JP7210327B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートに関する。
車室の後部に車椅子に着座した乗員が車椅子に着座した状態で乗り入れて車椅子をフロアに固定して乗車する車両が知られている。このような車両においては、車椅子に着座した乗員の安全性を確保するためにシートベルトで乗員の身体を車体に対して拘束することが行われている。かかる場合に、車椅子に着座した乗員の肩部は、リアシートに着座した乗員の肩部よりフロアからの高さが高くなるとともに、左右方向の位置も車椅子のフロアへの固定位置によっては異なることがある。そこで、特許文献1には、車椅子に着座した乗員の身体上半部前面に配索されたシートベルトを、乗員の肩部に対して適切な位置にするためにシートベルトの一部を車椅子乗員の肩部に近づけるように牽引するリルータを備えた乗物用シートが開示されている。
特開2018-90143号公報
上記特許文献1に開示された技術においては、リルータがシートクッションとシートベルトとの間に配設されたとき、シートベルトの一部が車椅子乗員の肩部に近づくように牽引される。そして、リルータは使用されないとき、シートクッションとシートベルトから取り外されて車室内の所定の場所に格納されていた。これによって、リルータの使用時に、格納場所からリルータを探して取出すのが煩わしいという問題がった。特に、格納場所にリルータが適切に格納されていない場合、リルータを探し出すのに多くの時間がかかることがあった。
このような問題に鑑み本発明の課題は、リルータを使用しないとき適切に格納でき使用するときに円滑にシートベルトとシートとの間に配設できる乗物用シートを提供することにある。
本発明の第1発明は、乗物用シートであって、該乗物用シートの前方の乗物ボデーに固定された車椅子に前方を向いて着座した車椅子乗員の身体を前記乗物ボデーに対して拘束するシートベルトを備えており、前記乗物用シートはシートクッションがシートバックの前面に沿うように跳ね上げられたチップアップ状態とすることが可能であり、前記乗物用シートが前記チップアップ状態のとき前方の前記乗物ボデーに前記車椅子が固定されるものであり、前記シートバックの上部後側の前記乗物ボデー又は前記シートバックに取付けられたリトラクタと、該リトラクタから繰り出されるとともに前記リトラクタの側の端部とは反対側の端部が前記乗物ボデーに固定された前記シートベルトと、前記シートベルトに対してスライド可能に取付けられたタングプレートと、該タングプレートが係脱可能に連結される前記乗物ボデーに固定されたバックルと、前記車椅子乗員の身体に前記シートベルトを掛け回したとき前記シートベルトの前記車椅子乗員の肩部から前記リトラクタの間の部分と前記シートクッションの上端部側との間に配設されたリルータと、を備えており、該リルータは、前記シートベルトの途中に摺動可能に嵌合した摺動体と、該摺動体に一端が固定され他端に前記シートクッションの上端部側に取付けられる係止部が設けられた紐状体と、を有しており、前記シートクッションの前記チップアップ状態の時における前記シートクッションの上端部側には、シート幅方向に延びるヒンジ軸を中心に回動可能で、前記シートクッションに対して略垂直の展開状態と、下方に回動させて前記シートクッションの前面に沿うようにした折畳状態と、を採ることが可能な平板状のレッグが設けられ、前記レッグは、骨格をなすフレームと、該フレームを覆う樹脂製のカバー部材から構成されており、該カバー部材には前記係止部が取付けられる被係止部と、前記摺動体が係合する被係合部と、が設けられていることを特徴とする。
第1発明によれば、リルータによって車椅子乗員の身体に対するシートベルトの配索位置を車椅子乗員の肩部から外れにくい位置に引き寄せて変更できるので安全性が向上する。また、リルータは、紐状体の係止部がカバー部材の被係止部に取付けられているとともに、摺動体がカバー部材の被係合部に係合するようになっている。これによって、リルータは使用されないときカバー部材に適切に保持されて格納されるとともに、使用するときカバー部材から摺動体が円滑に取り外されてシートベルトに嵌合させられることができる。なお、リルータとは、シートベルトの配索位置を変更可能な部材をいう。
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記カバー部材は、前記フレームを前記折畳状態で、前記チップアップ状態の前記シートクッションの前面に垂直な方向から最中状に覆うように形成されており、前記被係止部は前記カバー部材の前記フレーム側の面に設けられていることを特徴とする。
