JP7214270B2 - 眼球内部組織の状態推定装置およびその方法 - Google Patents
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Description
眼圧の上昇などの影響で、視神経乳頭付近での形状の変化を伴う進行性の視神経萎縮が起こり、その進行過程で、視神経線維が損傷を受け、視野喪失を生じる緑内障という病気がある。緑内障の進行中に、視神経線維が消失するため、多くの場合、視野喪失が発生する以前に、図2に示す、視神経が収束する視神経乳頭44の陷凹が深くなる。よって、視神経乳頭の3次元形状やその時間的変化を観察することで緑内障を発見することができる。
特に、緑内障は加齢に伴って発症しやすくなる。緑内障が発症すると、徐々に視神経が障害され視野が狭くなる。しかし、緑内障の症状は、初期段階では、患者によって自覚されにくい。このため、緑内障は、治療の開始が遅れやすい。
視神経乳頭の測定手法としては、光干渉断層計(OCT)を用いた眼底3次元画像解析が知られているが、高価で、専門病院などにしか備えられていないのが現状で、日常的に人々が検査のために用いることはできない。上記のように、緑内障は、自覚されにくいもののため、自覚症状が現れ、専門病院に来院する頃には失明など手遅れになることがあり、多くの人々が日常的に緑内障の発症を簡便に検査することができる機器の開発は重要である。
本実施形態では、緑内障の発症を早期に簡便に検査するために、眼球の内部組織、特に、対象組織の一例として、視神経乳頭の状態を精度よく推定する手法を例として説明する。
水平方向を前後方向(図中には前方を「F」で示すとともに後方を「B」で示す)および左右方向(図中には左方を「L」で示すとともに右方を「R」で示す)に細別して説明する。左右方向については、後方から前方へ向いた状態を基準に左右を定める。また、鉛直方向のうち重力の作用方向を下方(図中には「D」で示す)とし、下方の反対方向を上方(図中には「U」で示す)とする。
[1-1.眼球内部組織の状態推定装置の構成]
図1に示すように、本実施形態では、本体2と、制御装置3とを備える眼球内部組織の状態推定装置1を説明する。
ここでは、本体2および制御装置3は、無線で接続される例を示しているが、有線で接続されてもよい。
本体2は、撮像した画像を制御装置3に送信する。本例では、眼球の内部で反射された光を撮像した画像が送信される。本体2は、光照射ユニット10と、撮像ユニット20とを備える。光照射ユニット10と、撮像ユニット20とは一体の構造になっている。
本体2は、被検者が手で持ち運びできる程度の大きさであり、例えば、携帯機器のカメラに取り付けることで使用することも可能である。
制御装置3は、本体2から画像を受信し、画像から眼球の内部組織の状態を推定する。
図2に示すように、光照射ユニット10は、筐体11を有する。
ここでは、筐体11には、後方の面に孔12が設けられている。眼球の測定は、左右それぞれ測定するため、ここでは、孔12は1つ設けられているが、両方の眼球の測定を同時に行いたい場合は、左右方向に並んで2つ設けるようにしてもよい。孔12は、生体の眼4の周辺をそれぞれ囲むことができる程度の大きさを有する。孔12が被検者の眼4の位置に合うように、筐体11の後面を被検者の顔面に接触させると、生体の眼4の周辺と筐体11とで閉空間が形成される。
なお、孔12と被検者の顔面に接触させる面との間には、孔12の周囲にゴムなどの可撓性の部材を設けるのが好ましい。眼4の周辺の顔面を可撓性の部材が接触することで、外部からの迷光を減らし、また、可撓性部材の変形により、撮像ユニット20の光軸を被検者の眼4に簡便に合せることができる。
