JP7215269B2 - 電源制御装置およびスイッチング電源 - Google Patents
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このような電源制御装置の電源には、スイッチング素子のオン/オフによって上記トランスの補助巻線に誘起された電圧が用いられる。具体的には、電源制御装置の電源には、補助巻線に誘起された電圧を整流してコンデンサーに充電させた電圧が用いられる。
ここで、なんらかの理由によって、コンデンサーの充電電圧が不足した場合には、電源制御装置の内部に設けられた起動回路をオンさせて、上記交流電源による交流電圧の全波整流電圧をコンデンサーに充電させる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
この技術では、全波整流電圧が高い状態で起動回路をオンさせると、損失が大きくなるので、全波整流電圧を入力するノードの電圧がしきい値未満であるときに起動回路をオンさせている。
トランス40は、一次巻線Pのほか、二次巻線Sおよび補助巻線Dを有し、このうち、一次巻線Pの他端は、トランジスターQ11のドレインノードに接続されている。スイッチング素子の一例であるトランジスターQ11は、例えばNチャネル型のMOSFETであり、ソースノードが抵抗素子R12の一端に接続されている。抵抗素子R12の他端は、ノードGndに接地されている。このため、ダイオードブリッジDbにおける正側端子と負側端子との間には、一次巻線PとトランジスターQ11とが直列に設けられることになる。
なお、スナバ回路Snbは、トランス40における一次巻線Pの一端および他端の間に設けられ、トランジスターQ11のオン/オフによって一次巻線Pに発生する過渡的な電圧を吸収する。
フォトカプラーにおける発光ダイオードPctのアノードは、ダイオードd14のカソードに接続され、発光ダイオードPctのカソードは、エラーアンプ50に接続されている。
エラーアンプ50は、電圧Voutと内部の基準電圧との偏差に応じた電流を発光ダイオードPctに流す。
トランス40の補助巻線Dに誘起された電圧がダイオードd13によって整流され、コンデンサーC12によって平滑化および充電されて、ノードVccに電源制御装置100の電源電圧として供給される。このため、ダイオードd13およびコンデンサーC12が、補助巻線Dに誘起された電圧を整流および平滑化する第2出力回路の一例として機能する。
なお、ノードVccは第2ノードの一例である。また、コンデンサーC12には、補助巻線Dの誘起電圧をダイオードd13によって整流された電圧が充電される場合のほかにも、後述するノードVHを介して供給される電圧が充電される場合もある。
電源制御装置100は、例えば半導体に集積化され、内部電源電圧から抵抗でプルアップされたノードFbにフォトトランジスターPcrに流れる電流による電圧が生成される。このため、ノードFbには、電圧Voutの偏差に応じた電圧が生成される。特に図示しないが、電源制御装置100は、ノードFbの電圧を検出して、当該電圧で示される偏差をゼロとなる方向にトランジスターQ11のオン/オフを制御する。具体的には、電源制御装置100は、当該偏差をゼロとなる方向にPWM信号を生成して、トランジスターQ11のゲートノードに供給する。
なお、図1では、トランジスターQ11は、電源制御装置100とは別体となっているが、電源制御装置100に集積化された構成としてもよい。
起動回路130は、例えばノードNとノードVccとの間に直列に接続された抵抗素子132とトランジスター134とを含む。トランジスター134のゲートノードには、制御回路110から出力される信号Stが供給されて、当該信号Stによって、ノードVccを介したコンデンサーC12への充電のオン/オフが制御される。起動回路130がオンすると、ノードVHに印加された電圧が、降圧回路120による降圧を経てノードVccに印加される。
放電回路140は、例えばノードNとノードGndとの間に直列に接続された抵抗素子142とトランジスター144とを含む。トランジスター144のゲートノードには、制御回路110から出力される信号Dscが供給されて、当該信号Dscによってオン/オフが制御される。トランジスター144がオンすると、ノードVHに寄生する容量に蓄積された電荷が、トランジスター122および抵抗素子142を経てノードGndに放電される。
