JP7213223B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本技術は、非水電解質二次電池に関する。
特開2018-056412号公報(特許文献1)は、非対向部における負極電位が、対向部における負極電位よりも50mV以上高いことを開示している。
特開2018-056412号公報
以下、本明細書においては「非水電解質二次電池」が「電池」と略記され得る。
例えば、80%以上の充電状態(state of charge,SOC)で電池が保存されることにより、容量劣化が発生し得る。容量劣化の一因として、負極活物質層におけるリチウム(Li)イオンの拡散が考えられる。
平面視において、負極活物質層は対向領域と非対向領域とを含む。対向領域は正極活物質層と対向している。非対向領域は正極活物質層と対向していない。充電時、正極活物質層から対向領域にLiイオンが供給される。これにより対向領域の電位が低下する。この時、非対向領域の電位は実質的に変化しないと考えられる。よって、非対向領域の電位は、対向領域の電位に比して高くなると考えられる。
電池の保存中、対向領域と非対向領域との電位差を駆動力として、Liイオンが対向領域から非対向領域に移動し得る。非対向領域は正極活物質層と対向していない。そのため非対向領域に移動したLiイオンは、充放電反応に関与し難いと考えられる。すなわち容量の一部が損失することになる。
本技術の目的は、保存時の容量劣化を軽減することである。
以下、本技術の構成および作用効果が説明される。ただし本技術の作用メカニズムは、推定を含んでいる。作用メカニズムの正否は、本技術の範囲を限定しない。
〔1〕 非水電解質二次電池は正極と負極と電解質とを含む。正極は正極活物質層を含む。負極は負極活物質層を含む。
平面視において、負極活物質層は正極活物質層に比して大きい面積を有する。負極活物質層は対向領域と非対向領域とを含む。対向領域は正極活物質層と対向している。非対向領域は正極活物質層と対向していない。非対向領域は対向領域と隣接している。
負極活物質層は合金系負極活物質と黒鉛とを含む。対向領域は、非対向領域に比して高い質量分率で合金系負極活物質を含む。非対向領域は、対向領域に比して高い質量分率で黒鉛を含む。
80%以上の充電状態において、対向領域および非対向領域は、式(I):
0V<E2-E1≦0.6V (I)
の関係を満たす。
式(I)中、「E1」は対向領域の電位を示す。「E2」は非対向領域の電位を示す。
本技術の新知見によれば、非対向領域と対向領域との間の電位差が0.6V以下であることにより、保存中にLiイオンが対向領域から非対向領域に移動し難い傾向がある。
本技術においては、非対向領域と対向領域との間の組成差により、0.6V以下の電位差が実現される。すなわち対向領域は、非対向領域に比して高い質量分率で合金系負極活物質を含む。非対向領域は、対向領域に比して高い質量分率で黒鉛を含む。これにより対向領域の電位が相対的に高くなり、かつ非対向領域の電位が相対的に低くなり得る。すなわち電位差が小さくなり得る。
合金系負極活物質は、黒鉛に比して大きい比容量を有する傾向がある。充放電反応に寄与する対向領域が合金系負極活物質を相対的に高い質量分率で含むことにより、容量の増大も期待される。
〔2〕 対向領域において、合金系負極活物質は、合金系負極活物質と黒鉛との合計に対して、例えば5%から100%の質量分率を有していてもよい。
〔3〕 対向領域および非対向領域は、例えば式(II):
1.025≦(S2+S1)/S1≦1.2 (II)
の関係をさらに満たしていてもよい。
式(II)中、「S1」は対向領域の面積を示す。「S2」は非対向領域の面積を示す。
〔4〕 断面視において、負極活物質層は、例えば第1層と第2層とを含んでいてもよい。平面視において、第2層は第1層に比して大きい面積を有する。対向領域の厚さ方向において、第1層は第2層に比して正極活物質層に近接しているか、または正極活物質層から離れている。第1層は、第2層に比して高い質量分率で合金系負極活物質を含む。第2層は、第1層に比して高い質量分率で黒鉛を含む。
多層構造により、対向領域と非対向領域との組成差が形成されてもよい。第1層は、合金系負極活物質を相対的に多く含む。第2層は、黒鉛を相対的に多く含む。例えば、第1層が正極活物質層に近接することにより、例えばLi受け入れ性の改善等が期待される。例えば、第1層が正極活物質層から離れていることにより、例えばサイクル劣化の軽減等が期待される。
図1は、本実施形態における非水電解質二次電池の一例を示す概略図である。 図2は、本実施形態における電極体の一例を示す概略図である。 図3は、本実施形態における負極の一例を示す概略平面図である。 図4は、対向関係を示す概略断面図である。 図5は、多層構造の第1例を示す概略断面図である。 図6は、多層構造の第2例を示す概略断面図である。 図7は、本実施形態における正極の一例を示す概略平面図である。 図8は、スロットダイを示す概略図である。 図9は、SiOの質量分率と、保存後容量維持率との関係を示すグラフである。
以下、本技術の実施形態(以下「本実施形態」とも記される。)が説明される。ただし以下の説明は、本技術の範囲を限定しない。
