JP7211594B2 - 付箋紙束の保持カバー - Google Patents

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Description

本発明は、易剥離構造の付箋紙束を、携行あるいはメモ記入を行い易くした付箋紙束の保持カバーに関するものである。
例えば備忘メモや伝言メモの記入、更には資料の見出しづけ等に易剥離性の接着剤を設けた付箋紙束が、使い勝手の良さから広く利用されている。このような良好な使い勝手に因み、この種の付箋紙束は、適宜のケースに入れて携行することが行われている。具体的には、例えば同時に携行するペンケース等に入れらたり、あるいはブックレット様のコシのある板紙をカバー状に形成したもので付箋紙束を保護したりした状態で携行されている(例えば特許文献1~4参照)。
しかしながら、これらの多くは、実際のメモを考慮すると、例えば、接着剤が塗布されている付箋紙単葉の裏面に記入することについて、これを行い易くする工夫等は具えていない。因みに付箋紙裏面に記入することが好都合な例としては、例えばペーパー資料等を収めたクリアファイルの内側の面に、外側から視認できる見出しとして付箋紙単葉を内貼り状に貼り付ける事例が挙げられる。この際、当然ながら記入内容は、付箋紙単葉の裏面に書き込む必要があるが、裏面への書き込みにあたっては、例えば付箋紙束から単葉をはがし取って行うこととなる。しかしながら、このような操作が必要なく記入できれば、極めて使い勝手が良くなるであろうと予想される。
さらに、従来の付箋紙束の携行手段についてみると、あくまで仮利用を前提として付箋紙束の枚数もそれほど多く保持していない。このため簡易な二つ折りの補強カバー的な構造のカバーが殆どであり、付箋紙単葉の使用を経るに従い、付箋紙束の厚みが減少しても、それを許容するカバー構造については格別な考慮はされていない。しかしながら、使用者の業務形態によっては、かなりの頻度で付箋紙単葉を必要とすることもあり、この場合、携行に当ってもかなりの枚数の付箋紙単葉を束ねた付箋紙束を用意しなければならない。このような付箋紙束を用意するときには、当然ながら当初はかなりの厚みのある付箋紙束となっている一方、使用を経るに従いその厚さも減少していくこととなる。そのような状況、すなわち付箋紙束が厚くても薄くても対応できる付箋紙カバーやケース等は、市場には提供されていない。
特開2019-14142号公報 特開2017-87671号公報 特開2003-165284号公報 特開平8-192876号公報
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、枚数の多い付箋紙束でも充分に収納でき、また使用に伴って枚数が減った付箋紙束であっても収納スペースを空けることなく、それに応じた収納ができ、且つ付箋紙単葉へのメモ記入も表面はもとより裏面でも行い易くすることのできる新規な付箋紙束の保持カバーの開発を技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の、付箋紙束の保持カバーは、
付箋紙束を保持するとともに、付箋紙束を外覆い状に保護する付箋紙用保持カバーであって、
この付箋紙用保持カバーは、付箋紙束を固定保持する保持基板と、この保持基板に基部折線を介して連接され、付箋紙束を上方から覆う覆板とを具え、
付箋紙束の保持状態では、基部折線のみを介して連接された保持基板と覆板とを重ね合わせるようにして付箋紙束を挟持状態で保持するものであり、
また前記覆板は、調整折線を介して基部折線との間に設けられる調整覆板と、調整折線より自由端側に設けられる主覆板とを具え、
且つ、この主覆板は、付箋紙束を覆った状態から調整折線において、調整覆板に向けて折り返し可能とし、ここに付箋紙束の最上部に位置する付箋紙単葉をめくり返し状に重ねて、主覆板を付箋紙単葉の裏面へのメモ記入にあたり台紙として利用できる構成であり、
更に前記覆板は、主覆板の自由端側を保持基板側に対し、係脱自在に係止させる構造であり、
この構造は、保持基板における自由端側の端部に、蓋止め折線を介して蓋止めフラップを連接し、この蓋止めフラップと前記覆板における主覆板の自由端とが重なり合うように構成し、蓋止めフラップと主覆板の自由端とが係止舌片とそれに差し込まれる係止スリットとにより係止状態を維持できるように構成され、
なお且つ係止舌片は、係止スリットに対し先窄まり状に突出するように形成されるとともに、係止スリットは、蓋止めフラップの自由端側に向かって先窄まり状に形成されることを特徴として成るものである。
また請求項記載の、付箋紙束の保持カバーは、前記請求項記載の要件に加え、
前記覆板における調整覆板には、保持基板に保持されている付箋紙束が目視できる透視孔を設けたことを特徴として成るものである。
