JP7218039B2 - 車両用導光部材、車両用灯具 - Google Patents

車両用導光部材、車両用灯具 Download PDF

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Description

この発明は、車両用導光部材に関するものである。また、この発明は、車両用導光部材を備えている車両用灯具に関するものである。
車両用導光部材、車両用灯具として、たとえば、特許文献1に示すものがある。特許文献1の車両用灯具は、光源と、光源の前方側に配置された導光体と、を備える。導光体は、入射部と、第1導光部と、第2導光部と、を備える。第1導光部には、入射部に入射した光源からの光を第1導光部へ向けて内面反射させる第1反射面と、この第1反射面からの反射光を第2導光部へ向けて内面反射させる第2反射面とが、形成されている。また、第2導光部には、出射面が形成されている。
特許文献1の車両用灯具は、光源を点灯すると、光源からの光が入射部に入射して第1反射面において第1導光部へ向けて内面反射し、この反射光が第2反射面において第2導光部へ向けて内面反射し、この反射光が出射面から前方に出射する。これにより、特許文献1の車両用灯具は、第2導光部の出射面が発光するものである。
特開2016-21313号公報
しかしながら、特許文献1の車両用灯具は、導光体において、入射部に入射した光源からの光を、第2導光部の出射面から前方に出射させるものである。この結果、特許文献1の車両用灯具は、導光体において、入射部に入射した光源からの光を、第2導光部の出射面以外の箇所から出射させることができない。
この発明が解決しようとする課題は、入射部の入射面から入射した光源からの光である入射光を、出射部分の出射面以外の箇所である通過面からも出射させることができる車両用導光部材、車両用灯具を提供することにある。
この発明の車両用導光部材は、光源からの光を入射光として内部に入射させる入射面を有する入射部分と、入射光を出射光として外部に出射させる出射面を有する出射部分と、入射部分と出射部分との間に配置されていて、入射光を入射部分から出射部分に導く導光部分と、入射部分と導光部分との間に連接して設けられていて、入射光を一次反射光として入射部分から導光部分に一次反射させる第1反射面を有する第1反射部分と、出射部分と導光部分との間に連接して設けられていて、一次反射光を二次反射光として導光部分から出射部分に二次反射させる第2反射面を有する第2反射部分と、を備え、入射部分のうち、入射面に対して対向する面には、入射光の一部を外部に通過させる通過面が、設けられている、ことを特徴とする。
この発明の車両用導光部材において、導光部分が、板形状をなし、入射部分側の平面である第1平面と、第1平面と平行である第2平面と、を有し、通過面が、第1平面から延長された延長面上に設けられていて、第1反射面が、通過面と第2平面との間に連接して設けられている、ことが好ましい。
この発明の車両用導光部材において、出射部分が、第2反射部分を介して導光部分の周辺部に設けられていて、出射面が、二次反射光を出射光として外部に出射させることにより、導光部分の周辺部に沿った発光ラインを形成する、ことが好ましい。
この発明の車両用灯具は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている光源および前記の各発明にかかる車両用導光部材と、を備え、入射面が、光源に対向し、出射面および通過面が、ランプレンズに対向する、ことを特徴とする。
この発明の車両用灯具において、通過面とランプレンズとの間には、光学部材が配置されている、ことが好ましい。
この発明の車両用導光部材、車両用灯具は、入射部の入射面から入射した光源からの光である入射光を、出射部分の出射面以外の箇所である通過面からも出射させることができる。
図1は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態を示す縦断面図(図5(A)におけるI-I線断面図)である。 図2は、入射部分、第1反射部分および導光部分の一部における光路を示す断面説明図である。 図3は、光源からの光、入射面からの入射光、第1反射面からの一次反射光および通過面からの通過光の光路を示す断面説明図である。 図4は、通過面と第1反射面の作成過程を示す断面説明図である。図4(A)は、通過面の作成を示す断面説明図である。図4(B)は、第1反射面の作成を示す断面説明図である。 図5は、車両用灯具を示す正面図(図1におけるV矢視図)である。図5(A)は、消灯状態の車両用灯具を示す正面図である。図5(B)は、点灯状態で発光ラインが形成されている状態の車両用灯具を示す正面図である。 図6は、車両用導光部材の比較例を示す断面説明図である。図6(A)は、通過面を設けなかった第1比較例の車両用導光部材を示す断面説明図である。図6(B)は、通過面を設けた第2比較例の車両用導光部材を示す断面説明図である。
