処理を行う。この工程は、図6に示すROMライタ3を用いてプリント基板100上のフラッシュROMに対して書き込み処理を行う。このROMライタ3には、複数のROMソケット8aを有するROMライタ本体8と、プリント基板100をROMソケット8aに接続するための変換ボード9とから構成されている。ROMライタ本体8は、一般に市販されているもので、そのROMソケット8aに変換ボード9を取り付けることで、ROMライタ本体8から出力される書込データを変換ボード9を介して、プリント基板100に既に実装されているフラッシュROM201に書き込むことができる。本実施形態1では、上記ROMライタ3を用いることで、一度に8枚のプリント基板上のフラッシュROM201に対してデータ書込を行うことが可能である。本ROM書込処理工程では、まず、作業員Aが、手作業により、ROMライタ3にプリント基板100を装着して操作パネル8bを操作すると、ROMライタ3によりプリント基板100上のフラッシュROMに対して書き込み処理が行われる。また、作業員Aは、ROMライタ3による書き込み処理が終了したら、手作業によりプリント基板100をROMライタ3から取り外す。
上記ファンクションテスト処理工程では、上記ROM書込処理工程を終えたプリント基板100上の最終的な機能検査を行う。このファンクションテスト処理工程では、作業員Aは、プリント基板をファンクションテスト装置4内にセットし、所定の操作を行ってそのファンクションテスト装置4に機能検査を行わせる。
次に、本実施形態1における作業員Aの作業順序の一例について説明する。
本実施形態1のファミリーに含まれる上記4つの工程のうち、ファンクションテスト装置4による機能検査にかかる時間が最も長い。そして、本実施形態1では、ファンクションテスト装置4による機能検査にかかる時間は、上記はんだ付け処理工程、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程の各工程で必要となる処理時間の合計よりも長い。よって、作業員Aは、この自動処理設備のファンクションテスト装置4が機能検査をしている間に、上記はんだ付け処理工程、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程を実行することができる。
具体的には、まず、作業員Aは、ROM書込処理までを終えたプリント基板P1をファンクションテスト装置4にセットし、ファンクションテスト装置4による機能検査を開始させる。その後、作業員Aは、基板セット用作業台1aの上で別のプリント基板P2への追加部品100aの取り付け、そのプリント基板P2の基板支持スタンド5a,5bへのセット、及び、基板支持スタンド5a,5bのはんだ付けロボット1への装着の手作業を行い、はんだ付けロボット1により処理を実行させる。この処理の終了時点では、まだプリント基板P1の機能検査は終了していない。よって、次に、作業員Aは、そのプリント基板P2をサーキットチェック装置2にセットし、そのサーキットチェック装置2に検査を行わせる。この検査の終了時点でも、まだプリント基板P1の機能検査は終了していない。よって、次に、作業員Aは、そのプリント基板P2をROMライタ3にセットし、ROMライタ3によりデータ書込を行わせる。そして、このデータ書込が終了する頃に、プリント基板P1の機能検査が終了する。したがって、作業員Aは、プリント基板P1をファンクションテスト装置4から取り外し、ROM書込処理までを終えたプリント基板P2をそのファンクションテスト装置4にセットする。その後、作業員Aは、はんだ付けロボット1に更に別のプリント基板P3をセットし、はんだ付けロボット1による処理を実行し、上述した作業を繰り返す。
また、本実施形態1の生産システムには、実績情報収集装置が設けられている。この実績情報収集装置としては、例えば市販のパーソナルコンピュータ等を使用することができる。そして、作業員Aは、ファミリーでの作業終了後、作業実績情報である上記後段工程の作業開始時刻及び作業終了時刻並びにプリント基板の生産数量を上記実績情報収集装置に入力する。実績情報収集装置は、例えば、入力されたプリント基板の生産数量に基づき、上記ファミリーで作業を行った作業員全員の生産数量の合計、すなわち、上記ファミリーでのプリント基板の総生産数量を管理することができる。また、例えば、入力されたすべての情報に基づき、その作業員Aがプリント基板1枚当たりに要した作業時間すなわちその作業員Aの作業効率を管理することもできる。なお、本実施形態の生産システムを複数備えた工場等においては、各生産システムにそれぞれ配置された実績情報収集装置を生産システム管理装置にネットワーク接続しておけば、各生産システムの管理を一括して行うことが可能である。