本明細書において、「含む、備える(comprise,include)」、「有する(have)」およびこれらの変形〔例えば「から構成される(be composed of)」、「包含する(emcopass,involve)」、「含有する(contain)」、「担持する(carry,support)」、「保持する(hold)」等〕の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含むが、当該構成のみを含むことに限定されない。「からなる(consist of)」との記載はクローズド形式である。「実質的に・・・からなる(consist essentially of)」との記載はセミクローズド形式である。すなわち「実質的に・・・からなる」との記載は、本技術の目的を阻害しない範囲で、必須成分に加えて、追加の成分が含まれ得ることを示す。例えば、本技術の属する分野において通常想定される成分(例えば不可避不純物等)が、追加の成分として含まれていてもよい。
本明細書において、単数形(「a」、「an」および「the」)は、特に断りの無い限り、複数形も含む。例えば「粒子」は「1つの粒子」のみならず、「粒子の集合体(粉体)」も含み得る。
本明細書において、例えば「LiCoO2」等の化学量論的組成式によって化合物が表現されている場合、該化学量論的組成式は、代表例に過ぎない。組成比は非化学量論的であってもよい。例えば、コバルト酸リチウムが「LiCoO2」と表現されている時、特に断りのない限り、コバルト酸リチウムは「Li/Co/O=1/1/2」の組成比に限定されず、任意の組成比でLi、CoおよびOを含み得る。
本明細書において、例えば「5%から100%」等の数値範囲は、特に断りのない限り、上限値および下限値を含む。例えば「5%から100%」は、「5%以上100%以下」の数値範囲を示す。また、数値範囲内から任意に選択された数値が、新たな上限値および下限値とされてもよい。例えば、数値範囲内の数値と、本明細書中の別の部分に記載された数値とが任意に組み合わされることにより、新たな数値範囲が設定されてもよい。
各図中の寸法関係は、実際の寸法関係と一致しない場合がある。本技術の理解を助けるために、各図中の寸法関係(長さ、幅、厚さ等)が変更されている場合がある。さらに一部の構成が省略されている場合もある。
本明細書における幾何学的な用語(例えば「直交」等)は、厳密な意味に解されるべきではない。例えば「直交」は、厳密な意味での「直交」から多少ずれていてもよい。本明細書における幾何学的な用語は、例えば、設計上、作業上、製造上等の公差、誤差等を含み得る。
本明細書の「平面視」は、電極の厚さ方向と平行な視線で、電極を見ることを示す。本明細書の「断面視」は、電極の厚さ方向と直交する視線で、電極を見ることを示す。
<非水電解質二次電池>
図1は、本実施形態における非水電解質二次電池の一例を示す概略図である。
電池100は、任意の用途で使用され得る。電池100は、例えば電動車両において、主電源または動力アシスト用電源として使用されてもよい。複数個の電池100が連結されることにより、電池モジュールまたは組電池が形成されてもよい。
電池100は外装体90を含む。外装体90は、角形(扁平直方体状)である。ただし角形は一例である。外装体90は任意の形態を有し得る。外装体90は、例えば円筒形であってもよいし、パウチ形であってもよい。外装体90は、例えばAl(アルミニウム)合金製であってもよい。外装体90は、電極体50および電解質(不図示)を収納している。電極体50は、正極集電部材81によって正極端子91に接続されている。正極集電部材81は、例えばAl板等であってもよい。電極体50は、負極集電部材82によって負極端子92に接続されている。負極集電部材82は、例えばCu(銅)板等であってもよい。
図2は、本実施形態における電極体の一例を示す概略図である。
電極体50は巻回型である。電極体50は、正極10、セパレータ30および負極20を含む。すなわち電池100は、正極10と負極20と電解質とを含む。正極10、セパレータ30および負極20は、いずれも帯状のシートである。電極体50は複数枚のセパレータ30を含んでいてもよい。電極体50は、正極10、セパレータ30および負極20がこの順に積層され、渦巻状に巻回されることにより形成されている。正極10または負極20の一方がセパレータ30に挟まれていてもよい。正極10および負極20の両方がセパレータ30に挟まれていてもよい。電極体50は、巻回後に扁平状に成形されている。なお巻回型は一例である。電極体50は、例えば積層(スタック)型であってもよい。
《負極》
図3は、本実施形態における負極の一例を示す概略平面図である。
負極20は負極活物質層22を含む。負極20は負極基材21をさらに含んでいてもよい。負極基材21は導電性のシートである。負極基材21は例えばCu箔等であってもよい。負極基材21は、例えば5μmから30μmの厚さを有していてもよい。負極活物質層22は、例えば負極基材21の表面に配置されていてもよい。負極活物質層22は、例えば負極基材21の片面のみに配置されていてもよい。負極活物質層22は、例えば負極基材21の表裏両面に配置されていてもよい。負極基材21が露出した部分には、負極集電部材82が接合され得る。