以下、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。また、この明細書および別紙の特許請求の範囲において、車両用導光部材における反射は、内面反射である。なお、図面においては、概略図であるため、主な構成部品を図示し、主な構成部品以外の構成部品の図示を省略する。また、図面において、ランプハウジングおよびランプレンズ以外の部材のハッチングを省略する。
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用導光部材、車両用灯具の構成について説明する。図1および図5中、符号1は、この実施形態にかかる車両用灯具である。なお、この実施形態において、正面は、車両の後側の面であり、背面は、車両の前側の面である。また、図2、図4において、符号Aは、基準軸であって、車両中心線に平行な軸線である。さらに、図中、実線矢印は、光路を示す。
(車両用灯具1の説明)
車両用灯具1は、この例では、リアコンビネーションランプである。車両用灯具1は、車両(図示せず)の後部の左右両側にそれぞれ装備される。車両用灯具1は、図1、図5(A)、図5(B)に示すように、ランプハウジング10と、ランプレンズ(たとえば、素通しのアウターカバー、アウターレンズなど)11と、光源2と、この実施形態にかかる車両用導光部材3と、インナーレンズ4と、を備えるものである。
光源2および車両用導光部材3は、リアコンビネーションランプのテールランプTLを構成する。なお、光源2および車両用導光部材3は、リアコンビネーションランプのテールランプTL以外のランプ、たとえば、ストップランプなどを構成するものであっても良い。また、インナーレンズ4は、光源2および車両用導光部材3と共に、装飾ランプDLを構成する。
(ランプハウジング10およびランプレンズ11の説明)
ランプハウジング10は、たとえば、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。ランプハウジング10は、主に車両の後側の部分が開口し、一方、主に車両の前側の部分が閉塞した形状をなす。
ランプレンズ11は、たとえば、光透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。ランプレンズ11は、主に車両の前側の部分が開口し、一方、主に車両の後側の部分が閉塞した形状をなす。ランプレンズ11の閉塞部分の意匠面は、車両の後部の意匠面に沿う。
ランプハウジング10の開口縁とランプレンズ11の開口縁とは、固定されている。これにより、灯室12が区画されている。灯室12内には、主要構成部品の、光源2、車両用導光部材3およびインナーレンズ4がそれぞれ配置されている。
光源2は、ランプハウジング10の閉塞部分に取り付けられている。車両用導光部材3は、取付部材この例では取付ブラケット13を介してランプハウジング10の閉塞部分に取り付けられている。車両用導光部材3は、光源2に対して、ランプレンズ11側に配置されている。インナーレンズ4は、図示されていないが、車両用導光部材3を介してランプハウジング10にまたは直接ランプハウジング10に取り付けられている。インナーレンズ4は、光源2および車両用導光部材3に対して、ランプレンズ11側に配置されている。
なお、灯室12内には、光源2および車両用導光部材3から構成されているテールランプTL、ならびに、インナーレンズ4から構成されている装飾ランプDL以外のランプが配置されている場合がある。たとえば、ストップランプ、バックアップランプ、ターンシグナルランプなど(図示せず)がそれぞれ配置されている場合がある。また、灯室12内には、インナーパネルやインナーハウジングやエクステンションなど(図示せず)がそれぞれ配置されている場合もある。
(光源2の説明)
光源2は、図1に示すように、ランプハウジング10の閉塞部分に取り付けられている。光源2は、この例では、赤色の光L1(以下、「光L1」と称する)を発する(放射する)。光源2からの光L1は、この例では、テールランプTLの機能光L2としてランプレンズ11から外部に照射される。なお、光源2からの光L1は、必ずしも、赤色でなくても良い。ただし、ランプレンズ11から外部に照射される光がテールランプTLの機能光L2である赤色の光であれば良い。
光源2は、本体部20と、発光部21と、を有する。本体部20は、ランプハウジング10の閉塞部分に直接取り付けられている。なお、本体部20は、ランプハウジング10に取付ブラケットなどの取付部材を介して取り付けても良い。発光部21は、この例では、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型発光素子(半導体発光素子)を1個もしくは複数個有する。発光部21は、光L1を発する発光面を有する。前記の基準軸Aは、発光面の中心Bを通り、かつ、発光面に対して垂直である。