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、保持基板と覆板とによって収納部を構成し、ここに付箋紙束を効果的に保護するように保持し、また覆板は調整折線を介して主覆板と調整覆板とにより構成され、このため使用を経るに従い厚みを減じて行く付箋紙束を追うように収納部のスペースの高さを減じ、常に付箋紙束を緩保持状態に収納できる。加えて主覆板を調整折線によって上方にめくり上げるように調整折線側に上重ね状に倒せば、裏返し状の主覆板の上に、付箋紙束の最上面の付箋紙単葉を折り重ねることができ、結果的にメモ記入にあたっての下敷き状の台紙として利用することができ、付箋紙単葉の接着剤が塗布されている裏面への書き込みが容易に行える。
また本発明によれば、主覆板の自由端側を、保持基板側に係止させる構造であるため、付箋紙束の保護が確実に図れる。
また本発明によれば、主覆板の自由端を保持基板側に係止させる構造は、保持基板側に蓋止めフラップを延長形成し、この蓋止めフラップを上方に折り返して付箋紙束の自由端を覆うようにした上で、蓋止めフラップと主覆板とを係止させる構造であり、保持される付箋紙束の特に自由端側を充分に且つ強固に保護することができる。
また本発明によれば、付箋紙束が充分厚いときは、係止舌片は係止スリットに浅く差し込まれる傾向となるが、係止スリットの形状に因み、両者は確実な係合状態を維持することができる。
また請求項記載の発明によれば、調整覆板に透視孔を形成するため、付箋紙束を覆板で完全に覆った状態であっても、例えば外側から内側に収容した付箋紙束の色が目視し易く、色分けしてメモを取ったり、分類ラベルとしたりするような使用形態を採る場合の使い勝手が極めて良い。
本発明の、付箋紙束の保持カバーを示す斜視図(a)、並びにメモ記入時の異なる二態様を比較して示す斜視図(b)・(c)である。 同上付箋紙束の保持カバーを折り曲げる前のブランク形状を示す平面図である。 同上付箋紙束の保持カバーの組み立て状況を段階的に示す斜視図(a)~(d)である。 同上付箋紙束の保持カバーにおける覆板の係止状態を示す平面図(a)・(b)であって、併せて係止舌片の他の係止態様を示す平面図(c)である。 蓋止めフラップを形成せずに保持基板を延長形成し、ここに係止スリットを設け、覆板を保持基板に直接係止させるようにした保持カバーの参考例(本発明に関連する参考例)を示す斜視図である。 保持基板や覆板など保持カバーの正面形状を、矩形状でない異形状とした保持カバーの改変例を示す斜視図である。
本発明を実施するための形態は、以下の実施例に述べるものをその一つとするとともに、更にその技術思想内において改良し得る種々の手法をも含むものである。
以下、本発明の付箋紙束の保持カバー1( 以下、単に「保持カバー1」と記載する場合がある) を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。
まず、保持カバー1を概説すると、一例として図1・図2に示すように、帯状のブランクシートBを、適宜折線を介して上下に折り重ね状態に形成し、その間の扁平な空間を付箋紙束Pの収納部Sとしている。以下、保持カバー1を詳細に説明するものであり、ブランクシートBの形態及び、その組み立て態様を説明する。
ブランクシートBの展開状態は、一例として上記図2に示すように、全体として細長帯状を呈し、最も大きな面の縦長矩形状の区画部位を保持基板2とする。この保持基板2に対して後述するように、付箋紙束Pを保持させる。更に保持基板2に対しては、基部折線21を介して、蓋板となる覆板3の一部を構成する調整覆板31が連設状態、すなわち連なって設けられる。調整覆板31は横長矩形状であり、このものに対し更に調整折線33を介して覆板3の主要部を構成する主覆板32が連設状態に設けられる。主覆板32は、自由端側のほぼ中央に係止舌片34を突出させており、係止舌片34の形状は、先窄まり状、具体的には半円形状に形成される。
一方、前記保持基板2の他の端辺は、蓋止め折線41により区画され、この蓋止め折線41を介して横長矩形状の蓋止めフラップ4が連設状態に設けられ、その横幅中央部に係止スリット42が設けられている。この係止スリット42は、蓋止めフラップ4の自由端側に向かって先窄まり状、具体的には半円形を描くように形成されており、このスリット形状に因み、その内側には、効果的に半円状の保持舌片43が形成される。
このようなブランクシートBは、次のように折り込まれて保持カバー1を構成し、保持基板2と覆板3との間に形成される収納部Sに付箋紙束Pを収納し保持する。すなわち図3に示すように、保持基板2と覆板3とはまず、基部折線21を外側から見て山折り状に折り曲げ、保持基板2に覆板3を重ね合わせるように折り曲げる。一方、同様に蓋止めフラップ4も蓋止め折線41によって外側から見て山折り状に折り曲げ、保持基板2の一部を覆うようにする。
