JP7215883B2 - 数値制御装置 - Google Patents
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Description
〔1 発明の概要〕
本発明の実施形態に係る数値制御装置は、周速一定制御中の切削送りにおいて加工プログラムを先読みし、切削工具の刃先のX位置の移動量を確認する。加工経路において、このX位置の移動量が閾値よりも小さいために、周速度に影響を与えないと判定される箇所では、数値制御装置は、周速一定制御機能をオフとし、主軸速度を変更しないようにする。
第1のパターンは、切削送り中の山溝領域でのX位置の座標値の変化量(以下、「位置変化量」とも呼称する)に基づいて、周速一定制御機能のオン/オフを切り替えるパターンである。図1Aは、切削送り中の山部分及び溝部分での変化量の具体例を示す。図1Aに示す例においては、山部分及び溝部分の双方とも高さが“a”となっている。この“a”の大きさが第1の閾値以下の場合には、数値制御装置は、山溝領域において周速一定制御機能をオフとし、主軸速度を変更しない。なお本明細書では、第1の閾値を「山溝閾値」とも呼称する。
ステップS11において、実行予定の動作が切削送りの場合(S11:YES)には、処理はステップS12に移行する。実行予定の動作が切削送りでない場合(S11:NO)には、処理は終了する。
ステップS15において、X位置の座標値の変化量が第1の閾値以下の場合(S15:YES)には、処理はステップS16に移行する。X位置の座標値の変化量が第1の閾値を超えた場合(S15:NO)には、処理を終了する。
第2のパターンは、切削送りの逃げ領域でのX位置の変化量に基づいて、周速一定制御機能のオン/オフを切り替えるパターンである。図2Aは、切削送り中の逃げ領域での変化量の具体例を示す。図2Aに示す例においては、逃げ領域の高さが“b”となっている。この“b”の大きさが第2の閾値以下の場合には、数値制御装置は、逃げ領域において主軸速度を変更しない。なお本明細書では、第2の閾値を「逃げ閾値」とも呼称する。
ステップS21において、先読みしているブロックが、切削送りの最後のブロックである場合(S21:YES)には、処理はステップS22に移行する。先読みしているブロックが、切削送りの最後のブロックでない場合(S21:NO)には、処理は終了する。
ステップS23において、X位置の座標値の変化量が第2の閾値以下の場合(S23:YES)には、処理はステップS24に移行する。X位置の座標値の変化量が第2の閾値を超えた場合(S24:NO)には、処理を終了する。
第3のパターンは、連続した切削領域全体でのX位置の座標値の変化量に基づいて、周速一定制御機能のオン/オフを切り替えるパターンである。図3Aは、連続した切削領域全体でのX位置の座標値の変化量の具体例を示す。図3Aに示す例においては、連続した切削領域全体でのX位置の座標値の最小値から最大値までの幅(変化量)が“c”となっている。この“c”の大きさが第3の閾値以下の場合には、数値制御装置は、連続した切削領域全体において主軸速度を変更しない。なお本明細書では、第3の閾値を「切削閾値」とも呼称する。
ステップS31において、実行予定の動作が切削送りの場合(S31:YES)には、処理はステップS32に移行する。実行予定の動作が切削送りでない場合(S31:NO)には、処理は終了する。
更に、上記の第1の閾値~第3の閾値は、荒加工時、仕上げ加工時等、求められる面加工品質に応じて、異なる値に設定することが好ましい。
〔2-1 発明の構成〕
図4は、本発明の実施形態に係る数値制御システム10の全体構成図である。数値制御システム10は、数値制御装置100と工作機械200とを備える。数値制御装置100と工作機械200とは1対1の組とされて相互に通信可能に接続されている。なお、図4では図示しないが、数値制御装置100と工作機械200とはネットワークを介して接続されてもよい。ここで、ネットワークは、工場内に敷設されたLAN(Local Area Network)等のネットワークにより実現される。
図7A~図7Cは、本実施形態に係る数値制御装置100の動作を示すフローチャートである。なお、図7A~図7Cに示す動作においては、周速一定制御機能をオンとした状態がデフォルトであることを前提としている。
本実施形態に係る数値制御装置100は、加工プログラムの先読みの結果に基づいて、切削送り中の基準軸の位置変化量を算出し、この算出量に基づいて周速一定制御を行うか、行わないかを判定する判定部112と、判定部112の判定結果に基づいて、周速一定制御機能の作動の有無を制御する作動制御部113とを備える。