(車両用導光部材3の説明)
車両用導光部材3は、光源2からの光L1を、テールランプTLの機能光L2として、ランプレンズ11を透過させて外部に照射させる光制御部材(または、光学部材)である。車両用導光部材3は、内部において光を直進させる導光作用を有する。また、車両用導光部材3は、内部(内面)において光を全反射させる全反射作用を有する。
車両用導光部材3は、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの無色透明樹脂材からなる。車両用導光部材3は、この例では、無色透明であるが、有色この例では赤色透明であっても良い。
車両用導光部材3は、この例では、正面視形状がほぼ四角形状の板形状をなす。車両用導光部材3は、図1に示すように、取付部材この例では取付ブラケット13を介してランプハウジング10の閉塞部分に取り付けられている。なお、車両用導光部材3は、光源2を一体に組み込んだ後に、ランプハウジング10に取り付けても良い。車両用導光部材3は、光源2に対して、ランプレンズ11側に配置されている。
車両用導光部材3は、図1~図4に示すように、入射部分30と、出射部分31と、導光部分32と、第1反射部分33と、第2反射部分34と、を有する。入射部分30、出射部分31、導光部分32、第1反射部分33および第2反射部分34は、一体構造をなす。
なお、図1、図2、図4において、車両用導光部材3の入射部分30、出射部分31、導光部分32、第1反射部分33および第2反射部分34の境界は、破線もしくは点線で示されている。ここで、説明の便宜上、入射部分30と第1反射部分33との間の境界を第1境界面351とし、また、導光部分32と第1反射部分33との間の境界を第2境界面352とする。
(入射部分30の説明)
入射部分30は、図1~図3、図4(B)に示すように、光源2からの光L1を入射光L3として車両用導光部材3の内部に入射させる入射面300を有する。すなわち、入射部分30は、光カプラである。なお、光L1は、図1~図3に示すように、入射面300から車両用導光部材3の内部に入射光L3として入射する際に屈折する。入射部分30は、導光部分32の第1平面321の中央部分(中央部)に光源2に対向して一体に設けられている。入射部分30は、基準軸Aを中心軸とする円錐台形形状をなす。
入射面300は、光源2に対向する入射部分30の背面に設けられている。入射面300は、光源2の発光面に対向していて、かつ、光源2の発光面と平行をなす。この結果、入射面300は、基準軸Aに対して垂直な平面をなす。また、入射面300は、基準軸Aを中心とする円形形状をなす。
(出射部分31の説明)
出射部分31は、図1に示すように、入射面300から入射した入射光L3を出射光L4として外部にランプレンズ11側に出射させる出射面310を有する。出射部分31は、導光部分32の正面側の周辺部の一部、すなわち、4辺の周辺部のうち、下辺、左辺および右辺の3辺(凹形状)に、一体に設けられている。出射部分31は、基準軸Aと平行にランプレンズ11側に突出した立壁形状をなす。出射部分31の壁厚は、3辺全体に亘って等しい。
出射面310は、ランプレンズ11に対向する出射部分31の正面に設けられている。この結果、出射面310は、ランプレンズ11に対向する。出射面310は、基準軸Aに対して垂直である。また、出射面310の幅は、出射部分31の壁厚と同様に、3辺全体に亘って等しい。さらに、出射面310は、後述する二次反射光L6を出射光L4として外部にランプレンズ11側に出射させる。これにより、出射面310は、図5(B)中の格子模様が施されている部分(すなわち、テールランプTL)に示すように、3辺の凹形状に沿った発光ラインを形成する。
(導光部分32の説明)
導光部分32は、図1~図4に示すように、入射部分30側の平面である第1平面321と、第1平面321と平行である第2平面322と、を有する。なお、第1平面321は、導光部分32の背面である。一方、第2平面322は、導光部分32の正面である。
導光部分32は、入射部分30と出射部分31との間に配置されていて、入射光L3を入射部分30から出射部分31に導く。導光部分32は、車両用導光部材3の類似形状、すなわち、正面視形状が四角形状の平板形状をなすものである。
導光部分32は、基準軸Aに対して垂直であり、この結果、出射部分31と直交する。すなわち、導光部分32の第1平面321および第2平面322と、出射部分31の外側面および内側面とは、直交する。導光部分32の第1平面321と第2平面322の間の板厚T1は、出射部分31の外側面と内側面の間の板厚と等しい。
