JP2017087606A - ブロー成形品のインサート部材の取付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブロー成形と同時に、ブロー成形品の外壁にインサート部材を埋設して取付けるインサート部材の取付方法を提供する。
【解決手段】ブロー成形金型30の外筒保持部31でインサート部材20の外筒部21を保持し、熱板34を移動させて、インサート部材20のフランジ部23に当接させるとともに溶融する。パリソン50をブロー成形金型30内に導入し、熱板34をインサート部材20のフランジ部23から外れるように移動させるとともに、パリソン50の一部をインサート部材20の内筒部22とフランジ部23に当接させる。インサート部材20のフランジ部23にパリソン50を押圧して融着させ、インサート部材20をパリソン50により形成されたブロー成形品1の外壁2に取付けてブロー成形する。
【選択図】図5
【解決手段】ブロー成形金型30の外筒保持部31でインサート部材20の外筒部21を保持し、熱板34を移動させて、インサート部材20のフランジ部23に当接させるとともに溶融する。パリソン50をブロー成形金型30内に導入し、熱板34をインサート部材20のフランジ部23から外れるように移動させるとともに、パリソン50の一部をインサート部材20の内筒部22とフランジ部23に当接させる。インサート部材20のフランジ部23にパリソン50を押圧して融着させ、インサート部材20をパリソン50により形成されたブロー成形品1の外壁2に取付けてブロー成形する。
【選択図】図5
Description
本発明は、 ブロー成形品の外壁にインサート部材を取付けるインサート部材の取付方法に関する。特に、ブロー成形により成形される自動車用燃料タンクに取付けるインサート部材に使用することができる。
自動車用燃料タンクには、燃料タンク内に燃料を注入するフィラーチューブが燃料タンクに取付けられている。
このような燃料タンクは、従来、金属製のものが用いられていたが、近年車両の軽量化や、錆が発生しないこと、所望の形状に成形しやすいことなどによって熱可塑性樹脂製のものも用いられるようになってきた。
このような燃料タンクは、従来、金属製のものが用いられていたが、近年車両の軽量化や、錆が発生しないこと、所望の形状に成形しやすいことなどによって熱可塑性樹脂製のものも用いられるようになってきた。
そして、その製造が容易なため、ブロー成形により製造されたブロー成形品である燃料タンク101が使用されている。このような熱可塑性樹脂製のブロー成形品である燃料タンク101においても、図10に示すように、各種のホースやケーブルとともに、燃料タンク101に液体又は気体を注入又は排出するための各種のチューブやパイプを取付けるためのチューブ取付部材120が、燃料タンク101の外壁に取付けられている。
例えば、図11に示すように、ブロー成形により製造されたブロー成形品である熱可塑性合成樹脂製の燃料タンク101のタンク外壁102にチューブ取付部材120が溶着されている(例えば、特許文献1参照。)。このチューブ取付部材120は、溶着座123を設けてタンク外壁102に溶着座123を溶着している。
このような構造においては、溶着座123の溶着面がフラットな形状であるため、チューブ取付部材120の溶着面を高温に予熱しないと、充分な溶着ができない。しかしながら、この予熱によりチューブ取付部材120の剛性が低下して、変形する場合がある。
また、図12と図13に示すように、ブロー成形品の外壁202を貫通して、ブロー成形品の外側に位置する外筒部221と、ブロー成形品の内側に位置する内筒部222と、外筒部221と内筒部222の境界部分から外面に幅方向に張り出したフランジ部223を有するチューブ取付部材220をブロー成形品の外壁202に取付けるものがある。
この場合には、図12に示すように、予めチューブ取付部材220のフランジ部223の先端に熱板234を当接させて溶融するとともに、ブロー成形品の外壁202に形成されたチューブ取付部材220を取付けるタンク取付部210の表面にも熱板234を当接させて溶融する。
その後、図13に示すように、タンク取付部210の表面にチューブ取付部材220のフランジ部223の先端を押圧して、溶着している。
しかしながら、この場合には、ブロー成形品をブロー成形した後に、チューブ取付部材220を溶着しているため、工程がブロー成形とタンク取付部210の溶着の2段階となり、生産効率がよくなかった。
しかしながら、この場合には、ブロー成形品をブロー成形した後に、チューブ取付部材220を溶着しているため、工程がブロー成形とタンク取付部210の溶着の2段階となり、生産効率がよくなかった。