負極活物質層22は、例えば10μmから200μmの厚さを有していてもよい。負極活物質層22は、合金系負極活物質と黒鉛とを含む。黒鉛は負極活物質である。本明細書の「合金系負極活物質」は、電気化学反応によりLiと合金化し、かつ電気化学反応によりLiと脱合金化し得る物質を示す。合金系負極活物質は、黒鉛に比して大きい比容量を有し得る。合金系負極活物質とLiとの反応電位は、黒鉛とLiとの反応電位に比して高い傾向がある。合金系負極活物質は、例えばSi(珪素)およびSn(錫)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。合金系負極活物質は、例えば、Si、SiOx(0.5≦x≦1.5)、Si基合金、Liシリケート(LiaSibc)、Sn、SnO2およびSn基合金からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。本明細書において、例えば「Si基合金」は、Siをモル分率で50%以上含む合金を示す。
負極活物質層22は、合金系負極活物質と黒鉛とを含む限り、任意の成分をさらに含んでいてもよい。例えば負極活物質層22は、合金系負極活物質および黒鉛以外の負極活物質をさらに含んでいてもよい。例えば負極活物質層22は、導電材をさらに含んでいてもよい。導電材は任意の成分を含み得る。導電材は、例えばカーボンブラック(例えばアセチレンブラック等)、カーボンナノチューブおよびグラフェンフレークからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。導電材の配合量は、100質量部の負極活物質に対して、例えば0.1質量部から10質量部であってもよい。例えば負極活物質層22は、バインダをさらに含んでいてもよい。バインダは任意の成分を含み得る。バインダは、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびポリアクリル酸(PAA)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。バインダの配合量は、100質量部の負極活物質に対して、例えば0.1質量部から10質量部であってもよい。
(対向領域、非対向領域)
図3のz軸方向から負極20を見ることは「平面視」に相当する。平面視において、負極活物質層22は正極活物質層12(図7参照)に比して大きい面積を有する。負極活物質層22の面積は、正極活物質層12の面積に比して、例えば1.01倍から1.2倍であってもよいし、1.05倍から1.1倍であってもよい。負極活物質層22は、対向領域201と非対向領域202とを含む。
図4は、対向関係を示す概略断面図である。
セパレータ30を挟んで、対向領域201は正極活物質層12と対向している。非対向領域202は、正極活物質層12と対向していない。非対向領域202は対向領域201と隣接している。x軸方向(「短手方向」、「幅方向」)において、対向領域201は、2個の非対向領域202に挟まれている。
対向領域201および非対向領域202は、例えば式(II):
1.025≦(S2+S1)/S1≦1.2 (II)
の関係を満たしていてもよい。
式(II)中、「S1」は対向領域201の面積を示す。「S2」は非対向領域202の面積を示す。「(S2+S1)/S1」は、例えば1.15以下であってもよい。「(S2+S1)/S1」は、例えば1.1以下であってもよい。「(S2+S1)/S1」は、例えば1.1以上であってもよい。
対向領域201および非対向領域202は、例えば式(III):
1.01≦(W2+W1)/W1≦1.2 (III)
の関係を満たしていてもよい。
式(III)中、「W1」は対向領域201の短手方向の寸法を示す(図3参照)。「W2」は非対向領域202の短手方向の寸法を示す(図3参照)。
対向領域201および非対向領域202は、例えば式(IV):
1.01≦(L2+L1)/L1≦1.1 (IV)
の関係を満たしていてもよい。
式(IV)中、「L1」は対向領域201の長手方向の寸法を示す(図3参照)。「L2」は非対向領域202の長手方向の寸法を示す(図3参照)。
(組成差)
本実施形態においては、対向領域201と非対向領域202との間で平均組成が異なっている。すなわち対向領域201は、非対向領域202に比して高い質量分率で合金系負極活物質を含む。非対向領域202は、対向領域201に比して高い質量分率で黒鉛を含む。
例えば対向領域201において、合金系負極活物質は、合金系負極活物質と黒鉛との合計に対して、5%から100%の質量分率を有していてもよいし、5%から50%の質量分率を有していてもよいし、5%から30%の質量分率を有していてもよいし、10%から30%の質量分率を有していてもよい。
例えば非対向領域202において、黒鉛は、合金系負極活物質と黒鉛との合計に対して、70%から100%の質量分率を有していてもよいし、95%から100%の質量分率を有していてもよい。
例えば、平面視において、対向領域201となるべき領域(中央)と、非対向領域202となるべき領域(周縁)とで、組成が互いに異なる2種の負極合材スラリーがそれぞれ塗工されることにより、対向領域201と非対向領域202との組成差が形成されてもよい。
対向領域201と非対向領域202との間で平均組成が異なる限り、例えば、対向領域201および非対向領域202の中に局所的に組成が同一の部分があってもよい。組成変化の境界は、対向領域201と非対向領域202との境界と、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。例えば、対向領域201と非対向領域202との境界付近で、合金系負極活物質の質量分率がステップ状に変化してもよい。対向領域201と非対向領域202との境界付近で、黒鉛の質量分率がステップ状に変化してもよい。例えば、対向領域201と非対向領域202との境界付近で、合金系負極活物質の質量分率が連続的に変化してもよい。対向領域201と非対向領域202との境界付近で、黒鉛の質量分率が連続的に変化してもよい。