ここでは、第一レンズR1および第二レンズR2は、既存の眼科用対物レンズである。第一レンズR1は、筐体11の前方の面と筒体21の後方の面とが接続する境界に設けられている。第二レンズR2は、筒体21の前後方向の中央領域に設けられている。第一レンズR1および第二レンズR2は、眼球40の内部で反射された光を集光しカメラ22へ中継するためのものである。
図2および図3を参照して、光照射ユニット10および撮像ユニット20が用いる光学系を説明する。
はじめに、図2を参照して、眼4の構造を簡単に説明する。眼球40は、複数の膜で保護されている。膜は、眼球の外側から強膜、脈絡膜、網膜41の順番に並んでいる。瞳孔42から眼球40の中に入った光は、網膜41の視細胞で感知され、網膜41に張り巡らされた視神経43を通って脳に伝達され、映像になる。網膜を覆っている視神経43は、眼球の奥の方で1本の太い束に収束する。視神経43が1本の束に収束する箇所は、視神経乳頭44という。視神経乳頭44は、陥凹していることが多い。言い換えると、視神経乳頭44の形状はクレーター状とみなすことができる。
眼底45の撮像範囲は、画角θ2と焦点距離FLによって決定される。画角θ2は、撮像範囲の広さを角度で表したものである。図2に示すように、焦点距離FLとは、ここでは、眼底45から反射した光が集まる焦点FPと第一レンズR1の中心との距離を言う。眼底45を広い範囲で撮像するためには、焦点距離FLを短く設定する必要がある。本実施形態では、画角θ2が60°になるように、焦点距離FLを定めている。
なお、第一レンズR1および第二レンズR2の光軸の中心軸は、筒体21の中心軸と合致している。
図4を参照して、制御装置3の構成を説明する。
制御装置3は、処理装置30と記憶装置34とを備える。処理装置30は、記憶装置34に記憶されたプログラムを実行することにより、後述する機能を実現する。本例では、処理装置30は、CPU(Central Processing Unit)である。なお、処理装置30は、DSP(Digital Signal Processor)、又は、プログラム可能な論理回路装置(PLD;Programmable Logic Device)により構成されていてもよい。処理装置30は処理部の一例である。
なお、制御装置3は、集積回路(例えば、LSI(Large Scale Integration)等)により実現されてよい。
図4に示すように、処理装置30の機能は、影情報取得部31と、パラメータ取得部32と、状態推定部33とを備える。
影情報取得部31は、単一照明画像ISの中で明度の低い領域を影Sとして抽出(特定、取得)する。また、同時に、視神経乳頭44の輪郭を抽出する。影情報取得部31は、所定の閾値等を用いて、影Sを抽出すると、影Sとその周辺領域とを含む範囲に印をつける。図5Aに示すように、ここでは、破点で印付けがされている。
まず、影Sの一方の弧(円周の孤の一部)が第一の円C1に内接されるように、影Sを第一の円C1で囲む。詳細には、視神経乳頭44の陥凹部の輪郭(好ましくは、内輪郭;ここで、内輪郭とは、特にクレーター状の陥凹部の内縁を言う。)に沿う形で影Sを第一の円C1で囲むことが望ましい。但し、形状が不明確な場合、視神経乳頭44の陥凹部の輪郭の一部を形成する影Sの輪郭(周縁)の一部に、第一の円C1の円弧の一部が沿うように、第一の円C1を影S上に配置する。
そこで、本実施形態では、視神経乳頭44の陥凹部を第一の円C1を直径Dとする放物曲面、楕円、或いは、球面とし、影が形成する形状を第二の円C2として、それぞれを方程式として表した計算から導かれた結果を用いる。
図4に示すように、記憶装置34の機能は、記憶部35を備える。
記憶部35は、視神経乳頭44の状態推定のため用いられる種々の情報を記憶する。記憶部35は、たとえば、撮像ユニット20で撮像された単一照明画像IS、影情報取得部31が印付けした単一照明画像IS、パラメータ取得部32で用いるおよび取得されたパラメータD、d、L、状態推定部33における推定結果などを含む情報を記憶する。更に、後述する照射調整部37において検出した結果などの情報を記憶する。
