JP7213976B2 - 単核細胞由来のnk細胞 - Google Patents

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Description

本開示は、特にそれが臍帯血(CB)又は全血からの末梢血(PB)NK細胞に関する際の、免疫能細胞を産生及び培養するための組成物、方法、及びデバイスに関する。
背景技術の説明は、本開示を理解するのに有用であり得る情報を含む。それは、本明細書に示される情報のいずれも、先行技術であるか若しくは本出願で権利請求される発明に関連すると認めるものではなく、又は具体的に若しくは暗示的に参照されるいずれの刊行物も、先行技術であると認めるものではない。
本明細書における全ての刊行物及び特許出願は、各個々の刊行物又は特許出願が具体的に及び個別に参照により援用されることが示されるのと同程度に参照により援用される。援用される参照文献中の用語の定義又は使用が、一貫性がないか又は本明細書に示されるその用語の定義と矛盾する場合、本明細書に示されるその用語の定義が適用され、参照文献中のその用語の定義は適用されない。
ナチュラルキラー(NK)細胞は、自然免疫細胞の一群であり、これは、グラニュライシン及びパーフォリンの標的指向性の放出によって抗体依存性細胞傷害を示す細胞傷害性リンパ球として特徴付けられることが多い。ほとんどのNK細胞は、様々な活性化及び阻害性受容体の一群に加えて、特異的な細胞表面マーカープロファイル(例えば、CD3、CD56、CD16、CD57、CD8)を有する。より最近では、NK細胞は、ある種の癌治療の重要な要素になっているが、大量のNK細胞(特に、自己NK細胞)の産生は、全血中のNK細胞の割合が比較的低いため、かなりの障害がある。
治療的に有意な量のNK及びNK様細胞を得るために、NK細胞は、様々な前駆細胞から産生され得る。例えば、様々な幹細胞因子(SCF)、FLT3リガンド、インターロイキン(IL)-2、IL-7及びIL-15が、臍帯血由来のサイトカイン誘導キラー(CIK)細胞を誘導及び増殖するための様々なインビトロ手法において報告されている(Anticancer Research 30:3493-3500(2010))。同様に、米国特許出願公開第2018/0044636号明細書に報告されるように、CD34造血細胞が、IL-12及び他の作用物質に曝露され得る。さらに他の手法において、ヒト血管芽細胞を、国際公開第2011/068896号パンフレットに記載されるように2つの異なるサイトカインカクテルに連続して曝露し、異なるサイトカインカクテルを、国際公開第2012/128622号パンフレットに教示されるように後胚造血幹細胞とともに使用した。これらの方法の少なくともいくつかが、NK細胞の有意なn倍の増殖を提供する一方、このような増殖のための方法及び試薬は、時間及び資源の両方を要する。さらに、公知の方法の多くが、支持細胞層におけるNK細胞の培養も必要とし、これは、多くの場合、技術的及び規制上の観点から問題になることに留意されたい。
より簡素化された方法において、急性骨髄性白血病(AML)細胞は、NK細胞を形成するようにAML細胞を誘導するようにTpoRアゴニストに曝露され得る。しかしながら、このような手法は、治療用細胞調製物の供給源として通用しない可能性が高い。代替的な方法はまた、国際公開第2011/103882号パンフレットに開示されるように、様々なインターロイキン、幹細胞因子、及びFLT3リガンドの存在下で末梢血細胞を培養することに依拠する。さらに別の方法において、米国特許出願公開第2013/0295671号明細書には、既に存在するNK細胞を、サイトカインとともに抗CD16及び抗CD3抗体で刺激する方法が教示されている。手順的に比較的単純であるが、このような方法は、細胞の複雑な操作をさらに必要とし、必要とされる特定の試薬により、かなりのコストを増加させる。
さらに他の公知の方法において、米国特許出願第10,125,351号明細書には、インターフェロン、インターロイキン、CD3抗体及びヒトアルブミンを含む培地でその後培養される有核細胞を単離するために密度勾配分離に供される細胞の供給源としての臍帯血又は末梢血の使用が記載されている。最も有利には、このような方法は、バイオリアクターにおけるかん流培養に適しており、したがって、操作上の問題を著しく軽減する。しかしながら、残念なことに、NK細胞の収率は比較的低い。
したがって、大量のNK細胞を産生する様々な方法が、当該技術分野において公知であるが、それらの全て又はほぼ全てに、様々な欠点がある。その結果、大量のNK細胞、特に、自己NK細胞を産生する改良されたシステム及び方法を提供することが必要とされている。さらに、改良されたシステム及び方法はまた、細胞培養の自動化を可能にし、試薬の要件をかなり低減するため、このような方法は臨床的に及び商業的に実現可能である。
本発明者らは、概念的に簡単で且つ効率的な方法でNK細胞の産生及び増殖を可能にする組成物、方法、及びデバイスを発見した。有利には、NK細胞は、好ましくは、N-803及び任意選択的に抗CD16アゴニスト抗体及び抗CD3抗体を使用する富化プロセスによって、CD34+造血幹細胞(HSC)又はNK細胞のいずれも単離せずに、及び支持細胞層を使用せずに、臍帯血又は全血から得られた血液単核細胞(MNC)から産生され得る。