(電位差)
本実施形態の対向領域201および非対向領域202は、80%以上のSOCにおいて、式(I):
0V<E2-E1≦0.6V (I)
の関係を満たす。
式(I)中、「E1」は対向領域201の電位を示す。「E2」は非対向領域の電位を示す。電位差(E2-E1)は、次の手順で測定され得る。
電池のSOCが80%以上に調整される。本明細書の「SOC」は、電池100の満充電容量に対する、その時点の充電容量の百分率を示す。例えば、電池のSOCが80%に調整されてもよい。例えば、電池のSOCが80%から100%に調整されてもよい。なお、80%よりも高いSOC範囲において、電位差(E2-E1)の変化は小さい傾向がある。
平面視において対向領域201の中央付近から、第1試料片が切り出される。例えば、カッター等が使用されてもよい。「中央付近」は、長手方向の中間点と、短手方向の中間点とを含む。第1試料片は負極活物質層22の一部を含む。負極活物質層22が負極基材21に担持されている場合、第1試料片は負極基材21の一部も含んでもよい。第1試料片の平面形状は、例えば矩形状であってもよい。第1試料片の平面サイズは、例えば1cm2程度であってもよい。
非対向領域202から、第2試料片が切り出される。第2試料片は負極活物質層22の一部を含む。負極活物質層22が負極基材21に担持されている場合、第2試料片は負極基材21の一部も含んでもよい。第2試料片の平面形状は、例えば矩形状、帯状等であってもよい。第2試料片の平面サイズは、例えば1cm2程度であってもよい。
室温(20℃±5℃)の電解液中において、第1試料片とLi金属との電位差が測定される。第1試料片とLi金属との距離は、1cm程度である。例えば、市販の電圧計(テスター)により電位差が測定されてもよい。電位差の表示値がふらつく場合は、電位差が安定するまで測定が継続される。これによりLiの標準電極電位を基準とする、対向領域201の電位(E1)が測定される。第1試料片と同様に、第2試料片とLi金属との電位差が測定される。これによりLiの標準電極電位を基準とする、非対向領域202の電位(E2)が測定される。E2からE1が減算されることにより、電位差(E2-E1)が算出される。なお電解液の組成は、例えば「溶媒 EC/EMC=1/3(体積比)、支持電解質 LiPF6(1mоl/L)」であってもよい。
電位差(E2-E1)がゼロより大きく0.6V以下であることにより、保存中にLiイオンが対向領域201から非対向領域202に移動し難い傾向がある。電位差(E2-E1)は、例えば0.5V以下であってもよいし、0.4V以下であってもよい。電位差(E2-E1)は、例えば0.1V以上であってもよいし、0.4V以上であってもよい。
(多層構造)
図5は、多層構造の第1例を示す概略断面図である。
対向領域201と非対向領域202との組成差は、例えば、多層構造によって形成されてもよい。すなわち断面視において、負極活物質層22は、第1層1と第2層2とを含んでいてもよい。平面視において、第2層2は、第1層1に比して大きい面積を有する。第2層2の面積は、第1層1の面積に比して、例えば1.025倍から1.2倍であってもよいし、1.025倍から1.15倍であってもよいし、1.025倍から1.1倍であってもよい。
対向領域201の厚さ方向(z軸方向)において、例えば第1層1は、第2層2に比して正極活物質層12に近接していてもよい。第1層1は、第2層2に比して高い質量分率で合金系負極活物質を含む。第2層2は、第1層1に比して高い質量分率で黒鉛を含む。合金系負極活物質は、黒鉛に比して、充電時の反応抵抗が低い傾向がある。対向領域201において、負極活物質層22の表層(上層)に合金系負極活物質が偏在していることにより、例えばLi受け入れ性の改善等が期待される。
非対向領域202は、例えば、第2層2からなる領域を含んでいてもよい。非対向領域202は、例えば第2層2からなっていてもよい。x軸方向における第1層1の端部は、対向領域201と非対向領域202との境界と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。非対向領域202は、例えば、第1層1の一部を含んでいてもよい。
第1層1は第1負極活物質を含む。第1負極活物質は、例えば、実質的に、質量分率で5%から100%の合金系負極活物質と、残部の黒鉛とからなっていてもよい。第1負極活物質は、例えば、実質的に、質量分率で10%から50%の合金系負極活物質と、残部の黒鉛とからなっていてもよい。第1負極活物質は、例えば、実質的に、質量分率で10%から30%の合金系負極活物質と、残部の黒鉛とからなっていてもよい。第1層1は第1負極活物質に加えて、導電材およびバインダ等をさらに含んでいてもよい。
第2層2は第2負極活物質を含む。第2負極活物質は、例えば、実質的に、質量分率で70%から100%の黒鉛と、残部の合金系負極活物質とからなっていてもよい。第1負極活物質は、例えば、実質的に、質量分率で95%から100%の黒鉛と、残部の合金系負極活物質とからなっていてもよい。第2層2は第2負極活物質に加えて、導電材およびバインダ等をさらに含んでいてもよい。
図6は、多層構造の第2例を示す概略断面図である。
