JP7211912B2 - 2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法 - Google Patents

2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法に関する。
2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリロイル基を有する化合物は、ラジカル硬化性が高く、硬化時の収縮が小さく、該化合物を硬化して得られる硬化物は、優れた密着性、機械物性を有することが知られている。
特許文献1には、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリロイル基を有する高沸点の化合物が開示されている。特許文献2には、同一分子内に2個以上の2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリロイル基を有する化合物が開示されている。これらの化合物の製法として、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸の低級エステルとアルコール化合物とのエステル交換反応や、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸とアルコール化合物との脱水エステル化反応が開示されている。
しかし、エステル交換反応は平衡反応であり、反応転化率を向上するためには原料エステルを大過剰に仕込む必要があり、原料コスト増加や原料が残存しやすいという問題がある。また、エステル交換反応は、触媒として、毒性が高いスズ含有化合物などの金属化合物を必要とするという問題がある。
他方、脱水エステル化反応は、触媒として強酸を利用するため、反応器に耐蝕性が必要となるという問題となる。
特開2011-137123号公報 特開2011-74068号公報
本発明の課題は、反応転化率を向上させるために原料を大過剰に仕込む必要がなく、また、毒性の高い触媒や強酸触媒を使用せずに、様々な2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体を収率よく製造する方法を提供することにある。
本発明の実施形態による2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法は、
一般式(1)で表される2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アニオンとアルカリ金属カチオンとの塩の粉体(A成分)と、一般式(2)で表されるハロゲン化物(B成分)とを反応させて、一般式(3)で表される2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体を製造する。
Figure 0007211912000001
(一般式(1)中、Rは、HまたはCHを表し、Mはアルカリ金属を表す。)
Figure 0007211912000002
(一般式(2)中、Rは、有機基または有機無機複合基を表し、Xはハロゲン基を表し、nは、Rに結合しているX基の数であり、1以上の数を表す。)
Figure 0007211912000003
(一般式(3)中、Rは、HまたはCHを表し、Rは、有機基または有機無機複合基を表し、Xはハロゲン基を表し、mは、Rに結合している2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリロイル基の数を表し、n≧mである。)
好ましい実施形態としては、上記A成分の水分含有量が0.5質量%以下である。
好ましい実施形態としては、上記A成分が、噴霧乾燥機による乾燥工程を経て得られたものである。
本発明によれば、反応転化率を向上させるために原料を大過剰に仕込む必要がなく、また、毒性の高い触媒や強酸触媒を使用せずに、様々な2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体を収率よく製造する方法を提供することができる。
本明細書中で「質量」(重さを示すSI系単位として慣用)との表現がある場合は、従来一般に重さの単位として慣用されている「重量」と読み替えてもよい。
以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものも、また、本発明の好ましい形態である。
≪2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法≫
本発明の実施形態による2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法は、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アニオンとアルカリ金属カチオンとの塩の粉体(A成分)と、ハロゲン化物(B成分)とを反応させる。2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アニオンとアルカリ金属カチオンとの塩の粉体(A成分)と、ハロゲン化物(B成分)とを反応させることにより、反応転化率を向上させるために原料を大過剰に仕込む必要がなく、また、毒性の高い触媒や強酸触媒を使用せずに、様々な2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体を収率よく製造し得る。
<2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アニオンとアルカリ金属カチオンとの塩の粉体(A成分)>
A成分は、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アニオンとアルカリ金属カチオンとの塩の粉体、すなわち、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アルカリ金属塩粉体である。