導光部分32の第1平面321の中央部分には、第1反射部分33を介して入射部分30が一体に設けられている。導光部分32の第2平面322の周辺部の一部、すなわち、4辺の周辺部のうち、下辺、左辺および右辺の3辺(凹形状)には、第2反射部分34を介して出射部分31が一体に設けられている。
(第1反射部分33の説明)
第1反射部分33は、図1~図3、図4(B)に示すように、入射部分30と導光部分32との間に連接して一体に設けられている。第1反射部分33は、入射光L3を一次反射光L5として入射部分30から導光部分32に一次反射させる第1反射面330を有する。
第1反射面330は、後述する通過面301と第2平面322との間に連接して設けられている。第1反射面330は、後述するように、回転放物面からなる。第1反射面330の回転放物面は、図2に示すように、基準軸A上に焦点Fを有する放物線Pを、基準軸Aを中心軸として回転させてなる回転放物面である。基準軸Aは、放物線Pの準線(図示せず)と平行である。
ここで、光源2の発光面の中心Bは、基準軸A上に位置し、かつ、第1反射面330の焦点Fよりも入射面300側に位置する。これにより、光源2から放射された光L1であって、入射面300で屈折して入射した入射光L3は、あたかも焦点Fから放射された光(図2中の破線を参照)となる。
この結果、回転放物面からなる第1反射面330は、入射部分30からの入射光L3を平行光の一次反射光L5として導光部分32中に一次反射させる。平行光の一次反射光L5は、基準軸Aに対して垂直であり、かつ、導光部分32の第1平面321および第2平面322に対して平行である。
(第2反射部分34の説明)
第2反射部分34は、図1に示すように、3辺からなる出射部分31と導光部分32の3辺との間に連接して一体に設けられている。この結果、第2反射部分34は、前記の通り、出射部分31および導光部分32と同様に、下辺、左辺および右辺の3辺(凹形状)からなる。
第2反射部分34は、一次反射光L5を二次反射光L6として導光部分32から出射部分31に二次反射させる第2反射面340を有する。第2反射面340と導光部分32の第1平面321とのなす角度は、この例では、45°である。この結果、第2反射面340は、水平の平行光の一次反射光L5を垂直の平行光の二次反射光L6として二次反射させる。
(通過面301の説明)
入射部分30のうち、入射面300に対して対向する面(この例においては正面)には、入射光L3の一部を通過光(透過光)L7として外部に通過(透過)させる通過面(透過面)301が、設けられている。
通過面301は、入射面300と同様に、光源2の発光面と平行をなし、また、基準軸Aに対して垂直な平面をなし、さらに、基準軸Aを中心とする円形形状をなす。通過面301は、入射部分30と第1反射部分33との間の第1境界面351であって、第1平面321から延長された延長面351上に位置する。
(通過面301と第1反射面330の作成過程の説明)
以下、通過面301と第1反射面330の作成過程(作成手順、設計過程、または、設計手順)について、図4を参照して説明する。
なお、図4において、符号「P1」は、通過面301と第1反射面330との間の境界を示す第1ポジションである。符号「P2」は、第2平面322と第1反射面330との間の境界を示す第2ポジションである。符号「P3」は、第1平面321と入射部分30の側面302との間の境界を示す第3ポジションである。
また、図4において、第1ポジションP1と第3ポジションP3とを結ぶ境界面は、入射部分30と第1反射部分33との間の境界面であって、第1境界面351である。第2ポジションP2と第3ポジションP3とを結ぶ境界面は、導光部分32と第1反射部分33との間の境界面であって、第2境界面352である。
まず、図4(A)に示すように、入射面300に対して対向する面であって、第1平面321から延長された延長面351上に、通過面301を作成する。すなわち、予め、車両用導光部材3に通過面301を、第1平面321の高さに合わせて作成する。この結果、通過面301と第1平面321とは、第1境界面351としての延長面351を介して、同一平面上に位置する。
つぎに、図4(B)に示すように、通過面301と第2平面322との間に、第1反射面330を作成する。すなわち、通過面301の端(円周辺)である第1ポジションP1と第2平面322の端(円周辺)である第2ポジションP2との間に、第1反射面330を作成する。
以上のようにして、通過面301および第1反射面330を有する車両用導光部材3が作成される。
ここで、第1反射面330は、通過面301と第2平面322との間に連接して設けられている。このため、第1反射面330は、光源2から離れた位置に位置する。すなわち、通過面301は、入射面300に対向し、入射面300は、光源2の発光面に対向し、第1反射面330は、発光面の中心Bおよび通過面301の中心を通る基準軸A上に焦点Fを有する放物線Pを、基準軸Aを中心軸として回転させてなる回転放物面からなる。