また、実績情報収集装置として、タッチパネル入力が可能なコンピュータを用いてもよい。この場合、作業員が作業を開始する際にタッチパネルに表示された開始ボタンを押すだけで作業開始時刻が記録され、作業を終了する際にタッチパネルに表示された終了ボタンを押すだけで作業終了時刻が記録されるようにしておけば、作業員の入力負担を軽減することができる。
また、実績情報収集装置を、例えば生産システムの最後の工程を実行するファンクションテスト装置4に接続し、そのファンクションテスト装置4による処理数を実績情報収集装置がカウントできる構成とすることもできる。この構成によれば、作業員が入力作業を行うことなく、自動的にプリント基板の生産数量を入力することができる。また、この構成であれば、ファミリーの作業状況をリアルタイムで把握することが可能となるので、より細かい生産システムの管理を実現することができる。
なお、実績情報収集装置に入力される作業実績情報は、作業員の作業実績に関わる有用な情報であれば、本実施形態のものに限られるものではない。
本実施形態1によれば、上記後段工程に要する時間は、従来のセル生産方式では各処理工程にそれぞれ要する時間の合計時間であったところ、ファンクションテスト処理工程に要する時間だけで済む。したがって、後段工程に要する時間を大幅に短縮でき、生産ライン全体のリードタイムを大幅に短縮することができる。
なお、本実施形態1では、ファンクションテスト装置4を備える自動処理設備での作業時間に、追加部品のはんだ付け処理工程、サーキットチェック処理工程及びROM書込処理工程を行うための手作業処理設備での作業時間を吸収させる場合について説明したが、これに限られることはない。各処理工程で作業員が作業する時間に応じて、作業員が担当するファミリーに含める処理工程を適宜選択するようにする。例えば、1つのファミリーに、追加部品のはんだ付け処理工程とサーキットチェック処理工程とだけを含ませるようにしてもよい。この場合、はんだ付けロボット1が処理している時間にサーキットチェック処理工程を行ったり、逆にサーキットチェック装置2が処理している時間に追加部品のはんだ付け処理工程を行ったりする。また、例えば、ファンクションテスト装置4を備える自動処理設備での作業時間が、上記前段工程及びファンクションテストを除く後段工程を行うための合計作業時間以上である場合には、全工程を行うための設備群でファミリを構成してもよい。この場合、1人の作業員で生産ラインの全工程を行うことができる。
また、本実施形態1では、生産ラインの後段部分に投入されたプリント基板に対してファンクションテスト処理工程が終了するまで、次のプリント基板をラインに投入しないといういわゆる1枚流しで生産する方法と採っているが、これに限られることはない。例えば、本実施形態1では、ROMライタ3によるROM書込処理は最大8枚同時に処理を行うことができるので、ROM書込処理は、サーキットチェック処理工程を終えたプリント基板が8枚溜まるまで行わないようにしてもよい。
また、本実施形態では、自動処理設備Xの処理装置による処理時間をxとし、同じファミリーに含まれる他の処理設備A,B,C,・・・,N(任意の数)での処理工程に要する時間をそれぞれa,b,c,・・・,nとした場合、下記の数1に示す不等式が成り立つように、各設備が調節されている。このように設備を調節する場合、例えば、処理時間xあるいは時間a,b,c,・・・,nの少なくとも1つを増減させたり、あるいは、各設備で要する時間を考慮してファミリーに含める設備X,A,B,C,・・・,Nを選定したりする。
Figure 2004282045
このような設備の調節は、例えば、各設備で要する時間等のデータ(作業実績情報)が入力されると、そのデータに基づいて下記の数1に示す不等式が成り立つように、ファミリーを構成する設備の選定や、ファミリーを構成する各設備で要する時間又は自動処理設備Xの処理装置による処理時間を決定するプログラムによって実現してもよい。この場合、このプログラムをコンピュータに読み取らせ、このコンピュータによりそのプログラムに従った演算処理を行わせて、最適なファミリーを構成する設備の組み合わせや、ファミリーを構成する各設備で要する時間又は自動処理設備Xの処理装置による処理時間を決定する。また、このプログラムを実行するコンピュータと、各設備で処理工程を自動的に行う処理装置と接続し、このプログラムによる演算結果に基づいて各設備の処理装置を制御して、その処理装置での処理時間等を調節するようにしてもよい。
