JP7215712B2 - マンホール付きタンクの製造方法及びマンホール体 - Google Patents
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本開示の一実施形態に係るマンホール付きタンク100の製造方法では、図1A及び図1Bに示すように、樹脂製で円筒状のタンク1の胴壁10に、樹脂製で環状のフランジ部21を備えるマンホール体2を取り付ける。
2-1.マンホール付きタンクの概要
マンホール付きタンク100は、タンク1とマンホール体2とを備える。マンホール体2は、タンク1の胴壁10に取付られている。図1Aでは、タンク1に、一つのマンホール体2が取り付けられているが、これに限定されない。例えば、タンク1に二つ以上のマンホール体2が取り付けられていてもよい。以下、タンク1とマンホール体2の構成を説明する。
本実施形態のタンク1は、図1Aに示すように大型の円柱状である。このため、胴壁10は、曲面で構成される。タンク1の容量は、特に限定されないが、例えば3000L以上100000L以下である。
マンホール体2は、タンク1の胴壁10に取り付けられることで、胴壁10に設けられた開孔11を補強するための部材である。またマンホール体2は、胴壁10に設けられた開孔11に、図1Bに示す蓋23を取り付けるための部材でもある。蓋23は、タンク1の開孔11を塞ぐことができる部材である。
上述の通り、本実施形態に係るマンホール付きタンク100の製造方法には、開孔工程、胴壁溶融工程、フランジ溶融工程、及び融着工程が含まれる。これらの工程について、各工程ごとに詳細に説明する。
上述の通り、開孔工程では、タンク1の胴壁10に貫通した開孔11を形成する。胴壁10に開孔11を形成する方法は、特に限定されない。例えば胴壁10の外表面12に切削加工等を施すことによって、開孔11を形成することができる。また例えばタンク1の作製時に予め開孔11を形成しておいてもよいが、この場合、マンホール体2を取り付ける場所が、開孔11が予め設けられた位置に制限される。このため、胴壁10の外表面12に切削加工等を施すことによって、開孔11を形成する方が好ましい。
胴壁溶融工程では、胴壁10の外表面12の開孔11の周囲110を、ヒータ3によって熱溶融させる。本実施形態では、図5に示すタンク側ヒータ31によって、開孔11の周囲110を溶解させる。このため、タンク側ヒータ31は、開孔11の周囲110を溶融できるように発熱することができる。タンク側ヒータ31は、それ自体が発熱する機能を有していてもよく、別部材によって発せられた熱がタンク側ヒータ31に伝えられてもよい。タンク側ヒータ31は、図5に示すように、筒状部310及び胴壁加熱部311を備える。
フランジ溶融工程では、マンホール体2のフランジ部21の融着面210を、ヒータ3によって熱溶融させる。本実施形態では、図7に示すマンホール側ヒータ32によって、フランジ部21の融着面210を熱溶融させる。このため、マンホール側ヒータ32は、フランジ部21の融着面210を熱溶融できるように発熱することができる。マンホール側ヒータ32は、それ自体が発熱する機能を有していてもよく、別部材によって発せられた熱がマンホール側ヒータ32に伝えられてもよい。
融着工程では、図2Dに示すように、胴壁10の開孔11の周囲110と、マンホール体2の融着面210とを融着させる。具体的には、胴壁溶融工程において熱溶融された開孔11の周囲110と、フランジ溶融工程において熱溶融されたフランジ部21の融着面210とを、熱溶融した状態のまま押し付ける。これにより、開孔11の周囲110と、融着面210とが融着して一体化される。また融着工程では、開孔11の周囲110及びマンホール体2の融着面210が溶融した状態である間に、開孔11の周囲110と融着面210とを融着させる必要がある。このため、胴壁溶融工程及びフランジ溶融工程の完了後、融着工程を開始するまでの時間は、短い方が好ましい。融着工程を開始するまでの時間の上限は、特に限定されないが、胴壁溶融工程でタンク側ヒータ31の胴壁加熱面312の外縁付近からあふれ出した樹脂が硬化するまでに融着工程を開始することが好ましい。
まず、ポリエチレン製の50000Lのタンクを用意した。
まず、ポリエチレン製の50000Lのタンクを用意した。このタンクの胴壁には、予め、平坦な台座を形成しておいた。
タンクの胴壁に融着されたマンホール体を、下記の表1に示す力で引っ張り、破断状況を確認した。そして、融着面では破断せず、胴壁で破断した場合を〇と評価し、融着面で破断した場合を×と評価した。その結果を下記の表1に示す。
10 胴壁
11 開孔
110 周囲
111 縁
2 マンホール体
21 フランジ部
210 融着面
3 ヒータ
100 マンホール付きタンク
Claims (5)
- 樹脂製で円筒状のタンクの胴壁に、樹脂製で環状のフランジ部を備えるマンホール体を取り付けるマンホール付きタンクの製造方法であって、
前記胴壁に貫通した開孔を形成する開孔工程と、
前記開孔工程後に、前記胴壁の外表面における前記開孔の周囲を熱溶融させる胴壁溶融工程と、
前記フランジ部の一面であり、前記胴壁に沿うように形成された曲面である融着面を熱溶融させるフランジ溶融工程と、
前記胴壁溶融工程後、かつ前記フランジ溶融工程後に、前記開孔の周囲と前記融着面とを融着させる融着工程と、を含み、
前記胴壁溶融工程において、前記胴壁よりも曲率半径が大きい曲面を有するヒーターを、前記開孔の周囲に押し当てることで、前記胴壁の変形を抑制しつつ、前記開孔の縁から放射状に前記開孔の周囲を熱溶融させる、
マンホール付きタンクの製造方法。 - 前記融着面の曲率半径は、前記胴壁の曲率半径よりも大きい、
請求項1に記載のマンホール付きタンクの製造方法。 - 前記胴壁溶融工程と、前記フランジ溶融工程とを同時に行う、
請求項1又は2に記載のマンホール付きタンクの製造方法。 - 前記タンクはポリエチレン樹脂製であり、
前記マンホール体は前記タンクと同種のポリエチレン樹脂製である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のマンホール付きタンクの製造方法。 - 樹脂製で円筒状のタンクの胴壁に取り付けられる、樹脂製のマンホール体であって、
環状のフランジ部と、円筒状の挿入部とを備え、
前記フランジ部の一面が融着面であり、前記融着面が、前記胴壁に沿うように形成された曲面であり、
前記挿入部が、前記胴壁に設けられた開孔に挿入できるように、かつ前記胴壁を貫通できるように形成されている、
マンホール体。
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