これにより、第1反射面330は、基準軸Aから通過面301の半径分離れた、第1ポジションP1と第2ポジションP2との間に設けられている。この結果、光源2の発光面から第1反射面330への放射角度(照射角度)θ1は、後述する第1比較例(図6(A)を参照)における放射角度(照射角度)θ2よりも、第1反射面330を基準軸Aから離した通過面301の半径分大きい。
(インナーレンズ4の説明)
インナーレンズ4は、光源2からの光L1を、装飾ランプDLの装飾光L10として、ランプレンズ11を透過させて外部に照射させる光学部材である。インナーレンズ4は、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの透明樹脂材であって、光透過性の部材からなる。
インナーレンズ4は、図1、図5(B)に示すように、この例では、全体が半球形状をなし、正面視形状が円形状をなす。インナーレンズ4は、内面側の入射面40と外面側の出射面41とを有する。入射面40は、小半球面形状をなし、通過面301に対向する。入射面40は、通過面301からの通過光L7を入射光L8としてインナーレンズ4の内部に入射させる。出射面41は、大半球面形状をなし、ランプレンズ11に対向する。出射面41は、インナーレンズ4の内部の入射光L8を出射光L9としてインナーレンズ4の外部にランプレンズ11に向けて出射させる。
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
光源2の発光部21を点灯する。すると、光源2の発光部21から光L1が発する。この光L1は、図1~図3に示すように、車両用導光部材3の入射部分30の入射面300から、車両用導光部材3の内部すなわち入射部分30中に、入射光L3として入射する。
入射部分30中の入射光L3の大部分は、図1~図3に示すように、第1反射部分33の第1反射面330において導光部分32側に、一次反射光L5として一次反射する。導光部分32中の一次反射光L5は、図1に示すように、第2反射部分34の第2反射面340において出射部分31側に、二次反射光L6として二次反射する。出射部分31中の二次反射光L6は、図1に示すように、出射部分31の出射面310から外部(灯室12)にランプレンズ11側に向かって、出射光L4として出射する。
これにより、出射部分31の出射面310は、導光部分32の周辺部の4辺のうちの3辺(凹形状)に沿った発光ラインを形成する。出射部分31の出射面310からの出射光L4は、図1に示すように、ランプレンズ11を透過して外部に、機能光L2として出射する。これにより、車両用灯具1は、図5(B)中の格子模様に示すように、凹形状に沿った発光ラインによるテールランプTLが発光する。
また、入射部分30中の入射光L3の一部は、図1~図3に示すように、通過面301から外部(灯室12)にインナーレンズ4側に向かって、透過光L7として透過する。透過光L7は、インナーレンズ4の入射面40からインナーレンズ4中に入射光L8として入射する。インナーレンズ4中の入射光L8は、インナーレンズ4の出射面41から外部(灯室12)にランプレンズ11側に向かって出射光L9として出射する。
インナーレンズ4の出射面41からの出射光L9は、図1に示すように、ランプレンズ11を透過して外部に、装飾光L10として出射する。これにより、車両用灯具1は、図5(B)中の格子模様に示すように、円形の装飾ランプDLが発光する。
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、入射面300に対して対向する面に、入射光L3の一部を外部に通過させる通過面301を、設けたものである。この結果、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、入射部30の入射面300から入射した光源2からの光L1である入射光L3を、出射部分31の出射面310以外の箇所である通過面301からも出射させることができる。
これにより、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、出射部分31の出射面310のみならず、通過面301をも発光させることができる。このため、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、出射部分31の出射面310と通過面301とを発光させることができ、発光デザインの自由度が増大する。