本実施形態における生産システムでは、自動処理設備のファンクションテスト装置4が機能検査をしている時間が、上記はんだ付け処理工程、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程で要する合計時間とほぼ一緒となるように、各設備を調節し、タクトバランスを調整している。具体的に説明すると、ファンクションテスト装置4によって必要最低限の機能検査を行う場合、ファンクションテスト装置4による機能検査時間は、上記はんだ付け処理工程、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程で要する合計時間よりも短い。この場合、ROM書込処理工程までの処理を終える前にファンクションテスト装置4による機能検査が終わってしまう。したがって、必要最低限の機能検査しか行わない場合のファミリーでの作業時間は、上記はんだ付け処理工程、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程で要する合計時間に相当するものとなる。そこで、本実施形態では、ファンクションテスト装置4による機能検査項目を増やし、プリント基板の品質向上を図っている。このとき、ファンクションテスト装置4による機能検査時間は増加するが、その機能検査時間は上記はんだ付け処理工程、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程で要する合計時間に相当するものとなるため、ファミリーでの作業時間は増加することがない。
なお、本実施形態では、ファンクションテスト装置4による機能検査時間を増加させてタクトバランスを調整したが、プリント基板の種類やファミリーで行う各処理工程での処理内容などに応じて、ファンクションテスト装置4による機能検査時間を減らしたり、他の処理設備での時間を増減させてたりして、タクトバランスを調整してもよい。例えば、ファミリーでの作業時間を短縮するため、はんだ付けロボット1のはんだ付け速度を速めてはんだ付け処理工程に要する時間が短縮し、これに合わせて本実施形態におけるファンクションテスト装置4の機能検査項目を少なくして機能検査時間も短縮する。これにより、ファンクションテスト装置4による機能検査時間と、上記はんだ付け処理工程、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程で要する合計時間とをほぼ等しくしつつ、ファミリーでの作業時間を短縮することができる。なお、はんだ付けロボット1のはんだ付け速度を増減させるには、はんだ付けロボット1の動作用NCプログラムを工夫したり、あるいは、はんだ付けロボット1によるはんだ付け処理の効率がよくなるようにプリント基板の設計を工夫したりすればよい。また、はんだ付け処理工程に要する時間が短縮する代わりに、例えば、ファンクションテスト装置4にROM書込処理を行う機能を付加して、上記ROM書込処理工程を省略することも可能である。この場合、ファンクションテスト装置4は、上記サーキットチェック処理工程を終えたプリント基板がセットされると、そのプリント基板上のフラッシュROMに対して上記ROMライタ3と同様の書き込み処理を行った後、続いてその機能検査を行う。このようなファンクションテスト装置4を用いれば、ファンクションテスト装置4による処理時間が長くなる結果、例えば追加部品が多くてはんだ付け処理工程に要する時間が長い場合などでも、ファンクションテスト装置4による処理時間と、はんだ付け処理工程及びサーキットチェック処理工程に要する合計時間とがほぼ等しくなるように、タクトバランスを調整することができる。
また、上記はんだ付け処理工程、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程のうち、1つの処理工程に要する時間が残り2つの処理工程に要する合計時間の2倍以上かかる場合、その1つの処理工程を行う処理設備を2つ用意してその処理工程を並行して行うようにしてもよい。例えば、上記はんだ付け処理工程に要する時間が、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程に要する合計時間の2倍かかる場合、ファミリー内にはんだ付けロボット1を有する処理設備を2つ用意する。この場合、一方のはんだ付けロボット1による処理時間が半分過ぎたときにはんだ付けロボット1による処理を開始するようにすれば、実質的にはんだ付け処理工程に要する時間を半分にすることができる。これにより、上記はんだ付け処理工程、上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程間のタクトバランスを調整することができる。