A成分は、一般式(1)で表される。
Figure 0007211912000004
一般式(1)中、Rは、HまたはCHを表し、Mはアルカリ金属を表す。
一般式(1)中、点線の記載および実線の記載の両方で結合されて1価のアニオンであることが示されている「酸素原子-炭素原子-酸素原子」の結合は、この結合中に含まれる2つの「炭素原子-酸素原子」の結合が等価であり、「酸素原子-炭素原子-酸素原子」の結合全体で1価のアニオンとなっていることが好ましい。
A成分を構成するアルカリ金属Mとしては、任意の適切なアルカリ金属を採用し得る。アルカリ金属としては、具体的には、例えば、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。これらのアルカリ金属の中でも、取り扱い易さ、合成の容易さ、低コスト、などの観点から、ナトリウム、カリウムが好ましく、カリウムがより好ましい。
A成分は、「粉体」である。ここで、本発明の説明で用いる「粉体」とは、いわゆる顆粒などの粒体の集合体や、粒体より小なる形状の粉末の集合体として取り扱える固体として定義される形態である。
A成分は、水分含有量が、好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.05質量%以下である。A成分の水分含有量が上記のように小さいと、本発明の実施形態による2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法において、副反応を抑制でき、収率を向上させ得る。
A成分は、嵩比重が、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.1以上であり、さらに好ましくは0.2以上であり、特に好ましくは0.25以上である。A成分の嵩比重が上記のように大きいと、取り扱い性や仕込み性に優れ得る。したがって、例えば、本発明の実施形態による2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法において、原料としてのA成分の取り扱いや仕込み性が優れ得る。
A成分の製造方法は、好ましくは、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アルカリ金属塩の溶液を得る溶液調製工程、および、乾燥装置を用いて乾燥を行う乾燥工程、を含む製造方法によって製造し得る。
2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アルカリ金属塩の溶液を得る溶液調製工程については、先に本出願人が報告した特開2012-107208号公報に記載の方法を援用し得る。
乾燥装置を用いて乾燥を行う乾燥工程においては、好ましくは、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アルカリ金属塩の溶液を得る溶液調製工程で得られた溶液を乾燥して、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アルカリ金属塩粉体とする。
乾燥装置を用いて乾燥を行う乾燥工程においては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な乾燥装置を使用することができる。乾燥装置は、乾燥する対象に熱を与える方法によって分類でき、代表的には、対流伝熱乾燥装置、伝導伝熱乾燥装置、輻射伝熱乾燥装置に分けられる。
対流伝熱乾燥装置としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機、トンネル乾燥機、噴出流乾燥機、通気堅型乾燥機、回転乾燥機、流動層乾燥機、気流乾燥機、噴霧乾燥機などが挙げられる。
伝導伝熱乾燥装置としては、例えば、箱型乾燥機、円盤乾燥機、溝型・円筒型撹拌乾燥機、逆円錐型撹拌乾燥機、回転乾燥機(円筒回転乾燥機、二重円錐回転乾燥機)、円筒乾燥機などが挙げられる。
乾燥工程における、乾燥の条件は、用いる乾燥装置に応じて、適切に設定すればよい。
A成分を製造する際には、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、対流伝熱乾燥装置を用いて乾燥を行う乾燥工程を含む製造方法によって製造する。
<ハロゲン化物(B成分)>
B成分は、ハロゲン化物である。
B成分は、一般式(2)で表される。
Figure 0007211912000005
一般式(2)中、Rは、有機基または有機無機複合基を表し、Xはハロゲン基を表し、nは、Rに結合しているX基の数であり、1以上の数を表す。
Xとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なハロゲン基を採用し得る。このようなハロゲン基としては、例えば、塩素基、臭素基、ヨウ素基が挙げられ、好ましくは、臭素基、ヨウ素基である。
としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な有機基または有機無機複合基を採用し得る。
有機基としては、例えば、ヘテロ原子を有さない有機基、ヘテロ原子を有する有機基などが挙げられる。
ヘテロ原子を有さない有機基としては、例えば、直鎖状飽和炭化水素基、直鎖状不飽和炭化水素基、分岐鎖状飽和炭化水素基、分岐鎖状不飽和炭化水素基などが挙げられる。
ヘテロ原子を有する有機基としては、例えば、直鎖状飽和炭化水素基の一部がヘテロ原子に置き換えられた有機基、ヘテロ原子を含む置換基を有する直鎖状飽和炭化水素基、直鎖状不飽和炭化水素基の一部がヘテロ原子に置き換えられた有機基、ヘテロ原子を含む置換基を有する直鎖状不飽和炭化水素基、分岐鎖状飽和炭化水素基の一部がヘテロ原子に置き換えられた有機基、ヘテロ原子を含む置換基を有する分岐鎖状飽和炭化水素基、分岐鎖状不飽和炭化水素基の一部がヘテロ原子に置き換えられた有機基、ヘテロ原子を含む置換基を有する分岐鎖状不飽和炭化水素基などが挙げられる。