この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1によれば、導光部分32が、相互に平行な第1平面321と第2平面322とを有し、通過面301が、第1平面321から延長された延長面351上に位置し、第1反射面330が、通過面301と第2平面322との間に連接して設けられている。この結果、第1反射面330は、導光部分32の板厚T1全体に亘って対向するので、第1反射面330において一次反射した一次反射光L5の幅は、図3に示すように、導光部分32の板厚T1と同等となる。
このため、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1によれば、出射部分31の出射面310から出射する出射光L4の幅は、導光部分32の板厚T1と同等となる一次反射光L5の幅T1のままで減少することが無い。これにより、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、設定された出射部分31の出射面310の幅と同等の幅を持って、出射面310を光らせることができる。
しかも、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、通過面301の面積を調整することにより、第1反射面330の面積を調節して、導光部分32側に一次反射される一次反射光L5の光量および出射部分31の出射面310から出射する出射光L4の光量を調整することができる。
この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、第1反射面330を通過面301と第2平面322との間に連接して設けたものであるから、第1反射面330は、光源2から離れた位置に位置する。この結果、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1によれば、光源2の発光面から第1反射面330への放射角度(照射角度)θ1は、後述する第1比較例における放射角度(照射角度)θ2よりも大きい。
これにより、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、第1反射面330により、光源2の発光面からの大きい(広い)放射角度(照射角度)θ1の光L1を有効に利用することができる。この結果、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、光源2からの光L1である入射光L3の一部を、通過光L7として通過面301から通過させて装飾光L10に利用したとしても、第1反射面330からの一次反射光L5の光量を、通過面301を設けない第1比較例と同様に維持することができる。
この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1によれば、出射部分31が、第2反射部分34を介して導光部分32の周辺部に設けられているので、出射面310が、二次反射光L6を出射光L4として外部に出射させることにより、導光部分32の周辺部に沿った発光ライン(図5(B)中におけるテールランプTLの格子模様が施されている部分)を形成できる。
この実施形態にかかる車両用灯具1は、この実施形態にかかる車両用導光部材3の通過面301とランプレンズ11との間に光学部材としてのインナーレンズ4を配置したものである。この結果、この実施形態にかかる車両用灯具1によれば、通過面301から通過した通過光L7を、インナーレンズ4を透過させることにより、装飾光L10を得ることができ、しかも、テールランプTLに加えて、装飾ランプDLを得ることができる。
(第1比較例および第2比較例の説明)
ここで、第1比較例および第2比較例について、図6(A)および図6(B)を参照して説明する。なお、図6(A)および図6(B)中、図1~図5と同符号は、同一のものを示す。図6(A)中においては、通過面(301)が図示されていないが、第1比較例の説明中においては、通過面(301)が括弧つきの符号を付して記載されている。また、図6(A)中においては、出射部分31および出射面310が図示されていないが、第1比較例の説明中においては、出射部分31および出射面310が記載されている。さらに、図6(B)中においては、出射部分31、出射面310および出射光L4が図示されていないが、第2比較例の説明中においては、出射部分31、出射面310および出射光L4が記載されている。
図6(A)は、通過面(301)を設けなかった第1比較例の車両用導光部材3Aを示す断面説明図である。この第1比較例の車両用導光部材3Aは、入射面300に対して対向する面に、入射光L3の一部を外部に通過させる通過面(301)を、設けなかった車両用導光部材(たとえば、特許文献1の車両用灯具の導光体)である。