第2発明によれば、被係止部はカバー部材の外側から視認されないのでレッグの展開状態及び折畳状態のいずれにおいても外観品質の悪化を抑制することができる。
本発明の第3発明は、上記第2発明において、前記被係合部は、前記レッグの前記折畳状態において、前記カバー部材の前記チップアップ状態の前記シートクッションの前面に対向する面部に設けられていることを特徴とする。
第3発明によれば、レッグの展開状態及び折畳状態のいずれにおいても被係合部及びそれに係合した摺動体が外側から視認されにくいのでさらに外観品質の悪化を抑制することができる。
本発明の第4発明は、上記第1発明ないし上記第3発明のいずれかにおいて、前記リトラクタと、前記シートベルトと、前記タングプレートとは、前記乗物用シートが前記チップアップ状態でない場合に、前記乗物用シートに着座した乗員が使用可能であるものであることを特徴とする。
第4発明によれば、バックルのみを車椅子乗員用に設ければよいので、乗物用シートの構造が簡潔なものとなる。
本発明の一実施形態の自動車用リアシートを斜め前方から見た斜視図である。リルータの摺動体を取出してシートベルトに取付けた状態である。 レッグ部分を拡大して示す図である。リルータを格納した状態であり、前レッグカバーを二点鎖線で表示している。 図2のIII-III矢視線断面図である。 図2のIV-IV矢視線断面図である。 レッグ部分を拡大して示す図である。リルータの摺動体を取出した状態であり、前レッグカバーを二点鎖線で表示している。 通常状態の自動車用リアシートを斜め前方から見た斜視図である。 左中央席クッションをチップアップした状態を斜め前方から見た斜視図である。リルータを格納した状態である。 左中央席クッションと右席クッションをチップアップした状態を斜め前方から見た斜視図である。リルータの摺動体を取出してシートベルトに取付けた状態である。 上記実施形態の自動車用リアシートを側面から見た概略図である。リルータの摺動体を取出してシートベルトに取付けた状態である。
図1~図9は、本発明の一実施形態を示す。図1は、自動車用リアシート1の前方のフロアFに固定した車椅子70に着座した車椅子乗員80の身体をシートベルト50で拘束した状態を示す。各図中、矢印により自動車用リアシート1をフロアFに取付けたときの自動車及び自動車用リアシート1の各方向を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。本実施形態の自動車用リアシート1は、自動車の後部側座席であって3人掛けが可能なベンチシートとして構成されている。自動車用リアシート1は、着座部となるリアシートクッション10と、背凭れとなるシートバック20と、頭部を支持するヘッドレスト30と、を備えている。ここで、自動車用リアシート1とフロアFが、それぞれ、特許請求の範囲の「乗物用シート」と「乗物ボデー」に相当する。
図6に示すように、自動車用リアシート1は、シートバック20が左右に一続きの一体として形成され、リアシートクッション10は6:4分割タイプとして形成されている。左側部分が6側の2人掛けが可能な左中央席クッション11で、右側が4側の1人掛けが可能な右席クッション12である。左中央席クッション11と右席クッション12は、それぞれ独立してシートバック20の前面に沿うように跳ね上げられたチップアップ状態とすることが可能とされている。図6に示す状態は、左中央席クッション11と右席クッション12がチップアップされておらず自動車用リアシート1に乗員が着座可能な通常状態である。ここで、左中央席クッション11が、特許請求の範囲の「シートクッション」に相当する。
図8に示すように、フロアFには左中央席クッション11の左側後端部に対応して左ブラケット41が、左中央席クッション11の右側後端部と右席クッション12の左側後端部に対応して中ブラケット43が、取付けられている。また、フロアFには右席クッション12の右側後端部に対応して右ブラケット42が、取付けられている。そして、左ブラケット41、右ブラケット42及び中ブラケット43は、左右方向に延びるパイプ44によって連結されている。シートバック20は、その下端部がパイプ44に対して固定されるとともに、その上端部側が図示しない自動車ボデーに対して固定され、傾き角度は一定のものとされている。シートバック20の上部後側の図示しない自動車ボデー(フロアFに連結される何らかの部材を含む。)に対して、シートバック20の左右方向中央から右方に少しずれた部分にシートベルト50のリトラクタ51が配設されている。