このようにファミリー内に同一の処理工程を行う同一設備を2つ配置する方法は、ファンクションテスト装置4についても適用できる。すなわち、ファンクションテスト装置4による機能検査時間が上記サーキットチェック処理工程及び上記ROM書込処理工程に要する合計時間の2倍かかる場合、ファンクションテスト装置4を有する自動処理設備を2つ配置すれば、実質的にファンクションテスト装置4による機能検査時間を半分にすることができる。この場合、ファミリーでの作業時間も半分となり、リードタイム大幅に短縮することができる。
〔比較例〕
次に、上記実施形態1と同様にプリント基板の後段工程について、上記実施形態1で説明したファミリー生産方式と、従来のバッチ生産方式との間で、後段工程に要する時間を比較した比較例について説明する。なお、本比較例では、主に、上記ROM書込処理工程、板割り処理工程、目視検査処理工程、上記サーキットチェック処理工程、上記ファンクションテスト処理工程及び詰め替え処理工程の順に進行する後段工程を例に挙げて説明する。
図7(a)は、現在一般に実施されているバッチ生産方式の上記後段工程における作業内容及び作業時間を示す説明図である。図7(b)は、ファミリー生産方式の上記後段工程における作業内容及び作業時間を示す説明図である。なお、両者は、互いに同じプリント基板の生産するものであり、双方とも1枚流しである。
従来のバッチ生産方式では、図7(a)に示すように、前段工程を終えたプリント基板100に対して、まず、ROM書込処理工程を行う。上記実施形態1では説明しなかったが、この段階のプリント基板の一縁部には、ROMライタ3の変換ボード9にプリント基板を取り付けるためだけに用意された接続用基板部が設けられている。この接続用基板部は、ROMライタ3による書込処理が終了すれば不要である。よって、本比較例では、作業員A’は、ROM書込処理工程が終了した後、プリント基板から接続用基板部を取り外す板割り処理を行う。その後、作業員A’は、目視検査を行った後、詰め替え又は取り置きの処理を行い、そのプリント基板を、次のサーキットチェック処理工程を行う設備まで自動搬送する自動搬送装置にセットする。ここまでの作業員A’による作業時間は41.7秒である。
次に、上記自動搬送装置により搬送されたプリント基板は、作業員B’に受け取られ、作業員B’により上記実施形態1で説明したサーキットチェック処理工程が実行される。上記自動搬送装置による搬送時間及び作業員B’による作業時間の合計は26.3秒である。
サーキットチェック処理工程を終えたプリント基板は、次のファンクションテスト処理工程を行う設備まで自動搬送する自動搬送装置により搬送され、作業員C’に受け取られる。作業員C’は、受け取ったプリント基板に対して、上記実施形態1で説明したファンクションテスト処理工程を行う。上記自動搬送装置による搬送時間及び作業員C’による作業時間の合計は48.0秒である。
ファンクションテスト処理工程を終えたプリント基板は、次の詰め替え処理工程を行う作業員D’に受け取られる。作業員D’は、受け取ったプリント基板を出荷用プラコンに詰め替える作業を行う。作業員C’から作業員D’へのプリント基板の受け渡し時間及び作業員D’による作業時間の合計は15.0秒である。
以上の処理工程が実施される後段工程において、従来のバッチ生産方式の場合に要する時間は、各処理工程で要する時間の合計時間である。よって、本比較例において、従来のバッチ生産方式の場合に1枚のプリント基板に対して要する後段工程の時間は、131秒となる。また、本比較例において、従来のバッチ生産方式の場合には、作業員が4名必要となる。
これに対し、ファミリー生産方式においては、上記実施形態1で説明したように、まず、作業員Aは、予めファンクションテスト装置4にセットされたプリント基板P1に対して、ファンクションテスト装置4による機能検査を開始させる。その後、作業員Aは、別のプリント基板P2をROMライタ3にセットし、ROM書込処理工程を行った後、板割り処理工程及び目視検査処理工程を行う。続いて、作業員Aは、上記サーキットチェック処理工程を行う。そして、図7(b)に示すように、プリント基板P2に対するサーキットチェック処理工程が終了する頃に、プリント基板P1のファンクションテスト処理工程が終了する。その後、作業員Aは、ファンクションテスト処理工程を終えたプリント基板P1を出荷用プラコンに詰め替える作業を行った後、新しいプリント基板P3をファンクションテスト装置4にセットする。