そのため、図14に示すような、ブロー成形品のタンク外壁302を貫通して、チューブ取付部材320の内筒部322を取付けて、フランジ部323がブロー成形品のタンク外壁302に埋設されて、タンク外壁302を形成するパリソンが内筒部322を覆い、内筒カバー部311として内筒部322と溶着して、チューブ取付部材220を固定するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
この場合には、フランジ部323に突起部324を設けて、パリソンの熱で突起部324を溶かして、チューブ取付部材320をブロー成形品のタンク外壁302に溶着している。しかしながら、タンク外壁302の表面からは、図14に示すように、タンク外壁302の内部に融着されたフランジ部323の融着状態を外部から確認することが困難であった。
そこで本発明は、ブロー成形と同時に、ブロー成形品の外壁にインサート部材を埋設して取付けるインサート部材の取付方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、ブロー成形品の外壁にブロー成形金型を使用して合成樹脂製のインサート部材を取付けるブロー成形品のインサート部材の取付方法において、
インサート部材は、ブロー成形品の外壁を貫通する筒状部と、筒状部の外面に幅方向に張り出したフランジ部を有し、フランジ部は、ブロー成形品の外壁に取付けられ、筒状部は、ブロー成形品の外側に張り出す外筒部と、ブロー成形品の内側に張り出す内筒部とを有し、
ブロー成形金型は、インサート部材を保持する外筒保持部と、スライド可能な熱板を有し、
ブロー成形金型の外筒保持部でインサート部材の外筒部を保持し、熱板をブロー成形金型内で移動させて、インサート部材のフランジ部に当接させるとともに溶融し、
パリソンをブロー成形金型内に導入し、ブロー成形金型の熱板をインサート部材のフランジ部から外れるように移動させるとともに、パリソンの一部をインサート部材の内筒部とフランジ部に当接させ、
インサート部材のフランジ部にパリソンを押圧して融着させ、インサート部材をパリソンにより形成されたブロー成形品の外壁に取付けてブロー成形することを特徴とするブロー成形品のインサート部材の取付方法である。
インサート部材は、ブロー成形品の外壁を貫通する筒状部と、筒状部の外面に幅方向に張り出したフランジ部を有し、フランジ部は、ブロー成形品の外壁に取付けられ、筒状部は、ブロー成形品の外側に張り出す外筒部と、ブロー成形品の内側に張り出す内筒部とを有し、
ブロー成形金型は、インサート部材を保持する外筒保持部と、スライド可能な熱板を有し、
ブロー成形金型の外筒保持部でインサート部材の外筒部を保持し、熱板をブロー成形金型内で移動させて、インサート部材のフランジ部に当接させるとともに溶融し、
パリソンをブロー成形金型内に導入し、ブロー成形金型の熱板をインサート部材のフランジ部から外れるように移動させるとともに、パリソンの一部をインサート部材の内筒部とフランジ部に当接させ、
インサート部材のフランジ部にパリソンを押圧して融着させ、インサート部材をパリソンにより形成されたブロー成形品の外壁に取付けてブロー成形することを特徴とするブロー成形品のインサート部材の取付方法である。
請求項1の本発明では、ブロー成形品の外壁にブロー成形金型を使用して合成樹脂製のインサート部材を取付けるブロー成形品のインサート部材の取付方法において、インサート部材は、ブロー成形品の外壁を貫通する筒状部と、筒状部の外面に幅方向に張り出したフランジ部を有する。このため、インサート部材は、フランジ部によりブロー成形品の外壁に取付けられるとともに、筒状部によりブロー成形品の内外に気体や液体を流入又は排出することができる。
インサート部材のフランジ部は、ブロー成形品の外壁に取付けられるため、インサート部材をフランジ部で外壁に保持して安定して取り付けることができる。
インサート部材の筒状部は、ブロー成形品の外側に張り出す外筒部と、ブロー成形品の内側に張り出す内筒部とを有するため、外筒部にチューブを取付けて、ブロー成形品の外から気体や液体を流入させるとともに、ブロー成形品の内部から内筒部を経由して気体や液体を排出することができる。
インサート部材の筒状部は、ブロー成形品の外側に張り出す外筒部と、ブロー成形品の内側に張り出す内筒部とを有するため、外筒部にチューブを取付けて、ブロー成形品の外から気体や液体を流入させるとともに、ブロー成形品の内部から内筒部を経由して気体や液体を排出することができる。
ブロー成形金型は、インサート部材を保持する外筒保持部と、スライド可能な熱板を有するため、ブロー成形金型内にインサート部材を保持して、ブロー成形中に熱板をスライドさせて、インサート部材のフランジ部を溶融させることにより、フランジ部をブロー成形品の外壁に確実に溶着することができる。
ブロー成形金型の外筒保持部でインサート部材の外筒部を保持し、熱板をブロー成形金型内で移動させて、インサート部材のフランジ部に当接させるとともに溶融する。このため、ブロー成形金型の外筒保持部でインサート部材の外筒部を強固に保持して、インサート部材のフランジ部の位置を安定させて、フランジ部を熱板で確実に溶融することができる。