コンパレーター102は、負入力端(-)の電圧が正入力端(+)に印加された電圧Vref1未満である場合にはHレベルの信号を、それ以外の場合にはLレベルの信号を出力する。ここで、電圧Vref1は、ノードVHの電圧がしきい値Vth_acである場合に、当該ノードVHの電圧を抵抗素子R21、R22によって分圧した電圧に相当する。このため、コンパレーター102は、ノードVHの電圧がしきい値Vth_ac未満であるか否かを検出する第1検出回路の一例となる。なお、しきい値Vth_acが第1電圧の一例である。
コンパレーター104は、ヒステリシスコンパレーターであり、負入力端(-)の電圧が低下している場合に適用されるしきい値と、上昇している場合に適用されるしきい値とが異なっている。詳細には、コンパレーター104は、負入力端(-)の電圧が低下している場合、当該負入力端(-)の電圧が正入力端(+)に印加された電圧Vref2をαだけ低位側にシフトした電圧(Vref2-α)未満になればHレベルの信号を出力する。また、コンパレーター104は、負入力端(-)の電圧が上昇している場合、当該負入力端(-)の電圧が正入力端(+)に印加された電圧Vref2をαだけ高位側にシフトした電圧(Vref2+α)以上になればLレベルの信号を出力する。
Vmin_Lmt<Vdet_L<Vdet_U
ここで、しきい値Vdet_Lが第2電圧の一例であり、しきい値Vdet_Uが第3電圧の一例であり、しきい値Vmin_Lmtは、第4電圧の一例である。
ただし、制御回路110は、ノードVccの電圧がしきい値Vdet_Lからさらに低下して、ノードVccの電圧がしきい値Vmin_Lmt未満となった場合、ノードVHの電圧にかかわらず、すなわち、コンパレーター102の検出結果にかかわらず、起動回路130をオンさせる。なお、制御回路110は、ノードVccの電圧がしきい値Vdet_Uまで上昇したときに、起動回路130をオフさせる。
制御回路110は、電源投入直後等のように、ノードVccの電圧が不十分である場合、ノードVHの電圧を用いてコンデンサーC12を充電する。詳細には、制御回路110は、ノードVccの電圧が不十分である場合、ノードVHに印加された電圧波形、詳細には、図4に示されるような全波整流された電圧波形の入力を検出すると、起動回路130をオンさせる。これにより、ノードVHに印加された電圧が降圧回路120によって降圧されて、コンデンサーC12に充電されるので、ノードVccの電圧が上昇する。制御回路110は、ノードVccの電圧が、例えばしきい値Vdet_Uに達したことを検出すると、起動回路130をオフさせるとともに、トランジスターQ11のオン/オフを開始させる。このスイッチングにより、補助巻線Dには電圧が誘起されて、当該誘起された電圧はダイオードd13によって整流されて、コンデンサーC12に充電される。
異常状態等によってトランジスターQ11のオン/オフが停止しても、ノードVccの電圧を所定の範囲、具体的にはICが制御できる電圧範囲に収まるように制御する必要がある。
比較例では、ノードVccの電圧が低下してしきい値Vdet_L未満になると、制御回路110が起動回路130をオンさせる。
なお、図5において信号Stについては、論理レベルを示しているのではなく、当該Stに基づく起動回路130のオン/オフの状態を示している。
このような起動回路130のオンによって、降圧回路120での損失が少なくなるので、低消費電力化を図ることができる、と考えられた。
容量成分のためにノードVHの追従性が悪化すると、図7に示されるように、当該ノードVHの電圧がしきい値Vth_ac未満にならない場合がある。この場合、制御回路110は、起動回路130をオンさせることができなくなるので、ノードVccの電圧が低下し続け、電源制御装置100が動作不能となって、スイッチング電源1がシステムダウンしてしまう可能性がある。
このような構成において、制御回路110は、図8に示されるように、ノードVccの電圧がしきい値Vdet_Lを下回ってからしきい値Vdet_U未満の範囲にある場合に、放電回路140をオンさせる。
なお、図8において信号Dscについては、論理レベルを示しているのではなく、当該Dscに基づく放電回路140のオン/オフの状態を示している。
詳細には、図8に示されるように、ノードVccの電圧が低下し、時刻t11にてしきい値Vdet_Lに到達して、放電回路140がオンすると、放電回路140のオンによって、ノードVHの電圧波形において全波整流立下り時の追従性が良好な状態となる。この状態でノードVHの電圧がしきい値Vth_ac未満であるときに、起動回路130がオンして、ノードVccの電圧が上昇し、時刻t12にてしきい値Vdet_Uに到達して、放電回路140がオフする。