この第1比較例の車両用導光部材3Aは、この実施形態にかかる車両用導光部材3と同様に、入射光L3を第1反射面330において導光部分32側に一次反射光L5として一次反射させる。この時、一次反射光L5は、導光部分32の板厚T1全体に亘って有効光として利用される。
しかしながら、この第1比較例の車両用導光部材3Aは、通過面(301)を設けなかったので、入射光L3の一部を出射部分31の出射面310以外の箇所から出射させることができない。この結果、この第1比較例の車両用導光部材3Aは、出射部分31の出射面310と、出射面310以外の箇所とを発光させることができず、発光デザインの自由度が限られていた。
これに対して、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、入射面300に対して対向する面に、入射光L3の一部を外部に通過させる通過面301を、設けたので、図1~図3に示すように、出射部分31の出射面310と、出射面310以外の箇所の通過面301とを発光させることができ、発光デザインの自由度が増大する。
図6(B)は、通過面301を設けた第2比較例の車両用導光部材3Bを示す断面説明図である。そこで、図6(B)に示すように、前記の第1比較例の車両用導光部材3Aにおいて、入射面300に対して対向する面であって第1反射面330の入射面300側の部分(図6(B)中の破線にて示す部分)に、入射光L3の一部を外部に通過させる通過面301を、設ける技術が考えられる。
この第2比較例の車両用導光部材3Bは、この実施形態にかかる車両用導光部材3と同様に、入射光L3の一部を通過面301から外部に通過光L7として通過させることができる。このため、この第2比較例の車両用導光部材3Bは、出射部分31の出射面310と、出射面310以外の通過面301とを発光させることができ、発光デザインの自由度が増大する。
しかしながら、この第2比較例の車両用導光部材3Bは、第1反射面330の入射面300側の部分に通過面301を設けたので、第1反射面330の入射面300側の部分が、通過面301により切り取られる。このため、この第2比較例の車両用導光部材3Bによれば、入射光L3の一部は、第1反射面330の通過面301により切り取られた部分において、一次反射光L5として導光部分32側に一次反射しない。
この結果、この第2比較例の車両用導光部材3Bによれば、第1反射面330において一次反射した一次反射光L5の幅T2は、導光部分32の板厚T1よりも、第1反射面330の通過面301により切り取られた部分の幅T3分減少する。これにより、出射部分31の出射面310から出射する出射光L4の幅(図5(B)中におけるテールランプTLの格子模様が施されている部分の発光ラインの幅)は、一次反射光L5の幅T2が導光部分32の板厚T1よりも減少した幅T3分、減少する。
これに対して、この実施形態にかかる車両用導光部材3、車両用灯具1は、通過面301を第1平面321から延長された延長面351上に設けたので、図3に示すように、第1反射面330において一次反射した一次反射光L5の幅は、導光部分32の板厚T1と同等となる。これにより、出射部分31の出射面310から出射する出射光L4の幅は、導光部分32の板厚T1と同等となる一次反射光L5の幅T1のままで減少することが無い。
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態においては、リアコンビネーションランプのテールランプTLについて説明するものである。しかしながら、この発明においては、リアコンビネーションランプのテールランプTL以外のランプ、たとえば、リアコンビネーションランプのストップランプ、バックアップランプまたはターンシグナルランプ、ならびに、フロントコンビネーションランプのターンシグナルランプまたはデイタイムランニングランプにも適用することができる。
また、前記の実施形態においては、入射面300が基準軸Aに対して垂直な平面をなすものであり、また、第1反射面330が基準軸A上に焦点Fを有する放物線Pを基準軸Aを中心軸として回転させてなる回転放物面をなすものである。しかしながら、この発明においては、入射面300が基準軸Aに対して垂直な平面をなすもの以外のもの、また、第1反射面330が基準軸A上に焦点Fを有する放物線Pを基準軸Aを中心軸として回転させてなる回転放物面をなすもの以外のものであっても良い。この場合における入射面および第1反射面は、入射面を経て入射した入射光を、第1反射面で平行光の一次反射光として反射させるものであれば良い。たとえば、特開2017-228463号公報に記載の入射面および第1反射面であっても良い。
さらに、前記の実施形態においては、出射面310の発光ラインが3辺の凹形状をなすものである。しかしながら、この発明においては、出射面310の発光ラインの形状を特に限定しない。