パリソンをブロー成形金型内に導入し、ブロー成形金型の熱板をインサート部材のフランジ部から外れるように移動させるとともに、パリソンの一部をインサート部材の内筒部とフランジ部に当接させている。このため、インサート部材のフランジ部の溶融した部分をパリソンに当接させて、溶融状態のパリソンと確実に溶着させることができる。
インサート部材のフランジ部にパリソンを押圧して融着させ、インサート部材をパリソンにより形成されたブロー成形品の外壁に取付けてブロー成形する。このため、インサート部材のフランジ部の溶融した部分をパリソンに押圧して、溶融状態のパリソンと確実に溶着させることができるとともに、ブロー成形と同時にインサート部材をブロー成形品の外壁に取付けることができる。
請求項2の本発明は、インサート部材のフランジ部とブロー成形品の外壁との融着部分は、溶融した合成樹脂のはみ出し部分が発生して、はみ出し部分はブロー成形品の外面から視認可能なブロー成形品のインサート部材の取付方法である。
請求項2の本発明では、インサート部材のフランジ部とブロー成形品の外壁との融着部分は、溶融した合成樹脂のはみ出し部分が発生して、はみ出し部分はブロー成形品の外面から視認可能である。このため、インサート部材のフランジ部とブロー成形品の外壁との融着部分に、溶融した合成樹脂のはみ出し部分が発生していれば、溶着部分は確実に溶着していることが確認できて、インサート部材のフランジ部とブロー成形品の外壁との融着状態を確実に確認することができる。
請求項3の本発明は、ブロー成形金型の熱板により、インサート部材のフランジ部の先端を溶融させるとともに、インサート部材の筒状部を通りパリソン内にブローピンを貫通させて、ブローアップ又はブロー成形を行い、パリソンをインサート部材の内筒部とフランジ部に当接させたブロー成形品のインサート部材の取付方法である。
請求項3の本発明では、ブロー成形金型の熱板により、インサート部材のフランジ部を溶融させるとともに、インサート部材の筒状部を通りパリソン内にブローピンを貫通させて、ブローアップ又はブロー成形を行い、パリソンをインサート部材の内筒部とフランジ部に当接させた。このため、ブロー成形金型内でインサート部材のフランジ部を溶融させて、ブローアップ又はブロー成形中にインサート部材のフランジ部をパリソンに溶着させて、同時に、溶融状態のパリソンをインサート部材の内筒部に溶着させることができる。
請求項4の本発明は、ブロー成形金型の熱板は、インサート部材のフランジ部を溶融するとともに、インサート部材のフランジ部に当接する部分のパリソンを溶着させて、フランジ部とパリソンを融着させるブロー成形品のインサート部材の取付方法である。
請求項4の本発明では、ブロー成形金型の熱板は、インサート部材のフランジ部を溶融するとともに、インサート部材のフランジ部に当接する部分のパリソンを溶着させている。このため、インサート部材のフランジ部の先端と、フランジ部に当接する部分のパリソンを両方とも確実に溶融することができ、インサート部材のフランジ部とパリソンの溶融を確実にすることができる。
請求項5の本発明は、ブロー成形金型の熱板は、フランジ部の形状に合わせて、複数個に分割されて形成されたブロー成形品のインサート部材の取付方法である。
請求項5の本発明では、ブロー成形金型の熱板は、フランジ部の形状に合わせて、複数個に分割されて形成された。このため、ブロー成形金型内に設けられた熱板をブロー成形金型に取付けられたフランジ部に対して進退させることが容易であり、フランジ部を全周に亘り確実に溶融することができる。
請求項6の本発明は、外筒保持部は、内部にインサート部材の外筒部をスライドして保持する外筒クランプが設けられたブロー成形品のインサート部材の取付方法である。
請求項6の本発明では、内部にインサート部材の外筒部をスライドして保持する外筒クランプが設けられたため、ブロー成形中にインサート部材を強固に保持することができ、フランジ部に確実に熱板を当接させることができるとともに、インサート部材のフランジ部と内筒部にパリソンを確実に溶着することができる。
請求項7の本発明は、インサート部材のフランジ部とパリソンを融着させるとともに、ブローピンから空気を注入して、パリソンをブロー成形金型に押圧してブロー成形を行うブロー成形品のインサート部材の取付方法である。
請求項7の本発明では、インサート部材のフランジ部とパリソンを融着させるとともに、ブローピンから空気を注入して、パリソンをブロー成形金型に押圧してブロー成形を行う。このため、ブロー成形金型内でインサート部材をパリソンに取付けるとともに、ブロー成形品をブロー成形することができる。
ブロー成形金型の外筒保持部でインサート部材の外筒部を保持するため、ブロー成形金型の外筒保持部でインサート部材の外筒部を強固に保持して、インサート部材のフランジ部を熱板で確実に溶融することができる。