以上の処理工程が実施される後段工程において、ファミリー生産方式の場合には、ROM書込処理工程からサーキットチェック処理工程までの処理工程と、ファンクションテスト処理工程におけるファンクションテスト装置4による機能検査とが並行して行われる。したがって、ROM書込処理工程を開始してからサーキットチェック処理工程を終了するまでに要する時間がファンクションテスト処理工程におけるファンクションテスト装置4による機能検査時間に吸収される。その結果、ファミリー生産方式の場合、1枚のプリント基板に対して要する後段工程の時間は、55.0秒となり、131秒もかかっていた従来のバッチ生産方式に比べて、大幅に時間短縮することができる。しかも、本ファミリー生産方式の場合には、作業員が1名だけで足り、人的コストも大幅に減らすことができる。
また、ファミリー生産方式において、上記従来のバッチ生産方式でのファンクションテスト処理工程と同じ内容の機能検査を行う場合、ファンクションテスト処理工程は、サーキットチェック処理工程の途中で終了することになる。しかし、ファンクションテスト処理工程に処理されたプリント基板P1については、サーキットチェック処理工程が終了しないと次の詰め替え処理工程に移行できないので、ファンクションテスト処理工程が終了してからサーキットチェック処理工程が終了するまでの間、プリント基板P1の流れが無駄に止まってしまう。そこで、本比較例におけるファミリー生産方式では、ファンクションテスト装置4による機能検査時間を図7(b)中斜線で示す時間だけ延ばし、製品品質の向上を図っている。このように時間を延ばしても、1枚のプリント基板に対して要する後段工程の時間は変わらない。
なお、仮に、従来のセル生産方式で本比較例で例示した後段工程を行おうとすれば、作業員の人数を1名とすることも可能である。しかし、1枚のプリント基板に対して要する後段工程の時間は、上述したバッチ生産方式における自動搬送に要する時間及び詰め替え処理工程におけるプリント基板の受け渡し時間がなくなる程度である。したがって、1枚のプリント基板に対して要する後段工程の時間に関しては、従来のセル生産方式も、従来のバッチ生産方式とほとんど変わらない。
〔実施形態2〕
次に、本発明を、上記実施形態1と同様に、プリント基板の生産システムに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
上記実施形態1においては1種類のプリント基板を生産する場合であったのに対し、本実施形態2においては、利用する生産設備が互いに異なる2種類のプリント基板を生産するための生産システムについて説明する。なお、上述したリペア処理工程までの前段工程は上記実施形態1と同様であるので、以下、後段工程についてのみ説明する。また、以下の説明では、2種類のプリント基板を生産するための生産システムについて説明するが、3種類のプリント基板を生産する場合も同様である。
図8は、本実施形態2における生産システムが実行する後段工程に対応した生産ライン後段部分を構成する主要な設備の配置を示す説明図である。この生産システムで生産する一方の種類のプリント基板(以下、「第1プリント基板」という。)は、上記実施形態1の生産システムで生産するプリント基板と同様であるので、その処理工程も上記実施形態1と同様である。しかし、他方の種類のプリント基板(以下、「第2プリント基板」という。)は、その処理工程が第1プリント基板とは異なっている。具体的には、第2プリント基板に対して追加部品をはんだ付けする処理工程及びROMライタ3によるROM書込処理工程がなく、その代わりに基板カット処理工程が新たに追加されている。そのため、第2プリント基板を生産する際には、上記実施形態1の生産ラインをそのまま利用することができない。
そこで、本実施形態2の生産システムは、図8に示すように2つのファミリーを用意し、生産するプリント基板の種類に応じて、使用するファミリーを選択的に決定する。すなわち、本生産システムは、第1プリント基板を生産する場合には、作業員Aを第1ファミリーに配置し、上記実施形態1で説明した作業を行う。一方、第2プリント基板を生産する場合には、作業員Aを第2ファミリーに配置する。第2プリント基板の処理工程は、上記前段工程を経たプリント基板に対し、基板カット装置105が設置された手作業処理設備で基板カット処理工程を行う。この基板カット処理工程では、作業員が基板カット装置105を用いて第2プリント基板を所定の形状となるようにカットする。その後、上記実施形態1のサーキットチェック処理工程及びファンクションテスト処理工程と同様の処理を行う。なお、第2プリント基板上のフラッシュROMは、実装される前に既に書込データが書き込まれているので、上記実施形態1のようなROM書込処理工程を必要としない。