例えば対向領域201の厚さ方向(z軸方向)において、第1層1は、第2層2に比して正極活物質層12から離れていてもよい。
電池100の用途によっては、例えば充電レート(充電電流の時間率)が高く、充電深度が浅い充放電サイクルが繰り返される場合がある。この場合、負極活物質層22の表層(上層)における反応が相対的に活発になり、基層(下層)における反応が相対的に不活発になる傾向がある。合金系負極活物質は、充放電反応に伴う体積変化が大きい傾向がある。合金系負極活物質が活発に反応すると、導電パスが分断されやすい傾向がある。これによりサイクル劣化が促進される可能性もある。合金系負極活物質が下層に偏在していることにより、合金系負極活物質の体積変化が小さくなり得る。これにより、サイクル劣化の軽減が期待される。
なお本実施形態の多層構造は二層構造に限定されない。負極活物質層は、第1層1および第2層2に加えて、第3層、第4層(不図示)等をさらに含んでいてもよい。各層の組成は互いに異なるものとされ得る。
《正極》
図7は、本実施形態における正極の一例を示す概略平面図である。
正極10は正極活物質層12を含む。正極10は正極基材11をさらに含んでいてもよい。正極基材11は導電性のシートである。正極基材11は例えばAl箔等であってもよい。正極基材11は、例えば10μmから30μmの厚さを有していてもよい。正極活物質層12は、例えば正極基材11の表面に配置されていてもよい。正極活物質層12は、例えば正極基材11の片面のみに配置されていてもよい。正極活物質層12は、例えば正極基材11の表裏両面に配置されていてもよい。平面視において、正極活物質層12は、実質的に対向領域からなる。すなわち平面視において、正極活物質層12の実質的に全面が負極活物質層22と対向している。正極基材11が露出した部分には、正極集電部材81が接合され得る。
正極活物質層12は、例えば10μmから200μmの厚さを有していてもよい。正極活物質層12は正極活物質を含む。正極活物質は任意の成分を含み得る。正極活物質は、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、Li(NiCoMn)O2、Li(NiCoAl)O2、およびLiFePO4からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。ここで、例えば「Li(NiCoMn)O2」等の組成式における「(NiCoMn)」等の記載は、括弧内の組成比の合計が1であることを示している。正極活物質層12は、正極活物質に加えて、導電材およびバインダ等をさらに含んでいてもよい。導電材は任意の成分を含み得る。導電材は、例えばアセチレンブラック等を含んでいてもよい。導電材の配合量は、100質量部の正極活物質に対して、例えば0.1質量部から10質量部であってもよい。バインダは任意の成分を含み得る。バインダは例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を含んでいてもよい。バインダの配合量は、100質量部の正極活物質に対して、例えば0.1質量部から10質量部であってもよい。
《セパレータ》
セパレータ30の少なくとも一部は、正極10と負極20との間に介在している。セパレータ30は、正極10と負極20とを分離している。セパレータ30は、例えば10μmから30μmの厚さを有していてもよい。
セパレータ30は多孔質シートである。セパレータ30は電解液を透過する。セパレータ30は、例えば200s/100mLから400s/100mLの透気度を有していてもよい。本明細書における「透気度」は、「JIS P8117:2009」に規定される「透気抵抗度(air resistance)」を示す。透気度はガーレー試験法により測定される。
セパレータ30は電気絶縁性である。セパレータ30は、例えばポリオレフィン系樹脂を含んでいてもよい。セパレータ30は、例えば、実質的にポリオレフィン系樹脂からなっていてもよい。ポリオレフィン系樹脂は、例えばポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。セパレータ30は、例えば単層構造を有していてもよい。セパレータ30は、例えば、実質的にPE層からなっていてもよい。セパレータ30は、例えば多層構造を有していてもよい。セパレータ30は、例えば、PP層とPE層とPP層とがこの順に積層されることにより形成されていてもよい。セパレータ30の表面に、例えば耐熱層等が形成されていてもよい。なお、電池100が固体電解質を含む場合、固体電解質がセパレータ30として機能してもよい。
《電解質》
電解質は、例えば液体であってもよいし、ゲルであってもよいし、固体であってもよい。本明細書においては、一例として液体電解質が説明される。液体電解質は、例えばイオン液体であってもよい。液体電解質は、例えば電解液であってもよい。
電解液は、溶媒と支持電解質とを含む。電解液は、溶媒および支持電解質に加えて、任意の添加剤をさらに含んでいてもよい。溶媒は非プロトン性である。溶媒は任意の成分を含み得る。溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、メチルホルメート(MF)、メチルアセテート(MA)、メチルプロピオネート(MP)、およびγ-ブチロラクトン(GBL)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