パリソンをブロー成形金型内に導入し、パリソンの一部をインサート部材の内筒部とフランジ部に当接させているため、インサート部材のフランジ部の溶融した部分をパリソンに当接させて、溶融状態のパリソンと確実に溶着させることができる。
パリソンをブロー成形金型内に導入し、パリソンの一部をインサート部材の内筒部とフランジ部に当接させているため、インサート部材のフランジ部の溶融した部分をパリソンに当接させて、溶融状態のパリソンと確実に溶着させることができる。
インサート部材のフランジ部にパリソンを押圧して融着させ、インサート部材をブロー成形品の外壁に取付けてブロー成形するため、インサート部材のフランジ部をパリソンに押圧して、ブロー成形と同時にインサート部材をブロー成形品の外壁に取付けることができる。
本発明を、ブロー成形品である燃料タンク1のタンク外壁2にインサート部材であるチューブ取付部材20を取付けた取付方法を例にとり説明するが、燃料タンク1以外の他のブロー成形品にインサート部材を取付ける方法にも広く実施することができる。
本発明の実施の形態を図1〜図10に基づき説明する。
本発明の実施の形態を図1〜図10に基づき説明する。
まず、本発明の実施の形態において、チューブ取付部材20が取付けられる燃料タンク1の構造を説明し、本発明の取付方法において使用するチューブ取付部材20の構造と、ブロー成形金型30の構造を説明し、その後、本発明の燃料タンク1のチューブ取付部材20の取付方法を説明する。
図10は本発明の実施の形態のチューブ取付部材20の取付構造が使用される燃料タンク1の断面図である。図8は、本発明の実施の形態で取付けられたインサート部材であるチューブ取付部材20をブロー成形品である燃料タンク1のタンク外壁2に取付けた取付構造の断面図である。
図10に示すように、燃料タンク1は、ブロー成形で形成され、タンク外壁2は一体に形成されている。タンク外壁2は、熱可塑性合成樹脂の1層で形成することもできるし、熱可塑性合成樹脂の複数の層を有するように形成することもできる。
複数の層で形成された場合は、剛性を有する層と、燃料透過性の低い層を組み合わせて形成することができる。
複数の層で形成された場合は、剛性を有する層と、燃料透過性の低い層を組み合わせて形成することができる。
複数の層で形成された場合は、例えば、中央の層がエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)又はナイロンで形成された燃料透過を防止するバリヤー層と、そのバリヤー層の上下に変性ポリエチレンから形成される接着層と、その接着層のそれぞれの外面に高密度ポリエチレン(HDPE)から形成される外層から構成される。
タンク外壁2の上部には、図10に示すチューブ取付部材20と、チューブ取付部材20を取付けるタンク取付部10が形成されている。チューブ取付部材20は、燃料タンク1内に燃料を注入するフィラーチューブや、燃料タンク1から燃料をエンジンに供給する燃料パイプを取付けるものである。
また、タンク外壁2の上部には、ブリーザポート取付部7も形成されている。ブリーザポート取付部7は、燃料給油時に燃料タンク1内のガスをタンク外に逃がすためブリーザホース(図示せず)を取付けるものである。また、8は燃料タンク1から車輌転倒時の燃料漏れを防ぐカットオフバルブである。
なお、タンク外壁2の上面には、燃料移送用ホース等の各種のホースを保持するホースクランプを設けてもよい。これらのブリーザポート取付部7やホースクランプ等のパイプやホースの取付部材もチューブ取付部材20と同様に本発明を使用することができる。
なお、タンク外壁2の上面には、燃料移送用ホース等の各種のホースを保持するホースクランプを設けてもよい。これらのブリーザポート取付部7やホースクランプ等のパイプやホースの取付部材もチューブ取付部材20と同様に本発明を使用することができる。
タンク外壁2の上面には、さらに開口部6が形成され、開口部6からタンク外壁2の下部の内面にサブタンク5が取付けられる。開口部6は、蓋体60で塞がれて、蓋体60はロックプレート51で開口部6に周囲を螺着される。開口部6と蓋体60の間にはシールリング52が取付けられて、開口部6と蓋体60の間がシールされる。
そして、サブタンク5内に燃料ポンプユニット4が取付けられている。サブタンク5は、車両が傾いたり振動したりしたときに、燃料タンク1内の燃料を燃料ポンプユニット4が確実にエンジンに送り出すことができるように設けられている。燃料ポンプユニット4は蓋体60に取付けられて、修理やメンテナンスが行われる。燃料ポンプユニット4からパイプが延びて、タンク外壁2の上部の蓋体60にフューエルメインポート取付部9が接続している。フューエルメインポート取付部9にはエンジンに燃料を送る燃料パイプ(図示せず)が取付けられている。