〔3-1 変形例1〕
上記の実施形態においては、切削加工の開始時に、プログラム先読み部111によって加工プログラムの全体が先読みされた後、判定部112が、加工経路の先頭から終端までの位置変化に基づいて、周速一定制御機能を作動させる範囲と、周速一定制御機能を停止させる範囲を判定するとしたが、これには限定されない。
更に、判定部112は、実行中の加工プログラムのブロック毎に、当該ブロックに対応する基準軸の位置から、加工経路の終端までの位置変化に基づいて、周速一定制御機能を作動させる範囲と、周速一定制御機能の作動を停止させる範囲とを判定してもよい。
上記の実施形態において、判定部112は、プログラム先読み部111による先読みの結果に基づいて、基準軸(例えばX軸)の位置変化量を算出し、算出された位置変化量に基づいて、周速一定制御を行うか、行わないかを判定するとしたが、これには限定されない。
更に、判定部112は、プログラム先読み部111による先読みの結果に基づいて、周速一定制御を行う場合の主軸の回転速度の変化量を算出し、算出された変化量に基づいて、周速一定制御を行うか、行わないかを判定してもよい。
100 数値制御装置
110 制御部
111 プログラム先読み部
112 判定部
113 作動制御部
120 記憶部
200 工作機械
Claims (8)
- 主軸に加工物を装着し、切削送り中の基準軸の位置変化に応じて周速が一定となるように主軸回転数を制御する周速一定制御機能を有する数値制御装置であって、
加工プログラムの先読みを行うプログラム先読み部と、
前記プログラム先読み部による先読みの結果に基づいて、切削送り中の所定の切削送り範囲における、基準軸の位置変化量、周速一定制御を行わない場合の周速度の変化量、又は周速一定制御を行う場合の主軸の回転速度の変化量の何れか1つを算出し、算出した前記変化量と、予め設定される閾値と比較することにより、周速一定制御を行うか、行わないかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、周速一定制御機能の作動の有無を制御する作動制御部と、
を備える数値制御装置。 - 前記判定部は、切削送り全体における前記基準軸の位置変化量を算出し、当該位置変化量と、予め設定される閾値との比較結果に基づいて、周速一定制御を行うか、行わないかを判定する、請求項1に記載の数値制御装置。
- 前記判定部は、切削送り最終部での逃げ動作時における前記基準軸の位置変化量を算出し、当該位置変化量と、予め設定される閾値との比較結果に基づいて、周速一定制御を行うか、行わないかを判定する、請求項1に記載の数値制御装置。
- 前記判定部は、切削送り中に、前記基準軸が現在位置から変化した後、現在位置に戻る箇所における、前記基準軸の位置変化量を算出し、当該位置変化量と、予め設定される閾値との比較結果に基づいて、周速一定制御を行うか、行わないかを判定する、請求項1に記載の数値制御装置。
- 前記閾値は、前記加工プログラム内で設定される、請求項1~4のいずれか1項に記載の数値制御装置。
- 前記判定部は、切削加工の開始時に、前記プログラム先読み部によって前記加工プログラムの全体が先読みされた後、加工経路の先頭から終端までの位置変化に基づいて、周速一定制御機能を作動させる範囲と、周速一定制御機能の作動を停止させる範囲とを判定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の数値制御装置。
- 前記判定部は、所定のサンプリングタイム毎に、当該サンプリングタイムにおける前記基準軸の位置から、加工経路の位置変化に基づいて、周速一定制御機能を作動させる範囲と、周速一定制御機能の作動を停止させる範囲とを判定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の数値制御装置。
- 前記判定部は、実行中の前記加工プログラムのブロック毎に、当該ブロックに対応する前記基準軸の位置から、加工経路の位置変化に基づいて、周速一定制御機能を作動させる範囲と、周速一定制御機能の作動を停止させる範囲とを判定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の数値制御装置。
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