支持電解質は溶媒に溶解している。支持電解質は、例えば、LiPF6、LiBF4、およびLiN(FSO22からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。支持電解質は、例えば0.5mоl/Lから2.0mоl/Lのモル濃度を有していてもよい。支持電解質は、例えば0.8mоl/Lから1.2mоl/Lのモル濃度を有していてもよい。
以下、本技術の実施例(以下「本実施例」とも記される。)が説明される。ただし、以下の説明は、本技術の範囲を限定しない。
<非水電解質二次電池の製造>
《No.1》
(正極の準備)
下記材料が準備された。
正極活物質:Li(NiCoMn)O2
導電材:アセチレンブラック(AB)
バインダ:PVdF
分散媒:N-メチル-2-ピロリドン
正極基材:Al箔
正極活物質と導電材とバインダと分散媒とが混合されることにより、正極合材スラリーが調製された。正極合材(固形分)の質量比は「正極活物質/導電材/バインダ=100/1/1」であった。正極合材スラリーが正極基材の表面に塗工され、乾燥されることにより、正極活物質層が形成された。正極活物質層が所定の厚さに圧縮されることにより、正極原反が準備された。正極原反が所定の形状に切断されることにより、正極が準備された。
(負極の準備)
下記材料が準備された。
負極活物質:SiO(合金系負極活物質)、黒鉛
導電材:AB
バインダ:CMC、SBR
分散媒:水
負極基材:Cu箔
合金系負極活物質と黒鉛とバインダと分散媒とが混合されることにより、第1負極合材スラリーが調製された。第1負極合材(固形分)の質量比は、「SiO/黒鉛/AB/SBR/CMC=5/95/1/1/1」であった。
黒鉛とバインダと分散媒とが混合されることにより、第2負極合材スラリーが調製された。第2負極合材(固形分)の質量比は、「黒鉛/AB/SBR/CMC=100/1/1/1」であった。
図8は、スロットダイを示す概略図である。
本実施例においては、スロットダイ300が使用された。スロットダイ300は、多層塗工が可能である。スロットダイ300は、上部スリット301と下部スリット302とを備える。上部スリット301および下部スリット302は、それぞれ独立に、スラリーを吐出し得る。
上部スリット301からは第1負極合材スラリーが吐出された。第1負極合材スラリーは、負極基材21の表面のうち対向領域201となるべき領域に塗工された。下部スリット302において、対向領域201に対応する部分がマスキングされた。下部スリット302からは第2負極合材スラリーが吐出された。第2負極合材スラリーは、負極基材21の表面のうち非対向領域202となるべき領域に塗工された。第2負極合材スラリーは、第1負極合材スラリーの両側に塗工された。第1負極合材スラリーおよび第2負極合材スラリーが乾燥されることにより、負極活物質層22が形成された。負極活物質層が所定の厚さに圧縮されることにより、負極原反が準備された。負極原反が所定の形状に切断されることにより、負極が準備された。
(組み立て)
セパレータが準備された。セパレータは三層構造を有していた。三層構造はPP層とPE層とPP層とからなっていた。
セパレータを挟んで正極と負極とが対向するように、正極とセパレータと負極とが積層されることにより積層体が形成された。積層体が渦巻状に巻回されることにより、巻回型の電極体が形成された。電極体が扁平状に成形された。
電極体において、正極基材の露出部にAl板が溶接された。Al板は、正極集電部材および正極端子として機能する。電極体において、負極基材の露出部にCu板が溶接された。Cu板は、負極集電部材および負極端子として機能する。外装体が準備された。外装体はAlラミネートフィルム製のパウチであった。外装体に電極体が収納された。外装体に電解液が注入された。電解液は下記成分からなっていた。
溶媒:EC/EMC=1/3(体積比)
支持電解質:LiPF6(1mоl/L)
電解液の注入後、外装体が密封された。以上より電池(非水電解質二次電池)が製造された。
No.1においては、式(II)の「(S2+S1)/S1」が1.1に設計されていた。前述の手順により、電位差が測定された。電位差測定用の電解液は、電池の電解液と同一組成を有していた。
《No.2》
第1負極合材スラリーにおける固形分の質量比が「SiO/黒鉛/AB/SBR/CMC=30/70/1/1/1」に変更されることを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
《No.3》
第1負極合材スラリーにおける固形分の質量比が「SiO/黒鉛/AB/SBR/CMC=50/50/1/1/1」に変更されることを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
《No.4》
第1負極合材スラリーにおける固形分の質量比が「SiO/黒鉛/AB/SBR/CMC=100/0/1/1/1」に変更されることを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
《No.5》
式(II)の「(S2+S1)/S1」が1.025に変更されることを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
《No.6》
式(II)の「(S2+S1)/S1」が1.15に変更されることを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