このように保持基板2に対し、覆板3と蓋止めフラップ4とを重ね合わせ状に折り曲げた後、あるいはブランクシートBの展開状態で保持基板2上に付箋紙束Pを置き、固定する。ここで付箋紙束Pの保持基板2への固定は、付箋紙束Pの最下面の付箋紙単葉P0の接着剤gを利用して固定することが可能である。このようにして付箋紙束Pを収納部Sに固定したら、覆板3で付箋紙束Pの上面を覆いながら、覆板3における主覆板32の自由端側に形成した係止舌片34を、蓋止めフラップ4に形成した係止スリット42に差し込み、覆板3を蓋止めフラップ4に、言わば閉じ合わせる。
これにより覆板3と保持基板2との間に形成された収納部Sに付箋紙束Pが保護状態に収容される。このとき付箋紙束Pが充分厚いときには、覆板3は調整折線33で山折り状に幾分か屈曲し、収納部Sの高さが高くなるような状態となる。また、このように付箋紙束Pが充分厚いときは、係止舌片34は係止スリット42に浅く差し込まれる傾向となるが、係止スリット42の形状に因み、両者は確実な係合状態を維持する。すなわち係止スリット42は、一例として図4(a)に示すように、係止舌片34の受け入れ開始側に向かって突出する半円状に形成されており、この係止スリット42に囲まれる保持舌片43が、係合状態で係止舌片34の抜け外れ方向に充分保持しているからである。換言すれば、係止スリット42が、例えば図4(c)に示すように、直線状に形成されているときには係合状態で係止舌片34が有効に保持されるストローク(最大重なり代)は、係止舌片34の長さ分程度であるが(図中の「L」)、係止スリット42自体を円弧状に形成したときには、図4(b)に示すように、そのほぼ倍の有効保持ストローク(図中の「L+L」)が得られるのである。
このような形態の保持カバー1を用いるときには、一般的には例えば図1(c)に示すように、付箋紙単葉P0の上面にメモ等を記入するものであり、付箋紙束Pを覆っていた覆板3を上方にめくり上げるように開放し、付箋紙束Pを露見状にして、その最上面に位置する付箋紙単葉P0の表面にメモ等を記入する。そして、目的のノートやスケジュール帳などに貼り付けるものである。
一方、付箋紙単葉P0の裏面、すなわち接着剤gが塗布されている側にメモを記入する場合には、例えば図1(b)に示すように、調整覆板31は付箋紙束Pを覆う位置に留めながら、調整折線33で主覆板32のみを上方にめくり上げるように開放させ、主覆板32を裏返すように折り曲げる。この状態で、主覆板32の裏面が、付箋紙束Pの前方(保持カバー1の上方)に展開するようになり、次いで付箋紙束Pの最上面に位置する付箋紙単葉P0を、被接着部は維持したまま自由端側をめくり上げて(めくり返して)、裏面を上に向けた主覆板32の上に重ね置くようにし、主覆板32を下敷き状の台紙として付箋紙単葉P0の裏面に適宜の記入を行う。
因みに、このような付箋紙単葉P0の裏面への記入がされたとき、この付箋紙単葉P0をクリアファイル等の内側に張り付ければ、メモ内容がクリアファイル外側から目視できるので好都合である。なお付箋紙単葉P0は、その色分けによって種々の分類ラベルとして機能させることができ、この場合、覆板3に覗き窓状の透視孔35が設けられていれば、保持カバー1を閉鎖した状態であっても、外部から付箋紙束Pの色が識別できて好都合である。もちろん、付箋紙束Pを使い切ってしまった状況も、この透視孔35によって覆板3を開放する前に目視によって明確に確認することができる。また、図中符号36は、保持基板2と調整覆板31に開口された吊り下げ孔であり、例えばここに紐やチェーン等を通すことで、保持カバー1を吊り下げることができるようにしたものである。
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず、上述した基本の実施例では、覆板3はその自由端側を保持基板2側へ蓋止めフラップ4を利用して係止させていたが、例えば図5に示すように、蓋止めフラップ4を形成せずに保持基板2を延長形成し、ここに係止スリット42を設け直接係止させることも考えられるが、これは本発明に関連する参考例である。
更に図6に示す改変例は、折り畳み状態の保持カバー1の正面形状を、いわゆるファンシーグッズ的な工夫の下に、例えば可愛いアニマルキャラクターを模した型抜き状に形成した形態である。この場合、保持カバー1の収納部Sに保持される付箋紙束P(付箋紙単葉P0)は、一般的な矩形状でもよいし、保持カバー1の正面形状に合わせて、異型形状に打ち抜いたものでもよい。
1 付箋紙束の保持カバー
2 保持基板
3 覆板
4 蓋止めフラップ