シートベルト50のリトラクタ51の側と反対側の端部はアンカプレート52によって中ブラケット43近傍のパイプ44に対して図示しないブラケットを介して固定されている。リトラクタ51とアンカプレート52との間のシートベルト50の途中には、タングプレート53がスライド可能に取付けられ左ブラケット41と中ブラケット43の間のパイプ44には、タングプレート53を係合させる中央席用バックル54がブラケット45を介して取付けられている。シートベルト50は、中央席の着座乗員用のものである。中央席の着座乗員は、リトラクタ51から引き出したシートベルト50を右肩から左腰下にかけて身体上半部前面に掛け回すとともにアンカプレート52からのシートベルト50を腰部前面に掛け回してタングプレート53を中央席用バックル54に係脱可能に係合させる。これによって、通常状態の自動車用リアシート1において、中央席の着座乗員が身体にシートベルト50を掛け回して装着することができる。左ブラケット41の左側下方には、アーム55を介して車椅子乗員80に掛け回したシートベルト50のタングプレート53を係脱可能に係合させる車椅子用バックル56が取付けられている。すなわち、リトラクタ51、シートベルト50及びタングプレート53は中央席の着座乗員と車椅子乗員80に兼用可能なものとされている。なお、自動車用リアシート1には右席の着座乗員用のシートベルトや左席の着座乗員用のシートベルトも配設されているが本発明とは直接関係がないため図示及び説明を省略する。ここで、車椅子用バックル56が、特許請求の範囲の「バックル」に相当する。
図6~図9に示すように、左中央席クッション11は、その左右両サイドの後端部が左ブラケット41と中ブラケット43に対して同軸の回動軸46によって回動可能に取付けられている。これによって、左中央席クッション11は、通常状態とチップアップ状態とを採ることが可能とされている。また、右席クッション12は、その左右両サイドの後端部が中ブラケット43と右ブラケット42に対して同軸の回動軸46によって回動可能でチップアップ可能に取付けられている。左中央席クッション11と右席クッション12は、左右方向の大きさが異なるのみでチップアップ機構13及びレッグ14は実質的に同じなので代表として左中央席クッション11について説明する。
図8に示すように、チップアップ機構13は、左ブラケット41と中ブラケット43に対して回動可能に連結する回動軸46と、左中央席クッション11の左右両サイドの後端部側に固定され回動軸46を中心に回動可能な左右一対のアームプレート47と、を有する。左ブラケット41と左側のアームプレート47との間には、図示しないロック機構が設けられ左中央席クッション11の底面部に配設された図示しない操作レバーを操作することでロック、アンロックが可能とされている。図6に示すように、左中央席クッション11が通常状態とされているとき、チップアップ機構13は回動軸46まわりの左中央席クッション11の回動をロックした状態に保持している。左中央席クッション11をチップアップ状態にするときは、左中央席クッション11の上記操作レバーを操作して上記ロック機構をアンロック状態とする。そして、操作者が左中央席クッション11を回動軸46を中心に上方に跳ね上げることによって、左中央席クッション11が図7に示すようにチップアップ状態となる。左中央席クッション11がチップアップ状態となったところで、操作者が上記操作レバーの操作を解除することにより左中央席クッション11は上記ロック機構によってチップアップ状態でロックされた状態となる。この状態で、シートベルト50をチップアップ状態の左中央席クッション11の前方に配置し、後述の車椅子乗員80の使用に供する準備をする。こののち、図8に示すように同様な操作で右席クッション12をチップアップ状態とする。
図6及び図7に示すように、通常状態では、左中央席クッション11は、その前部が着座面とは反対側の底面部からフロアFに向かって略垂直に延びるレッグ14によって、フロアFに対して支持された状態とされている。このときのレッグ14の状態が展開状態である。レッグ14は、金属製の丸パイプ材が略U字状に折り曲げられて形成されたレッグフレーム15と、レッグフレーム15を前側と後側から最中状に覆う樹脂製のレッグカバー16と、を有する。レッグフレーム15にレッグカバー16が取付けられた状態でレッグ14は平板状とされている。レッグフレーム15は、U字の各端部がそれぞれ左中央席クッション11の前部の図示しない骨格部に対して左右方向に(シート幅方向に)延びるヒンジ軸15aにより回動可能に連結されている。そして、レッグフレーム15は、図6に示す展開状態と図7に示す左中央席クッション11の底面部に沿うように折り畳まれた折畳状態とを採れるようになっている。