《No.7》
式(II)の「(S2+S1)/S1」が1.2に変更されることを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
《No.8》
第1負極合材スラリーが調製された。第1負極合材の質量比は、「SiO/黒鉛/AB/SBR/CMC=10/90/1/1/1」であった。第2負極合材スラリーが調製された。第2負極合材の質量比は、「黒鉛/AB/SBR/CMC=100/1/1/1」であった。
スロットダイ300(図8参照)において、上部スリット301から第2負極合材スラリーを吐出され、かつ下部スリット302から第1負極合材スラリーが吐出されることにより、負極活物質層22が形成された。No.8においては、下部スリット302がマスキングされていなかった。第2負極合材スラリーの目付量が、第1負極合材スラリーの目付量と実質的に同一になるように、第1負極合材スラリーおよび第2負極合材スラリーの吐出量が調整された。本明細書の「目付量」は、単位面積あたりの質量を示す。
No.8の対向領域201は二層構造を有する(図6参照)。本実施例においては、正極活物質層12に近い側の層が「上層」と定義される。正極活物質層12から遠い側の層が「下層」と定義される。上層は、SiOを含まない第2負極合材からなっていた。下層は、SiOを含む第1負極合材からなっていた。No.8の非対向領域202は単層構造を有していた。No.8の非対向領域202は第2負極合材からなっていた。これらを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
なお、No.8の対向領域201おける単位面積あたりのSiOの量は、No.1の対向領域201おける単位面積あたりのSiOの量と実質的に同一であると考えられる。
《No.9》
上部スリット301から第1負極合材スラリーが吐出され、かつ下部スリット302から第2負極合材スラリーが吐出されることを除いて、No.8と同様に負極活物質層22が形成された。No.9の対向領域201は二層構造を有する(図5参照)。上層は、SiOを含む第1負極合材からなっていた。下層は、SiOを含まない第2負極合材からなっていた。No.9の非対向領域202は単層構造を有していた。No.9の非対向領域202は第2負極合材からなっていた。これらを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
なお、No.9の対向領域201おける単位面積あたりのSiOの量は、No.1の対向領域201おける単位面積あたりのSiOの量と実質的に同一であると考えられる。
《No.10》
第1負極合材スラリーにおける固形分の質量比が「SiO/黒鉛/AB/SBR/CMC=0/100/1/1/1」に変更されることを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
《No.11》
第2負極合材スラリーにおける固形分の質量比が「SiO/黒鉛/AB/SBR/CMC=5/95/1/1/1」に変更されることを除いては、No.1と同様に電池が製造された。
《No.12》
第2負極合材スラリーにおける固形分の質量比が「SiO/黒鉛/AB/SBR/CMC=30/70/1/1/1」に変更されることを除いては、No.2と同様に電池が製造された。
<評価>
《初期容量》
25℃の温度環境下において、定電流-定電圧方式(cccv)充電により、電池のSOCが100%に調整された。定電流方式(cc)充電時の電流は、1/3Itであった。定電圧方式(cv)充電時の電圧は、4.2Vであった。cc放電により、電池が3Vまで放電された。cc放電時の電流は、1/3Itであった。この時の放電容量が「初期容量」とみなされる。なお「It」は電流の時間率を表す記号である。1Itの電流は、100%のSOCに相当する容量を1時間で放電する電流と定義される。
《保存後容量維持率》
25℃の温度環境下において、定電流-定電圧方式(cccv)充電により、電池のSOCが100%に調整された。SOCの調整後、60℃に設定された恒温槽内で電池が20日間保存された。20日経過後、恒温槽から電池が取り出された。取り出し後、25℃の温度環境下において、電池が4時間放置された。4時間放置後、初期容量の測定条件と同一条件で、放電容量が測定された。この時の放電容量が「保存後容量」とみなされる。式「保存後容量維持率(%)=(保存後容量/初期容量)×100」により、「保存後容量維持率」が算出された。保存後容量維持率が高い程、保存時の容量劣化が軽減されていると考えられる。
Figure 0007213223000001
<結果>
図9は、SiOの質量分率と、保存後容量維持率との関係を示すグラフである。
No.10からNo.12においては、SiOの質量分率が高くなるに従って、保存後容量維持率の低下が顕著である。No.11およびNo.12においては、電位差(E2-E1)が0.6Vを超えている。保存中に対向領域から非対向領域にLiイオンが移動していると考えられる。
No.1からNo.4においては、SiOの質量分率の上昇に伴う、保存後容量維持率の低下が緩やかである。No.1からNo.4においては、電位差(E2-E1)が0.6V以下である。保存中に対向領域から非対向領域にLiイオンが移動し難いと考えられる。表1に示されるように、No.1およびNo.2においては、No.11およびNo.12と同様に、No.10に対して初期容量が増加している。