本発明の主題の一態様において、本発明者らは、NK細胞を産生する方法であって、体液から、単核細胞の混合物を単離する工程と、単核細胞の混合物を、抗CD16抗体及びN-803と接触させて、NK細胞を活性化する工程と、活性化されたNK細胞に、N-803を含む培地を連続して供給する別の工程とを含む方法を想定している。
最も典型的な例において、単核細胞の混合物を単離する工程は、密度勾配遠心分離を用いて行われ、及び/又は体液は、全血又は臍帯血である。したがって、単核細胞の混合物は、一般に、T細胞、NK細胞、NKT細胞、及びダブルネガティブ(DN)T細胞を含む。全く除外されるわけではないが、単核細胞の混合物は、NK細胞を富化するためにさらに処理されないことが一般に好ましい。
想定される抗CD16抗体に関して、抗体が、ヒトCD16に対する特異性を有するモノクローナル抗体であることが一般に好ましい。最も典型的に、抗CD16抗体は、0.05~0.5mcg/mlの濃度で存在し、及び/又はN-803は、0.1~1.0nMの濃度で存在する。必要な場合、想定される方法は、単核細胞の混合物を、抗CD3抗体と(例えば、0.1~1.0ng/mlの濃度で)接触させることをさらに含む、混合物を接触させる工程も含み得る。
ある実施形態において、単核細胞の混合物は、約100~500×10個の細胞を含有し、及び/又は混合物を接触させる工程は、約100~300mlの体積で又は約1×10個の細胞/mlの細胞密度で行われる。好ましくは、必ずしもではないが、N-803を含む培地は、ヒトAB血清及び/又はNK MACS(商標)培地(Mileny Biotech(Friedrich-Ebert-Strasse 68,51429 Bergisch Gladbach,Germany)から市販されている)及びヒドロコルチゾン(0.1~5uM)を含む。さらに、連続して供給する工程が、約72時間置きに行われること、及び/又は連続して供給する工程が、約0.5~5.0×10個の細胞の総細胞数に達するまで行われると考えられる。さらに、活性化されたNK細胞に連続して供給する工程は、単一の容器中で行われてもよく、混合物を単核細胞と接触させる工程は、同じ容器中で行われてもよい。
他の実施形態において、活性化されたNK細胞に連続して供給する工程は、NK細胞が少なくとも100倍の増殖に富化されるまで、及び/又はNK細胞が、全生細胞の少なくとも約80%又は少なくとも約90%を占めるまで行われる。
したがって、異なる観点から見ると、本発明者らはまた、単核細胞の混合物からNK細胞を増殖する方法であって、5%以下のNK細胞を含有する単核細胞の混合物を提供する工程を含む方法を想定している。別の工程において、単核細胞の混合物は、次に、抗CD16抗体及びN-803と接触されて、NK細胞を活性化し、さらなる工程において、活性化されたNK細胞に、N-803を含む培地が供給される。
好ましくは、必ずしもではないが、単核細胞の混合物は、全血又は臍帯血から得られ、又は単核細胞の混合物は、NK細胞を与えられる個体に対して、MHC適合した自己起源から得られる。典型的な例において、単核細胞の混合物は、3%以下のNK細胞を含有し、及び/又はT細胞、NKT細胞、及びDN細胞をさらに含み得る。培地、抗CD16抗体、N-803、及び抗CD3抗体に関して、上述されるのと同じ考慮事項が適用される。
さらに、供給する工程が、約72時間置きの間隔で連続して供給することを含むこと、供給する工程が、約0.5~5.0×10個の細胞の総細胞数に達するまで行われること、及び/又は活性化されたNK細胞に供給する工程が、NK細胞が少なくとも100倍の増殖に富化されるまで行われると考えられる。さらなる実施形態において、活性化されたNK細胞に供給する工程が、好ましくは単一の容器中で、自動化された方法で行われると考えられる。
したがって、本発明の主題のさらに別の態様において、本発明者らはまた、自動化されたバイオリアクター中でNK細胞を増殖する方法を想定している。このような方法は、典型的に、NK細胞を活性化するのに十分な時間にわたって、N-803及び抗CD16抗体を含む活性化培地中で、単核細胞の混合物をインキュベートする工程を含み、単核細胞の混合物が、混合物をインキュベートしながら細胞培養容器に含まれる。別の工程において、細胞の増殖は、細胞が容器に入っている状態で測定され、所定のスケジュール及び/又は細胞の増殖を測定する工程からの結果に従って、細胞に、N-803を含む培地が自動的に供給される。さらに別の工程において、細胞に供給する工程は、所定のスケジュール及び/又は細胞の増殖を測定する工程からの結果に従って停止される。
例えば、好適な容器は、約200ml~約2,500mlの体積を有し、及び/又は細胞の増殖を測定する工程は、(例えば、光学的測定を用いて)容器の壁を通して行われる。最も好ましくは、活性化培地は、0.1~1.0nMの濃度のN-803及び0.05~0.5mcg/mlの濃度の抗CD16抗体を含む。他の例において、N-803を含む培地は、0.1~1.0nMの濃度のN-803を含む。最も典型的に、NK細胞を活性化するのに十分な時間は、24時間~96時間であり、細胞は、約0.5~5.0×10個の細胞の総細胞数に達するまで、及び/又はNK細胞が少なくとも100倍の増殖に富化されるまで供給される。