第2プリント基板に対する処理を行うファミリーにおいても、上記3つの工程のうち、ファンクションテスト装置4による機能検査にかかる時間が最も長い。そして、ファンクションテスト装置4による機能検査にかかる時間は、上記基板カット処理工程及び上記サーキットチェック処理工程の各工程で必要となる処理時間の合計よりも長い。よって、作業員Aは、この自動処理設備の処理装置であるファンクションテスト装置4が機能検査をしている間に、上記基板カット処理工程及び上記サーキットチェック処理工程を実行することができる。
具体的には、まず、作業員Aは、サーキットチェック処理までを終えた第2プリント基板P1をファンクションテスト装置4にセットし、ファンクションテスト装置4による機能検査を開始させる。その後、作業員Aは、基板カット装置105を用いて別の第2プリント基板P2をカットする処理を行う。この処理の終了時点では、まだ第2プリント基板P1の機能検査は終了していない。よって、次に、作業員Aは、その第2プリント基板P2をサーキットチェック装置2にセットし、そのサーキットチェック装置2に検査を行わせる。そして、この検査が終了する頃に、第2プリント基板P1の機能検査が終了する。したがって、作業員Aは、第2プリント基板P1をファンクションテスト装置4から取り外し、サーキットチェック処理までを終えた第2プリント基板P2をそのファンクションテスト装置4にセットする。作業員Aは、この作業を繰り返す。
本実施形態2の生産システムは、各処理工程を行うための手作業設備が互いに異なる2つのファミリーを備えているので、生産するプリント基板の種類が変更され、必要な処理工程に変更があっても、プリント基板の種類に応じて利用するファミリーを変更するだけで生産ラインを稼働させることができる。特に、必要となる処理工程に応じて、生産対象となり得るプリント基板の種類を複数のグループに大別し、各グループに応じたファミリーを用意しておけば、ほぼすべての種類のプリント基板の生産に際し、設備の配置換え等が必要となくなるので、処理工程の変更に迅速な対応をとることができる。
なお、本実施形態2では、自動処理設備の処理装置であるファンクションテスト装置4を2つのファミリーで共用する構成としているが、それぞれ別個のファンクションテスト装置4を用意してもよい。その場合、各ファミリーに作業員をそれぞれ配置することで、第1プリント基板及び第2プリント基板の生産を並行して行うことができる。
〔実施形態3〕
次に、本発明を、上記実施形態1や上記実施形態2と同様に、プリント基板の生産システムに適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態3」という。)について説明する。
上記実施形態1や上記実施形態2においては、プリント基板の生産ラインを、前段工程と、ファミリー生産方式を採用した後段工程とを独立して行っていた。よって、前段工程の設備群と後段工程のファミリー(設備群)とが互いに離れた場所にあると、前段工程を終了したプリント基板を、後段工程前に一時的に保管したり、ファミリーの設置場所まで運搬したりする保管運搬作業が必要となる。よって、本実施形態3の生産システムでは、このような保管運搬作業が不要となるように、前段工程を終了したプリント基板をすぐに後段工程のファミリーに受け渡すことができる程度に、前段工程の設備群と後段工程のファミリーとを互いに近接して配置している。加えて、前段工程と後段工程との間で、仕掛かり品が発生しないように、前段工程と後段工程との間のタクト時間の調整を図っている。以下、具体的に説明する。
下記の表1は、本実施形態3における生産システムが実行する全工程のタクト時間を示す表である。この生産システムが実行する全工程では、A〜Gまでの7つの工程からなり、工程Gが自動処理設備による処理工程である。本実施形態3では、後段工程D〜Gの処理設備群を1つのファミリとして構成すべく、工程D〜Fの合計タクト時間と、自動処理設備による工程Gのタクト時間とが同じになるようにタクト時間の調整がなされている。ここで、顧客の要望等に応じた柔軟な生産システムを実現するためには、生産ラインにプリント基板を1枚ずつ流して、プリント基板を1枚ずつ完成させることが望ましい。そのためには、ファミリー内だけの工程間でタクト時間を調整するのではなく、生産ライン全体の工程間でタクト時間を調整することが必要になる。
Figure 2004282045