No.5は、No.1に比して保存後容量維持率が高い傾向がみられる。No.5の「(S2+S1)/S1」は、No.1の「(S2+S1)/S1」に比して小さい。No.6およびNo.7は、No.1に比して保存後容量維持率が低い傾向がみられる。No.6およびNo.7の「(S2+S1)/S1」は、No.1の「(S2+S1)/S1」に比して大きい。非対向領域の平面サイズが、非対向領域に移動し得るLiイオンの量に影響していると考えられる。
No.8の負極活物質層は二層構造を有する。No.8の対向領域においては、下層にSiOが偏在している。No.8においては、保存時の容量劣化の軽減に加えて、サイクル劣化の軽減も確認された。
No.9の負極活物質層は二層構造を有する。No.9の対向領域においては、上層にSiOが偏在している。No.9においては、保存時の容量劣化の軽減に加えて、電池抵抗の低減も確認された。
本実施形態および本実施例は、全ての点で例示である。本実施形態および本実施例は、制限的ではない。本技術の範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内における全ての変更を包含する。例えば、本実施形態および本実施例から、任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも、当初から予定されている。本実施形態および本実施例に複数の作用効果が記載されている場合、本技術の範囲は、全ての作用効果を奏する範囲に限定されない。
1 第1層、2 第2層、10 正極、11 正極基材、12 正極活物質層、20 負極、21 負極基材、22 負極活物質層、30 セパレータ、50 電極体、81 正極集電部材、82 負極集電部材、90 外装体、91 正極端子、92 負極端子、100 電池(非水電解質二次電池)、201 対向領域、202 非対向領域、300 スロットダイ、301 上部スリット、302 下部スリット。

Claims (5)

  1. 正極と負極と電解質とを含み、
    前記正極は正極活物質層を含み、
    前記負極は負極活物質層を含み、
    平面視において、
    前記正極活物質層および前記負極活物質層は、帯状であり、
    前記負極活物質層は、前記正極活物質層に比して大きい面積を有し、
    前記負極活物質層は、対向領域と非対向領域とを含み、
    前記対向領域は、前記正極活物質層と対向しており、
    前記非対向領域は、前記正極活物質層と対向しておらず、
    前記非対向領域は、前記対向領域と隣接しており、
    前記負極活物質層は、合金系負極活物質と黒鉛とを含み、
    前記対向領域は、前記非対向領域に比して高い質量分率で前記合金系負極活物質を含み、
    前記非対向領域は、前記対向領域に比して高い質量分率で前記黒鉛を含み、
    80%以上の充電状態において、
    前記対向領域および前記非対向領域は、式(I):
    0V<E2-E1≦0.6V (I)
    の関係を満たし、
    前記式(I)中、E1は前記対向領域の電位を示し、E2は前記非対向領域の電位を示し、
    前記平面視において、
    前記対向領域および前記非対向領域は、式(III)および(IV):
    1.01≦(W2+W1)/W1≦1.2 (III)
    1.01≦(L2+L1)/L1≦1.1 (IV)
    の関係をさらに満たし、
    前記式(III)中、W1は、前記対向領域の短手方向の寸法を示し、W2は、前記非対向領域の前記短手方向の寸法を示し、
    前記式(IV)中、L1は、前記対向領域の長手方向の寸法を示し、L2は、前記非対向領域の前記長手方向の寸法を示す、
    非水電解質二次電池。
  2. 前記対向領域において、前記合金系負極活物質は、前記合金系負極活物質と前記黒鉛との合計に対して、5%から100%の質量分率を有する、
    請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記対向領域および前記非対向領域は、式(II):
    1.025≦(S2+S1)/S1≦1.2 (II)
    の関係をさらに満たし、
    前記式(II)中、S1は前記対向領域の面積を示し、S2は前記非対向領域の面積を示す、
    請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 断面視において、前記負極活物質層は、第1層と第2層とを含み、
    前記平面視において、前記第2層は前記第1層に比して大きい面積を有し、
    前記対向領域の厚さ方向において、前記第1層は前記第2層に比して前記正極活物質層に近接しているか、または前記正極活物質層から離れており、
    前記第1層は、前記第2層に比して高い質量分率で前記合金系負極活物質を含み、
    前記第2層は、前記第1層に比して高い質量分率で前記黒鉛を含む、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記平面視において、前記非対向領域は、前記対向領域の周縁をとり囲んでいる、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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