なお、レッグフレーム15は、左中央席クッション11との間に図示しない引張ばねが掛着されて上述の展開状態と折畳状態とにそれぞれ付勢方向が切換えられるようになっている。したがって、レッグフレーム15が展開状態から折畳状態に畳み込まれるとレッグフレーム15は左中央席クッション11の底面部に押さえつけられた状態となる。また、レッグフレーム15が折畳状態から展開状態に展開されるとレッグフレーム15は左中央席クッション11に対しての展開状態に維持された状態となる。左中央席クッション11を通常状態からチップアップ状態としたとき、レッグ14は展開状態のままとなっているので、左中央席クッション11をチップアップ状態としたのちレッグ14を折畳状態とする。左中央席クッション11をチップアップ状態から通常状態にするときはこの逆でレッグ14を展開状態にしたのち左中央席クッション11を通常状態にする。ここで、レッグフレーム15、レッグカバー16が、それぞれ、特許請求の範囲の「フレーム」、「カバー部材」に相当する。
図2~図5に示すように、レッグカバー16は、レッグフレーム15を前側から覆う前レッグカバー16aとレッグフレーム15を後側から覆う後レッグカバー16bとが最中状に重ね合わされることによって形成されている。レッグフレーム15の開口側の反対側を除く部分がレッグカバー16によって覆われている。これは、レッグフレーム15のU字の開口側と反対の側はフロアFに当接する部分であるからである。前レッグカバー16aは、左右両端部に設けられた左右一対のヒンジ軸カバー部16a1と、各ヒンジ軸カバー部16a1の間に設けられたメインカバー部16a2とを有する。各ヒンジ軸カバー部16a1は、ヒンジ軸15aを覆う部分であり、メインカバー部16a2の上面部16a3から上方に向けて突出して形成されている。後レッグカバー16bは、左右両端部に設けられた左右一対のヒンジ軸カバー部16b1と、各ヒンジ軸カバー部16b1の間に設けられたメインカバー部16b2とを有する。各ヒンジ軸カバー部16b1は、ヒンジ軸15aを覆う部分であり、メインカバー部16b2の上面部16b3から上方に向けて突出して形成されている。後レッグカバー16bの上面部16b3より下方の左右方向中央部の右寄りには前レッグカバー16aの方向に突出する上下一対の突出部16b4が設けられている。一対の突出部16b4の先端部側には、それぞれ互いに離隔する方向に延びる抜止突起16b41が設けられている。一対の突出部16b4の抜止突起16b41より根本側には、後述するリルータ60のループ部62aが係止されて保持される。後レッグカバー16bのメインカバー部16b2の右側には、レッグ14を折畳状態で左中央席クッション11をチップアップ状態にしたときの左中央席クッション11の前面に対向する面部から上面部16b3にかけて開口部16b5が形成されている。開口部16b5の下側周縁端部の左右方向中央部には、上方に向かって延びる突出板部16b51が設けられている。突出板部16b51は、レッグ14を折畳状態で左中央席クッション11をチップアップ状態にしたときの左中央席クッション11の前面に対向して形成されている。突出板部16b51が、後述するリルータ60の摺動体61の隙間部61cに挿入されることで後レッグカバー16bに対して摺動体61が脱着可能に保持される。各突出部16b4は、後レッグカバー16bの内側面に配設されているので外側から視認されることがなく外観の見栄え悪化を招かない。また、突出板部16b51は、後レッグカバー16bのレッグ14を折畳状態で左中央席クッション11をチップアップ状態にしたときの左中央席クッション11の前面に対向した面部に設けられているので、レッグ14の展開状態及び折畳状態において、外側から視認されにくく外観の見栄え悪化を招きにくい。ここで、突出部16b4と突出板部16b51が、それぞれ、特許請求の範囲の「被係止部」と「被係合部」に相当する。
図1及び図2に示すように、リルータ60は、シートベルト50の配索位置を変更可能な部材であり、シートベルト50を銜え込む部分である樹脂製の摺動体61と、摺動体61に対して一端部側が固定された紐状体62と、を有している。摺動体61は、平面視で略矩形状をした本体部61aと、本体部61aの長尺方向の両端部からシートベルト50の肉厚より若干広い間隙を隔てて互いに近づく向きに折り返し状に延びて形成された折り返し部61bと、を有している。本体部61aの長尺方向の寸法は、シートベルト50の幅寸法より長く形成されている。本体部61aと折り返し部61bとの間にはシートベルト50の肉厚より若干広い幅の隙間部61cが設けられている。この隙間部61cにシートベルト50の中間部分が嵌合された状態で摺動可能に連結される。また、リルータ60の格納時には、この隙間部61cに後レッグカバー16bの突出板部16b51が挿入されて保持される。紐状体62は、樹脂製の紐から形成され、一端部側が摺動体61の一方の折り返し部61bに取付けられ、他端部側には紐がループ状にされた状態で金属帯体によってかしめられたループ部62aが形成されている。紐状体62は、天然繊維製や皮革製であってもよいし金属製であってもよい。さらには、細帯状の形態をしていてもよい。