図10に示すように、燃料タンク1のタンク外壁2の上部に、タンク取付部10が形成されている。タンク取付部10は、後述するチューブ取付部材20を取付ける燃料タンク1のタンク外壁2に、燃料タンク1をブロー成形するときに形成されている。タンク取付部10は、図8に示すように、ブロー成形のパリソン50が硬化して、チューブ取付部材20のタンク内筒部22と溶着した内筒カバー部11、タンク内筒部22に形成されたカバー先端部12、後述するフランジ部23の内面を保持するフランジ取付部13と、フランジ先端部24の溶着するフランジ融着部14を有する。なお、チューブ取付部材20をタンク取付部10に取付ける方法については、後述する。
次に、図1と図8に基づき、本発明の第1の実施の形態であるチューブ取付部材20について説明する。
チューブ取付部材20は、燃料タンク1とは別に射出成形により成形される。その材料は、耐燃料油性の熱可塑性合成樹脂が使用され、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミド等の合成樹脂を使用することができるが、ブロー成形のパリソン50と溶融可能な材料が使用される。
チューブ取付部材20は、燃料タンク1とは別に射出成形により成形される。その材料は、耐燃料油性の熱可塑性合成樹脂が使用され、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミド等の合成樹脂を使用することができるが、ブロー成形のパリソン50と溶融可能な材料が使用される。
インサート部材であるチューブ取付部材20は、燃料タンク1のタンク外壁2を貫通する筒状部と、筒状部の外面に幅方向に張り出したフランジ部23を有する。筒状部は、タンク外壁2の外側に突出するタンク外筒部21と、タンク外壁2の内側に突出するタンク内筒部22から構成される。
本発明の実施の形態では、フランジ部23は、タンク外筒部21とタンク内筒部22との境界部分の外周に円盤状に張り出して形成されている。
フランジ部23の先端のタンク内筒部22側に張り出した部分には、フランジ先端部24が形成されている。フランジ先端部24の先端面は、平面状に形成されるか、又は、輪状の突条を形成して、後述する熱板34により溶融しやすくすることもできる。本実施の形態では、フランジ先端部24を溶融してパリソン50に溶着しているものを例にとり説明するが、フランジ先端部24以外のフランジ部23を溶融してパリソン50に溶着させることができる。
フランジ部23の先端のタンク内筒部22側に張り出した部分には、フランジ先端部24が形成されている。フランジ先端部24の先端面は、平面状に形成されるか、又は、輪状の突条を形成して、後述する熱板34により溶融しやすくすることもできる。本実施の形態では、フランジ先端部24を溶融してパリソン50に溶着しているものを例にとり説明するが、フランジ先端部24以外のフランジ部23を溶融してパリソン50に溶着させることができる。
次に、本発明の実施に使用するブロー成形金型30について、図1〜図7に基づき説明する。ブロー成形金型30には、チューブ取付部材20のタンク外筒部21を嵌め込む外筒保持部31が形成され、外筒保持部31は、チューブ取付部材20のタンク外筒部21を保持する外筒クランプ32が設けられている。
外筒クランプ32は、タンク外筒部21を挟持することができるように、外筒保持部31内を半径方向にスライドすることができる。
外筒クランプ32は、タンク外筒部21を挟持することができるように、外筒保持部31内を半径方向にスライドすることができる。
外筒クランプ32は、タンク外筒部21の外面を挟持するときにタンク外筒部21の外面に当接する外筒クランプ挟持部32aが設けられている。
外筒クランプ32内部を通り、チューブ取付部材20のタンク外筒部21とタンク内筒部22を通り、後述するブローピン40が進退自在で摺動可能に取付けられている。
外筒クランプ32内部を通り、チューブ取付部材20のタンク外筒部21とタンク内筒部22を通り、後述するブローピン40が進退自在で摺動可能に取付けられている。
ブロー成形金型30の外筒保持部31において、キャビティー面33に近接する部分に熱板34が設けられている。ブロー成形金型30の外筒保持部31のキャビティー面33に近接する部分に、熱板34を保持する熱板保持部35と、熱板34をスライド可能に収納する熱板収納部36が設けられている。
熱板34は、図9に示すように、円盤状を2分割された円弧状に形成され、円盤の中心部はチューブ取付部材20のタンク内筒部22の外径に合わせて、外径よりも大きな孔が形成されている。このため、熱板34はフランジ部23に先端に形成されたフランジ先端部24の全面に亘り当接するように形成されることができる。熱板34は、3分割以上に分割されてもよい。
熱板34は、外筒保持部31の方向に前進して、チューブ取付部材20のフランジ先端部24に当接することができるとともに、後退して、熱板保持部35の上面をエアシリンダ等により移動して、熱板収納部36の内部に収納されることができる。