本発明の主題のさらに別の態様において、本発明者らはまた、異なるタイプの免疫能細胞を含む培地を含む細胞培養容器(例えば、約200ml~約2,500mlの体積を有する)を想定している。最も好ましくは、培地は、全生細胞の少なくとも80%の量のNK細胞、全生細胞の10%以下の量のNKT細胞、全生細胞の5%以下の量のT細胞、及び全生細胞の3%以下の量のDN T細胞を含む。好ましくは、容器の少なくとも1つの壁は、光学的に透明な部分を有し、及び/又はNK細胞は、全生細胞の少なくとも約90%の量で存在する。
様々な目的、特徴、態様、及び利点が、類似の符号が類似の構成要素を表す添付の図面とともに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
後にNK細胞の富化/増殖の種を構成するCBMCの単離によって臍帯血から開始するプロセスを示す例示的な概略図を示す。 自動化環境(ボックス中の「GMP」)における代表的なプロセスの例示的な詳細及び様々な成分の添加のスケジュールを示す。 数及び選択されたフローサイトメトリー特性による、NK細胞についての図2のプロセスの富化動態(kinetics)の例示的な結果を示す。 マーカー発現、特に、NK活性化受容体の大部分の有意な発現についての結果とともに、図2のプロセスの様々な細胞集団の動態についての例示的な結果を示す。
癌の治療における免疫療法の使用が連続して増加するのに伴い、十分な量のNK細胞、特に、治療エンティティとしての自己NK細胞の産生が、重要になっている。残念なことに、現行の方法の多くは、支持細胞層の使用又は単離されたCD34+造血幹細胞(HSC)の分化を必要とし、これには、時間及び資源の両方がかかる。さらに、様々な操作工程が必要とされるため、このような方法は、典型的に、人的交流を必要とし、汚染を受けやすい。
NK細胞の産生方法を改善しようとして、本発明者らは、図1に概略的に示されるように単核細胞が得られたら、さらに完全に自動化され得る簡単且つ有効な方法で、単核細胞(例えば、全血、臍帯血)を含む体液から治療的に有意な量(例えば、少なくとも0.5×10個のNK細胞)を産生するための様々なシステム、組成物、及び方法をここで発見した。好ましくは、バイオリアクターは、自己完結型のユニットであり、様々な作業(例えば、体液の移動のためのポンプ、温度及びガス調節の操作、画像処理など)のためのプログラム可能なプロトコルを実行するため、及び規制対応報告書を作成するための中央処理装置及びオンボードメモリ、並びに細胞培養をモニターするための顕微鏡(又は他の光学ユニット)を有する。
例えば、本明細書において想定される1つのプロセスにおいて、全末梢血又は臍帯血が、出発材料として使用され、それが処理されて、単核細胞が得られる。最も典型的に、処理は、(例えば、GE Lifesciencesから市販されているFicoll-Paque Plus(商標)(親水性の可溶性多糖、密度1.077g/mL)を用いた)従来の密度勾配遠心分離を用いて行われ得る。単核細胞が、遠心分離管から分離されたら、細胞は、洗浄され、活性化培地(例えば、10%のヒトAB血清が補充されたNK MACS)で再懸濁される。活性化培地は、約0.4nMの濃度のN-803、及び約1.0mcg/mlの濃度の抗CD16抗体をさらに含む。
最も典型的に、単核細胞は、約200mlの総体積中、1~2×10個の細胞/mlの密度を有し、細胞及び培地は、単一の容器中である。約3~4日後、細胞に、N-803を含む新鮮な培地が供給され、さらなる供給サイクルが、図2に例示的に示されるように、回収、急速な増殖、及び培養の最盛期を通して、約3日置きに行われる。所望の量、典型的に、約0.5~5.0×10個の総細胞に達したら、及び/又は所望の増殖(例えば少なくとも100倍の増殖)に達したら、細胞は収集される。特に、明らかな簡単さにかかわらず、このように得られた細胞培養物は、約3週間後に、約85%を超えるNK細胞を、約8%未満のNKT細胞、及び約2.5%未満のT細胞、及び約1.2%未満のダブルネガティブ(DN)T細胞とともに含有する。さらに、全培養プロセスは、自己完結型のバイオリアクター内の単一の容器中で行われ得、これにより、汚染のリスクを大幅に低下させ、培養工程中の試薬及び細胞の処理をなくすことが認識されるべきである。図3は、約480mlの総体積から収集された合計で1.17×10個の細胞で、23日間でNK細胞の約136倍の増殖をもたらしたNK産生の例示的な結果を示す。図4は、(CD16の結果;左側のパネルとともに)T細胞、NK細胞、NKT細胞、DN細胞を追跡する、細胞組成を経時的に示すさらなる実験データを示す。図2及び図3のプロセスにおいて収集された細胞についての最終的な表現型検査の結果が、図4の右側のパネルに示される。容易に分かるように、検出されたマーカーは、NK細胞を示していた。
好適な体液に関して、体液は、本明細書に示される方法において単離されたNK細胞を与えられる予定の個体に対して自己であり得ると一般に考えられる。したがって、特に好ましい体液としては、新鮮な全血、(凍結された若しくは新鮮な)臍帯血、及び白血球除去輸血手順で分離された細胞が挙げられる。しかしながら、体液はまた、(典型的に、他の細胞型の中でも特に)NK細胞を含む任意の体液であり得ることが理解されるべきである。例えば、好適な別の体液としては、同種異系ドナー由来の全血が挙げられ、これは、適合MHC型に対して一致していても又は一致していなくてもよい。したがって、NK細胞レシピエント以外の個体による提供されたばかりの全血又は貯蔵された臍帯血だけでなく、使用期限が近い血液バンク中のサンプルが、使用するのに好適であると考えられる。