眼球内部組織の状態推定方法について説明する。
まず、本体2の孔12を眼球40の位置に合わせ、本体2の筐体11の後方の面を被検者の顔面に接触させる。
次に、筐体11内部の上方照明LUから眼球40内部の視神経乳頭44に向かって光を照射する。上方照明LUの照明の光軸OLは、眼球40の光軸OEに対して上方に45°傾斜している。
上方照明LUから照射された光は、眼球40の眼底45で反射され、眼球40の瞳孔42から出射される。出射された光は、撮像ユニット20の第一レンズR1および第二レンズR2で集光され、カメラ22で撮像される。
カメラ22で撮像された単一照明画像ISは、撮像ユニット20の撮像素子23で電気信号に変換され、処理装置30に送信される。
なお、撮像された眼底画像が所期の位置より大きくずれている場合は、被検者が本体2の方向をずらすことで、所期の位置に簡便に調整できる。
処理部30のパラメータ取得部32は、影情報取得部31が取得した視神経乳頭44の陥凹に形成される影Sの長さLを取得する。影Sの長さLは、二つの円C1,C2を用いて取得される。
パラメータ取得部32は、影の長さLと、視神経乳頭44の直径Dと、上方照明LUの傾斜角度θ1とに基づいて、視神経乳頭44の陥凹の深さdを取得する。
処理部30の状態推定部33は、深さdに基づいて視神経乳頭44の状態を推定する。
本実施形態の眼球内部組織の状態推定装置は、上述のような構成を備えるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
(1)これによれば、被検者が正視している間に、照射された光によって視神経乳頭44の陥凹に形成された影Sが含まれた単一照明画像ISを取得できる。この結果、視神経乳頭44の状態を簡便に、かつ、高い精度で推定できる。
(2)更に、影Sの長さLと、視神経乳頭44の直径Dとから、視神経乳頭44の陥凹の深さdを取得できる。特に、本実施形態では視神経乳頭44の直径Dは文献値を採用したため、影の長さLを取得するだけでよい。よって、視神経乳頭44の状態を推定するために必要なパラメータは少なくて済む。
(3)影Sの長さLは、2つの円を用いて抽出することができ、専門的な知識(特に数学の知識)を必要としない。よって、視神経乳頭44の状態を推定するために必要なパラメータをシンプルな手法で取得できる。
(4)上方照明LUから眼球40に対して斜めに光を照射することで、強制的に瞳孔42を大きく広げることなく、眼球40の眼底45を撮像できる。よって、被検者への負担が少ない。
第二実施形態に係る眼球内部組織の状態推定装置およびその方法について、図4、図6および図7を参照して説明する。本実施形態に係る状態推定装置は、第一実施形態に係る状態推定装置に対して、照明を複数備える点で相違する。以下、第一実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、筐体11は、その内部に、上方照明LUに加え、下方の位置に設置された下方照明LD(第二光照射部)を備える。照明LU,LDはいずれも赤外線LEDである。
下方照明LDは、上方照明LUと同様に、照明の光軸OLが、眼球40の瞳孔42を水平に通過する光軸(眼球の光軸)OEに対して、下方向に所定の傾斜角度θ1で傾斜するように設置されている。その所定の傾斜角度θ1は、上方照明LUと同様に、例えば45°に設定されている。
図7を参照して、光照射ユニット10および撮像ユニット20が用いる光学系を説明する。
上方照明LUは、上方位置P1から光を照射し、同時に、下方照明LDは、下方位置P2(第二の位置)から光を照射する。上方照明LUおよび下方照明LDから眼球40内部の視神経乳頭44に向かって照射された光は、直接、眼球40の強膜、および/又は、眼球40周辺の皮膚を通過して、網膜41に達し、眼底45で反射され、瞳孔42から眼球40の外部に出射される。出射された光は撮像ユニット20で集光され、撮像される。撮像ユニット20で撮像された画像は、2つの光を撮像したものであるため、「複数照明画像IP」(第二撮像情報)と称する。複数照明画像IPは、撮像ユニット20から処理装置30に送信される。