この構成により、トランジスターQ11のオン/オフが停止していても、ノードVccの電圧を上記電圧範囲に収める制御について、低消費電力化することができる、と考えられた。
そこで、この点を改善した第2実施形態について説明する。
なお、電圧(Vref1+ΔV)は、ノードVHの電圧がしきい値Vth_acよりも電圧βだけ高位側である電圧(Vth_ac+Δβ)である場合に、当該ノードVHの電圧を抵抗素子R21、R22によって分圧した電圧に相当する。
時刻t22にてノードVccの電圧がしきい値Vmin_Lmt未満となると、切替回路152は、電圧Vref1を(Vref+ΔV)に切り替える。この切り替えにより、コンパレーター102においてノードVHの電圧を比較するための基準が、しきい値Vth_acから(Vth_ac+Δβ)に高められる。
このため、第2実施形態によれば、第1実施形態と比較して、ノードVccの電圧上昇の程度が第1実施形態と比較して劣るものの、ノードVHの電圧が高い状態での起動回路130のオンによる損失が抑えられるので、その分、低消費電力化を図ることができる。
そこで、ノードVccの負荷に対してノードVHの電圧を比較するための基準、すなわちしきい値を適応的に切り替える第3実施形態について説明する。
生成回路164は、ピーク値保持回路162によって保持されたピーク値を、例えば分圧して複数の電圧を生成する。なお、ここでいう複数の電圧とは、段階的に異なる電圧であり、例えばピーク電圧の90%、70%、50%、30%、10%に相当する電圧である。生成回路164は、分圧に限られず、オペアンプなどの係数演算によって当該複数の電圧生成する構成でもよい。
選択回路170は、生成回路164によって生成された複数の電圧のうち、いずれかの電圧を、しきい値決定回路168の指示にしたがって選択する。
制御回路110は、上記期間において、ノードVHの電圧がコンパレーター104の正入力端(+)の電圧未満であるときに起動回路130をオンさせるので、計数回路166は、ノードVccの電圧がしきい値Vdet_Lからしきい値Vdet_Uまで回復する期間において、コンデンサーC12に充電された回数を計数することになる。充電回数は、ノードVccの負荷に応じて変動するので、結局、計数回路166による計数回数は、ノードVccの負荷を示すことになる。
なお、計数回路166は、例えばノードVccの電圧が上昇してしきい値Vdet_Hに達したとコンパレーター104に検出された時点にて計数回数をリセットする。
具体的には、しきい値決定回路168は、計数回路166による計数回数がm以下であれば、現時点において選択回路170において選択している電圧よりも1段低位の電圧への切り替えを指示する。一方、しきい値決定回路168は、計数回路166による計数回数がn以上であれば、現時点において選択回路170において選択している電圧よりも1段高位の電圧への切り替えを指示する。
なお、m、nは、m<nを満たす整数である。
また、計数回路166による計数回数がmよりも大きく、かつ、nよりも小さい場合、しきい値決定回路168は、選択回路170に対して電圧の切り替えを指示しない。
また、第3実施形態によれば、交流電源10の電圧に依存することなく、起動回路130をオンさせる基準が適応的に設定されるので、国や地域などに関係なく、スイッチング電源1を使用できる、という効果もある。
そこで、この点を改善した第4実施形態について説明する。
なお、図13に示される第4実施形態では、図2に示される第1実施形態に適用した場合の構成であり、第1実施形態に対して、ピーク検出回路150が設けられるとともに、ピーク検出回路150の検出結果に基づいて放電回路140を制御する機能が制御回路110に追加されている。
制御回路110は、ノードVccの電圧がしきい値Vdet_Lを下回ってからしきい値Vdet_U未満の範囲にある場合に、ピーク検出回路150によって検出されたピークのタイミング後、放電回路140を間欠的にオンさせる。
この図に示されるように、ノードVccの電圧低下し、時刻t41にてしきい値Vdet_Lに到達したとき、放電回路140が間欠的ではなく、例外的にオンしている。放電回路140のオンによって、ノードVHの電圧波形において全波整流立下り時における追従性が良好な状態となり、この状態においてノードVHの電圧が時刻t42にてしきい値Vth_ac未満であるときに、起動回路130がオンし、放電回路140がオフしている。