同様に、単核細胞を単離又は富化する方法は、かなり変化し得ることが留意されるべきであり、当業者は、単離及び富化の最も好適な方法を容易に認識するであろう。例えば、体液が、全血又は臍帯血である場合、体液が、任意の好適な培地(例えば、Ficoll-Hypaque)を用いて密度勾配遠心分離によって処理されることが好ましい。或いは、単核細胞は、白血球除去輸血によって患者から直接得られ、又は体液は、抗体を用いた赤血球の除去に供され得る。さらに他の方法において、単核細胞は、電磁ビーズ分離を用いて単離されてもよく、ここで、ビーズは、コーティングされ、或いは単核細胞に結合する抗体に結合される。
同様に、活性化及び供給のための培地の特定の性質は、NK MACS培地に限定される必要はなく、NK細胞の増殖を補助することが知られているあらゆる培地が、本明細書において使用するのに好適であると考えられることが認識されるべきである。しかしながら、最も好ましくは、規定される培地が、使用され、ヒトAB血清を補充され得る。
単核細胞の混合物中のNK細胞の活性化は、好ましくは、抗CD16抗体及びN-803、及び任意選択的に抗CD3抗体と組み合わせて行われる。当該技術分野において公知の/市販されている、抗CD16抗体のための様々な供給源があり、特に好ましい抗CD16抗体は、アゴニスト(活性化)活性を有し、ヒトCD16に対して特異的である。しかしながら、抗CD16抗体以外の活性化因子も、本明細書において使用するのに好適であると考えられ、これには、抗CD16抗体断片及び抗CD16抗体断片との融合タンパク質が含まれる。それに加えて、又はその代わりに、考えられる活性化因子としては、CD314又はNKG2D、天然細胞毒性受容体CD335(NKp46)、CD336(NKp44)及びCD337(NKp30)、CD226(DNAM-1)、CD244(2B4)、CD158又は短い細胞質尾部を有するキラー免疫グロブリン様受容体(KIR)ファミリーのメンバー(KIR2DS及びKIR3DS)及びCD94/NKG2Cも挙げられる。
抗CD16抗体の濃度は、典型的に、NK細胞の活性化について当該技術分野において既知のものに従う。したがって、抗CD16抗体の好適な濃度は、約0.01~5.0mcg/ml、より典型的に、約0.01~0.3mcg/ml、又は約0.05~0.5mcg/ml、又は約0.1~1.0mcg/ml、又は約1.0~5.0mcg/mlであろう。抗CD16抗体への曝露の持続時間に関して、最も典型的に、単核細胞が単離され、1回目(及び/2回目、及び/又は3回目)に活性化培地と接触される場合、単核細胞の混合物が、単回のみ、2回、又は3回用量の抗CD16抗体に曝露されると一般に考えられる。当業者は、NK細胞活性化を達成するための適切なスケジュール及び投与量を容易に認識することができるであろう。最も典型的に、抗CD16抗体への単核細胞の曝露は、N-803を用いた単核細胞の曝露と同時である。しかしながら、あまり好ましくない実施形態において、抗CD16抗体への単核細胞の曝露は、N-803を用いた単核細胞の曝露と連続的である(抗CD16抗体への単核細胞の曝露が先であるのが、好ましい順序である)。
必要な場合、活性化は、典型的に、細胞を抗CD16抗体と接触させるのと同時に、細胞を抗CD3抗体と接触させることも含み得る。上述されるように、抗CD3抗体の濃度は、典型的に、NK細胞の活性化について当該技術分野において既知のものに従う。したがって、抗CD3抗体の好適な濃度は、約0.01~10.0ng/ml、より典型的に、約0.01~0.1ng/ml、又は約0.1~0.5ng/ml、又は約0.3~1.0ng/ml、又は約1.0~5.0ng/mlであろう。同様に、抗CD3抗体への曝露の持続時間に関して、最も典型的に、単核細胞が、単離され、1回目(及び/2回目、及び/又は3回目)に活性化培地と接触される場合、単核細胞の混合物が、単回のみ、2回、又は3回用量の抗CD3抗体に曝露されると一般に考えられる。当業者は、NK細胞活性化を達成するための適切なスケジュール及び投与量を容易に認識することができるであろう。
N-803に関して、N-803(ヒト配列とのIL-15N72D:IL-15RαSu/IgG1 Fc複合体;米国特許出願公開第2019/0023766号明細書を参照、ImmunityBioから市販されている)が、活性化及び供給培地において作用物質として好ましいと考えられる。しかしながら、IL-15活性を有する様々な別の作用物質も、本明細書において使用するのに好適であると考えられる。これに関して、何らかの理論又は仮説によって拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、N-803が、連続的なシグナル伝達により、NK細胞の成長及び増殖を可能にすることを想定している。対照的に、単離されたサイトカインとしてのIL-15は、非常に短い寿命を有し、シグナル伝達活性は、典型的に非常に短い。これは、単離されたサイトカインとしてのIL-15が増殖培地に加えられる場合、シグナル伝達が間欠的又は断続的であろう。対照的に、N-803が提供される場合、IL-15の安定性は、大幅に延長され、シグナル伝達が連続していると考えられる。さらに、N-803が、生理学的性質(physiological context)(すなわち、IL-15 R-α鎖)及びスーパーアゴニストとして作用するN72D形態も提供することが認識されるべきである。