図4に示すように、制御装置3は、更に、照明制御装置36(調整部)を備える。照明制御装置36の機能は、照射調整部37を備える。照射調整部37は、撮像ユニット20から複数照明画像IPを取得し、この複数照明画像IPに基づいて、照明LU,LDを調整する。
照射調整部37は、この複数照明画像IP中の明度から照明LU,LDの照射状態を検出する。ここでは、複数照明画像IPは、画像内の左側に光が強く当たっていることが分かる。また、視神経乳頭44が撮像されているが(破線で囲んだ領域)、複数照明画像IP内には明度が低い箇所が複数存在する。
さらに、照射調整部37は、上方照明LUおよび下方照明LDのいずれを用いて単一照明画像ISを取得するかを決定してもよい。
(5)上方照明LUおよび下方照明LDを同時に照射することで、眼底45について広角の複数照明画像IPを取得することができる。よって、撮像したい視神経乳頭44の位置や角度等を精度よく把握できる。
(6)複数照明画像IPに基づいて、上方照明LUおよび下方照明LDを調整するため、より明確な影Sが含まれる単一照明画像ISを得ることができる。よって、眼球40内部の視神経乳頭44の状態をより一層高い精度で推定できる。
[3-1.変形例1]
上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
ここで、図5A,図5Bおよび図8に示されるようなモノクロ画像から、画像の影を正確に認定するのが困難な場合がある。その原因としては、例えば、陥凹部の位置や陥凹部の形状が考えられる。陥凹部の位置が原因となる例は、視神経乳頭の中心付近にはほとんど陥凹部が存在せず、視神経乳頭の中心以外の部分に陥凹部が存在する場合である。この場合には、視神経乳頭の内縁の影の濃淡だけでは、正確に陥凹部の位置(輪郭)を認定するのが難しい。また、陥凹部の形状が原因となる例は、陥凹内に形成される影領域が明瞭でない場合である。光源から光線が照射された物体が形成する影は、主に、物体が完全に光線を遮る場合にできる影(本影)と、物体が部分的に光線を遮る場合にできる影(半影)とに分けられ、半影は本影に比べて明瞭でない。視神経乳頭44の陥凹部の表面は平坦でないため、陥凹内には陥凹部の表面形状に応じて半影が生じる場合が多い。このため、半影が生じている画像から正確に影を検出するには、画像のピクセルを特定の数の類似または非類似のグループに分割するクラスタリングベースのアルゴリズムを用いた手法を適用するのが好ましい。例えば、最も一般的なクラスタリングのアルゴリズムである、K-平均法(K-means clustering)等を用いるのが好ましい。また、K-平均法等の処理を行った画像を、更に、微分処理してもよい。このように画像を処理することで、より、影領域を明確に特定することができる。
[4-1.検証1]
視神経乳頭の陥凹部の影の長さから深さが正確に算出されるかを検証した。図9A,図9Bを参照し、解析結果を評価する。
[眼球内部組織の状態推定装置の光学設計]
本実証における状態推定装置1は、図6および図7に示した構造と同一である。詳細には、2つのIR-LED(波長850nm)を光源とし、それぞれ光軸に対し45°の角度位置になるように配置した。LEDからの照明光は、熱障害の懸念がない強度であり、強膜を通過すると拡散し、眼球40の内部領域を均一に照らすことができる。第一レンズR1(対物レンズ)として、78D ophthalmic lens(外角視野60°、焦点距離8mm)(Righton、日本)を使用した。また、第二レンズR2として収差補正レンズ用いた。カメラ22として、Webカメラ(Logitech HD ProウェブカメラC920)のカメラセンサのカラーフィルタをIRフィルタに置き換えることにより、IRイメージング用に変更した。設計した状態推定装置は手のひらサイズの携帯可能な軽量の大きさであり、図9A,図9Bに示すような、優れた眼底画像の撮像能力を有していた。