熱板34は、外筒保持部31の方向に前進して、チューブ取付部材20のフランジ先端部24に当接することができるとともに、後退して、熱板保持部35の上面をエアシリンダ等により移動して、熱板収納部36の内部に収納されることができる。
次に、図1〜図8に基づき、インサート部材であるチューブ取付部材20をブロー成形品である燃料タンク1のタンク外壁2に取付ける方法について説明する。
タンク外壁2にチューブ取付部材20を取付けるには、燃料タンク1を成形するブロー成形金型30を使用して、燃料タンク1のブロー成形と同時にタンク外壁2を形成するパリソン50に取付ける。
タンク外壁2にチューブ取付部材20を取付けるには、燃料タンク1を成形するブロー成形金型30を使用して、燃料タンク1のブロー成形と同時にタンク外壁2を形成するパリソン50に取付ける。
図1に示すように、ブロー成形金型30には、上述のとおり、チューブ取付部材20のタンク外筒部21を嵌め込む外筒保持部31が形成され、外筒保持部31の奥には、後述するブローピン40が進退自在に摺動可能なように、ブローピン40を摺動させるエアシリンダ(図示せず)が取付けられ、ブローピン40が摺動するブローピン孔(図示せず)が形成されている。
外筒保持部31の内部にインサート部材であるチューブ取付部材20のタンク外筒部21を保持する外筒クランプ32が設けられている。外筒クランプ32は、外筒保持部31の内部を外筒保持部31の中心方向にスライド可能に設けられている。外筒クランプ32は、円筒形に形成されるとともに、複数個に長手方向に分割されて、スライドするとタンク外筒部21を保持することができる。
外筒クランプ32がスライドして、タンク外筒部21の外面を挟持すると、外筒クランプ32の下端に設けられた外筒クランプ挟持部32aがタンク外筒部21に当接して、挟持する。外筒クランプ挟持部32aは、柔軟性と耐熱性を有する材料で形成されているため、外筒クランプ挟持部32aがタンク外筒部21の外面を傷つけることが無く、ブロー成形中も安定して挟持する。
また、外筒クランプ挟持部32aの先端はチューブ取付部材20のフランジ部23の上面に当接して、ブロー成形中の空気圧力によるチューブ取付部材20が外筒保持部31のキャビティー面33と反対方向に移動することを防止している。チューブ取付部材20のタンク内筒部22は、ブロー成形金型30のキャビティー面33よりもキャビティーの内側に突出するように取付けられる。
次に、図2に示すように、熱板34が熱板収納部36の内部から熱板保持部35の上面を移動して、チューブ取付部材20のフランジ部23の先端であるフランジ先端部24に当接する。熱板34の移動は、エアシリンダ(図示せず)等で行うことができる。熱板34により、フランジ先端部24を溶融することができる。
次に、図3に示すように、ブロー成形金型30内に燃料タンク1のタンク外壁2を形成するパリソン50が導入される。このとき、チューブ取付部材20のタンク内筒部22は、キャビティーの内側に突出しているため、パリソン50は、タンク内筒部22と当接するが、ブロー成形金型30のキャビティー面33には当接せずに、近接する。但し、パリソン50がタンク内筒部22の先端と当接せずに、近接してもよい。
その後、図4に示すように、ブローピン40がブロー成形金型30の外筒保持部31とタンク内筒部22の内部を摺動して、ブローピン先端部41がパリソン50を突き破る。そうすると、パリソン50には、タンク内筒部22の内径と同じ大きさの孔が開けられるとともに、パリソン50内部に空気を吹き込むことができる。
次に、図5に示すように、ブローピン40のブローピン先端部41から空気を吹き込み、ブローアップ又はブロー成形を行う。ブローアップ又はブロー成形により、パリソン50をチューブ取付部材20のタンク内筒部22の外面とフランジ部23の下面に当接させて、溶着させることができる。この時、パリソン50は、タンク内筒部22の外面に溶着する内筒カバー部11と、タンク内筒部22の先端に溶着するカバー先端部12を形成することができる。また、パリソン50は、ブロー成形金型30のキャビティー面33に当接して、タンク外壁2を形成する。
この時、ブロー成形金型30の熱板34は、チューブ取付部材20のフランジ先端部24を溶融するとともに、チューブ取付部材20のフランジ先端部24が当接する部分であるパリソン50のフランジ融着部14に当接して溶融させることができる。この場合には、フランジ先端部24と、フランジ先端部24に当接する部分のパリソン50を両方とも確実に溶融することができ、フランジ先端部24とパリソン50の溶融を確実にすることができる。
次に、図6に示すように、熱板34をエアシリンダにより、熱板保持部35の上面を熱板収納部36の内部方向(ブローピン40から離れる方向)に移動させて、フランジ先端部24とフランジ融着部14から離す。この時、フランジ先端部24とフランジ融着部14は、溶融したままである。