したがって、任意の安定化されたIL-15化合物も、本明細書において使用するのに好適であると明らかに考えられる。さらに他の想定される態様において、(組み換え、組み換え発現された、若しくは単離された)IL-15及び/又はN-803は、少なくとも部分的に、TxM型融合タンパク質複合体で交換又は補充され得、特に好ましい融合タンパク質複合体が、参照により本明細書に援用される国際公開第2018/165208号パンフレットに記載されている。例えば、想定されるTxM型融合タンパク質複合体は、IL-7、IL-18、及びIL-21からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるサイトカインを含むであろう。したがって、他の好適な選択肢の中でも、想定されるTxM融合複合体は、IL-18/IL-7 TxM及び/又はIL-18/IL-21 TxMを含む。
例えば、IL-15シグナル伝達をもたらす全ての化合物及び複合体は、このような化合物及び複合体が、単独の単離された/組み換え及び精製されたIL-15より長い血中半減期を有する限り、本明細書において使用するのに好適であると考えられる。さらに、安定化されたIL-15化合物が、IL-15及び/又はIL-15 Rαに対するヒト配列の少なくとも一部を含むことが一般に好ましい。例えば、好適な化合物としては、P22339(その半減期を増加させるためにIL-15/Sushiドメイン複合体をIgG1 Fcと連結するジスルフィド結合を有する、IL-15及びIL-15Rα鎖のSushiドメインの複合体;Nature,Scientific Reports(2018)8:7675を参照)、及びIL-15/IL-15Rα-Fcヘテロ二量体であるXmAb24306(例えば、国際公開第2018/071919号パンフレットを参照)が挙げられる。
さらなる特に想定される実施形態において、単核細胞の混合物は、体液からの単離の後、抗CD16(及び任意選択的に抗CD3)抗体及びN-803を含む培地と一緒に細胞培養容器に入れられて、NK細胞を活性化する。最も好ましくは、容器は、細胞形状、染色、及び/又は増殖が、顕微鏡又は他の光学機器で観察され得るように光透過性である少なくとも1つの壁(又はその部分)を有する細胞培養フラスコである。したがって、細胞は、バイオリアクター中で連続的に又は定期的にモニターされ得、このように得られた測定値(例えば、細胞サイズ、細胞数、細胞分布など)を用いて、バイオリアクターに論理的に結合された制御ユニット中で、自動化された供給スケジュールを開始させるか又は調節することができることに留意されたい。最も典型的に、図2に示されるように、新鮮な培地に、N-803を供給することは、所定のスケジュールを用いて、典型的に、3日置きに行われ得、ここで、好ましくは、各供給は、連続的なシグナル伝達を維持するためにN-803を含む。図2に示される特定の体積が、NK細胞を、細胞増殖と整合する細胞密度まで増殖させるのに好適である一方、この体積は、特定の増殖パターンに対応するように調整されてもよいことが理解されるべきである。そのために、供給は連続的であり得ること、又は所定の体積は、容器中で観察される増殖動態に応じて変化され得ることも理解されるべきである。
ほとんどの場合、培養の最後におけるNK細胞の収率は、典型的に、全生細胞の少なくとも80%、又は少なくとも82%、又は少なくとも85%、又は少なくとも88%、又は少なくとも90%、又は少なくとも92%、又は少なくとも94%であり、残りは、NKT細胞、DN T細胞、及びT細胞である。例えば、残りのNKT細胞は、典型的に、全生細胞の10%以下、又は8%以下、又は7%以下、又は6%以下であろう一方、残りのT細胞は、典型的に、全生細胞の5%以下、又は4%以下、又は3%以下、又は2%以下であり、残りのDN T細胞は、典型的に、全生細胞の3%以下、又は2%以下、又は1.5%以下、又は1%以下であろう。
したがって、異なる観点から見ると、本明細書において想定されるシステム及び方法は、NK細胞の著しく高い増殖が可能であることが理解されるべきであり、典型的な増殖は、単核細胞の混合物中に元々存在するNK細胞の数に対して、少なくとも80倍、又は少なくとも100倍、又は少なくとも120倍、又は少なくとも130倍、又は少なくとも140倍である。このような増殖は、活性化及び培養(ワンポットプロセス)の非常に簡単な方法を考慮すると特に注目に値する。実際に、単核細胞の混合物が、細胞培養容器に入れられてから、全プロセスが、同じ容器内で継続し得、図2に概略的に示されるように、培地のみの添加によって持続されることになる。したがって、複雑な処理及び高価な試薬が、完全に回避され、汚染のリスクが、著しく低下される。
本発明の主題に限定するものではないが、したがって、NK細胞は、連続的なモニタリング、CO及びOレベルの連続的な管理、並びに細胞密度(例えば、コンフルエンス)を検出するための連続的なモニタリングを可能にする培養環境において増殖及び/又は活性化されると考えられる。このような環境についての他の選択肢の中でも、特に好ましい環境は、例えば、国際公開第2015/165700号パンフレットに記載されるような、自動化された細胞培養及び収集デバイスである。このような「ボックス中のGMB(GMB-in-a-box)」システムは、供給スケジュールの制御、ガス制御を有益に可能にし、細胞密度、増殖(動態)及び細胞の健康のリアルタイム検出を可能にし、並びに著しく軽減される処理要件のため、汚染の可能性を大幅に低下させる。