車椅子70に着座した車椅子乗員80が、身体をシートベルト50によって自動車ボデーに対して拘束する手順について説明する。図1に示すように、左中央席クッション11と右席クッション12をチップアップ状態とした自動車用リアシート1の前方のフロアFに車椅子乗員80が着座した状態で車椅子70を乗り入れフロアFに対し固定する。この固定は、具体的には車椅子70の左右の前輪近傍のフレームをベルト71でフロアFに対して牽引することにより行う。このとき、レッグ14は折畳状態にある。この状態で、車椅子乗員80の身体にシートベルト50を掛け回してタングプレート53を車椅子用バックル56に係合させる。具体的には、車椅子乗員80は、リトラクタ51から引き出したシートベルト50を右肩から左腰下にかけて身体上半部前面に掛け回すとともにアンカプレート52からのシートベルト50を腰部前面に掛け回してタングプレート53を車椅子用バックル56に係合させる。ここで、シートベルト50のリトラクタ51からの引き出し量は、自動車用リアシート1の中央席の着座乗員がシートベルト50を使用するときに比べて長くなる。次に、レッグカバー16の突出板部16b51からリルータ60の摺動体61を取り外して引き出し、シートベルト50の車椅子乗員80の肩部からリトラクタ51の間の部分に摺動体61を係合させて摺動可能に連結する。具体的には、摺動体61の隙間部61cにシートベルト50を挿入する。これによって、シートベルト50は車椅子乗員80の肩部に引き寄せられて配索され身体を自動車ボデーに対して拘束するのに適正な位置関係となる。なお、リルータ60の紐状体62の長さは、装着状態でシートベルト50の配索位置が車椅子乗員80にとって適正なものとなるよう前もって調整されている。リルータ60は、車椅子乗員80が乗車しないときにはシートベルト50から取り外されて摺動体61が突出板部16b51に係合されて保持される。
以上のように構成される実施形態は、以下のような作用効果を奏する。リルータ60によって車椅子乗員80の身体に対するシートベルト50の配索位置を車椅子乗員80の肩部から外れにくい位置に引き寄せて変更できるので安全性が向上する。ここで、リルータ60は、紐状体62のループ部62aがレッグカバー16の突出部16b4に取付けられているとともに、摺動体61がレッグカバー16の突出板部16b51に係合するようになっている。これによって、リルータ60は使用されないときレッグカバー16に適切に保持されて格納されるとともに、使用するときレッグカバー16から摺動体61が円滑に取り外されてシートベルト50に嵌合させられることができる。
また、レッグフレーム15は前レッグカバー16aと後レッグカバー16bで最中状に覆うように形成されており、突出板部16b51は後レッグカバー16bのレッグフレーム15の側の面に設けられている。これによって、突出板部16b51はレッグカバー16の外側から視認されないのでレッグ14の展開状態及び折畳状態のいずれにおいても外観品質の悪化を抑制できる。
さらに、開口部16b5及び突出板部16b51は、後レッグカバー16bのレッグ14を折畳状態で左中央席クッション11をチップアップ状態にしたときの左中央席クッション11の前面に対向する面部に設けられている。これによって、レッグ14の展開状態及び折畳状態のいずれにおいても突出板部16b51及びそれに係合した摺動体61が外側から視認されにくくさらに外観品質の悪化を抑制できる。加えて、リトラクタ51、シートベルト50及びタングプレート53は、左中央席クッション11が通常状態である場合に、左中央席クッション11に着座した乗員が使用可能である。これによって、車椅子用バックル56のみを車椅子乗員80のために設ければよいので、左中央席クッション11の構造が簡潔なものとなる。
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、次のようなものが挙げられる。