また、ノードVHの電圧がしきい値Vth_ac未満となれば、毎回、起動回路130をオンさせたが、ノードVHの電圧がしきい値Vth_ac未満となる場合のうち、複数回につき1回の割合で起動回路130をオンさせる構成としてもよい。
Claims (6)
- 第1ノードに入力された全波整流電圧を第2ノードに接続されたコンデンサーに、オンによって充電させる起動回路と、
前記第1ノードの電圧が第1電圧未満であるか否かを検出する第1検出回路と、
前記第2ノードの電圧が低下して第2電圧未満となったか否か、および、前記第2ノードの電圧が上昇して前記第2電圧よりも高い第3電圧以上となったか否かを検出する第2検出回路と、
前記第2ノードの電圧が前記第2電圧よりも低い第4電圧未満となったか否かを検出する第3検出回路と、
前記第2検出回路によって前記第2ノードの電圧が低下して前記第2電圧未満となったと検出されてから前記第2ノードの電圧が上昇して前記第3電圧に達したと検出されるまでの期間のうち、前記第1検出回路によって前記第1ノードの電圧が前記第1電圧未満であると検出されたとき、前記起動回路をオンさせる制御回路と、
を含み、
前記制御回路は、
前記第3検出回路によって前記第2ノードの電圧が前記第4電圧未満となったと検出された場合、前記第1検出回路によって前記第1ノードの電圧が前記第1電圧未満であると検出されていなくても、前記起動回路をオンさせる
電源制御装置。
- 第1ノードに入力された全波整流電圧を第2ノードに接続されたコンデンサーに、オンによって充電させる起動回路と、
前記第1ノードの電圧が第1電圧未満であるか否かを検出する第1検出回路と、
前記第2ノードの電圧が低下して第2電圧未満となったか否か、および、前記第2ノードの電圧が上昇して前記第2電圧よりも高い第3電圧以上となったか否かを検出する第2検出回路と、
前記第2ノードの電圧が前記第2電圧よりも低い第4電圧未満となったか否かを検出する第3検出回路と、
前記第2検出回路によって前記第2ノードの電圧が低下して前記第2電圧未満となったと検出されてから前記第2ノードの電圧が上昇して前記第3電圧に達したと検出されるまでの期間のうち、前記第1検出回路によって前記第1ノードの電圧が前記第1電圧未満であると検出されたとき、前記起動回路をオンさせる制御回路と、
前記第3検出回路によって前記第2ノードの電圧が前記第4電圧未満となったと検出された場合、前記第1電圧を、前記第1電圧より高い電圧に切り替える切替回路と、
を含む電源制御装置。
- 前記第2ノードの電圧が前記第2電圧を下回ってから前記第3電圧に達するまでに、前記起動回路がオンした回数を計数する計数回路を備え、
前記切替回路は、
m、nをm<nを満たす整数とした場合に、
前記計数回路によって計数された回数がm以下であれば、前記第1電圧を、当該第1電圧よりも低位の電圧に切り替え、n以上であれば、前記第1電圧を、当該第1電圧よりも高位の電圧に切り替える
請求項2に記載の電源制御装置。
- 前記第1ノードに入力された全波整流電圧のピーク電圧よりも低い電圧を複数生成する生成回路と、
前記切替回路は、前記生成回路によって生成された複数の電圧のうち、いずれかを選択して、前記第1電圧から切り替える
請求項3に記載の電源制御装置。
- 前記第1ノードに蓄積された電荷をオンによって放電させる放電回路を備え、
前記制御回路は、
前記第2ノードの電圧が低下して前記第2電圧未満となってから、前記第2ノードの電圧が上昇して前記第3電圧以上となるまでの期間の一部または全部にわたって前記放電回路をオンさせる
請求項1乃至4のいずれかに記載の電源制御装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の電源制御装置と、
交流電圧を整流する第1整流回路と、
前記交流電圧を全波整流して前記全波整流電圧として前記第1ノードに供給する第2整流回路と、
一次巻線、二次巻線および補助巻線を有するトランスと、
前記第1整流回路における出力両端の間に、前記一次巻線と直列に設けられたスイッチング素子と、
前記二次巻線に誘起された電圧を整流および平滑化して出力する第1出力回路と、
前記補助巻線に誘起された電圧を整流および平滑化して前記第2ノードに出力する第2出力回路と、
を含み、
前記電源制御装置は、前記スイッチング素子のスイッチングを制御する
スイッチング電源。
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