次に、図7に示すように、ブローピン40はそのままで、ブローピン先端部41から空気を吹き込んで、ブロー成形を行う。パリソン50の内部に空気が吹き込まれると、パリソン50は、ブロー成形金型30のキャビティー面33に押圧されて、燃料タンク1のタンク外壁2をキャビティー面33に合わせて、完全に形成するとともに、タンク取付部10を形成する。
このとき、パリソン50は、溶融状態にあるため、空気により押圧されて、タンク内筒部22と溶着して、パリソン50とタンク内筒部22を融着するとともに、フランジ部23の下面にも融着する。フランジ部23の下面に融着したパリソン50は、ブロー成形後は、フランジ取付部13を形成する。
さらに、フランジ先端部24とフランジ融着部14は押圧されて、強固に溶着する。またこの時、外筒クランプ32をパリソン50の方向に移動させて、フランジ先端部24を強くパリソン50に押圧することもできる。
さらに、フランジ先端部24とフランジ融着部14は押圧されて、強固に溶着する。またこの時、外筒クランプ32をパリソン50の方向に移動させて、フランジ先端部24を強くパリソン50に押圧することもできる。
ブロー成形後は、ブローピン40はタンク内筒部22とタンク外筒部21の内部を摺動して、ブロー成形金型30の外筒保持部31の奥まで後退する。
そうすると、図8に示すように、パリソン50は冷却されるとともに、パリソン50が硬化して、燃料タンク1のタンク外壁2を最終的に形成することができる。そして、フランジ先端部24がタンク外壁2と強固に溶着するとともに、フランジ部23の下面とタンク内筒部22の外面にも強固に溶着して、強固にチューブ取付部材20を保持することができる。
その後、ブロー成形金型30から燃料タンク1を取出して、ブロー成形が終了する。
そうすると、図8に示すように、パリソン50は冷却されるとともに、パリソン50が硬化して、燃料タンク1のタンク外壁2を最終的に形成することができる。そして、フランジ先端部24がタンク外壁2と強固に溶着するとともに、フランジ部23の下面とタンク内筒部22の外面にも強固に溶着して、強固にチューブ取付部材20を保持することができる。
その後、ブロー成形金型30から燃料タンク1を取出して、ブロー成形が終了する。
この様にして、燃料タンク1のブロー成形と同時に、チューブ取付部材20をタンク外壁2に取付けることができる。そうすると、図8に示すように、チューブ取付部材20のタンク内筒部22は、燃料タンク1に内部に突出して取付けられて、タンク外筒部21は燃料タンク1の外部に突出して取付けられる。
チューブ取付部材20をタンク外壁2に取付けた後に、チューブ取付部材20のフランジ先端部24とタンク外壁2のフランジ融着部14との融着部分は、融着時に押圧されているため、フランジ融着部14とパリソン50を形成する合成樹脂のはみ出し部分が発生している。はみ出し部分はブロー成形品である燃料タンク1の外面から容易に視認可能である。
このため、フランジ先端部24とフランジ融着部14との融着部分に、合成樹脂のはみ出し部分が発生していれば、溶着部分は確実に溶着していることが確認できて、チューブ取付部材20のフランジ先端部24とタンク外壁2との融着状態を確認することができる。
フランジ先端部24とタンク外壁2と強固に溶着しているため、タンク外壁2とチューブ取付部材20との間のシール性が向上するため、チューブ取付部材20とタンク外壁2との間から燃料蒸気等が漏れることがない。
フランジ先端部24とタンク外壁2と強固に溶着しているため、タンク外壁2とチューブ取付部材20との間のシール性が向上するため、チューブ取付部材20とタンク外壁2との間から燃料蒸気等が漏れることがない。
タンク内筒部22の外面には、ブロー成形時に、タンク外壁2を形成するパリソン50が融着し、硬化後は、内筒カバー部11を構成する。このため、チューブ取付部材20は、フランジ部23のみならず、タンク内筒部22もパリソン50が融着しているため、チューブ取付部材20の保持強度が大きくなり、タンク外筒部21に、抜き荷重や外部から曲げ及び回転方向等の荷重が加わっても、チューブ取付部材20を確実に保持することができる。
1 燃料タンク
2 タンク外壁
10 タンク取付部
14 フランジ融着部
20 チューブ取付部材
21 タンク外筒部
22 タンク内筒部
23 フランジ部
24 フランジ先端部
30 ブロー成形金型
31 外筒保持部
32 外筒クランプ
34 熱板
2 タンク外壁
10 タンク取付部
14 フランジ融着部
20 チューブ取付部材
21 タンク外筒部
22 タンク内筒部
23 フランジ部
24 フランジ先端部
30 ブロー成形金型
31 外筒保持部
32 外筒クランプ
34 熱板
Claims (7)
- ブロー成形品の外壁にブロー成形金型を使用して合成樹脂製のインサート部材を取付けるブロー成形品のインサート部材の取付方法において、