そこで、本実施形態では、後段工程D〜Gのファミリーに1人の作業員を配置するほか、前段工程A〜Cの処理設備群にもう1人の作業員を配置し、ファミリーに要する処理時間(50秒)と前段工程A〜Cの合計処理時間(50秒)とが同じになるように、タクト時間の調整がなされている。これにより、1枚のプリント基板を生産ラインに投入したら、その途中で仕掛かりとなることなく、1枚ずつ完成品となって出てくるという、顧客の要望等に応じた柔軟な生産生産システムを実現することができる。しかも、この場合、1枚の完成品を得るのに要する時間は、50秒という非常に短いものとなる。
以上、上述した実施形態1〜3のようなファミリー生産方式によれば、次のような利点がある。
第1に、生産ラインに含まれる各工程についてそれぞれ1人の作業員が作業を行う従来の生産方式の中には、各工程終了時に、作業を完了したプリント基板100をマガジンに保管し、これを次工程の設備まで運ぶという保管運搬作業が必要なものがある。上述した実施形態のようなファミリー生産方式によれば、このような保管運搬作業が不要となる点で有利である。
第2に、上述した実施形態のファミリー生産方式によれば、ファミリー内の各設備における個々のタクト時間を調節してファミリー内のタクトバランスが調整されているので、そのファミリー内においては、各工程間で仕掛かり品が発生せず、仕掛かり品の保管スペースをなくすことができる点で有利である。特に、上記実施形態3によれば、生産システム全体において仕掛かり品が発生せず、仕掛かり品の保管スペースを完全になくすことも可能である。
第3に、上述した実施形態のファミリー生産方式によれば、製品の生産計画の立案を容易かつ適切に行うことができる点で有利である。すなわち、ある特定日に製品を効率的に出荷するためには、その特定日(出荷日)に最終工程であるファンクションテスト処理工程が完了することが望ましい。従来のバッチ生産方式では、各工程でバッチ処理を行なうため、出荷日に合わせて生産計画を立案するにあたって、各工程に要する時間を順次逆算して当該製品の生産開始日を算出するなどの煩雑な作業が必要となる。また、その煩雑さによって製品生産開始日を誤って算出してしまい、誤った生産計画を立案してしまうおそれもある。特に、取り扱う製品数が多かったり、各製品の処理工程数が多かったりすると、その作業は非常に煩雑なものとなり、誤った生産計画を立てる危険性が高まる。これに対し、上述した実施形態のファミリー生産方式によれば、複数の工程を1つにまとめたファミリーの時間単位で当該製品の生産開始日を逆算できる。よって、上記のような煩雑な作業の負担が軽減でき、製品の生産計画の立案が容易になるとともに、誤った生産計画を立てる危険性を減らすことができる。また、誤った生産計画を立てる危険性を減る結果、その生産計画に従って行われる部品調達も、適切に行うことができる。
また、一般に、製品を生産するにあたっては、作業員数を少なくしつつも、生産製品の品質を維持することが重要である。単に作業員数を少なくしたのでは、一般に作業員の作業負担が大きくなるため、作業ミスが発生しやすくなり、生産製品の品質が低下する可能性がある。よって、作業員数を少なくする場合には、作業員の作業ミスを極力減らすための工夫が必要であり、そのためには、作業員間の作業負担バランスをなるべく均等に調整することが効果的である。このようにすれば、作業員を減らした分の作業負担を作業員全体に分散させ、局所的に作業員の作業負担が増大するのを防ぐことができ、作業員の作業ミスを極力少なくすることができる。具体例を挙げると、1つの生産ラインに2人の作業員を配置する場合、後段側の作業員の作業負担が前段側の作業員よりも大きいと、後段側の作業員が作業の遅れによる焦りから作業ミスを発生させる可能性が高くなる。しかし、これら2人の作業員間の作業負担バランスを均等にすれば、後段側の作業員の作業遅れがなくなり、焦りによる作業ミスが発生する可能性を減らすことができる。
なお、上述した実施形態1及び実施形態2では、処理対象物がプリント基板である場合について説明したが、他の処理対象物であっても本発明を適用できることは言うまでもない。
また、本発明に係る生産システムは、前段工程及び後段工程からなる生産システムとして、又は後段工程のみからなる生産システムとして利用することができる。