検証では、3Dプリンタを使用してモデルアイを作成した。モデルアイの視神経乳頭の寸法は、直径3mm、深さ1.5mmとした。目の瞳孔として機能する目のレンズとして、焦点距離24mmの収差補正レンズを使用した。モデルアイの目は水で満たされている。状態推定装置1を用いてモデルアイの測定を行った。
図9Aおよび図9Bに示すように、モデルアイの画像では、眼底画像同様、光の影を撮像することができた。得られた影の画像を、本実施形態に記載の手法を用いて解析した。モデルアイは球面状であるので、数式2を用いた。解析により算出された深さは、設計された深さと一致する1.50mmであった。
したがって、本実施形態に記載の手法を用いて実際の視神経乳頭の深さを影の長さから求めることができ、この深さから視神経乳頭の状態を推定できることが確認できた。
[視神経乳頭の深さの測定結果の比較]
視神経乳頭の深さについて、本実施形態の状態推定装置1を用いた測定結果と、既存のOCTを用いた測定結果とを比較した。
サンプルとして、摘出された3つのブタの眼球を用意した。
OCT画像で測定された視神経乳頭の断面画像を解析したところ、これらサンプルの測定された断面点での深さは183μm~490μmの範囲で変化していた。
次に、ブタの眼球を本実施形態の状態推定装置1を用いて測定を行った。図10Aは、本実施形態の状態推定装置1を用いて得られたブタの眼球のモノクロ画像である。傾斜光照明により視神経乳頭の影が得られた。ブタの眼球の視神経乳頭の形状は、楕円形であることが知られている。そのため、数式3を用いて視神経乳頭の深さを求めた。
さらに、正確な影を求めるにあたり、画像処理を行った。図10Bは、1画素を8bit(256レベル)の強度で正規化された強度画像である。図10Cは、K-平均法を1000回繰り返して得られた画像である。K-平均法により、影の部分とそうでない部分とを明確に分離することができた。
より正確に影の長さを求めるために、図10Cの画像を微分処理した。図10Dは、微分処理により得られた、微分K-平均法による画像である。微分処理により特定された影の領域は破線で囲まれた領域であった。視神経乳頭の直径は約2.1mmであった。また、この画像の斜光照明の角度は45°であった。数式3を用いて、様々な影の断面での視神経乳頭の深さを計算したところ、視神経乳頭の深さは179μm~350μmまで変化していた。この値の範囲は、OCTで求まったブタの眼球の視神経乳頭の深さの値の範囲とよく一致(重複)していた。
以上より、本実施形態の状態推定装置1を用いることで、OCTのような高価な装置を用いることなく、簡易的に、OCTと同等の視神経乳頭の深さを求めることができ、本実施形態の状態推定装置1が、簡易的な検査装置として、優れていることが実証できた。
また、本実施形態の状態推定装置1で得られた値から、視神経乳頭の容積と、面積を計算することもできる。また影から得られた形状により、視神経乳頭の形状を3D再構成することもでき、緑内障を含む様々な眼疾患の進行を日常の診断で、簡易的に検出できる可能性がある。
2 本体
3 制御装置
4 眼
10 光照射ユニット
11 筐体
12 孔
20 撮像ユニット(撮像部)
21 筒体
22 カメラ
23 撮像素子
30 処理装置(処理部)
31 影情報取得部
32 パラメータ取得部
33 状態推定部
34 記憶装置
35 記憶部
36 照明制御装置(調整部)
37 照射調整部
40 眼球
41 網膜
42 瞳孔
43 視神経
44 視神経乳頭
45 眼底
P1 上方位置(第一の位置)
P2 下方位置(第二の位置)