上記インサート部材は、上記ブロー成形品の外壁を貫通する筒状部と、該筒状部の外面に幅方向に張り出したフランジ部を有し、該フランジ部は、上記ブロー成形品の外壁に取付けられ、上記筒状部は、上記ブロー成形品の外側に張り出す外筒部と、上記ブロー成形品の内側に張り出す内筒部とを有し、
上記ブロー成形金型は、上記インサート部材を保持する外筒保持部と、スライド可能な熱板を有し、
上記ブロー成形金型の上記外筒保持部で上記インサート部材の上記外筒部を保持し、上記熱板を上記ブロー成形金型内で移動させて、上記インサート部材の上記フランジ部に当接させるとともに溶融し、
パリソンを上記ブロー成形金型内に導入し、上記ブロー成形金型の上記熱板を上記インサート部材の上記フランジ部から外れるように移動させるとともに、上記パリソンの一部を上記インサート部材の上記内筒部と上記フランジ部に当接させ、
上記インサート部材のフランジ部に上記パリソンを押圧して融着させ、上記インサート部材を上記パリソンにより形成された上記ブロー成形品の外壁に取付けてブロー成形することを特徴とするブロー成形品のインサート部材の取付方法。 - 上記インサート部材の上記フランジ部と上記ブロー成形品の外壁との融着部分は、溶融した合成樹脂のはみ出し部分が発生して、該はみ出し部分は上記ブロー成形品の外面から視認可能な請求項1又は請求項2に記載のブロー成形品のインサート部材の取付方法。
- 上記ブロー成形金型の上記熱板により、上記インサート部材の上記フランジ部を溶融させるとともに、上記インサート部材の上記筒状部を通り上記パリソン内にブローピンを貫通させて、ブローアップ又はブロー成形を行い、上記パリソンを上記インサート部材の上記内筒部と上記フランジ部に当接させた請求項1又は請求項2に記載のブロー成形品のインサート部材の取付方法。
- 上記ブロー成形金型の上記熱板は、上記インサート部材の上記フランジ部を溶融するとともに、上記インサート部材のフランジ部に当接する部分の上記パリソンを溶融させて、上記フランジ部と上記パリソンを融着させる請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブロー成形品のインサート部材の取付方法。
- 上記ブロー成形金型の上記熱板は、上記フランジ部の形状に合わせて、複数個に分割された形成された請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のブロー成形品のインサート部材の取付方法。
- 上記外筒保持部は、内部に上記インサート部材の上記外筒部をスライドして保持する外筒クランプが設けられた請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のブロー成形品のインサート部材の取付方法。
- 上記インサート部材の上記フランジ部と上記パリソンを融着させるとともに、上記ブローピンから空気を注入して、上記パリソンを上記ブロー成形金型に押圧してブロー成形を行う請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載のブロー成形品のインサート部材の取付方法。
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JP2015221941A JP2017087606A (ja) | 2015-11-12 | 2015-11-12 | ブロー成形品のインサート部材の取付方法 |
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JP (1) | JP2017087606A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11534954B2 (en) | 2020-01-16 | 2022-12-27 | Volkswagen Aktiengesellschaft | Method and device for blow molding a plastic tank with at least one connection element penetrating the tank wall |
-
2015
- 2015-11-12 JP JP2015221941A patent/JP2017087606A/ja active Pending
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US11534954B2 (en) | 2020-01-16 | 2022-12-27 | Volkswagen Aktiengesellschaft | Method and device for blow molding a plastic tank with at least one connection element penetrating the tank wall |
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