1.上記実施形態においては、左中央席クッション11とともに右席クッション12もチップアップした状態で車椅子70をフロアFに対し固定した。しかし、これに限らず、左中央席クッション11だけをチップアップ状態にして車椅子70をフロアFに対し固定してもよい。さらに、左中央席クッション11と右席クッション12が一体のタイプであってもよい。ただし、上記一体のタイプの場合は、シートベルト50をシートクッションの前方に配置するためのスリットを設ける等の工夫が必要となる。
2.上記実施形態においては、係止部である紐状体62のループ部62aを被係止部であるレッグカバー16の突出部16b4に係止することとした。しかし、これに限らず、係止部は紐状体62の先端部にフック等を設けてもよいし、被係止部はレッグカバー16にボルトで固定する部分であってもよいし、接着で固定する部分であってもよい。
3.上記実施形態においては、シートベルト50は自動車用リアシート1の中央席用のものとしたが、これに限らず、右席又は左席用のものであってもよい。例えば、自動車用リアシートが左右2人掛けタイプのものであったら、右席又は左席用のシートベルトを使用することになる。
4.上記実施形態においては、本発明を自動車のシートに適用したが、飛行機、船、電車等に搭載のシートに適用しても良い。
1 自動車用リアシート(乗物用シート)
10 リアシートクッション
11 左中央席クッション(シートクッション)
14 レッグ
15 レッグフレーム(フレーム)
15a ヒンジ軸
16 レッグカバー(カバー部材)
16a 前レッグカバー
16b 後レッグカバー
16b4 突出部(被係止部)
16b51 突出板部(被係合部)
20 シートバック
50 シートベルト
51 リトラクタ
53 タングプレート
56 車椅子用バックル(バックル)
60 リルータ
61 摺動体
62 紐状体
62a ループ部(係止部)
70 車椅子
80 車椅子乗員
F フロア(乗物ボデー)

Claims (2)

  1. 乗物用シートであって、
    該乗物用シートの前方の乗物ボデーに固定された車椅子に前方を向いて着座した車椅子乗員の身体を前記乗物ボデーに対して拘束するシートベルトを備えており、
    前記乗物用シートはシートクッションがシートバックの前面に沿うように跳ね上げられたチップアップ状態とすることが可能であり、
    前記乗物用シートが前記チップアップ状態のとき前方の前記乗物ボデーに前記車椅子が固定されるものであり、
    前記シートバックの上部後側の前記乗物ボデー又は前記シートバックに取付けられたリトラクタと、該リトラクタから繰り出されるとともに前記リトラクタの側の端部とは反対側の端部が前記乗物ボデーに固定された前記シートベルトと、前記シートベルトに対してスライド可能に取付けられたタングプレートと、該タングプレートが係脱可能に連結される前記乗物ボデーに固定されたバックルと、前記車椅子乗員の身体に前記シートベルトを掛け回したとき前記シートベルトの前記車椅子乗員の肩部から前記リトラクタの間の部分と前記シートクッションの上端部側との間に配設されたリルータと、を備えており、
    該リルータは、前記シートベルトの途中に摺動可能に嵌合した摺動体と、該摺動体に一端が固定され他端に前記シートクッションの上端部側に取付けられる係止部が設けられた紐状体と、を有しており、
    前記シートクッションの前記チップアップ状態の時における前記シートクッションの上端部側には、シート幅方向に延びるヒンジ軸を中心に回動可能で、前記シートクッションに対して略垂直の展開状態と、下方に回動させて前記シートクッションの前面に沿うようにした折畳状態と、を採ることが可能な平板状のレッグが設けられ、
    前記レッグは、骨格をなすフレームと、該フレームを覆う樹脂製のカバー部材から構成されており、
    該カバー部材には前記係止部が取付けられる被係止部と、前記摺動体が係合する被係合部と、が設けられており、
    前記被係合部は、前記レッグの前記折畳状態において、前記カバー部材の前記チップアップ状態の前記シートクッションの前面に対向する面部に設けられている乗物用シート。
  2. 請求項1において、前記カバー部材は、前記チップアップ状態の前記シートクッションに対して前記レッグを前記折畳状態としたとき、前記フレームを前側と後側から最中状に覆うように形成されており、前記被係止部は前記カバー部材の前記フレーム側の面に設けられている乗物用シート。
JP2019035851A 2019-02-28 2019-02-28 乗物用シート Active JP7210327B2 (ja)

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