有機無機複合基としては、例えば、後述するようなケイ素含有有機基などが挙げられる。
<2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造>
本発明の実施形態による2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法は、上述した2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アニオンとアルカリ金属カチオンとの塩の粉体(A成分)と、ハロゲン化物(B成分)とを反応させる。この方法によれば、反応転化率を向上させるために原料を大過剰に仕込む必要がなく、また、毒性の高い触媒や強酸触媒を使用せずに、様々な2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体を収率よく製造し得る。
本発明の実施形態による2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法において、例えば、水分含有量の少ないA成分を採用すると、水の存在に起因する副反応を抑制することができ、収率が向上し得る。
B成分として、ポリフルオロアルキルヨウ化物を採用すると、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸ポリフルオロアルキルエステルを製造することができる。
一般に、カルボン酸アルカリ金属塩(R-COOM:Rは有機基、Mはアルカリ金属原子)と有機ハロゲン化物(R-X:Rは有機基、Xはハロゲン原子)との反応によって、カルボン酸誘導体(R-COOR)を得る反応は、水によって阻害されることが多く、副反応などによって収率の低下などを招く場合がある(例えば、特開2011-137123号公報)。しかし、本発明の実施形態による2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法においては、水分含有量の少ないA成分を原料として採用することができ、この場合、水の存在に起因する副反応を抑制することができ、収率が向上し得る。
B成分として、例えば、一般式(4)に示すようなケイ素含有有機ハロゲン化物(一般式(2)におけるRが有機無機複合基に該当)を採用すると、2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸エステルであって、該エステル部分にケイ素含有有機基が導入された化合物を製造することができる。
Figure 0007211912000006
一般式(4)中、R、R、Rは水素原子またはアルキル基であり、R、Rはアルキル基またはアルコキシド基、またはシロキサン基であり、iは1~3の整数、jは1以上の整数、kは0または1である。
一般式(4)中、Xは、上述したものと同様、ハロゲン基を表す。Xとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なハロゲン基を採用し得る。このようなハロゲン基としては、例えば、塩素基、臭素基、ヨウ素基が挙げられ、好ましくは、臭素基、ヨウ素基である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
<水分含有量>
カールフィッシャー水分計(京都電子工業社製,「MKC-510」)を測定装置として用い、また、対極液と発生液としては、それぞれ、Fluka社製の「ハイドラナール クーロマットCG」と「ハイドラナール クーロマットA」を用いた。
<ガスクロマトグラフィ(GC)による反応液分析>
反応溶液をアセトニトリルで希釈し、下記ガスクロマトグラフィ装置で分析し、ピークの面積比を元にして生成した化合物の割合を計算した。
GC装置:GC-2025(株式会社島津製作所製)
分離カラム:キャピラリーカラム DB-1(Agilent Technologies社製、長さ30m×内径0.25mm、膜厚0.25μm)
<高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による反応液分析>
反応溶液を、下記希釈溶媒で希釈し、下記高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置、および条件で分析し、ピークの面積比を元にして生成した化合物の割合を計算した。
HPLC装置:DGU-20A5、LC-20AD、SIL-20A、SPD-20A、CTO-20A、RID-10(いずれも島津製作所社製)の組み合わせ
溶出溶媒:0.1mol%リン酸水溶液/アセトニトリル=50/50(体積%)混合溶媒、1.0mL/min
分離カラム:CAPCELL PACK TYPE:ADME(資生堂社製、粒子径5ミクロン、内径4.6mm×長さ150mm)
〔合成例1〕:2-(アリルオキシメチル)アクリル酸イオンとカリウムイオンとの塩の水溶液の合成
攪拌子を入れた反応器に、4.44質量%水酸化カリウム水溶液809.1部と、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール300ppmを含有する2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル100.0部を仕込み、溶液温度が35℃以下となるように水浴で冷却しながらマグネチックスターラーで攪拌した。4時間撹拌を続け、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸イオンとカリウムイオンとの塩を12.7質量%含有する水溶液を得た。
〔合成例2〕:2-(アリルオキシメチル)アクリル酸カリウム粉体の合成