21 基部折線

31 調整覆板
32 主覆板
33 調整折線
34 係止舌片
35 透視孔
36 吊り下げ孔

41 蓋止め折線
42 係止スリット
43 保持舌片

B ブランクシート
S 収納部
P 付箋紙束
P0 付箋紙単葉
g 接着剤

Claims (2)

  1. 付箋紙束を保持するとともに、付箋紙束を外覆い状に保護する付箋紙用保持カバーであって、
    この付箋紙用保持カバーは、付箋紙束を固定保持する保持基板と、この保持基板に基部折線を介して連接され、付箋紙束を上方から覆う覆板とを具え、
    付箋紙束の保持状態では、基部折線のみを介して連接された保持基板と覆板とを重ね合わせるようにして付箋紙束を挟持状態で保持するものであり、
    また前記覆板は、調整折線を介して基部折線との間に設けられる調整覆板と、調整折線より自由端側に設けられる主覆板とを具え、
    且つ、この主覆板は、付箋紙束を覆った状態から調整折線において、調整覆板に向けて折り返し可能とし、ここに付箋紙束の最上部に位置する付箋紙単葉をめくり返し状に重ねて、主覆板を付箋紙単葉の裏面へのメモ記入にあたり台紙として利用できる構成であり、
    更に前記覆板は、主覆板の自由端側を保持基板側に対し、係脱自在に係止させる構造であり、
    この構造は、保持基板における自由端側の端部に、蓋止め折線を介して蓋止めフラップを連接し、この蓋止めフラップと前記覆板における主覆板の自由端とが重なり合うように構成し、蓋止めフラップと主覆板の自由端とが係止舌片とそれに差し込まれる係止スリットとにより係止状態を維持できるように構成され、
    なお且つ係止舌片は、係止スリットに対し先窄まり状に突出するように形成されるとともに、係止スリットは、蓋止めフラップの自由端側に向かって先窄まり状に形成されることを特徴とする、付箋紙束の保持カバー。

  2. 前記覆板における調整覆板には、保持基板に保持されている付箋紙束が目視できる透視孔を設けたことを特徴とする請求項記載の、付箋紙束の保持カバー。
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