実施形態1に係る生産システムが実行する後段工程に対応した生産ライン後段部分を構成する主要な設備の配置を示す説明図。 同生産システムが実行する処理工程の流れを示すフローチャート。 同生産システムが実行する前段工程に対応した生産ライン前段部分を構成する主要な設備を示す配置図。 同生産システムに設置されるはんだ付けロボットの概略構成図。 同はんだ付けロボット用の基板支持用治具を示す概略構成図。 同生産システムに設置されるROMライタの外観図。 (a)は、現在一般に実施されているバッチ生産方式の後段工程における作業内容及び作業時間を示す説明図。 (b)は、ファミリー生産方式の後段工程における作業内容及び作業時間を示す説明図。 実施形態2に係る生産システムが実行する後段工程に対応した生産ライン後段部分を構成する主要な設備の配置を示す説明図。
符号の説明
1 はんだ付けロボット
2 サーキットチェック装置
3 ROMライタ
4 ファンクションテスト装置
20 はんだ印刷機
30 チップマウンタ
40 マウンタ
50 リフロー炉
60 外観検査装置
61 修正端末
100 プリント基板
105 基板カット装置

Claims (10)

  1. 処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とを、同一の作業員が作業可能な程度に近接して配置したことを特徴とする生産システム。
  2. 処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための複数の同一の自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とを、同一の作業員により作業可能な程度に近接して配置したことを特徴とする生産システム。
  3. 請求項1又は2の生産システムにおいて、
    同一の作業員が作業可能な程度に近接して配置される上記自動処理設備と上記処理設備とからなる設備群を複数備え、
    各設備群に備わった設備の少なくとも一部は互いに異なるものであることを特徴とする生産システム。
  4. 請求項1、2又は3の生産システムにおいて、
    上記自動処理設備は、該自動処理設備を含む生産ラインで実行される処理工程の中で処理装置による処理時間が最も長い処理工程を行うためのものであることを特徴とする生産システム。
  5. 請求項1、2、3又は4の生産システムにおいて、
    上記処理対象物はプリント基板であることを特徴とする生産システム。
  6. 請求項5の生産システムにおいて、
    上記処理装置は、上記プリント基板上に電子部品を自動的にはんだ付けする自動はんだ付け装置であることを特徴とする生産システム。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6の生産システムにおいて、
    互いに近接して配置される上記自動処理設備と上記処理設備で作業する作業員の作業時間及びその作業時間内に処理した処理対象物の数を含む作業実績情報を収集する実績情報収集装置を設けたことを特徴とする生産システム。
  8. 処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とが、同一の作業員により作業可能な程度に近接して配置された生産システムを用いて、処理対象物に対して複数の処理工程を実施することにより最終生産物を生産することを特徴とする生産方法。
  9. 処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための複数の同一の自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とが、同一の作業員により作業可能な程度に近接して配置された生産システムを用いて、処理対象物に対して複数の処理工程を実施することにより最終生産物を生産することを特徴とする生産方法。
  10. 処理対象物を処理装置にセットし又は該処理装置から取り外す作業を作業員が行うだけで該処理装置により自動的に処理を実行する処理工程を行うための自動処理設備と、該自動処理設備の処理装置による処理時間よりも短い時間で完了し得る該処理対象物に対する処理工程であって、作業員の手作業が必要となる処理工程を行うための1又は2以上の処理設備とが、同一の作業員により作業可能な程度に近接して配置される設備群の各設備を調節する設備調節方法であって、上記1又は2以上の処理設備の処理工程で要する合計時間と、上記自動処理設備の処理装置による処理時間との間に差があるとき、該自動処理設備の処理装置による処理時間及び該処理設備の処理工程で要する時間の少なくとも1つの時間を増減して、該自動処理設備の処理装置による処理時間と該1又は2以上の処理設備の処理工程で要する合計時間との差が少なくなるように調節することを特徴とする設備調節方法。
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