LU 上方照明(第一光照射部)
LD 下方照明(第二光照射部)
OL 照明の光軸
OE 眼球の光軸
FP 焦点
FL 焦点距離
θ1 傾斜角度
θ2 画角
R1 第一レンズ
R2 第二レンズ
IS 単一照明画像(第一撮像情報)
IP 複数照明画像(第二撮像情報)
C1 第一の円
C2 第二の円
S 影(影情報)
L 影の長さ(第一パラメータ)
D 視神経乳頭の直径(第二パラメータ)
d 視神経乳頭の陥凹の深さ(第三パラメータ)
Claims (9)
- 生体の眼球の外部である第一の位置に配置され、前記眼球の内部の視神経乳頭に向かって光を照射する第一光照射部と、
前記眼球の内部で反射される光を撮像する撮像部と、を備えるとともに、
前記撮像部で得られた第一撮像情報から前記視神経乳頭に関する影情報を取得し、前記影情報から影の長さを取得し、前記影の長さから前記視神経乳頭の陥凹部の深さを求め、前記求めた視神経乳頭の陥凹部の深さから前記視神経乳頭の状態を推定する処理部を備え、
前記第一の位置は、前記第一光照射部が照射する光の光軸が前記眼球の光軸に対して所定の角度で傾斜する位置である、
眼球内部組織の状態推定装置。 - 前記処理部は、
前記影の長さと、前記視神経乳頭の大きさとに基づいて、前記視神経乳頭の陥凹部の深さを取得し、
前記視神経乳頭の陥凹部の深さから前記視神経乳頭の状態を推定する、
請求項1に記載の眼球内部組織の状態推定装置。 - 前記影の長さの取得は、
二つの円を用いて前記影の大きさを取得することを含む、
請求項2に記載の眼球内部組織の状態推定装置。 - 前記所定の角度が45度である、請求項1~3のいずれか一項に記載の眼球内部組織の状態推定装置。
- 前記第一光照射部に加え、更に、
前記第一の位置とは異なる第二の位置に配置され、前記眼球の内部の前記視神経乳頭に向かって光を照射する第二光照射部を備えるとともに、
前記第一光照射部および前記第二光照射部の照射を調整する調整部を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の眼球内部組織の状態推定装置。 - 前記撮像部は、
前記第一光照射部および前記第二光照射部から前記眼球の内部の前記視神経乳頭に向かって同時に照射され、前記眼球の内部で反射される光を撮像した第二撮像情報を取得し、
前記調整部は、前記第二撮像情報に基づいて、前記第一光照射部および前記第二光照射部の照射を調整する、
請求項5に記載の眼球内部組織の状態推定装置。 - 前記第一の位置は、前記光が強膜、又は、眼球周囲の皮膚を通して入射できる位置である、請求項1~6のいずれか一項に記載の眼球内部組織の状態推定装置。
- 前記影情報は、クラスタリングのアルゴリズムを用いた画像処理手段により、影の部分と影でない部分とを分離して得られる、請求項1~7のいずれか一項に記載の眼球内部組織の状態推定装置。
- 第一光照射部と、撮像部と、処理部とを備える眼球内部組織の状態推定装置の作動方法であって、
眼球内部組織の状態推定装置が、前記第一光照射部で、生体の眼球の外部である第一の位置から前記眼球の内部の視神経乳頭に向かって光を照射するステップと、
眼球内部組織の状態推定装置が、前記撮像部で、前記眼球の内部で反射される光を撮像するステップと、
眼球内部組織の状態推定装置が、前記処理部で、前記撮像された第一撮像情報から前記視神経乳頭に関する影情報を取得し、前記影情報から影の長さを取得し、前記影の長さから前記視神経乳頭の陥凹部の深さを求め、前記求めた視神経乳頭の陥凹部の深さから前記視神経乳頭の状態を推定するステップとを含み、
前記光を照射するステップの前記第一の位置は、前記第一光照射部が照射する光の光軸が前記眼球の光軸に対して所定の角度で傾斜する位置である、
眼球内部組織の状態推定装置の作動方法。
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