さらにまた、前記の実施形態においては、光源2および入射部分30を、図1に示すように、ランプハウジング10の閉塞部分側に配置するものである。しかしながら、この発明においては、光源2および入射部分30を、ランプハウジング10の開口部分側、すなわち、出射部分31と同様に、ランプレンズ11側に配置するものであっても良い。
なお、この発明は、前記の実施形態により限定されるものではない。
1 車両用灯具
10 ランプハウジング
11 ランプレンズ
12 灯室
13 取付ブラケット(取付部材)
2 光源
20 本体部
21 発光部
3、3A、3B 車両用導光部材
30 入射部分
300 入射面
301 通過面(透過面)
302 側面
31 出射部分
310 出射面
32 導光部分
321 第1平面
322 第2平面
33 第1反射部分
330 第1反射面
34 第2反射部分
340 第2反射面
351 第1境界面(延長面)
352 第2境界面
4 インナーレンズ(光学部材)
40 入射面
41 出射面
A 基準軸
B 発光面の中心
DL 装飾ランプ
F 焦点
L1 光
L2 機能光
L3 入射光
L4 出射光
L5 一次反射光
L6 二次反射光
L7 通過光(透過光)
L8 入射光
L9 出射光
L10 装飾光
P 放物線
P1 第1ポジション
P2 第2ポジション
P3 第3ポジション
T1 板厚(実施形態の一次反射光L5の幅)
T2 幅(第2比較例の一次反射光L5の幅)
T3 幅(第1反射面330の通過面301により切り取られた部分の幅)
TL テールランプ
θ1、θ2 放射角度(照射角度)

Claims (4)

  1. 灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
    前記灯室内に配置されている光源、車両用導光部材およびインナーレンズと、
    を備え、
    前記車両用導光部材は、
    前記光源からの光を入射光として内部に入射させる入射面を有する入射部分と、
    前記入射光を出射光として外部に出射させる出射面を有する出射部分と、
    前記入射部分と前記出射部分との間に配置されていて、前記入射光を前記入射部分から前記出射部分に導く導光部分と、
    前記入射部分と前記導光部分との間に連接して設けられていて、前記入射光を一次反射光として前記入射部分から前記導光部分に一次反射させる第1反射面を有する第1反射部分と、
    前記出射部分と前記導光部分との間に連接して設けられていて、前記一次反射光を二次反射光として前記導光部分から前記出射部分に二次反射させる第2反射面を有する第2反射部分と、
    前記入射部分のうち、前記入射面に対して対向する面に設けられていて、前記入射光の一部を外部に通過させる通過面と、
    を備え、
    前記入射面は、前記光源に対向し、
    前記出射面は、前記ランプレンズに対向し、
    前記インナーレンズは、
    前記通過面と前記ランプレンズとの間に配置されていて、
    前記通過面に対向し、前記通過面からの通過光を入射光として入射させる入射面と、
    前記ランプレンズに対向し、前記入射光を出射光として前記ランプレンズに向けて出射させる出射面と、
    を有し、
    前記光源および前記車両用導光部材は、コンビネーションランプのランプを構成し、
    前記インナーレンズ、前記光源および前記車両用導光部材は、装飾ランプを構成する、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記インナーレンズは、半球形状をなし、正面視形状が円形状をなし、
    前記インナーレンズは、小半球面形状をなす内側面の前記入射面と、大半球面形状をなす外側面の前記出射面と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記車両用導光部材において、
    前記導光部分は、板形状をなし、前記入射部分側の平面である第1平面と、前記第1平面と平行である第2平面と、を有し、
    前記通過面は、前記第1平面から延長された延長面上に設けられていて、
    前記第1反射面は、前記通過面と前記第2平面との間に連接して設けられている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具
  4. 前記車両用導光部材において、
    前記出射部分は、前記第2反射部分を介して前記導光部分の周辺部に設けられていて、
    前記出射面は、前記二次反射光を前記出射光として外部に出射させることにより、前記導光部分の周辺部に沿った発光ラインを形成する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具
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