合成例1で得られた水溶液を、エバポレーターを用いて減圧濃縮し、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸カリウム塩を50質量%含有する水溶液を調製した後、噴霧乾燥装置(ヤマト科学(株)製、パルビスミニスプレー、型式GA―32、サイクロン一点捕集式)を用いて噴霧乾燥した。噴霧ノズルは二流体ノズルであり、原料供給量は0.64kg/hであった。加圧空気の圧力2.0kgf/cm、風量0.42m/min、入口熱風温度190℃、出口温度100℃、の条件で0.4時間連続噴霧乾燥した結果、嵩比重0.29g/mL、水分量0.031質量%の2-(アリルオキシメチル)アクリル酸カリウム粉体が0.085kg得られた。回収率は66重量%であった。
〔実施例1〕:2-(アリルオキシメチル)アクリル酸の1H,1H,2H,2H-ノナフルオロヘキシルエステルの製造
合成例2で得られた2-(アリルオキシメチル)アクリル酸カリウム粉体(6.00g、水分0.031質量%含有)、および、tert-ブチルアルコール(12.00g、水分0.070質量%含有、和光純薬株式会社製、特級試薬)、1H,1H,2H,2H-ノナフルオロヘキシルヨージド(11.99g、東京化成工業株式会社製)、ポリストップ7300P(0.010g、伯東株式会社製)、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール(0.096g、東京化成工業株式会社製)、攪拌子をオートクレーブ反応器に仕込み、7体積%の酸素を含有する含有の窒素ガスを用いて気相部を置換した後、マグネチックスターラーでの撹拌下、180℃のオイルバスで加熱した。6時間反応した後、反応液をGC分析した結果、原料である1H,1H,2H,2H-ノナフルオロヘキシルヨージドのピークが消失し、新たな生成物ピークが確認された。生成物ピークは面積百分率で88%であった。
〔実施例2〕:1,6-ビス(2-(アリルオキシメチル)アクリロイル)ヘキサンの製造
合成例2で得られた2-(アリルオキシメチル)アクリル酸カリウム粉体(6.00g、水分0.031質量%含有)、および、tert-ブチルアルコール(12.00g、水分0.070質量%含有、和光純薬株式会社製、特級試薬)、1,6-ジブロモヘキサン(11.99g、東京化成工業株式会社製)、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール(0.096g、東京化成工業株式会社製)、撹拌子をオートクレーブ反応器に仕込み、7体積%の酸素を含有する窒素ガスを用いて気相部を置換した後、マグネチックスターラーでの撹拌下、90℃のオイルバスで加熱した。4時間反応した後、反応液をHPLC分析した結果、原料である1,6-H,2H,2H-ノナフルオロヘキシルヨージドのピーク(ピークA:保持時間18.07分)が減少し、生成物ピーク2種類(ピークB:保持時間26.1分、ピークC:保持時間37.1分)がRI検出器で確認された。面積比率はピークA:ピークB:ピークC=29:52:19であった。さらに120℃のオイルバスで4時間反応した後、反応液をHPLC分析した結果、ピークAと生成物ピークBが消失し、生成物ピークCのみRI検出器で確認された。
本発明の実施形態による2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法によれば、反応転化率を向上させるために原料を大過剰に仕込む必要がなく、また、毒性の高い触媒や強酸触媒を使用せずに、様々な2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体を収率よく製造する方法を提供することができ、このような2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体は、各種化学品の合成原料として広く利用し得る。

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表される2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸アニオンとアルカリ金属カチオンとの塩の粉体(A成分)と、一般式(2)で表されるハロゲン化物(B成分)とを反応させて、一般式(3)で表される2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体を製造する、
    2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法。
    Figure 0007211912000007
    (一般式(1)中、Rは、HまたはCHを表し、Mはアルカリ金属を表す。)
    Figure 0007211912000008
    (一般式(2)中、Rは、有機基または有機無機複合基を表し、Xはハロゲン基を表し、nは、Rに結合しているX基の数であり、1以上の数を表す。)
    Figure 0007211912000009
    (一般式(3)中、Rは、HまたはCHを表し、Rは、有機基または有機無機複合基を表し、Xはハロゲン基を表し、mは、Rに結合している2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリロイル基の数を表し、n≧mである。)
  2. 前記A成分の水分含有量が0.5質量%以下である、請求項1に記載の2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法。
  3. 前記A成分が、噴霧乾燥機による乾燥工程を経て得られたものである、請求項1または2に記載の2-((メタ)アリルオキシメチル)アクリル酸誘導体の製造方法。

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Journal of Heteroocyclic Chemistry,2016年,53(5),1439-1442
Macromolecules,2004年,37(12),4441-4452

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