さらに他の想定される態様において、特に、NK細胞が末梢血から産生される場合、本明細書に示されるシステム及び方法はまた、CD56dim及びCD56bright NK細胞の産生を有利に可能にすることに留意されたい。さらなる培養条件に応じて、次に、CD56bright NK細胞は、CD56dim細胞へと分化し得る。次に、このような異なるNK細胞集団が、それらの異なる成熟及び細胞毒性プロフィールのため、異なる治療選択肢に関して用いられ得る。さらに、組成物、システム及び方法はまた、適切な刺激及び培養により、NKT細胞を産生するのに好適であろうことが理解されるべきである。
上記を考慮して、以下により詳細に示されるように、1つの例示的な方法は、単一のFicoll遠心分離工程によるCBMC又はPBMCの単離、それに続く、10%のヒトAB血清を含むNK MACS培地中における、約0.4nMのN-803及び約0.1mcg/mlの抗CD16抗体(例えば、クローンB73.1、BD Biosciencesから市販されている)、及び任意選択的に約0.5ng/mlの抗CD3抗体との、細胞のインキュベーションを含んでいた。典型的に、100万個の細胞/mlで150mLのCBMCを、上記の試薬とともに出発材料として使用した。培地を、0.4nMの最終濃度のためのN-803の対応する濃度を有する既存の体積と比較して、1:2及び1:10のレジメンで、週に2回のN-803による希釈に使用した。
材料:臍帯血及び末梢血からのMNC、抗CD16抗体、BD bioscience San Diego CA;NK補充物を含むNK MACS培地、表現型検査のための染色抗体(aCD3、aCD16、aCD56、aNKp30、aNKp44、aNKp46、aNKG2A、aNKG2D、aTIGIT、aCD34、aTRAIL、aCD57、aCXCR3、及びaCCR5)、Miltenyi Biotec(San Diego,CA);ヒトAB血清、Access Biologicals(San Diego CA);N-803、Boxキット中のGMP、Nantbio Inc Culver City CA。
方法:MNCを、臍帯血又は末梢血から新たに単離した。それを、完全NKMACS培地(NKMACS+補充物+10%のhu-AB-血清)で2回洗浄した。MNCを、1×10個の細胞/mLの密度で、150mLの培地中で懸濁させた。150mLの細胞懸濁液に、CD16抗体(1mcg/mL)及びN-803(0.4nM)を補充した。さらなるGMPキットを、ボックスにインストールし、プロトコルを、VivaBioウェブポータルを通してアップロードした。完全なサイトカイン及び抗体を含む細胞懸濁液を、細胞バッグに移し、150mLの細胞懸濁液を、Box-キット中の細胞注入部を介して注入した。GMP Boxが、イメージングを開始し、細胞を、図2に示されるプロトコルに書かれた工程に従って増殖させた。図2に記載されるように、ボックス中の細胞に、10×サイトカイン培地又は2×サイトカイン培地を交互に補充した。NK富化(CD3、CD56、及びCD16発現についての表現型)及び細胞の健康(細胞数、生存率、及び細胞密度)を、定期的にモニターし、図3及び図4aにあるようにグラフにプロットした。細胞を、富化後にボックスから収集し、図4にあるようなその完全な特性評価のためにNK細胞ベースの受容体の発現について測定した。
本明細書において使用される際、医薬組成物又は薬物を「投与する」という用語は、医薬組成物又は薬物の直接及び間接的な投与の両方を指し、ここで、医薬組成物又は薬物の直接投与は、典型的に、医療従事者(例えば、医師、看護師など)によって行われ、間接的な投与は、(例えば、注射、注入、経口送達、局所送達などによる)直接投与のために、医薬組成物又は薬物を医療従事者に提供するか又は利用可能にする工程を含む。最も好ましくは、細胞又はエキソソームは、皮下(subcutaneous又はsubdermal)注射によって投与される。しかしながら、他の想定される態様において、投与はまた、静脈注射であり得る。その代わりに、又はそれに加えて、抗原提示細胞は、患者の細胞から単離又は成長され、インビトロで感染され、次に、患者に輸注され得る。したがって、想定されるシステム及び方法が、高度に個人化された癌治療のための完全な創薬システム(例えば、創薬、治療プロトコル、検証など)であると考えられ得ることが理解されるべきである。
本明細書における値の範囲の記載は、その範囲内に含まれる各個別の値を個々に表す簡単な方法として用いられるものであるに過ぎない。本明細書に特に示されない限り、各個別の値は、それが本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に援用される。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に特に示されない限り又は文脈上明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で行われ得る。本明細書における特定の実施形態に関して示されるあらゆる例、又は例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、本開示の全容をより明らかにするためのものであるに過ぎず、特に権利請求されない限り本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる文言も、権利請求される発明の実施に不可欠な権利請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
既述されるものに加えて多くのさらなる変更が、本明細書に開示される概念の全容から逸脱せずに可能であることは、当業者に明らかであるはずである。したがって、開示される主題は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されるものではない。さらに、本明細書及び特許請求の範囲の両方を解釈する際、全ての用語は、文脈と一致する最も広い様式で解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」という用語は、要素、構成要素、又は工程を非限定的に指すものと解釈されるべきであり、これは、言及される要素、構成要素、又は工程が、明示的に言及されていない他の要素、構成要素、又は工程とともに、存在するか、又は用いられるか、又はそれと組み合わされてもよいことを示す。本明細書請求項が、A、B、C・・・及びNからなる群から選択される何かの少なくとも1つを指す場合、その文は、AプラスN、又はBプラスNなどではなく、群からの1つのみの要素を必要とするものと解釈されるべきである。

Claims (37)

  1. NK細胞を富化する方法であって、
    全血又は臍帯血から、単核細胞の混合物を単離する工程と、前記単核細胞の混合物を、容器中で抗CD16抗体、抗CD3抗体、及びN-803と接触させて、NK細胞を活性化する工程と;
    活性化されたNK細胞が全生細胞の少なくとも90%を占めるまで又は前記活性化されたNK細胞が、少なくとも80倍の増殖に富化されるまで、前記活性化されたNK細胞に、同一の容器中で、N-803を含む培地を連続して供給する工程と
    を含む方法。
  2. 前記単核細胞の混合物を単離する工程が、密度勾配遠心分離を用いて行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記単核細胞の混合物が、T細胞、NK細胞、NKT細胞、及びDN T細胞を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記単核細胞の混合物が、NK細胞を富化するためにさらに処理されない、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記抗CD16抗体が、ヒトCD16に対する特異性を有するモノクローナル抗体である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記単核細胞の混合物が、約100~500×10個の細胞を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記混合物を接触させる工程が、約100~300mlの体積で又は約1×10個の細胞/mlの細胞密度で行われる、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記抗CD16抗体が、0.05~0.5mcg/mlの濃度で存在する、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記N-803が、0.1~1.0nMの濃度で存在する、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記抗CD3抗体が、0.1~1.0ng/mlの濃度で存在する、請求項に記載の方法。
  11. N-803を含む前記培地が、ヒトAB血清を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. N-803を含む前記培地が、NK MACS培地を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記連続して供給する工程が、約72時間置きに行われる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記連続して供給する工程が、約0.5~5.0×10個の細胞の総細胞数に達するまで行われる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記活性化されたNK細胞に連続して供給する工程が、NK細胞が少なくとも100倍の増殖に富化されるまで行われる、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 単核細胞の混合物からNK細胞を増殖する方法であって、
    5%以下のNK細胞を含有する前記単核細胞の混合物を提供する工程と;
    容器中で、前記単核細胞の混合物を、抗CD16抗体、抗CD3抗体、及びN-803と接触させて、NK細胞を活性化する工程と;
    前記活性化されたNK細胞が全生細胞の少なくとも90%を占めるまで又は前記活性化されたNK細胞が少なくとも80倍の増殖に富化されるまで、前記活性化されたNK細胞に、当該容器中で、N-803を含む培地を供給する工程と
    を含む方法。
  17. 前記単核細胞の混合物が、前記NK細胞を与えられる個体に対して、MHC適合した同種異系起源から得られる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記単核細胞の混合物が、3%以下のNK細胞を含有する、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記単核細胞の混合物が、T細胞、NKT細胞、及びDN細胞をさらに含む、請求項1618のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記抗CD16抗体が、ヒトCD16に対する特異性を有するモノクローナル抗体である、請求項1619のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記抗CD16抗体が、0.05~0.5mcg/mlの濃度で存在する、請求項1620のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記N-803が、0.1~1.0nMの濃度で存在する、請求項1621のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記抗CD3抗体が、0.1~1.0ng/mlの濃度で存在する、請求項16~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. N-803を含む前記培地が、ヒトAB血清を含む、請求項1623のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記供給する工程が、約72時間置きの間隔で連続して供給することを含む、請求項1624のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記供給する工程が、約0.5~5.0×10個の細胞の総細胞数に達するまで行われる、請求項1625のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記活性化されたNK細胞に供給する工程が、NK細胞が少なくとも100倍の増殖に富化されるまで行われる、請求項1626のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記活性化されたNK細胞に供給する工程が、自動化された方法で行われる、請求項1627のいずれか一項に記載の方法。
  29. 自動化されたバイオリアクター中でNK細胞を増殖する方法であって、
    NK細胞を活性化するのに十分な時間にわたって、N-803及び、抗CD3抗体、抗CD16抗体を含む活性化培地中で、単核細胞の混合物をインキュベートする工程であって;
    前記単核細胞の混合物が、前記混合物をインキュベートしながら細胞培養容器に含まれる、工程と;
    前記細胞が前記容器に入っている状態で、前記細胞の増殖を測定する工程と;
    活性化されたNK細胞が全生細胞の少なくとも90%を占めるまで又は前記活性化されたNK細胞が、少なくとも80倍の増殖に富化されるまで、同一の容器中で、N-803を含む培地を用いて、前記細胞に自動的に供給する工程であって、前記供給が、所定のスケジュール及び/又は前記細胞の増殖を測定する前記工程からの結果によって制御される、工程と;
    前記細胞への供給を停止する工程であって、前記停止が、所定のスケジュール及び/又は前記細胞の増殖を測定する前記工程からの結果によって制御される、工程と
    を含む方法。
  30. 前記容器が、約200ml~約2,500mlの体積を有する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記細胞の増殖を測定する工程が、前記容器の壁を通して行われる、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 前記細胞の増殖を測定する工程が、光学的測定を使用する、請求項2931のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記活性化培地が、0.1~1.0nMの濃度のN-803及び0.05~0.5mcg/mlの濃度の前記抗CD16抗体を含む、請求項2931のいずれか一項に記載の方法。
  34. NK細胞を活性化するのに十分な前記時間が、24時間~96時間である、請求項2933のいずれか一項に記載の方法。
  35. N-803を含む前記培地が、0.1~1.0nMの濃度のN-803を含む、請求項2934のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記細胞が、約0.5~5.0×10個の細胞の総細胞数に達するまで供給される、請求項2935のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記細胞が、NK細胞が少なくとも100倍の増殖に富化されるまで供給される、請求項2936のいずれか一項に記載の方法。
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Gynecol Oncol.,2017年06月,Vol.145, No.3,pp.453-461,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5447472/のPDFファイルを参照。

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